特許第6062968号(P6062968)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6062968
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】樹脂粒子及びその用途
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/02 20060101AFI20170106BHJP
   C08K 5/00 20060101ALI20170106BHJP
   C08F 2/44 20060101ALI20170106BHJP
   C08F 265/06 20060101ALI20170106BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20170106BHJP
   G02B 5/22 20060101ALI20170106BHJP
   C09D 7/12 20060101ALI20170106BHJP
   C09D 201/00 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   G02B5/02 B
   C08K5/00
   C08F2/44 B
   C08F265/06
   C08L101/00
   G02B5/22
   C09D7/12
   C09D201/00
【請求項の数】8
【全頁数】35
(21)【出願番号】特願2014-559488(P2014-559488)
(86)(22)【出願日】2013年9月27日
(86)【国際出願番号】JP2013076379
(87)【国際公開番号】WO2014119042
(87)【国際公開日】20140807
【審査請求日】2015年4月6日
(31)【優先権主張番号】特願2013-19811(P2013-19811)
(32)【優先日】2013年2月4日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002440
【氏名又は名称】積水化成品工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】特許業務法人あーく特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 真章
(72)【発明者】
【氏名】弘井 純子
【審査官】 清水 裕勝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−153215(JP,A)
【文献】 特開2001−26606(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/002406(WO,A1)
【文献】 特開2008−081743(JP,A)
【文献】 特開2008−096622(JP,A)
【文献】 特開2004−256812(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0120515(US,A1)
【文献】 米国特許第05887965(US,A)
【文献】 特開2008−250129(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 1/10−1/18
G02B 5/00−5/08
G02B 5/10−5/136
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイの表面上に配置される防眩フィルム用の樹脂粒子であって、
色素を含み、
上記色素が、紫外可視吸収スペクトルの最大吸収波長を380〜500nmの範囲内に有し、
上記樹脂粒子のb*値が30〜80の範囲内であることを特徴とする樹脂粒子。
【請求項2】
照明デバイスを覆う照明カバー用の樹脂粒子であって、
色素を含み、
上記色素が、紫外可視吸収スペクトルの最大吸収波長を380〜500nmの範囲内に有し、
上記樹脂粒子のb*値が30〜80の範囲内であることを特徴とする樹脂粒子。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の樹脂粒子であって、
単官能(メタ)アクリル系単量体及び/又は単官能スチレン系単量体に由来する構成単位と、多官能ビニル系単量体に由来する構成単位とを含む重合体を含み、
上記色素が、有機溶剤に溶解可能な色素を含むことを特徴とする樹脂粒子。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の樹脂粒子であって、
上記色素の量が、上記樹脂粒子中に含まれる重合体100重量部に対して0.005〜2重量部の範囲内であることを特徴とする樹脂粒子。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか1項に記載の樹脂粒子であって、
粒子径の変動係数が20%以下であることを特徴とする樹脂粒子。
【請求項6】
請求項1に記載の樹脂粒子を含むことを特徴とする塗料組成物。
【請求項7】
請求項6に記載の塗料組成物を透明フィルム基材上に塗工してなるフィルムであって、
ディスプレイの表面上に配置される防眩フィルムであることを特徴とするフィルム。
【請求項8】
請求項2に記載の樹脂粒子と、透明樹脂とを含む樹脂組成物を成形してなる樹脂成形体であって、
照明デバイスを覆う照明カバーであることを特徴とする樹脂成形体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、色素を含む樹脂粒子及びその用途(塗料組成物、フィルム、及び樹脂成形体)に関するものである。より詳細には、本発明は、紫外可視吸収スペクトルの最大吸収波長を特定の範囲内に有する色素を含むことで、ブルーライト(380nm〜500nmの波長の光)を効率良くカットでき、その結果としてLED(発光ダイオード)等の光源から強く発せられるブルーライトが目に到達するのを防止して目の保護を行うことができる樹脂粒子及びそれを用いた製品(塗料組成物、フィルム、及び樹脂成形体)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LEDを光源として用いたディスプレイや、LED照明デバイス等のような或る種の発光デバイスは、ブルーライトを強く発している。このブルーライトは、人間の目に悪影響を与えると言われている。そのため、ブルーライトを効率良くカットできるような色素を含む樹脂粒子並びにそれを用いた塗料組成物、フィルム、及び樹脂成形体を提供できれば、目の保護に有用であると考えられる。
【0003】
従来より、色素を含む樹脂粒子が知られている。例えば、特許文献1には、コア粒子に、架橋重合体としてのシェル層が形成されているコアーシェル構造を有するアクリル系の着色ポリマー球状粒子であって、油溶性の染料で着色されているものが記載されている。また、特許文献2には、ポリメチルメタアクリレートを主体とする重合体マトリックスと、クマリンまたはペリレン系列の非極性蛍光染料を実質的に含む蛍光顔料が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−68381号公報
【特許文献2】特開平8−48899号公報
【特許文献3】特開昭63−270538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これら特許文献1及び2の粒子は、着色を目的としたものである。すなわち、特許文献1の着色ポリマー球状粒子は、インク、カラー着色料、静電着色トナー等の着色材料として用いられるものであり、特許文献2の蛍光顔料は、印刷製品等を製造するための着色材料として用いられるものである。
【0006】
これら特許文献1及び2の樹脂粒子は、このように着色を目的としたものであるために、色素の添加量が多く、着色が強い。そのため、特許文献1及び2の樹脂粒子は、ディスプレイ表面に配置されたフィルム、照明カバー等に添加した場合にディスプレイ、照明等の色が大きく変わってしまうという問題があった。さらに、特許文献1及び2の樹脂粒子は、色素の添加量が多く、着色が強いため、ディスプレイ表面に配置されたフィルム、照明カバー等に添加した場合にディスプレイ、照明等の色再現性が悪くなるという問題があった。
【0007】
また、特許文献3には、油溶性染料の含量が0.5〜20重量%の油溶性染料含有ポリマー粒子が記載されている。
【0008】
しかしながら、特許文献3には、上記油溶性染料含有ポリマー粒子として、含クロム染料「BONTRON(登録商標)」(オリヱント化学工業株式会社製)で黒く着色されたトナー(実施例1)、日本化薬株式会社製の「Kayaset Red SF−4G」で赤く着色されたポリマー粒子(実施例2)等しか記載されておらず、ブルーライトの波長領域に最大吸収波長を有する色素を含むポリマー粒子が記載されていない。そのため、特許文献3には、ブルーライトを効率的にカットできるポリマー粒子が開示されていない。
【0009】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、発光デバイス(ディスプレイ、照明デバイス等)の上に配置される光学部材(照明カバー、ディスプレイ表面に配置されるフィルム等)に使用した場合における、大きな色の変化及び色再現性の悪化を抑制しながら、ブルーライトを効率良くカットできる樹脂粒子及びそれを用いた製品(塗料組成物、フィルム、及び樹脂成形体)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の樹脂粒子は、色素を含む樹脂粒子であって、上記色素が、紫外可視吸収スペクトルの最大吸収波長を380〜500nmの範囲内に有し、上記樹脂粒子のb*値が10〜80の範囲内であることを特徴としている。
【0011】
上記樹脂粒子は、上記色素が紫外可視吸収スペクトルの最大吸収波長を380〜500nmの範囲内に有し、また、b*値が10以上であるので、ブルーライトを効率良くカットすることができる。したがって、上記樹脂粒子をLED等の光源と人間等の目との間に配置することで、上記光源から目に到達するブルーライトの量を低減して、目を保護することができる。また、上記樹脂粒子は、b*値が80以下であるので、十分な透明性を保持でき、発光デバイス(ディスプレイ、照明デバイス等)の上に配置される光学部材(照明カバー、ディスプレイ表面に配置されるフィルム等)に使用した場合に、大きな色の変化及び色再現性の悪化を抑制できる。
【0012】
本発明の樹脂粒子は、照明デバイスを覆う照明カバー又はディスプレイ表面に配置される防眩フィルム用の樹脂粒子である。
【0013】
本発明の塗料組成物は、本発明の樹脂粒子を含むことを特徴としている。
【0014】
上記構成によれば、防眩性又は光拡散性を有すると共にブルーライトを効率良くカットできる塗膜を形成可能な塗料組成物を実現できる。また、上記構成によれば、十分な透明性を保持でき、発光デバイス(ディスプレイ等)の上に配置される光学部材(ディスプレイ表面に配置されるフィルム等)に使用した場合に、大きな色の変化及び色再現性の悪化を抑制できる。また、上記塗料組成物は、樹脂粒子中に色素を含んでいるので、樹脂粒子と色素とを別々に含む塗料組成物と比較して、色素の劣化を防止できる。
【0015】
本発明のフィルムは、本発明の塗料組成物を透明フィルム基材上に塗工してなることを特徴としている。
【0016】
上記構成によれば、防眩性を有すると共にブルーライトを効率良くカットできるフィルム、例えば防眩フィルムを実現できる。また、上記構成によれば、十分な透明性を保持でき、発光デバイス(ディスプレイ等)の上に配置された場合に、大きな色の変化及び色再現性の悪化を抑制できる。また、上記構成のフィルムは、樹脂粒子中に色素を含んでいるので、樹脂粒子と色素とを別々に含むフィルムと比較して、色素の劣化を防止できる。また、上記構成のフィルムにおいて、樹脂粒子以外の部分にも色素を含有させた場合、樹脂粒子の部分と樹脂粒子以外の部分との両方に色素が入っていることで、色素を含有させたブルーライトをカットする特性が均一なフィルムを実現できる。
【0017】
本発明の樹脂成形体は、本発明の樹脂粒子と、透明樹脂とを含む樹脂組成物を成形してなることを特徴としている。
【0018】
上記構成によれば、光拡散性を有すると共にブルーライトを効率良くカットできる樹脂成形体、例えばLED照明カバーを実現できる。また、上記構成によれば、十分な透明性を保持でき、発光デバイス(照明デバイス等)の上に配置された場合に、大きな色の変化及び色再現性の悪化を抑制できる。また、上記樹脂成形体は、樹脂粒子中に色素を含んでいるので、樹脂粒子と色素とを別々に含む樹脂成形体と比較して、色素の劣化を防止できる。また、上記構成の樹脂成形体において、透明樹脂にも色素を含有させた場合、樹脂粒子の部分と樹脂粒子以外の部分との両方に色素が入っていることで、色素を含有させたブルーライトをカットする特性が均一な樹脂成形体を実現できる。
【0019】
また、一般に、樹脂粒子と少量の色素と透明樹脂とを混練するだけでは、色素が十分に分散しない。そのため、樹脂粒子と少量の色素と透明樹脂とを別々に含む樹脂成形体は、例えば、透明樹脂と色素とを混練及び溶融してコンパウンドを作成した後、コンパウンドに樹脂粒子を添加して混練及び溶融する方法で製造する必要があり、多くの製造工程を必要とする。これに対し、本発明の樹脂粒子と透明樹脂等とを混合して成形する場合、色素が樹脂粒子中に含まれているため、色素の分散や成形が容易である。したがって、上記構成の樹脂成形体は、より少ない製造工程で容易に製造できる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明によれば、発光デバイス(ディスプレイ、照明デバイス等)の上に配置される光学部材(照明カバー、ディスプレイ表面に配置されるフィルム等)に使用した場合における、大きな色の変化及び色再現性の悪化を抑制しながら、ブルーライトを効率良くカットできる樹脂粒子及びそれを用いた製品(塗料組成物、フィルム、及び樹脂成形体)を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】紫外可視吸収スペクトルの最大吸収波長を380〜500nmの範囲内に有する色素の一例である「VALIFAST(登録商標) YELLOW 3108」の紫外可視吸収スペクトルを示す図である。
