(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6062901
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】車両用座席シート芯材の製造方法及び車両用座席シート芯材
(51)【国際特許分類】
B60N 2/44 20060101AFI20170106BHJP
A47C 27/14 20060101ALI20170106BHJP
B68G 5/02 20060101ALI20170106BHJP
B29C 44/00 20060101ALI20170106BHJP
B29K 105/04 20060101ALN20170106BHJP
【FI】
B60N2/44
A47C27/14 A
B68G5/02
B29C67/22
B29K105:04
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-188146(P2014-188146)
(22)【出願日】2014年9月16日
(65)【公開番号】特開2016-60064(P2016-60064A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2016年8月8日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000131810
【氏名又は名称】株式会社ジェイエスピー
(74)【代理人】
【識別番号】100077573
【弁理士】
【氏名又は名称】細井 勇
(74)【代理人】
【識別番号】100126413
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 太亮
(72)【発明者】
【氏名】高山 敦夫
(72)【発明者】
【氏名】植栗 基晶
(72)【発明者】
【氏名】橋本 圭一
【審査官】
古川 峻弘
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−45629(JP,A)
【文献】
特開2011−111131(JP,A)
【文献】
実開平3−122929(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00−2/72
A47C 27/14
B68G 5/02
B29C 44/00
B29K 105/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂発泡粒子成形体内に、シートを車両に固定するための掛け止め具が埋め込まれている車両用座席シート芯材を一体成形により製造する方法であって、
前記車両用座席シート芯材の前方両端側に前記掛け止め具が配置されていると共に、前記掛け止め具は前記シート芯材の長手方向に沿って前記発泡粒子成形体内の前方側に埋設された連結部材によって連結されており、
前記掛け止め具は、前記発泡粒子成形体内に埋設されている台座部と、前記台座部と連結し、発泡粒子成形体の外方に向かって延びる柱部と、前記柱部から延設されて発泡粒子成形体から外方に突出している掛け止め部とを備えており、
前記発泡粒子成形体の成形時または成形後に、前記掛け止め具の柱部が埋設されている発泡粒子成形体部分のシート芯材長手方向外方位置に、空間または前記掛け止め具の柱部が埋設されている発泡粒子成形体部分のシート芯材長手方向位置にシート芯材長手方向に向かう切り込みを形成することを特徴とする車両用座席シート芯材の製造方法。
【請求項2】
前記連結部材の端部が板状部材により形成されていると共に、前記板状部材に前記掛け止め具の台座部が連結されており、
前記発泡粒子成形体の成形時または成形後に、前記板状部材と台座部とが埋設されている発泡粒子成形体部分の、前記台座部のシート芯材長手方向外方の発泡粒子成形体部分に、シート芯材長手方向と交差する方向へ、空間または切り込みを形成する、請求項1に記載の車両用座席シート芯材の製造方法。
【請求項3】
前記連結部材の端部が板状部材により形成されていると共に、前記板状部材に前記掛け止め具の台座部が連結されており、
前記発泡粒子成形体の成形時または成形後に、前記板状部材が埋設されている発泡粒子成形体部分の、前記板状部材のシート芯材長手方向外方側端部よりもさらに外方位置に空間を形成する、請求項1又は2に記載の車両用座席シート芯材の製造方法。
【請求項4】
前記連結部材が直径2〜8mm、引張強さ200N/mm2以上のワイヤー材からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の車両用座席シート芯材の製造方法。
【請求項5】
前記発泡粒子成形体を構成する熱可塑性樹脂が、結晶性樹脂を含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の車両用座席シート芯材の製造方法。
