特許第6063080号(P6063080)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6063080
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】テープカッター
(51)【国際特許分類】
   B65H 35/07 20060101AFI20170106BHJP
【FI】
   B65H35/07 N
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-69495(P2016-69495)
(22)【出願日】2016年3月10日
【審査請求日】2016年3月10日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】316003014
【氏名又は名称】西島 孝一
(74)【法定代理人】
【識別番号】316003003
【氏名又は名称】西島 宝子
(72)【発明者】
【氏名】西島 孝一
【審査官】 西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/030395(WO,A1)
【文献】 特開平03−264471(JP,A)
【文献】 特開2011−084390(JP,A)
【文献】 特開2014−227240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 35/07
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープカッター台と、輪状テープと一体化され、シャフトを有し、該シャフトを介して該テープカッター台に回転自在に軸支されるテープ回転部と、該テープ回転部と一体化された輪状テープから繰り出されるテープをカットするためのテープカッター部とを備えるテープカッターであって、
前記テープカッター台に軸支されたテープ回転部及び前記テープカッター部の間で張ったテープの上部に、水平、かつ、テープの繰り出し方向に対して長軸が直角となる配置に設けられ、高さが調整可能な棒状のテープ摘まみ形成部を備えるテープカッター。
【請求項2】
請求項1に記載のテープカッターであって、
前記テープ摘まみ形成部は、前記テープカッター台に軸支されたテープ回転部及び前記テープカッター部の間で張ったテープの上部において、該テープの幅のほぼ1/3を占めるよう配置されるテープカッター。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のテープカッターであって、
前記テープ摘まみ形成部は、
非粘着性、又は、弱粘着性の加工が施されてなり、
前記テープカッター台に軸支されたテープ回転部及び前記テープカッター部の間で張ったテープの上部にテープの繰り出し方向に対して長軸が直角となる配置と、前記テープ回転部及び前記テープカッター部の間で張ったテープの上部から外れる配置との間で移動可能であり、
前記テープ回転部が、前記輪状テープから繰り出されるテープの粘着面が上向きになるよう前記テープカッター台に取り付けられ、前記テープ摘まみ形成部が前記テープ回転部と前記テープカッターとの間で張られたテープの上部に配置された状態において、前記輪状テープから繰り出されたテープの非粘着面が押し上げられ、該テープの粘着面で前記テープ摘まみ形成部が挟み込まれ、前記テープ摘まみ形成部が、移動して、貼り合わされた粘着面から取り外されることで摘まみが形成されるテープカッター。
【請求項4】
請求項1〜のいずれか一に記載のテープカッターであって、さらに、
前記テープ回転部が前記テープカッター台に取り付けられた状態でテープを繰り出す向きを前方とするとき、前記テープカッター部の刃の後方に、テープの非粘着面と粘着し、テープを仮固定させるテープ仮固定部を備えるテープカッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貼着した際の見栄えがよく、長さ調整可能なテープ摘まみを刃に触れることなく作製できるテープカッターに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばテープ止めによって梱包された包装を開封する際に、通常テープは、端まで貼着されており、端が見つけにくく、剥がすのに思わぬ手間と時間がかかってしまうことがある。スムーズな包装の開封を可能とするために、例えばテープ止めする際、テープに摘まみを形成することが行われているが、貼着時に、その都度摘まみを作ることはテープに指紋が付き、端を折るにも手間がかかるという不便さがあった。
【0003】
この不便さを解消すべく、テープ切断時に自動的に摘まみを形成するテープカッターが市販されている。この商品の1つに、株式会社コクヨの「つまんではる」がある(非特許文献1を参照)。しかしながら、このテープカッターは、テープを切った際の摘まみが、接地面に対して垂直に立ち上がるため、見栄えが良くないという問題があった。
【0004】
また、この種のテープカッターとして、特許文献1に開示された技術が知られている。このテープカッターによっても、自動的ではないが、摘まみを形成することができる。しかしながら、このテープカッターは、摘まみを形成する際に、指を刃に触れさせる必要があり、非常に危険であると共に、摘まみが短く、掴みにくいという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2014−227240号公報
【非特許文献】
【非特許文献】インターネット<URL:http://www.kokuyo−st.co.jp/stationery/tumamdehal/>
