特許第6062960号(P6062960)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6062960セルペンチンフィブリルを含む延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンを含む物品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6062960
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】セルペンチンフィブリルを含む延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンを含む物品
(51)【国際特許分類】
   C08L 27/18 20060101AFI20170106BHJP
   C08J 9/00 20060101ALI20170106BHJP
   C08J 5/18 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   C08L27/18
   C08J9/00 A
   C08J5/18
【請求項の数】40
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-552192(P2014-552192)
(86)(22)【出願日】2012年11月26日
(65)【公表番号】特表2015-509123(P2015-509123A)
(43)【公表日】2015年3月26日
(86)【国際出願番号】US2012066518
(87)【国際公開番号】WO2013109343
(87)【国際公開日】20130725
【審査請求日】2014年9月16日
(31)【優先権主張番号】13/351,052
(32)【優先日】2012年1月16日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/675,730
(32)【優先日】2012年11月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】391028362
【氏名又は名称】ダブリュ.エル.ゴア アンド アソシエイツ,インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】W.L. GORE & ASSOCIATES, INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(74)【代理人】
【識別番号】100102990
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 良博
(74)【代理人】
【識別番号】100144417
【弁理士】
【氏名又は名称】堂垣 泰雄
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ エフ.ホワイト
(72)【発明者】
【氏名】レイチェル ラッドスピナー
【審査官】 藤井 勲
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05071609(US,A)
【文献】 特開平02−000645(JP,A)
【文献】 特表平09−501759(JP,A)
【文献】 特開平09−241412(JP,A)
【文献】 特表平11−512329(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0198588(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08J 5/00 − 5/02
C08J 5/12 − 5/22
C08J 7/00 − 7/18
C08J 9/00 − 9/42
B29C 55/00 − 55/30
B29C 61/00 − 61/10
C08F 14/00 − 14/28
C08L 27/00 − 27/24
B32B 1/00 − 43/00
F16L 9/00 − 11/26
A61L 15/00 − 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルペンチンフィブリルを含む延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンを含み、少なくとも1つの方向に少なくとも50%の伸び率及び少なくとも50MPaのマトリックス引張り強さを有し、ここで前記セルペンチンフィブリルは第1の方向への第1の曲がり及び第2の方向への第2の曲がりを有し、前記第1の方向は前記第2の方向とは異なる、物品。
【請求項2】
前記物品は少なくとも1つの方向に少なくとも50%の伸び率及び少なくとも50MPaのマトリックス引張り強さを有する、請求項1記載の物品。
【請求項3】
前記物品は少なくとも1つの方向に少なくとも100%の伸び率及び少なくとも50MPaのマトリックス引張り強さを有する、請求項1記載の物品。
【請求項4】
前記物品は少なくとも1つの方向に少なくとも200%の伸び率及び少なくとも50MPaのマトリックス引張り強さを有する、請求項1記載の物品。
【請求項5】
前記物品は少なくとも1つの方向に少なくとも600%の伸び率及び少なくとも50MPaのマトリックス引張り強さを有する、請求項1記載の物品。
【請求項6】
前記物品は少なくとも1つの方向に少なくとも100%の伸び率及び少なくとも100MPaのマトリックス引張り強さを有する、請求項1記載の物品。
【請求項7】
前記物品は少なくとも1つの方向に少なくとも200%の伸び率及び少なくとも100MPaのマトリックス引張り強さを有する、請求項1記載の物品。
【請求項8】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンはポリテトラフルオロエチレンを含む、請求項1記載の物品。
【請求項9】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンは実質的にフィブリルのみのミクロ構造を含む、請求項1記載の物品。
【請求項10】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンは少なくとも80%まで伸長されたときに、弾性率の増加を示す、請求項1記載の物品。
【請求項11】
a.乾燥した押出成形されたポリテトラフルオロエチレンテープを少なくとも1つの方向に延伸し、初期延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンを形成すること、及び、
b.前記初期延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンを加熱し、延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンを少なくとも1つの延伸方向で熱収縮させること、
を含む、
セルペンチンフィブリルを含むミクロ構造を有する延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンを含み、少なくとも1つの方向に少なくとも50%の伸び率及び少なくとも50MPaのマトリックス引張り強さを有し、ここで前記セルペンチンフィブリルは第1の方向への第1の曲がり及び第2の方向への第2の曲がりを有し、前記第1の方向は前記第2の方向とは異なる、物品を製造する方法
【請求項12】
前記初期延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンは実質的にフィブリルのみのミクロ構造を有する、請求項11記載の方法
【請求項13】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンは初期延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレン長さの90%未満に少なくとも1つの方向で熱収縮させることを含む、請求項11記載の方法