【請求項6】
前記連結部材に厚み方向に曲げられた屈曲部が設けられており、前記発泡粒子成形体の成形時または成形後に、前記屈曲部が埋設されている発泡粒子成形体部分の、屈曲部外方に、前記発泡粒子成形体の表面から前記屈曲部まで厚み方向に空隙を設ける、請求項1〜5のいずれかに記載の車両用座席シート芯材の製造方法。
【請求項7】
熱可塑性樹脂発泡粒子成形体内に、シートを車両に固定するための掛け止め具が埋め込まれている、一体成形体からなる車両用座席シート芯材であって、
前記車両用座席シート芯材の前方両端側に前記掛け止め具が配置されていると共に、前記掛け止め具が前記シート芯材長手方向に沿って前記発泡粒子成形体内の前方側に埋設された連結部材によって連結されており、
前記掛け止め具は、前記発泡粒子成形体内に埋設されている台座部と、前記台座部と連結し、発泡粒子成形体の外方に向かって延びる柱部と、前記柱部から延設されて発泡粒子成形体から外方に突出している掛け止め部とを備えており、
前記発泡粒子成形体の成形時または成形後に、前記掛け止め具の柱部が埋設されている発泡粒子成形体部分のシート芯材長手方向外方位置に、空間または前記掛け止め具の柱部が埋設されている発泡成形体部分のシート芯材長手方向外方位置にシート芯材長手方向に向かう切り込みを形成することによって得られる車両用座席シート芯材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用座席シート芯材の製造方法及び車両用座席シート芯材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車等の車両用座席シート芯材として、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の内部に金属等からなる補強部材や、座席シートを車両本体に取り付け固定するための掛け止め具を埋め込み、発泡粒子成形体(以下、単に「成形体」ということがある)と一体化させた車両用座席シート芯材が用いられている。
【0003】
このような、発泡粒子成形体と補強部材等を一体化させてなる部材としては、掛け止め具として機能する連結突出部を金属フレームと一体的に形成し(特許文献1、第6頁及び
図3参照)、この金属フレームを発泡粒子成形用金型内に配置した状態で発泡粒子を金型に充填して発泡成形して得られる発泡粒子成形体が提案されている。これにより、上記連結突出部がシートの底部から突出するとともに、上記金属フレームの一部分が埋め込まれた発泡粒子成形体の芯材が形成される。このようなシート芯材において上記突出した連結突出部を、掛け止め具として車両側の止め部に連結し、シートを車両に固定するようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−45629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
発泡粒子成形体は、発泡粒子を金型に充填して型内成形した後に収縮を起こすので、成形後の養生工程により成形体の寸法を回復させる必要がある。しかし、このような特性を有する発泡粒子成形体に掛け止め具や連結部材を埋め込んで一体成形した場合には、成形体の収縮により連結部材等が曲がってしまったり、成形体の収縮が均一に起こらずに、養生後の成形体に寸法誤差が生じてしまうことがあった。
【0006】
特に、座席シートを車両に固定するための掛け止め具をシート芯材前側両端に設け、各掛け止め具をシート長手方向に沿って成形体内に埋設される連結部材で連結した場合には、シート長手方向への成形体収縮が大きいため、シート芯材前側両端に配置された掛け止め具が設けられるべき位置の寸法誤差が大きくなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記の問題を解消するためになされたものであって、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体中に、掛け止め具が埋め込まれて一体に成形された車両用座席シート芯材であって、寸法精度の極めて優れたシート芯材を得ることができる車両用座席シート芯材の製造方法及び車両用座席シート芯材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
即ち本発明は、
(1)熱可塑性樹脂発泡粒子成形体内に
、シートを車両に固定するための掛け止め具が埋め込まれている車両用座席シート芯材を一体成形により製造する方法であって、
前記車両用座席シート芯材の前方両端側に前記掛け止め具が配置されていると共に、前記掛け止め具は前記シート芯材の長手方向に沿って前記発泡粒子成形体内の前方側に埋設された連結部材によって連結されており、
前記掛け止め具は、前記発泡粒子成形体内に埋設されている台座部と、前記台座部と連結し、発泡粒子成形体の外方に向かって延びる柱部と、前記柱部から延設されて発泡粒子成形体から外方に突出している掛け止め部とを備えており、
