特許第6062950号(P6062950)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6062950
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】脊髄異常の治療のための減捻装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/70 20060101AFI20170106BHJP
【FI】
   A61B17/70
【請求項の数】14
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-537194(P2014-537194)
(86)(22)【出願日】2012年10月18日
(65)【公表番号】特表2014-534009(P2014-534009A)
(43)【公表日】2014年12月18日
(86)【国際出願番号】US2012060702
(87)【国際公開番号】WO2013059385
(87)【国際公開日】20130425
【審査請求日】2015年6月9日
(31)【優先権主張番号】13/275,499
(32)【優先日】2011年10月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】マンニネン,キャサリン
(72)【発明者】
【氏名】フェラーリ,ビクトリア
(72)【発明者】
【氏名】ハンセル,ノア
【審査官】 井上 哲男
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/071852(WO,A1)
【文献】 特表2011−514830(JP,A)
【文献】 特表2009−519773(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0213716(US,A1)
【文献】 米国特許第05649931(US,A)
【文献】 国際公開第2010/065729(WO,A2)
【文献】 国際公開第2010/030916(WO,A2)
【文献】 国際公開第99/000065(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊髄異常の治療のための装置であって、
第1の減捻装置を備え、
前記第1の減捻装置は、
内側スリーブと、前記内側スリーブ上に配置された外側スリーブとを含む管アセンブリであって、前記内側スリーブは、インプラントへ取り付けられる遠位端を有する、管アセンブリと、
ハンドルアセンブリと、
前記管アセンブリと前記ハンドルアセンブリとの間に配置された玉継ぎ手アセンブリとを含み
前記玉継ぎ手アセンブリは、接続ロッドへ取り付けられるように構成された玉継ぎ手と、隆起部分を有する整復伸展部とを含み、前記整復伸展部は、前記内側スリーブの中央ボア内に適合するようなサイズにされ、前記内側スリーブのスロットに前記整復伸展部の前記隆起部分を係合させることによって前記内側スリーブと並べられ、前記隆起部分は、当該隆起部分の遠位端に配置された少なくとも1つの整復器タブを含み、前記隆起部分および前記整復器タブは、前記整復伸展部の外面に配置され、前記少なくとも1つの整復器タブは前記隆起部分と同軸に並べられる、装置。
【請求項2】
前記外側スリーブを前記内側スリーブの遠位端上に下方にスライドさせることができ、これにより、前記内側スリーブが係合し、前記遠位端が前記インプラント上にクランプされる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
少なくとも1つの突出面が内側スリーブの外面から外方に延び、前記外側スリーブは、前記突出面と係合し、前記内側スリーブに力を付加して前記内側スリーブをインプラントとロック係合させるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの突出面は、前記外側スリーブの遠位平行移動を回避するように構成された隆起停止部を含む、請求項に記載の装置。
【請求項5】
前記管アセンブリは、前記内側スリーブの近位端上に配置されたロックハンドルをさらに含み、前記ロックハンドルは、回転すると前記外側スリーブと係合するように構成され、これにより、前記外側スリーブが遠位方向に平行移動する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記玉継ぎ手は上部および下部を含み、前記上部および下部が噛み合うと、前記上部および下部によって回転可能な玉が形成され、前記上部は、ラジアル方向に延びる上側タブを含み、前記下部は、ラジアル方向に延びる下側タブを含み、前記上側タブおよび前記下側タブは、前記接続ロッドを受容するクランプを形成する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記玉継ぎ手アセンブリの整復伸展部は、外面からの少なくとも1つの突起を含み、前記少なくとも1つの突起により、1つ以上の対応するスロットが前記内側スリーブ内に係合される、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記整復伸展部は、前記整復伸展部の遠位端から延びる1つ以上のタブをさらに含み、前記1つ以上のタブは、ロッドと係合するように構成され、これにより、前記ロッドがネジのヘッド中へ整復される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記ハンドルアセンブリはハンドルを含み、前記クランプは、前記ハンドルが前記玉継ぎ手アセンブリ上に締結されると、前記接続ロッド上において下方閉鎖するように構成される、請求項に記載の装置。
【請求項10】
前記玉継ぎ手アセンブリは、第2の接続ロッドへ取り付けられるように構成された第2の玉継ぎ手を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記ハンドルアセンブリは、前記玉継ぎ手アセンブリ上を下方に締結することにより前記玉継ぎ手をロックすることが可能なハンドルを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記装置は第2の減捻装置を備え、
前記第2の減捻装置は、
内側スリーブと、前記内側スリーブ上に配置された外側スリーブとを含む管アセンブリであって、前記内側スリーブは、第2のインプラントへ取り付けられる遠位端を有する、管アセンブリと、
ハンドルアセンブリと、