【請求項14】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンは初期延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレン長さの75%未満に少なくとも1つの方向で熱収縮させることを含む、請求項11記載の方法
【請求項15】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンは初期延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレン長さの50%未満に少なくとも1つの方向で熱収縮させることを含む、請求項11記載の方法
【請求項16】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンは初期延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレン長さの25%未満に少なくとも1つの方向で熱収縮させることを含む、請求項11記載の方法
【請求項17】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンは前記熱収縮の間の少なくとも1つの方向で拘束させることを含む、請求項11記載の方法
【請求項18】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンを収縮させる前に前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレン中に少なくとも1種の材料を浸透させることをさらに含む、請求項11記載の方法
【請求項19】
前記少なくとも1種の材料はフルオロポリマー、エラストマー及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項18記載の方法
【請求項20】
セルペンチンフィブリルを含む延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレン及び少なくとも1種の追加の材料を含み、少なくとも1つの方向に少なくとも50%の伸び率及び少なくとも50MPaのマトリックス引張り強さを有し、ここで前記セルペンチンフィブリルは第1の方向への第1の曲がり及び第2の方向への第2の曲がりを有し、前記第1の方向は前記第2の方向とは異なる、物品。
【請求項21】
前記追加の材料はフルオロポリマー、エラストマー及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項20記載の物品。
【請求項22】
前記フルオロポリマーはフッ素化エチレンプロピレンである、請求項21記載の物品。
【請求項23】
セルペンチンフィブリルを含む延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレン及び該延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレン中に少なくとも部分的に取り込まれた少なくとも1種の追加の材料を含み、少なくとも1つの方向に少なくとも50%の伸び率及び少なくとも50MPaのマトリックス引張り強さを有し、ここで前記セルペンチンフィブリルは第1の方向への第1の曲がり及び第2の方向への第2の曲がりを有し、前記第1の方向は前記第2の方向とは異なる、物品。
【請求項24】
前記少なくとも1種の追加の材料はフルオロポリマーを含む、請求項23記載の物品。
【請求項25】
前記少なくとも1種の追加の材料はエラストマーを含む、請求項23記載の物品。
【請求項26】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンは実質的にフィブリルのみのミクロ構造を有する、請求項23記載の物品。
【請求項27】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンは少なくとも1つの方向で熱収縮されている、請求項23記載の物品。
【請求項28】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンは前記熱収縮の間に少なくとも1つの方向で拘束されている、請求項27記載の物品。
【請求項29】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンは少なくとも80%まで伸長されたときに弾性率の増加を示す、請求項23記載の物品。
【請求項30】
延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレン及びエラストマーを含み、少なくとも1つの方向に少なくとも50%の伸び率及び少なくとも50MPaのマトリックス引張り強さを有する、物品であって、前記メンブレンはセルペンチンフィブリルを有し、85%未満の%非回復性歪みエネルギー密度を有し、ここで前記セルペンチンフィブリルは第1の方向への第1の曲がり及び第2の方向への第2の曲がりを有し、前記第1の方向は前記第2の方向とは異なる、物品。
【請求項31】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンは70%未満の%非回復性歪みエネルギー密度を有する、請求項30記載の物品。
【請求項32】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンは60%未満の%非回復性歪みエネルギー密度を有する、請求項30記載の物品。
【請求項33】
a.乾燥した押出成形されたポリテトラフルオロエチレンテープを二軸延伸し、初期延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンを形成すること、及び、
b.前記初期延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンに溶媒を添加し、延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンを1つの延伸方向で熱収縮させること、
を含む、
セルペンチンフィブリルを含むミクロ構造を有する延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンを含み、ここで前記セルペンチンフィブリルは第1の方向への第1の曲がり及び第2の方向への第2の曲がりを有し、前記第1の方向は前記第2の方向とは異なる、物品を製造する方法
【請求項34】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンを収縮させる前に前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレン中に少なくとも1種の材料を浸透させることを含む、請求項33記載の方法
【請求項35】
前記少なくとも1種の材料はフルオロポリマー、エラストマー及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる、請求項34記載の方法
【請求項36】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンが収縮されるときに、前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレン中に少なくとも1種の材料を浸透させることを含む、請求項33記載の方法
【請求項37】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンを収縮させた後に、前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレン中に少なくとも1種の材料を浸透させることを含む、請求項33記載の方法
【請求項38】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンを収縮させる前に、前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレン中に少なくとも1種の材料を浸透させることを含む、請求項18記載の方法