前記発泡粒子成形体の成形時または成形後に、前記
掛け止め具の柱部が埋設されている発泡粒子成形体部分のシート芯材長手方向外方位置に、空間または前記
掛け止め具の柱部
が埋設されている発泡粒子成形体部分のシート芯材長手方向位置にシート芯材長手方向
に向かう切り込みを形成することを特徴とする車両用座席シート芯材の製造方法、
(2)前記連結部材の端部が板状部材により形成されていると共に、前記板状部材に前記
掛け止め具の台座部が連結されており、
前記発泡粒子成形体の成形時または成形後に、前記板状部材と台座部とが埋設されている発泡粒子成形体部分の、前記
台座部のシート芯材長手方向外方
の発泡粒子成形体部分に、
シート芯材長手方向と交差する方向へ、空間または切り込みを形成する、上記(1)に記載の車両用座席シート芯材の製造方法、
(3)
前記連結部材の端部が板状部材により形成されていると共に、前記板状部材に前記掛け止め具の台座部が連結されており、
前記発泡粒子成形体の成形時または成形後に、前記板状部材が埋設されている発泡粒子成形体部分の、
前記板状部材のシート芯材長手方向外方
側端部よりもさらに外方位置に空
間を形成する、上記(1)
又は(2)に記載の車両用座席シート芯材の製造方法、
(4)前記連結部材が直径2〜8mm、引張強さ200N/mm
2以上のワイヤー材からなる、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の車両用座席シート芯材の製造方法、
(5)前記発泡粒子成形体を構成する熱可塑性樹脂が、結晶性樹脂を含有する、上記(1)〜(4)のいずれかに記載の車両用座席シート芯材の製造方法、
(6)前記連結部材に厚み方向に曲げられた屈曲部が設けられており、前記発泡粒子成形体の成形時または成形後に、前記屈曲部が埋設されている発泡粒子成形体部分の、屈曲部外方に、前記発泡粒子成形体の表面から前記屈曲部まで厚み方向に空隙を設ける、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の車両用座席シート芯材の製造方法、
(7)熱可塑性樹脂発泡粒子成形体内に、
シートを車両に固定するための掛け止め具が埋め込まれている、一体成形体からなる車両用座席シート芯材であって、
前記車両用座席シート芯材の前方両端側に前記掛け止め具が配置されていると共に、前記掛け止め具が前記シート芯材長手方向に沿って前記発泡粒子成形体内の前方側に埋設された連結部材によって連結されており、
前記掛け止め具は、前記発泡粒子成形体内に埋設されている台座部と、前記台座部と連結し、発泡粒子成形体の外方に向かって延びる柱部と、前記柱部から延設されて発泡粒子成形体から外方に突出している掛け止め部とを備えており、
前記発泡粒子成形体の成形時または成形後に、前記
掛け止め具の柱部が埋設されている発泡粒子成形体部分のシート芯材長手方向外方
位置に、空間または前記
掛け止め具の柱部
が埋設されている発泡成形体部分のシート芯材長手方向外方位置にシート芯材長手方向
に向かう切り込みを形成することによって得られる車両用座席シート芯材、
を要旨とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、発泡粒子成形体内に掛け止め具が埋め込まれている車両用座席シート芯材を一体成形により製造するに際し、成形時または成形後に、掛け止め具の柱部が埋設されている発泡粒子成形体部分の、シート芯材の長手方向外方に、空間部又は前記柱部からシート芯材長手方向外方に設けられた空間部または切り込みを形成することにより、成形後に発泡成形体が収縮した場合でも、成形体が反ったり変形したりする虞がなく、寸法精度に優れる車両用座席シート芯材を得ることができる。さらに、前記空間部または切り込みが成形体の特定の箇所に形成されていることから、掛け止め具を引き抜く衝撃に対する耐引き抜き性を向上させることができる。すなわち、本発明によれば、成形体の寸法誤差を抑制することができると共に、成形体に埋め込まれた掛け止め具の耐引抜き性を向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】連結部材で連結された掛け止め具を成形体の前方両端側に埋設して一体成形した車両用座席シート芯材の一例を示す斜視略図である。
【
図2】成形後のシート芯材裏面側の掛け止め具付近を模式的に示す、
図1右側部分の拡大斜視図である。
【
図3】成形後、成形体が収縮した際のシート芯材裏面側の掛け止め具付近を模式的に示す拡大斜視図である。
【
図4】車両用座席シート芯材の他の実施態様を示す斜視略図である。
【
図5】成形後のシート芯材裏面側の掛け止め具付近の、柱部が埋設されている発泡粒子成形体部分のシート芯材長手方向外方に形成された、空間部又は切り込みを模式的に示すシート芯材裏面の平面図である。
【