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、貼着した際の見栄えがよく、長さ調整可能なテープ摘まみを刃に触れることなく作製できるテープカッターを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の側面に係るテープカッターは、テープカッター台と、輪状テープと一体化され、シャフトを有し、該シャフトを介して該テープカッター台に回転自在に軸支されるテープ回転部と、該テープ回転部と一体化された輪状テープから繰り出されるテープをカットするためのテープカッター部とを備えるテープカッターであって、前記テープカッター台に軸支されたテープ回転部及び前記テープカッター部の間で張ったテープの上部に、水平、かつ、テープの繰り出し方向に対して長軸が直角となる配置に設けられた棒状のテープ摘まみ形成部を備えることを特徴としている。前記構成により、テープ回転部と前記テープカッター台との間で張られたテープの上部にテープ摘まみ形成部を設けたので、テープ回転部をテープの粘着面が上向きになるようテープカッター台に取り付けた後、テープ回転部と前記テープカッター台との間で張られたテープの非粘着面を押し上げ、テープ摘まみ形成部をテープの粘着面で挟み込むことで、刃に触れることなく、摘まみを形成することができる。また、前記構成により、形成されるテープ摘まみは、接地面との角度が0°から30°の範囲に収まるため、見栄えがよい。
【0009】
また、本発明の第2の側面に係るテープカッターは、前記テープ摘まみ形成部は、前記テープカッター台に軸支されたテープ回転部及び前記テープカッター部の間で張ったテープの上部において、該テープの幅のほぼ1/3を占めるよう配置されることを特徴としている。前記構成により、テープ摘まみ形成部は、該テープの幅のほぼ1/3を占めるように配置されているので、摘まみ付きテープを形成する際に、テープ摘まみ形成部をテープの粘着面で挟み込んで、引っ張り出す動作が容易にできるようになる。
【0010】
さらにまた、本発明の第3の側面に係るテープカッターは、前記テープ摘まみ形成部は、非粘着性、又は、弱粘着性の加工が施されてなり、前記テープカッター台に軸支されたテープ回転部及び前記テープカッター部の間で張ったテープの上部にテープの繰り出し方向に対して長軸が直角となる配置と、前記テープ回転部及び前記テープカッター部の間で張ったテープの上部から外れる配置との間で移動可能であり、前記テープ回転部が、前記輪状テープから繰り出されるテープの粘着面が上向きになるよう前記テープカッター台に取り付けられ、前記テープ摘まみ形成部が前記テープ回転部と前記テープカッター台との間で張られたテープの上部に配置された状態において、前記輪状テープから繰り出されたテープの非粘着面が押し上げられ、該テープの粘着面で前記テープ摘まみ形成部が挟み込まれ、前記テープ摘まみ形成部が、移動して、貼り合わされた粘着面から取り外されることで摘まみが形成されることを特徴としている。前記構成により、前記テープ摘まみ形成部は、非粘着性、又は、弱粘着性の加工が施されており、かつ、移動可能であるので、習熟しなくても簡単に、テープ摘まみ形成部を使用して、テープの粘着面を挟み込み、取り外して摘まみを形成することができる。なお、非粘着性、又は、弱粘着性の加工の例として、素材が非粘着性の素材とする、または、表面を非粘着性加工する、あるいは、テープ粘着面との接触面積を減少させる加工する、などが挙げられる。
【0011】
さらにまた、本発明の第4の側面に係るテープカッターは、前記テープ摘まみ形成部は、高さを調整可能としてなることを特徴としている。前記構成により、テープ摘まみ形成部が接地するテープの場所、つまり前記テープ摘まみ形成部が前記テープ回転部と前記テープカッター台との間で張られたテープの上部に配置された状態において、前記輪状テープから繰り出されたテープの非粘着面が押し上げられ、該テープの粘着面で前記テープ摘まみ形成部が挟み込まれる場所が変わるため、テープの摘まみの長さを変えることができる。
【0012】
さらにまた、本発明の第5の側面に係るテープカッターは、さらに、前記テープ回転部が前記テープカッター台に取り付けられた状態でテープを繰り出す向きを前方とするとき、前記テープカッター部の刃の後方に、テープの非粘着面と粘着し、テープを仮固定させるテープ仮固定部を備えることを特徴としている。前記構成により、非粘着面が下になっているテープをしっかりと仮固定部に留めることができ、テープを安定させることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、貼着した際の見栄えがよく、長さ調整可能なテープ摘まみを刃に触れることなく作製できるテープカッターを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明を適用したテープカッター本体を示す図である。
図2】本発明を適用したテープを設置したテープカッター本体を示す図である。
図3】本発明を適用したテープカッター本体を構成するテープ回転部を示す図である。
図4】本発明を適用したテープカッター本体を構成するつまみ形成部を示す図である。
図5】本発明を適用したテープカッター本体を構成する刃とテープ仮固定部を示す図である。
図6】本発明を適用したテープカッター本体を用いた摘まみ付きテープの形成方法の第一の説明図である。
図7】本発明を適用したテープカッター本体を用いた摘まみ付きテープの形成方法の第二の説明図である。
図8】本発明を適用したテープカッター本体を用いた摘まみ付きテープの形成方法の第三の説明図である。