前記管アセンブリと前記ハンドルアセンブリとの間に配置された玉継ぎ手アセンブリであって、前記玉継ぎ手アセンブリは、前記接続ロッドおよび前記玉継ぎ手の下側の整復伸展部によって前記第1の減捻装置の玉継ぎ手へ接続された玉継ぎ手を含み、前記整復伸展部は、前記内側スリーブの中央ボア内に適合するようなサイズにされる、玉継ぎ手アセンブリと、
を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記装置は第3の減捻装置を備え、
前記第3の減捻装置は、
内側スリーブと、前記内側スリーブ上に配置された外側スリーブとを含む管アセンブリであって、前記内側スリーブは、第3のインプラントへ取り付けられる遠位端を有する、管アセンブリと、
ハンドルアセンブリと、
前記管アセンブリと前記ハンドルアセンブリとの間に配置された玉継ぎ手アセンブリであって、前記玉継ぎ手アセンブリは、前記接続ロッドへ接続された玉継ぎ手と、前記玉継ぎ手の下側の整復伸展部とを含み、前記整復伸展部は、前記内側スリーブの中央ボア内に適合するようなサイズにされる、玉継ぎ手アセンブリと、
を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記第1の減捻装置の玉継ぎ手アセンブリは、第2の接続ロッドへ取り付けられるように構成された第2の玉継ぎ手を含み、前記装置は、第3の減捻装置を備え、
前記第3の減捻装置は、
内側スリーブと、前記内側スリーブ上に配置された外側スリーブとを含む管アセンブリであって、前記内側スリーブは、第3のインプラントへ取り付けられる遠位端を有する、管アセンブリと、
ハンドルアセンブリと、
前記管アセンブリと前記ハンドルアセンブリとの間に配置された玉継ぎ手アセンブリであって、前記玉継ぎ手アセンブリは、前記第1の減捻装置の前記第2の玉継ぎ手へ前記第2の接続ロッドによって接続された玉継ぎ手を含む、玉継ぎ手アセンブリと、
を含む、請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、米国特許出願第12/632,445号(タイトル:「Derotation Apparatus for Treating Spinal Irregularities」、出願日:2009年12月7日)の部分継続出願である。本明細書中、同文献の開示内容全体を参考のため援用する。
【0002】
本開示は、主に脊髄異常の治療に関する。詳細には、1つ以上の実施形態において、本開示は、椎体回転を低減するために用いることが可能な減捻装置およびシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
多数の種類の脊髄異常に起因して、痛み、可動域の制限、または脊柱内の神経系の損傷が発生する。これらの異常の原因を非限定的に挙げると、外傷、腫瘍、板変性および疾病がある。例として、脊柱側弯症および脊柱後弯症は、脊椎側弯症および部分的脊椎回転を伴う複雑な三次元的問題を発生させ得る異常である。医療および技術の発展により、これらの変形または異常を修正するための複数のデバイスおよび技術が医師に提供されている。
【0004】
脊柱側弯症治療のための1つの技術として、ハリントンロッドがある。ハリントンロッドは、留め金によって脊椎へ取り付けられた伸延システム上において動作し、伸延時において、脊椎中の曲線をまっすぐにする。1970年代まで、ハリントンロッドは、脊柱側弯症治療において好適な方法であった。これらのロッドについてのその後の研究の結果、脊髄変形の修正のために伸延ロッドを単独で用いた場合、悪影響が出ることが公開された(例えば、「直線状胸椎症候群」およびその結果発生する下部腰椎脊椎中の変性変化)。他の管理方法(例えば、部分的ワイヤ、留め金、ロッドおよび/または骨ファスナー(例えば、椎弓根ネジ)を含む脊髄固定システム)により、脊髄変形の治療は劇的に進化した。より小型かつより強固な骨ファスナーの登場および利用可能性により、治療もさらに進化し、その結果、矯正力を臀部系を通じて上胸部脊椎中へ有効に付加することが可能になっている。
【0005】
最近まで、脊椎側弯症の矯正においては、骨ファスナーおよびロッドを含む脊髄固定システムがほとんど独占的に用いられてきており、部分的脊椎減捻はほとんど注目されていなかった。その主な理由として、骨ファスナー器具の場合、個々の椎体を回転させる手段が得られなかった点がある。これらのシステムの場合、ロッドを骨ファスナー中において用い、ロッドグリップおよび/またはin situベンダーを用いてロッドを平行移動させて、矢状および前頭面バランスを回復させる点に着目している。これらの患者においては、A−Pまたは横方向x線上においては矯正されたようにみえるものの、リブハンプまたは脊椎の軸方向捻れが顕著になる場合が多く、肺における有意な妥協および脊椎のさらなる変性変化の原因となり得る。
【0006】
脊柱側弯症などの異常に起因する部分的脊椎回転に対処するための技術も、開発されている。例えば、部分的脊椎回転の治療のために減捻システムが用いられている。現行の減捻システムにおいては、逆トルクと全く同様にインプラント(例えば、椎弓根ネジ)上に1本の管または一連の管が配置されることが多い。これらの管により、外科医は、椎体を器具から離隔方向に押圧および回転させることができ、これらの管が変形の頂点に付加されると、側弯症がまっすぐにされ、身体間の個々の回転のうち一部を低減することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、このような操作を行った場合、直線状胸椎症候群の原因となることが多く、またより重大には、個々のネジへ極めて強い力が付加されるため、骨ファスナーによって椎弓根の内壁または側壁が割れる恐れがある。その場合、これらのレベルにおける固定が失われ得、割れたネジが脊髄に接触した場合、麻痺も発生し得る。任意の1つのネジへ付加される力を低減するために、減捻システムによって複数のネジを接続して、矯正力を複数のネジへ付加できるようにする。しかし、外科医は、2本よりも多くの管を接続することができない場合が多く、また、管を接続するプロセスも時間がかかり、煩雑であり、システムの組み立ておよび締結にも別個の器具が必要となることが多い。既に長くかつ複雑な変形においてこれらの要素が存在するため、臀部脊髄融合手術のための減捻システムによる効果が制限されてきた。
【0008】
