(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ヒーターが、前記粒子状物質の1以上のレイヤーを加熱するように構成され、粒子状物質の少なくとも一つの下層のレイヤーがカールする温度まで冷却されることを阻止する、請求項1又は2に記載の方法。
前記ヒーターが、焼結を開始させる放射線を供給するための放射線源のピーク波長とは異なるピーク波長を有する範囲の波長を放射する、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の方法。
サポートが前記粒子状物質を受け入れるように構成され、前記サポートが、当該サポートに対して可動な複数の壁を備える、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の方法。
前記放射線吸収物質が前記レイヤーの前記選択された表面部分上に供給される前、前記粒子状物質のレイヤーが前記ヒーターにより少なくとも2回予熱される、請求項16に記載の方法。
物質の焼結部分の温度を決定し、決定した温度を用いて前記焼結部分に与えられるエネルギーを制御する工程を更に含む、請求項1乃至18のいずれか一項に記載の方法。
前記放射線を供給するための放射線源からの出力エネルギーを決定し、決定した出力エネルギーに応じて前記放射線源のエネルギーの出力を制御する工程を更に含む、請求項1乃至23のいずれか一項に記載の方法。
焼結されるべき前記粒子状物質に対して物質を供給して、焼結されるべき前記粒子状物質の特性を変化させる工程を更に含む、請求項1乃至24のいずれか一項に記載の方法。
デバイスが、ハウジング、第1放射線吸収物質を供給するための第1印刷ヘッド、ローラー、及び第1放射線源を備える、請求項27乃至30のいずれか一項に記載の方法。
プロセッサにより実行される時、請求項1乃至36のいずれか一項に記載の方法の実行を生じさせる指令がエンコードされた非一時的コンピューター読み取り可能記憶媒体。
前記ヒーターが、前記粒子状物質のレイヤーの1つ以上を加熱するように構成され、粒子状物質の少なくとも一つの下層のレイヤーがカールする温度まで冷却されることを阻止する、請求項39又は40に記載の機器。
前記ヒーターが、前記放射線を供給するための放射線源のピーク波長とは異なるピーク波長を有する範囲の波長を放射するように構成される、請求項39乃至42のいずれか一項に記載の機器。
前記粒子状物質を受け入れるように構成されたサポートを更に備え、前記サポートが、当該サポートに対して可動な複数の壁を備える、請求項39乃至51のいずれか一項に記載の機器。
前記放射線吸収物質が前記レイヤーの前記選択された表面部分上に供給される前に、前記粒子状物質のレイヤーが前記ヒーターにより少なくとも2回予熱される、請求項54に記載の機器。
前記物質の焼結部分の温度を決定するべく構成されたセンサーを更に備え、前記コントローラーが、決定した温度を用いて前記焼結部分に与えるエネルギーを制御するように構成される、請求項39乃至56のいずれか一項に記載の機器。
前記放射線を供給するための放射線源からの出力エネルギーを決定するように構成されたセンサーを更に備え、前記コントローラーが、決定した出力エネルギーに応じて前記放射線源のエネルギーの出力を制御するように構成される、請求項39乃至60のいずれか一項に記載の機器。
前記コントローラーが、焼結されるべき前記粒子状物質の特性を変化させるべく、焼結されるべき前記粒子状物質に対する物質の供給を制御するように構成される、請求項39乃至61のいずれか一項に記載の機器。
前記放射線吸収物質を供給するように構成された印刷ヘッドを更に備え、前記印刷ヘッドが、前記放射線吸収物質の温度を制御するための関連の熱制御装置を含む、請求項64に記載の機器。
ハウジング、第1放射線吸収物質を供給するための第1印刷ヘッド、ローラー、及び第1放射線源を備えるデバイスを更に備える、請求項64乃至67のいずれか一項に記載の機器。
所定領域について放射線吸収物質の量を測定するように構成されたセンサーを更に備え、前記コントローラーが、測定結果が所定範囲内であるか否かを決定するように構成される、請求項64乃至71のいずれか一項に記載の機器。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
必ずしも全てではないが、本発明の様々な実施形態によれば、粒子状物質を選択的に結合する方法が提供され、該方法が、
(i)部分土台に粒子状物質のレイヤーを提供する工程;
(ii)放射線を供給して前記レイヤーの前記物質の一部を焼結する工程;
(iii)前回焼結した前記物質の一部を含む粒子状物質の前回レイヤーの上層に粒子状物質の追加レイヤーを提供する工程;
(iv)放射線を供給して上層の前記追加レイヤー内の物質の別部分を焼結し、前記別部分を前記前回レイヤーの前記前回焼結した物質の一部に焼結する工程;
(v)工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返して三次元オブジェクトを造形する工程を含み、
前記粒子状物質のレイヤーの少なくとも幾つかが、各レイヤーの前記物質の一部の焼結前にヒーターにより予熱され、前記ヒーターが、前記粒子状物質に対し、近接して動くように構成される。
【0006】
前記ヒーターが、粒子状物質の100mm内で動くように構成される。
【0007】
前記ヒーターが、前記粒子状物質のレイヤーの少なくとも幾つかを加熱するように構成され、粒子状物質の少なくとも一つの下層のレイヤーがカールする温度まで冷却されることを阻止する。
【0008】
前記放射線を供給するための放射線源が、楕円構成を規定する反射装置を備える。
【0009】
方法が、粒子状物質の温度を測定する工程;及び測定した温度を用いて前記粒子状物質のレイヤーの予熱を制御する工程を更に含む。
【0010】
前記ヒーターが、焼結を開始させる放射線を供給するための放射線源のピーク波長とは異なるピーク波長を有する範囲の波長を放射する。
【0011】
前記粒子状物質のレイヤーが、前記ヒーターのみにより実質的に予熱される。
【0012】
方法が、物質の焼結部分の温度を決定し、決定した温度を用いて前記焼結部分に与えられるエネルギーを制御する工程を更に含む。
【0013】
前記決定した温度が閾値温度未満であるならば、前記焼結部分に与えられる前記エネルギーが増加される。
【0014】
前記決定した温度が閾値温度を超えるならば、前記焼結部分に与えられる前記エネルギーが減じられる。
【0015】
センサーが前記焼結部分の温度の決定に用いられる。
【0016】
前記センサーが、赤外線カメラ、単一パイロメーター又はパイロメーターのアレイである。
【0017】
方法が、前記放射線を供給するための放射線源からの出力エネルギーを決定し、決定した出力エネルギーに応じて前記放射線源のエネルギーの出力を制御する工程を更に含む。
【0018】
前記放射線を供給するための放射線源が前記ヒーターとは異なる。
【0019】
前記粒子状物質のレイヤーを予熱する前記ヒーターが、前記放射線を供給するための放射線源を備える。
【0020】
複数の放射線源が放射線を供給するように構成される。
【0021】
前記複数の放射線源の少なくとも幾つかが、異なるピーク波長を持つ放射線を供給する。
【0022】
1以上のフィルターが、前記複数の放射線源の少なくとも幾つかにより供給される放射線をフィルターするように構成される。
【0023】
前記複数の放射線源の少なくとも幾つかが、前記粒子状物質に放射線を供給するべく個別に制御可能である。
【0024】
前記複数の放射線源の少なくとも幾つかが前記ヒーターを形成する。
【0025】
サポートが前記粒子状物質を受け入れるように構成され、前記サポートが、当該サポートに対して可動な複数の壁を備える。
【0026】
前記複数の壁の少なくとも幾つかが、前記粒子状物質を加熱するためのヒーターを含む。
【0027】
方法が、焼結されるべき前記粒子状物質に対して物質を供給して、焼結されるべき前記粒子状物質の特性を変化させる工程を更に含む。
【0028】
方法が、前記レイヤーの選択された表面部分に亘り工程(ii)で供給される放射線の吸収を変化させて前記レイヤーの物質の一部を焼結する工程;及び前記追加レイヤーの選択された表面部分に亘り工程(iv)で供給される放射線の吸収を変化させて、上層の前記追加レイヤー内の物質の別部分を焼結し、また前記別部分を前記前回レイヤーの前記前回焼結した物質の一部に焼結する工程を更に含む。
【0029】
放射線吸収の変化が、前記レイヤー及び前記追加レイヤーの各々の前記選択された表面部分に亘りある量の放射線吸収物質を供給することにより達成される。
【0030】
前記粒子状物質のレイヤーが供給された直後、また前記レイヤーの前記選択された表面部分上に前記放射線吸収物質が供給される実質的に前に、前記粒子状物質のレイヤーが実質的に予熱される。
【0031】
前記放射線吸収物質が前記レイヤーの前記選択された表面部分上に供給される前、前記粒子状物質のレイヤーが前記ヒーターにより少なくとも2回予熱される。
【0032】
前記放射線吸収物質が印刷ヘッドにより供給され、前記印刷ヘッドが、前記放射線吸収物質の温度を制御するための関連の熱制御装置を含む。
【0033】
赤外線吸収顔料又は染料が前記放射線吸収物質に加えられる。
【0034】
前記放射線吸収物質が黒以外の色を持つ。
【0035】
デバイスが、ハウジング、第1放射線吸収物質を供給するための第1印刷ヘッド、ローラー、及び第1放射線源を備える。