【請求項39】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンが収縮されるときに、前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレン中に少なくとも1種の材料を浸透させることを含む、請求項18記載の方法
【請求項40】
前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレンを収縮させた後に、前記延伸ポリテトラフルオロエチレンメンブレン中に少なくとも1種の材料を浸透させることを含む、請求項18記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明はセルペンチンフィブリルを含む延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)メンブレン及びそれから製造される高伸長性材料に関する。
【0002】
定義
本明細書中に使用されるときに、用語「セルペンチンフィブリル」は交互の方向に曲がり又はひねる複数のフィブリルを意味する。
【0003】
本明細書中に使用されるときに、用語「制御された収縮」は、熱を加えることにより、溶媒で湿潤化させることにより、又は、他の任意の適切な手段、又は、それらの組み合わせにより、続いて起こる物品の折り曲げ、プリーティング又はリンクリングが裸眼で視認可能となるのを抑制するように物品を少なくとも1つの方向の長さを短くさせることを指す。
【0004】
用語「浸透され又は浸透性(imbibed or imbibing)」は、本明細書中に使用されるときに、ePTFEなどの多孔性材料の孔の少なくとも一部分を少なくとも部分的に充填するための任意の手段を記載することが意図される。
【0005】
用語「伸長」は、本明細書中に使用されるときに、引張り力の負荷に応答する長さの増加を意味することが意図される。
【背景技術】
【0006】
発明の背景
多孔性フルオロポリマー材料、特に、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)材料は、通常、フィブリルの配向に平行な方向に応力を受けたときに、比較的に低い伸長性を示す。高強度の延伸ePTFE材料はより低強度のePTFE材料と比較して、比較的に低い伸長度を有する。一軸延伸材料はフィブリルに対して直交方向に応力を受けたときに、高い伸長性を示すことができるが、メンブレンはこの方向に非常に弱い。
【0007】
マンドレル上に配置された一軸延伸ePTFEチューブは機械的に圧縮されており、破壊の前により高い伸長性を達成するように熱処理されている。このようなチューブは、また、破壊前に伸長され、そして応力から解放されるならば、回復性を示す。Houseらの米国特許第4,877,661号明細書は急速回復特性を有する多孔性PTFE及びこれらの材料の製造方法を開示している。さらに、圧縮されたチューブの孔にはエラストマー材料が侵入している。例えば、Sowinskiらの米国特許第7,789,908号明細書はエラストマーマトリックスを画定している孔内にエラストマー材料が侵入しているePTFEの長手方向に圧縮されたフィブリルを含むエラストマー回復性PTFE材料を開示している。
【発明の概要】
【0008】
50%伸び率を超えるような高伸長度を示す、薄く、強いメンブレンの存在が継続的に必要とされている。いくつかの用途は薄さ、体密度及び/又は小さい孔サイズ及びそれらの組み合わせなどの品質をさらに要求する。他の用途はメンブレンを伸長させるのに比較的に低い力を要求する。
【0009】
発明の要旨
本発明は、フルオロポリマーメンブレンの強度特性を実質的に保持しながら、高い伸長性を示すフルオロポリマーメンブレンに関する。このようなメンブレンはセルペンチンフィブリルを特徴的に有する。
本発明の目的は、セルペンチンフィブリルを含む延伸フルオロポリマーメンブレンを含む物品を提供することである。引張り力の負荷はセルペンチンフィブリルを少なくとも部分的にまっすぐにし、それにより、物品を伸長させる。さらに、物品は少なくとも1つの方向に少なくとも約50%の伸び率及び少なくとも約50MPaのマトリックス引張り強さを有する。いくつかの実施形態において、延伸ポリフルオロポリマーメンブレンは実質的にフィブリルのみのミクロ構造を含む。延伸フルオロポリマーメンブレンは少なくとも1つの方向に少なくとも約200MPaのマトリックス引張り強さを有することができる。
【0010】
本発明の別の目的は(1)乾燥した押出成形されたフルオロポリマーテープを二軸延伸し、延伸フルオロポリマーメンブレンを形成すること、及び、(2)延伸フルオロポリマーメンブレンを加熱し、延伸フルオロポリマーメンブレンを少なくとも1つの延伸方向で熱収縮させることにより製造される、セルペンチンフィブリルを含むミクロ構造を有する延伸フルオロポリマーメンブレンを含む物品を提供することである。少なくとも1つの実施形態において、延伸フルオロポリマーメンブレンは実質的にフィブリルのみのミクロ構造を有する。延伸フルオロポリマーメンブレンは初期の延伸フルオロポリマー長さの約90%未満に少なくとも1つの方向で熱収縮されうる。さらに、延伸フルオロポリマーメンブレンは熱収縮の間に少なくとも1つの方向で拘束されていてよい。1つの実施形態において、少なくとも1種の材料は収縮の前、間又は後にフルオロポリマーメンブレン中に浸透されうる。
【0011】
本発明のさらに別の目的はセルペンチンフィブリル及び少なくとも1種の他の材料(フルオロポリマー(例えば、フッ素化エチレンプロピレン)、エラストマー又はそれらの組み合わせであることができる)を含む延伸フルオロポリマーメンブレンを提供することである。他の材料はフルオロポリマー及びエラストマーの両方であるフルオロエラストマーを含むことができることが理解されるべきである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、セルペンチンフィブリルを含む延伸フルオロポリマーメンブレンであって、延伸フルオロポリマーメンブレン中に少なくとも部分的に取り込まれた少なくとも1種の追加の材料を含む延伸フルオロポリマーメンブレンを提供することである。1つ以上の実施形態において、追加の材料はフルオロポリマー又はエラストマーであることができる。延伸フルオロポリマーメンブレンは実質的にフィブリルのみのミクロ構造を有することができる。さらに、延伸フルオロポリマーメンブレンは少なくとも1つの方向で熱収縮されることができる。
【0013】
本発明の目的は、また、延伸フルオロポリマーメンブレン及びエラストマーを含む物品であって、メンブレンはセルペンチンフィブリルを有し、約85%未満の%非回復性歪みエネルギー密度を有する物品を提供することである。いくつかの実施形態において、延伸フルオロポリマーメンブレンは約80%未満、約70%未満、さらには約60%未満の%非回復性歪みエネルギー密度を有する。
【0014】
本発明の別の目的は、(1)乾燥した押出成形されたフルオロポリマーテープを少なくとも1つの方向に延伸し、初期延伸フルオロポリマーメンブレンを形成すること、及び、(2)初期延伸フルオロポリマーメンブレンに溶媒を添加し、延伸フルオロポリマーメンブレンを少なくとも1つの延伸方向に収縮させることにより製造される、セルペンチンフィブリルを含むミクロ構造を有する延伸フルオロポリマーメンブレンを提供することである。さらに、メンブレンは収縮の前、収縮の間又は収縮の後にエラストマー、フルオロポリマー、フルオロエラストマー又はそれらの組み合わせで浸透されうる。
【0015】
本発明の上記及び他の目的、特徴及び利点は以下の詳細な説明を考慮して、以後にさらに完全に現れるであろう。しかしながら、図面は例示の目的であり、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきでないことは明らかに理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図面の簡単な説明
本発明の利点は、特に添付の図面と組み合わせて見るときに、本発明の以下の詳細な開示を考慮して明らかであろう。