図6】空間部または切り込みを設ける異なる態様を模式的に示すシート芯材裏面の平面図である。
【
図7】空間部または切り込みとともに、さらに空間部を設ける態様を模式的に示すシート芯材裏面の平面図である。
【
図8】空間部または切り込みとともに、さらに空間部を設ける異なる態様(実施例2の態様)を成模式的に示すシート芯材裏面の平面図である。
【
図9】シート芯材の寸法変位の測定部位を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を図面に基づき説明する。
【0012】
図1は車両用座席シート芯材1の一例を示し、該シート芯材1は、熱可塑性樹脂発泡粒子成形体2中に、掛け止め具6が埋め込まれて一体成形されて形成されている。掛け止め具6は、
図2に示すように成形体2中に埋設される台座部3、該台座部3と連結し、成形体2の外方に向かって伸びる柱部4、該柱部4から延設され成形体2の外方に突出して形成された掛け止め部5とを有している。掛け止め部5には、座席シートを車両本体に連結するための図示しない結合金具等が係止される。掛け止め具6は、少なくとも、シート芯材1の前方両端側に配置され、シート芯材1の長手方向に沿って成形体2の前方側に埋設された連結部材7によって連結されている。なお、掛け止め具6は、連結部材7と直接連結されていても良く、また、
図1に示されるように、連結部材7の端部が板状部材14により形成されており、前記板状部材14に前記台座部3の下面が連結されていても良い。シート芯材1には、さらに必要に応じて固定用の金具12等が設けられていても良い。なお、前記車両用座席シート芯材は、車両に設置した際の車両の横幅方向がシート芯材の長手方向に対応し、車両の上下方向がシート芯材の厚み方向に対応する。また、掛け止め具6は、車両に設置する際の下面側に突出するように形成されていることが好ましい。
【0013】
成形体2を構成する熱可塑性樹脂としては、例えばポリスチレン系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂などが挙げられる。また、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との複合樹脂、上記の樹脂の2種以上の混合物などを挙げることができる。これらの中でも、前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂との複合樹脂等の結晶性樹脂を含む熱可塑性樹脂が好ましい。結晶性樹脂を含む熱可塑性樹脂発泡粒子成形体の場合には、非結晶性樹脂に比べて成形後に収縮しやすいため、本発明による効果がより得られやすくなる。中でもポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂である場合が好ましく、特にポリプロピレン系樹脂である場合が好ましい。
【0014】
前記発泡粒子は、この種の発泡粒子を製造する公知の方法により製造することができる。例えば、オートクレーブ等の加圧可能な密閉容器内で、必要により分散剤、界面活性剤等を添加した分散媒(通常は水)中に樹脂粒子を分散させ、更に分散媒に発泡剤を圧入して加熱下に撹拌して発泡剤を樹脂粒子に含浸させ、高温高圧条件下の容器内から分散媒体とともに発泡剤を含浸した発泡性樹脂粒子を低圧域(通常大気圧下)に放出して発泡させる方法などにより製造される。
【0015】
掛け止め具6としては、例えば、鉄、アルミニウム、銅等の金属よりなるもの、樹脂製のものが挙げられるが、座席シート芯材の強度を向上させる観点からは、金属製のものが好ましく、特に鋼材からなるものが好ましい。また、掛け止め具6は、これらの素材を溶接や曲げ加工することにより形成することができる。なお、台座部3、柱部4と掛け止め部5は上記素材のワイヤー材などが好適に使用できる。掛け止め部5は車両本体と掛け止めることができる形状とすることが好ましく、U字形状とすることが加工性の観点から好ましい。なお、掛け止め具6は、柱部4と台座部3がL字形状で連結されており、それぞれの柱部4がU字型の掛け止め部5によって連結された形状であることが好ましい。
【0016】
また、掛け止め具6を連結する連結部材7も上記掛け止め具6と同様の素材が使用される。また、連結部材7としては、ワイヤー材などが好適に使用でき、線状、管状、棒状等、任意の形状のものが用いられる。なお、連結部材7に使用されるワイヤー材としては、軽量性の観点から、従来よりも更に剛性の低いものが使用されことが好ましく、この場合には発泡粒子成形体が収縮する際に、連結部材7も容易に弾性変形する。
【0017】
前記ワイヤー材としては、直径2〜8mmの棒状または線状のものを用いることが好ましい。前記ワイヤー材の直径は、より好ましくは3〜7mm、さらに好ましくは3.5mm〜6mmである。さらに、前記ワイヤー材は、引張強さが200N/mm
