【課題を解決するための手段】
【0013】
内燃機関によって駆動される車両の排気系のためのマフラの実施形態は、気密筐体と、筐体内に配置された少なくとも1つの仕切壁と、少なくとも1つの入口管と、少なくとも1つの出口管(第1の種類の出口管)と、少なくとも1つの好ましくは切替可能な第2の出口管(第2の種類の出口管)と、少なくとも1つの共鳴器管とを含む。少なくとも1つの仕切壁は、筐体の内部を第1の空間と該第1の空間とは別の第2の空間とに分割する。少なくとも1つの入口管、ならびに少なくとも1つの第1の出口管、少なくとも1つの第2の出口管、および少なくとも1つの共鳴器管は、第1の空間と流体連通(fluid communication)する。少なくとも1つの共鳴器管は、第2の空間とも流体連通し、それにより、全体として第1の空間と第2の空間との間に流体連通を提供する。少なくとも1つの第2の出口管は、第2の空間を通過し、少なくとも上記少なくとも1つの仕切壁を貫通する部分で、共鳴器管内に配置される。したがって、少なくとも1つの第2の出口管の長手方向に沿った部分であって、第2の出口管が少なくとも1つの仕切壁を貫通する部分において、少なくとも1つの共鳴器管は少なくとも1つの第2の出口管を周方向に完全に囲む。また、少なくとも1つの第1の出口管が、第2の空間と少なくとも1つの仕切壁とを貫通していてもよい。これにより、第1の空間と第2の空間との間の流体連通が、少なくとも部分的に、第2の出口管と共鳴器管との間に形成される環状の隙間によって提供される。複数の共鳴器管および複数の第2の出口管が存在する場合、各第2の出口管は、少なくとも1つの第2の出口管の長手方向に沿った部分であって、第2の出口管が少なくとも1つの仕切壁を貫通する部分において、1つの共鳴器管によって囲まれ得る。
【0014】
「仕切壁を貫通する」という表現は、これによって、管(例えば、少なくとも1つの第1の出口管、第2の出口管、または共鳴器管)が少なくとも1つの仕切壁を越えて第1の空間に突出する場合をいうだけでなく、管の口が少なくとも1つの仕切壁と同一平面にそろえられ、管と第1の空間との間の流体連通を提供する対応する開口部が仕切壁に設けられている場合もいう。
【0015】
第2の出口管に関して、「第2の出口管の長手方向に沿った部分であって、第2の出口管が少なくとも1つの仕切壁を貫通する部分」という表現は、一実施形態によると、共鳴器管が仕切壁を越えて第1の空間に突出するか、または共鳴器管の口が第1の仕切壁と同一平面にあって、共鳴器管と第1の空間との間に流体連通を提供する対応する開口部が仕切壁に設けられており、第2の出口管の口が仕切壁に対して第2の空間側へずらされて共鳴器管内に配置されている場合もいう。代替の実施形態によると、第2の出口管が仕切壁を越えて第1の空間に突出するか、または、第2の出口管の口が第1の仕切壁と同一平面にそろえられ、第2の出口管と第1の空間との間に流体連通を提供する対応する開口部が仕切壁に設けられる。そして、第2の出口管は、少なくともその口の周辺の領域において、共鳴器管内に配置される。
【0016】
流体連通は、それによって、直接的に、すなわち、さらなる構成要素(特に、管もしくは仕切壁に形成された開口部)を流れることなく、または、間接的に、すなわち、さらなる構成要素(特に、管もしくは仕切壁に形成された開口部)を通る流れによって、提供され得る。
【0017】
「気密筐体」という用語は、少なくとも1つの入口管、少なくとも1つの第1の出口管、および少なくとも1つの第2の出口管が筐体の壁を貫通することを明確に含み、それによって、この目的のために適切な開口部が筐体の壁に設けられ得る。少なくとも1つの入口管、少なくとも1つの第1の出口管、および少なくとも1つの第2の出口管は、そのような場合、上記開口部において筐体の壁に対して気密に封止される。このため、筐体の第1の空間は、少なくとも1つの入口管、少なくとも1つの第1の出口管、および第2の出口管を介して外部から直接的にアクセスでき、筐体の第2の空間は、第1の空間と共鳴器管とを介して外部から間接的にアクセスできる。これにより、少なくとも1つの入口管によって第1の空間に流体、特に排気ガスを送り込むことが可能であり、流体は、その後、少なくとも1つの第1の出口管および第2の出口管を介して、第1の空間から排出され、それによって、筐体から排出される。第2の空間は共鳴器管を除いては閉じられているため、第1の空間に流体が充満していても第1の空間と第2の空間との間での空気交換はほとんどない。
