(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
患者がビデオ通りに運動したとしても、専門スタッフが患者について直接指導をしていないため、はたして効果的な運動ができているかどうかが不明である。例えば、膝の伸展/屈曲を繰り返す運動において、膝が十分に曲げ伸ばしできていなかったり、膝を屈曲した状態で維持する時間が不十分であったりすると、その
筋収縮運動はあまり効果のないものとなる。そのような非効率的なリハビリテーションを続けていると、なかなか成果が現れずに患者の意欲が低下したり、継続的に運動を行わなくなるおそれがある。すなわち、従来の運動支援装置は運動動作を指示するだけで、どれだけ筋力が付いたかが考慮されていない。運動療法では必要な筋肉がきちんと動かせているかということを考慮して運動を行う必要がある。
【0005】
上記問題に鑑み、本発明は、自宅や病室内などで利用者が自力で効果的な
筋収縮運動ができるように支援する
筋収縮運動支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に従った
筋収縮運動支援システムは、利用者の体表面に貼付され、前記利用者のトレーニング対象部位の表面筋電図を計測する筋電計と、前記利用者の運動の様子を撮影する撮影装置と、前記撮影装置により撮影された映像を解析して前記利用者が
運動中に正しい姿勢を保っているかを判定するとともに、前記筋電計により計測された表面筋電図に基づいて前記トレーニング対象部位の筋収縮量が目標値に達しているかを判定して、前記利用者の運動達成度を
、運動中の姿勢および筋収縮の2つの観点を組み合わせることで評価する処理装置とを備えている。
【0007】
これによると、利用者の外部観察により得られる
運動中の姿勢だけでなく、表面筋電図から解析される筋収縮量も考慮して利用者の運動達成度を評価することができる。
【0008】
上記
筋収縮運動支援システムが、前記利用者に運動の動作見本の動画像を提示するユーザインタフェースを備えていてもよく、また、前記処理装置が、前記利用者が
運動中に正しい姿勢を保っていないと判定した場合、または、前記トレーニング対象部位の筋収縮量が目標値に達していないと判定した場合、前記利用者に動作修正のアドバイスを提供してもよい。これによると、利用者に運動見本を提示して利用者により効果的な
筋収縮運動を支援することができる。
【0009】
上記
筋収縮運動支援システムは、前記トレーニング対象部位の体幹の動きを検出する動きセンサーを備えていてもよい。さらに、前記処理装置が、前記動きセンサーの検出信号を加味して前記利用者が
運動中に正しい姿勢を保っているかを判定してもよい。これによると、利用者の外観の動きをより正確に検出することができる。
【0010】
上記
筋収縮運動支援システムは、前記利用者の呼吸および/または拍動を検出する人体センサーを備えていてもよい。さらに、前記処理装置が、前記人体センサーが検出した前記利用者の呼吸および/または拍動が所定レベルを超えたとき警報を発するものであってもよい。これにより、運動中の利用者の身体異常を検出して運動における安全性を確保することができる。
【0011】
上記
筋収縮運動支援システムにおいて、前記処理装置が、前記利用者の運動達成度を前記利用者の運動履歴として記憶してもよい。このように記憶した運動履歴はリハビリ効果の判定などに活用することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上のように本発明によると、利用者が自力で効果的な
筋収縮運動ができるように支援することができる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態について説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態に係る
筋収縮運動支援システム10の概略構成を示す。
図2は、
筋収縮運動支援システム10のブロック図である。本実施形態に係る
筋収縮運動支援システム10は、利用者100が自力で各種運動メニューをこなしていくことを支援するためのものであり、リハビリテーションの運動療法などの用途に利用することができる。例えば、
筋収縮運動支援システム10を病室や自宅に設置して、患者や在宅高齢者などがベッド上またはベッドサイドなどで行う
筋収縮運動を支援することができる。
【0016】