【0036】
前記第1印刷ヘッドが、前記ローラーと前記第1放射線源の間に配置される。
【0037】
前記デバイスが、前記ローラーに隣接して配置された第2放射線源を更に備える。
【0038】
前記デバイスが、第2放射線吸収物質を供給するための第2印刷ヘッドを更に備える。
【0039】
方法が、所定領域について放射線吸収物質の量を測定し、測定結果が所定範囲内であるか否かを決定する工程を更に含む。
【0040】
前記粒子状物質が、ポリマー、セラミック、及び金属の少なくとも一つを含む。
【0041】
必ずしも全てではないが、本発明の様々な実施形態によれば、プロセッサにより実行される時、先行の段落のいずれかに記載の方法の実行を生じさせる指令がエンコードされた非一時的コンピューター読み取り可能記憶媒体が提供される。
【0042】
必ずしも全てではないが、本発明の様々な実施形態によれば、コンピューター上で実行される時、先行の段落のいずれかに記載の方法を実行するコンピュータープログラムが提供される。
【0043】
必ずしも全てではないが、本発明の様々な実施形態によれば、粒子状物質を選択的に結合するための機器が提供され、当該機器が、コントローラーを備え、該コントローラーが、(i)部分土台への粒子状物質のレイヤーの提供を制御し;(ii)放射線の供給を制御し、前記レイヤーの前記物質の一部を焼結し;(iii)前回焼結した前記物質の一部を含む粒子状物質の前回レイヤーの上層の粒子状物質の追加レイヤーの提供を制御し;(iv)放射線の供給を制御し、上層の前記追加レイヤー内の前記物質の別部分を焼結し、前記別部分を前記前回レイヤーの前記前回焼結した物質の一部に焼結し;(v)工程(iii)及び(iv)の連続的な繰り返しを制御し、三次元オブジェクトを造形するように構成され、前記粒子状物質のレイヤーの少なくとも幾つかが、各レイヤーの前記物質の一部の焼結前にヒーターにより予熱され、前記ヒーターが、粒子状物質に対し、近接して動くように構成される。
【0044】
前記ヒーターが、粒子状物質の100mm内で動くように構成される。
【0045】
前記ヒーターが、前記粒子状物質のレイヤーの少なくとも幾つかを加熱するように構成され、粒子状物質の少なくとも一つの下層のレイヤーがカールする温度まで冷却されることを阻止する。
【0046】
機器が、前記放射線を供給するための放射線源を更に備え、当該放射線源が、楕円構成を規定する反射装置を含む。
【0047】
機器が、前記粒子状物質の温度を測定するべく構成されたセンサーを更に備え、前記コントローラーが、測定した温度を用いて前記粒子状物質のレイヤーの予熱を制御するように構成される。
【0048】
前記ヒーターが、前記放射線を供給するための放射線源のピーク波長とは異なるピーク波長を有する範囲の波長を放射するように構成される。
【0049】
前記粒子状物質のレイヤーが、前記ヒーターのみにより実質的に予熱される。
【0050】
デバイスが、前記物質の焼結部分の温度を決定するべく構成されたセンサーを更に備え、前記コントローラーが、決定した温度を用いて前記焼結部分に与えるエネルギーを制御するように構成される。
【0051】
前記決定した温度が閾値温度未満であるならば、前記焼結部分に与えられる前記エネルギーが増加される。
【0052】
前記決定した温度が閾値温度を超えるならば、前記焼結部分に与えられる前記エネルギーが減じられる。
【0053】
前記センサーが、赤外線カメラ、単一パイロメーター又はパイロメーターのアレイである。
【0054】
機器が、前記放射線を供給するための放射線源からの出力エネルギーを決定するように構成されたセンサーを更に備え、前記コントローラーが、決定した出力エネルギーに応じて前記放射線源のエネルギーの出力を制御するように構成される。
【0055】
機器が、前記放射線を供給するように構成された放射線源を更に備え、当該放射線源が前記ヒーターとは異なる。
【0056】
前記粒子状物質のレイヤーを予熱する前記ヒーターが、前記放射線を供給するための放射線源を備える。
【0057】
機器が、放射線を供給するように構成された複数の放射線源を更に備える。
【0058】
前記複数の放射線源の少なくとも幾つかが、異なるピーク波長を持つ放射線を供給する。
【0059】
機器が、前記複数の放射線源の少なくとも幾つかにより供給される放射線をフィルターするように構成された1以上のフィルターを更に備える。
【0060】
前記複数の放射線源の少なくとも幾つかが、前記粒子状物質に放射線を供給するべく個別に制御可能である。
【0061】
前記複数の放射線源の少なくとも幾つかが前記ヒーターを形成する。
【0062】
機器が、前記粒子状物質を受け入れるように構成されたサポートを更に備え、前記サポートが、当該サポートに対して可動な複数の壁を備える。
【0063】
前記複数の壁の少なくとも幾つかが前記粒子状物質を加熱するためのヒーターを含む。
【0064】
前記コントローラーが、焼結されるべき前記粒子状物質の特性を変化させるべく、焼結されるべき前記粒子状物質に対する物質の供給を制御するように構成される。
【0065】
前記コントローラーが、
前記レイヤーの選択された表面部分に亘り工程(ii)で供給される放射線の吸収を変化させて前記レイヤーの物質の一部を焼結する工程;及び
前記追加レイヤーの選択された表面部分に亘り工程(iv)で供給される放射線の吸収を変化させて、上層の前記追加レイヤー内の物質の別部分を焼結し、また前記別部分を前記前回レイヤーの前記前回焼結した物質の一部に焼結する工程を制御するように構成される。
【0066】
放射線吸収の変化が、前記レイヤー及び前記追加レイヤーの各々の前記選択された表面部分に亘りある量の放射線吸収物質を供給することにより達成される。
【0067】
前記粒子状物質のレイヤーが供給された直後、また前記レイヤーの前記選択された表面部分上に前記放射線吸収物質が供給される実質的に前に、前記粒子状物質のレイヤーが実質的に予熱される。
【0068】
前記放射線吸収物質が前記レイヤーの前記選択された表面部分上に供給される前、前記粒子状物質のレイヤーが前記ヒーターにより少なくとも2回予熱される。
【0069】
前記放射線吸収物質を供給するように構成された印刷ヘッドを更に備え、前記印刷ヘッドが、前記放射線吸収物質の温度を制御するための関連の熱制御装置を含む。
【0070】
赤外線吸収顔料又は染料が前記放射線吸収物質に加えられる。
【0071】
前記放射線吸収物質が黒以外の色を持つ。
【0072】
機器が、ハウジング、第1放射線吸収物質を供給するための第1印刷ヘッド、ローラー、及び第1放射線源を備えるデバイスを更に備える。
【0073】
前記第1印刷ヘッドが、前記ローラーと前記第1放射線源の間に配置される。
【0074】
前記デバイスが、前記ローラーに隣接して配置された第2放射線源を更に備える。
【0075】
前記デバイスが、第2放射線吸収物質を供給するための第2印刷ヘッドを更に備える。
【0076】
機器が、所定領域について放射線吸収物質の量を測定するように構成されたセンサーを更に備え、前記コントローラーが、測定結果が所定範囲内であるか否かを決定するように構成される。
【0077】
前記粒子状物質が、ポリマー、セラミック、及び金属の少なくとも一つを含む。
本発明の実施形態の様々な実施例のより良い理解のために、ここで例示のためのみに添付図面を参照する。
【発明を実施するための形態】
【0079】
図面を参照すると、例えば、焼結により粒子状物質を結合するための機器11が全体的に示される。機器11は、放射線源12により供給される放射線、例えば赤外線に対する粒子状物質のレイヤー10の表面部分の露出を可能にするべく構成されたコントローラー13を備える。コントローラー13は、表面部分に亘る放射線吸収の変動を制御するようにも構成される。
【0080】
コントローラー13の実施は、ハードウェア単体(例えば、回路、プロセッサ等)で可能であり、ファームウェア単体を含むソフトウェアのある側面を有し、或いはハードウェアとソフトウェア(ファームウェア含む)の組み合わせである。コントローラー13は、ハードウェア機能性を可能にする指令、例えば、汎用又は特定用途のプロセッサ13
1で実行可能であり、そのようなプロセッサ13
1により実行されるべくコンピューター読み取り可能記憶媒体13
2(ディスク、メモリ等)上に記憶されたコンピュータープログラム指令13
3を用いて実施され得る。
【0081】
プロセッサ13
1は、メモリ13
2に対してリード及びライトするべく構成される。プロセッサ13
1は、これを介してデータ及び/又はコマンドがプロセッサ13
1により出力される出力インターフェース、及びこれを介してデータ及び/又はコマンドがプロセッサ13
1に入力される入力インターフェースも備える。
【0082】
メモリ13
2は、プロセッサ13
1にロードされる時に機器11の動作を制御するコンピュータープログラム指令を備えるコンピュータープログラム13
3を記憶する。コンピュータープログラム指令13
3がロジック及びルーティーンを提供し、機器11が後述の段落、また
図9、10、11、12、及び13に図示のものに記載の方法を実行することが可能になる。プロセッサ13
1は、メモリ13
2を読み、コンピュータープログラム13
3をロードして実行できる。
【0083】
コンピュータープログラム13