よって、複数のインプラントへの効率的な接続によりインプラントへ確実に接続することが可能な、向上した減捻システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態は、減捻装置を含む。減捻装置は、管アセンブリを含み得る。管アセンブリは、内側スリーブと、内側スリーブ上に配置された外側スリーブとを含む。内側スリーブは、インプラントへ取り付けられる遠位端を持ち得る。管アセンブリは、ハンドルアセンブリをさらに含み得る。管アセンブリは、管アセンブリとハンドルアセンブリとの間に配置された玉継ぎ手アセンブリをさらに含み得る。玉継ぎ手アセンブリは、接続ロッドへ取り付けられるように構成された玉継ぎ手を含み得る。玉継ぎ手アセンブリは、玉継ぎ手の下側の整復伸展部をさらに含み得る。整復伸展部は、内側スリーブの中央ボア内に適合するようなサイズにされる。
【0010】
当業者であれば、本発明の特徴および利点を容易に理解する。当業者であれば、多数の変更を為すことが可能であるが、そのような変更は、本発明の意図の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の一実施形態による減捻装置を示す。
図2】本発明の一実施形態による減捻装置の分解図である。
図3】減捻装置の管アセンブリの実施形態を示す。
図4】管アセンブリを備えた減捻装置が非ロック位置にある場合の実施形態を示す。
図5】本発明の一実施形態による、管アセンブリを備えた減捻装置がロック位置にある場合の実施形態を示す。
図6】玉継ぎ手を備えた減捻装置が異なる回転角度にある様子の実施形態を示す。
図7】玉継ぎ手のうちの1つが角度を付けて減捻装置に対して方向付けられた減捻装置の実施形態を示す。
図8】本発明の一実施形態による玉継ぎ手の分解正面図である。
図9】本発明の一実施形態による玉継ぎ手の分解側面図である。
図10】本発明の一実施形態による、非ロック位置にある玉継ぎ手の実施形態を示す。
図11】本発明の一実施形態による、ロック位置にある玉継ぎ手の実施形態を示す。
図12】接続された減捻システムの実施形態を示し、2つの減捻装置が同じ椎体のいずれかの側へ取り付けられる。
図13】接続された減捻システムの実施形態を示し、3つの減捻装置が一列配置構成で設けられる。
図14】接続された減捻システムの実施形態を示し、複数の減捻装置が設けられる。
図15】本発明の別の実施形態による減捻装置を示す。
図16図15の減捻装置の管アセンブリの実施形態を示す。
図17】本発明の一実施形態による、図16の管アセンブリの端面図である。
図18】玉継ぎ手アセンブリの実施形態を示し、ハンドルアセンブリが玉継ぎ手アセンブリの一端に設けられ、玉継ぎ手アセンブリは、整復伸展部を有する。
図19】本発明の一実施形態による整形外科用固定デバイスを示す。
図20】本発明の一実施形態による、図19の整形外科用固定デバイスの玉継ぎ手の接続を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1および図2は、本発明の実施形態による減捻装置10を示す。図示のように、減捻装置10は、管アセンブリ20、玉継ぎ手アセンブリ30およびハンドルアセンブリ40を含む。管アセンブリ20は、内側スリーブ50と、内側スリーブ50上に配置された外側スリーブ60とを含み得る。内側スリーブ50は、遠位端70を有する。遠位端70は、インプラント(図示せず)へ取り付けられるように構成および適合される。実施形態において、インプラントは、椎体へ取り付けられ得る。玉継ぎ手アセンブリ30は、少なくとも1つの玉継ぎ手80を含み得る。図示のように、玉継ぎ手アセンブリ30は、2つの玉継ぎ手80を含む。以下にさらに詳述するように、力をハンドルアセンブリ40へ付加することで、インプラントが取り付けられた椎体を減捻することができる。その結果、患者脊椎中の椎体間の回転が整復される。加えて、椎体の回転により、脊椎の弯曲もまっすぐになる。
【0013】
ここで図1図5を参照して、本発明の一実施形態による減捻装置10の管アセンブリ20について、より詳細に説明する。図3は、玉継ぎ手アセンブリ30およびハンドルアセンブリ40が無い状態の管アセンブリ20を示す。一般的に、管アセンブリ20は、減捻装置10をインプラント(図示せず)へと取り付ける。上述したように、管アセンブリ20は、内側スリーブ50と、内側スリーブ50上に配置された外側スリーブ60とを含む。
【0014】
内側スリーブ50は、インプラント(図示せず)へ取り付けられるように構成および適合された遠位端70を含む。実施形態において(図示せず)、遠位端70は、インプラントのうち少なくとも一部の上に適合する。図示していないものの、遠位端70の内面は、インプラントへ取り付けられるように構成および適合された特徴を含み得る。例えば、遠位端70は、一定の力を付加することにより内側スリーブ50をインプラントに接続することを可能にする接続部を含み得る。例えば、遠位端70を可撓性とすることにより、内側スリーブ50へ長手方向力が付加された場合に、遠位端70をインプラントヘッド上に適合させることができる。別の実施形態において、蟻継ぎ型接続部を設けることにより、遠位端70を回転させてインプラント上に配置すると、内側スリーブ50がインプラントへ接続されるため、分離が回避される。遠位端70のインプラントからの分離を回避するために、他の適切な機構を用いることができる。インプラントは、椎体へ固定することが可能な多様な外科用インプラント(例えば、ロッドへ接続された骨ファスナーのうちいずれか(例えば、椎弓根ネジ)を含む脊椎安定用システム)を含み得る。例として、遠位端70は、骨ファスナーのヘッド上に適合し得る。遠位端70は、スロット90を含み得る。例えば遠位端70が骨ファスナー上に適合されると、スロット90を通じてロッドが延びる。遠位端70は、斜面100をさらに含み得る。
【0015】
内側スリーブ50は、遠位端70に対向する内側スリーブ50からラジアル方向に延びるロック機構110をさらに含み得る。ロック機構110はそれぞれ、停止部120、アクチュエータ130およびガイド140を含み得る。図示のように、停止部120およびアクチュエータ130は、ガイド140のいずれかの側上に設けられ得る。ガイド140は、例えば停止部120とアクチュエータ130との間に延びるピンまたはロッドである。アクチュエータ130を押圧すると、ロック機構110が内側スリーブ50へと押圧される。
【0016】