筋収縮運動支援システム10は、筋電計11、ユーザインタフェース12、撮影装置13、処理装置14、人体センサー15、および動きセンサー16を含む。筋電計11は、利用者100のトレーニング対象部位の表面筋電図を計測するためのものである。表面筋電図とは筋肉の複合活動電位を波形化して表したものであり、複合活動電位とは筋肉を構成する各筋繊維から発生し、容積伝導により体表面に伝搬する活動電位を合計したものをいう。複合活動電位は筋収縮の程度により変化する。例えば、筋肉が小さな力を出している場合には収縮する筋線維の数は少なく、筋線維から発生する活動電位の数も少ない。そこから力を増加させていくと収縮する筋線維の数が徐々に増加し、活動電位の数も増加する。これにより、表面筋電図として観測される複合活動電位は増大する。このように、力の出し方と表面筋電図とは相関関係(比例関係)にある。
【0017】
表面筋電図は2つの表面電極間の電位差として捕捉される。具体的には、2個1組の表面電極をトレーニング対象部位の筋繊維の走行方向に沿って数cm程度の適当な間隔を開けて利用者100の体表面に貼付する。
図1は、左足の下腿三頭筋の筋収縮量をモニターするために利用者100の左足ふくらはぎに表面電極を貼付した例を示している。
【0018】
なお、筋電計11は1組に限らず、複数組を利用者100の身体各所に貼付してもよい。これにより、利用者100が運動をする際にさまざまな筋肉の収縮量をモニターすることができる。
【0019】
また、筋電計11がWi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)などの無線通信デバイスを備え、処理装置14と無線通信できることが望ましい。これにより、筋電計11と処理装置14とを接続するケーブルがなくなり、利用者100が運動をやり易くなる。
【0020】
ユーザインタフェース12は、利用者100に運動の動作見本の動画像(ビデオ)を提示するためのものであり、液晶表示装置などを含む。ユーザインタフェース12は、スピーカーなども含むことができ、単に映像だけではなく音声も出力することができる。ビデオコンテンツは運動メニューに応じたものが処理装置14から供給される。
【0021】
ユーザインタフェース12として家庭用のテレビ装置やPC用の表示装置を利用することができる。
図1は、ユーザインタフェース12として大型の液晶表示装置を用いた例を示している。これ以外にも、ユーザインタフェース12としてプロジェクターやリアプロジェクションテレビなどを用いることができる。
【0022】
なお、ユーザインタフェース12は、運動の動作見本ビデオ以外に、筋電計11が計測するリアルタイムの表面筋電図や撮影装置13が撮影した映像などを選択的にまたは画面分割して表示するものであってもよい。さらに、ユーザインタフェース12は、運動メニューの選択画面や利用者100の運動履歴などを表示するものであってもよい。この場合、利用者100は図示しないリモコンを操作してユーザインタフェース12の画面上で運動メニューの選択などの操作をすることができる。
【0023】
あるいは、ユーザインタフェース12を省略してもよい。例えば、利用者100は、運動の動作見本を収めた運動マニュアルなどの冊子を見ながらさまざまな運動を行うことができる。
【0024】
撮影装置13は、利用者100の運動の様子を撮影するためのものである。撮影装置13としてPC周辺機器のwebカメラまたはライブカメラなどの小型カメラを利用することができる。あるいは、撮影装置13として人のジェスチャーや音声を認識するkinect(登録商標)を利用することもできる。撮影装置13は、USBケーブルなどで処理装置14と接続される。
【0025】
利用者100の全身が撮影できるように、利用者100の前方の適当な位置に撮影装置13を設置すべきである。
図1は、撮影装置13をユーザインタフェース12の上に載せて設置した例を示している。これ以外にも、撮影装置13を天井などに設置して、利用者100の全身を斜め前方から撮影してもよい。
【0026】
処理装置14は、システム全体の制御を司るとともに利用者100の運動達成度を総合的に評価する。処理装置14としてデスクトップコンピュータやラップトップコンピュータなどの汎用のコンピュータ(PC)を利用することができる。
【0027】
処理装置14は、図示しないハードディスク装置や光ディスク装置などの大容量ストレージ装置を備えており、当該ストレージ装置に各種運動のビデオコンテンツが格納されている。処理装置14は、ストレージ装置から適宜ビデオコンテンツを読み出してユーザインタフェース12に表示する。処理装置14がインターネットなどのネットワークに接続されていれば、ネットワーク上のコンテンツサーバー(図略)から適宜ビデオコンテンツを受信してユーザインタフェース12に表示することも可能である。