3は、任意の適切な配信メカニズム15を介して機器11に伝達する。配信メカニズム15は、例えば、非一時的なコンピューター読み取り可能記憶媒体、コンピュータープログラム製品、メモリ装置、コンパクトディスクリードオンリーメモリー(CD-ROM)又はデジタル多用途ディスク(DVD)といった記録媒体、コンピュータープログラム13
3を有形に体現する製品であり得る。配信メカニズムは、コンピュータープログラム13
3を信頼性高く転送するべく構成された信号であり得る。機器11は、コンピューターデータ信号としてコンピュータープログラム13
3を伝搬又は伝送し得る。
【0084】
メモリ13
2が単一部品として図示されるが、1以上の別々の部品で実施され得、これらの幾つか又は全てが、一体化/取り外し可能であり、及び/又は永久/半永久/ダイナミック/キャッシュされたストレージを提供する。
【0085】
「コンピューター読み取り可能記憶媒体」、「コンピュータープログラム製品」、「有形に体現されたコンピュータープログラム」等又は「コントローラー」、「コンピューター」、「プロセッサ」等の参照は、シングル/マルチプロセッサアーキテクチャー及びシーケンシャル(フォンノイマン)/パラレルアーキテクチャーといった異なるアーキテクチャーを有するコンピューターだけではなく、当然、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA(field-programmable gate arrays))、特定用途向け回路(ASIC(application specific circuits))、信号処理装置、及び他の処理回路も包含する。コンピュータープログラム、指令、コード等の参照は、例えば、当然に、ハードウェア装置のプログラム可能なコンテンツ、プロセッサ用のウェザー指令(whether instruction)、若しくは固定機能装置、ゲートアレイ又はプログラム可能ロジック装置等の構成セッティングといったプログラム可能なプロセッサ又はファームウェア用のソフトウェアを包含する。
【0086】
この出願で用いられるように、用語「回路」が、次の全てに言及する:(a)(アナログ及び/又はデジタル回路のみでの実施といった)ハードウェアのみ回路の実施、及び(b)回路とソフトウェア(及び/又はファームウェア)の組み合わせ、(適用可能であるならば)(i)プロセッサ(群)の組み合わせ、又は(ii)一緒に稼働して装置、例えばモバイルフォン又はサーバーに様々な機能を実行させるプロセッサ(群)/ソフトウェア(デジタル信号プロセッサ(群)を含む)の部分、ソフトウェア、及びメモリ(群)、及び(c)ソフトウェア又はファームウェアが物理的に存在していなくても、ソフトウェア又はファームウェアに動作を要求するマイクロプロセッサ(群)又はマイクロプロセッサ(群)の部分といった回路。
【0087】
「回路」の定義は、本出願における同用語の全使用に適用し、いずれかの請求項での使用も含む。更なる例としては、本出願で用いられるように、用語「回路」は、単なるプロセッサ(又はマルチプロセッサ)若しくはプロセッサの部分とその(またはそれらの)付随のソフトウェア及び/又はファームウェアの実施も含意する。用語「回路」は、また、例えば、特定のクレイム要素に適用可能であるならば、モバイルフォン用のベースバンド集積回路又はアプリケーションプロセッサ集積回路、又はサーバー、セルラーネットワーク装置、又は他のネットワーク装置の同様の集積回路も含意する。
【0088】
図1は、粒子状物質の焼結用の機器の第1実施形態を図示し、遮蔽材14(つまり、マスク)が、レイヤー10の表面部分上に線源12で生成される放射線を選択的に遮蔽するために設けられ、これによりレイヤー10の表面部分上に入射する放射線の強度を変更する。遮蔽材14は、ガラス板といった放射線透過性基板16を備え、これは、酸化アルミニウムといった変動量の放射線反射性物質18を支持する。基板上に堆積した物質18の量やパターンは、以降に説明のように、レイヤー10の表面部分上に入射する放射線の強度を選択的に変更するべく変更される。
【0089】
図2も参照すると、レイヤー10の表面部分が遮蔽材14により多数の領域に論理的に分割され、これが、粒子状物質を結合するために放射線に晒されるべき結合部分20、焼結により粒子状物質の結合を阻止するために放射線から遮蔽又少なくとも実質的に遮蔽されるべき非結合部分22を含む。非結合部分22に伝達される放射線の強度が、粒子状物質がその焼結温度まで加熱されない程度ならば、非結合部分22の完全遮蔽は本質的ではない。幾つかの状況では、非結合部分22上への放射線の低強度の伝達で物質を加熱することが望ましく、また完成部品の精度の向上に帰結し得る。これは、非結合部分22の加熱物質が、結合部分20と非結合部分22の物質の間の熱勾配を低減するためである。
【0090】
結合部分20が遮蔽材14により中央部分24とエッジ部分26に論理的に分割され、反射性物質18が基板16上に堆積され、反射性物質18が配されないだろうエッジ部分26よりも中央部分24により多くの量の物質18が堆積される。結果として、結合部分20の表面に亘る放射線の強度が、粒子状物質のレイヤー10の表面が放射線源12で生成の放射線に完全に晒されるエッジ部分26での最大値まで中央部分24での最小値から増加する。
【0091】
反射性物質のレイヤーが
図1では模式的に図示される。図のレイヤーの厚みの変動は、実際のレイヤーの厚みの変動を図示せず、物質の量の変動を図示する。図でレイヤーが厚く示されるところには、実際に多量の物質が存在する。
【0092】
結合部分20が、たった一つのエッジ部分26を有し、中央部分24が結合部分20の中央に設けられるように図示したが、結合部分20が例えば環状構成であり、中央部分24がエッジ部分26により2つの側方から結合され得ることが理解される。更には、中央部分24が粒子状物質のレイヤー10の表面部分の中央に配置されることは本質的ではない。
【0093】
コントローラー13は、モーター28を制御するべく構成され、
図1に示す、レイヤー10を被覆する遮蔽位置から、レイヤー10を被覆しない非遮蔽位置へ遮蔽材14を移動する。コントローラー13は、基板16上へ反射性物質18を堆積するため、印刷ヘッド30といった堆積装置を制御するようにも構成される。コントローラー13は、ヘッド30により基板16の各部分に堆積される物質18の量を制御する。
図1に示す実施形態においては、ヘッド30が静止を維持し、モーター28がヘッド30を通過するように基板16を動かすことに応じて基板16上に反射性物質18を堆積する。(不図示の)代替実施形態においては、レイヤー10を被覆する、基板16が静止を維持し、モーター28が基板16上で印刷ヘッド30を動かし、そこに反射性物質18を堆積する。
【0094】
図示の実施形態においては、反射性物質18が機器の稼働中に基板16上に同期間に印刷される。ヘッド30により基板16上に印刷された物質18の量が、レイヤー10の表面温度に応じてコントローラー13により変更される。機器11は、1以上のセンサー31を1以上の機器11の特性を測定するために含む。レイヤー10の表面温度が、温度測定装置(例えば、パイロメーター、又は熱画像カメラ)といったセンサー31により測定され、表面温度測定値がリアルタイムでコントローラー13に伝送される。(不図示)ワイピング構成が反射性物質18を基板16から除くために設けられ、それを再使用できる。基板表面での所望の放射線強度プロファイルに依存し、異なる量の物質18を基板16に堆積できる。
【0095】
代替して、反射性物質18が機器の稼働前に基板16上に事前印刷され、粒子状物質の各レイヤー10に一つ、同一の事前印刷基板16又は多数の事前印刷基板16が使用される。この場合、パイロメーターを用いた表面温度の測定が必要ではない。複数の事前印刷基板16の使用は、多量の同一部品の製造の必要がある場合には特に有益である。なぜなら、それにより物質の各レイヤーを焼結するのに要する時間が減じられ、これによりプロトタイプ部品が製造でき、反復性を高め、部品の製造コストの低減につながるためである。
【0096】
複数の事前印刷基板16を利用し、又は異なる量の反射性物質18を同一基板16上に同時期に印刷し、またこれらを使用して物質の同一レイヤー10を複数の露光ステップで異なる放射線強度プロファイルに露光することは本発明の範囲内であることも注意されたい。
【0097】
図3は、粒子状物質を結合するための第2実施形態の機器を図示し、ここで対応の要素には対応の参照番号が付与されている。
図3の機器は、
図1に図示のものに類似するが、反射性物質18が基板16上に堆積されることに代えて、反射性物質18が、印刷ヘッド30を用いて粒子状物質のレイヤー10の表面部分上に直接的に堆積される。
【0098】
この実施形態の機器においては、印刷ヘッド30が、再び、コントローラー13により制御され、これが、レイヤー10の表面に亘るヘッド30の動きとレイヤー10上への反射性物質18の堆積の速度の両方を制御する。ここでも、温度測定装置31、例えば、パイロメーターP又は熱画像カメラを用いてレイヤー10の表面温度のリアルタイム測定が実行され、コントローラー13により温度測定値が用いられ、レイヤー10の表面部分上にヘッド30により印刷される反射性物質18の量が決定される。
【0099】
反射性物質のレイヤーが
図3に概略的に図示される。図でのレイヤー厚の変動が実際のレイヤー厚の変動を図示せず、物質の量の変動を図示する。図においてレイヤーが厚いところには、実際には多量の物質が存在する。
【0100】