【0018】
筐体内に設けられた第2の空間の大きさは一定であり、ヘルムホルツ空間を形成する。第1の空間と第2の空間との間に流体連通を提供する共鳴器管は、ヘルムホルツ管を形成する。このように第2の空間と共鳴器管とによって形成されたヘルムホルツ共鳴器の共鳴振動数(固有振動数)は、とりわけ、ヘルムホルツ管を形成する共鳴器管の有効長さによって決まる。
【0019】
第2の出口管の長手方向のある部分を共鳴器管内に配置することにより、第2の出口管と共鳴器管とが正しく設置されている場合には、ヘルムホルツ管を形成する共鳴器管の有効容積を、第2の出口管を接続・接続解除することによって変更することが可能である。共鳴器管の有効容積は、筐体内の第1の空間と第2の空間との間の定在気柱(standing air column)の寸法によって規定される。この定在気柱の寸法は、第2の出口管が接続または接続解除されるのに応じて変わり得る。それによって、定在気柱は、完全にまたは部分的に共鳴器管内に配置され得、また、第1の空間と第2の空間との間の第2の出口管の部分をさらに含み得る。「接続する」とは、これによって、第2の出口管が開いていて、流体、特に排気ガスを通過させることを意味し、「接続解除する」とは、第2の出口管が閉じられて、流体、特に排気ガスを通過させないことを意味する。このようにして、第2の空間と共鳴器管とからこのように形成されたヘルムホルツ共鳴器を、少なくとも2つの異なる共鳴振動数(固有振動数)間で切り替えることができる。第2の出口管の接続・接続解除によってマフラの流れ抵抗も変えられる。
【0020】
結果として、本発明に係る構造により、第2の出口管を接続・接続解除することによって、共鳴振動数(固有振動数)の変更による消音特性の変更と、マフラの流れ抵抗の変更とを、同時に行うことが可能になる。したがって、内燃機関の2つの異なる動作状況に関してマフラを消音特性の点と流れ抵抗の点で同時に調整することが可能である。このことによって、マフラを通過する排気騒音のより良好な騒音消音と内燃機関の燃料消費量の低減とが可能になる。
【0021】
これに関連して、入口管は内燃機関と流体連通するように構成され得、第1および第2の出口管は排気系のテールパイプと流体連通するように構成され得る。あるいは、入口管は排気系のテールパイプと流体連通するように構成され得(その結果、入口管は出口管の機能を担う)、第1および第2の出口管は内燃機関と流体連通するように構成され得る(その結果、第1および第2の出口管は入口管の機能を担う)。
【0022】
上記マフラの第1の実施形態によると、第2の出口管は、共鳴器管の長さの全体にわたって共鳴器管内に配置され、第2の出口管の壁は、共鳴器管によって囲まれた部分に開口部を含む。この部分は、完全に第1の空間に位置していてもよく、完全に第2の空間に位置していてもよく、部分的に第1の空間に位置し部分的に第2の空間に位置していてもよい。第2の出口管は、これによって、共鳴器管を越えて第1の空間の中まで延びていてもよく、第2の出口管の口が共鳴器管の口と同一平面にあってもよい。第2の出口管が接続解除されている(閉じられている)とき、共鳴器管の内壁と第2の出口管の外壁との間の環状の隙間は、共鳴器管の全長にわたってヘルムホルツ管として作用する。さらに、第2の出口管が接続解除されている(閉じられている)とき、共鳴器管と第2の出口管との間の環状の隙間および第2の出口管の開口部を介して第2の空間と流体連通するさらなる定在気柱が、第2の出口管の一部までもがヘルムホルツ管として作用するように、第1の空間と第2の空間との間の第2の出口管内に位置する。第2の出口管が接続されている(開いている)とき、筐体の第2の空間に位置する共鳴器管の端から第2の出口管の開口部が配置された部分まで延びる共鳴器管の部分が、主にヘルムホルツ管として作用する部分を形成する。
【0023】
