【課題を解決するための手段】
【0034】
本開示のいくつかの実施形態は、患者の脊椎内への外科ケージまたは他の医療インプラントの留置中における骨グラフト材料のほぼ同時でかつ統合された精密な送出のための装置および方法に関する。統合型融合ケージおよび送出デバイス(「デバイス」)は、一般に、管状部材、および、骨グラフトを管状部材から外科融合ケージを通して骨グラフト受取りエリア内に吐出し、次に、人間の患者内の手術部位で融合ケージを脱係合するためのプランジャからなる。そのため、装置および方法は、単一ステップで、生物学的材料が、融合ケージ内にまた誘導ケージを通って直接流れ、椎間板空間内に分散することを可能にし、また、手術エリアに着脱式融合ケージを残す。他の実施形態およびこのデバイスに対する代替物が、以下でより詳細に述べられる。
【0035】
さらなる背景を提供するために、また、米国特許法第112条の書面による説明要件をさらに満たすために、以下の参考文献が、骨グラフトが使用される外科手技の性質を説明するため、また、骨グラフトに一般に関連する種々のツールおよび他の装置をさらに述べるために、参照によりその全体が組込まれる。以下の参考文献とは、Smith他に対する米国特許第6,309,395号、Smith他に対する米国特許第6,142,998号、Kemppanien他に対する米国特許第7,014,640号、Funk他に対する米国特許第7,406,775号、Michelsonに対する米国特許第7,387,643号、Ferreeに対する米国特許第7,341,590号、Michelsonに対する米国特許第7,288,093号、Ritlandに対する米国特許第7,207,992号、Byrd III他に対する米国特許第7,077,864号、Ferreeに対する米国特許第7,025,769号、Cornwall他に対する米国特許第6,719,795号、Michelsonに対する米国特許第6,364,880号、Suddabyに対する米国特許第6,328,738号、Marinoに対する米国特許第6,290,724号、Sandに対する米国特許第6,113,602号、Marinoに対する米国特許第6,030,401号、Bryan他に対する米国特許第5,865,846号、Ojima他に対する米国特許第5,569,246号、Rayに対する米国特許第5,527,312号、およびMichelsonに対する米国特許出願第2008/0255564号である。
【0036】
さらなる背景およびコンテキスを提供するために、また、米国特許法第112条の書面による説明要件をさらに満たすために、以下の参考文献が、融合ケージが使用される外科手技の性質を説明するため、また、融合ケージに一般に関連する種々のツールおよび他の装置をさらに述べるために、参照によりその全体が組込まれる。以下の参考文献とは、Moumene他に対する米国特許第6,569,201号、Brantiganに対する米国特許第4,743,256号、Abernathie他に対する米国特許出願第2007/0043442号、Pillarに対する米国特許第3,855,683号および米国特許第4,206,516号、Pavlov他に発行された米国特許第5,906,616号、McKayに対する米国特許第5,702,449号、Gresserに対するPCT出願WO99/08627、Molz他に対する米国特許出願第2011/0015748号、Hamadaに対する米国特許出願第2009/0187194号、Tohmehに発行された米国特許第7,867,277号明細書、Perez−Cruet他に対する米国特許第7,846,210号、Grotz他に発行された米国特許第7,985,256号、Lawsonに対する米国特許出願第2010/0198140号、およびAlfaroに対する米国特許出願第2010/0262245号である。
【0037】
さらなる背景およびコンテキスを提供するために、以下の参考文献が、脊椎融合の性質ならびに脊椎融合に一般に関連するデバイスおよび方法を説明するために、同様に参照によりその全体が組込まれる。以下の参考文献とは、Hedrick他に発行された米国特許第7,595,043号、Dolecek他に対する米国特許第6,890,728号、およびMandrusovに対する米国特許第7,364,657号である。
【0038】
本明細書で述べる種々の実施形態によれば、本発明は、患者の脊椎内への外科ケージまたは他の医療インプラントの留置中における骨グラフト材料のほぼ同時でかつ統合された送出を対象とする。骨グラフト材料の送出は、骨グラフト融合のために身体の任意のエリア、特に脊椎の椎間関節に対するものである。デバイスは、骨グラフト材料の送出に関して外科ケージのほぼ同時でかつ統合されたオプションの留置なしで使用されることができる。同様に、本発明は、骨関節の修復において、または、例として限定はしないが、臀部、膝、および種々の脊椎関節を含む身体内の人工装具デバイスの埋め込みに関連して使用されることができる。さらに、本発明は、骨成長を促進させるためまたは関節を初めて再構築するために骨グラフトが供給される1次手術、ならびに、1つまたは複数の手術を以前に受けたエリアにおいてフォローアップ手技が実施される再置換手術において使用されることができる。さらに、本発明は、外科手技、設置済みのまたは未設置の機械的または電気的デバイスの修理、ならびに爆発デバイスの装備または解除を含む、アクセスが制限される狭いエリアに所定の精度で材料が送出される任意のアプリケーションで使用されることができる。
【0039】
人間の患者で使用するのによく適するが、また、本発明の議論の多くが人間での使用に向けられるが、本発明によって提供される利点は、全てのタイプの動物および生体システムの利益および研究のために獣医および科学分野で実現されることができる。さらに、本発明の融合ケージは、2つの目標椎骨間の脊柱内への埋め込みに特によく適するが、また、本発明の議論の多くが、脊椎アプリケーションにおけるその使用に向けられるが、本発明の実施形態によって提供される利点はまた、2つ以上の骨構造の融合が所望される場合がある患者内の他の場所における埋め込みによって実現されることができる。当業者が認識するように、本発明は、脊椎損傷および疾病の処置に対する特定のアプリケーションを有する骨格修復および処置の一般的な分野におけるアプリケーションを有する。しかし、本発明の原理はまた、他のエリア、特に、さらなる流体材料を特定の領域に拘束する欲求が存在するエリアにおいてアプリケーションを見出しうることが認識されるべきである。たとえば、本発明は、さらなる材料を対象となる所定のエリアに拘束し、また、手術が終了するまでおよび/または所定の後の時間になるまで、こうした材料の望ましくない移行
を禁止することが目的である方法においてアプリケーションを見出す。
【0040】
本開示の種々の実施形態によれば、本発明の1つの態様は、実質的に中空であるかまたは少なくとも1つの内腔を含む管状部材を備え、かつ、全体が長方形の断面形状を有する統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスを提供することである。この全体が長方形の断面形状は、骨グラフト材料がそこを通して挿入され、そこを通して中空管状部材から吐出される大量の表面エリアを提供する。さらに、この全体が長方形の形状は、骨グラフトの送出のために骨グラフト送出デバイスによって頻繁にアクセスされるほとんどの椎間板空間の輪切除部のサイズまたは形状により一致する。しかし、当業者が認識するように、ツール断面は、全体が長方形の形状に限定される必要はない。たとえば、卵形状の断面、または、鈍角、鋭角、および直角を含むように少なくとも1つの規定された角度を有する断面は、ある状況では、特定の椎間板空間の輪切除部のサイズまたは形状により一致する形状を提供しうる。外科医に方向性配向(directional orientation)の指示を提供する