図1図1は例示の理想化されたセルペンチンフィブリルの模式図である。
図2a図2aは従来技術の前駆体メンブレンの表面の走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。
図2b図2bは収縮状態の本発明のメンブレンの表面の走査型電子顕微鏡写真であり、メンブレンは図2aに示される前駆体メンブレンから形成されたものである。
図2c図2cは続いて行う伸長後の図2bの本発明のメンブレンの表面の走査型電子顕微鏡写真である。
図3a図3aは従来技術の前駆体メンブレンの表面の走査型電子顕微鏡写真である。
図3b図3bは収縮状態の本発明のメンブレンの表面の走査型電子顕微鏡写真であり、メンブレンは図3aに示される前駆体メンブレンから形成されたものである。
図3c図3cは続いて行う伸長後の図3bの本発明のメンブレンの表面の走査型電子顕微鏡写真である。
図4a図4aは従来技術の前駆体メンブレンの表面の走査型電子顕微鏡写真である。
図4b図4bは収縮状態の本発明のメンブレンの表面の走査型電子顕微鏡写真であり、メンブレンは図4aの前駆体メンブレンから形成されたものである。
図4c図4cは続いて行う伸長後の図4bの本発明のメンブレンの表面の走査型電子顕微鏡写真である。
図5a図5aはコポリマーを除去した後の複合材の表面の電子顕微鏡写真である。
図5b図5bはコポリマーを除去した後の収縮状態の本発明の複合材の表面の走査型電子顕微鏡写真であり、複合材は図5aの前駆体メンブレンから形成されたものである。
図5c図5cは続いて行う伸長後のコポリマーを除去した後の図5bの本発明の複合材の表面の走査型電子顕微鏡写真である。
図5d図5dは本発明の1つの実施形態による拘束サンプル複合材の最も強い方向の引張り応力vs歪みのグラフ表示である。
図5e図5eは本発明の1つの実施形態による収縮サンプル複合材の最も強い方向の引張り応力vs歪みのグラフ表示である。
図5f図5fは拘束サンプル複合材の最も強い方向の引張り応力vs歪みのグラフ表示である。
図5g図5gは収縮サンプル複合材の最も強い方向の応力vs歪みのグラフ表示である。
図6a図6aは従来技術の前駆体メンブレンの表面の走査型電子顕微鏡写真である。
図6b図6bは収縮状態の本発明のメンブレンの表面の走査型電子顕微鏡写真であり、メンブレンは図6aの前駆体メンブレンから形成されたものである。
図6c図6cは続いて行う伸長後の図6bの本発明のメンブレンの表面の走査型電子顕微鏡写真である。
図6d図6dは前駆体メンブレンの最も強い方向に対して直交する方向での引張り応力vs歪みのグラフ表示である。
図6e図6eは収縮サンプルメンブレンの最も強い方向に対して直交する方向での引張り応力vs歪みのグラフ表示である。
図7a図7aはサンプルの非回復性歪みエネルギー密度を示すグラフ表示である。
図7b図7bは7aのサンプルの回復性歪みエネルギー密度を示すグラフ表示である。
図7c図7cは図7aのサンプルの総歪みエネルギー密度を示すグラフ表示である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な説明
特に断らないかぎり、本明細書中に使用されるすべての技術及び科学用語は発明の属する技術分野における当業者に一般に理解されているとの同一の意味を有する。図面において、線、層及び領域の厚さは明確化のために誇張されていることがある。図面全体で見られる同様の数値は同様の要素を表す。
【0018】
本発明は、フルオロポリマーメンブレンの強度特性を実質的に保持しながら、高い伸長性を示すフルオロポリマーメンブレンに関する。このようなメンブレンは図1に例示される理想化されたセルペンチンフィブリルなどのセルペンチンフィブリルを特徴的に有する。図1に概して示されるとおり、セルペンチンフィブリルは、一般に、矢印10の方向の1つの方向に、その後、一般に、矢印20の方向の別の方向に曲がり又はひねる。1つの実施形態において、フルオロポリマーメンブレンは延伸性フルオロポリマーメンブレンである。延伸性フルオロポリマーの非限定的な例としては、限定するわけではないが、延伸PTFE、延伸変性PTFE及び延伸PTFEコポリマーが挙げられる。延伸PTFEブレンド、延伸変性PTFE及び延伸PTFEコポリマーに関する特許は出願されており、例えば、Brancaの米国特許第5,708,044号、Baillieの米国特許第6,541,589号、Sabolらの米国特許第7,531,611号、Fordの米国特許出願第11/906,877号及びXuらの米国特許出願第12/410,050号である。
【0019】
高伸長性は比較的にまっすぐなフィブリルをセルペンチンフィブリルへと成形することにより可能となり、セルペンチンフィブリルは圧縮方向と反対方向に力を負荷したときに実質的にまっすぐになる。セルペンチンフィブリルの形成は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)を熱誘発制御収縮させること、又は、物品を溶媒(例えば、溶媒は、限定するわけではないが、イソプロピルアルコール又はFluorinert(登録商標)(3M, Inc., St. Paul, MNから市販の過フッ素化溶媒))で湿潤させること、又は、これらの2つの技術の組み合わせにより達成されうる。物品の収縮は機械圧縮の間に起こるものとは異なり、ePTFEの視認可能なプリーティング、折り曲げ又はリンクリングにはならない。既知の方法とは異なり、収縮は、また、非常に薄いメンブレンに対しても課すことができる。収縮プロセスの間に、フィブリルは形状が蛇行状となるばかりでなく、幅が増加することもある。
【0020】
一般に、拘束されていない物品では、温度が高いほど、そして滞留時間が長いほど、最大収縮ポイントまでの収縮度が高い。さらに、収縮速度は収縮温度を増加させることにより増加されうる。
【0021】
前駆体材料は二軸延伸ePTFEメンブレンであることができる。1つの実施形態において、Bacinoらの米国特許第7,306,729号明細書の一般的教示にしたがって製造されるような材料は、特に、小さい孔サイズの物品が所望される場合に、適切な前駆体メンブレンである。これらのメンブレンは実質的にフィブリルのみのミクロ構造を有することができる。前駆体メンブレンは非晶的にロックされていても、いなくてもよい。前駆体メンブレンは、また、少なくとも部分的に充填され、コーティングされ、又は、さらなる材料と組み合わされていてよい。例えば、前駆体メンブレンは、フッ素化エチレンプロピレンにより少なくとも部分的にコーティングされることができる。
【0022】
前駆体メンブレンは最終物品の所望量の伸長性を規定するために、収縮プロセスの間に1つ以上の方向で拘束されうる。伸長性の量は収縮の量に直接的に関係しそしてそれにより決定される。本発明において、収縮の量は初期の未収縮長さの約90%未満、75%未満、50%未満又は25%未満であることができる。収縮方向での得られる伸長性の量は少なくとも約60%、80%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、又はさらに大きいことができ、その任意かつすべての百分率の間の数値を含む。
【0023】
収縮温度範囲としては前駆体メンブレンの収縮をもたらす温度が挙げられる。いくつかの例では、収縮温度は前駆体メンブレンの非晶的ロッキング温度を超えることができる。
【0024】
1つの実施形態において、熱もしくは溶媒又はその両方を課す前に、前駆体メンブレンの幅より小さい距離にレールを配置することにより、一軸テンターフレームにおいて収縮が達成されうる。二軸テンターフレームを使用するときには、一方又は両方のグリップ、ピン又は他の適切な取り付け手段のセットを前駆体メンブレンの寸法よりも小さい距離で同様に配置することができる。これらの収縮手段は上記のHouse及びSowinski特許により教示されている機械的圧縮とは異なることが理解されるべきである。
【0025】