【0028】
人体センサー15は、利用者100の呼吸および/または拍動などのバイタルサインを検出するためのものである。人体センサー15として3GHz〜10GHzの超広帯域無線波(UWB波)を送受信する無線装置を利用することができる。人体センサー15は、USBケーブルなどで処理装置14と接続される。
【0029】
具体的には、人体センサー15は送信アンテナ15aと受信アンテナ15bを備えている。送信アンテナ15aは利用者100に向けてUWB波を照射し、受信アンテナ15bは利用者100からの反射波を受信する。人体センサー15は、受信アンテナ15bが受信した反射波を適当なサンプリング周期でA/D変換して処理装置14に転送する。処理装置14は当該転送された信号に対して信号処理を施して利用者100からの反射波を解析する。利用者100からの反射波を解析することで、利用者100からの反射波とそれ以外の静止物体からの反射波を区別して、特に利用者100の呼吸変動や心臓の拍動のような微少な動きを非接触で検出することができる。
【0030】
なお、
図1の例では人体センサー15を撮影装置13とは独立に設置しているが、これらは一つの筐体に一体的に収容されていてもよい。
【0031】
また、人体センサー15は利用者100が安全に運動することができることを目的として設けるものであり、運動達成度の評価に直接的に関係するわけではない。このため、別の手段を講じるかまたは特に手段を講じなくとも運動の安全性が十分に確保できるようであれば人体センサー15は省略しても構わない。
【0032】
あるいは、上記のようなUWBを用いた非接触タイプの人体センサー15ではなく、利用者100の身体に装着する接触タイプの人体センサーを利用することもできる。例えば、筋電計11または動きセンサー16と一体化された人体センサーを用いることで、利用者100に装着する計測器の個数を減らすことができる。
【0033】
動きセンサー16は、利用者100のトレーニング対象部位の体幹の動きを検出するためのものである。動きセンサー16として加速度センサー、ジャイロセンサー、角速度センサー、ゴニオメーター、またはこれらを適宜組み合わせたものを利用することができる。加速度センサー、ジャイロセンサー、角速度センサー、およびゴニオメーターとして1方向の動きを検出する1軸検出タイプ、2方向(X−Y)の動きを検出する2軸検出タイプ、および3方向(X−Y−Z)の動きを検出する3軸検出タイプのいずれを用いてもよい。
【0034】
動きセンサー16は、利用者100の体幹の動きを適切に検出できる位置に装着すべきである。
図1は、左下腿の上下の動きを検出するために利用者100の左足首に動きセンサー16を装着した例を示している。
【0035】
なお、動きセンサー16は1個に限らず、複数個を利用者100の身体各所に装着してもよい。これにより、利用者100の体幹のさまざまな動きを検出することができる。
【0036】
また、動きセンサー16がWi-Fi(登録商標)やBluetooth(登録商標)などの無線通信デバイスを備え、処理装置14と無線通信できることが望ましい。これにより、動きセンサー16と処理装置14とを接続するケーブルがなくなり、利用者100が運動をやり易くなる。
【0037】
また、動きセンサー16は処理装置14が利用者100が所期の動作を行っているかの判定精度を上げるために使用する。したがって、処理装置14が撮影装置13の映像から利用者100の動きが正しく把握できるようであれば動きセンサー16は省略しても構わない。
【0038】
次に、
筋収縮運動支援システム10の動作について説明する。
図3は、
筋収縮運動支援システム10の動作例を示すフローチャートである。
【0039】
まず、利用者100が身体を基本姿勢(例えば、椅子に着座して膝を自然に曲げて下腿を下ろした姿勢)にしてリラックスした状態で、処理装置14は筋電計11および動きセンサー16のキャリブレーションを実施する(S1)。例えば、処理装置14は、筋電計11から受信した表面筋電図においてアーチファクトを除去して基線が直線状態になるように波形調整する。また、処理装置14は、利用者100の身体が基本姿勢の状態にあるときには動きセンサー16による動き検出量がゼロになるように、動きセンサー16から受信した検出信号のオフセットをキャンセルする。処理装置14側ではなく、筋電計11および動きセンサー16のデバイス側でキャリブレーションを行ってもよい。