ここで図1図5を参照して、本発明の一実施形態による外側スリーブ60について、以下にさらに詳述する。上記したように、外側スリーブ60は、内側スリーブ50上に配置され得る。外側スリーブ60は、導管170へ接続された第1の開口部150および第2の開口部160を含み得る。図示していないが、外側スリーブ60は、第1の開口部150、第2の開口部160および導管170に対して対応する開口部を外側スリーブの反対側においてさらに含み得る。第1の開口部150および第2の開口部160はそれぞれ、導管170よりも幅を有する。第2の開口部160は、第1の開口部150よりも外側スリーブ60の近位端175に近接する。導管170は、ロック機構110のガイド140の移動を可能にするような寸法に一般的にされるが、管アセンブリ20の組み立て時において停止部120の移動が可能となるような充分なサイズにすべきである。第1の開口部150および第2の開口部160は、停止部120の貫通が可能となるような寸法にすべきである。外側スリーブ60は、さらなる開口部(例えば、第3の開口部180および第4の開口部190)をさらに含み得る。これらのさらなる開口部は、例えば管アセンブリ20の内部コンポーネントを所望に検査かつ/または洗浄できるように、管アセンブリ20の組み立て後に内側スリーブ50へのアクセスを提供すべきである。実施形態において、外側スリーブは、面取り遠位端210をさらに含む。
【0017】
図2および図3に示すように、本発明の一実施形態によれば、シャフト200は、外側スリーブ60へ接続され得る。一般的に、シャフト200は、外側スリーブ60の近位端175から軸方向に延び得る。実施形態において、シャフト200および外側スリーブ60は、一体ピースであり得る。別の実施形態において(図示せず)、シャフト200は、任意の適切な機構によって(例えば、ボルト締めかつ/またはねじ式接続部によって)外側スリーブへ取り付けられ得る。図示のように、シャフトは、四角形状の近位端430を持ち得る。シャフト200の近位端430を概して四角形状として図示しているが、本発明の実施形態によれば、他の形状(例えば、円形)も適切であり得る。
【0018】
図4および図5は、本発明の一実施形態による、管アセンブリ20のロック機構110の動作を示す。以下に述べるように、ロック機構110を用いて、減捻装置10をインプラント(図示せず)へ接続することができる。以下の記載において、ロック機構110のうちの1つを非ロック位置からロック位置へと移動させる場合について述べる。しかし、図示の実施形態は、管アセンブリ20のロックおよび非ロックを発生させるように同様に機能する双方のロック機構110を備えた2つのロック機構110を含むことが理解される。
【0019】
図4は、本発明の一実施形態による、ロック機構110が非ロック位置にある管アセンブリ20を示す。図示のように、管アセンブリ20が非ロック状態である場合、外側スリーブ60が内側スリーブ50上に配置され得、内側スリーブ50の遠位端70が露出する。実施形態において、非ロック時において、ロック機構110は、外側スリーブ60内の第1の開口部10を通じて延びる。ロック機構110が第1の開口部150と係合するようにブロック120はを第1の開口部150内に配置することにより、ロック機構110の移動を回避することができる。その結果、内側スリーブ50の位置が外側スリーブ60に対して固定される。非ロック位置にある場合、内側スリーブ50の遠位端70は、少なくともインプラント(図示せず)の一部上に配置され得る。減捻装置10がインプラントの遠位端70から分離されるのを回避できるように、多様な機構を適用することができる。
【0020】
図5は、本発明の一実施形態による、ロック機構110がロック位置にある状態の管アセンブリ20を示す。管アセンブリ20をロック位置に配置することにより、内側スリーブ50をインプラント上にさらに固定することができる。一実施形態に従ってロック機構110をロック位置に配置するためには、アクチュエータ130を押圧することにより、ロック機構110を内側スリーブ50へと押圧させる。停止部120を第1の開口部150を通じて完全に移動させると、停止部120を第1の開口部150から係合解除することができる。ロック機構110が押圧されると、圧力が管アセンブリ20へ付加されて、その結果、外側スリーブ60が内側スリーブ50上を下方に強制移動させられる。外側スリーブ60が内側スリーブ50上を下方移動すると、ロック機構110が第2の開口部160に到達するまで、ガイド140は導管170を通じて移動する。その後、アクチュエータ130を解放すると、ロック機構110が上昇し、第2の開口部160と係合し、停止部120により移動が回避される。外側スリーブ60が第1のスリーブ50上において下方に強制移動させられると、外側スリーブ60の面取り遠位端210が斜面100上を移動する。その結果、外側スリーブ60が内側スリーブ50の遠位端70へと強制移動し、その結果、遠位端70がインプラント(図示せず)に対して強く押圧される。この締結力により、遠位端70がインプラント上にクランプされ、その結果、遠位端70がインプラントから分離する事態が回避される。よって、このように、減捻装置10をインプラントへ確実に接続することができる。本発明の実施形態に従って、減捻装置10をインプラント上へ固定するための他の適切な機構を用いることも可能である。
【0021】
減捻装置10は、玉継ぎ手アセンブリ30をさらに含み得る。一般的に、玉継ぎ手アセンブリ30は、減捻装置10を少なくとも1つのさらなる減捻装置10へ接続させるように、構成および適合される。図12図14を参照して以下にさらに述べるように、2つ以上の減捻装置10を少なくとも1つの接続ロッド220によって接続して、接続された減捻システム225を形成することができる。ここで図1および図2を参照して、玉継ぎ手アセンブリ30は、少なくとも1つの玉継ぎ手80を含み得る。実施形態において、少なくとも1つの玉継ぎ手80は、バネ付加型玉継ぎ手であり得る。一般的に、少なくとも1つの玉継ぎ手80はそれぞれ、回転可能であり得る。例えば、少なくとも1つの玉継ぎ手80それぞれを、少なくとも1つの軸(および好適には少なくとも2本の軸)の周囲において回転可能とする。図6によって示す実施形態において、少なくとも1つの玉継ぎ手80はそれぞれ、z軸230の周囲において回転され得る。例えば、少なくとも1つの玉継ぎ手80は、約z軸230の周囲を約360°までの角度だけ回転することができる。図示のように、2つの玉継ぎ手80の相互の回転角度は、約90°であり得る。図7によって示す実施形態において、少なくとも1つの玉継ぎ手80がy軸(図示せず)の周囲において回転され得る。y軸(図示せず)は、図に対して垂直な方向に延びる。例えば、少なくとも1つの玉継ぎ手80は、y軸の周囲において約360°までの角度(θ)だけ回転し得る。図示のように、玉継ぎ手80のうちの1つは、y軸の首位において少なくとも約20°までの角度(θ)だけ回転し得る。
【0022】