別の実施形態において、物品は手で持っている間に収縮されうる。チューブ状物品は収縮の前にそれをマンドレル上にフィッティングさせることにより収縮されうる。さらに別の実施形態において、メンブレンを炉内に配置し、非拘束で収縮させることができる。視認可能な折れ曲がり、プリーツ又は皺の形成をもたらさない任意の適切な物品収縮手段を用いることができることが理解されるべきである。得られた、収縮された物品は、驚くべきことに、フルオロポリマーメンブレンの強度特性を実質的に保持しながら、高い伸長性を示す。驚くべきことに、このような収縮されたメンブレンは特徴的にセルペンチンフィブリルを有する。特定の場合には、拡大してセルペンチンフィブリルを観察するために、収縮されたメンブレンを部分的に延ばすことが必要なことがある。
【0026】
本発明の別の実施形態において、上記の前駆体メンブレンは収縮の前、その間、その後にエラストマー材料を浸透させ、複合材料を形成することができる。このようなエラストマー材料の非存在下に、セルペンチンフィブリルを有するフルオロポリマー物品は伸長後に評価可能な回復を示さない。適切なエラストマー材料としては、限定するわけではないが、PMVE−TFE(ペルフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン)コポリマー、PAVE−TFE(ペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)-テトラフルオロエチレン)コポリマー、シリコーン、ポリウレタンなどを挙げることができる。PMVE−TFE及びPAVE−TFEはフルオロエラストマーであることは注目されるべきである。他のフルオロエラストマーは適切なエラストマー材料である。得られた、収縮された物品は、フルオロポリマーメンブレンの強度特性を実質的に保持しながら高い伸長性を示すだけでなく、低い%非回復性歪みエネルギー密度という追加の特性を有する。これらの物品は約85%未満、約80%未満、約70%未満、約60%未満及びそれ以下の%非回復性歪みエネルギー密度を示すことができ、その値は任意かつすべての百分率の間の数値を含む。
【0027】
別の実施形態において、ePTFE前駆体メンブレンは少なくとも1種の他の材料で少なくとも部分的に又は実質的に完全に、浸透され又はコーティングされ、あるいは、さもなければ組み合わされ、該他の材料としては、限定するわけではないが、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、他のフルオロポリマー、ポリマー、コポリマー又はターポリマー、THV(テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン及びフッ化ビニリデンのターポリマー)、PFA(パーフルオロアルコキシコポリマー樹脂)、ECTFE(エチレンクロロトリフルオロエチレン)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)及びPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)を挙げることができる。フルオロポリマーメンブレンは収縮の前、その間又はその後に浸透されてよい。
【0028】
本発明の物品は、限定するわけではないが、シート、チューブ又はラミネートを含む種々の形態を取ることができる。
【実施例】
【0029】
本発明を総体的に記載してきたが、さらなる理解は下記に示される特定の具体的な実施例を参照することにより得ることができ、これらの実施例は例示の目的のみで提供され、そして別段の指示がないかぎり、包括的又は限定的であることが意図されない。
【0030】
試験方法
特定の方法及び装置を下記に記載しているが、当業者により適切であると決定される、あらゆる方法又は装置を代わりに用いてよいことが理解されるべきである。
【0031】
質量、厚さ及び密度
メンブレンサンプルをダイカットし、約2.54cm×約15.24cmの長方形セクションを形成し、質量を(Mettler-Toledo分析用秤モデルAG204を用いて)測定し、厚さを(Kafer Fz1000/30スナップゲージを用いて)測定した。これらのデータを用いて、密度を以下の式:ρ=m(w*l*t)(式中、ρは密度(g/cm)であり、m=質量(g)であり、w=幅(cm)であり、l=長さ(cm)であり、t=厚さ(cm)である)で計算した。3つの測定値の平均を報告した。
【0032】
メンブレンのマトリックス引張り強さ(MTS)
平面グリップ及び0.445kN荷重セルを備えたINSTRON 122引張り試験機を用いて引張り破断荷重を測定した。ゲージ長さは約5.08cmであり、クロスヘッド速度は約50.8cm/分であった。サンプル寸法は約2.54cm×約15.24cmであった。最も高い強度の測定では、サンプルのより長い寸法は最も高い強度の方向に配向されていた。直交MTS測定では、サンプルのより大きな寸法は最も高い強度の方向に対して垂直に配向されていた。各サンプルをMettler Toledo秤モデルAG204を用いて計量し、その後、厚さをKafer FZ1000/30スナップゲージを用いて測定したが、代わりに、厚さを測定するためのあらゆる適切な手段を用いることができる。その後、サンプルを引張り試験機で個々に試験した。各サンプルの3つの異なるセクションを測定した。3つの最大荷重(すなわち、ピークでの力)の平均を報告した。縦方向及び横断方向マトリックス引張り強さ(MTS)を下記式を用いて計算した: MTS=(最大荷重/断面積)*(PTFEのバルク密度)/(多孔性メンブレンの密度)(式中、PTFEのバルク密度は約2.2g/cmであるものとした)。
【0033】
複合材の引張り強さ
複合材引張り試験を3500g荷重セルを含むRSA3動的機械アナライザー(TA Instruments, New Castle, DE) を用いて行った。13mm×39mm長方形サンプルを20mmゲージ長さで取り付け、そして1000%/分の速度で歪ませた。最も高い強度測定では、サンプルのより長い寸法は最も高い強度の方向に配向されていた。直交引張り強度測定では、サンプルのより大きな寸法は最も高い強度の方向に対して垂直に配向されていた。報告したデータは少なくとも3つの測定値の平均である。
【0034】
伸長性試験
収縮された物品の伸長性は、引張り試験機を使用して、手で、又は、チューブ状物品に内部圧力を課すなど、引張り力の任意の適切な負荷により測定することができる。本発明において、伸長性は伸長された全ての方向で約10%/秒の速度で行った。伸び率は(最終長さ−初期長さ)÷初期長さとして計算し、そして百分率として報告した。
【0035】
ガーレー数
ガーレー数は124mmの水圧で6.45cmサンプルを100cc空気が通過する秒数を指す。サンプルをGenuine Gurley Densometer Model 4340 Automatic Densometerで測定した。報告した値は少なくとも3つのサンプルの平均測定値を表す。
【0036】
%非回復性歪みエネルギー密度
複合材の%非回復性歪みエネルギー密度を、3500gの荷重セルを用いてRSA3動的機械アナライザー(TA instruments, New Castle, DE)を用いて測定した。より長い寸法が最も高い強度方向に配向されるようにして13mm×39mmの長方形サンプルを切断した。サンプルを20mmゲージ長さを有するフィルム/繊維張力グリップに取り付けた。グリップは200mm/分の速度で50%歪みにサンプルを伸長し、その後、即座に200mm/分の速度で初期変位に戻るようにプログラムされていた。荷重及び変位値を収集し、応力及び歪み値に変換し、その後、グラフ化した。非回復性歪みエネルギー密度は、図7aに示すように、伸びと戻り曲線との間の領域101により表される。回復性歪みエネルギー密度は図7b中の領域102により表される。
【0037】
サンプルの%非回復性歪みエネルギー密度は図7cに示すように、0〜50%歪みの伸長曲線下のクロスハッチ領域103で、伸長曲線と戻り曲線との間の領域101を割った後に、100%をかけることにより規定される。報告するデータは少なくとも3回の測定の平均である。
【0038】
50%歪みの前にサンプルが破壊したなら、別のサンプルを50%破壊歪みで試験して、非回復性歪みエネルギー密度を計算すべきである。20mmグリップ分離を行い、グリップ内の材料がグリップ内のサンプルの滑りを防止するのに十分な材料とするには小さすぎるサンプルでは、クロスヘッド速度/初期グリップ分離の比が10分−1に等しいかぎり、クロスヘッド速度及びグリップ分離の他の組み合わせは使用されてよい。
