(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6062899
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/10 20060101AFI20170106BHJP
F21S 8/12 20060101ALI20170106BHJP
F21V 31/03 20060101ALI20170106BHJP
F21W 101/10 20060101ALN20170106BHJP
【FI】
F21S8/10 542
F21S8/12 253
F21V31/03 100
F21W101:10
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-185356(P2014-185356)
(22)【出願日】2014年9月11日
(65)【公開番号】特開2016-58312(P2016-58312A)
(43)【公開日】2016年4月21日
【審査請求日】2015年6月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】390005430
【氏名又は名称】株式会社ホンダアクセス
(74)【代理人】
【識別番号】100071870
【弁理士】
【氏名又は名称】落合 健
(74)【代理人】
【識別番号】100097618
【弁理士】
【氏名又は名称】仁木 一明
(74)【代理人】
【識別番号】100152227
【弁理士】
【氏名又は名称】▲ぬで▼島 愼二
(72)【発明者】
【氏名】関 邦彦
【審査官】
竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−082430(JP,A)
【文献】
特開2013−203247(JP,A)
【文献】
特開2002−193023(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 8/10
F21S 8/12
F21V 31/03
F21W 101/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源(21)と、前記光源(21)を内部に収納する密閉状態の筐体(12)と、前記筐体(12)を貫通する貫通孔(12a)に回転可能に支持されたエイミングスクリュー(17)とを備え、前記エイミングスクリュー(17)を回転することで前記光源(21)から照射される光の光軸を調整する照明装置であって、
前記筐体(12)の内外を連通させるブリージング通路(30)を前記エイミングスクリュー(17)の内部に設けたことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記エイミングスクリュー(17)の外周に前記貫通孔(12a)の内周に当接するシール部材(29)を備え、前記ブリージング通路(30)は、前記エイミングスクリュー(17)の軸線(L)に沿って前記シール部材(29)の内側を通過する主通路(30a)と、前記エイミングスクリュー(17)の一端側で前記主通路(30a)を前記筐体(12)の内部に連通する内側開口部(30b)と、前記エイミングスクリュー(17)の他端側で前記主通路(30a)を前記筐体(12)の外部に連通する第1外側開口部(30c)とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記ブリージング通路(30)の一部に通気性、防水性および防塵性を有するフィルタ(32)を設けたことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記エイミングスクリュー(17)の他端に嵌合凹部(31)を形成し、前記嵌合凹部(31)の底部に開口する前記主通路(30a)および前記第1外側開口部(30c)間の前記ブリージング通路(30)の一部に、通気性、防水性および防塵性を有するフィルタ(32)を配置し、光軸調整用の工具(34)が係合可能な係合溝(33a)を備えた嵌合部材(33)を前記嵌合凹部(31)に嵌合することで、前記嵌合部材(33)で前記フィルタ(32)を覆ったことを特徴とする、請求項2に記載の照明装置。
【請求項5】