【0040】
キャリブレーションが完了すると、処理装置14はユーザインタフェース12に運動メニューを表示する。そして、利用者100は表示された運動メニューの中から所望の運動を選択して処理装置14に指示する(S2)。なお、運動メニューの選択を利用者100に任せずに、処理装置14が適当と判断した運動メニューを自動的に選択するようにしてもよい。
【0041】
運動が選択されると、処理装置14は当該選択された運動に対応するビデオコンテンツをユーザインタフェース12に表示する(S3)。当該ビデオコンテンツはインストラクターなどによる運動の見本を表す。処理装置14は、当該ビデオコンテンツをストレージ装置から読み出すかまたはインターネット上のコンテンツサーバーから受信して取得することができる。
【0042】
利用者100はユーザインタフェース12に表示される運動見本のビデオ映像に合わせて身体を動かす。撮影装置13は利用者100が運動している様子を撮影し、処理装置14はその映像データを受信する。また、利用者100が運動している間、処理装置14は、筋電計11および動きセンサー16から表面筋電図および動き検出信号を受信する(S4)。
【0043】
処理装置14は、受信した映像データを解析して、利用者100が選択された運動に応じた所期の動作を行っているかを判定する(S5)。例えば、膝の伸展/屈曲を繰り返す運動の場合、処理装置14は、映像データにおいて利用者100の足の部分を識別し、利用者100の膝が十分に伸びきっているか、または、十分に曲がっているか、伸展/屈曲のペースは適当か、膝を伸展または屈曲した状態を所定時間きちんと保っているかなどを判定する。このとき、処理装置14は、映像データに追加して動きセンサー16の検出信号をも解析することで、利用者100の動作をより正確に把握してその動作が適当か否かを判定することができる。
【0044】
処理装置14が、利用者100の動きが適当でない(例えば、膝を十分に伸ばし切れていない、伸展/屈曲のペースが速いまたは遅いなど)と判定した場合(S5でNO)、処理装置14は、ユーザインタフェース12に映像および/または音声による運動のアドバイスを出力して利用者100に運動のやり方を変えるように促すことができる(S6)。
【0045】
ステップS6で処理装置14が利用者100に運動のアドバイスを提供した後、または、処理装置14が利用者100が所期の動作を行っていると判定した場合(S5でYES)、さらに、処理装置14は、受信した表面筋電図に基づいてトレーニング対象部位の筋収縮量が目標値に達しているかを判定する(S7)。一般に表面筋電図の平均振幅は筋張力とほぼ比例的な関係にあるとされている。したがって、処理装置14は、表面筋電図の平均振幅を算出してその値と目標値とを大小比較することで、トレーニング対象部位の筋収縮量が目標値に達しているかを判定することができる。このような筋収縮量に基づく運動評価は、特に等尺性運動が正しく行われているかを判定するのに有効である。
【0046】
処理装置14が、利用者100の筋収縮量が適当でない(例えば、筋収縮量が目標値に達していないなど)と判定した場合(S7でNO)、処理装置14は、ユーザインタフェース12に映像および/または音声による運動のアドバイスを出力して利用者100に運動のやり方を変えるように促すことができる(S8)。
【0047】
ステップS8で処理装置14が利用者100に運動のアドバイスを提供した後、または、処理装置14が利用者100の筋収縮量が適当であると判定した場合(S7でYES)、処理装置14は、利用者100の運動達成度を評価する(S9)。運動達成度は、利用者100の動きから評価した運動中の姿勢・動作の正しさおよび運動回数、ならびに利用者100の筋収縮量から評価した筋肉の使用量を総合的に評価して算出することができる。したがって、例えば、膝の伸展/屈曲を繰り返す運動において、膝が十分に曲がっていなかったり、膝を屈曲した状態で維持する時間が不十分であったり、筋収縮量が小さい運動を継続していたりすると、運動達成度は低く評価される。逆に、例えば、膝が十分に曲げ伸ばしできており、また、筋収縮量が大きい運動を継続していると、運動達成度は高く評価される。
【0048】
また、表面筋電図の波形がより大きくなることでより筋肉が付いたと評価することができる。したがって、処理装置14は、表面筋電図を解析して利用者100の筋肉の付き具合、より詳細には、表面筋電図を周波数解析して速筋および遅筋の付き具合を評価することができる。