図2】紫外可視吸収スペクトルの最大吸収波長を380〜500nmの範囲内に有する色素の他の一例である「VALIFAST(登録商標) YELLOW 3170」の紫外可視吸収スペクトルを示す図である。
図3】紫外可視吸収スペクトルの最大吸収波長を380〜500nmの範囲内に有する色素の他の一例である「VALIFAST(登録商標) YELLOW 4120」の紫外可視吸収スペクトルを示す図である。
図4】紫外可視吸収スペクトルの最大吸収波長を380〜500nmの範囲内に有する色素の他の一例である「VALIFAST(登録商標) YELLOW 1101」の紫外可視吸収スペクトルを示す図である。
図5】紫外可視吸収スペクトルの最大吸収波長を380〜500nmの範囲内に有する色素の他の一例である「VALIFAST(登録商標) ORANGE 3210」の紫外可視吸収スペクトルを示す図である。
図6】紫外可視吸収スペクトルの最大吸収波長が380〜500nmの範囲外である色素の一例である「NUBIAN(登録商標) BLACK PA−2802」の紫外可視吸収スペクトルを示す図である。
図7】紫外可視吸収スペクトルの最大吸収波長を380〜500nmの範囲内に有する色素の他の一例である「DAA51」の紫外可視吸収スペクトルを示す図である。
図8】実施例2で得られた樹脂粒子の分光反射特性を示す図である。
図9】実施例3で得られた樹脂粒子の分光反射特性を示す図である。
図10】実施例4で得られた樹脂粒子の分光反射特性を示す図である。
図11】比較例1で得られた樹脂粒子の分光反射特性を示す図である。
図12】実施例14で得られたフィルムの分光透過特性を示す図である。
図13】実施例15で得られたフィルムの分光透過特性を示す図である。
図14】比較例3で得られたフィルムの分光透過特性を示す図である。
図15】実施例16で得られた樹脂成形体の分光透過特性を示す図である。
図16】実施例17で得られた樹脂成形体の分光透過特性を示す図である。
図17】実施例18で得られた樹脂成形体の分光透過特性を示す図である。
図18】紫外可視吸収スペクトルの最大吸収波長を380〜500nmの範囲内に有する色素の他の一例である「YELLOW93」の紫外可視吸収スペクトルを示す図である。
図19】紫外可視吸収スペクトルの最大吸収波長を380〜500nmの範囲内に有する色素の他の一例である「YELLOW186」の紫外可視吸収スペクトルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明について、以下に詳細に説明する。
【0023】
〔樹脂粒子〕
本発明の樹脂粒子は、ディスプレイの表面上に配置される防眩フィルム用の樹脂粒子、又は照明デバイスを覆う照明カバー用の樹脂粒子であって、色素を含み、上記色素が、紫外可視吸収スペクトル(波長300〜800nmの紫外可視吸収スペクトル)の最大吸収波長を380〜500nmの範囲内に有し、上記樹脂粒子のb*値が10〜80の範囲内である。
【0024】
〔樹脂粒子のb*値〕
上記樹脂粒子のb*値は、10〜80の範囲内である。上記樹脂粒子のb*値は、15〜80の範囲であることが好ましい。上記樹脂粒子のb*値が上記範囲より小さいと、上記樹脂粒子のブルーライトの吸収が弱くなり、上記樹脂粒子によるブルーライトのカット効率が悪くなる。上記樹脂粒子のb*値が上記範囲より大きいと、上記樹脂粒子の黄色への着色が強くなりすぎる。その結果、発光デバイス(ディスプレイ、照明デバイス等)の上に配置される光学部材(照明カバー、ディスプレイ表面に配置されるフィルム等)に上記樹脂粒子を使用した場合に、発光デバイスの色が大きく変わってしまう。
【0025】
〔樹脂粒子の体積平均粒子径〕
上記樹脂粒子の体積平均粒子径は、0.5〜20μmの範囲内であることが好ましい。上記樹脂粒子の体積平均粒子径が0.5μmより小さい場合には、樹脂粒子を塗料組成物、フィルム、樹脂成形体等の製品に使用したときに、その製品の光透過性が向上してしまい、その製品の光拡散効果が低下してしまう恐れがある。また、樹脂粒子の体積平均粒子径が20μmより大きい場合には、樹脂粒子が大きすぎるため、樹脂粒子を塗料組成物、フィルム、樹脂成形体等の製品に使用したときに、その製品の表面が粗くなる恐れがある。その結果、樹脂粒子を用いた製品を液晶ディスプレイ等のディスプレイに使用した場合に、液晶等の表示画素の表示品質の低下を招く恐れがある。なお、本出願書類において、樹脂粒子の体積平均粒子径は、コールター法、例えば実施例の項に記載の方法によって測定された体積基準の粒度分布の算術平均を指すものとする。
【0026】
〔樹脂粒子の粒子径の変動係数〕
上記樹脂粒子の粒子径の変動係数(CV)は、50%以下であることが好ましく、40%以下であることがより好ましく、35%以下であることがさらに好ましく、20%以下であることが特に好ましい。上記樹脂粒子の粒子径の変動係数が上記範囲よりも大きいと、樹脂粒子に含まれる粗大粒子の量が多くなり、樹脂粒子及び樹脂粒子を用いた製品(塗料組成物、フィルム、樹脂成形体等)の光学特性に悪影響を及ぼす可能性がある。また、上記樹脂粒子の粒子径の変動係数(CV)は、2%以上であることが好ましく、5%以上であることがより好ましい。上記樹脂粒子の粒子径の変動係数が上記範囲よりも小さいと、コスト的に不経済であるため、好ましくない。これらのことから、上記樹脂粒子の粒子径の変動係数(CV)は、2〜50%の範囲内であることが好ましく、5〜40%の範囲内であることがより好ましく、5〜35%の範囲内であることがさらに好ましく、5〜20%の範囲内であることが特に好ましい。なお、本出願書類において、樹脂粒子の粒子径の変動係数は、コールター法、例えば実施例の項に記載の方法により測定された体積基準の粒度分布の標準偏差を、体積平均粒子径で除した値の百分率を指すものとする。
【0027】
〔色素の種類〕
ブルーライトは380〜500nmの波長の光であるため、本発明では、ブルーライトをカットするために、紫外可視吸収スペクトルの最大吸収波長を380〜500nmの範囲内に有する色素(以下、適宜「特定の特性を持つ色素」と呼ぶ)を用いる。本発明で使用される紫外可視吸収スペクトルの最大吸収波長を380〜500nmの範囲内に有する色素は、特に限定することなく適宜選んで用いられる。そのような色素の中でも、有機溶剤に溶解可能な色素が好ましい。好ましい有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤等が挙げられる。より好ましい有機溶剤としては、トルエン等の芳香族炭化水素系溶剤、メチルイソブチルケトン、及びメチルエチルケトンが挙げられる。有機溶剤に溶解可能な色素としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー16、C.I.ソルベントイエロー33、C.I.ソルベントイエロー79、C.I.ソルベントイエロー82(例えば、オリヱント化学工業株式会社製の「VALIFAST(登録商標) YELLOW 4120」)、C.I.ソルベントイエロー93(例えば、中央合成化学株式会社製の「YELLOW 93」)、「YELLOW 186」(商品名)(中央合成化学株式会社製)、C.I.ソルベントオレンジ80、C.I.ソルベントオレンジ45(例えば、オリヱント化学工業株式会社製の「VALIFAST(登録商標) YELLOW 3108」)、C.I.ソルベントオレンジ62、C.I.ソルベントオレンジ54(例えば、オリヱント化学工業株式会社製の「VALIFAST(登録商標) ORANGE 3210」)、C.I.ソルベントイエロー151(例えば、オリヱント化学工業株式会社製の「VALIFAST(登録商標) YELLOW 3170」)、C.I.アシッドイエロー42(例えば、オリヱント化学工業株式会社製の「VALIFAST(登録商標) YELLOW 1101」)、「DAA51」(商品名)(山田化学工業株式会社製)、C.I.ピグメントイエロー74(例えば、山陽色素株式会社製の「Fast Yellow 7416」)等が挙げられる。これら色素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0028】
色素の紫外可視吸収スペクトルの例として、「VALIFAST(登録商標) YELLOW 3108」、「VALIFAST(登録商標) YELLOW 3170」、「VALIFAST(登録商標) YELLOW 4120」、「VALIFAST(登録商標) YELLOW 1101」、「VALIFAST(登録商標) ORANGE 3210」、「NUBIAN(登録商標) BLACK PA−2802」(オリヱント化学工業株式会社製)、「DAA51」(山田化学工業株式会社製)、「YELLOW 93」(中央合成化学株式会社製)、及び、「YELLOW 186」(中央合成化学株式会社製)、の紫外可視吸収スペクトルを図1図2図3図4図5図6図7図18、及び図19にそれぞれ示す。図1図5図7図18及び図19より、「VALIFAST(登録商標) YELLOW 3170」、「VALIFAST(登録商標) YELLOW 4120」、「VALIFAST(登録商標) YELLOW 1101」、「VALIFAST(登録商標) ORANGE 3210」、「DAA51」、「YELLOW 93」及び「YELLOW 186」は、紫外可視吸収スペクトルの最大吸収波長がそれぞれ約450nm、約450nm、約440nm、約420nm、約410nm、約440nm、約405nm、約410nmであり、上記特定の特性を持つ色素として使用できることが分かる。一方、図6より、「NUBIAN(登録商標) BLACK PA−2802」は、紫外可視吸収スペクトルの最大吸収波長が300nmであり、上記特定の特性を持つ色素として使用できないことが分かる。
【0029】
上記特定の特性を持つ色素は、図6と同様に紫外可視吸収スペクトルの吸収ピークが広い波長範囲にわたって分散していることは好ましくなく、図1図5図7図18、及び図19のように紫外可視吸収スペクトルの吸収ピーク(吸収極大)が380〜500nmの波長範囲付近に集中していることが好ましい。具体的には、上記特定の特性を持つ色素は、500nmを超え800nmの波長領域内に吸収ピークを持たないことが好ましい。また、上記特定の特性を持つ色素の吸光度は、550〜800nmの波長領域の全域にわたって0.3以下であることが好ましく、550〜800nmの波長領域の全域にわたって0.2以下であることがより好ましい。これらにより、樹脂粒子によるブルーライト以外の可視光の吸収が抑制されるので、透明性(全光線透過性)が良好な樹脂粒子及びそれを用いた製品(塗料組成物、フィルム、樹脂成形体等)を実現できる。
【0030】
また、樹脂粒子の色を調整するために、上記特定の特性を持つ色素とは別に、他の色素を樹脂粒子に添加することもできる。上記他の色素としては、例えば、C.I.ソルベントブルー35、C.I.ソルベントレッド132、C.I.ソルベントブラック27、C.I.ソルベントブルー70、「OIL GREEN 502」(オリヱント化学工業株式会社製)等の油溶性染料;「OIL GREEN BG」(オリヱント化学工業株式会社製)、「VALIFAST(登録商標) RED 3306」(オリヱント化学工業株式会社製)等が挙げられる。これら他の色素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0031】
〔色素の添加量〕
上記色素の添加量は、上記樹脂粒子中に含まれる重合体100重量部に対して0.005〜2重量部の範囲内であることが好ましい。これにより、ディスプレイ、照明デバイス等の発光デバイスの上に配置される光学部材に上記樹脂粒子を使用した場合に、光学部材の十分な透明性を保持して発光デバイスの色再現性が悪くなることを回避しながら、上記樹脂粒子によるブルーライトのカット効率を向上させることができる。上記色素の添加量が上記樹脂粒子中に含まれる重合体100重量部に対して0.005重量部未満であると、上記色素による光の吸収が弱く、上記樹脂粒子によるブルーライトのカット効率が悪くなる恐れがある。また、上記色素の添加量が上記樹脂粒子中に含まれる重合体100重量部に対して2重量部を超えると、上記樹脂粒子の黄色への着色が強すぎて、ディスプレイ、照明デバイス等の発光デバイスの上に配置される光学部材に上記樹脂粒子を使用した場合に発光デバイスの色再現性が悪くなる恐れがある。
【0032】
〔重合体〕
上記樹脂粒子を構成する重合体は、例えばビニル系単量体の重合体である。上記ビニル系単量体としては、少なくとも1つのエチレン性不飽和基(広義のビニル基)を有する化合物であれば特に限定されるものではなく、後述する単官能(メタ)アクリル系単量体、後述する単官能スチレン系単量体、後述する多官能ビニル系単量体、及び後述する他の単官能ビニル系単量体を用いることができる。
【0033】
上記樹脂粒子を構成する重合体は、単官能(メタ)アクリル系単量体及び/又は単官能スチレン系単量体に由来する構成単位と、多官能ビニル系単量体(架橋性ビニル系単量体)に由来する構成単位とを含む単量体混合物の重合体(架橋重合体)であることがより好ましい。上記重合体が単官能(メタ)アクリル系単量体及び/又は単官能スチレン系単量体に由来する構成単位を含むことで、より透明性の高い樹脂粒子を実現できる。また、上記重合体が、単官能ビニル系単量体(単官能(メタ)アクリル系単量体及び/又は単官能スチレン系単量体)に由来する構成単位に加えて、多官能ビニル系単量体に由来する構成単位を含む架橋重合体となっていることで、樹脂粒子内に色素を十分に保持することができる。なお、本出願書類中で用いられる「(メタ)アクリル」という用語は、メタクリル又はアクリルを意味する。
【0034】
上記単官能(メタ)アクリル系単量体としては、1つのアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を有する化合物であれば特に限定されるものではなく、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル等が挙げられる。これら単官能(メタ)アクリル系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0035】