前記嵌合部材(33)に設けた係止爪(33b)を前記第1外側開口部(30c)に係止することで、前記嵌合部材(33)を前記嵌合凹部(31)に固定することを特徴とする、請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記嵌合部材(33)および前記嵌合凹部(31)の当接面の少なくとも一方に形成した通路溝(33c)により、前記主通路(30a)を前記筐体(12)の外部に連通する第2外側開口部(30d)を構成したことを特徴とする、請求項4または請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記照明装置は車両用前照灯であることを特徴とする、請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源と、前記光源を内部に収納する密閉状態の筐体と、前記筐体を貫通する貫通孔に回転可能に支持されたエイミングスクリューとを備え、前記エイミングスクリューを回転することで前記光源から照射される光の光軸を調整する照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用前照灯の筐体の内部に揺動自在に支持したリフレクタに設けたナットにエイミングスクリューの雄ねじを螺合し、エイミングスクリューを回転させて筐体を押し引きすることで光軸を調整する光軸調整装置が、下記特許文献1により公知である。
【0003】
また光軸調整装置のエイミングスクリューを合成樹脂で構成したものが、下記特許文献2により公知である。
【0004】
また車両用前照灯の光源の発熱・冷却に伴って筐体内部の気圧が変動し、気圧低下時に筐体外部の水分や塵が筐体内部に吸い込まれるのを防止するために、筐体の内外を連通させるブリージング通路に通気性、防水性および防塵性を有するフィルタを設けたものが、下記特許文献3により公知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第2528745号公報
【特許文献2】特開2002−193023号公報
【特許文献3】特許第4517227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記特許文献3に記載されているように、車両用前照灯の筐体にブリージング通路を設けると、筐体の構造が複雑化したり寸法が大型化したりする問題がある。
【0007】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、簡単かつコンパクトな構造で照明装置の筐体のブリージングを可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、光源と、前記光源を内部に収納する密閉状態の筐体と、前記筐体を貫通する貫通孔に回転可能に支持されたエイミングスクリューとを備え、前記エイミングスクリューを回転することで前記光源から照射される光の光軸を調整する照明装置であって、前記筐体の内外を連通させるブリージング通路を前記エイミングスクリューの内部に設けたことを特徴とする照明装置が提案される。
【0009】
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記エイミングスクリューの外周に前記貫通孔の内周に当接するシール部材を備え、前記ブリージング通路は、前記エイミングスクリューの軸線に沿って前記シール部材の内側を通過する主通路と、前記エイミングスクリューの一端側で前記主通路を前記筐体の内部に連通する内側開口部と、前記エイミングスクリューの他端側で前記主通路を前記筐体の外部に連通する第1外側開口部とを備えることを特徴とする照明装置が提案される。
【0010】
また請求項3に記載された発明によれば、請求項1または請求項2の構成に加えて、前記ブリージング通路の一部に通気性、防水性および防塵性を有するフィルタを設けたことを特徴とする照明装置が提案される。
【0011】
また請求項4に記載された発明によれば、請求項
2の構成に加えて、前記エイミングスクリューの他端に嵌合凹部を形成し、前記嵌合凹部の底部に開口する前記主通路および前記第1外側開口部間
の前記ブリージング通路の一部に、通気性、防水性および防塵性を有するフィルタを配置し、光軸調整用の工具が係合可能な係合溝を備えた嵌合部材を前記嵌合凹部に嵌合することで、前記嵌合部材で前記フィルタを覆ったことを特徴とする照明装置が提案される。
【0012】
また請求項5に記載された発明によれば、請求項4の構成に加えて、前記嵌合部材に設けた係止爪を前記第1外側開口部に係止することで、前記嵌合部材を前記嵌合凹部に固定することを特徴とする照明装置が提案される。
【0013】
また請求項6に記載された発明によれば、請求項4または請求項5の構成に加えて、前記嵌合部材および前記嵌合凹部の当接面の少なくとも一方に形成した通路溝により、前記主通路を前記筐体の外部に連通する第2外側開口部を構成したことを特徴とする照明装置が提案される。