ここで図2図8および図9を参照して、本発明の一実施形態について、玉継ぎ手アセンブリ30について以下にさらに詳述する。図示のように、玉継ぎ手アセンブリ30は、少なくとも1つの玉継ぎ手80を含む。各玉継ぎ手80は、ハウジング250内に収容された玉240を含み得る。玉240およびハウジング250は、シャフト200上に配置される。実施形態において、玉240は、上部260および下部270によって形成される。上部260および下部270は、整合した場合、共に玉240を形成する。上部260および下部270はそれぞれ概して環状であるため、各部がシャフト200上に適合することができる。図示のように、上部260は別個のピースであり得、玉240の上半分を形成する。下部270は別個のピースであり得、玉240の下半分を形成する。実施形態において(図示せず)、上部260および下部270は一体ピースである場合もあれば、あるいは、何らかの様態で接続される。上部260および下部270はそれぞれ、穴(例えば、テーパー付き貫通穴275)を含み得、これにより、例えばシャフト200上における少なくとも1つの玉継ぎ手80の回転が促進される。実施形態において、各玉継ぎ手80の上部260および下部270は、各外面のうち少なくとも一部上において鋸歯状玉縁部285を含み得、これにより、各玉240の外面が形成される。
【0023】
図示の実施形態において、上部260および下部270はそれぞれ、タブを含む(例えば、上側タブ280および下側タブ290)。上側タブ280および下側タブ290はそれぞれ、ラジアル方向に上部260および下部270から外方に延び得る。上側タブ280および下側タブ290は共に、クランプ300を形成するように構成および適合され得る。クランプ300は、接続ロッド220をグリップする(図12図14上に示す)。このようにして、各玉継ぎ手80は、対応する接続ロッド220を保持し得る。実施形態において、上側タブ280および下側タブ290によって形成されたクランプ300を開口させることにより、例えば接続ロッド220の挿入が促進される。実施形態において、クランプ300は、概してu字型形状である。図示のように、上側タブ280および下側タブ290の対向する面310を円形状にすることにより、上側タブ280および下側タブ290は、接続ロッド220を需要するロッド開口部315を形成する。
【0024】
図2図8および図9に図示のように、各1つの玉継ぎ手80は、本発明の一実施形態による内側座金320および外側座金330をさらに含み得る。内側座金320および外側座金330はそれぞれ、シャフト200上に配置される。内側座金320および外側座金330はそれぞれ、内部をシャフト200が貫通できるような寸法にされた中央開口部(図示せず)を含み得る。内側座金320はそれぞれ、突出リム340を円形面350と共に含む。実施形態において、円形面350を平滑にすることにより、玉240の回転が可能となる。また、内側座金320はそれぞれ、外側肩部360を含む。図示のように、内側座金320それぞれの外側肩部360は内側方向に対向し得るため、外側肩部360は、各玉継ぎ手80の玉240に対向し得る。内側座金320はそれぞれ、外側肩部360の反対方向に対向する内側バネ肩部370をさらに含み得る。外側座金330はそれぞれ、内側肩部380を含み得る。この内側肩部380は、玉240から離隔方向を向くため、外方を向く。実施形態において、外側座金330のうち1つ以上は、ハウジング250と一体化され得る。図8によって図示のように、外側座金330のこの一体型座金は、一実施形態によれば、外側座金330の最上側にあり得る。別の実施形態において(図示せず)、外側座金330はそれぞれ、ハウジング250と別個のピースであり得る。図9によって図示のように、外側座金330の最下側は、一実施形態によれば、ハウジング250から分離され得る。実施形態において、外側座金330のうち1つ以上はそれぞれ、1つ以上の鋸歯状縁部を含み得る。図示の実施形態において、外側座金330はそれぞれ、内側鋸歯状縁部390および外側鋸歯状縁部400を含み得る。図示のように、内側鋸歯状縁部390は、玉240と噛み合うように、円形にされ得る。
【0025】
各玉継ぎ手80は、バネ405をさらに含み得る。図示のように、バネ405は、内側座金320のいずれかの側のシャフト200上に配置され得る。実施形態において、バネ405は、圧縮バネである。実施形態において、各玉継ぎ手80は、バネ405のうち1つを共有し得る。図示の実施形態において、各玉継ぎ手80は、2つのバネ80を含む。各玉継ぎ手は、バネ80のうち1つを共有する。別の実施形態において(図示せず)、少なくとも1つの玉継ぎ手80はそれぞれ、1つの圧縮バネを含み得る。
【0026】
ここで図1および図2を参照して、本発明の一実施形態によるハンドルアセンブリ40について、以下にさらに詳述する。図示の実施形態において、ハンドルアセンブリ40は、ハンドル410およびキャップ420を含む。ハンドル410は、概して管状の形状であり得、内部において通路が長手方向lに延びる。図示のように、ハンドル410は、下側管状部440および上側管状部450を含み得る。実施形態において、下側管状部440の内径は、上側管状部450の内径よりも小さくすることができる。実施形態において(図示せず)、下側管状部440は、内側ねじ山を持ち得る。減捻装置10が組み立てられると、シャフト200は、下側管状部440内に受容され得る。1つ以上の穴部460が、上側管状部440内に形成され得る。ハンドル410は、内側キャップ肩部470を、例えば下側管状部440および上側管状部450の交差部においてさらに含み得る。図示のように、内部キャップ肩部470は、上方を向き得る。
【0027】
実施形態において、キャップ420は、ハンドル410を減捻装置10上にロックするように構成および適合され得る。図示のように、キャップ420は、ヘッド480と、細長シャフト490と、外部ねじ山500とを含み得る。減捻装置10が組み立てられると、例えばキャップ420をハンドル410の内部に配置することができ、キャップ420はハンドル410の内側キャップ肩部470と係合し、細長シャフト490は、下側管状部440内に下方に延びる。図示していないが、キャップ420は、ハンドル410内へロックするための特徴を含み得る。実施形態において(図示せず)、キャップ420は、ハンドル410の下側管状部440内へねじ込まれ得る。例えば、キャップ420の外部ねじ山500は、下側管状部440内の内部ねじ山(図示せず)内へとねじ込まれ得る。加えて、キャップ420は、ハンドル410および玉継ぎ手アセンブリ30をシャフト200上に固定するための特徴も含み得る。例えば、キャップ420をシャフト200の近位端430上に配置することができ、ネジ520をキャップ420のねじ穴510内に挿入して、シャフト200と係合させる。図示のように、ねじ穴510は、キャップ420のヘッド480内に配置され得る。実施形態において、細長シャフト490は、矩形形状の開口部505を持ち得る。この矩形形状の開口部505内に、シャフト200の四角形状の近位端430が挿入され得る。細長シャフト490内の他の形状の開口部も、本発明の実施形態において適切に用いることが可能であることが理解される。キャップ420がシャフト200上に固定されると、ハンドル410を回転させて、例えばハンドル410をシャフト200上に下方に締結して、ハンドル410を玉継ぎ手アセンブリ30上に下方に締結することができる。上記の記載において、本発明の実施形態に従って用いることが可能なハンドルアセンブリ40について述べた。しかし、玉継ぎ手アセンブリ30上を下方に締結するための他の適切なアセンブリも、本発明の実施形態に従って利用することが可能であることが理解される。