上記単官能スチレン系単量体としては、1つのエチレン性不飽和基を有するスチレン類であれば特に限定されるものではなく、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン等が挙げられる。これら単官能スチレン系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0036】
上記単官能(メタ)アクリル系単量体及び/又は単官能スチレン系単量体に由来する構成単位は、上記重合体100重量%に対して50〜95重量%の範囲内であることが好ましい。上記単官能(メタ)アクリル系単量体及び/又は単官能スチレン系単量体に由来する構成単位の量が上記範囲より少ない場合、樹脂粒子の透明性が悪くなる恐れがある。上記単官能(メタ)アクリル系単量体及び/又は単官能スチレン系単量体に由来する構成単位の量が上記範囲より多い場合、上記架橋重合体の架橋度が低くなる。その結果、色素が樹脂粒子内に保持され難くなる恐れがある。また、上記架橋重合体の架橋度が低くなる結果、樹脂粒子を含む塗料組成物を塗工する場合に、樹脂粒子が膨潤して塗料組成物の粘度上昇が起こり塗工の作業性が低下する恐れがある。さらに、上記架橋重合体の架橋度が低くなる結果、樹脂粒子を透明樹脂等と混合して成形する用途(いわゆる練り込み用途)において混合時や成形時に樹脂粒子に熱をかけたときに、樹脂粒子が溶解又は変形しやすくなる。なお、上記重合体100重量%に対する、単量体に由来する構成単位の量は、上記単量体混合物100重量%に対する上記単量体の量に相当する。
【0037】
上記樹脂粒子を構成する重合体に架橋構造を付与するための多官能ビニル系単量体としては、2つ以上のエチレン性不飽和基を有する化合物であれば特に限定されるものではなく、例えば、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸デカエチレングリコール、ジメタクリル酸ペンタデカエチレングリコール、ジメタクリル酸ペンタコンタヘクタエチレングリコール、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、メタクリル酸アリル、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、テトラメタクリル酸ペンタエリスリトール、ジメタクリル酸フタル酸ジエチレングリコール等の多官能(メタ)アクリル系単量体;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物等が挙げられる。これらの多官能ビニル系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0038】
上記多官能ビニル系単量体に由来する構成単位の量は、上記単官能(メタ)アクリル系単量体及び/又は単官能スチレン系単量体に由来する構成単位100重量部に対して1〜100重量部の範囲内であることが好ましく、また、上記重合体100重量%に対して5〜50重量%の範囲内であることが好ましい。上記多官能ビニル系単量体に由来する構成単位の量が上記範囲より少ない場合、上記架橋重合体の架橋度が低くなる。その結果、色素が樹脂粒子内に保持され難くなる恐れがある。また、上記架橋重合体の架橋度が低くなる結果、樹脂粒子を含む塗料組成物を塗工する場合に、樹脂粒子が膨潤して塗料組成物の粘度上昇が起こり塗工の作業性が低下する恐れがある。さらに、上記架橋重合体の架橋度が低くなる結果、樹脂粒子を透明樹脂等と混合して成形する用途(いわゆる練り込み用途)において混合時や成形時に樹脂粒子に熱をかけたときに、樹脂粒子が溶解又は変形しやすくなる。上記多官能ビニル系単量体に由来する構成単位の量が上記範囲より多い場合、多官能ビニル系単量体の使用量に見合った効果(色素を樹脂粒子内に保持する効果)の向上が認められず、生産コストが上昇する場合がある。
【0039】
上記樹脂粒子を構成する重合体は、単官能(メタ)アクリル系単量体及び単官能スチレン系単量体以外の他の単官能ビニル系単量体に由来する構成単位をさらに含んでいてもよい。上記他の単官能ビニル系単量体としては、1つのエチレン性不飽和基を有する化合物(ただし単官能(メタ)アクリル系単量体及び単官能スチレン系単量体を除く)であれば特に限定されるものではなく、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。これら他の単官能ビニル系単量体は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0040】
〔樹脂粒子の製造方法〕
上記樹脂粒子は、乳化重合、水性媒体下での懸濁重合、シード重合、ソープフリー乳化重合(界面活性剤を使用しない乳化重合)、分散重合等の公知の重合方法により上記単量体混合物を重合させることによって製造することができる。これら重合方法のうち、水性媒体下での懸濁重合(以下「水系懸濁重合」と称する)、シード重合、乳化重合、及び、ソープフリー乳化重合が好ましい。
【0041】
〔水系懸濁重合による樹脂粒子の製造方法〕
水系懸濁重合による樹脂粒子の製造方法は、単量体混合物を水性媒体中に、懸濁させ、重合させる方法である。上記単量体混合物は、前記樹脂粒子を形成する全ての成分の量に対して50〜95重量%の単官能(メタ)アクリル系単量体及び/又は単官能スチレン系単量体と、前記樹脂粒子の製造に使用した原料のうちで重合反応に関与して前記樹脂粒子を形成する全ての成分の量に対して5〜50重量%の多官能ビニル系単量体を含む組成であることが好ましい。また、前記単量体混合物は、上記した他の単官能ビニル系単量体を含んでいてもよい。
【0042】
上記単量体混合物を水系懸濁重合させるための水性媒体としては、水、又は水とアルコール(例えば、メタノール、エタノール)等の水溶性溶媒との混合媒体を用いることができる。上記水性媒体の使用量は、懸濁重合で生成する樹脂粒子の懸濁安定化を図るために、通常、上記単量体混合物100重量部に対して、100〜1000重量部の範囲内である。
【0043】
上記水系懸濁重合には、重合開始剤を使用することができる。上記重合開始剤としては、水系懸濁重合に通常用いられる油溶性の過酸化物系重合開始剤又は油溶性のアゾ系重合開始剤が挙げられる。上記重合開始剤としては、具体的には、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、キュメンハイドロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の油溶性の過酸化物系重合開始剤;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3−ジメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,3,3−トリメチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−イソプロピルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(2−カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等の油溶性のアゾ系重合開始剤等が挙げられる。これら重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0044】
これら重合開始剤の中でも、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等が、重合開始剤の分解速度等の点で好ましい。これら重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0045】
上記重合開始剤の使用量は、上記単量体混合物100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲内であることが好ましく、0.1〜5重量部の範囲内であることがより好ましい。上記重合開始剤の使用量が上記単量体混合物100重量部に対して0.01重量部未満であると、上記重合開始剤が重合開始の機能を果たし難い。また、上記重合開始剤の使用量が上記単量体混合物100重量部に対して10重量部を超える場合、コスト的に不経済的であるため好ましくない。
【0046】
上記有機溶剤に溶解可能な色素と、必要に応じて使用される重合開始剤及びその他の油溶性成分とは、公知の方法により上記単量体混合物と均一に混合されて単量体組成物とされる。
【0047】
また、上記水系懸濁重合では、水系での乳化粒子(副次的に乳化重合が起こることにより生成する粒子径1μm未満の樹脂粒子)の発生を抑えるために、亜硝酸塩類、亜硫酸塩類、ハイドロキノン類、アスコルビン酸類、水溶性ビタミンB類、クエン酸、ポリフェノール類等の水溶性の重合禁止剤を使用してもよい。これら重合禁止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0048】
さらに、必要に応じて懸濁安定剤(分散安定剤)を上記水系懸濁重合の反応系に添加してもよい。上記懸濁安定剤としては、例えば、リン酸カルシウム(第三リン酸カルシウム)、リン酸マグネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等のリン酸塩;ピロリン酸カルシウム(特に複分解生成法により生成させたピロリン酸カルシウム)、ピロリン酸マグネシウム(特に複分解生成法により生成させたピロリン酸マグネシウム)、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン酸亜鉛等のピロリン酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物;メタケイ酸カルシウム;硫酸カルシウム、硫酸バリウム等の硫酸塩等の難水溶性無機化合物等が挙げられる。これらの中でも、リン酸カルシウム、並びに、複分解生成法により生成させたピロリン酸マグネシウム及びピロリン酸カルシウムは、樹脂粒子を安定して得ることが可能であるため、好ましい。これら懸濁安定剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0049】
上記懸濁安定剤の種類の選択や使用量の調整は、得られる樹脂粒子の径及び重合時の分散安定性を考慮して、適宜、行えばよい。上記懸濁安定剤の使用量は、通常、上記単量体混合物100重量部に対して、0.5〜15重量部の範囲内である。
【0050】
また、上記水系懸濁重合には、上記懸濁安定剤と、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤とを併用することも可能である。
【0051】
上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ石鹸等の脂肪酸石鹸;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ドデシルスルホン酸ナトリウム等のアルキルスルホン酸塩(アルカンスルホン酸塩);アルキルナフタレンスルホン酸塩;コハクスルホン酸塩;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等のジアルキルスルホコハク酸塩;アルキルリン酸エステル塩;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシアルキレンアリールエーテルリン酸ナトリウム等のリン酸エステル塩;ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物及びその金属塩;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。
【0052】
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレントリデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル;アルキレン基の炭素数が3以上であるポリオキシアルキレントリデシルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート等のソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル;モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンアルキルアミン;グリセリン脂肪酸エステル;オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー;ショ糖脂肪酸エステル(例えば、三菱化学フーズ株式会社製の商品名「リョートー(登録商標)シュガーエステル」)等が挙げられる。
【0053】
上記カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0054】
上記両性イオン界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミンオキサイド、リン酸エステル系両性イオン界面活性剤、亜リン酸エステル系両性イオン界面活性剤等が挙げられる。これら界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0055】
上記界面活性剤の種類の選択や使用量の調整は、得られる樹脂粒子の径及び重合時の分散安定性を考慮して、適宜、行えばよい。上記界面活性剤の添加量は、通常、水性媒体100重量部に対して0.001〜0.1重量部の範囲内である。
【0056】
このようにして調製された単量体組成物を水性媒体に添加し、単量体組成物を水性媒体中に分散させて水系懸濁重合を行う。単量体組成物の分散方法として、例えば、水性媒体中に単量体組成物を直接添加し、プロペラ翼等の攪拌力により単量体組成物を油滴(モノマー滴)として水性媒体中に分散させる方法;ローターとステーターとから構成される高せん断力を利用する分散機であるホモミクサー、又は超音波分散機等を用いて単量体組成物を水性媒体中に分散させる方法等が挙げられる。