【0014】
また請求項7に記載された発明によれば、請求項1〜請求項6の何れか1項の構成に加えて、前記照明装置は車両用前照灯であることを特徴とする照明装置が提案される。
【0015】
尚、実施の形態のバルブ21は本発明の光源に対応し、実施の形態のプラスドライバー34は本発明の工具に対応する。
【発明の効果】
【0016】
請求項1の構成によれば、照明装置は、光源と、光源を内部に収納する密閉状態の筐体と、筐体を貫通する貫通孔に回転可能に支持されたエイミングスクリューとを備えるので、エイミングスクリューを回転することで光源から照射される光の光軸を調整することができる。筐体の内外を連通させるブリージング通路をエイミングスクリューの内部に設けたので、筐体にブリージング通路を別途設ける必要がなくなり、筐体の小型化、部品点数の削減および構造の簡素化を図ることができる。
【0017】
また請求項2の構成によれば、エイミングスクリューの外周に貫通孔の内周に当接するシール部材を備え、ブリージング通路は、エイミングスクリューの軸線に沿ってシール部材の内側を通過する主通路と、エイミングスクリューの一端側で主通路を筐体の内部に連通する内側開口部と、エイミングスクリューの他端側で主通路を筐体の外部に連通する第1外側開口部とを備えるので、貫通孔の内周とエイミングスクリューの外周との間の隙間から水分や塵が筐体の内部に侵入するのをシール部材により阻止することができる。
【0018】
また請求項3の構成によれば、ブリージング通路の一部に通気性、防水性および防塵性を有するフィルタを設けたので、光源の発熱・冷却に伴う筐体内部の気圧変動をフィルタを通過する空気により抑制しながら、フィルタの濾過作用で筐体の内部に水分や塵が侵入するのを防止することができる。
【0019】
また請求項4の構成によれば、エイミングスクリューの他端に嵌合凹部を形成し、嵌合凹部の底部に開口する主通路および第1外側開口部間
のブリージング通路の一部に、通気性、防水性および防塵性を有するフィルタを配置し、光軸調整用の工具が係合可能な係合溝を備えた嵌合部材を嵌合凹部に嵌合することで、嵌合部材でフィルタを覆ったので、嵌合凹部の底部へのフィルタの装着を容易にしながら嵌合部材でフィルタを保護し、光軸を調整すべく嵌合部材を回転させるときに工具でフィルタが損傷するのを防止することができる。
【0020】
また請求項5の構成によれば、嵌合部材に設けた係止爪を第1外側開口部に係止することで、嵌合部材を嵌合凹部に固定するので、第1外側開口部を嵌合部材の固定に利用して構造の簡素化を図ることができる。
【0021】
また請求項6の構成によれば、嵌合部材および嵌合凹部の当接面の少なくとも一方に形成した通路溝により、主通路を筐体の外部に連通する第2外側開口部を構成したので、簡単な構造で第2外側開口部を追加することで、外側開口部の数を増加させてブリージング通路の詰まりを確実に防止することができる。
【0022】
また請求項7の構成によれば、照明装置は車両用前照灯であるので、車両用前照灯の部品点数の削減および構造の簡素化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、
図1〜
図6に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0025】
図1〜
図3に示すように、車両用前照灯であるフォグランプ11は、合成樹脂で有底円筒状に形成された筐体12と、筐体12の前面開口部に取り付けられたレンズ13とを備えており、筐体12から外側に張り出す4本の取付ブラケット14…がボルト15…により車体16に取り付けられる。筐体12の後面には、フォグランプ11の光軸を調整するための合成樹脂製のエイミングスクリュー17が設けられる。
【0026】
図3に示すように、筐体12の内部には、光源であるバルブ21と、バルブ21を取り囲むリフレクタ22とが配置される。リフレクタ22は図示せぬ支点により筐体12に上下方向に揺動自在に支持されており、リフレクタ22の後部に設けたセクタギヤ23に、エイミングスクリュー17の軸線L方向の先端側外周に設けたウオ−ム24が噛合する。従って、エイミングスクリュー17を回転させるとリフレクタ22が支点まわり揺動し、バルブ21から出た光がリフレクタ22により反射される方向が変化することで、フォグランプ11の光軸が上下方向に調整される。
【0027】
図3〜