実質的に丸い形状もまた使用されることができる。
【0041】
「着脱自在に取付けられた(removably attached)」および、または「検出可能な(detachable)」との文言は、容易に解除可能である任意の種類の取付け具を示すために本明細書で使用される。
「統合型融合ケージ(integrated fusion cage)」、「脊椎融合インプラント(spinal fusion implant)」、「生物学的インプラント(biological implant)」、および/または「融
合ケージ(fusion cage)」との文言は、生物学的インプラントを示すために本明細書で使
用される。
【0042】
本開示の種々の実施形態によれば、中空管状部材が、椎間板空間などの骨グラフト受取りエリア内に骨グラフト材料を吐出すための、中空管状部材の側部面または表面上の少なくとも1つの開口を1つの先端部にさらに備え、それにより、構造的ケージインプラントなどのさらなるインプラントを通して中空管状部材から骨グラフト材料が吐出されることが別の態様である。さらに、グラフト材料は、ケージを囲みかつケージ内の創縁切除された椎間板空間のエリア内に分散される。さらに、構造的ケージインプラントは、手術エリア内に堆積されるように中空管状部材に着脱自在に取付けられる。そのため、デバイスは、構造的ケージインプラントを通して、創縁切除された椎間板空間内に骨グラフト材料を堆積させるための、統合されかつほぼ同時の方法において使用されることができる。
【0043】
本開示の種々の実施形態によれば、本発明の1つの態様は、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスであって、実質的に中空のチューブの先端部にピッタリ合い、かつ、中空チューブの先端部に実質的に一致する形状を有する生物学的インプラントを備える、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスの統合型融合ケージ着脱式構成要素を提供することである。しかし、統合型融合ケージの形状および構成は、全体が長方形の形状に限定される必要はない。たとえば、卵形状の断面、または、鈍角、鋭角、および直角を含むように少なくとも1つの規定された角度を有する断面は、ある状況では、特定の椎間板空間の輪切除部のサイズまたは形状により一致する形状を提供しうる。外科医に指向性配向の指示を提供する実質的に丸い形状もまた使用されることができる。
【0044】
好ましい実施形態では、融合ケージは、テーパ付き先端、および、内側表面に沿ういくつかの開口チャネルを有する。好ましい実施形態では、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスの融合ケージおよび/または骨グラフト送出部分は、楕円形か、長方形か、または正方形形状である。統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスは、手術椎間板空間内に骨グラフト材料を押し込むことを回避するように設計され、それにより、送出されることができる骨グラフト材料を制限し、利用可能な融合空間が、融合のために完全に利用されることを可能にしない。
【0045】
好ましい実施形態では、融合ケージは、椎間板を分離し、線維輪貫入を防止するために竜骨形先端を有する。同様に、融合ケージは、骨グラフト放出用の2重のポータルを有することができ、内側開口が側部開口より大きい。さらに、融合ケージは、調製された椎間板空間内にピッタリ嵌合するように、可変の高さおよび長さで設計されることができる。
【0046】
統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスを使用する好ましい方法は、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスを、本明細書に含まれる実施形態の1つまたは複数の実施形態において、手術エリアに精密に挿入することを含む。統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスは、その後、その1つまたは複数の実質的に中空のチューブ内を骨グラフト材料で満たされ、1つまたは複数のプランジャが、1つまたは複数の中空のチューブに挿入され、1つまたは複数のプランジャが、デバイスの最小プロファイルによって可能になるように、1つまたは複数の中空のチューブ内に押し込まれ、精密に誘導され、そこで、外科インプラントケージを通して手術エリア内にまた外科インプラントケージ内に骨グラフト材料を制御可能に堆積させる。外科インプラントデバイスは、その後、手術部位に残るために、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスから選択的に切離されることができる。
【0047】
統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスを使用する別の方法は、融合ケージ部分が調製された融合ケージにピッタリ嵌合するように、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスを、調製された融合ケージに挿入すること(融合ケージは、調製された椎間板空間内にピッタリ嵌合するように、可変の高さおよび長さで設計される)、中空シャフトを通して生物学的融合材料(たとえば、骨グラフト)を押出すために中空シャフトを通してプランジャを押出すことであって、それにより、中空チューブおよびプランジャに連通する融合ケージの側部および/または内側開口ポータルを通して生物学的材料を流す、押出すことを含み、それにより、生物学的材料を、調製された椎間板空間内に送出し、その後、融合ケージが中空チューブから切離され、椎間板空間内に残される。そのため、融合ケージは、融合ケージ内でおよび/または椎間板空間内で融合ケージを囲んで、最大のおよび/または最適な量の生物学的材料がほぼ同時に送出された状態で椎間板空間内に残される。
【0048】
述べた統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスを使用することは、従来の別々の骨グラフト材料の適用および融合ケージの挿入に伴う問題を克服する。特に、従来の方法では、骨グラフト材料を含まない椎間板空間の体積は制限され、それが、たとえば、外科手技の有効性を制限する。たとえば、従来の2ステップ手技を使用すると、骨グラフトが、たとえば半径rの円柱状エリア内に8mmの高さhまで挿入され、次に、円柱状融合ケージが14mmの高さhまで挿入されることができる。そのため、手術エリアが、骨グラフト材料の完全な体積がない状態で残される。すなわち、円柱の体積はVolume=πr