【0057】
次いで、単量体組成物が球状の液滴として分散された水性懸濁液を、加熱することにより懸濁重合を開始させる。重合反応中は、水性懸濁液を攪拌機により攪拌するのが好ましい。その攪拌は、例えば、単量体組成物の液滴の浮上及び重合後の樹脂粒子の沈降を防止できる程度に緩く行えばよい。
【0058】
上記水系懸濁重合において、重合温度は、30〜100℃の範囲内であることが好ましく、40〜80℃の範囲内であることがより好ましい。この重合温度を保持する時間(重合時間)は、0.1〜20時間の範囲内であることが好ましい。
【0059】
なお、単官能(メタ)アクリル系単量体及び/又は単官能スチレン系単量体と、多官能ビニル系単量体との少なくとも一方が重合温度付近又は重合温度以下の沸点を有する化合物である場合には、その重合温度付近又は重合温度以下の沸点を有する化合物が揮発しないように、オートクレーブ等の耐圧重合設備を使用して、密閉下又は加圧下で重合を行うことが好ましい。
【0060】
重合完了後、樹脂粒子を吸引ろ過、遠心脱水、遠心分離、加圧脱水等の方法により含水ケーキとして分離し、さらに、得られた含水ケーキを水洗し乾燥して、目的の樹脂粒子を得ることができる。ここで、得られる樹脂粒子の体積平均粒子径の調整は、単量体組成物と水性媒体との混合条件、懸濁安定剤、界面活性剤等の添加量、上記攪拌機の攪拌条件、及び分散条件を調整することで可能である。
【0061】
〔シード重合による樹脂粒子の製造方法〕
シード重合による樹脂粒子の製造方法は、第1のビニル系単量体の重合体からなる種粒子に第2のビニル系単量体を吸収させ、第2のビニル系単量体を重合させる方法である。シード重合による樹脂粒子の製造方法によれば、粒子径の変動係数が20%以下の樹脂粒子を得ることができる。
【0062】
前記種粒子の重量平均分子量(Mw)は、50000以下であることが好ましい。種粒子の重量平均分子量が50000を超える場合、種粒子が第2のビニル系単量体を吸収しにくくなり、得られる樹脂粒子の粒度分布が広がる。
【0063】
種粒子は、非架橋粒子又は微架橋粒子(溶媒に溶解できる程度に架橋された粒子)であることが好ましい。種粒子が溶媒に溶解しないほどに架橋されている場合、種粒子が吸収する第2のビニル系単量体の量が少なくなり、さらには樹脂粒子がコアシェル状になる(種粒子が球形を保つ)、樹脂粒子が変形するなど、粒子内部が均一で球状の樹脂粒子を得るためには好ましくない。
【0064】
上記樹脂粒子を構成する原料の全重量に対する種粒子の割合、すなわち樹脂粒子の全重量に対する種粒子の割合は、10重量%以下であることが好ましい。種粒子が非架橋又は微架橋である場合、樹脂粒子の全重量に対する種粒子の割合が10重量%を超えると、ガラス転移温度の低い種粒子が、樹脂粒子の乾燥時に溶融して、樹脂粒子同士を融着させる要因となるため、好ましくない。なお、樹脂粒子の全重量に対する種粒子の割合は、樹脂粒子中の種粒子を溶媒で溶解させることによって分析できる。
【0065】
前記第1のビニル系単量体及び第2のビニル系単量体は、これらを合わせたものが、前記樹脂粒子の製造に使用した原料のうちで重合反応に関与して前記樹脂粒子を形成する全ての成分の量に対して50〜95重量%の単官能(メタ)アクリル系単量体及び/又は単官能スチレン系単量体と、前記樹脂粒子の製造に使用した原料のうちで重合反応に関与して前記樹脂粒子を形成する全ての成分の量に対して5〜50重量%の多官能ビニル系単量体とを含む単量体混合物となるような組成であることが好ましい。また、前記単量体混合物は、上記他の単官能ビニル系単量体を含んでいてもよい。前述したように種粒子は非架橋粒子又は微架橋粒子であることが好ましいので、前記第1のビニル系単量体が、多官能ビニル系単量体を含まないか、前記第1のビニル系単量体の重合によって微架橋粒子が得られる程度の少量の多官能ビニル系単量体を含む一方、前記第2のビニル系単量体が、単官能ビニル系単量体(単官能(メタ)アクリル系単量体及び/又は単官能スチレン系単量体及び/又は上記他の単官能ビニル系単量体)と多官能ビニル系単量体との混合物であって、前記第1のビニル系単量体よりも多官能ビニル系単量体の含有率が多いものであることが好ましい。
【0066】
第2のビニル系単量体の重合は、通常、第2のビニル系単量体を吸収した種粒子を水性媒体中に分散させた状態で行う。前記水性媒体としては、特に限定されず、例えば、水、水と水溶性有機媒体(メタノール、エタノール等の低級アルコール(炭素数5以下のアルコール))との混合媒体が挙げられる。前記水性媒体の使用量は、樹脂粒子の安定化を図るために、通常、第2のビニル系単量体100重量部に対して、100〜1000重量部の範囲内である。
【0067】
水性媒体中における第2のビニル系単量体の重合は、第2のビニル系単量体が球状滴として分散された水性懸濁液を攪拌することによって行うことが好ましい。その攪拌は、例えば、球状滴の浮上や重合後の粒子の沈降を防止できる程度に緩く行えばよい。
【0068】
第2のビニル系単量体の重合温度は、30〜100℃の範囲内であることが好ましく、40〜80℃の範囲内であることがより好ましい。この重合温度を保持する時間は、0.1〜20時間の範囲内が好ましい。
【0069】
第2のビニル系単量体の重合には、通常、重合開始剤を用いる。前記重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、tert−ブチルパーオキシイソブチレート、アセチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物類;2,2’アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物類等が挙げられる。これら重合開始剤は、単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0070】
なお、第2のビニル系単量体の重合では、界面活性剤濃度が臨界ミセル濃度以上である場合、前記重合開始剤として、過酸化ベンゾイル、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等の油溶性重合開始剤を使用するのが好ましい。第2のビニル系単量体の重合では、油溶性重合開始剤を使用した場合、過硫酸カリウム等の水溶性重合開始剤を使用した場合と比較して、目的とする粒子径(0.1〜1.0μm)の樹脂粒子よりも小さい微小な樹脂粒子が発生することを抑制できる。
【0071】
前記重合開始剤の使用量は、第2のビニル系単量体100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲内であることが好ましく、0.01〜5重量部の範囲内であることがより好ましい。前記重合開始剤の使用量が、第2のビニル系単量体100重量部に対して0.01重量部未満である場合、重合開始剤が重合開始の機能を果たし難い。また、前記重合開始剤の使用量が、第2のビニル系単量体100重量部に対して10重量部を超える場合には、コスト的に不経済であるため、好ましくない。
【0072】
第2のビニル系単量体の重合には、界面活性剤を使用することが好ましい。前記界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、水系懸濁重合に用いることができるものとして挙げた種々の界面活性剤(アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤)の何れも使用することができるが、アニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤の少なくとも一方を用いることが好ましい。さらには、アニオン性界面活性剤として、リン酸エステル塩及びスルホコハク酸塩が好ましく、ノニオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル及びポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテルが好ましい。また、前記界面活性剤は、単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0073】
第2のビニル系単量体の重合における界面活性剤の使用量は、第2のビニル系単量体100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲内であることが好ましい。界面活性剤の使用量が第2のビニル系単量体100重量部に対して0.1重量部未満である場合には、重合安定性を保つことが難しくなるため、好ましくない。また、界面活性剤の使用量が第2のビニル系単量体100重量部に対して5重量部を超える場合、目的とする粒子径(0.1〜1.0μm)の樹脂粒子よりも小さい微小な樹脂粒子が生成する恐れがあるので、好ましくない。
【0074】
第2のビニル系単量体の重合系には、樹脂粒子の耐熱性を向上させるために、連鎖移動剤を添加してもよい。前記連鎖移動剤としては、例えば、n−オクチルメルカプタン、tert−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタン等のメルカプタン類;γ−テルピネン、ジペンテン等のテルペン類;クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、ジブロモメタン等のハロゲン化炭化水素;α−メチルスチレンダイマー;2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、スチレン化フェノール等のフェノール系化合物;アリルアルコール等のアリル化合物等が挙げられる。また、第2のビニル系単量体の重合系には、樹脂粒子の耐熱性を向上させるために、酸化防止剤等の添加剤を添加してもよい。
【0075】
また、第2のビニル系単量体の重合系には、前記水性媒体中への前記第2のビニル系単量体の分散を安定化させるために、高分子分散安定剤を添加してもよい。前記高分子分散安定剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、アミノ変性シリコーン等が挙げられる。これらの高分子分散安定剤は、一種を単独で使用しても、二種以上を組み合わせて併用してもよい。前記高分子分散安定剤の使用量は、前記第2のビニル系単量体100重量部に対して0.01〜10重量部の範囲内であることが好ましい。
【0076】
なお、種粒子は、第1のビニル系単量体を重合することによって得られる。第1のビニル系単量体の重合方法としては、特に限定されないが、ソープフリー乳化重合、乳化重合、懸濁重合、分散重合、シード重合等を用いることができる。これら重合方法の中でも、ソープフリー乳化重合、又は反応性界面活性剤(エチレン性不飽和基を有する界面活性剤)を用いる乳化重合が好ましい。
【0077】
第1のビニル系単量体の重合温度は、30〜100℃の範囲内であることが好ましく、40〜80℃の範囲内であることがより好ましい。この温度を保持する時間は、1〜30時間の範囲内が好ましい。
【0078】
第1のビニル系単量体の重合時には、通常、重合開始剤を用いる。第1のビニル系単量体の重合に用いられる重合開始剤は、第2のビニル系単量体で用いられるものと同様の重合開始剤を用いることができるが、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性重合開始剤を使用するのが好ましい。
【0079】
また、前記重合開始剤の使用量は、第1のビニル系単量体100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲内であることが好ましく、0.01〜5重量部の範囲内であることがより好ましい。前記重合開始剤の使用量が、第1のビニル系単量体100重量部に対して0.01重量部未満である場合、前記重合開始剤が重合開始の機能を果たし難い。また、前記重合開始剤の使用量が、第1のビニル系単量体100重量部に対して10重量部を超える場合には、コスト的に不経済であるため、好ましくない。
【0080】
乳化重合により第1のビニル系単量体を重合して種粒子を製造する場合、第1のビニル系単量体の重合に用いる界面活性剤としては、水系懸濁重合に用いることができるものとして挙げた種々の界面活性剤を使用してもよく、エチレン性不飽和基を有するアニオン性界面活性剤(以下「反応性アニオン性界面活性剤」と称する)を使用してもよい。反応性アニオン性界面活性剤の具体例及び好ましい使用量については、後述する乳化重合による樹脂粒子の製造方法と同様であるので、ここでは記載を省略する。
【0081】
第1のビニル系単量体の重合系には、分子量を調整するために連鎖移動剤を添加することができる。前記連鎖移動剤としては、前記第2のビニル系単量体の重合に用いられるものを使用することができる。
【0082】
〔乳化重合による樹脂粒子の製造方法〕
乳化重合による樹脂粒子の製造方法は、単量体混合物を、界面活性剤の存在下で媒体中に乳化させ、重合開始剤の存在下で重合させる方法である。前記単量体混合物は、前記樹脂粒子の製造に使用した原料のうちで重合反応に関与して前記樹脂粒子を形成する全ての成分の量に対して50〜95重量%の単官能(メタ)アクリル系単量体及び/又は単官能スチレン系単量体と、前記樹脂粒子の製造に使用した原料のうちで重合反応に関与して前記樹脂粒子を形成する全ての成分の量に対して5〜50重量%の多官能ビニル系単量体を含む組成であることが好ましい。また、前記単量体混合物は、上記した他の単官能ビニル系単量体を含んでいてもよい。
【0083】