【0028】
ここで図10を参照して、本発明の一実施形態による玉継ぎ手80が非ロック位置にある様子が図示されている。図示のように、外側座金330は、玉240のいずれかの側に配置され得る。上述したように、玉240は、相互に噛み合うことにより玉240を形成する上部260および下部270により、形成され得る。図示の実施形態において、外側座金330の最上側はハウジング250と一体であり、外側座金330の最下側は、ハウジング250内にスライド可能に配置される。内側座金320も、玉240のいずれかの側に配置され得る。内側座金320それぞれの外側肩部360は、外側座金330の対応する内側肩部380と係合する。図示のように、内側座金320それぞれの突出リム340は、外側座金330のうち対応する1つを通じて延び得る。内側座金320それぞれの突出リム340の円形面350は、玉240と接触し得る。上記したように、円形面350を平滑にすることにより、玉240の回転が可能となる。図示のように、バネ405は、内側座金320のいずれかの側に配置され得る。図示の実施形態において、バネ405は、内側座金320の内側バネ肩部370と係合する。実施形態において、バネ405により、各内側座金320の外側肩部360を各外側座金330の内側肩部380と強制的に係合させることができる。
【0029】
ここで図11を参照して、本発明の一実施形態による玉継ぎ手80がロック位置にある様子が図示される。玉継ぎ手80をロック位置に配置することにより、接続ロッド220をクランプ300内に固定することができる(図12図14に図示)。一実施形態に従って玉継ぎ手80をロック位置に配置するために、ハンドルアセンブリ40を、例えば玉継ぎ手アセンブリ30上に下方に締結することができる。ハンドルアセンブリ40が締結されると、内側座金320を外側座金330の内側に押圧することができ、これにより、突出リム340はもはや外側座金330を通じて延びることができなくなる。その後、外側座金330は、玉240をバネ405と係合させて、上部260および下部270に力を付加する。上部260および下部270に共に力を付加することにより、クランプ300を接続ロッド220上に閉鎖させることができる(図12図14に図示)。加えて、外側座金330を玉240と係合させることにより、玉240の回転も回避することができる。上記したように、外側座金330および/または玉240の外面240は、鋸歯状であり得る。実施形態において、各外側座金330の内側鋸歯状縁部390が鋸歯状玉縁部285と係合することにより、玉240の回転が回避される。上記の記載において、玉240の回転の回避およびクランプ300内における接続ロッド220の固定のための、玉継ぎ手80をロックするための1つの適切な技術について述べた。しかし、本発明の実施形態によれば、玉240の回転の回避およびクランプ300内における接続ロッド220の固定のための他の適切な技術を利用することが可能であることが理解される。
【0030】
本発明の実施形態によれば、1つ以上の減捻装置10を脊髄異常の治療において用いることができる。例えば、減捻装置10を用いて椎体を減捻して、患者の脊椎中の椎体間の回転を整復することができる。減捻装置10を用いて椎体を減捻することにより、脊椎の弯曲をまっすぐにすることもできる。実施形態において、減捻装置10をインプラント(例えば、ロッドへ接続された骨ファスナー)と共に用いて、脊椎弯曲に対処することもできる。脊髄異常の治療の実施形態は、インプラントへの減捻装置10の接続を含み得る。実施形態において、インプラントは、椎体へ取り付けられ得る。減捻装置10をインプラントへ接続することは、例えば、内側スリーブ50の遠位端70をインプラント上に配置することを含み得る。実施形態において、遠位端70をインプラント上に配置することにより、インプラントからの内側スリーブの分離を回避することができる。また、減捻装置10をインプラントに接続することは、管アセンブリ20をロック位置に配置して、内側スリーブ50をインプラント上にさらに固定することをさらに含み得る。実施形態において、ロック位置において、外側スリーブ60を内側スリーブ50の遠位端70上に配置することにより、遠位端70をインプラント上にクランプすることができる。内側スリーブ50をインプラント上に固定した後、力をハンドルアセンブリ40へ付加して、インプラントが取り付けられた椎体を減捻することができる。
【0031】
脊髄異常を治療するための実施形態は、減捻装置10を少なくとも1つのさらなる減捻装置10へ接続して、接続された減捻システム225を形成することをさらに含み得る。例えば、別個の減捻装置10内の玉継ぎ手80をアライメントさせることにより、アライメントされた玉継ぎ手80の対応するクランプ300内に接続ロッド220を配置することができる。接続ロッド220を所定位置にロックするために、その後、例えば対応するハンドルアセンブリ40を締結することにより、アライメントされた玉継ぎ手80をロック位置に配置することができる。接続された減捻システム225内の各減捻装置10は、対応するインプラントへ接続することができることが理解される。接続された減捻システム225内の少なくとも1つの減捻装置10内において、力がハンドルアセンブリ40へ付加され得る。実施形態において、接続された減捻システム225内の各減捻装置10のハンドルアセンブリ40へ力が付加され得る。ハンドルアセンブリ40へ力を付加すると、接続された減捻システム225が取り付けられた椎体が減捻される。
【0032】