2hであるため、骨グラフトエリアは、πr
2(14mm−8mm)または6πr
2の骨グラフト材料がない状態で残される。(これは、これらの例の寸法の場合、手術部位に送出される骨グラフト材料の75%の増加を示すことに留意されたい)。これは、骨グラフト材料を事実上希釈し、その有効性を減少させる。本発明は、椎間板空間の離開が融合ケージの適用と実質的に同時に実施されるため、利用可能な椎間板空間を骨グラフト材料で大幅にまたは完全に満たしうる。調製された椎間板空間により多くの生物学的材料が送出されるため、融合速度が上がるべきである。同様に、単一ステップとしての切離しのために位置決めされる(また、その後、切離される)融合ケージを通して、融合材料、すなわち骨グラフト材料を直接埋め込むことによって、時間が節約され、融合部位での敏感な神経組織の操作が少なくなる(安全性が増加する)。
【0049】
さらに、方法が、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスを、本明細書に含まれ
る実施形態の1つまたは複数の実施形態において、構造的ケージインプラントなどの1つまたは複数のさらなるインプラントを既に含む場合がある手術エリアに精密に挿入することを含むように、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスが、外科インプラント送出デバイス部分がない状態で使用されることができる。統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスは、その後、その1つまたは複数の実質的に中空のチューブ内を骨グラフト材料で満たされ、1つまたは複数のプランジャが、1つまたは複数の中空のチューブに挿入され、1つまたは複数のプランジャが、1つまたは複数の中空のチューブに挿入され、1つまたは複数のプランジャが、デバイスの最小プロファイルによって可能になるように、1つまたは複数の中空のチューブ内に押し込まれ、精密に誘導され、そこで、既に存在する場合がある任意の構造的ケージインプラントまたは他のインプラントの経路内に骨グラフト材料を堆積させることなく、手術エリア内に骨グラフト材料を制御可能に堆積させる。
【0050】
本発明のなおさらなる態様によれば、統合型融合ケージは、グラフト送出デバイスを使用することなく、すなわち、インプラントに係合する能力を有する種々の適した手術器具の任意の器具を使用して脊椎目標部位に導入されることができる。統合型融合ケージは、最小侵襲性外科手技で使用されることが可能であり、挿入用の比較的小さな手術コリドーだけを必要とする。
【0051】
本発明のなおさらなる態様によれば、本発明の統合型融合ケージは、限定はしないが(また、単に例として)、片側、片側と両側の対を含む融合手技において種々の構成で使用されることができる。
【0052】
さらに、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスならびに使用方法は、側面からの融合ケージを、頸椎の前方融合ケージのすぐ前にまたはその中に位置決めし送出することに適用可能である。
【0053】
好ましい実施形態では、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスは、中空チューブを備える、または、骨グラフトを受取るように構築された少なくとも1つの内腔を含み、また、中空チューブ内に少なくとも部分的に、好ましくは中空チューブの全範囲にわたって挿入するために適合されたプランジャを備える。いくつかの実施形態のプランジャは、全体が中空チューブの中空内部部分と同じ幾何学的構成であり、それにより、プランジャが、中空チューブに完全に挿入されると、中空チューブの中空内部部分に実質的に一致する、たとえば、プランジャと中空チューブは共に、実質的に同じ形状および/またはクラスである。プランジャは、好ましくは、中空チューブとほぼ同じ長さだけ延在し、端部分、たとえば、ユーザによって、あるいは、ロボットの、自動の、または半自動のコントロールまたは手術において機械によって把持し操作するための少なくとも1つのノブまたはハンドルをさらに備える。
【0054】
同様に好ましい実施形態によれば、中空チューブの中空内部部分は、中空チューブの側面内の側部窓または開口に隣接しかつ対向する(たとえば、骨グラフト材料の堆積用の場所の近くに位置決めされた)第2の端部に傾斜または湾曲表面をさらに備える。中空チューブの内部が、その第2の端部に傾斜または湾曲表面を備えるため、プランジャはまた、プランジャの第2の端部に傾斜または湾曲表面を備える。プランジャは、その第2の端部の湾曲表面に対向して、中空チューブの第2の端部の側部窓または開口に対応する側方に面する表面で終端する。中空チューブの先端部は、中空チューブの1つまたは複数の開口と整列する1つまたは複数の開口を装備した、中空チューブの外側表面を覆う実質的に共形の融合ケージを装備する。そのため、協働して、プランジャは、中空チューブの開口に挿入され、少なくともプランジャの側方に面する表面が中空チューブの第2の端部の側部窓または開口と連通する地点まで、中空チューブの全長にわたって延在することができる
。この構成は、ユーザが、外科手技中に、中空チューブの外側表面を覆う実質的に共形でかつ着脱式融合ケージを通して、骨グラフト受取りエリアにおいて側部方向に、中空チューブ内に留置される実質的に全ての骨グラフト材料を吐出し、任意選択で、着脱式融合ケージを切離すことを可能にする。
【0055】
好ましい実施形態では、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスは、統合型融合ケージを備え、統合型融合ケージは、第1の基端部および第2の先端部を備え、第1の基端部は、中空チューブの先端部に対する嵌合および/または係合を可能にするように適合された開口を含む。この嵌合および/または係合は、中空チューブの外側表面上および/または中空チューブの内部の内側とすることができる。さらに、統合型融合ケージは、中空チューブの先端部の1つまたは複数の開口に整列する、1つまたは複数の内側開口および1つまたは複数の側部開口を備えることができる。さらに、統合型融合ケージは、統合型融合ケージの1つまたは複数の内側表面に沿ってベルトまたは条痕などの表面を含むことができる。統合型融合ケージは、プランジャが、中空チューブに完全に挿入されると、中空チューブの中空内部部分に実質的に一致する、たとえば、プランジャと中空チューブが共に、実質的に同じ形状および/またはクラスであるように構成され、骨グラフト材料が、統合型融合ケージを通して手術エリア内に送出される。
【0056】
本発明の脊椎融合インプラントは、整形外科目標部位に沿って一時的または永久的な固定を提供するために使用されることができる。
本発明の脊椎融合インプラントは、脊椎融合インプラントを通して骨ブリッジが形成することを可能にする、上部表面と下部表面との間に延在する1つまたは複数のアパーチャなどの、融合を促進するための任意の数のさらなるフィーチャを備えることができる。
【0057】
脊椎融合インプラントはまた、埋め込み後に椎間板空間からインプラントが移動するまたは動くことを防止する任意の数の適した移動防止フィーチャを備えることができる。適した移動防止フィーチャは、インプラントの上部および下部表面に沿って形成された角度付き歯またはリッジおよび/または先端部および/または基端部内に配設されたロッド要素を含むことができるが、必ずしもそれに限定されない。