2以上であることが好ましい。座席シート芯材の強度を向上させる観点からは、上記引張強さは250〜1300N/mm
2であることが好ましい。また、前記ワイヤー材の降伏点は、400N/mm
2以上であることが好ましく、440N/mm
2であることがさらに好ましい。なお、上記ワイヤー材の物性は、JIS G3532に基づいて測定することができる。
【0018】
シート芯材1は、座席シート成形用の金型内の所定の位置に、連結部材7で連結した掛け止め具6、および必要に応じて他の金具類等を配置するとともに、前記発泡粒子を金型内に充填した後、加熱スチームを金型内に導入して発泡粒子を加熱して二次発泡させ、粒子相互を融着させて成形体2を一体的に成形し、成形体2と掛け止め具6、連結部材7等とを一体化することにより得ることができる。前記掛け止め具6における台座部3と柱部4の一部は、発泡粒子成形体2内に残って埋設、固定されていることが好ましい。
【0019】
シート芯材1を形成する発泡成形体2の見かけ密度は、0.015〜0.3g/cm
3であることが好ましく、発泡成形体2がポリオレフィン系樹脂からなる場合には、0.02〜0.2g/cm
3であることが好ましい。なお、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡粒子成形体は、見かけ密度が上記範囲内であれば、シート芯材1としての強度や耐衝撃性に優れると共に、適度な弾性を有するので掛け止め具6や連結部材7など剛性部材の係止性にも優れたものとなる。上記観点から、発泡成形体2の見かけ密度は0.025〜0.1g/cm
3であることが好ましく、0.03〜0.08g/cm
3であることがさらに好ましい。なお、異なる見掛け密度を有する発泡成形体を複数組み合わせて、一つの発泡成形体とすることもできる。この場合には、発泡成形体2全体の平均の見掛け密度が上記の数値範囲内にあればよい。なおここで、見かけ密度は、発泡成形体2を水没させた際における水の容積増加分を用いる水没法により求めることができる。
【0020】
本発明の車両用座席シート芯材の製造方法は、掛け止め具6等を配置した金型に発泡粒子を充填して加熱成形する際の成形時または成形後に、
図2、
図5に示すように各掛け止め具6の柱部4が埋設されている成形体2の、柱部4のシート芯材長手方向(
図2の矢印Aに沿った方向)外方に、空間部又は前記柱部からシート芯材長手方向外方に設けられた切り込み8を形成する。空間部または切り込み8は、成形体2にカッターナイフ、熱線等により加工を施すことにより設けることができる。上記切り込みとはカッターナイフ、熱線等により線状に加工を施しただけのものであり、空間部とは空間容積を有するものを言い、
図2、
図5は空間部として形成した例を示す。
図2は成形後で成形体2の収縮が生じていない状態を示す。また、上記空間部または切り込み8は柱部4に対して近接または接続する形で設けられていることが好ましく、さらには、
図2、
図5に示すように柱部4のシート芯材長手方向外方側の面が露出するように設けることが好ましい。また、空間部または切り込み8は柱部4に対して平行に、空間部または切り込みの深さ方向が柱部と平行になるようにして形成されていることが好ましい。なお、成形後とは、掛け止め具を埋設する発泡粒子成形体を型内成形後、成形体2に大きな収縮が生じない間をいい、具体的には、連結部材や掛け止め具を構成する鋼材の弾性領域内で収縮が起こっているうちに遅滞なく、前記空間部または切り込み8が形成されることが好ましい。さらに具体的には、通常、成形後60分程度の間に前記空間部または切り込み8を設けることが好ましい。
【0021】
なお、前記空間部または切り込み8は、前記空間部または切り込み8は、成形後にカッターナイフや熱線で加工して設ける場合に限らず、空間部または切り込み8を形成することができる形状の金型を使用して成形することにより形成することもできる。上記空間部としては、具体的には、スリット形状や溝形状などが挙げられ、柱部4の長手方向外方部分の成形体に、シート芯材長手方向と厚み方向に空間が生じるように、刳り貫いたり、切り欠いたり、予め金型により成形されるようにして形成される。一方、切り込みは、例えば、カッターナイフなどにより、柱部4の長手方向外方部分の成形体に、シート芯材長手方向に向けて厚み方向に切り込みを入れるだけでよい。
【0022】
なお、従来、車両用座席シート芯材を製造する際には、成形体の樹脂の種類から想定される成形体の収縮率αの分だけ、予め収縮が起こることを想定して金型寸法を設計し、発泡粒子成形体を得ていた。しかし、掛け止め具6や連結部材7が埋め込まれて一体成形された発泡粒子成形体においては、上記のような方法によって成形体を得ようとすると、特に、掛け止め6具や連結部材7の周囲の成形体収縮のズレが大きくなり、寸法誤差が大きくなってしまうという問題が生じていた。これは、発泡粒子成形体と掛け止め具や連結部材とが接着しておらず、収縮率が異なることに起因すると考えられる。成形体に収縮が起こると、成形体部分のみが内方側に移動する。この際、掛け止め具や連結部材が存在すると、その部分の周囲の成形体の収縮に影響を及ぼし、成形体の収縮が均一に起こらず、寸法誤差を生じると考えられる。