図4は、第1及び第2実施形態と同様の粒子状物質を結合するための機器の第3実施形態を図示し、ここで対応の要素には対応の参照番号が付与される。この実施形態においては、コントローラー13が、線源12から供給される放射線を選択的に方向変換(反射)するように構成され、これにより、レイヤー10の表面部分に亘り入射する放射線強度を変更する。コントローラー13を用いて、デジタルミラー装置(DMD(Digital Mirror Device))36を形成する複数のミラー34を制御することにより放射線の選択的な方向転換が達成される。各ミラー34は、放射線がレイヤー10の表面部分上へ全反射される動作位置又は放射線が全反射されて表面部分から離間する非動作位置へコントローラーにより調整可能である。ミラー34のアレイを提供することにより、後記のように、レイヤー10の表面部分が有効にセグメントのアレイに分割され、個々のミラー34が動作及び非動作位置の間で動かされる頻度(周波数)を選択的に変更して、ビットマップ画像に応じ、各セグメントに入射する放射線の強度が変更できる。
【0101】
パイロメーターといった温度測定装置の使用は、オプションではあるが、レイヤー10の表面部分に亘る瞬時の温度変動に応答してコントローラー13により各ミラー34の位置が瞬時、リアルタイムに制御可能である本実施形態の機器には特に有利である。
【0102】
図5は、上述の実施形態と同様の粒子状物質を結合するための機器の第4実施形態を図示し、ここで対応の要素には対応の参照番号が付与されている。
【0103】
図5の機器は、粒子状物質のレイヤー10の表面部分上に直接的に物質が堆積される点において
図3の機器に最も類似している。しかしながら、第4実施形態によれば、物質が、放射線吸収物質50、例えば、粉体形態にカーボンブラックを含む物質である。使用に際しては、放射線源12により供給の放射線が、表面上に存在する範囲で放射線吸収物質50により吸収され、放射線吸収物質50の加熱が生じる。放射線吸収物質50からの熱が下層の粒子状物質に伝達し、粒子状物質の個々の粒子の温度を高める。粒子群がそれらの溶融温度に近づく温度まで加熱される時、これらが隣接の加熱された粒子らに接して合体する。続いて温度が低下するとき、粒子群が結合した粒子状物質の合体の塊を形成する。
【0104】
レイヤー10の表面部分上への放射線吸収物質50の直接的な堆積により、所望のように、粒子状物質の放射線吸収特性が変更され、また注意深く制御される。様々な実施形態においては、放射線吸収物質50の一定量が粒子状物質10の表面上に設けられ、これが粒子状物質の幾つか又は全てのレイヤー10のために繰り返され、三次元オブジェクトを造形する。他の実施形態においては、表面上の放射線吸収物質50の量の変更により、下層の粒子状物質のレイヤー10の表面部分の放射線吸収特性の変更が可能である。放射線吸収物質50がより多く存在する領域においては、放射線源12から供給の放射線がより多く吸収される。より多くの量の熱が下層の粒子状物質に伝達し、従って、それが高温まで加熱され、より急速に結合する。吸収物質50が少なくとも存在する領域においては、より少ない放射線吸収となり、従って、下層の粒子状物質に伝わる熱が少なく、それが低速で結合する。
【0105】
放射線吸収物質50がなく、放射線源12から供給の放射線に純な粒子状物質が晒される領域においては、放射線の吸収が不十分であり、粒子状物質が溶融温度まで加熱されない。従って、放射線吸収物質50がない領域では粒子状物質の結合が起こらない。
【0106】
放射線吸収物質50のレイヤーが
図5に概略的に図示される。図のレイヤー厚の変動は、レイヤーの厚みの変動を図示せず、物質の量の変動を図示する。図においてレイヤーが厚いところには、実際には多量の物質が存在する。
【0107】
図1及び3の実施形態のように、中央部分24よりも結合部分20のエッジ部分26でより多くの放射線吸収を行うことが望ましい。従って、放射線吸収物質50の量がエッジ部分26での最大値から中央部分24での最小値に減少する。
【0108】
図示のように、非結合領域22では粒子状物質のレイヤー10の表面部分上に放射線吸収物質50が配されていない。上記の理由のため、レイヤー10が放射線に晒される時、非結合領域22では粒子状物質の結合が生じない。しかしながら、非結合領域22で粒子状物質がある程度に加熱され、これは、上述のように、結合部分20と非結合領域22の粒子状物質の間の熱勾配を有利にも最小化できる。
【0109】
図3の実施形態に関しては、印刷ヘッド30が、放射線吸収物質50の所望量をレイヤー10の表面部分上に堆積するように動作し、印刷ヘッド30の動きやヘッド30により堆積された物質50の量がコントローラー13により制御される。ここでもパイロメーター又は熱画像カメラがレイヤー10の表面温度を測定するために用いられ、堆積される放射線吸収物質50の量が、温度測定値に応じてコントローラー13により変更される。
【0110】
出願人は、低速での焼結により粒子状物質が結合される時、結合した物質が良好な物質特性、例えば、高強度を有するが、エッジ部分26では乏しい精細度を有することを見いだした。乏しい精細度は、粒子状物質が結合するために生じ、そこでは幾らかの縮小(収縮)があり、これが非結合領域22から結合領域20に向かう非結合の粒子の不要な動きを生じさせる。他方、粒子状物質が高速に焼結される時、結合した物質が劣等な物質特性を有し、しかしながら、エッジ部分26の粒子状物質が高速に結合され、また位置固定され、これにより周囲の非結合の粒子状物質の不要な動きが最小化され、良好なエッジ精細度を有する。
【0111】
従って、良好な物質特性とエッジ部分26での良好な精細度を有する結合した粒子状物質のレイヤー10を提供するため、結合部分20の粒子状物質を低速で結合して良好な物質特性を確保し、エッジ部分26で粒子状物質を急速に結合させて良好なエッジ精細度を確保することが望ましい。
【0112】
これを達成可能とする一つの方法は、上述の発明の実施形態の機器とは異なる機器を用い、結合部分20の残部よりもエッジ部分26でより多くの放射線吸収を行う。これは、第1、第2又は第3実施形態に係る機器を用いてレイヤー10の選択された表面部分上に入射する放射線の強度を変更することにより、若しくは、表面部分に亘る放射線吸収物質50の量の変動の提供により選択された表面部分に亘る放射線の吸収を変更することにより達成可能である。上述の全ての場合において、単一の露光ステップでレイヤー10上に放射線が照射される。
【0113】
本発明の第4実施形態に係る機器を用い、ここで以降に説明するように、同様の結果が、複数の露光ステップにおいて粒子状物質のレイヤー10上に放射線を提供することにより達成される。
【0114】
第1方法によれば、放射線吸収物質50の一定の第1量が結合部分20上に設けられ、放射線源12を用い、レイヤー10上に放射線が照射され、結合部分20の下層の粒子状物質が結合する。放射線吸収物質50の第1量が相対的に少ない量に選択されており、下層の粒子状物質が低速で結合し、良好な物質特性を持つ。
【0115】
粒子状物質が結合した後、縮小が生じるだろうエッジ部分26でレイヤー10に更に粒子状物質が加えられる。第1量よりも多い同一の放射線吸収物質50の第2量は、次に、エッジ部分26上に供給され、再度、放射線源12を用いて放射線がレイヤー10上に照射される。物質の第2量が相対的に多くの量に選択され、下層の粒子状物質が高速に結合する。エッジ部分26に存在する放射線吸収物質50の量の増加に起因し、また下層の粒子状物質の高速な結合のため、物質の縮小が最小化され、従って、物質が結合した結果のレイヤー10がエッジ部分26で良好な精細度を持つ。
【0116】
第2方法によれば、第1自然放射線吸収性を有する第1放射線吸収物質50の一定量が結合部分20上に設けられ、放射線源12を用いてレイヤー10上に放射線が照射され、結合部分20の下層の粒子状物質が結合する。第1放射線吸収物質50が低い自然放射線吸収性を有するように選択され、相対的に少ない量の放射線が吸収され、下層の粒子状物質が低速で結合し、良好な物質特性を持つ。
【0117】
粒子状物質が結合した後、縮小が生じるだろうエッジ部分26でレイヤー10上に更に粒子状物質が加えられる。第2自然放射線吸収性を有する異なる第2放射線吸収物質50が、次にエッジ部分26上に設けられ、再び、放射線が放射線源12を用いてレイヤー10上に照射される。第2放射線吸収物質50が高い自然放射線吸収性を有するように選択され、これが第1放射線吸収物質50の吸収性よりも高く、従って、より多量の放射線が吸収され、エッジ部分26の下層の粒子状物質が高速で結合する。
【0118】
第3方法によれば、放射線の第1波長又はスペクトル範囲を吸収可能である第1放射線吸収物質50が結合部分20上に供給され、放射線源12を用いて、レイヤー10上に第1波長又はスペクトル範囲の放射線が照射され、結合部分20の下層の粒子状物質が結合する。
【0119】
粒子状物質が結合した後、縮小が生じるだろうエッジ部分26でレイヤー10に追加の粒子状物質が加えられる。放射線の異なる第2波長又はスペクトル範囲を吸収可能である第2放射線吸収物質50がエッジ部分26上に供給され、放射線源12を用いてレイヤー10上に第2波長又はスペクトル範囲の放射線が照射される。
【0120】
結合部分20での所望の物質特性を確保するため、第1波長又はスペクトル範囲の放射線が相対的に低強度を持つように選択され、第1放射線吸収物質50が低速で加熱され、下層の粒子状物質が低速で結合する。エッジ部分26での良好な精細度を確保するため、第2波長又はスペクトル範囲の放射線が相対的に高強度を持つように選択され、第2放射線吸収物質50が急速に加熱され、下層の粒子状物質が急速で結合する。