【0058】
本発明のさらなる態様によれば、脊椎融合インプラントは、基端部および/または先端部に1つまたは複数のX線撮影用マーカを備えることができる。これらのマーカは、(X線撮影によって)挿入後のインプラントのより詳細な可視化を可能にし、インプラントのより正確でかつ有効な留置を可能にする。
【0059】
本発明のなおさらなる態様によれば、脊椎融合インプラントの先端部は、一対の第1のテーパ付き(角度付き)表面および一対の第2のテーパ付き(角度付き)表面を含む円錐(弾丸状)形状を有することができる。第1のテーパ付き表面は、インプラントの側部表面と先端部との間に延在し、脊椎融合インプラントの挿入中に目標椎間空間に隣接する椎骨を離開するように機能する。第2のテーパ付き表面は、脊椎融合インプラントの上部表面と下部表面と先端部との間に延在し、隣接する各椎体の皮質リングの前部分との接触を最大にするように機能する。さらに、第2のテーパ付き表面は、椎体端板の輪郭とのよりより嵌合を実現し、脊椎融合インプラントのより前方の位置決め、したがって、椎体の皮質リングの有利な利用を可能にする。
【0060】
統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスについての別の実施形態は、いくつかの手段の任意の手段によって着脱可能であるまたは着脱自在に取付けられる着脱式融合ケージを備える。先に開示したように、一実施形態では、融合ケージは、中空チューブの外側表面を覆う点で、中空チューブの先端部と実質的に共形であり、融合ケージは、中空チューブの1つまたは複数の開口に整列する1つまたは複数の開口を持つように構成される。
1つの好ましい実施形態では、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスの融合ケージは、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスが手術部位に挿入されると、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスが骨および/または椎骨を押し付けるように、融合ケージとの締りばめを形成し、それにより、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスに対して軸方向力が後方向に(統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスの基端部に向かって)加えられると、融合ケージは、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスから切離れ、それにより、手術部位に残る。
【0061】
統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスならびにその使用方法についての別の実施形態では、融合ケージは、融合ケージが埋め込まれた後に骨グラフト材料で実質的に満たされる。統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスならびにその使用方法についての別の実施形態では、融合ケージは、融合ケージの埋め込みと同時に骨グラフト材料で実質的に満たされる。
【0062】
統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスならびにその使用方法についての別の実施形態では、融合ケージおよび/または融合ケージに関連する骨グラフト材料は、後続の外科手術中にアクセスされることができる。
【0063】
統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスならびにその使用方法についての別の実施形態では、融合ケージは、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスと独立に設置されるかまたは統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスと協調して設置されることができる別個のデバイス、たとえば予めパッケージングされたインプラントである。いずれの状況でも、デバイスは、予めパッケージングされたインプラント内におよび/またはその周りに骨グラフト材料を提供するために使用されることができる。
【0064】
統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスならびにその使用方法についての別の実施形態では、骨グラフト材料の一部または全ては、予めパッケージングされたインプラントの構成要素として提供される。
【0065】
統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスについての別の実施形態では、着脱式融合ケージは、中空チューブの内部に貫入するインデントタブによって着脱可能であり、それにより、プランジャが中空チューブに実質的に挿入されると、インデントタブが、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスにもはや取付けられないように中空チューブの内部から押出され、それにより、手術エリアに残る。
【0066】
別の実施形態では、中空チューブは、円柱形状であり、融合ケージの1つまたは複数のロック用スロットに係合するように構成された1つまたは複数のロック用タブまたはインデントタブを含む。ロック用タブは、ロック用スロットに永久的に係合するかまたは永久的に係合せず、長方形、円形、および楕円形を含む形状とすることができる。ロック用タブおよびロック用スロットの一実施形態では、ロック用タブおよびロック用スロットは、中空チューブを時計方向に回転させることによって互いに係合し、反時計方向回転によって解除される。ロック用タブおよびロック用スロットの構成の別の実施形態では、ロック用タブおよびロック用スロットは、中空チューブを反時計方向に回転させることによって互いに係合し、時計方向回転によって解除される。
【0067】
別の実施形態では、融合ケージは、骨グラフト材料を、融合ケージ内の1つまたは複数の開口に送るのを補助する内部ランプを有する。
統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスについての別の実施形態では、着脱式融合ケージは、融合ケージを切離し、それにより、融合ケージを手術エリア内に堆積させるために、ユーザが与える電気的な、機械的な、空気圧的な、水圧的な、または他の連通を
プランジャおよび/または中空チューブ上で受取ることによって着脱可能である。
【0068】
統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスについての別の実施形態では、着脱式融合ケージは、Luer−Lok(登録商標)またはLuer−Slip(登録商標)構成あるいは任意の他のルアーテーパまたはルアーフィッティング接続構成などのルアーテーパまたはルアーフィッティング接続によって着脱可能である。例証のために、また、任意の1つの実施形態に適用されることを望むことなく、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスの融合ケージを選択的に切離す手段についての例証的でかつ実施可能な程度の開示および全体的な説明を提供するために、以下の米国特許出願が参照により本明細書に組込まれる:Chenに対する米国特許出願第2009/0124980号。