【0023】
本発明においては、上述のように、成形時または成形後に、空間部または切り込み8を柱部4の長手方向外方に形成する。空間部または切り込み8が形成されていることにより、成形体2が長手方向内側(矢印A)に収縮しても、
図3に示すように空間部または切り込み8が柱部4に対する逃げ部として作用する。その結果、柱部4周辺の成形体が他の部分と同様に均一に収縮することができる。また、収縮が終了した成形体においては、
図3に示すように、柱部4の内方側に空間部または切り込みが形成されることになる。したがって、成形体の収縮時に、柱部4と柱部4の外方側の成形体とが突き当たり、成形体から柱部4に負荷が加わって掛け止め具6が長手方向の内方に押される虞がなく、成形体が均等に収縮することができるので、局所的な寸法変化のずれが抑制されると考えられる。上記観点からは、柱部4のシート芯材長手方向外方には、空間部が形成されることがより好ましい。
【0024】
成形体2を構成する樹脂の種類、成形体2における掛け止め具6を設ける位置等によって、空間部または切り込み8の必要な長さは異なる。成形体を構成する樹脂の収縮率をα、成形体の中心から柱部4までの距離をL(mm)とした時、
図5に示す空間部または切り込み8の長さ:X(柱部4から長手方向外方への切り欠き長さ)は、α×Lにより算出した値(A)以上設けることが好ましく、その上限はA+10mm程度である。さらに具体的には、5mm〜20mmであることが好ましく、6〜15mmであることがさらに好ましい。
【0025】
なお、上記成形体の中心とは、成形体の長手方向において成形体を2分する箇所のことをいう。例えば、
図1に示されるように、車両用座席シート芯材1の前方両端側に掛け止め具6が配置されていると共に、掛け止め具6がシート芯材1の長手方向に沿って発泡粒子成形体内の前方側に埋設された連結部材7によって連結されている場合には、シート芯材1の端部から2つの掛け止め具6を通過して他方側の端部まで直線を引き、その直線の中心部分を成形体の中心とする。
【0026】
空間部または切り込み8は成形体2の表面から掛け止め具6の台座3への方向の深さに向かって設けられるが、空間部または切り込み8の深さZは成形体2表面から台座3までの深さの1/3以上が好ましく、1/2以上がさらに好ましく、特に成形体2表面から台座3までの深さに形成することが好ましい。なお、空間部または切り込み8の幅Yについては特に制限はないが、外方の成形体との突き当たりを防止する観点からは、空間部を形成することが好ましく、その空間部の幅Y(シート芯材前後方向の幅)は、3〜7mmとすることが好ましく、柱部4の幅(直径)と同等とすることがさらに好ましい。空間部または切り込み8が上記のような形状に形成されている場合には、寸法精度に優れる上に、掛け止め具6周辺の成形体が削り取られることが少ないので、掛け止め具6の耐久性、特に抜去力に対してより優れた耐久性(耐引抜き性)を有するものとなる。
【0027】
また、連結部材7が、直径2〜8mm、引張強さ200N/mm
2以上のワイヤー材からなる場合のように、湾曲しやすい場合であっても、上記の空間部または切り込み8を形成することにより、連結部材7の湾曲によるシート芯材1の変形を防止できる。なお、
図2では、2本の柱部に対応した空間部または切り込み8がそれぞれ柱部の長手方向の外方に向けて形成されている。
【0028】
さらに、本発明においては、別途、成形時または成形後に、発泡粒子成形体の、前記掛け止め具6の台座部3と板状部材14とが埋設されている部分の、前記柱部よりシート芯材長手方向外方位置に、
図6に示されるような空間部またはシート芯材長手方向と交差する方向の切り込み9を形成することが好ましい。このような空間部または切り込み9が形成されることにより、空間部または切り込み9よりも外方側の成形体収縮の影響が分断されるため、空間部または切り込み9よりも内側の掛け止め具6周辺の成形体への収縮の影響が小さくなり、寸法誤差を低減させることが可能となると考えられる。なお、上記空間部または切り込み9を、
図6に示すような空間部として形成する場合、空間部9は、シート芯材長手方向と交差する方向に、溝形状として形成されることが好ましい。
【0029】
また、空間部または切り込み9は、台座部3から長手方向に所定間隔を設けて、シート芯材長手方向に交差させて形成することが好ましい。具体的には、空間部または切り込み9は、成形体の収縮量(B)分だけ、台座部3から長手方向に間隔を設けて形成されることが好ましく、さらに具体的には、B〜(B+20)mm程度間隔を設けて形成されることが好ましい。なお、前記収縮量(B)は、成形体を構成する樹脂の収縮率をα、成形体の中心から台座部3までの距離をMとした時、α×Mにより算出した値(B)である。また、空間部または切り込み9は、シート芯材長手方向に直交する方向に形成されることが好ましい。