【0121】
代替して、第1方法を参照して上述のように、第1放射線吸収物質50よりも多くの量の第2放射線吸収物質50が設けられ、放射線源12により供給される第1及び第2波長又はスペクトル範囲の放射線が同一強度を持つように選択される。
【0122】
更なる代替例としては、第2方法を参照して上述のように、第2放射線吸収物質50が第1放射線吸収物質50よりも高い自然放射線吸収性を持つように選択され、放射線源12により供給の第1及び第2波長又はスペクトル範囲の放射線が同一強度を持つように選択される。
【0123】
望まれるならば、第3方法が採用され、第1及び第2放射線吸収物質50が粒子状物質のレイヤーの表面上に同時に与えられ、第1及び第2波長又はスペクトル範囲の放射線が別工程で提供される。
【0124】
上述の第1、第2、及び第3方法が修正され、レイヤー10のエッジ部分26の粒子状物質が初期段階では高速に結合してエッジ部分26をロックし、続いて、結合部分20の残部の粒子状物質が低速で結合されて所望の物質特性を確保することも可能である。
【0125】
ここで
図6a及び6bを参照すると、本発明に係る機器により、粒子状物質のレイヤー10の表面部分がセグメント32のアレイに論理的に分割されることが許容される。コントローラー13が独立して各セグメント32上の放射線吸収の量を制御することができ、表面部分で吸収されるべき放射線量を特定するべくビットマップ画像が使用できる。ビットマップ画像の各セグメント32のグレースケールが個々に調整可能であり、第1及び第2実施形態の機器の場合には、基板16又はレイヤー10の表面部分の各セグメント上に堆積される反射性物質18の量が個別に調整可能であり、ビットマップ画像に応じ、レイヤー10の表面部分上に任意の所望の放射線強度プロファイルを提供する。第3実施形態の機器が採用される場合、ミラー34が調整されてアレイの各セグメント32上に入射する放射線の強度が変更される。第4実施形態の機器が用いられる時、レイヤー10の表面部分の各セグメント上に堆積された放射線吸収物質50の量が個別に調整可能であり、ビットマップ画像に応じ、任意の所望の放射線吸収プロファイルをレイヤー10の表面部分上に提供する。
【0126】
図6a及び6bに図示の構成においては、反射性物質18の第1量が、結合部分20の中央部分24を規定するセグメント32上に印刷ヘッド30により堆積されている。よって、最大強度未満の第1強度の放射線が、これらのセグメント32の下に配置されたレイヤー10の表面部分上に入射する。放射線の第1強度は、粒子状物質の温度を高めてそれを結合させるのに十分に高い。
【0127】
結合部分20のエッジ部分26を規定するセグメント32上に反射性物質18が設けられておらず、従って、最大強度の放射線が、これらのセグメント32の下に配置のレイヤー10の表面部分に到達することが許容される。最大強度の放射線によりエッジ部分26を規定するセグメント32の下に配置の粒子状物質が中央部分24の粒子状物質よりも早く結合する。
【0128】
第1量よりも多くの第2量の反射性物質18が、印刷ヘッド30により非結合領域22を規定するセグメント32上に堆積される。十分な量の物質18が設けられ、これらのセグメント32の下に配置のレイヤー10の表面部分へのどの放射線の伝達が阻止される。結果として、これらのセグメント32の下に配置された粒子状物質が結合しない。
【0129】
個々の各セグメント32上の放射線強度の変動が第2実施形態の機器に関して説明されたが、反射性物質18が基板16上に印刷される第1実施形態に係る、ミラー34が各セグメント32に入射する放射線の強度を変更するために用いられる第3実施形態に係る、又は放射線吸収物質50が粒子状物質のレイヤー10の表面部分上に印刷される第4実施形態に係る機器を用いて同一の効果を達成できると理解される。
【0130】
反射性物質のレイヤーが
図6bに概略的に図示される。図のレイヤー厚の変動は、実際のレイヤーの厚みの変動を図示せず、物質の量の変動を図示する。図においてレイヤーが厚いところには、実際に多量の物質が存在する。
【0131】
ここで
図7を参照すると、三次元オブジェクト38を造形するために用いられる
図3の機器の概略図が図示される。再び、上述された機器の要素には対応の参照番号が付与される。
【0132】
機器が、粒子状物質の複数のレイヤー10a〜10eを結合することで3次元オブジェクト38を造形するために用いられる。粒子状物質、例えば、ナイロン粉体の供給が供給タンク40に設けられ、コントローラー13がモーターMを制御するように構成され、これによりタンク40から垂直可動プラットフォーム44を含む構築装置42へ粒子状物質を移すことができる。プラットフォーム44の動作がコントローラー13により制御され、各レイヤー10が形成される後に別々のステップで垂直に下方にプラットフォーム44が動かされる。
【0133】
初期には、プラットフォーム44が最上位置にあり、コントローラー13がモーターMを作動させてプラットフォーム44上に粒子状物質の第1レイヤー10aを提供する。次に、コントローラー13は、印刷ヘッド30を作動させ、物質のレイヤー10の表面部分上に反射性物質18の所望のパターンを堆積する。代替して、先に述べたように、反射性物質18が、印刷ヘッド30により基板16上に堆積され、若しくは表面に入射する強度がデジタルミラーを用いて制御される。
【0134】
次に、コントローラー13が放射線源12を作動させ、反射性物質18により規定されたように、選択されたレイヤー10の表面部分上に放射線を照射する。
図7に示すように、結合部分20に亘り強度が変動した放射線が供給され、この部分の物質が結合される。反射性物質18は、物質が結合せずに粒子状のまま残る非結合領域22の物質の表面部分への放射線の伝達を阻止、又は少なくとも実質的に阻止する。従って、反射性物質18の変動量が、レイヤー10の結合領域20に亘る可変強度の放射線を提供する。
【0135】
第1レイヤー10aの結合領域20での物質の結合が為された後、コントローラー13が放射線源12を非稼働とし、所望のレイヤー厚みにおよそ等しい距離だけプラットフォーム44を下げる。次に、コントローラー13がモーターMを作動させ、既に結合された物質の一部を含む第1レイヤー10aの上層の粒子状物質の第2レイヤー10bを提供する。次に、コントローラー13が印刷ヘッド30を作動させ、第2レイヤー10bの表面部分上に反射性物質18を堆積する。第2レイヤー10bの表面部分上に堆積された反射性物質18の量及びパターンが、第1レイヤー10a上に堆積されたものと同じであるか、若しくは、例えば、デザイン又はパイロメーターを用いて実行された表面温度測定に応じて異なる。次に、コントローラー13が放射線源12を作動させ、第2レイヤー10bの表面部分に亘り放射線を供給し、反射性物質18により表面部分に亘る変動した強度の放射線が供給される。従って、第2レイヤー10bの結合領域20の物質が結合し、また第1レイヤー10aの物質の前回の結合部分にも結合する。従って、隣接レイヤー10a、10bが結合し、凝集性のオブジェクト38の一部を造形する。
【0136】
コントローラー13は、オブジェクト38の造形が完了するまで、この態様で動作を継続し、更に粒子状物質のレイヤー10c〜10eを堆積し、これらを結合させる。ひとたび凝集性のオブジェクト38が造形されるや、コントローラー13によりプラットフォーム44が上げられ、結合したオブジェクト38及びオブジェクト38の周囲の非結合の粒子状物質の残部の全てを装置42から排出する。
【0137】
繰り返すが、本発明の他の実施形態のいずれかに係る機器が用いられ、三次元オブジェクト38が造形されるものと理解されるべきである。
【0138】
図8は、レイヤー10で互いに隣接して設けられた異なる粒子状物質P1及びP2を結合するための
図1の機器の使用を図示する。説明のため、物質P1、例えば、銅が、物質P2、例えば、鋼よりも低い溶融点を有し、また従って低い温度で焼結により結合する。物質P2の濃度が過渡勾配領域19に亘り右から左へ減少する。物質P1の濃度が、過渡勾配領域19に亘り左から右へ減少する。
【0139】
最適な物質特性を確保し、また物質P1及びP2の間の勾配領域19の熱ストレスを最小化するため、基板16には、レイヤー10の物質P1の上層のその部分上に多量の反射性物質18が供給され、物質P2の上層のその部分上には少量の反射性物質が供給され、勾配領域19上の反射性物質の量が図では左から右へ減少する。このように放射線強度を変更することにより、物質P1及びP2が所定強度の放射線源12を用いて異なる温度に加熱され、同時に結合して凝集レイヤーを形成する。
【0140】
反射性物質18のレイヤーが
図8に概略的に図示される。図のレイヤーの厚みの変動は、実際のレイヤーの厚みの変動を図示せず、物質の量の変動を図示する。図でレイヤーが厚く示されるところには、実際に多量の物質が存在する。
【0141】
第1実施形態の機器が非類似の粒子状物質P1とP2の結合に使用されることが記載されたが、反射性物質18がレイヤー10の表面部分上に直接印刷される第2実施形態の機器、ミラー34を用いて放射線を選択的に方向転換する第3実施形態の機器、又は放射線吸収物質50がレイヤー10の表面部分上に直接的に印刷される第4実施形態の機器が代替的に用いられることが即時に理解される。