【0069】
統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスについての別の実施形態では、着脱式融合ケージは、取付け、取外し、および軸方向移動を達成するために、ネジ込み式回転による椎弓根ダーツ(pedicle dart)によって着脱可能である。他の方法は、迅速キー挿入、外部スナップデテント、または磁気誘引あるいは任意の他の構造を含む。例証のために、また、任意の1つの実施形態に適用されることを望むことなく、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスの融合ケージを選択的に切離す手段についての例証的でかつ実施可能な程度の開示および全体的な説明を提供するために、以下の米国特許出願が参照により本明細書に組込まれる:Hamadaに対する米国特許出願第2009/0187194号。
【0070】
統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスについての別の実施形態では、着脱式融合ケージは、磁気作用の使用によって着脱可能である。より具体的には、着脱式融合ケージは、調整可能である磁界パターンおよび結果として得られる力Rを備えることを特徴とするように作られることができ、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスの残りと異なる特性を有することができる。永久磁石の場合、こうした調整は、種々の永久磁石の極性幾何形状(polar geometry)および対応する形状を互いに対して配向させることによって機械的に行われうる。Moisdonに対する米国特許第5,595,563号は、こうした調整技法に関するさらなる背景を述べており、参照によりその全体が組込まれる。別法としてまたは付加的に、調整性を提供するために、電磁石が、永久磁石と組合せて使用されうる。さらなる実施形態では、磁石と対応する場と結果として得られる磁界パターンは、反対の極タイプを互いに近接して設置することによる誘引力と、同じ極タイプを互いに近接して設置することによる反発力の両方を含みうる。本明細書で使用されるように、「反発磁力(repulsive magnetic force)」または「反発力(repulsive force)」は、反
対の磁極が互いに近接して設置されることによって同様に存在する誘引力がある状態かまたはない状態で、同じ磁極を互いに近接して設置することに起因する力を指し、また、複数の事例が存在するとき、こうした力の任意の1つの力をさらに指す。米国特許第6,387,096号は、誘引磁力と共に提供される反発力に関するさらなる情報源として引用されており、参照により組込まれる。別の代替の実施形態の例では、融合ケージの表面の1つまたは複数は、椎骨表面に関する引っかかりを確保するために、粗化されるまたはその他の方法で骨係合構造を含む。さらに他の実施形態では、着脱式融合ケージと統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスとの間の選択可能で着脱式フィーチャは、1つまたは複数のテザー、ケーブル、編組、ワイヤ、コード、バンド、フィラメント、および/またはシート;有機ポリマー、金属、および/または複合材からなる非布地チューブ;布状、糸状、繊維状、および/または織り状構造を含む場合があるまたは含まない場合があるアコーディオンまたはベローチューブタイプ;これらの組合せ、あるいは、当業者が思いつくであろうこうした異なる配置構成を含みうる。別法としてまたは付加的に、着脱式融合ケージと統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスとの間の選択可能で着脱式フィーチャは、複数の部材または複数の部分の間に1つまたは複数の開口を提示するように配置されることができ、こうした開口は、融合ケージの端部分の間に延在する。例証のため
に、また、任意の1つの実施形態に適用されることを望むことなく、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスの融合ケージを選択的に切離す手段についての例証的でかつ実施可能な程度の開示および全体的な説明を提供するために、以下の米国特許出願が参照により本明細書に組込まれる:Molz他に対する米国特許出願第2011/0015748号。
【0071】
統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスについての別の実施形態では、着脱式融合ケージは、磁気作用の使用によって着脱可能である。プラズマ処理の使用によって着脱可能である。この文脈における用語「プラズマ(plasma)」は、イオン、ラジカル、電子、および光子などの励起種を含む電離ガスである。(LunkおよびSchmid,Contrib.Plasma Phys.,28:275(1998))。用語「プラズマ処理(plasma treatment)」は、限定はしないが、O
2、He、N
2、Ar、およびN
2Oを含むプロセスガスから生成されるプラズマを使用して表面が改質されるプロトコルを指す。プラズマを励起するために、エネルギーが、電極を通してシステムに印加される。この電力は、交流(AC)、直流(DC)、無線周波数(RF)、またはマイクロ波周波数(MW)とすることができる。プラズマは、真空または体気圧で生成されることができる。プラズマはまた、ポリマー、セラミック、または金属薄膜を表面上に堆積させるために使用されうる。(Ratner,Ultrathin Films(by Plasma deposition),11 Polymeric Materials Encyclopedia 8444−8451,(1996))。プラズマ処理は、限定はしないが、骨および骨複合材料を含む、異なるまたは固有のサイズ、形状、および幾何形状を有する基質の表面特性を一律に変える有効な方法である。プラズマ処理は、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスの要素に磁気特性をもたらすために、または、融合ケージの選択的な切離しを行うために使用されることができる。例証のために、また、任意の1つの実施形態に適用されることを望むことなく、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスの融合ケージを選択的に切離す手段についての例証的でかつ実施可能な程度の開示および全体的な説明を提供するために、以下の米国特許出願が参照により本明細書に組込まれる:Zanella他に対する米国特許第7,749,555号。
【0072】
融合ケージが、たとえば、機械的にヘッドを把持する手段、真空によってアタッチする手段、および摩擦によってアタッチする手段、または、装置のヘッドを装置のシャフトに取付けるための当業者に知られている他の手段によって、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスに選択的に着脱可能であるとすることができることを当業者は認識するであろう。