【0030】
なお、前記空間部または切り込み9は、前記空間部または切り込み8と同様に、前記空間部または切り込み9の形状が形成される金型を使用して成形するか、成形後に金型から取り出した成形体にカッターナイフ、熱線等により加工を施す等により設けることができる。なお、前記空間部または切り欠き9のシート芯材長手方向の長さ(x)に特に制限はないが、概ね0.1〜20mmであることが好ましく、0.2〜15mmであることがより好ましい。また、前記空間部または切り込み9の深さは、台座部3の深さの1/3以上あることが好ましく、より好ましくは1/2以上であり、さらには台座部3の深さまで形成されていることが好ましい。また空間部または切り込9を空間部として形成する場合、空間部9の長さ:y(空間部9のシート芯材前後方向の長さ)に特に制限はないが、概ね台座部の長さ以上であることがより好ましい。なお、前記空間部または切り込み9は、少なくとも掛け止め具を形成する2本の台座部3の外方側に対応する箇所に設けることが好ましい。
【0031】
また、前記シート芯材1の長手方向と交差して設けられる空間部または切り込み9は、柱部4よりシート芯材1の長手方向外方位置に設けられる空間部または切り込み8と連結していることが好ましい。空間部または切り込み9と、空間部または切り込み8とが連結されることにより、前記空間部または切り込み9よりも外側の成形体収縮の影響が効果的に分断されるためである。なお、前記台座部から所定間隔を設けて前記空間部または切り込み9が形成される際には、掛け止め具の柱部以外の周縁部分には切り欠きが形成されないので、耐引き抜き性に優れるシート芯材が得られる。
【0032】
この際、前記連結部材7の端部は板状部材14により形成されていると共に、板状部材14に台座部3が連結されていることが好ましい。すなわち、前記空間部または切り込み9が板状部材14の深さまで達しており、内側と外側の発泡粒子成形体が分断されていることが好ましい。板状部材14が存在することにより、発泡粒子成形体が板状部材14上で滑って移動しやすくなるので、台座部3の影響を受けにくくなり、成形体収縮の影響がより小さくなるためと考えられる。
【0033】
なお、前記連結部材7の端部が板状部材14により形成されている場合には、
図7に示されるような、その板状部材14が埋設された成形体部分の長手方向外方側に、長手方向に交差する方向に向けて空間部15を設けることが好ましい。空間部15が形成されていることにより、成形体2が長手方向内側(矢印A)に収縮しても、空間部15が板状部材14に対する逃げ部として作用し、長手方向外方の成形体が板状部材14に突き当たることが防止される。したがって、成形体の寸法ずれをさらに抑制することができる。
【0034】
なお、シート芯材長手方向に交差して形成される前記空間部または切り込み9と空間部15は、それぞれが独立して形成されていても良いが、
図8に示すように、それらが連結して形成されていてもよい。
【0035】
図4は座席用シート芯材1の異なる実施態様を示し、このシート芯材1では、掛け止め具6を連結する連結部材7が、厚み方向に曲げられた屈曲部10を有する場合を示す。連結部材7が屈曲部10を有する場合、成形体2の屈曲部10の長手方向外方側に、成形時または成形後に、成形体2の表面から屈曲部10まで厚み方向に空隙11を設けることが好ましい。例えば、
図4においては、屈曲部10は、掛け止め具から上方に向けて屈曲している。この場合、成形体の収縮は内方に向けて生じるので、屈曲部の長手方向外方側に、成形体2の表面から屈曲部10まで厚み方向に空隙11を設ける。したがって、空隙11は、屈曲部の上面側に形成されることになる。屈曲部10の外方上側(シート芯材1の長手方向外方)に空隙11を設けることにより、成形体2が収縮した際に屈曲部10が長手方向内側に押されることがなく、連結部材7が変形したり、屈曲部10付近の収縮が不均一となることなく、より寸法精度に優れるシート芯材が得られる。空隙部11の幅(シート芯材長手方向と直行する方向の長さ)は3〜7mmとすることが好ましく、連結部材の幅と同程度とすることがより好ましい。また、空隙部11の長さ(シート芯材長手方向の長さ)には特に制限はなく、屈曲部10に対応する部分に空隙部が形成されていることが好ましい。
【0036】
なお、本発明の車両用シート芯材は、通常、クッション材や表皮材と共に車両座席を構成する。前記シート芯材の上側にはクッション材が設けられ、前記シート芯材はクッション材を支持し、前記クッション材は表皮材に覆われている。
【実施例】
【0037】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
長さ800mm、直径4.5mm、引張強さ(JIS G3532 SWM−B)500N/mm