前記重合開始剤としては、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、アセチルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物類;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二硫酸塩二水和物、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、4,4−アゾビス(4−シアノペンタン酸)等のアゾ化合物類;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩類等が挙げられる。これら重合開始剤は、単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、前記過硫酸塩類又は有機過酸化物類と、還元剤とを組み合わせたものを重合開始剤として用いてもよい。このような組み合わせの重合開始剤は、レドックス系重合開始剤と呼ばれる。前記還元剤としては、例えば、ナトリウムスルホキシレートホルムアルデヒド、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム、過酸化水素、ヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸又はその塩、第一銅塩、第一鉄塩等が挙げられる。これら還元剤は、単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0084】
前記重合開始剤は、その種類により相違するが、前記単量体混合物100重量部に対して、0.1〜5重量部の範囲内で使用することが好ましく、0.3〜3重量部の範囲内で使用することがより好ましい。
【0085】
また、乳化重合における重合系には、連鎖移動剤を添加しても良い。前記連鎖移動剤としては、前記シード重合における第2のビニル系単量体の重合に用いられるものとして挙げた種々の連鎖移動剤を使用することができる。前記連鎖移動剤は、前記単量体混合物100重量部に対して、0.1〜5重量部の範囲内で使用することが好ましく、0.3〜3重量部の範囲内で使用することがより好ましい。
【0086】
乳化重合に用いる媒体としては、水性媒体を用いる方が好ましい。前記水性媒体としては、水単独、あるいは、水と低級アルコール(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)との混合物を使用することができるが、廃液処理の点から水単独が好ましい。
【0087】
前記水性媒体の使用量は、前記単量体混合物100重量部に対して、200〜2000重量部の範囲内であることが好ましく、300〜1500重量部の範囲内であることがより好ましい。前記水性媒体の使用量が200重量部より少ないと、重合中の粒子の安定性が悪くなり、重合後に樹脂粒子の凝集物が生じてしまう場合があるので、好ましくない。前記水性媒体の使用量が2000重量部より多いと、生産性が悪くなる場合があるので、好ましくない。
【0088】
重合温度は、使用する単量体の種類や重合開始剤の種類により相違するが、30〜100℃の範囲内であることが好ましい。また、重合時間は、2〜10時間であることが好ましい。
【0089】
前記界面活性剤としては、前記水系懸濁重合に用いることができるものとして挙げた種々の界面活性剤を使用することができるが、アニオン性界面活性剤を使用することが好ましく、反応性アニオン性界面活性剤(エチレン性不飽和基を有するアニオン性界面活性剤)を使用することもできる。
【0090】
前記反応性アニオン性界面活性剤は、アニオン性部位として、スルホン酸塩、硫酸塩、リン酸塩、リン酸エステル、スルホコハク酸塩、カルボン酸塩、アシルアミノ酸塩等を有している。このアニオン性部位が、得られる樹脂粒子表面の官能基となる。ここで、これらの塩としては、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
【0091】
反応性アニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシアルキレン部位を有する反応性アニオン性界面活性剤、例えば、第一工業製薬株式会社製のポリオキシエチレン−1−(アリルオキシメチル)アルキルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩である「アクアロン(登録商標)KH−10」(商品名、ポリオキシエチレン鎖長10)及び「アクアロン(登録商標)KH−1025」(商品名、「アクアロン(登録商標)KH−10」の25重量%水溶液);第一工業製薬株式会社製のポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩である「アクアロン(登録商標)HS−10」(商品名、ポリオキシエチレン鎖長10)、「アクアロン(登録商標)HS−20」(商品名、ポリオキシエチレン鎖長20)、「アクアロン(登録商標)BC−10」(商品名、ポリオキシエチレン鎖長10)、及び「アクアロン(登録商標)BC−20」(商品名、ポリオキシエチレン鎖長20);花王株式会社製のポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸アンモニウムである「ラテムル(登録商標)PD−104」(商品名);株式会社ADEKA製のα−スルホ−ω−(1−アルコキシメチル−2−(2−プロペニルオキシ)エトキシ)−ポリ(オキシ−1,2−エタンジイル)アンモニウム塩である「アデカリアソープ(登録商標)SR−10」(商品名、ポリオキシエチレン鎖長10)及び「アデカリアソープ(登録商標)SR−20)(商品名、ポリオキシエチレン鎖長20);株式会社ADEKA製のポリオキシプロピレンアリルエーテルリン酸エステルである「アデカリアソープ(登録商標)PP−70」(商品名);日本乳化剤株式会社製のビス(ポリオキシエチレンフェニルエーテル)メタクリレート硫酸エステル塩である「アントックスMS−60」(商品名)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。これらの反応性アニオン性界面活性剤は、一種を単独で使用しても、二種以上を組み合わせて併用してもよい。
【0092】
前記ポリオキシアルキレン部位を有する反応性アニオン性界面活性剤以外の反応性アニオン性界面活性剤としては、例えば、p−スチレンスルホン酸ナトリウム、アリルアルキルスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0093】
前記界面活性剤の使用量は、前記単量体混合物100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲内であることが好ましい。
【0094】
また、前記媒体中への前記単量体混合物の分散を安定化させるために、高分子分散安定剤を、前記乳化重合における重合系に加えてもよい。前記高分子分散安定剤としては、前記シード重合における第2のビニル系単量体の重合に用いることができるものとして挙げた種々の高分子分散安定剤を使用することができる。前記高分子分散安定剤の使用量は、前記単量体混合物100重量部に対して0.01〜5重量部の範囲内であることが好ましい。
【0095】
〔ソープフリー乳化重合による樹脂粒子の製造方法〕
ソープフリー乳化重合による樹脂粒子の製造方法は、前記単量体混合物を界面活性剤の非存在下で媒体中に乳化させる以外は、乳化重合による樹脂粒子の製造方法と同様である。
【0096】
〔重合の後処理〕
前述したシード重合、乳化重合、ソープフリー乳化重合等の重合では、樹脂粒子を含むスラリーが得られる。このスラリーからの樹脂粒子を単離する方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、噴霧乾燥法、ドラムドライヤーに代表される加熱された回転ドラムに付着させて乾燥する方法、凍結乾燥法等を用いることができる。これらの単離方法のうち、噴霧乾燥法が好ましい。
【0097】
噴霧乾燥法とは、一般的に、スプレードライヤーや気流乾燥機などの噴霧乾燥機を用いて、ガス気流と共に水分散体(樹脂粒子を含むスラリー)を噴霧して樹脂粒子を乾燥させる方法である。
【0098】
噴霧乾燥機のスラリー入口(スラリーが噴霧されて導入される入口)の温度(給気温度)は、80℃〜220℃の範囲内であることが好ましい。スラリー入口の温度が220℃より高い場合、樹脂粒子同士の融着が起こり易くなって、樹脂粒子が相互に連結した樹脂粒子集合体が得られる恐れがある。スラリー入口の温度が80℃未満である場合、乾燥が不十分になったり、乾燥効率が低くなったりする恐れがある。
【0099】
また、噴霧乾燥機の粉体出口(樹脂粒子が排出される出口)の温度(排気温度)は、40℃〜100℃の範囲内であることが好ましい。また、粉体出口の温度が40℃より低い場合、乾燥が不十分になる恐れがある。一方、粉体出口の温度が100℃より高い場合、樹脂粒子同士の融着が起こり易くなる恐れがある。
【0100】
なお、重合後に前記樹脂粒子を湿式分級し、分級された樹脂粒子を噴霧乾燥してもよい。これにより、粗大粒子を低減することができる。
【0101】
〔塗料組成物〕
本発明の塗料組成物は、コーティング用の組成物であり、上記樹脂粒子を含んでいる。本発明の塗料組成物中において、上記樹脂粒子はマット剤(艶消し剤)として機能する。
【0102】
本発明の塗料組成物に用いる樹脂粒子は、体積平均粒子径が0.5〜20μmの範囲内であることが好ましい。これにより、塗料組成物によって形成される塗膜の艶消し性が良好となる。したがって、塗料組成物を透明フィルム基材上に塗工してなるフィルムの防眩性が良好となる。
【0103】
本発明の塗料組成物は、ハードコート層と呼ばれる高硬度の塗膜を形成できるものであることが好ましい。
【0104】
本発明の塗料組成物は、通常、樹脂粒子に加えて、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂と電離放射線重合開始剤との混合物等の樹脂バインダーを含んでいる。
【0105】
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、アセチルセルロース、ニトロセルロース、アセチルブチルセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体;酢酸ビニルの単独重合体又は共重合体、塩化ビニルの単独重合体又は共重合体、塩化ビニリデンの単独重合体又は共重合体;ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール等のアセタール系樹脂;アクリル樹脂(ポリアクリル酸エステル)及びその共重合樹脂、メタクリル樹脂(ポリメタクリル酸エステル)及びその共重合樹脂等の(メタ)アクリル系樹脂;ポリスチレン樹脂;ポリアミド樹脂;線状ポリエステル樹脂;ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
【0106】
また、上記熱硬化性樹脂としては、例えば、熱硬化性アクリル樹脂、アクリルポリオールとイソシアネートプレポリマーとからなる熱硬化性ウレタン樹脂、フェノール樹脂、尿素メラミン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0107】
また、上記電離放射線硬化性樹脂としては、電離放射線(紫外線、電子線等)を照射することで硬化する樹脂であればよく、電離放射線重合性単量体又は電離放射線重合性プレポリマー(電離放射線重合性オリゴマー)等の1種又は2種以上を混合したものを使用することができる。上記電離放射線重合性単量体又は電離放射線重合性プレポリマーとしては、1分子中に2個以上の電離放射線重合性の官能基を有する電離放射線重合性の多官能単量体、又は1分子中に2個以上の電離放射線重合性の官能基を有する電離放射線重合性の多官能プレポリマーが好ましい。
【0108】
上記電離放射線重合性の多官能プレポリマー又は多官能単量体が有する電離放射線重合性の官能基としては、光重合性の官能基、電子線重合性の官能基、又は放射線重合性の官能基が好ましく、光重合性の官能基が特に好ましい。上記光重合性の官能基としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等の不飽和の重合性官能基等が挙げられ、これらの中でも(メタ)アクリロイル基が好ましい。本明細書において、「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル又はメタクリロイルを表す。
【0109】
上記電離放射線重合性の多官能プレポリマーとしては、光重合性の官能基を2つ以上有する多官能プレポリマー(以下「光重合性多官能プレポリマー」と称する)が好ましい。上記光重合性多官能プレポリマーとして、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリル系プレポリマーが特に好ましく使用される。このような(メタ)アクリル系プレポリマーは、架橋硬化することにより3次元網目構造となる。上記(メタ)アクリル系プレポリマーとしては、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート等が使用できる。本明細書において、「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを表す。
【0110】
上記電離放射線重合性単量体としては、前述した多官能ビニル系単量体等が使用できるが、光重合性の官能基を2つ以上有する多官能単量体(以下「光重合性多官能単量体」と称する)が好ましい。上記光重合性多官能単量体の具体例としては、ネオペンチルグリコールアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類;ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等の3価以上の多価アルコールのジ(メタ)アクリレート類;2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(アクリロキシ・ポリプロポキシ)フェニル]プロパン等の多価アルコールエチレンオキシド付加物又は多価アルコールプロピレンオキシド付加物のジ(メタ)アクリレート類;1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマー等を挙げることができる。