ここで図12を参照して、本発明の一実施形態による、脊髄異常の治療のための接続された減捻システム225が図示される。図示のように、接続された減捻システム225は、2つの減捻装置10を含む。これら2つの減捻装置10は、接続ロッド220によって相互接続される。図示の実施形態において、減捻装置10は、椎体540のいずれかの側において骨ファスナー530に接続される。椎体540へ付加された回転力は、骨ファスナー530間において分散する。図示のように、骨ファスナー530は、単一のロッドまたは一対の平行なロッド570を含み得る脊椎560を融合するための骨固定システム550のコンポーネントであり得る。
【0033】
ここで図13を参照して、脊髄異常の治療のための接続された減捻システム225の実施形態が図示される。図中、接続ロッド220によって相互接続された3つの減捻装置10が、脊椎560の同じ側において骨ファスナー530へ接続される。実施形態において、減捻装置10は、脊椎560の湾曲の頂点において椎体540へと接続され得る。このような減捻装置10の配置構成により、複数のレベルの脊椎560にわたって力が分散される。
【0034】
ここで図14を参照して、脊髄異常の治療のための接続された減捻システム225の実施形態が図示される。図中、複数の減捻装置10が、接続ロッド220によって相互接続される。図示のように、脊椎560のいずれかの側において、減捻装置10を複数のレベルの脊椎560上において骨ファスナー530へと接続することができる。このような減捻装置10の配置構成により、椎体540の減捻のために、複数のレベルの脊椎560上において力が分散される。
【0035】
図15は、本発明の別の実施形態による減捻装置10を示す。図示のように、減捻装置10は、管アセンブリ20、玉継ぎ手アセンブリ30およびハンドルアセンブリ40を含む。
【0036】
図15図17を参照して、本発明の実施形態による、図15の減捻装置10の管アセンブリ20について、以下にさらに詳述する。図示のように、管アセンブリ20は、内側スリーブ50、外側スリーブ60およびロックハンドル600を含み得る。図示の実施形態において、内側スリーブ50は、インプラント(図示せず)へ取り付けられるように構成および適合された遠位端70を有する。遠位端70をインプラントへ取り付けるための実施形態について、図1図5を参照してさらに詳述する。例えば、遠位端70を可撓性とすることにより、遠位端70を骨締結デバイス(例えば、椎弓根ネジ)のヘッド上に押圧することができる。図16中に最良に示すように、遠位端70は、遠位端70がインプラント上にスロット状に嵌まることを可能にする特徴610を遠位端70の内面620上においてさらに含み得る。図示の実施形態において、特徴610が内面620から突出している様子が図示される。内側スリーブ50は、少なくとも1つの突出面630をさらに含み得る。少なくとも1つの突出面630は、例えば斜面100を含み得る。図示の実施形態において、突出面630は、内側スリーブ50の外面640から外方に延びる。図示のように、突出面630は、隆起停止部650を表面上にさらに含み得る。内側スリーブ50は、長手方向にのブルスロット660をさらに含み得る。
【0037】
図15および図16によって示すように、外側スリーブ60を内側スリーブ50上に配置して、内側スリーブ50をインプラント上にロックすることができる。外側スリーブ60は、1つ以上の開口部660を含み得る。これらの開口部660により、内側スリーブ50へのアクセスが得られ、これにより、例えば、管アセンブリ20の内部コンポーネント検査および/または洗浄を所望に行うことが可能になる。図示の実施形態において、外側スリーブ60の遠位端680は、外側スリーブ60から長手方向に延びる1つ以上のタブ690を含む。
【0038】
上記したように、管アセンブリ20は、ロックハンドル600をさらに含み得る。図15図17によって示すように、ロックハンドル600は、内側スリーブ50の近位端700上に配置され得る。図示していないが、ロックハンドル600は、例えば内側スリーブ50の近位端700へねじにより接続され得る。本発明の実施形態によれば、ロックハンドル600は、回転して内側スリーブ50を下方に移動するように構成され得、これにより管アセンブリ20がロック位置に配置され、その結果減捻装置10がインプラントへ接続される。ロックハンドル600を回転させて内側スリーブ50を下方に移動させると、ロックハンドル600が外側スリーブ60と係合し、その結果外側スリーブ60は遠位方向に平行移動する。外側スリーブ60が遠位方向に平行移動すると、外側スリーブ60のタブ690が内側スリーブ50上の少なくとも1つの突出面630と係合して、内側スリーブ50の遠位端70が例えばインプラント(図示せず)に対して強く押圧される。この締結力により、遠位端70がインプラント上にクランプされ、その結果、インプラントからの遠位端70の分離が回避される。よって、このようにして、減捻装置10をインプラントへ確実に固定することができる。本発明の実施形態によれば、減捻装置10をインプラント上に固定するための他の適切な機構も利用することが可能である。
【0039】
本発明の実施形態によれば、図15の減捻装置10は、玉継ぎ手アセンブリ30をさらに含む。一般的に、玉継ぎ手アセンブリ30は、減捻装置10を少なくとも1つのさらなる減捻装置10へと接続するように構成および適合される。図15および図18を参照して、玉継ぎ手アセンブリ30は、1つ以上の玉継ぎ手80を含む。玉継ぎ手80を操作してロッド220を固定するための実施形態(例えば、図12)については、図1図2および図6図11を参照して上記にさらに詳述している。図18に最も良好に示すように、玉継ぎ手アセンブリ30は、玉継ぎ手80の下側に管710をさらに含み得る。管710は、整復伸展部720を含む。図示のように、整復伸展部720の直径は、管710の直径よりも小さくすることができる。整復伸展部720は、整復伸展部720の外面740から突出する1つ以上の隆起面730をさらに含む。図示の実施形態において、整復伸展部720は、2つの隆起面740を整復伸展部720のいずれかの側に含む。いくつかの実施形態において、隆起面740は、少なくとも部分的に整復伸展部720の長さにわたって、長手方向に延び得る。図示のように、隆起面740はそれぞれ、整復器タブ750を含む。整復器タブ750は、整復伸展部720の遠位端760を超えて延びる。整復伸展部710は、内側スリーブ50の中央ボア770(例えば、図17)内に適合するようなサイズにされ得る。隆起面740は、内側スリーブ50内の長手方向に延びるスロット660(例えば、図17)内に適合するようなサイズおよび構成にされ得、これにより、コンポーネントが適切に方向付けられるように、玉継ぎ手アセンブリ30およびスリーブアセンブリ20が固定される。玉継ぎ手アセンブリ30は、スリーブアセンブリ20へ接続され得る。例として、玉継ぎ手アセンブリ30は、ねじ式接続部によってスリーブアセンブリ20へ接続され得る。図示していないが、玉継ぎ手アセンブリ30の一部(例えば、管710の外面)において、内側スリーブ50の近位端700内の対応するねじ山と係合するねじ山を設けることができる。玉継ぎ手アセンブリ30をスリーブアセンブリ20内にねじ固定することにより、例えば整復器タブ750を遠位方向に平行移動させることができる。これらの実施形態によれば、整復器タブ750の遠位平行移動を用いて、ロッド570(例えば、図12)をスリーブアセンブリ20が取り付けられた骨ファスナー530(例えば、図12)(例えば、ネジ)のヘッド内へ整復することができる。