【0039】
走査型電子顕微鏡写真
走査型電子顕微鏡写真はフィブリルを特定するのに適切な倍率を選択して形成した。本発明の教示により収縮された物品はセルペンチンフィブリルを特定するために収縮の方向に伸長を要求することがある。
【0040】

例1
前駆体メンブレン
下記の特性を有する非晶的にロックされていない二軸延伸PTFEメンブレンを得た:厚さ=0.0017mm、密度=1.58g/cc、ガーレー=8.8秒、最も強い方向でのマトリックス引張り強さ=346MPa、最も強い方向に直交する方向でのマトリックス引張り強さ=303MPa、最も強い方向での最大荷重での伸び率=76.6%、及び、最も強い方向に直交する方向での最大荷重での伸び率=98.6%。本明細書中に使用されるときに、用語「最も強い方向」は前駆体メンブレンの最も強い方向を指す。メンブレンのフィブリルは、図2aに示されるとおり、実質的にまっすぐであり、メンブレンは実質的にフィブリルのみを含んだ。図2aは10,000×拡大でのメンブレンの表面の走査型電子顕微鏡写真(SEM)である。前駆体メンブレン及び初期延伸フルオロポリマーメンブレンは本明細書中で相互互換的に使用されうる。
【0041】
収縮されたメンブレン
前駆体メンブレンを約500mm×500mmの寸法に切断した。400mm×400mmの正方形をフエルト先端ペンを用いてメンブレン上に描き、メンブレンを4つのコーナーでクリップ留めし、310℃に設定された炉内の棚から緩くぶら下げた。約5分後に、今や熱収縮されたメンブレンを炉から取り出した。正方形マーキングの収縮された長さ寸法は最も強い方向で194mm、最も強い方向に対して直交する方向で167mmと測定された。すなわち、収縮量は最も強い方向で初期長さの約49%(すなわち、(194/400)(100%))、最も強い方向に対して直交する方向で42%であった。収縮されたメンブレンは以下の特性を有した:厚さ=0.0062mm、密度=2.00g/cc、ガーレー=527秒、最も強い方向でのマトリックス引張り強さ=164MPa、最も強い方向に対して直交する方向でのマトリックス引張り強さ=124MPa、最も強い方向での最大荷重での伸び率=235%、最も強い方向に対して直交する方向での最大荷重での伸び率=346%。メンブレンのフィブリルは図2bに示すとおりの蛇行状形状となった。図2bは10,000×拡大で取ったメンブレンの表面のSEMである。
【0042】
伸長された収縮メンブレン
収縮されたメンブレンの長さを、最も強い方向に初期前駆体メンブレンの約75%に、そして最も強い方向に対して直交する方向に初期前駆体メンブレンの約50%に手で伸長した。フィブリルは図2cに示すとおり、伸長後にも蛇行状形状を有した。図2cは10,000×拡大で取ったメンブレンの表面のSEMである。
【0043】
例2
前駆体メンブレン
下記の特性を有する非晶的にロックされていない二軸延伸PTFEメンブレンを得た:厚さ=0.00051mm、密度=2.00g/cc、ガーレー=3.1秒、最も強い方向でのマトリックス引張り強さ=500MPa、最も強い方向に直交する方向でのマトリックス引張り強さ=324MPa、最も強い方向での最大荷重での伸び率=68.3%、及び、最も強い方向に直交する方向での最大荷重での伸び率=87.7%。メンブレンのフィブリルは、図3aに示されるとおり、実質的にまっすぐであった。図3aは10,000×拡大で取ったメンブレンの表面のSEMである。
【0044】
例2a:
収縮されたメンブレン
長さ方向がメンブレンの最も強い方向に対応する前駆体メンブレンのロールを、加熱された一軸テンターフレームのクランプに拘束し、テンターフレームの加熱されたチャンバーにフィードした。炉温度は約280℃に設定されていた。加熱されたチャンバー内のテンターフレームのレールは内側に傾斜しており、熱に応答して、その初期幅の約54%にメンブレンを収縮させることができた。加熱チャンバー内で約2分間の滞留時間を提供するようにライン速度を設定した。
【0045】
メンブレンの初期幅及び最終幅はそれぞれ1572mm及び848mmであった。収縮されたメンブレンは下記の特性を有した:厚さ=0.00152mm、密度=1.1g/cc、ガーレー=2.8秒、最も強い方向でのマトリックス引張り強さ=517MPa、最も強い方向に直交する方向でのマトリックス引張り強さ=160MPa、最も強い方向での最大荷重での伸び率=63%、及び、最も強い方向に直交する方向での最大荷重での伸び率=188%。
【0046】
例2b:
収縮された収縮メンブレン
長さ方向がメンブレンの最も強い方向に対応する前駆体メンブレンのロールを、加熱された一軸テンターフレームに、例2aに記載されるようにフィードしたが、メンブレンの収縮はメンブレンの初期幅の約23%まで行った。メンブレンの初期幅及び最終幅はそれぞれ1572mm及び353mmであった。収縮されたメンブレンは下記の特性を有した:厚さ=0.00406mm、密度=1.3g/cc、ガーレー=88.9秒、最も強い方向でのマトリックス引張り強さ=530MPa、最も強い方向に直交する方向でのマトリックス引張り強さ=52MPa、最も強い方向での最大荷重での伸び率=49.1%、及び、最も強い方向に直交する方向での最大荷重での伸び率=665%。メンブレンの表面のSEMは10,000×拡大で取られたものであり、図3bに示している。
【0047】
伸長された収縮メンブレン
収縮されたメンブレンの長さを、最も強い方向に対して直交する方向に初期前駆体メンブレンの約35%に手で伸長した。フィブリルは図3cに示すとおり、伸長後に蛇行状形状を有することが観測された。図3cは10,000×拡大で取ったメンブレンの表面のSEMである。
【0048】
例3
前駆体メンブレン
非晶的にロックされた、下記の特性を有する延伸PTFEメンブレンを得た:厚さ=0.010mm、密度=0.507g/cc、ガーレー=5.5秒、最も強い方向でのマトリックス引張り強さ=96MPa、最も強い方向に直交する方向でのマトリックス引張り強さ=55MPa、最も強い方向での最大荷重での伸び率=33%、及び、最も強い方向に直交する方向での最大荷重での伸び率=59.2%。メンブレンのフィブリルは、図4aに示されるとおり、実質的にまっすぐであった。図4aは10,000×拡大でのメンブレンの表面のSEMである。
【0049】
収縮されたメンブレン
前駆体メンブレンを約200mm×200mmの寸法に切断した。10mmの正方形のアレイをフエルト先端ペンを用いてメンブレン上に描き、メンブレンを4つのコーナーでクリップ留めし、200℃に設定された炉内に緩くぶら下げた。約20分後に、熱収縮されたメンブレンを炉から取り出した。正方形マーキングの収縮寸法を測定し、最も強い方向で約72%、最も強い方向に対して直交する方向で約67%にメンブレンが収縮されたことを決定した。10,000×拡大で取った収縮されたメンブレンの表面のSEMを図4bに示す。
【0050】
伸長された収縮メンブレン
収縮されたメンブレンの長さを、最も強い方向に初期前駆体メンブレン長さの約74%に、そして最も強い方向に対して直交する方向に初期前駆体メンブレン長さの約70%に手で伸長した。フィブリルは図4cに示すとおり、伸長後に蛇行状形状を有することを観察した。図4cは10,000×拡大で取ったメンブレンの表面のSEMである。
【0051】
例4
前駆体メンブレン
非晶的にロックされていない、下記の特性を有する二軸延伸PTFEメンブレンを得た:厚さ=0.0023mm、密度=0.958g/cc、最も強い方向でのマトリックス引張り強さ=433MPa、最も強い方向に直交する方向でのマトリックス引張り強さ=340MPa、最も強い方向での最大荷重での伸び率=39%、及び、最も強い方向に直交する方向での最大荷重での伸び率=73%。手で張力を課したときに、張力の解放時にメンブレンは検知可能に収縮しなかった。
【0052】
拘束された複合材