上記マフラの第2の実施形態によると、入口管と第2の出口管とが一体形成されて単体の管を形成する。この単体の管の壁は、該単体の管が第1の空間内に位置するが共鳴器管の内部には位置しない(すなわち、外部に位置する)部分、したがって共鳴器管によって周方向に囲まれていない部分に、開口部をさらに含む。流体、特に排気ガスは、これらの開口部を通じて第1の空間に供給され得る。単体の管の壁はまた、該単体の管が共鳴器管内に位置する第2の部分、したがって共鳴器管によって周方向に囲まれている第2の部分に、開口部をさらに含む。この第2の部分は、完全に第1の空間に配置されていてもよく、完全に第2の空間に配置されていてもよく、部分的に第1の空間に配置され部分的に第2の空間に配置されていてもよい。第2の出口管が接続解除されている(閉じられている)とき、共鳴器管の内壁と単体の管の外壁との間に形成された環状の隙間が、共鳴器管の長さ全体にわたってヘルムホルツ管として作用する。さらに、第2の出口管が接続解除されている(閉じられている)ときは、第1の空間と第2の空間との間の上記単体の管内にさらなる定在気柱が位置し、該定在気柱は、共鳴器管と単体の管との間の環状の隙間と単体の管の開口部とを通じて第1および第2の空間と流体連通するため、単体の管の一部分もヘルムホルツ管として作用する。第2の出口管が接続されている(開いている)ときは、筐体の第2の空間内に位置する共鳴器管の端から第2の出口管の開口部が形成された第2の部分まで延びる共鳴器管の部分が、主にヘルムホルツ管として作用する。
【0024】
第1および第2の実施形態によると、共鳴器管は、第1の空間内に位置して第2の出口管または単体の管に気密に結合された端を含んでいてもよい。その際、第1の空間と第2の空間との間の流体連通は、第2の出口管または単体の管と共鳴器管との間に形成された環状の隙間を通る1つの部分と、第2の出口管または単体の管の開口部と第2の出口管または単体の管の中とを通る別の部分とにおいてのみ提供される。
【0025】
上記マフラの第3の実施形態によると、共鳴器管は、共鳴器管が第1の空間内に位置し、第2の出口管がない(したがって、第2の出口管が共鳴器管によって周方向に囲まれていない)第1の部分と、共鳴器管が第2の出口管を収容する第2の部分とを含む。よって、第2の出口管の口は、共鳴器管内に位置し、かつ、筐体の第1の空間内に配置された共鳴器管の端から離間されており、それにより、第2の出口管は、共鳴器管内で終わる。その際、明らかに、第2の部分は、第2の出口管が接続されている(開いている)ときに第2の出口管の中を移動する流体、特に排気ガスの流れに沿って第1の部分の下流に位置する。言い換えれば、第2の部分は、第1の部分よりも第2の空間寄りに位置する。第2の部分は、これによって、完全に第1の空間内に位置していてもよく、完全に第2の空間内に位置していてもよく、部分的に第1および第2の空間に位置していてもよい。第2の出口管が接続解除されている(閉じられている)とき、共鳴器管は、その長さの全体にわたってヘルムホルツ管として作用する。共鳴器管の上記第2の部分においては、共鳴器管と第2の出口管との間に形成された環状の隙間のみが第1の空間と第2の空間との間の定在気柱に寄与するが、共鳴器管の上記第1の部分においては、共鳴器管の全内径が第1の空間と第2の空間との間の定在気柱に加わる。第2の出口管が接続されている(開いている)とき、筐体の第2の空間内に位置する共鳴器管の端から第2の出口管の口まで延びる共鳴器管の部分が、主にヘルムホルツ管として作用する。
【0026】
第3の実施形態によると、入口管の口がさらに共鳴器管内に配置されてもよい。さらに、共鳴器管の壁も、共鳴器管に第2の出口管がない部分において開口部を有さなくてもよい。あるいは、またはさらに、共鳴器管の壁は、共鳴器管に第2の出口管がない部分において開口部を有していてもよい。
【0027】
上記マフラの第4の実施形態によると、共鳴器管と入口管とが一体形成されて単体の管を形成する。この単体の管は、第2の空間につながる。単体の管の壁は、該単体の管が第1の空間を通過する第1の部分に、入口管と第1の空間との間に流体連通を提供する開口部を含む。単体の管の壁は、少なくとも該単体の管が第2の出口管を囲む第2の部分においては開口部を有さない。単体の管の壁は、任意に、少なくとも該単体の管が第2の出口管を囲む第3の部分において開口部を含む。その際、明らかに、第2の部分は、単体の管の中を移動する流体、特に排気ガスの流れに沿って上記第1の部分の下流に配置される。
【0028】
第3および第4の実施形態によると、第2の出口管の壁は、共鳴器管によって囲まれた部分に開口部を有し得る。
【0029】