統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスの先端部が、手技を補助する種々の他のツールを装備することが本開示の別の態様である。こうしたツールは、たとえば、埋め込み部位および周囲組織の状態を評価するために使用されるデバイスを含むことができる。これは、たとえば、視覚検査および写真撮影用の画像または画像を担持する信号を送信または提供するデバイスを含むことができる。こうした画像取込みデバイスは、たとえば、画像取込みおよび/または送信デバイスに結合されたインプラント部位を照明するデバイスを含むことができる。別のツールはまた、たとえば、手術部位の灌流またはドレナージを補助するデバイス、組織をサンプリングするかまたは組織の生検を実施するために使用されるツールを含むことができる。
【0073】
統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスについての別の実施形態は、骨グラフトを受取るように構築された中空チューブであって、基端部および先端部を有する、中空チューブと、中空チューブの基端部で中空チューブ内に少なくとも部分的に挿入するために適合されたプランジャとを備え、それにより、プランジャは、前記中空チューブ内への挿入中のプランジャの回転を防止するように中空チューブに対して構築され配置され、それにより、プランジャは、中空チューブの先端部の内部表面に合うように輪郭付けられてい
る先端部を有するため、プランジャの輪郭付けられた先端部が中空チューブの先端部の内部表面にほぼ一致して、中空チューブによって受取られる骨グラフトの実質的に全てを除去し、それにより、骨グラフト材料がグラフト受取りエリアに送出される。さらに別の実施形態は、中空チューブの縦軸に沿うプランジャの回転移動であって、中空チューブを通してプランジャが押し込められるときにプランジャが中空チューブを降下するにつれて、実質的に一定の送出圧力および/または送出レートの骨グラフト材料を送出する、回転移動を容易にする中空チューブ内部の施条構造を提供する。施条またはネジ様移動はまた、全回転について材料の所定の送出になることができる。たとえば、プランジャのそれぞれの360°の回転は、5ccの骨グラフト材料が骨グラフト部位に送出されることに等しい。
【0074】
本発明の別の態様は、中空チューブおよびプランジャ組立体を設けることを含み、中空チューブおよび/またはプランジャ組立体は使い捨てである。チューブはまた、最終的な埋め込みを損なうことなく、導管内に留まることができる生体適合性材料の少なくとも所定部分とすることができる。あるいは、チューブは、骨の成長またはインプラントの安定性に干渉しないように、埋め込み後の導管内の、吸収性ポリマーなどの、吸収性がある材料とすることができる。
【0075】
本発明のさらなる実施形態は、中空チューブ要素内に、または複数の中空チューブ要素が存在する場合、中空チューブ要素の1つまたは複数の中空チューブ要素内にロードするための予めパッケージングされたインサートを提供する。予めパッケージングされたインサートは、患者自身の骨グラフト物質を含むために、変動する長さを持つ、かつ/または、いろいろな材料または構成要素で層状化されることができる。
【0076】
本発明の別の実施形態は、統合型融合ケージおよびグラフト送出システムを提供し、そのシステムによって、中空チューブおよび/または中空チューブ/プランジャ組立体が、患者を開放する前に調製されることができ、したがって、外科的埋め込みまたは他の手技の移植態様の全体的な影響を最小にする。さらに、中空チューブが、プラスチックか、金属か、または任意の他の材料のいずれで作られても、ある期間、骨グラフトが中空チューブ内に入った状態で格納されるように作られることができる。手術アプリケーションに応じて、手術時にプランジャが少なくとも部分的に挿入されるように、格納のためにチューブを部分的に満たすだけであることが望ましい場合がある。
【0077】
本発明のさらなる実施形態は、骨グラフト挿入装置を提供し、骨グラフト挿入装置は、骨グラフトを受取るように構築された中空チューブであって、基端部および先端部を有する、中空チューブを備え、それにより、中空チューブは、中空チューブの先端部の表面上に少なくとも1つの開口を含む。少なくとも1つの開口は、好ましくは、デバイスのアキシャル軸または縦軸に完全に沿う以外の仕方で位置決めされる。こうした開口の数およびサイズおよび形状は変動しうるが、こうした開口は、好ましくは、実質的に中空のチューブのアキシャル範囲を実質的に横断する方向に骨グラフト材料を送出するように適合される。一実施形態では、2つ以上のアパーチャが設けられる。いくつかの実施形態では、アパーチャは、中空チューブの同じ面にあり、他の実施形態では、アパーチャは、中空チューブの異なる面(たとえば、対向する面)にある。中空チューブ内に少なくとも部分的に挿入するために適合されたプランジャは、少なくとも1つの実質的に平坦な輪郭を提示するために、中空チューブに対して構築され配置され、それにより、プランジャは、中空チューブの先端部の内部表面に合うように輪郭付けられている先端部を有するため、プランジャの輪郭付けられた先端部が中空チューブの先端部の内部表面にほぼ一致する。これは、中空チューブによって受取られる骨グラフトの実質的に全てを除去することを容易にする。得るのに費用がかかりかつ/または難しいため、骨グラフト材料の実質的に全てを除去することは重要である。
【0078】
本開示の別の実施形態では、プランジャの先端部は、たとえば、ユーザが先端部を操縦し、それにより、中空チューブ内の任意の骨グラフト材料を埋め込み部位にもたらすことを可能にするように軟質である。いくつかの実施形態の軟質の態様は、本質的に受動的と能動的の両方でありうることを当業者は認識するであろう。プランジャの先端部における能動的な軟質性および操作は、たとえば、プランジャのシャフトの縦軸に沿う、ガイドワイヤなどの操作用構成要素を含む、内視鏡の操作能力を組込むことができる。
【0079】
本開示の別の実施形態では、中空チューブの先端部および基端部は、ワイヤなどの、電気的な、水圧的な、空気圧的な、または機械的な伝達を可能にする導管を介して連通状態にある。こうした水圧的な連通は、たとえば、医療液体または他の液体が、手術エリアに送出されるまたは手術エリアから抽出されることを可能にする。こうした機械的な連通は、たとえば、先端部が精密に操縦されることを可能にする。
【0080】
本開示の別の実施形態では、中空チューブおよび/またはプランジャは、中空チューブ/プランジャの第2の端部における傾斜または湾曲表面に加えて、湾曲することができる、かつ/または、角度的態様を有することができる。この形状は、たとえば、外科医が送出デバイスを埋め込み部位により快適に導入するのを補助する、身体の右または左側の埋め込み部位によりよく対処するように形作られる、または、右ききまたは左ききの外科医によりよく対処するように形作られることができる。送出デバイスは、本開示の実施形態の態様を可能にするかまたは人間工学を支援する複数の角度および湾曲態様を有することができることを当業者は認識するであろう。
【0081】