Changらの米国特許第7,049,380号明細書中に記載のとおりのテトラフルオロエチレン(TFE)及びペルフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)を含むコポリマーをPMVE/TFE比2:1で得た。このコポリマーをフッ素化溶媒(Fluorinert Electronic Liquid FC-72, 3M Inc., St. Paul, MN)中に3部のコポリマー/97部の溶媒の質量比で溶解した。ライン速度約1.8m/分及び溶液コーティング速度約96g/分で操作している連続スロットダイコーティングプロセスを用いて、ロールからフィードされたePTFE前駆体メンブレン中にこの溶液を浸透させた。浸透されたePTFEメンブレンを加熱された一軸テンターフレームのクランプに拘束した。浸透されたメンブレンをテンターフレームにフィードし、ここで、長さ方向はメンブレンの最も強い方向に直交している方向に対応している。前駆体メンブレンをテンターフレームの2.4m長さの加熱チャンバーにフィードした。テンターフレームのレールは加熱チャンバー内で実質的に平行であり、メンブレンが加熱されそしてフッ素化溶媒が除去されるときに、浸透されたメンブレンの収縮が最小限となった。加熱チャンバー内での滞留時間を約45秒間とするようにライン速度を設定し、材料は約180℃の最高温度に達した。
【0053】
この浸透プロセスはコポリマーをメンブレンの孔に侵入させ、また、メンブレンの表面上にコポリマーのコーティングを形成して、それにより、拘束された複合材を形成することができた。拘束された複合材は以下の特性を有した:厚さ=0.0152mm、最も強い方向での最大引張り応力=34.4MPa、最も強い方向に直交する方向での最大引張り応力=68.9MPa、最も強い方向での最大荷重での伸び率=119%、及び、最も強い方向に直交する方向での最大荷重での伸び率=39%。
【0054】
拘束されたサンプルのコポリマー成分を除去して、ePTFE構造のSEM画像形成を可能とした。除去プロセスは下記のとおりに行った。各複合材の45mm円形サンプルを35mm直径のプラスチックフープを用いて拘束した。サンプルを95gのFluorinert Electronic Liquid FC-72 (3M Inc., St. Paul, MN)中に沈め、攪拌を行わずに浸漬した。約1時間後に、フッ素化溶媒を注ぎ出し、95gの新鮮溶媒で置き換えた。このプロセスを合計で5回の浸漬サイクルで繰り返し、最初の4回のサイクルは約1時間で、5回目のサイクルは約24時間であった。コポリマーを除去した拘束された複合材を図5aに示す(10,000×拡大で取ったメンブレンの表面のSEM)。
【0055】
収縮された複合材
収縮された複合材は拘束された複合材を形成するために使用した方法と同じ方法により製造したが、テンターフレームのレールは互いに平行に配向されていなかった。レールは、加熱チャンバーに入る100mm幅の浸透されたePTFEメンブレンを収容する位置にあり、チャンバーを56mm幅で出てくるように熱の適用により加熱された複合材が収縮することが可能となっていた。
【0056】
収縮された複合材は以下の特性を有した:厚さ=0.0165mm、最も強い方向での最大応力=26.3MPa、最も強い方向に直交する方向での最大応力=53.9MPa、最も強い方向での最大荷重での伸び率=170%、及び、最も強い方向に直交する方向での最大荷重での伸び率=55%。上記のようにコポリマーを除去した、収縮された複合材を図5bに示す(10,000×拡大で取ったメンブレンの表面のSEM)。
【0057】
伸長された収縮メンブレン
コポリマーを除去した、収縮された複合材の一部分を最も強い方向に直交する方向に初期前駆体メンブレンの約76%に手で延伸した。フィブリルは図5cに示されるような蛇行状形状を有することが記録された。図5cは10,000×拡大で取った、コポリマーを除去した、収縮された複合材の表面のSEMである。
【0058】
図5d及び5eはそれぞれ例4のコポリマー含有の拘束された複合材及びコポリマー含有の収縮された複合材の各々のサンプルに対応する引張り応力vs歪み曲線である。引張り試験は上記委の試験方法によって行った。拘束された複合材サンプルについての曲線は比較的に一定の弾性率(すなわち、引張り応力vs歪み曲線の傾き)を引張り試験全体にわたって示した。収縮された複合材サンプルの曲線は、他方、ずっと低い比較的に一定の弾性率を約80%までの歪みについて示した。収縮された複合材曲線は、また、約80%歪みを超えて破損(すなわち、約180%歪み)まで、ずっと高く、比較的に一定な弾性率を示した。
【0059】
それゆえ、収縮された複合材は、曲線の傾きが実質的に増加する歪み量に達するまで、拘束された複合材よりもずっと低い引張り応力で伸長されることができる。さらに、拘束された複合材及び収縮された複合材についての破損に対応する歪みはそれぞれ約120%及び約180%であった。
【0060】
図5f及び5gは例4のコポリマー含有の拘束された複合材及びコポリマー含有の収縮された複合材の各々のサンプルに対応する引張り応力vs歪み曲線である。%非回復性歪みエネルギー密度試験を上記の試験法により行った。
【0061】
拘束された複合材の非回復性歪みエネルギー密度は大きく、図5f中の伸長曲線及び戻り曲線を境界とする領域により描かれる。比較として、収縮された複合材の非回復性歪みエネルギー密度試験はずっと小さく、図5g中の伸長曲線及び戻り曲線を境界とする領域により描かれるとおりである。拘束された複合材の%非回復性歪みエネルギー密度は94.0%であり、収縮された複合材の%非回復性歪みエネルギー密度は約67.9%であった。
【0062】
例5
前駆体メンブレン
下記の特性を有する、非晶的にロックされた二軸延伸ePTFEメンブレンを得た:厚さ=0.00254mm、密度=0.419g/cc、ガーレー=4.3秒、最も強い方向でのマトリックス引張り強さ=327MPa、最も強い方向に直交する方向でのマトリックス引張り強さ=285MPa、最も強い方向での最大荷重での伸び率=42%、及び、最も強い方向に直交する方向での最大荷重での伸び率=21%。10,000×拡大で取ったメンブレンの表面のSEMである図6aに示されるとおり、メンブレンのフィブリルは実質的にまっすぐであった。
【0063】
収縮されたメンブレン
前駆体メンブレンを例1に記載したのと同様にして二軸収縮させた。得られた収縮されたメンブレンは最も強い方向で前駆体メンブレンの初期長さの約51%、最も強い方向に対して直交する方向で前駆体メンブレンの初期長さの約37%であった。収縮されたメンブレンは下記の特性を有した:厚さ=0.00508mm、密度=1.07g/cc、ガーレー=33.4秒、最も強い方向でのマトリックス引張り強さ=169MPa、最も強い方向に直交する方向でのマトリックス引張り強さ=105MPa、最も強い方向での最大荷重での伸び率=144%、及び、最も強い方向に直交する方向での最大荷重での伸び率=193%。10,000×拡大で取ったメンブレンの表面のSEMである図6bに示されるとおり、メンブレンのフィブリルは蛇行状形状となった。
【0064】
伸長された収縮メンブレン
収縮されたメンブレンの100mm×100mm部分を二軸延伸することができるテンターフレームにおいて周囲温度にて実質的に伸長した。伸長度は最も強い方向に初期長さの約93%に、そして最も強い方向に対して直交する方向に初期長さの約68%にメンブレンを戻すように選択した。メンブレンを両方の方向に同時に伸長させた。収縮されたメンブレンの伸長部分の寸法は約224mm×約224mmであった。伸長されたメンブレンは以下の特性を有した:厚さ=0.00508mm、密度=0.445g/cc、ガーレー=7.33秒。メンブレンのフィブリルは図6cに示すとおり、蛇行状形状を有した。図6cは10,000×拡大で取ったメンブレンの表面のSEMである。
【0065】
伸長された収縮メンブレンのサンプルに引張り試験も行った。以下の結果を得た:最も強い方向でのマトリックス引張り強さ=292MPa、最も強い方向に直交する方向でのマトリックス引張り強さ=221MPa、最も強い方向での最大荷重での伸び率=98%、及び、最も強い方向に直交する方向での最大荷重での伸び率=91%。
【0066】