【0142】
上述した実施形態のいずれにおいても、放射線吸収物質を粒子状物質に加えて放射線吸収を高めることが望ましい。例えば、カーボンブラックといった物質がこの目的のために用いられる。
【0143】
セラミック充填パウダーといった他の粒子状物質が粒子状物質に加えられ、結果物の物質特性が向上される。
【0144】
異なる放射線吸収物質が採用される場合、例えば、
図5を参照して上述のように、異なる色であり、所望の美観特性の結果物が提供される。例えば、放射線吸収物質が黒以外の色を持つ。
【0145】
図9は、本発明の様々な実施形態に係る粒子状物質を選択的に結合する方法のフローチャートを図示する。
図9に図示の方法が、焼結を介して粒子状物質を選択的に結合するように構成された任意の機器により実施される。例えば、選択的なレーザー焼結装置、選択的な阻止装置、選択的マスキング装置、放射線吸収物質を利用する焼結装置、及び
図1〜8に図示の様々な機器11により方法が実施される。
【0146】
ブロック52では、方法が、粒子状物質のレイヤーをサポート(これは、部分土台とも呼ばれる)に提供することを含む。次に、ブロック54では、方法が、放射線源からの放射線を供給してレイヤーの物質の一部を焼結することを含む。放射線源が、任意の適切な波長(群)の電磁波を出射するように構成された任意の適切な線源である。例えば、放射線源がレーザーである。
【0147】
ブロック56では、方法が、前回の焼結された物質の一部を含む前回の粒子状物質のレイヤーの上層に追加の粒子状物質のレイヤーを提供することを含む。次に、ブロック58では、方法が、放射線を供給し、上層の追加レイヤー内にて物質の追加部分を焼結し、また前回のレイヤーの前回の物質の焼結部分に対してその追加部分を焼結することを含む。方法は、次に、連続的にブロック56及び58を繰り返してブロック60で三次元オブジェクトを造形する。
【0148】
ブロック52と54では、方法が、また、粒子状物質のレイヤーが提供された後、放射線吸収物質、反射性物質又は反射性マスクを提供することを含むことが理解される。
【0149】
粒子状物質のレイヤーの少なくとも幾つかには、ヒーター(例えば、
図5に図示のヒーター51)は、機器が各レイヤーの物質の一部を焼結する前に粒子状物質を予熱する。例えば、ブロック52及び/又はブロック54では、方法が、ヒーターを制御して前回の粒子状物質のレイヤーを予熱することを更に含む。
【0150】
粒子状物質のレイヤーが、粒子状物質のレイヤーが提供された実質的に直後、またレイヤーの選択された表面部分上に提供された粒子状物質の焼結を開始する放射の前、粒子状物質のレイヤーが予熱されるものと理解される。幾つかの実施形態では、レイヤーの選択された表面部分上に提供された粒子状物質の焼結を開始する放射の前、粒子状物質のレイヤーが少なくとも2回ヒーターにより予熱される。
【0151】
ヒーターが任意の放射線源であり、また粒子状物質に対し、また粒子状物質に近接して動くように構成される。もし粒子状物質から100mm未満の距離ならば、ヒーターが粒子状物質に近接するものと理解される。部分土台の表面上の100mm以下の高さで粒子状物質堆積装置に付随して部分土台の表面を横切る加熱ランプが包含され得る。ヒーターは、放射線源と同一の装置であるか、若しくは異なる装置である。粒子状物質及び/又は反射性物質若しくは放射線吸収物質を提供する装置が機器に含まれる場合、ヒーターが機器のハウジング内に収容され、また従って機器と共に動く。
【0152】
様々な実施形態においては、ヒーターが、放射線供給用の放射線源(例えば、
図1に図示の放射線源12)のピーク波長とは異なるピーク波長の波長範囲を放射するように構成され、粒子状物質のレイヤーが、ただヒーターのみで実質的に予熱される(すなわち、放射線源により予熱されない)。
【0153】
図9に図示の方法が幾つかの利益を提供する。例えば、近接するヒーターからの熱が堆積された粒子状物質に即時に伝達し、下層の焼結物質が上方にカールする温度まで冷却されにくい。また、近接ヒーターからの熱が新たに堆積された粉体に効率的に伝達し、装置の他の部分が加熱されない。また近接ヒーターにより、堆積された粉体が即時に焼結される用意ができた温度に到達することが許容され、全体の製造工程の迅速化につながる。
【0154】
図10は、本発明の様々な実施形態に係る粒子状物質の温度の制御方法のフローチャートを図示する。
図10に図示の方法が、
図9に図示の方法で実行され得る。ブロック62では、方法が、粒子状物質の温度を測定することを含む。例えば、1以上のセンサー31が、粒子状物質の温度の測定のため、赤外線カメラ、単一パイロメーター、又はパイロメーターのアレイを含む。ブロック64では、方法が、測定された温度を利用して粒子状物質のレイヤーの予熱を制御することを含む。例えば、コントローラー13がヒーターを制御してヒーターにより供給される熱エネルギーを増加又は減少させる。方法は、次に、ブロック62に帰還して繰り返される。
【0155】
図10に図示の方法は、有益にも下層の焼結物質が上方にカールする温度まで冷却されることを阻止することを助ける。
【0156】
図11は、本発明の様々な実施形態に係る粒子状物質の焼結部分の温度の制御方法のフローチャートを図示する。
図11に図示の方法が、焼結を介して粒子状物質を選択的に結合するように構成された任意の機器により実施され得る。例えば、選択的なレーザー焼結装置、選択的な阻止装置、選択的マスキング装置、放射線吸収物質を利用する焼結装置、及び
図1〜8に図示の様々な機器11により方法が実施される。
図11に図示した方法が、
図9及び10に図示した方法と実施され、又は
図9及び10に図示した方法とは独立して実施され得る。
【0157】
ブロック66では、方法が、粒子状物質の焼結部分の温度を決定することを含む。例えば、1以上のセンサー31(例えば、赤外線カメラ、単一のパイロメーター、パイロメーターのアレイ)が、粒子状物質の焼結部分の温度を測定して決定する。
【0158】
ブロック68では、方法が、決定した温度を用いて焼結部分に与えられるエネルギーを制御することを含む。例えば、もし決定した温度が閾値温度未満であるならば、コントローラー13が放射線源を制御し、焼結部分に与えられるエネルギーを増加させる。別の例としては、もし決定した温度が閾値温度を超えるならば、コントローラー13が放射線源を制御し、焼結部分に与えられるエネルギーを減少させる。方法が、次にブロック66に帰還して繰り返される。
【0159】
熱画像カメラが、焼結が生じる特定の場所(すなわち、レーザー焼結でレーザーがスキャンされる場所、又は放射線吸収物質が印刷されてランプパワーが付与される場所)で生成された温度を記録する。所定のレイヤーの2Dプロファイルの情報を用いると、粉体土台の焼結領域の温度のみを記録することができる。これらの領域で記録されたピーク温度が非常に低いならば、不十分な加熱に起因する部分的な脆弱が存在するとの警報(例えば、聞き取れるアラーム)が為され得る。また、機器は、例えば、部分土台設定温度又は付与される焼結エネルギーを高めることにより、より多くのエネルギーを加えることができる。同様に、これらの領域で記録されたピーク温度が高すぎるならば、過剰な熱エネルギーの下で一部が劣化して弱いとの警報が為され得る。また、機器は、例えば、部分土台セット温度を低下させる又は付与された焼結エネルギーを低下させることにより、エネルギーを減じることができる。
【0160】
焼結領域の熱監視により、部分特性の決定(調査により、要求又は所望の部分特性を達成するために焼結領域内で要求される最低温度が決定される)が可能になる。同一の領域で赤外線カメラ出力と現在のレイヤーの2Dプロファイル(例えば、ビットマップ画像)を比較することにより実行され得る。従って、このプロセスより、その部分が最低温度に達し、またその部分が所望の機械特性に達することが確実になる。印刷画像のある領域が低温すぎるならば、頭上ヒーターがその領域の温度を高め、若しくは焼結エネルギー源(群)(例えば、ランプ又はレーザー)がより多くのエネルギーを放射し、又は放射線吸収物質を含むより多くのインクがこの領域に印刷される。
【0161】
図11に図示の方法が、部分土台に与えられるエネルギーの低減を可能にする利益を提供し得る。部分土台に与えられるエネルギーの低減により様々な利益をもたらすことができる。例えば、非焼結粉体が過度に強く「固め」られず、また従って構築(build)の完了後に焼結物質(つまり、部分又は部分群)から簡単に分離できることを確実にすることを助けることができる。もし焼結領域の温度が高すぎるならば(ここでも調査により検証される)、エネルギー入力(焼結エネルギー源、頭上ヒーター、加熱ランプ、放射線吸収物質の量)が減じられ、粉体土台硬さ及び/又は用力(power usage)が減じられる。測定温度に応じて焼結エネルギー(例えば、レーザー焼結でレーザーにより提供されるエネルギー、又は放射線吸収物質の量の増加)を増加又は減少し、単一のレイヤー内である箇所に与えられるエネルギーを高め、他方、他の領域に与えられるエネルギーを減じることができる。
【0162】
もし単一のパイロメーター又はパイロメーターのアレイが赤外線カメラに代替して用いられるならば、機器11の製造コストが有益にも減じられる。パイロメーターが部分土台内で異なる物質のために較正され得る。
【0163】
図12は、本発明の様々な実施形態に係る放射線源の出力エネルギーの制御方法のフローチャートを図示する。