【0111】
上記光重合性多官能単量体としては、これらの具体例等のような多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類が好ましく、1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーがより好ましい。1分子中に3個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能モノマーとしては、具体的には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,2,4−シクロヘキサンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタグリセロールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリペンタエリスリトールトリアクリレート、トリペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。上記光重合性多官能単量体は、二種類以上を併用してもよい。
【0112】
上記電離放射線重合性単量体又は電離放射線重合性プレポリマーとして上記光重合性多官能単量体又は光重合性多官能プレポリマーを用いる場合には、光重合開始剤を上記電離放射線重合開始剤として用いることが好ましい。上記光重合開始剤としては、光ラジカル重合開始剤又は光カチオン重合開始剤が好ましく、光ラジカル重合開始剤が特に好ましい。
【0113】
上記光重合性多官能単量体又は光重合性多官能プレポリマーの重合は、光ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射により行うことができる。従って、上記光重合性多官能単量体又は光重合性多官能プレポリマー、光ラジカル開始剤、及び樹脂粒子を含有する塗料組成物を調製し、該塗料組成物を透明フィルム基材上に塗布した後、電離放射線による重合反応により塗料組成物を硬化してフィルム(防眩フィルム等)のハードコート層を形成することができる。
【0114】
上記光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、α-ヒドロキシアルキルフェノン類、α-アミノアルキルフェノン、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類(特開2001−139663号公報等に記載)、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、オニウム塩類、ボレート塩、活性ハロゲン化合物、α−アシルオキシムエステル等が挙げられる。
【0115】
上記アセトフェノン類としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン等が挙げられる。上記ベンゾイン類としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインベンゾエート、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等が挙げられる。上記ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノン等が挙げられる。上記ホスフィンオキシド類としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド等が挙げられる。上記ケタール類としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンジルメチルケタール類が挙げられる。上記α-ヒドロキシアルキルフェノン類としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが挙げられる。上記α-アミノアルキルフェノン類としては、例えば、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノンが挙げられる。
【0116】
市販の光開裂型の光ラジカル重合開始剤としては、BASFジャパン株式会社製の商品名「イルガキュア(登録商標)651」(2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン)、BASFジャパン株式会社製の商品名「イルガキュア(登録商標)184」、BASFジャパン株式会社製の商品名「イルガキュア(登録商標)907」(2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン)等が好ましい例として挙げられる。
【0117】
上記光重合開始剤は、上記光重合性多官能単量体又は光重合性多官能プレポリマー100重量部に対して、0.1〜15重量部の範囲内で使用することが好ましく、1〜10重量部の範囲内で使用することがより好ましい。
【0118】
上記光重合性多官能単量体又は光重合性多官能プレポリマーの重合には、上記光重合開始剤に加えて光増感剤を用いてもよい。上記光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーケトン、チオキサントン類等を挙げることができる。
【0119】
上記塗料組成物中における樹脂粒子の量は、樹脂バインダーの固形分100重量部に対して、2重量部以上であることが好ましく、4重量部以上であることがより好ましく、6重量部以上であることがさらに好ましい。上記樹脂粒子の量を樹脂バインダーの固形分100重量部に対して2重量部以上にすることにより、塗料組成物によって形成される塗膜の艶消し性を十分なものにし易くなる。したがって、塗料組成物を透明フィルム基材上に塗工してなるフィルムの防眩性を十分なものにし易くなる。上記塗料組成物中における樹脂粒子の量は、樹脂バインダーの固形分100重量部に対して、300重量部以下であることが好ましく、200重量部以下であることがより好ましく、100重量部以下であることがさらに好ましい。上記樹脂粒子の量を樹脂バインダーの固形分100重量部に対して300重量部以下にすることにより、塗料組成物によって形成される塗膜の直線透過性を十分なものにし易くなる。したがって、塗料組成物を透明フィルム基材上に塗工してなるフィルムをディスプレイの上に配置したときに、ディスプレイの解像性を十分なものにし易くなる。
【0120】
上記塗料組成物には、必要に応じて樹脂バインダーの固形分の濃度を希釈するための希釈剤を用いてもよい。上記希釈剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;ジオキサン、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系溶剤;水;アルコール系溶剤等が挙げられる。これら希釈剤は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
【0121】
〔フィルム〕
本発明のフィルムは、上記塗料組成物を透明フィルム基材上に塗工してなるものである。
【0122】
上記透明フィルム基材は、耐光性、耐熱性、耐溶剤性等の特性をも備えていることが好ましい。上記透明フィルム基材は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略記する)、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド等の樹脂からなる透明フィルム基材、透明なガラスフィルム等の無機フィルム基材等から、適宜選択して使用できる。また、上記透明フィルム基材の厚さは、特に限定されるものではないが、加工のしやすさやハンドリンク性を考慮して10〜500μmの範囲内が好ましい。
【0123】
なお、本願明細書において、「透明」には、半透明も含まれる。また、本願明細書において、「透明」とは、所望する波長の光に対して透明であることを意味し、必ずしも全波長の光に対して透明であることを要さない。
【0124】
上記透明フィルム基材上に上記塗料組成物を塗工する方法としては、リバースロールコート法、グラビアコート法、ダイコート法、コンマコート法、スプレーコート法等の公知の方法を用いることができる。上記塗料組成物を塗工することによって透明フィルム基材上に形成される塗膜は、光拡散層として機能する。この塗膜(光拡散層)の厚みは、特に限定されるものではないが、塗膜の光拡散性、強度等を考慮して、1〜100μmの範囲内が好ましく、3〜30μmの範囲内がより好ましい。
【0125】
上記塗料組成物が電離放射線硬化性樹脂を含む場合、上記塗料組成物の塗工後に、上記塗料組成物に電離放射線(紫外線、電子線等)を照射して上記塗料組成物を硬化させることにより塗膜を形成することができる。なお、電離放射線を照射する方法としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、メタルハライドランプ等から発せられる100〜400nm、好ましくは200〜400nmの波長領域の紫外線を照射する方法;走査型又はカーテン型の電子線加速器から発せられる100nm未満の波長領域の電子線を照射する方法等を用いることができる。
【0126】
〔樹脂成形体〕
本発明の樹脂成形体は、上記樹脂粒子と透明樹脂とを含む樹脂組成物を成形してなるものである。本発明の樹脂成形体中において、上記樹脂粒子は光拡散粒子として機能する。したがって、本発明の樹脂成形体は、光拡散板等の光拡散体として機能し、LED照明カバー等として利用できる。
【0127】
上記透明樹脂は、上記樹脂成形体の基材であり、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、(メタ)アクリル−スチレン樹脂((メタ)アクリル酸エステルとスチレンとの共重合体)等が挙げられる。それらの中でも、ポリスチレン樹脂又は(メタ)アクリル−スチレン樹脂が上記透明樹脂として好ましい。
【0128】
上記樹脂組成物に含まれる樹脂粒子の量は、透明樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部の範囲内であることが好ましく、0.1〜5重量部の範囲内であることがより好ましい。上記樹脂組成物には、紫外線吸収剤、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、蛍光増白剤等の添加剤を加えてもよい。
【0129】
上記樹脂成形体の厚み及び形状等は、樹脂成形体の用途によって適宜選択することができる。
【0130】
本発明の樹脂成形体は、上記透明樹脂と上記樹脂粒子とを一軸押出機や二軸押出機等で溶融混練することにより得ることができる。また、溶融混練によって得られた樹脂組成物を、Tダイ及びロールユニットを介して板状に成形して樹脂成形体を得てもよい。また、溶融混練によって得られた樹脂組成物をペレット化し、ペレットを射出成形やプレス成形等により板状に成形して樹脂成形体を得てもよい。
【実施例】
【0131】
以下、実施例および比較例により本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。まず、以下の実施例及び比較例における、粒子(樹脂粒子及び種粒子)の体積平均粒子径及び粒子径の変動係数(CV値)の測定方法、樹脂粒子のb*値及び分光反射特性の測定方法、フィルムの分光透過特性の測定方法、並びに、樹脂成形体のヘイズ、全光線透過率、及び分光透過特性の測定方法を説明する。
【0132】
〔粒子の体積平均粒子径及び粒子径の変動係数(CV値)の測定方法〕
(1)コールターカウンター法による測定方法
実施例及び比較例における体積平均粒子径が2μm以上の樹脂粒子については、以下に示すコールターカウンター法により、樹脂粒子の体積平均粒子径及び粒子径の変動係数を測定する。
【0133】
−樹脂粒子の体積平均粒子径の測定方法−
孔径50〜280μmの細孔に電解質溶液を満たし、当該電解質溶液を樹脂粒子が通過する際の電解質溶液の導電率変化から樹脂粒子の体積を求め、樹脂粒子の体積から樹脂粒子の球換算体積平均粒子径を計算し、この球換算体積平均粒子径を樹脂粒子の体積平均粒子径とする。樹脂粒子の球換算体積平均粒子径を計算する際には、樹脂粒子の体積基準の粒度分布における算術平均径を計算し、この算術平均径を樹脂粒子の球換算体積平均粒子径とする。
【0134】
具体的には、ベックマン・コールター株式会社製のコールターカウンター「マルチサイザーIII」によってコールター法で測定する。なお、測定に際しては、Coulter Electronics Limited発行のREFERENCE MANUAL FOR THE COULTER(登録商標) MULTISIZER(1987)に従って、樹脂粒子の粒子径に適合したアパチャーを用いてキャリブレーションを行った後で、樹脂粒子の体積平均粒子径の測定を行う。
【0135】
さらに具体的には、市販のガラス製の試験管に樹脂粒子0.1gと0.1重量%ノニオン性界面活性剤水溶液10mlとを投入する。投入物を、ヤマト科学株式会社製のタッチミキサー「TOUCH MIXER MT−31」で2秒間混合した後、試験管内の樹脂粒子を市販の超音波洗浄機である株式会社ヴェルヴォクリーア社製の「ULTRASONIC CLEANER VS−150」を用いて10秒間予備分散させ、分散液を得る。「マルチサイザーIII」本体に備え付けの測定用電解液「ISOTON(登録商標) II」(ベックマン・コールター株式会社製)を満たしたビーカー中に、上記分散液を緩く攪拌しながらスポイトで滴下して、「マルチサイザーIII」本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせる。次に、「マルチサイザーIII」本体に、アパチャーサイズ(アパチャー径)、Current(アパチャー電流)、Gain(ゲイン)、及びPolarity(内側電極の極性)をCoulter Electronics Limited発行のREFERENCE MANUAL FOR THE COULTER(登録商標) MULTISIZER(1987)に従って入力し、manual(手動モード)で測定を行う。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く攪拌しておき、樹脂粒子10万個の測定を行った時点で測定を終了する。