図6d及び6eはそれぞれ、例5の拘束されたメンブレン及び収縮されたメンブレンのサンプルに対応する応力vs歪み曲線である。引張り試験を上記の試験方法に従って行った。前駆体メンブレンの曲線は比較的に高くそして一定の弾性率(すなわち、応力vs歪み曲線の傾き)を約25%の歪みまで示した。対照的に、収縮されたメンブレンサンプルの曲線は約80%までの歪みでは低く、比較的に一定の弾性率を示し、その後、増加し、そして約200%までの歪みでは比較的に一定の弾性率を示した。
【0067】
例1〜5で収集しそして得られたデータの要約を表1に示す。
【0068】
本出願の発明は、総括的に、また、特定の実施形態に関して記載されてきた。本発明は、下記に示した特許請求の範囲の事柄以外は別の方法で限定されない。
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[40]に記載する。
[1]
セルペンチンフィブリルを含む延伸フルオロポリマーメンブレンを含む物品。
[2]
前記物品は少なくとも1つの方向に少なくとも約50%の伸び率及び少なくとも約50MPaのマトリックス引張り強さを有する、項目[1]記載の物品。
[3]
前記物品は少なくとも1つの方向に少なくとも約100%の伸び率及び少なくとも約50MPaのマトリックス引張り強さを有する、項目[1]記載の物品。
[4]
前記物品は少なくとも1つの方向に少なくとも約200%の伸び率及び少なくとも約50MPaのマトリックス引張り強さを有する、項目[1]記載の物品。
[5]
前記物品は少なくとも1つの方向に少なくとも約600%の伸び率及び少なくとも約50MPaのマトリックス引張り強さを有する、項目[1]記載の物品。
[6]
前記物品は少なくとも1つの方向に少なくとも約100%の伸び率及び少なくとも約100MPaのマトリックス引張り強さを有する、項目[1]記載の物品。
[7]
前記物品は少なくとも1つの方向に少なくとも約200%の伸び率及び少なくとも約100MPaのマトリックス引張り強さを有する、項目[1]記載の物品。
[8]
前記フルオロポリマーはポリテトラフルオロエチレンを含む、項目[1]記載の物品。
[9]
前記延伸フルオロポリマーメンブレンは実質的にフィブリルのみのミクロ構造を含む、項目[1]記載の物品。
[10]
前記フルオロポリマーメンブレンは少なくとも80%まで伸長されたときに、弾性率の増加を示す、項目[1]記載の物品。
[11]
a.乾燥した押出成形されたフルオロポリマーテープを少なくとも1つの方向に延伸し、初期延伸フルオロポリマーメンブレンを形成すること、及び、
b.前記初期延伸フルオロポリマーメンブレンを加熱し、延伸フルオロポリマーメンブレンを少なくとも1つの延伸方向で熱収縮させること、
を含む方法により製造される、セルペンチンフィブリルを含むミクロ構造を有する延伸フルオロポリマーメンブレンを含む物品。
[12]
前記初期延伸フルオロポリマーメンブレンは実質的にフィブリルのみのミクロ構造を有する、項目[11]記載の物品。
[13]
前記延伸フルオロポリマーメンブレンは初期延伸フルオロポリマーメンブレン長さの約90%未満に少なくとも1つの方向で熱収縮されている、項目[11]記載の物品。
[14]
前記延伸フルオロポリマーメンブレンは初期延伸フルオロポリマーメンブレン長さの約75%未満に少なくとも1つの方向で熱収縮されている、項目[11]記載の物品。
[15]
前記延伸フルオロポリマーメンブレンは初期延伸フルオロポリマーメンブレン長さの約50%未満に少なくとも1つの方向で熱収縮されている、項目[11]記載の物品。
[16]
前記延伸フルオロポリマーメンブレンは初期延伸フルオロポリマーメンブレン長さの約25%未満に少なくとも1つの方向で熱収縮されている、項目[11]記載の物品。
[17]
前記延伸フルオロポリマーメンブレンは前記熱収縮の間の少なくとも1つの方向で拘束されている、項目[11]記載の物品。
[18]
前記フルオロポリマーメンブレンを収縮させる前に前記フルオロポリマーメンブレン中に少なくとも1種の材料を浸透させることをさらに含む、項目[11]記載の物品。
[19]
前記少なくとも1種の材料はフルオロポリマー、エラストマー及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる、項目[18]記載の物品。
[20]
セルペンチンフィブリルを含む延伸フルオロポリマーメンブレン及び少なくとも1種の追加の材料を含む物品。
[21]
前記追加の材料はフルオロポリマー、エラストマー及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる、項目[20]記載の物品。
[22]
前記フルオロポリマーはフッ素化エチレンプロピレンである、項目[21]記載の物品。
[23]
セルペンチンフィブリルを含む延伸フルオロポリマーメンブレン及び該延伸フルオロポリマーメンブレン中に少なくとも部分的に取り込まれた少なくとも1種の追加の材料を含む、物品。
[24]
前記少なくとも1種の追加の材料はフルオロポリマーを含む、項目[23]記載の物品。
[25]
前記少なくとも1種の追加の材料はエラストマーを含む、項目[23]記載の物品。
[26]
前記延伸フルオロポリマーメンブレンは実質的にフィブリルのみのミクロ構造を有する、項目[23]記載の物品。
[27]
前記延伸フルオロポリマーメンブレンは少なくとも1つの方向で熱収縮されている、項目[23]記載の物品。
[28]
前記延伸フルオロポリマーメンブレンは前記熱収縮の間に少なくとも1つの方向で拘束されている、項目[27]記載の物品。
[29]
前記フルオロポリマーメンブレンは少なくとも約80%まで伸長されたときに弾性率の増加を示す、項目[23]記載の物品。
[30]
延伸フルオロポリマーメンブレン及びエラストマーを含む物品であって、前記メンブレンはセルペンチンフィブリルを有し、約85%未満の%非回復性歪みエネルギー密度を有する、物品。
[31]
前記延伸フルオロポリマーメンブレンは約70%未満の%非回復性歪みエネルギー密度を有する、項目[30]記載の物品。
[32]
前記延伸フルオロポリマーメンブレンは約60%未満の%非回復性歪みエネルギー密度を有する、項目[30]記載の物品。
[33]
a.乾燥した押出成形されたフルオロポリマーテープを少なくとも1つの方向に延伸し、初期延伸フルオロポリマーメンブレンを形成すること、及び、
b.前記初期延伸フルオロポリマーメンブレンに溶媒を添加し、延伸フルオロポリマーメンブレンを少なくとも1つの延伸方向で熱収縮させること、
を含む方法により製造される、セルペンチンフィブリルを含むミクロ構造を有する延伸フルオロポリマーメンブレンを含む、物品。
[34]
前記延伸フルオロポリマーメンブレンを収縮させる前に前記延伸フルオロポリマーメンブレン中に少なくとも1種の材料を浸透させる、項目[33]記載の物品。
[35]
前記少なくとも1種の材料はフルオロポリマー、エラストマー及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる、項目[34]記載の物品。
[36]
前記延伸フルオロポリマーメンブレンが収縮されるときに、前記延伸フルオロポリマーメンブレン中に少なくとも1種の材料を浸透させる、項目[33]記載の物品。
[37]
前記延伸フルオロポリマーメンブレンを収縮させた後に、前記延伸フルオロポリマーメンブレン中に少なくとも1種の材料を浸透させる、項目[33]記載の物品。
[38]
前記延伸フルオロポリマーメンブレンを収縮させる前に、前記延伸フルオロポリマーメンブレン中に少なくとも1種の材料を浸透させる、項目[18]記載の物品。
[39]
前記延伸フルオロポリマーメンブレンが収縮されるときに、前記延伸フルオロポリマーメンブレン中に少なくとも1種の材料を浸透させる、項目[18]記載の物品。
[40]
前記延伸フルオロポリマーメンブレンを収縮させた後に、前記延伸フルオロポリマーメンブレン中に少なくとも1種の材料を浸透させる、項目[18]記載の物品。
【0069】
【表1】
【表2】
図1
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図6c
図5d
図5e
図5f
図5g
図6d
図6e
図7a
図7b
図7c