図12に図示の方法が焼結により粒子状物質を選択的に結合するように構成された任意の機器により実施され得る。例えば、方法が、選択的なレーザー焼結機器、選択的な阻止機器、選択的なマスキング機器、放射線吸収物質を利用した焼結機器、また
図1〜8に図示した様々な機器11により実施され得る。
図12に図示した方法が、
図9及び10及び/又は11に図示の方法と共に実行され、若しくは
図9、10、及び11に図示した方法とは独立に実行され得る。
【0164】
ブロック70では、方法が、放射線源の出力エネルギーを決定することを含む。例えば、1以上のセンサー31が、構築チャンバー内に配置されて構築過程で赤外線エミッター12の出力を測定する赤外線測定センサーを含み得る。センサー31が、赤外線エミッター12の出力の降下又は他の変化を測定するように構成される。ブロック72では、方法が、決定した出力エネルギーに応じて放射線源12の出力エネルギーを制御することを含む。結果として、放射線源の出力が、現在の構築内で要求されるレベルに調整される。放射線源12の長さに沿う任意の位置で供給パワーの降下がある場合には複数のセンサー31が採用され得る。次に、方法がブロック70に帰還し、繰り返される。
【0165】
図13は、本発明の様々な実施形態に係る放射線吸収物質の量の測定方法のフローチャートを図示する。
図13に図示の方法が、放射線吸収物質を用いて粒子状物質を焼結する任意の機器において使用され得る。
図13に図示の方法が
図9及び10及び/又は11及び/又は12に図示の方法と共に実行され、若しくは
図9、10、11、及び12に図示の方法とは独立に実行され得る。
【0166】
ブロック74では、方法が、所定領域上の放射線吸収物質の量を測定することを含む。例えば、コントローラー13が、(センサー31の一つで検出される)蓄えられた放射線吸収物質の体積の変化を測定することで放射線吸収物質の量を測定する。
【0167】
ブロック76では、方法が、放射線吸収物質の測定量が所定範囲内に低下するか否かを決定することを含む。例えば、機器11が、既知のピクセル数及び従って既知のインク量(例えば、1ピクセル=80ピコリットルのところ、1.25.10
9ピクセル=0.1リットルのインク)の画像のために放射線吸収物質を供給する(静止中)。次に、コントローラー13は、使用された放射線吸収物質の量が、計算された量の所定範囲内であるか否かを決定する。使用された放射線吸収物質の量が所定範囲外であれば、コントローラー13がアラームを制御してユーザーに警告する。加えて、使用された放射線吸収物質の量が所定範囲外であれば、コントローラー13が、その後に提供される放射線吸収物質の量が所定範囲になるようにその後に付与される放射線吸収物質の量を変化させる。
【0168】
図13に図示の方法は、もし機器11が放射線吸収物質の供給に不安定になるならばユーザーが報知されるため、相対的に一定の量の放射線吸収物質が付与されることを可能にする利益を提供する。
【0169】
図14は、本発明の様々な実施形態に係る粒子状物質を受け入れるサポート78の概略的な上面図を図示する。部分土台とも呼ばれるサポート78が、(例えば、頭上のホッパーから堆積され、又は粒子状物質のサイド容器を介してサポート78にローラーで延ばされた)焼結されるべき粒子状物質を受け入れる容器を画定する。サポート78が、サポート78内でサポート78に対して可動である複数の壁80を備える。壁80の幾つか又は全てが、サポート78上で粒子状物質を加熱するために1以上のヒーター82を含む。サポート78上の粒子状物質の温度を測定する複数のセンサーに応答してコントローラー13によりヒーター82が制御される。
【0170】
図14においては複数の壁80が垂直に配列されているが、他の実施形態においては複数の壁80が異なる配向を持ち得るものと理解される。
【0171】
サポート78は、広い部分土台を熱制御可能な一連の小さな部分土台へ複数の壁80により区分される利益を提供する。内側の部分土台壁80が異なる場所に移動され、異なる大きさの部分土台を形成することができる。動かされると、内側の部分土台壁80が粉体ソケット(不図示)内でロックし、壁内のヒーター82が使用されることを可能にする。サポート78は、異なる粒子状物質がサポート78の異なる区分で一度に処理されることが可能になるという利益も提供する。更には、サポート78の使用により、相対的に大きいサポートの熱制御の課題を負うこと無く、機器11のスループットが高められる。
【0172】
図15A、15B、15C及び15Dが、本発明の様々な実施形態に係る放射線吸収物質を提供するためのデバイス84の概略的な側面図を図示する。デバイス84が、放射線吸収物質を用いて粒子状物質を焼結する任意の焼結機器で用いられる。
【0173】
図15Aを参照すると、デバイス84
1が、第1ローラー86、第1印刷ヘッド88、第1放射線源90及びハウジング92を含み、ハウジング92内にて第1ローラー86、第1印刷ヘッド88、及び第1放射線源90が少なくとも部分的に収容及び/又は接続される。第1印刷ヘッド88が第1ローラー86と第1放射線源90の間に配置される。コントローラー13が、1以上のモーターを介して部分土台上の堆積した粒子状物質に対するデバイス84
1の位置及び動きを制御するように構成される。
【0174】
第1ローラー86が、粒子状物質が実質的に平坦面を形成するように、部分土台上に粒子状物質を分配するように構成される。第1印刷ヘッド88は、第1放射線吸収物質を供給するように構成され、また放射線吸収物質の温度を制御するための関連の熱制御装置を含み得る。第1放射線源90が、任意の適切な放射線源であり、
図9及び10に関連して上述したヒーターとして、また粒子状物質を焼結するために放射線を供給する放射線源としても機能するように構成される。様々な実施形態においては、第1放射線源90が、楕円構成を規定し、また第1放射線源90からの放射線を所望のパターンで反射するように構成された反射装置93を含み得る。
【0175】
図15Bを参照すると、デバイス84
2が
図15Aに図示のデバイス84
1に類似し、また特徴も同様であり、同一の参照番号が用いられる。第1印刷ヘッド88の反対側で第1ローラー86の隣に配置された第2放射線源94を更に備える点においてデバイス84
2がデバイス84
1とは異なる。
【0176】
幾つかの実施形態においては、第1放射線源90が、焼結のために放射線を供給するように構成され、また第2放射線源94がヒーターとして機能して粒子状物質を予熱するように構成される。他の実施形態においては、第2放射線源94が、また予熱に加えて焼結のために放射線を供給するようにも構成され得る。また更なる実施形態においては、第1及び第2放射線源90、94が、双方とも、ヒーターとして機能し、粒子状物質を予熱するように構成される。これにより機器11が部分土台上の粒子状物質の温度のより大きな制御能力を持つことが可能になる。
【0177】
図15Cを参照すると、デバイス84
3が
図15Bに図示のデバイス84
2に類似し、また特徴も同様であり、同一の参照番号が用いられる。第2放射線源94と第1ローラー86の間に配置された第2印刷ヘッド96を更に備える点においてデバイス84
3がデバイス84
2とは異なる。第2印刷ヘッド96は、第1放射線吸収物質とは異なる第2放射線吸収物質を供給するように構成され、また第1放射線吸収物質も供給するようにも構成され得る。
【0178】
図15Dを参照すると、デバイス84
4が
図15Bに図示のデバイス84
2に類似し、また特徴も同様であり、同一の参照番号が用いられる。第1放射線源90と第1印刷ヘッド88の間に配置された第2ローラー98を更に備える点においてデバイス84
4がデバイス84
2とは異なる。
【0179】
デバイス84
3及び84
4は、デバイスがそれらの外方及び内方ストロークで動く時に放射線吸収物質が粒子状物質のレイヤー上に提供される(つまり、それが左及び右の両方に移動するときに放射線吸収物質を提供する)との利益を提供する。特に、一つの印刷ヘッドを用いつつ、右から左へ、左から右へ、即時の印刷により追随され、即時の焼結により追随される粒子状物質の堆積を許容する点においてはデバイス84
4が有利である。印刷ヘッドが相対的に高価であるため、デバイス84
4が単一の印刷ヘッドを備えるために相対的に安い。
【0180】
デバイス84は、処理ステップの順序もまた変えられるように、ユーザーが部品(例えば、第1ローラー86、第1印刷ヘッド88、第1放射線源90、第2放射線源94、第2印刷ヘッド96及び第2ローラー98)を交換できるようにハウジング92が構成される利益も提供する。これは、別の粒子状物質の使用といった別の要求に応じて処理を適合させる柔軟性をユーザーに許可する。部品の交換が、ハウジング92内で多様な配列で部品を固定する取り付け具又は他の固定手段の提供により達成され得る。
【0181】
図16A、16B、16Cが、本発明の様々な実施形態に係る放射線吸収物質の提供用のデバイス84の概略的な平面図を図示する。
【0182】
図16Aを参照すると、デバイス84
5がデバイス84
1に類似し、また特徴も同様であり、同一の参照番号が用いられる。第1印刷ヘッド88が、第1ローラー86に平行に延びる複数の印刷ヘッドを備える点においてデバイス84
5がデバイス84
1とは異なる。複数の印刷ヘッドが2つの縦列で配列され、各列で印刷ヘッドの少なくとも幾つかの間には空間が設けられる。第1放射線源90が、第1ローラー86に平行に配向された単一の長尺なランプを備える。
【0183】