2の鉄製ワイヤー材の両端部に鉄製の板状部材(厚み1.2mm、縦80mm、横170mm)を介して掛け止め具を連結し、自動車の座席シート芯材成形用金型(長手方向1230mm、前後方向560mm、最大厚み200mm(前側端部90mm))に、掛け止め具がシート芯材の前方両端側に位置して埋設されるように配置し、金型内にポリプロピレン発泡粒子(見かけ密度0.024g/cm
3)を充填し、スチーム加熱して
図1に示す形状のシート芯材を成形した。スチームによる加熱は、両面の型のドレン弁を開放した状態でスチームを5秒間型内に供給して予備加熱(排気工程)を行った後、成形スチーム圧である0.3MPa(G)より0.08MPa(G)低い圧力で一方加熱を行い、さらにその成形スチーム圧より0.04MPa(G)低い圧力で逆方向から一方加熱を行った後、成形スチーム圧で、両面から本加熱を行った。加熱終了後、放圧し、30秒間空冷し、240秒間水冷して、シート芯材を得た。なお、シート芯材の成形体密度は、0.03g/cm
3であり、シート芯材の前方両端部には、長手方向中心から500mmの位置(外方側柱部の位置)に掛け止め具が配置されている。また、掛け止め具は、台座部、柱部、掛け止め部からなる。次いで、成形後15分後、
図5に示すように、掛け止め具の外側の柱部4aの、シート芯材長手方向外方に、シート芯材の長手方向に沿う空間部8a(表1に示す長さX(シート芯材長手方向)、幅Y(シート芯材前後方向)、深さZ(シート芯材厚み方向))をカッターナイフにより形成した。また、内側の柱部4bについても同様に空間部8b(表1に示す長さX、幅Y、深さZ)を形成させた。なお、外側の柱部に対する空間部8aの長さXは、ポリプロピレン系樹脂の収縮率が20/1000であり、掛け止め具の柱部の位置(中心からの距離)が500mmであることから、500×20/1000を計算し、10mmの長さが必要であると決定した。
【0038】
その後、シート芯材を60℃の雰囲気下で12時間養生した後除冷し、シート芯材の寸法変位量及び掛け止め具の引張り変位量(抜去力)を測定した。結果を表1にあわせて示す。
【0039】
実施例2
実施例1と同様にして、シート芯材を成形した。さらに、実施例1と同様の切り込みを形成すると共に、前記台座部から10mm間隔をあけて、台座部分と平行に、シート芯材1の長手方向と直交する空間部(シート芯材長手方向の長さ:x、シート芯材前後方向の長さ:y、深さ:z(表1に示す);なお、前記空間部または切り込み9と空間部15が連結して形成されたもの)を、カッターナイフにより形成した(
図8)。なお、前記間隔は、ポリプロピレン系樹脂の収縮率が20/1000であり、掛け止め具の台座部の位置(中心からの距離)が500mmであることから、500×20/1000を計算し、10mmの長さが必要であると決定した。
【0040】
【表1】
【0041】
比較例1
実施例1と同様にして成形したシート芯材を、成形後に、空間部又は切り込みを設けることなく、60℃の雰囲気下で24時間養生した。養生後のシート芯材の変形及び掛け止め具の引張り変位量を測定した。結果を表1に示す。比較例1では、寸法変化が大きく、所期の目的を満足できないことが分かる。
【0042】
比較例2
実施例1と同様にして成形したシート芯材を、成形後に掛け止め具の周囲を42cm
2に亘って深さ30mm切り抜いて、養生後のシート芯材の変形及び掛け止め具の引張り変位量を測定した。比較例2では、寸法変化は小さいものの、引張り変位量が小さく、耐久性に劣ることが分かる。
【0043】
シート芯材の寸法変位量の測定
シート芯材前面端部の、
図9に示される部位A(芯材長手方向の中心)、部位B(中心から左へ340mm)、部位C(中心から右へ340mm)(いずれも下面から20mmの位置)において、金型寸法と、養生後の成形体の寸法との誤差を測定し、金型寸法よりも外方にズレた場合をプラス、金型寸法よりも内方にズレた場合をマイナスとして表記し、以下の基準で評価した。
◎:寸法変位量の平均が5mm未満である。
○:寸法変位量の平均が5〜6mmである。
×:寸法変位量の平均が6mm超である。
【0044】
掛け止め具の引き抜き変位量(抜去力)の測定
掛け止め具が埋設されたシート芯材において、掛け止め具の掛け止め部5部分に、プッシュプルゲージ(AIKOH社製MODEL−9500)を接続し、掛け止め具を表1に示す引張強度でシート芯材底面から45度の方向に引き抜き、その際の掛け止め具の変位量(上下の移動距離)を引張り変位量として測定した。したがって、引張り変位量が小さいほど、より強い抜去力に対抗できる、強度に優れたシート芯材となる。
【符号の説明】
【0045】
1 車両用座席シート芯材
2 熱可塑性樹脂発泡粒子成形体
3 台座部
4 柱部
5 掛け止め部
6 掛け止め具
7 連結部材
8 空間部または切り込み部
9 空間部または切り込み部
14 板状部材
15 空間部