【0040】
図15の減捻装置は、本発明の実施形態によるハンドルアセンブリ40をさらに含む。ハンドルアセンブリ40を用いて例えば玉継ぎ手80をロッド220(例えば、図12)上に締結することについては、図1を参照して上記にさらに詳述している。
【0041】
上記の記載において、1つ以上の玉継ぎ手80(例えば、図1)を減捻装置10において用いる場合について述べたが、玉継ぎ手80を用いて、ロッドまたは他の部材(例えば、人工小関節面)を他の医療デバイスへ固定することが可能であることが理解される。例として、図19図20を参照して以下に述べるように、1つ以上の玉継ぎ手80は、整形外科用固定デバイス800と共に用いられ得る。一実施形態において、整形外科用固定デバイス800は椎弓根ネジである。
【0042】
図19に示す整形外科用固定デバイス800は、骨ファスナー810と、オフセットロッド接続部アセンブリ820と、ロックキャップアセンブリ830とを含む。図示の実施形態において、骨ファスナー810は、ヘッド815およびシャフト825を含む。図示の実施形態において、シャフト825がねじ山840を有する様子が図示される。いくつかの実施形態(図示せず)において、シャフト825は、テーパー形状を持ち得る。当業者であれば、シャフト825は、例えば特定の用途に応じて複数の異なる特徴を持ち得る(例えば、ねじ山ピッチ、シャフト直径/ねじ山直径、全体的シャフト形状)ことを理解する。図示のように、シャフト825は、ヘッド815から下方に延びる。特定の実施形態において、ヘッド815は、例えばネジ駆動器具または他のデバイスと係合することが可能な器具係合面を持ち得る。この器具係合面により、例えば医師が捻り力または軸方向力を骨ファスナー810へ付加して、骨ファスナー810を骨中に駆動することが可能になる。図示の実施形態において、ヘッド815の器具係合面は、凹部835である。例えば、凹部835は、多角形器具(例えば、アレンレンチ)を受容するための多角形(例えば、六角形)であり得る。本発明は、例えば他の種類のネジドライバと共に用いることが可能な、スロットまたは十字などの他の形状を有する器具係合面を包含することが意図される。別の実施形態において(図示せず)、係合面を、対応する凹部を有する器具またはデバイスと係合し得る突出係合面と共に構成することができる。
【0043】
さらに図20を参照して、本発明の実施形態によれば、オフセットロッド接続部アセンブリ820は、整形外科用固定デバイス800の長手方向軸860からオフセットしたロッド850を固定するように、構成される。あるいは、接続部アセンブリ820を用いて、ロッド850の代わりに別の部材(例えば、人工小関節面)を固定することも可能である。さらに、接続部アセンブリ820を軸方向にのみ回転するように構成することにより、ロッド850をシャフト810に対して所望の位置に配置することができる。いくつかの実施形態において、オフセットロッド接続部アセンブリ820は、玉継ぎ手(例えば、図1の玉継ぎ手80)であり得る。オフセットロッド接続部アセンブリ820の実施形態は、玉継ぎ手80について上記した様態と同様の様態でロッド850上にクランプするように、動作し得る。例えば、オフセットロッド接続部アセンブリ820は、少なくとも1本の軸および好適には少なくとも2本の軸の周囲において回転することができる。例えば、接続部アセンブリ820は、y軸およびz軸のうち少なくとも1つまたは双方の周囲において回転するように、構成され得る。図示のように、オフセット接続部アセンブリ820は、ハウジング875内に収容された玉870を含み得る。一実施形態において、玉870は、上部880および下部890によって形成される。上部880および下部890が噛み合うと、上部880および下部890によって玉870が形成される。実施形態において、玉870の上部880および下部890はそれぞれ、図20に最良に示すように、玉870の外面を形成する各外面の少なくとも一部上において鋸歯状玉縁部900を含み得る。図示の実施形態において、上部880および下部890はそれぞれ、タブを含む(例えば、上側タブ910および下側タブ920)。これらのタブは、ラジアル方向において上部880および下部890からそれぞれ延び得る。上側タブ910および下側タブ920は共に、ロッド850をグリップするクランプを形成するように構成され得る。このようにして、オフセットロッド接続部アセンブリ820により、ロッド850を保持し、ロッド850をシャフト810へ固定することができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、整形外科用固定デバイス800は、ロックキャップアセンブリ830をさらに含み得る。本実施形態によれば、ロックキャップアセンブリ830の回転を用いてオフセットロッド接続部アセンブリ820をロックすることができ、これにより、ロッド850が固定され、玉870のさらなる回転が回避される。例えば、ロックキャップアセンブリ830を回転させることにより、ロックキャップアセンブリ830を下方に移動させて、上部880および下部890間に力を付加することができる。このようにして、上側タブ910および下側タブ920を例えばロッド850または人工小関節面上にクランプすることができる。加えて、ロックキャップアセンブリ830を下方に移動させることによっても、玉870のさらなる回転を回避することができ、これにより、ロッド850の角度がシャフト810に対してロックされる。
【0045】
本明細書中に開示される本発明は上記した目的を満たすために良好に設計されていることは明らかであるが、当業者であれば、多数の改変例および実施形態を想起し得ることが理解される。本明細書中、個々の実施形態について述べたが、本発明は、これらの実施形態全ての組み合わせ全てを網羅する。
図1
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図20