図6に示すように、エイミングスクリュー17は、筐体12の内部に挿入される先端側から筐体12の外部に露出する基端側に向かって、前記ウオ−ム24と、一対の弾性変形可能な抜け止め腕部25,25と、環状のシール部材嵌合溝26と、プラスドライバー34の歯先が係合可能な傘歯車状の第1ギヤ27と、プラスドライバー34の歯先が係合可能な平歯車状の第2ギヤ28とを備えており、一対の抜け止め腕部25,25を相互に接近する方向に弾性変形させながら、筐体12を内外に貫通する貫通孔12aに挿入される。その結果、一対の抜け止め腕部25,25が自己の弾性で拡開して貫通孔12aの段部12b(
図3参照)に係合することで、エイミングスクリュー17は回転自在かつ軸線L方向に移動不能に貫通孔12aに支持されるとともに、シール部材嵌合溝26に嵌合するOリングよりなるシール部材29が貫通孔12aの内周面に当接することで、筐体12の内部空間が外部空間に対して密閉される。
【0028】
エイミングスクリュー17の内部には、筐体12の内部空間を外部空間に連通させるためのブリージング通路30(
図4参照)が形成される。ブリージング通路30は、エイミングスクリュー17の軸線Lに沿って延びる主通路30aと、主通路30aの先端側から径方向外側に分岐し、ウオ−ム24およびシール部材嵌合溝26間に開口する2個の内側開口部30b,30bと、主通路30aの基端側から径方向外側に分岐し、第1ギヤ27およびシール部材嵌合溝26間に開口する3個の第1外側開口部30c…とを備える。
【0029】
エイミングスクリュー17の基端には嵌合凹部31が形成されており、嵌合凹部31の底部はブリージング通路30の主通路30aおよび第1外側開口部30c…に連通する。嵌合凹部31に開口する主通路30aの端部には、多孔性物質よりなる円板状のフィルタ32が接着等で固定される。フィルタ32は、空気の通過を許容するが水分や塵埃の通過を阻止する特性を有しており、更に空気分子よりも大きい水蒸気分子の通過を阻止する特性を有している。
【0030】
プラスドライバー34の歯先が係合可能な十字状の係合溝33aを中心に備える嵌合部材33は、3個の係止爪33b…を3個の第1外側開口部30c…の縁に係止することで、エイミングスクリュー17の嵌合凹部31に嵌合する状態で固定される。この状態で嵌合部材33の先端とフィルタ32との間には隙間が形成されており、主通路30aおよび第1外側開口部30c…はフィルタ32を介して相互に連通する。また嵌合部材33が嵌合凹部31に当接する表面には3本の通路溝33c…が形成されており、この通路溝33c…によってブリージング通路30の主通路30aを外部に連通させる3本の第2外側開口部30d…が構成される。
【0031】
また筐体12の貫通孔12aの周辺には、第1ギヤ27を操作するプラスドライバー34の歯先をガイドする複数の第1ガイド孔12c…(
図5参照)と、第2ギヤ28を操作するプラスドライバー34の歯
先を案内する複数の第2ガイド孔12d…(
図5参照)とが設けられる。
【0032】
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
【0033】
フォグランプ11の光軸を調整するには、プラスドライバー34をエイミングスクリュー17の軸線Lと平行にして歯先を嵌合部材33の係合溝33aに係合し、エイミングスクリュー17を回転させれば良い。またプラスドライバー34をエイミングスクリュー17の軸線Lと直角にして歯先を筐体12の第1ガイド孔12c…の何れかに挿入して回転させても、プラスドライバー34の歯先に噛合する第1ギヤ27が回転することで、エイミングスクリュー17を回転させて光軸を調整することができる。同様に、プラスドライバー34をエイミングスクリュー17の軸線Lと平行にして歯先を筐体12の第2ガイド孔12d…の何れかに挿入して回転させても、プラスドライバー34の歯先に噛合する第2ギヤ28が回転することで、エイミングスクリュー17を回転させて光軸を調整することができる。
【0034】
このように、車体16に取り付けられたフォグランプ11の周辺の作業スペースの状態に応じて上記何れかの方法を採用すれば、フォグランプ11の光軸調整作業を効率的に行うことができる。
【0035】
ところで、フォグランプ11のバルブ21を点灯すると発熱による空気の膨張で筐体12の内圧が大気圧よりも高くなるため、筐体12の内部の空気がブリージング通路30を介して外部に排出され、筐体12の内圧の過剰な増加が抑制される。この状態からフォグランプ11のバルブ21を消灯すると冷却による空気の収縮で筐体12の内圧が大気圧よりも低くなるため、外部の空気が筐体12の内部にブリージング通路30を介して吸入され、筐体12の内圧の過剰な低下が抑制される。