第1〜第4の実施形態に従う上記マフラの実施形態は、任意に、マフラの筐体の内部または外部で第2の出口管内に配置され、第2の出口管を選択により閉じるように構成されたフラップをさらに含む。さらに、制御装置、特にエンジン制御ユニットに結合されるかまたは結合されるように適合された電気モータが、フラップを選択的に開閉するために設けられてもよい。フラップの開閉は、特に、車両の内燃機関の回転数または負荷に応じて行われ得る。電気モータを用いる代わりに、フラップを空気圧または油圧により動作させて、フラップを例えば負圧の印加によって開位置へ動かしてもよい。あるいは、フラップが、例えばバネを用いて、第2の出口管を閉じる位置へ付勢され、その付勢力は、排気ガスによってフラップに加えられる圧力が所定の値に等しくなるとフラップが当該付勢力に逆らって開かれるように選択されてもよい。
【0030】
実施形態によると、第1の出口管の外壁は、少なくとも1つの仕切壁に気密に接続される。
【0031】
実施形態によると、共鳴器管の外壁は、少なくとも1つの仕切壁に気密に接続される。
【0032】
実施形態によると、共鳴器管が第2の出口管を囲む部分において、第2の出口管の外壁と共鳴器管の内壁との間に放射状支持体が配置され、当該放射状支持体によって第2の出口管が共鳴器管を支持する。このため、第2の出口管と共鳴器管との間に形成された環状の隙間は、当該支持体によって数箇所で部分的に閉じられる。
【0033】
実施形態によると、入口管は、第1の出口管または第2の出口管と一直線にそろえられる。このように一直線にそろえることによって流れ抵抗をさらに低減することが可能である。
【0034】
実施形態は、筐体内で第1の空間と第2の空間との間に配置されて防音材を収容する第3の空間を画定する少なくとも第2の仕切壁をさらに含む。その際、共鳴器管と、該当する場合には少なくとも1つの第1の出口管と第2の出口管とのうちの少なくとも1つとが、少なくとも1つの第1の仕切壁と少なくとも1つの第2の仕切壁との両方を貫通してもよい。
【0035】
実施形態によると、共鳴器管の断面は、その長さの全体にわたって一定である。
【0036】
実施形態によると、共鳴器管の断面は、共鳴器管の長さに沿って変化し、特に各口の周辺で大きくなる。
【0037】
実施形態によると、少なくとも1つの第1の出口管の断面は、その長さの全体にわたって一定である。
【0038】
実施形態によると、少なくとも1つの第1の出口管の断面は、第1の出口管の長さに沿って変化し、特に各口の周辺で大きくなる。
【0039】
実施形態によると、第2の出口管の断面は、その長さの全体にわたって一定である。
【0040】
実施形態によると、第2の出口管の断面は、第2の出口管の長さに沿って変化し、特に各口の周辺で大きくなる。
【0041】
断面の変化は、例えば、それぞれの管を段階的または連続的に広げたり先細りさせたりすることおよび/またはそれぞれの管の口部分をフレア状に広げることによって、達成され得る。
【0042】
実施形態によると、第1の出口管および第2の出口管は、フラップの下流で接続片によって接続されて単一の出口管を形成する。この接続片は、筐体の内部または外部に配置され得る。
【0043】
実施形態によると、少なくとも1つの第1の出口管が、第2の空間と少なくとも1つの仕切壁とを通過し、少なくとも1つの第1の出口管の壁は、少なくとも当該少なくとも1つの第1の出口管が第2の空間を通過する部分においては、開口部を有さないか、または、少なくとも1つの第1の出口管の壁は、少なくとも当該少なくとも1つの第1の出口管が第2の空間を通過する部分において、開口部を有する。
【0044】
実施形態によると、第2の出口管の壁は、少なくとも当該第2の出口管が第2の空間を通過する部分においては、開口部を有さないか、または、第2の出口管の壁は、少なくとも当該第2の出口管が第2の空間を通過する部分において、開口部を有する。
【0045】
実施形態によると、共鳴器管の壁は、少なくとも当該共鳴器管が第2の空間内に位置する部分においては、開口部を有さないか、または、共鳴器管の壁は、少なくとも当該共鳴器管が第2の空間内に位置する部分において、開口部を有する。
【0046】
実施形態によると、入口管は、第2の空間を通過し、入口管の壁は、少なくとも当該入口管が第2の空間を通過する部分においては、開口部を有さないか、または、入口管の壁は、少なくとも当該入口管が第2の空間を通過する部分において、開口部を有する。
【0047】
実施形態によると、少なくとも1つの第1の仕切壁および/または少なくとも1つの第2の仕切壁が開口部を有さないか、または、上記少なくとも1つの仕切壁が開口部を有する。
【0048】
実施形態によると、筐体は、ステンレス鋼またはシート鋼からなる。
【0049】