本開示の一実施形態では、デバイスは、手術中に患者に対する損傷のリスクを防止または軽減するために、手術部位に最も近い管状デバイスの先端部に足場または棚をさらに備える。この実施形態によれば、足場は、軟質、半軟質、半硬質、または硬質とすることができる。足場は、プランジャが挿入されているとき、または、外科医による中空チューブまたはプランジャの突固め中に、患者の解剖学的構造が統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスの中空チューブによって貫入される(種々の理由で外科手技中に起こる可能性がある)ことを防止するのに役立つ。いくつかの実施形態では、中空チューブの先端部領域は、中空チューブの残りと比べて軟質の、可鍛性の、および/または硬質でない材料を含む。たとえば、先端部は、生物活性コラーゲンで作られうる。
【0082】
統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスであって、骨グラフト材料が、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスに挿入され、骨グラフト受取りエリアに吐出されなければならない、手術で使用するための1つまたは複数の着脱式要素を含む、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスを提供することは、本開示のさらに別の態様である。種々の実施形態によれば、これらの着脱式デバイスは、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスの把持可能端部で骨グラフト材料を集め挿入するための着脱式漏斗を含むことができる。本開示はまた、手術部位の外科医の視界を遮ることを回避するために選択的に取除かれることができる着脱式ハンドルを有するプランジャを備えることができる。統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスは、中空管状部材の一方の先端部に着脱式足場または棚をさらに備えることができる。一実施形態では、この足場または棚は、中空チューブに沿う種々の地点の周りで選択的に位置決め可能である。たとえば、中空チューブの先端部分は、骨グラフト材料がどこに送られるかに関して外科医が角度方向制御を有するように、椎間板空間のエリアに骨グラフト材料を送出するために位置決めされうる回転可能部分を有する。中空チューブの基端部の漏斗か、中空チューブに取付けられる外部または内部ガイドワイヤか、または骨グラフト材料の送出部位の近くに位置決めされるカメラなどの、他の着脱式要素もまた、本発明に関して企図される。
【0083】
そのため、本開示の種々の実施形態によれば、骨グラフト材料を、所望の手術部位(「骨グラフト受取りエリア(bone graft receiving area)」)に導入する方法は、全体が長
方形の断面エリアを備える中空管状部材の使用によって行われ、それにより、所望の手術エリアが、少なくとも1つのプランジャを受取ることが可能である。1つまたは複数のプランジャは、(デバイスの主軸の方向に対して)全体が縦方向と対照的に、全体が側部方向に、関節空間内にまたは椎間部材間に挿入される、吐出される骨グラフトまたは他の材料を収容するように設計される少なくとも1つの先端部を有する。
【0084】
管状デバイスの先端部は、上述した特定の実施形態に限定される必要がないことを当業者は認識するであろう。本発明の先の態様を可能にする他の形態、形状、または設計が、本開示に組込まれる。手術部位に対する骨または骨置換物の側方導入を実施するために管状デバイスの端部を設けることに関連する形態、形状、または設計は、本開示の範囲内にあると考えられる。
【0085】
本発明の一態様は、骨グラフトを、身体内の骨グラフト受取りエリアに、部分的に形成された状態、完全に形成された状態、または未形成状態で送出するための統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスシステムを提供する。
【0086】
さらに別の実施形態では、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイスの中空チューブは、中空チューブの把持可能端部上に漏斗をさらに備えることができ、漏斗は、中空チューブ内への新しいまたは追加の骨グラフトの挿入を容易にするために、中空チューブの把持可能端部の周りに選択的に位置決めされることができる。漏斗は、中空チューブに挿入される骨グラフト材料の性質に応じて種々の形状およびサイズをとることができる。
【0087】
実質的に中空のチューブの一実施形態は、中空チューブが入れ子式であり、それにより、その長さが、外科医の特定の欲求および/または手術エリアに適合することを可能にする。この実施形態では、プランジャはまた、実質的に中空のチューブの構成および/またはサイズおよび/または形状に実質的に一致するように入れ子式とすることができる。
【0088】
別の実施形態では、デバイスの1つまたは複数の中空チューブのサイズおよび/または形状は、手術部位への骨グラフト材料の送出のために、デバイスがそこを通して合わされる1つまたは複数のカニューレに嵌合する、かつ/または、1つまたは複数のカニューレのアパーチャに対するアクセスを実質的に曖昧にしないサイズに作られる。この実施形態では、デバイスの中空チューブとプランジャの1つまたは複数の対は、手術部位に対するアクセスを実質的に損なわないし、手術部位の外科医の視界も実質的に損なわない。
【0089】
本発明の一実施形態では、骨グラフト挿入装置は、骨グラフトを受取るように構築された中空チューブであって、伸張軸と基端部と先端部とを有し、前記先端部は内部表面を有する、中空チューブと、前記中空チューブの前記基端部に挿入するために適合されたプランジャであって、前記中空チューブの前記先端部の近くの少なくとも1つの開口を通して前記中空チューブ内の骨グラフト材料がグラフト受取りエリアに送出されるように、前記中空チューブの前記先端部の前記内部表面に合うように輪郭付けられている先端部を有する、プランジャとを備え、前記グラフト受取りエリアは、少なくとも1つの実質的に中空のインプラントを収容するように構成される。
【0090】
本発明の別の実施形態では、骨グラフト挿入装置は、骨グラフトを受取るように構築された中空チューブであって、基端部および先端部を有する、中空チューブを備え、それにより、前記中空チューブは、前記中空チューブの前記先端部の表面上に少なくとも1つの開口を含み、それにより、前記中空チューブの前記先端部の表面上の前記開口は、装置のアキシャル軸または縦軸に完全に沿う以外の仕方で位置決めされ、前記中空チューブの基
端部で前記中空チューブ内に少なくとも部分的に挿入するために適合されたプランジャを備え、それにより、前記プランジャは、少なくとも1つの実質的に平坦な輪郭を提示するために、前記中空チューブに対して構築され配置され、それにより、前記プランジャは、前記中空チューブの前記先端部の内部表面に合うように輪郭付けられている先端部を有するため、前記プランジャの前記輪郭付けられた先端部が、前記中空チューブの前記先端部の前記内部表面にほぼ一致して、前記中空チューブによって受取られる前記骨グラフトの実質的に全てを除去し、それにより、前記骨グラフトがグラフト受取りエリアに送出される。