【0136】
−樹脂粒子の粒子径の変動係数(CV値)の測定方法−
樹脂粒子の粒子径の変動係数(CV値)は、前述した体積平均粒子径の測定方法によって得られる樹脂粒子の体積基準の粒度分布における標準偏差(σ)と、樹脂粒子の体積平均粒子径(D)とから、以下の式により算出する。
樹脂粒子の粒子径の変動係数(%)=(σ/D)×100
【0137】
(2)レーザー回折・光散乱法による測定方法
実施例及び比較例におけるスラリー中に含まれる体積平均粒子径が2μm未満の樹脂粒子及び種粒子については、以下に示すレーザー回折・光散乱法により、体積平均粒子径及び粒子径の変動係数を測定する。
【0138】
体積平均粒子径の測定は、レーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置(ベックマン・コールター株式会社製「LS 13 320」)およびユニバーサルリキッドサンプルモジュールによって行った。
【0139】
測定には、粒子(樹脂粒子又は種粒子)を含むスラリー0.1g(固形分量)を、0.1重量%ノニオン性界面活性剤水溶液10m1中にタッチミキサー(ヤマト科学株式会社製、「TOUCHMIXER MT−31」)および超音波洗浄器(株式会社ヴェルヴォクリーア社製、「ULTRASONIC CLEANER VS−150」)を用いて分散させ、分散液としたものを使用する。
【0140】
また、上記のレーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置のソフトウェアにおいて、ミー理論に基づいた評価のために必要となる以下に示す光学的なパラメータを、設定する。
【0141】
<パラメータ>
液体(ノニオン性界面活性剤水溶液)の屈折率B.I.の実部=1.333(水の屈折率)
固体(測定対象の粒子)の屈折率の実部=粒子の屈折率
固体の屈折率の虚部=0
固体の形状因子=1
また、測定条件及び測定手順は、以下の通りとする。
【0142】
<測定条件>
測定時間:60秒
測定回数:1
ポンプ速度:50〜60%
PIDS相対濃度:40〜55%程度
超音波出力:8
【0143】
<測定手順>
オフセット測定、光軸調整、バックグラウンド測定を行った後、上記した分散液を、スポイトを用いて、上記のレーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置のユニバーサルリキッドサンプルモジュール内へ注入する。上記のユニバーサルリキッドサンプルモジュール内の濃度が上記のPIDS相対濃度に達し、上記のレーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置のソフトウェアが「OK」と表示したら、測定を開始する。なお、測定は、ユニバーサルリキッドサンプルモジュール中でポンプ循環を行うことによって上記粒子を分散させた状態、かつ、超音波ユニット(ULM ULTRASONIC MODULE)を起動させた状態で行う。
【0144】
また、測定は室温で行い、得られたデータから、上記のレーザー回折・散乱方式粒度分布測定装置のソフトウェアにより、上記の予め設定された光学的なパラメータを用いて、粒子の体積平均粒子径(体積基準の粒度分布における算術平均径)および粒子径の変動係数(CV値)を算出する。
【0145】
なお、粒子の屈折率については、粒子を構成する重合体の屈折率を入力し測定を実施した。例えば、粒子を構成する重合体がポリメタクリル酸メチルである場合には、既知である屈折率1.495を入力する。
【0146】
〔樹脂粒子のb*値の測定方法〕
樹脂粒子のb*値は、JIS Z 8729に準拠してL***表色系にて色度測定を行うことによって測定する。具体的には、樹脂粒子2.5gを測定容器(コニカミノルタセンシング株式会社製の粉体セル、商品名「CR−A50」)内に充填する。充填された樹脂粒子のb*値を、色彩色差計(コニカミノルタセンシング株式会社製、商品名「CR−300」)により測定する。なお、b*値は、数値が+側に大きくなるほど、黄色変度が増す。
【0147】
〔樹脂粒子の分光反射特性の測定方法〕
樹脂粒子をセルに挟み込み、樹脂粒子を挟み込んだセルの波長300〜800nmの分光反射率を、JIS K 7375に記載の全光線反射率の測定法に準拠して、入射角8°の入射条件下にて室温20℃、相対湿度60%の環境下にて測定し、測定された分光反射率を、標準白色板として硫酸バリウム板を用いた時の波長550nmの光線反射率を100%とした時の相対値で示す。具体的には、樹脂粒子を挟み込んだセルの波長300〜800nmの分光反射率を、株式会社島津製作所から商品名「UV−2450」にて市販されている紫外可視分光光度計と、株式会社島津製作所から商品名「ISR−2200」にて市販されている積分球付属装置(内径:φ60mm)とを組み合わせて測定する。なお、樹脂粒子を挟み込んだセルを30個用意し、30個のセルの分光反射率の相加平均値を樹脂粒子の分光反射率とする。
【0148】
〔フィルムの分光透過特性の測定方法〕
4cm×4cmの平面サイズにカットしたフィルムをセルに挟み込み、紫外可視光分光光度計(株式会社島津製作所製、商品名「UV−2450」)を用いて波長300〜800nmの分光透過率を測定する。
【0149】
〔樹脂成形体の全光線透過率の測定方法〕
樹脂成形体の全光線透過率はJIS K 7361−1に従って測定する。具体的には、全光線透過率を、日本電色工業株式会社製の「NDH−4000」を使用して測定する。測定サンプル数n=3として、これら3個の測定サンプルの全光線透過率(%)の平均値を算出し、この平均値を樹脂成形体の全光線透過率(%)とする。
【0150】
〔樹脂成形体のヘイズの測定方法〕
樹脂成形体のヘイズは、JIS K 7136に従って測定する。具体的には、ヘイズを、日本電色工業株式会社製の「NDH−4000」を使用して測定する。測定サンプル数n=3として、これら3個の測定サンプルのヘイズの平均値を算出し、この平均値を樹脂成形体のヘイズ(%)とする。ヘイズの値は、樹脂成形体を透過した光(透過光)の拡散性が高い程、高くなる。
【0151】
〔樹脂成形体の分光透過特性の測定方法〕
4cm×4cmの平面サイズにカットした樹脂成形体をセルに挟み込み、紫外可視光分光光度計(株式会社島津製作所製、商品名「UV−2450」)を用いて波長300〜800nmの分光透過率を測定する。
【0152】
〔樹脂粒子の実施例・比較例〕
〔実施例1〕
単官能(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸メチル(MMA)63g(単量体混合物100重量%に対して70重量%)と、多官能ビニル系単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)27g(単官能(メタ)アクリル系単量体100重量部に対して43重量部;単量体混合物100重量%に対して30重量%)と、色素としてのDAA51(山田化学工業株式会社製)0.09g(重合体100重量部に対して0.1重量部)とに、重合開始剤としての2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2gを加えて混合して、単量体組成物を調製した。
【0153】
内容積500mlのセパラブルフラスコに、水性媒体としての水270gと、懸濁安定剤としての第3リン酸カルシウム8.7gと、界面活性剤としてのドデシルスルホン酸ナトリウム0.08gとを入れた。このセパラブルフラスコの内容物に、前記単量体組成物を添加した。セパラブルフラスコの内容物を高速攪拌機(商品名「ホモミクサーMARK II 2.5型」、プライミクス株式会社製)により高速で攪拌し、単量体組成物の微小液滴を形成した。セパラブルフラスコの内容物を攪拌しながら50℃で5時間加熱することで重合を行った。得られた樹脂粒子に塩酸を加えて懸濁安定剤を分解した後、水により樹脂粒子を洗浄した。洗浄の後、遠心脱水により固体を分離した。得られた固体を60℃で10時間真空乾燥し、体積平均粒子径が8μmであり、粒子径の変動係数(CV値)が35%である樹脂粒子を得た。
【0154】
〔実施例2〕
色素としてDAA51(山田化学工業株式会社製)0.09gに代えて「VALIFAST(登録商標) YELLOW 1101」(オリヱント化学工業株式会社製)0.009g(重合体100重量部に対して0.01重量部)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒子径が8μmであり、粒子径の変動係数(CV値)が35%である樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の分光反射特性を図8に示す。
【0155】
〔実施例3〕
色素としてDAA51(山田化学工業株式会社製)0.09gに代えて「VALIFAST(登録商標) YELLOW 3170」(オリヱント化学工業株式会社製)0.9g(重合体100重量部に対して1.0重量部)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒子径が8μmであり、粒子径の変動係数(CV値)が35%である樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の分光反射特性を図9に示す。
【0156】
〔実施例4〕
単官能ビニル系単量体として、メタクリル酸メチル(MMA)63gに代えて単官能スチレン系単量体であるスチレン(St)63g(単量体混合物100重量%に対して70重量%)を用い、重合温度を50℃から60℃に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒子径が8μmであり、粒子径の変動係数(CV値)が35%である樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の分光反射特性を図10に示す。
【0157】
〔実施例5〕
色素としてDAA51(山田化学工業株式会社製)0.09gに代えて「YELLOW 186」(中央合成化学株式会社製)0.09g(重合体100重量部に対して0.1重量部)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒子径が8.4μmであり、粒子径の変動係数(CV値)が36%である樹脂粒子を得た。
【0158】
〔実施例6〕
色素としてDAA51(山田化学工業株式会社製)0.09gに代えて「YELLOW 93」(中央合成化学株式会社製)0.09g(重合体100重量部に対して0.1重量部)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒子径が8.1μmであり、粒子径の変動係数(CV値)が35%である樹脂粒子を得た。
【0159】
〔実施例7〕
色素としてDAA51(山田化学工業株式会社製)0.09gに代えて「YELLOW 93」(中央合成化学株式会社製)0.9g(重合体100重量部に対して1重量部)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒子径が8.0μmであり、粒子径の変動係数(CV値)が34%である樹脂粒子を得た。
【0160】
〔実施例8〕
色素としてDAA51(山田化学工業株式会社製)0.09gに代えて「YELLOW 93」(中央合成化学株式会社製)0.09gを用い、単官能ビニル系単量体として、メタクリル酸メチル(MMA)63gに代えて、単官能(メタ)アクリル系単量体であるメタクリル酸メチル(MMA)36g(単量体混合物100重量%に対して40重量%)と、単官能スチレン系単量体であるスチレン(St)45g(単量体混合物100重量%に対して50重量%)とを用い、多官能ビニル系単量体として、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)27gに代えて、ジビニルベンゼン(DVB)9g(単官能(メタ)アクリル系単量体及び単官能スチレン系単量体100重量部に対して11重量部;単量体混合物100重量%に対して10重量%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、体積平均粒子径が8.1μmであり、粒子径の変動係数(CV値)が37%である樹脂粒子を得た。
【0161】
〔実施例9〕
色素としてDAA51(山田化学工業株式会社製)0.09gに代えて「YELLOW 93」(中央合成化学株式会社製)0.09g(重合体100重量部に対して0.1重量部)を用い、単官能ビニル系単量体として、メタクリル酸メチル(MMA)63gに代えて、単官能スチレン系単量体であるスチレン(St)81g(単量体混合物100重量%に対して90重量%)を用い、多官能ビニル系単量体として、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)27gに代えて、ジビニルベンゼン(DVB)9g(単官能(メタ)アクリル系単量体及び単官能スチレン系単量体100重量部に対して11重量部;単量体混合物100重量%に対して10重量%)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、体積平均粒子径が8.8μmであり、粒子径の変動係数(CV値)が33%である樹脂粒子を得た。
【0162】
〔実施例10〕
−種粒子の製造工程(1)−
攪拌機、温度計及び還流コンデンサーを備えたセパラブルフラスコに、水性媒体としてのイオン交換水1300gと、単官能(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸メチル(MMA)320gに連鎖移動剤としてのn−オクチルメルカプタン3gを溶解させたものとを投入して、攪拌しながら窒素雰囲気下で70℃に昇温した。重合開始剤としての過硫酸アンモニウム1.6gをイオン交換水300gに溶解させたものを続けて投入して、70℃で12時間攪拌し、重合反応を行って、ポリメタクリル酸メチル粒子(以下、種粒子(1)という)を含むスラリーを得た。得られた種粒子(1)を含むスラリーにおいて、種粒子(1)の体積平均粒子径は0.5μmであり、固形分濃度は、14重量%であった。