【0036】
外部の空気が筐体12の内部に吸入されるとき、筐体12の貫通孔12aとエイミングスクリュー17との間に隙間が存在すると、この隙間を通過して外部の空気が筐体12の内部に吸入される可能性があるが、エイミングスクリュー17の外周に装着したシール部材29により隙間の発生が防止され、かつブリージング通路30の内側開口部30b,30bと、第1、第2外側開口部30c…,30d…とは、シール部材29を挟んでエイミングスクリュー17の両端側に開口するので、筐体12の内部に吸入される空気は必ずブリージング通路30を通過することが保証される。
【0037】
このように、外部の空気がブリージング通路30を介して筐体12の内部に吸入されるとき、ブリージング通路30に配置されたフィルタ32は空気に含まれる水分や塵埃を捕捉し、水分や塵埃が筐体12の内部に侵入するのを阻止することができる。フィルタ32は空気中に含まれる水蒸気も捕捉するため、水蒸気が筐体12の内部で結露してレンズ13を曇らせる事態も回避される。
【0038】
以上のように、本実施の形態によれば、筐体12の内外を連通させるブリージング通路30をエイミングスクリュー17の内部に設けたので、筐体12にブリージング通路30を別途設ける必要がなくなり、筐体12の小型化、部品点数の削減および構造の簡素化を図ることができる。
【0039】
またエイミングスクリュー17の基端に嵌合凹部31を形成し、嵌合凹部31の底部に開口する主通路30aおよび第1外側開口部30c…間にフィルタ32を配置し、嵌合凹部31に嵌合する嵌合部材33でフィルタ32を覆ったので、嵌合凹部31の底部へのフィルタ32の装着を容易にしながら嵌合部材33でフィルタ32を保護し、光軸を調整すべく嵌合部材33を回転させるときにプラスドライバー34の歯先でフィルタ32が損傷するのを防止することができる。
【0040】
また嵌合部材33に設けた係止爪を33b…を第1外側開口部30c…に係止することで嵌合部材33を嵌合凹部31に固定するので、第1外側開口部30c…を嵌合部材33の固定に利用して構造の簡素化を図ることができる。
【0041】
また嵌合部材33に形成した通路溝33c…により、主通路30aを筐体12の外部に連通する第2外側開口部30d…を構成したので、簡単な構造で第2外側開口部30d…を追加することができ、外側開口部の数を増加させてブリージング通路30の詰まりを確実に防止することができる。
【0042】
また筐体12を内外に貫通する貫通孔12aは、その周囲を筐体12自体によって囲まれているため、上方から滴下する雨水等が筐体12の内部に浸入し難くなる。特に、エイミングスクリュー17の軸線Lを光軸に対して直交させることで、貫通孔12aを筐体12の下端に下向きに開口させたので、貫通孔12aから筐体12の内部への雨水の浸入が一層確実に防止される。
【0043】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0044】
例えば、本発明の照明装置は実施の形態の自動車用のフォグランプ11に限定されず、自動車用のヘッドランプ等の任意の照明装置であっても良いし、自動車以外の用途の照明装置であっても良い。
【0045】
また実施の形態では主通路30aおよび第1外側開口部30c…の間にフィルタ32を配置しているが、ブリージング通路30の任意の位置のフィルタ32を配置することができる。
【0046】
また実施の形態では嵌合部材33側に設けた通路溝33c…により第2外側開口部30d…を構成しているが、この通路溝をエイミングスクリュー17の嵌合凹部31側に設けることで第2外側開口部30d…を構成しても良い。
【0047】
また本発明の光源は実施の形態のバルブ21に限定されず、LED等の任意の光源であっても良い。
【0048】
また本発明の工具は実施の形態のプラスドライバー34に限定されず、マイナスドライバーや六角レンチ等の任意の工具であっても良い。
【0049】
また実施の形態では主通路30aの先端がエイミングスクリュー17の軸線L上で行き止まりになっているが、主通路30aの先端がエイミングスクリュー17を貫通していても良い。
【符号の説明】
【0050】
12 筐体
12a 貫通孔
17 エイミングスクリュー
21 バルブ(光源)
29 シール部材
30 ブリージング通路
30a 主通路
30b 内側開口部
30c 第1外側開口部
30d 第2外側開口部
31 嵌合凹部
32 フィルタ
33 嵌合部材
33a 係合溝
33b 係止爪
33c 通路溝
34 プラスドライバー(工具)
L エイミングスクリューの軸線