【0091】
本発明の別の実施形態では、骨グラフトを挿入する方法は、骨グラフトを受取るために手術エリアを調製すること、ツールを前記手術エリアに挿入することを含み、前記ツールは、骨グラフトを受取るように適合された中空チューブ、前記中空チューブに挿入するために適合されたプランジャであって、前記中空チューブ内への挿入中に回転を防止するように構築され、前記中空チューブの先端部の内部表面に合うように輪郭付けられている先端部を有する、プランジャから本質的になり、骨グラフト材料を前記ツールの前記中空チューブ内に提供すること、前記プランジャを前記中空チューブの基端部に挿入すること、前記ツールの前記中空チューブの前記先端部を手術エリアに挿入すること、前記プランジャに力を加えることであって、それにより、前記中空チューブを通して前記プランジャを進ませ、前記骨グラフトが前記手術エリアに挿入される、加えることを含む。
【0092】
本発明の別の実施形態では、統合型融合ケージおよびグラフト送出デバイス装置は、骨グラフトを受取るように構築された中空チューブであって、伸張軸と基端部と先端部とを有し、先端部は内部表面を有する、中空チューブと、中空チューブの基端部に挿入するために適合されたプランジャであって、中空チューブの先端部の内部表面に合うように輪郭付けられている先端部を有する、プランジャと、選択可能に着脱式融合ケージとを備え、選択可能に着脱式融合ケージは、中空チューブの先端部の近くの少なくとも1つの開口に実質的に整列する少なくとも1つの開口を有するため、中空チューブ内の骨グラフト材料が、選択可能に着脱式の融合ケージの少なくとも1つの開口を通してグラフト受取りエリアに送出され、また、選択可能に着脱式の融合ケージは、切離すための手段を有し、それにより、融合ケージがグラフト受取りエリアに送出される。
【0093】
本発明の開示が種々のサイズを有することができることを当業者は認識するであろう。本開示の実施形態の種々の要素のサイズは、たとえば埋め込み患者の解剖学的構造、装置を動作させる人または他のデバイス、埋め込み場所、たとえば長さおよび厚さを含むインプラントの物理的特徴、ならびに手術部位のサイズ、またはデバイスと共に使用される外科ツールのサイズを含む種々の因子に基づいて決定される。
【0094】
本開示の実施形態が、本開示の種々の態様を提供することが知られている、または、種々の態様を提供するために予測的に製造される材料で構築されることができることを当業者は認識するであろう。これらの材料は、たとえば、ステンレス鋼、チタン合金、アルミニウム合金、クロム合金、および他の金属または金属合金を含むことができる。これらの材料はまた、たとえばPEEK、炭素繊維、ABS、プラスチック、ポリウレタン、ゴム、ラテックス、合成ゴム、および他の繊維被覆された樹脂状材料、合成材料、ポリマー、および天然材料を含むことができる。プランジャ要素は、軟質、半硬質、または硬質であり、ステンレス鋼、チタン合金、アルミニウム合金、クロム合金、および他の金属または金属合金などの材料で作られうる。同様に、管状要素は、軟質、半硬質、または硬質であり、ステンレス鋼、チタン合金、アルミニウム合金、クロム合金、および他の金属または金属合金などの材料で作られうる。いくつかの実施形態では、プランジャおよび中空チューブは、プラスチックからなり、1回使用だけのために意図され、その後、廃棄される。別の実施形態では、デバイスの一部のまたは全ての要素、あるいは、要素の一部または全
ての部分は、発光性がある。同様に、別の実施形態では、デバイスの一部のまたは全ての要素、あるいは、要素の一部または全ての部分は、発光素子を含む。別の実施形態では、中空チューブおよび/またはプランジャは、実質的に透明な材料で作られる、かつ/または、極端に不透明である。
【0095】
本発明の開示の実施形態は、手操作以外の手段で制御されることができることを当業者は認識するであろう。本開示の実施形態は、たとえば遠隔でオペレータによって、遠隔でコンピュータコントローラを通してオペレータによって、プロポーショニングデバイスを使用するオペレータによって、プログラム的にコンピュータコントローラによって、サーボ制御式機構によって、水圧駆動式機構によって、空気圧駆動式機構によって、または圧電アクチュエータによって装置が制御されるように設計され形作られることができる。
【0096】
本開示の実施
形態は、従来技術に優るいくつかの利点を提示し、いくつかの利点は、たとえば、手技の速度、手技の最小侵襲性の局面、周囲組織に対するリスクおよび損傷が最小の状態で埋め込み部位に埋め込み材料を導入することができること、感染のリスクが低いこと、より最適に留置される埋め込み材料、埋め込み材料が、固定する前に外れる可能性を低減するように設計されるより安定した送出デバイス、および、骨グラフト受取りエリアに骨グラフトを提供するのに必要とされるいくつかの構成要素の統合による、手術部位においてツールが少ないことを含む。さらに、デバイスの低いプロファイルは、骨グラフト材料の受取りを意図されるエリアの観察の改善を可能にし、デバイス内での低減されたセットおよびサイズの要素の使用は、より安価なデバイスを提供する。同様に、開示されるデバイスは、骨グラフト材料の実質的に全てが、デバイスの内部に残る回復不能な物質として浪費されるのではなく、デバイスから吐出され、手術部位に送出されることができることを実現する。骨グラフト材料の実質的に全てを除去できることは、骨グラフト材料が高価であり、かつ/または、得るのが難しいため、大きな利益である。
【0097】
本発明のこの要約は、本開示の全範囲を表すものとして意図されもず、そう解釈されるべきでもない。本開示は、本発明の要約ならびに添付図面および本発明の詳細な説明において種々のレベルの詳細で述べられ、本開示の範囲に関するいずれの制限も、本発明のこの要約における要素、構成要素などの包含または非包含によって意図されない。本開示のさらなる態様は、特に図面と一緒に考えられると、詳細な説明からより容易に明らかになるであろう。
【0098】
上述した利益、実施形態、および/または特徴は、特に本明細書で開示される、特許性がある主題に関して、必ずしも完全または網羅的であるわけではない。本開示の他の利益、実施形態、および/または特徴は、先に述べたもの、ならびに/または、以下の本明細書の添付図で述べられるものおよび/または説明で述べられるものを、単独でまたは組合せて利用することで可能である。しかし、本明細書で述べられ、本発明のこの要約に関連して考えられる、本発明の詳細な説明、描写図、および例示的な請求項は、本発明を規定する。
【0099】
本明細書に組込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本開示の実施形態を示し、先に示された本開示の一般的な説明および以下に示される図面の詳細な説明と共に、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0100】
図面が必ずしも一定比例尺に従っていないことが理解されるべきである。いくつかの事例では、本開示の理解にとって必要でないかまたは他の詳細を理解するのを難しくする詳細は、省略されている場合がある。もちろん、本開示が、必ずしも本明細書に示す特定の実施形態に限定されるわけではないことが理解されるべきである。