【0163】
−種粒子の製造工程(2)−
攪拌機、温度計及び還流コンデンサーを備えたセパラブルフラスコに、水性媒体としてのイオン交換水1300gと、単官能(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸メチル(MMA)320gに連鎖移動剤としてのn−オクチルメルカプタン3gを溶解させたものとを投入した。更に、上記で得られた種粒子(1)のスラリー160gを加え、これを攪拌しながら窒素雰囲気下で70℃に昇温した。重合開始剤としての過硫酸アンモニウム1.6gをイオン交換水300gに溶解させたものを続けて投入して、70℃で12時間攪拌し、重合反応を行って、ポリメタクリル酸メチル粒子(以下、種粒子(2)という)を含むスラリーを得た。得られた種粒子(2)を含むスラリーにおいて、種粒子の体積平均粒子径は1.1μmであり、固形分濃度は、14重量%であった。
【0164】
−樹脂粒子の製造工程−
攪拌機、温度計を備えた5Lの反応器に、単官能(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸メチル(MMA)700gと、多官能ビニル系単量体としてのエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)300gと、色素としての「YELLOW 93」(中央合成化学株式会社製)1.0g(重合体100重量部に対して0.1重量部)と、重合開始剤としての2,2’アゾビス(2−メチルブチロニトリル)6gとを入れて混合した。得られた混合物と、界面活性剤としてのコハクスルホン酸ナトリウム10gを含む水性媒体としてのイオン交換水1Lとを混合し、T.Kホモミキサー(プライミクス株式会社製)により8000rpmで10分間処理して水性乳化液を得た。この水性乳化液に種粒子(2)のスラリー68gを攪拌しながら加えた。
【0165】
3時間の攪拌後、分散液を光学顕微鏡で観察したところ、水性乳化液中の単官能(メタ)アクリル系単量体及び多官能ビニル系単量体が種粒子(2)に吸収されていることが確認できた(膨潤倍率:約120倍)。その後、高分子分散安定剤としてのポリビニルアルコール(株式会社クラレ製の「PVA−224E」)40gを溶解した水溶液2000gを反応器にさらに加え、60℃で6時間攪拌しながら重合をさせて、樹脂粒子を得た。得られた樹脂粒子の体積平均粒子径は5.2μmであり、粒子径の変動係数(CV値)は10%であった。
【0166】
なお、本実施例では、前記樹脂粒子の製造に使用した原料のうちで重合反応に関与して前記樹脂粒子を形成する全ての成分(単官能(メタ)アクリル系単量体及び多官能ビニル系単量体)の量100重量%に対して、単官能(メタ)アクリル系単量体の割合が70重量%であり、多官能ビニル系単量体の割合が30重量%である。また、前記樹脂粒子を形成する単官能(メタ)アクリル系単量体100重量部に対して、前記樹脂粒子を形成する多官能ビニル系単量体の量は、43重量部である。
【0167】
〔実施例11〕
色素としての「YELLOW 93」(中央合成化学株式会社製)の使用量を、10g(重合体100重量部に対して1.0重量部)としたこと以外は、実施例10と同様にして、体積平均粒子径が5.0μmであり、粒子径の変動係数(CV値)が11%である樹脂粒子を得た。
【0168】
〔実施例12〕
樹脂粒子の製造工程において、色素として、「YELLOW 93」(中央合成化学社製)1.0g(重合体100重量部に対して0.1重量部)に代えて、DAA51(山田化学工業株式会社製)1.0g(重合体100重量部に対して0.1重量部)を使用し、単官能ビニル系単量体として、メタクリル酸メチル(MMA)700gに代えて、単官能(メタ)アクリル系単量体であるメタクリル酸メチル(MMA)400gと、単官能スチレン系単量体であるスチレン(St)500gとを用い、多官能ビニル系単量体として、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)300gに代えて、ジビニルベンゼン(DVB)100gを用いたこと以外は、実施例10と同様にして、体積平均粒子径が5.0μmであり、粒子径の変動係数(CV値)が13%である樹脂粒子を得た。
【0169】
なお、本実施例では、前記樹脂粒子の製造に使用した原料のうちで重合反応に関与して前記樹脂粒子を形成する全ての成分(単官能(メタ)アクリル系単量体、単官能スチレン系単量体、及び多官能ビニル系単量体)の量100重量%に対して、単官能(メタ)アクリル系単量体の割合が40重量%であり、単官能スチレン系単量体の割合が50重量%であり、多官能ビニル系単量体の割合が10重量%である。また、前記樹脂粒子を形成する単官能(メタ)アクリル系単量体及び単官能スチレン系単量体100重量部に対して、前記樹脂粒子を形成する多官能ビニル系単量体の量は、11重量部である。
【0170】
〔実施例13〕
攪拌機及び温度計を備えた内容量5Lのオートクレーブ内に、水性媒体としての水3200gと、反応性アニオン性界面活性剤としてのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(第一工業製薬株式会社製、商品名「アクアロン(登録商標)KH−1025」;純分25重量%)2.3g(単量体混合物100重量部に対して純分で0.07重量部)とを供給した。次いで、オートクレーブ内へ、予め調製しておいた単官能(メタ)アクリル系単量体としてのメタクリル酸メチル(MMA)760g(単量体混合物100重量%に対して、95重量%)と多官能ビニル系単量体としてのメタクリル酸アリル(AMA、三菱レイヨン株式会社製、商品名「アクリエステル(登録商標)A」)40g(単官能(メタ)アクリル系単量体100重量部に対して5.2重量部;単量体混合物100重量%に対して5重量%)と、色素としての「YELLOW 93」(中央合成化学株式会社製)0.8g(重合体100重量部に対して0.1重量部)の混合液(単量体混合物)を供給した。オートクレーブの内容物を200rpmの攪拌回転数で攪拌しつつ、70℃に加熱した。次に、重合開始剤としての過硫酸アンモニウム(和光純薬工業株式会社製)8.0gを供給した後、70℃にて2時間に亘って攪拌を続けながら乳化重合を行った(1次恒温)。続いて、オートクレーブの内温を80℃に保つ処理(2次恒温)を1時間行って樹脂粒子を含むスラリーを得た後、スラリーを室温(約25℃)まで冷却した。冷却後のスラリー中における樹脂粒子の体積平均粒子径を測定した結果、スラリー中における樹脂粒子の体積平均粒子径は0.31μm、スラリー中における樹脂粒子の粒子径の変動係数(CV値)は15.2%であった。
【0171】
得られたスラリーを冷却及び湿式分級した後、給気温度を110℃にして噴霧乾燥することにより、樹脂粒子を得た。
【0172】
〔比較例1〕
色素としてのDAA51(山田化学工業株式会社製)0.09gを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、体積平均粒子径が8μmであり、粒子径の変動係数(CV値)が35%である樹脂粒子(クリアー粒子)を得た。得られた樹脂粒子の分光反射特性を図11に示す。
【0173】
〔比較例2〕
色素としての「VALIFAST(登録商標) YELLOW 1101」(オリヱント化学工業株式会社製)の使用量を0.0009g(重合体100重量部に対して0.001重量部)に変更したこと以外は、実施例2と同様にして、体積平均粒子径が8μmであり、粒子径の変動係数(CV値)が35%である樹脂粒子を得た。
【0174】
【表1】
【0175】
表1に示されるように、実施例1〜13の樹脂粒子のb*値は、10〜80の範囲内であった。
【0176】
図8図10図11との比較により、b*値が10〜80の範囲内である樹脂粒子(実施例2〜4)は、b*値が10未満である樹脂粒子(比較例1)と比較してブルーライトを効果的にカットできることが分かる。また、図8図10図11との比較により、色素の添加量が重合体100重量部に対して0.005〜2重量部の範囲内である樹脂粒子(実施例2〜4)は、色素の添加量が重合体100重量部に対して0.005重量部未満である樹脂粒子(比較例1)と比較してブルーライトを効果的にカットできることが分かる。
【0177】
〔フィルムの実施例・比較例〕
〔実施例14〕
紫外線硬化型の樹脂バインダー(光重合性多官能単量体)であるジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ダイセル・サイテック株式会社製、DPHA)10重量部と、光重合開始剤としての「イルガキュア(登録商標)184」(BASFジャパン株式会社製)0.5重量部と、上述の実施例1で得られた樹脂粒子10重量部と、希釈剤としてのメチルエチルケトン26重量部とを十分混合して、塗料組成物を調製した。
【0178】
6番(♯6)のバーコーターを用いてこの塗料組成物を188μm厚のPETフィルム上に塗布し、塗料組成物の層を形成した。塗料組成物の層を60℃で1分間加熱して乾燥した後、窒素パージ下、高圧水銀灯で照射量500mJ/cm2の紫外線を乾燥された塗料組成物の層に照射することにより、乾燥された塗料組成物の層を硬化させ、表面凹凸を有する防眩性のフィルムを得た。得られたフィルムの分光特性を図12に示す。
【0179】
〔実施例15〕
実施例1で得られた樹脂粒子に代えて実施例4で得られた樹脂粒子を用いたこと以外は、実施例14と同様にして、フィルムを得た。得られたフィルムの分光透過特性を図13に示す。
【0180】
〔比較例3〕
実施例1で得られた樹脂粒子に代えて比較例1で得られた樹脂粒子を用いたこと以外は、実施例14と同様にして、フィルムを得た。得られたフィルムの分光透過特性を図14に示す。
【0181】
図12及び13と図14との比較により、b*値が10〜80の範囲内である樹脂粒子を用いたフィルム(実施例14及び15)は、b*値が10未満である樹脂粒子を用いたフィルム(比較例3)と比較してブルーライトを効果的にカットできることが分かる。また、図12及び13と図14との比較により、色素の添加量が重合体100重量部に対して0.005〜2重量部の範囲内である樹脂粒子を用いたフィルム(実施例14及び15)は、色素の添加量が重合体100重量部に対して0.005重量部未満である樹脂粒子を用いたフィルム(比較例3)と比較してブルーライトを効果的にカットできることが分かる。
【0182】
〔樹脂成形体の実施例〕
〔実施例16〕
実施例8の樹脂粒子2.0重量部と、透明樹脂としての(メタ)アクリル系樹脂(旭化成ケミカルズ株式会社製の「デルペット(登録商標)80N」)100重量部とを、ヘンシェルミキサーで15分間混合した。この混合物を一軸押出機(株式会社ホシプラスチック社製、製品名R50)を用いて温度250〜280℃、吐出量10〜25kg/hの条件で押出し、水冷後、ペレタイザーでカットし、ペレット状の樹脂組成物を得た。次いで、得られた樹脂組成物を原料として射出成形し、3mm厚、50mm×100mmの板状の樹脂成形体を得た。得られた樹脂成形体の全光線透過率及びヘイズを表2に示し、得られた樹脂成形体の分光透過特性を図15に示す。
【0183】
〔実施例17〕
実施例8の樹脂粒子の使用量を、1.0重量部とした以外は、実施例16と同様にして、3mm厚、50mm×100mmの板状の樹脂成形体を得た。得られた樹脂成形体の全光線透過率、及びヘイズを表2に示し、得られた樹脂成形体の分光透過特性を図16に示す。
【0184】
〔実施例18〕
実施例8の樹脂粒子の使用量を、0.5重量部とした以外は、実施例16と同様にして、3mm厚、50mm×100mmの板状の樹脂成形体を得た。得られた樹脂成形体の全光線透過率、及びヘイズの測定結果を表2に示し、得られた樹脂成形体の分光透過特性を図17に示す。
【0185】
【表2】
【0186】
図15〜17より、b*値が10〜80の範囲内である実施例8の樹脂粒子を含む樹脂成形体(実施例16〜18)は、ブルーライトをカットできるものであることが分かる。また、図15〜17より、樹脂成形体における樹脂粒子の含有量が多いほど、効果的にブルーライトをカットできることが分かる。また、表2に示す全光線透過率の測定結果より、実施例16〜18の樹脂粒子は、十分に光を透過することができるものであることが分かる。また、表2に示すヘイズの測定結果より、実施例8の樹脂粒子を含む樹脂成形体は、光拡散性を有するものであり、樹脂成形体における樹脂粒子の含有量が多いほど、光拡散性に優れることがわかる。
【0187】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施例はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0188】
また、この出願は、2013年2月4日に日本で出願された特願2013−019811に基づく優先権を請求する。これに言及することにより、その全ての内容は本出願に組み込まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0189】
本発明のフィルムは、パーソナルコンピュータ用モニター、タブレット型パーソナルコンピュータの表示部、ノート型パーソナルコンピュータの表示部、携帯電話機の表示部等として使用される液晶ディスプレイ等のディスプレイの表面上に配置される防眩フィルムや保護フィルム等として利用でき、特にLEDを光源として備えるディスプレイの表面上に配置される防眩フィルム又は保護フィルムとして有用である。本発明の塗料組成物は、例えば上記防眩フィルムや保護フィルム等の製造に利用できる。
【0190】
本発明の樹脂成形体は、照明デバイスを覆う照明カバー等として利用でき、特にLED照明デバイスを覆う照明カバー(LED照明カバー)として有用である。
【0191】
本発明の樹脂粒子は、上記防眩フィルムや上記照明カバーの製造に利用できる。
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