図16Bを参照すると、デバイス84
6がデバイス84
5に類似し、また特徴も同様であり、同一の参照番号が用いられる。第1放射線源90が、2つの縦列に配列され、それらの長さの一部のみに沿ってお互いに重畳するようにお互いにオフセットされた2つの長尺なランプを備える点においてデバイス84
6がデバイス84
5とは異なる。放射パワーが減じられる各ランプの端部の領域で重複するようにランプが配列され、2つのランプの組み合わせにより、その端部近傍でパワーの降下がある単一のランプよりも均一なパワーの放射が提供される。
【0184】
図16Cを参照すると、デバイス84
7がデバイス84
5及び84
6に類似し、また特徴も同様であり、同一の参照番号が用いられる。第1放射線源90が2つの縦列に配列された複数の長尺なランプを備え、各列で長尺なランプの少なくとも幾つかの間に空間が設けられる点においてデバイス84
7がデバイス84
5及び84
6とは異なる。
【0185】
図17A及び17Bが、本発明の様々な実施形態に係る放射線源12、90、94の概略的な平面図を図示する。放射線源が、任意の焼結装置において用いられ、また
図15A、15B、15C、15D、16A、16B及び16Cに図示したデバイス84のいずれかでも使用され得る。
【0186】
図17Aを参照すると、放射線源が、複数の長尺な電磁放射線エミッター100を備え、これらは、お互いに平行であり、また実質的にそれらの全長に沿ってお互いに重複するように配向するように配列される。重畳な電磁放射線エミッター100の幾つか又は全てが、コントローラー13により個別に制御され、粒子状物質を予熱し、及び/又は粒子状物質を焼結するために放射線を供給するべく用いられる。
【0187】
図17Bを参照すると、放射線源が、複数の長尺な電磁放射線エミッター102を備え、これらが7列及び3行の行列で配列される(他の実施形態においては、放射線源が任意の数の列や行を持つと理解される)。電磁放射線エミッター102の幾つか又は全てが、コントローラー13により個別に制御され、粒子状物質を予熱し、及び/又は粒子状物質を焼結するために放射線を供給するべく用いられる。
【0188】
センサー(熱画像カメラ、又はパイロメーター又は熱電対といった複数の熱測定装置)からの熱測定値により制御されるならば、部分土台の異なる領域に与えられる焼結エネルギーの個別制御が許容される点で
図17A及び17Bに図示の放射線源が有利である。
【0189】
様々な実施形態においては、非レーザー基準の電磁放射(EMR)エミッター装置が、放射線源に使用され得る。各EMR装置が、同様又は顕著に異なるピークスペクトル放射を呈する(すなわち、同様又は顕著に異なるピーク波長を有する)。スペクトル放射に基づいて、各EMRエミッター装置が、部分土台内で異なる粒子状物質を(直接、又は間接的に)焼結する、若しくはフィード(群)及び部分土台(群)で任意の堆積材料(群)/粒子状物質を加熱するいずれかに選択され得る。複数のEMRエミッター装置が同一の装置内で使用可能である。従って、1以上の装置の選択により、粒子状物質/放射線吸収物質/堆積物質の1種以上の焼結及び/又は加熱が可能になる。
【0190】
様々な実施形態においては、放射線源が、EMRエネルギーを所望のスペクトル放射/エネルギー濃度(強度)まで減じて合焦するために1以上のフィルターを含み得る。EMRエミッターの長さ範囲が粉体土台内で特定の領域又は物質を焼結又は加熱するために個別に制御されるアレイ(単一又は複数のライン)を形成するために用いられ得る。
【0191】
焼結機器内の印刷装置の利用により、選択され、また正確な放射線吸収物質の部分土台上への堆積が可能になる。プロセス内でのそのような印刷装置の存在により、他の放射線吸収物質の堆積も可能になり、若しくは代替して、他の物質が印刷領域内に堆積される。従って、そのような印刷装置の利用により、選択された、正確な2次物質の堆積が可能になる。
【0192】
例えば、(
図15Cのような)2次印刷ヘッドが、2次放射線吸収物質を堆積し、部分土台内の異なる領域を焼結するように構成される。
【0193】
別例としては、2次印刷ヘッドが、部分レイヤーとの焼結を相当に向上させないが、印刷領域内のローカル特性を変更する2次物質を堆積するように構成される。そのような物質は、難燃性、UV保護、部分の視認できる色の変化若しくはフィラーの追加を介した機械特性の向上といった追加の特性を焼結部分に付与することができる。難燃性に関しては、難燃剤の追加が、塩素、臭素、及びリンの化合物、アルミナ三水和物、水和マグネシウム、硫酸塩、及びホウ素を含む。UV保護に関しては、カーボンブラック、酸化金属を含む。フィラーに関しては、木粉、シリカ粉、粘土、粉状雲母、短セルロース繊維、ガラス、カーボンブラック、グラファイト、タルク、金属酸化物及びアスベストを含む。着色剤に関しては、有機(染料)又は無機着色剤(顔料)を含む。所望の追加物質を含有する一部のみを物質が成す点でこのアプローチが有利であり、そのような添加物(群)をマシーンで物質の全てに加える場合と比較して費用が節約される。構築毎、又は部分毎、又は一部のサブセクションで局所的に、標準の粒子状フィード物質が柔軟に修正されることも意味する。
【0194】
印刷ヘッドが用いられる実施形態においては、そのような追加物質が、印刷ヘッドオリフィスからの吐出を可能にするためにナノスケールである必要がある。このような実施形態においては、追加の流体(溶媒、樹脂、顔料、染料、石油蒸留物(炭化水素)、アルコール、油、可塑剤、ワックス、光開始剤)物質が添加物に組み合わされて噴出可能流体が製造される。そのような流体/物質の保持が、印刷されると3D部分内で残存する、又は蒸発して選択位置に所望の添加物のみを残存させるいずれかに設計することができる。蒸発は、局所熱に起因して自然発生する、又は加熱装置への露呈を介して強制されるいずれかであり得る。
【0195】
様々な実施形態においては、代替の堆積装置を用いて追加物質が加えられ、例えば、ホッパーがコントローラー13により制御され、部分土台に亘り移動し、部分の規定の領域に物質を堆積する。ホッパー装置の使用により、より大きい(ナノスケールよりも大きい)サイズの物質の堆積が可能になり、また如何なる追加の流体キャリヤーの必要も否定する。
【0196】
本出願の発明者は、放射線吸収物質の視認できる色が製造された3次元部分の結果の機械特性に重要ではないことを見いだした。結果として、カーボンブラック以外の放射線吸収物質が焼結プロセスで用いられ、従って、機器11上に白色部分を製造することができる。赤外線吸収顔料と着色(例えば、赤、緑及青)顔料又は染料の組み合わせにより着色部分(赤、緑、青)が機器11上で製造される。顔料が、異なる放射線吸収物質に含有され、同一の放射線吸収物質内で組み合わされ、若しくは全く放射線吸収物質に含有されない。
【0197】
着色された三次元部分は、一連の着色された粒子状物質の使用によっても製造され得る(粒子状物質の視認できる色が、必ずしも粒子状物質による赤外エネルギーの吸収を顕著に高めるものではないため)。
【0198】
図9〜13に図示したブロックが、方法のステップ及び/又はコンピュータープログラム13
3のコードのセクションを表現し得る。ブロックの特定の順番の図示は、必ずしも、ブロックにとって要求若しくは好ましい順番があることを意味せず、ブロックの配列の順番が変更され得る。更には、幾つかのブロックを除去することも可能であろう。
【0199】
様々な例を参照しながら先行段落において本発明の実施形態を説明したが、当然、請求された発明の範囲から逸脱することなく例示の修正を為すことができる。例えば、赤外線の使用が記述されたが、粒子状物質が焼結により結合する温度までそれを昇温できるとすれば、赤外以外の放射線も使用され得る。放射線源が、例えば、LED、スキャニングレーザー又はハロゲン線源の任意の適切なタイプである。上述した実施形態で結合される粒子状物質が、金属、セラミックなどの任意の適切な物質である。モーターM以外の装置が、供給タンク40から結合装置42へ粒子状物質を運ぶために使用され得る。結合装置42が開示のものとは異なる構成であり得る。任意の数の粒子状物質の別の種類がレイヤー10に提供され得る。代替して、粒子状物質の別の種類が隣接のレイヤーに提供され得る。反射性物質18が、図示のように、上面ではなく基板16の下面上に堆積され得る。異なる物質が反射性物質18や基板16に用いられ得る。任意の適切な物質が放射線吸収物質50に用いられ得る。例えば、懸濁液及び/又はガス、例えば、二酸化炭素が、粉体物質の代わりに採用され得る。
図4との関係で記述したデジタルミラー装置が、各レイヤーに一つ、一連の回折光学素子により置換することもできる。
【0200】
「焼結」との用語が用いられる場合、粒子状物質の完全な溶融も含まれることに留意されたい。
【0201】
先行段落に記述の特徴が、明確に説明された組み合わせ以外の組み合わせで用いられ得る。
【0202】
特定の特徴を参照して機能を説明したが、これらの機能は、記載の有無を問わず他の特徴で実行され得る。
【0203】
特定の実施形態を参照して特徴を説明したが、これらの特徴は、記載の有無を問わず他の実施形態においても存在し得る。
【0204】
ここまで明細書にて特に重要と考えられる発明の特徴に注意を向けるように試みたが、任意の特許可能な特徴又は特徴の組み合わせに関する出願人が請求する保護が、以上に言及される及び/又は図面に図示されるものと理解され、そこへの特定の強調が置かれたか否かを問わない。