図9】本発明を適用したテープカッターの試作品の概要図である。
図10】本発明を適用したテープカッターの試作品のつまみ形成部を示す図である。
図11】本発明を適用したテープカッターを構成するつまみ形成部の棒がスライド可能であることを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は、例えば、図1に示すようなテープカッターに適用される。
(テープカッター1の構成)
【0016】
テープカッター1は、図1に示すように、つまみ形成部2とテープ回転部5とテープ仮固定部7と刃8から構成される。
【0017】
テープカッター1は、樹脂、木材、金属、プラスチックなどで製造可能である。
【0018】
図2に示すように、テープTPは通常とは逆向き、つまり、粘着面が上になるように設置する。
【0019】
図3に示すように、テープ回転部5は軸6が中心を貫通しており、テープを回転させる。
【0020】
図4に示すように、つまみ形成部2は、穴3と棒4から構成される。穴3はいくつかあり、棒4の設置高さを変えることができる。さらに、棒4はテープを持ち上げ、粘着させた際、先がテープ幅の約2/3程度に位置する長さになっている。棒4はテープ粘着面と触れるため、非粘着性の素材で作られる。
【0021】
図5に示すように、テープ仮固定部7と刃8は隣接している。刃8は金属製の素材で作られる。テープが不安定な状態になるのを防ぐために、テープ仮固定部7は、半永久的な弱い粘着性素材で作られ、テープの下側、つまり非粘着側と粘着して固定する。
(テープカッター1の使用方法)
【0022】
以下、使用方法の説明をする。まず初期状態は、図2に示すように、テープの粘着面を上に非粘着面を下に向く状態で設置し、テープカッター1の刃側を前方にし、使用者と向かい合うように置く。
【0023】
次に、図6に示すように、使用者の右手親指や人差し指などを用いて、テープ下側からテープを持ち上げ、棒4に粘着させる。そして、親指と人差し指でつまみ形成場所9を挟み込むようにテープを粘着させる。挟み込むようにして粘着させたテープは、棒4が非粘着性素材で作られているため、つまみ形成場所9付近のみテープとテープが粘着している状態である。
【0024】
図7に示すように、つまみ形成場所9を親指と人差し指で挟み込んだ後、両指を離さず下におろす。棒7側はテープが粘着していないため、スムーズにおろすことができる。テープの約1/3は粘着してつまみができているので、テープをおろす際、自然に残りの部分もつまみになる。すると親指と人差し指でつまみを挟んだ状態になる。
【0025】
最後に、親指と人差し指を離さず、つまみを挟んだ状態のまま、テープを切ると、つまみ付きテープができる。この際、テープ粘着面に触れないため、指紋がつくことも無く、見た目がきれいである。さらに、棒7の高さを変えることで、テープを持ち上げた際に棒と触れる位置が変わり、つまみの長さが変わる。
【実施例1】
【0026】
図9に示すように、本発明を適用したテープカッターS1を製作し、つまみ形成部S2の高さによるつまみの長さの値を得た。図10に示すように、棒S4の高さを、穴S3に挿入することで、11cm、12cm、13cm、14cmに設置し、摘まみ付きテープをつくった結果、つまみの長さは2cm、1.5cm、0.8cm、0cmとなった。棒S4の高さ14cmではテープが棒S4に届かないため、つまみの長さは0cmとなった。
(変形例)
【0027】
つまみ形成部2の棒4は、図11に示すように、テープカッター台に軸支されたテープ回転部5及び刃8の間で張ったテープTPの上部にテープの繰り出し方向に対して長軸が直角となる配置と、テープ回転部5及び刃8の間で張ったテープTPの上部から外れる配置との間で移動可能に設けてもよい。こうすることで、棒4を、テープ回転部5と刃8との間で張られたテープTPの上部に配置し、テープTPから繰り出されたテープTPの非粘着面を押し上げ、テープTPの粘着面で棒4を挟み込んだ後、棒4を、スライドさせて、貼り合わされた粘着面から取り外すことで、習熟しなくても簡単に、つまみを形成することができる。なお、つまみ形成部2の棒4は、非粘着性、又は、弱粘着性の加工を施すことが望ましい。この加工の例として、素材が非粘着性の素材とする、または、表面を非粘着性加工する、あるいは、テープ粘着面との接触面積を減少させる加工する、などが挙げられる。
【0028】
なお、本発明は前述した実施の形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0029】
1 テープカッター
2 つまみ形成部
3 穴
4 棒
5 テープ回転部
6 軸
7 テープ仮固定部
8 刃
9 つまみ形成場所
S1 テープカッター
S2 つまみ形成部
S3 穴
S4 棒
TP テープ
【要約】
【課題】貼着した際の見栄えがよく、長さ調整可能なテープ摘まみを刃に触れることなく作製できるテープカッターを提供する。
【解決手段】テープカッター1と、輪状テープと一体化され、シャフトを有し、該シャフトを介して該テープカッター台に回転自在に軸支されるテープ回転部5と、該テープ回転部と一体化された輪状テープから繰り出されるテープをカットするためのテープカッター部8とを備えるテープカッターであって、テープカッター1に軸支されたテープ回転部5及びテープカッター部8の間で張ったテープの上部に、水平、かつ、テープの繰り出し方向に対して長軸が直角となる配置に設けられた棒状のテープ摘まみ形成部2を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11