【0049】
さらに、処理装置14は、利用者100の運動達成度を利用者100の運動履歴として記憶することができる。これにより、処理装置14は利用者100の運動履歴を参照して利用者100のトレーニング対象部位の筋肉の回復具合などを判定し、適当な運動メニューを設定することができる。
【0050】
また、長期的な運動計画を立てた場合において、処理装置14は、日々の運動の蓄積によって利用者100の運動達成度がどの程度向上したかを判定して、ユーザインタフェース12に、トレーニング対象部位の筋力の増加の変化、過去と現在との筋力の比較などを表示することができる。このように、トレーニング効果を視覚化することで、利用者100は、トレーニングによって筋力がどの程度増加したのかを容易に把握することができる。
【0051】
運動達成度を評価すると、処理装置14は、選択した運動を終了するか否かを判定する(S10)。処理装置14により運動到達度が目標値に達していないと判断されると(S10でNO)、ステップS4に戻って撮影装置13による利用者100の運動の様子の撮影、および筋電計11および動きセンサー16による表面筋電図計測および動き検出が継続される。例えば、利用者100が筋肉をあまり使わない楽な運動、すなわち、あまり効果が期待できない運動を続けている場合、運動回数が規定回数に達しても運動到達度が目標値に到達しないため、利用者100は規定回数以上に運動を継続することとなる。一方、利用者100がしっかりと筋肉を使った運動を行っていれば、運動回数が規定回数に達した時点で運動到達度も目標値に到達してその運動を終了することができる。
【0052】
運動到達度が目標値に達した場合、または、利用者100から運動終了の指示があった場合などには(S10でYES)、処理装置14は別の運動を行うかどうか利用者100に問い合わせる(S11)。別の運動を行う場合(S11でYES)、ステップS2に戻って運動メニューの表示および選択が行われる。同じ運動を再度選択することもできる。一方、別の運動を行わない場合(S11でNO)、
筋収縮運動支援システム10による運動支援が終了する。
【0053】
以上のように、本実施形態に係る
筋収縮運動支援システム10によると、運動中の姿勢や運動回数といった利用者100の外部観察から得られる情報だけでなく、表面筋電図から解析される筋収縮量も考慮して利用者100の運動達成度が評価される。これにより、利用者100に対して自力で効果的な
筋収縮運動を行うことができるように支援することができる。
【0054】
≪応用例≫
図4は、本実施形態に係る
筋収縮運動支援システム10の応用例を概略的に示す。当該応用例は、
筋収縮運動支援システム10に通信・ネットワーク技術を導入したものである。例えば、利用者100の自宅にある
筋収縮運動支援システム10はインターネット200に接続されている。インターネット200にはサーバー20が接続されており、サーバー20は、
筋収縮運動支援システム10の処理装置14と通信して利用者100の運動履歴を保持および管理する。サーバー20がコンテンツサーバーとして機能する場合、処理装置14は常に最新の運動メニューおよび運動見本ビデオをサーバー20から取得することができる。
【0055】
病院などにPC30やタブレット40が配備されており、利用者100の自宅とは別の家にPC30が配備されている。PC30やタブレット40はインターネット200に接続されている。PC30およびタブレット40はインターネット200を介してサーバー20に接続して、サーバー20に保存されている利用者100の運動履歴などにアクセスできるようになっている。このようなPC30やタブレット40を利用することで、遠隔地にいる理学療法士や看護師が利用者100の運動履歴を把握して経過観察や利用者100に適切な指導をすることができる。また、例えば、利用者100の家族などがPC30を利用して遠隔地にいる利用者100の運動履歴を監視することができる。
【0056】
なお、さらに多くの
筋収縮運動支援システム10、サーバー20、PC30、およびタブレット40、およびそれ以外の機器をインターネット200に接続することができる。
【0057】
また、サーバー20が利用者100の運動達成度や日々のトレーニングによる筋力の増加具合などをポイント化して、ポイントに応じて報償を与えるようにしてもよい。これにより、運動に対する利用者100のモチベーションを高めて、利用者100をなるべく飽きさせずにリハビリテーションを続けさせることが期待される。