実施形態によると、少なくとも1つの仕切壁は、ステンレス鋼またはシート鋼からなる。
【0050】
実施形態によると、少なくとも1つの第1の入口管がステンレス鋼もしくはシート鋼からなるか、または、全ての入口管がステンレス鋼もしくはシート鋼からなる。
【0051】
実施形態によると、少なくとも1つの第1の出口管がステンレス鋼もしくはシート鋼からなるか、または、全ての第1の出口管がステンレス鋼もしくはシート鋼からなる。
【0052】
実施形態によると、少なくとも1つの第2の出口管がステンレス鋼もしくはシート鋼からなるか、または、全ての第2の出口管がステンレス鋼もしくはシート鋼からなる。
【0053】
実施形態によると、少なくとも1つの共鳴器管がステンレス鋼もしくはシート鋼からなるか、または、全ての共鳴器管がステンレス鋼もしくはシート鋼からなる。
【0054】
実施形態によると、少なくとも1つの入口管が筐体内で直線状であるか、または、全ての入口管が筐体内で直線状である。
【0055】
実施形態によると、少なくとも1つの第1の出口管が筐体内で直線状であるか、または、全ての第1の出口管が筐体内で直線状である。
【0056】
実施形態によると、少なくとも1つの第2の出口管が筐体内で直線状であるか、または、全ての第2の出口管が筐体内で直線状である。
【0057】
実施形態によると、少なくとも1つの共鳴器管が直線状であるか、または、全ての共鳴器管が直線状である。
【0058】
実施形態によると、ただ1つの第2の出口管が設けられる。
【0059】
実施形態によると、ただ1つの共鳴器管が設けられる。
【0060】
実施形態によると、ある管がある空間内またはある位置で終わるという表現は、その管の口がその空間内にあるかまたはその位置にあるというように解釈されるべきである。
【0061】
実施形態は、ヘルムホルツ空間と流体連通する共鳴器管の中に配置された切替可能な出口管の概念を共有し、それによって、共鳴器管によって提供されるヘルムホルツ管の長さは切替可能な出口管の動作状況に応じて変化する。
【0062】
実施形態によると、切替可能な第2の出口管の動作状況ごとに、定在気柱ひいては共鳴器管が第1の空間と第2の空間との間に形成され、定在気柱は、第2の空間と共にヘルムホルツ共鳴器を形成する。定在気柱の長さおよび/または断面は、切替可能な第2の出口管の動作状況に応じて変わる。
【0063】
実施形態によると、2つ以上の共鳴器管が設けられる。これらのさらなる共鳴器管は排気管を有していなくてもよい。あるいは、これらのさらなる共鳴器管のいくつかまたは全てがそれぞれ排気管を内部に収容していてもよい。これらの排気管のいくつかまたは全てが切替可能であってもよい。これらの共鳴器管は、これによって、同じまたは異なるヘルムホルツ空間と相互作用し得る。これらの共鳴器管は、さらに、寸法が等しくても異なっていてもよい。
【0064】
実施形態によると、少なくとも1つの第1の出口管の口は、少なくとも1つの仕切壁と同一平面にそろえられ、仕切壁には、少なくとも1つの第1の出口管と第1の空間との間に流体連通を提供する少なくとも1つの対応する開口部が設けられる。
【0065】
実施形態によると、第2の出口管の口は、少なくとも1つの仕切壁と同一平面にそろえられ、仕切壁には、少なくとも1つの第2の出口管と第1の空間との間に流体連通を提供する少なくとも1つの対応する開口部が設けられる。
【0066】
実施形態によると、第2の出口管の口は、少なくとも1つの仕切壁と同一平面にそろえられ、仕切壁には、少なくとも1つの第2の出口管と第1の空間との間に流体連通を提供する少なくとも1つの対応する開口部が設けられる。
【0067】
実施形態によると、共鳴器管の口は、少なくとも1つの仕切壁と同一平面にそろえられ、仕切壁には、共鳴器管と第1の空間との間に流体連通を提供する少なくとも1つの対応する開口部が設けられる。
【0068】
この関連において、本明細書および特許請求項において特徴を列挙するために用いられる用語「含む(including)」、「含む(comprising)」、「含有する(contain)」、「有する(have)」、および「備える(with)」、ならびにそれらの文法的変化は、概して、例えば方法のステップ、構成要素、範囲、寸法などのような特徴の非制限的な列挙を示すものとして理解されるべきであり、1つまたは複数の他の特徴または他のもしくは追加の特徴のグループの存在あるいは追加を除外するものではない。