特許第6063139号(P6063139)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6063139
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】遊技情報表示装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20170106BHJP
【FI】
   A63F5/04 512B
   A63F5/04 512D
【請求項の数】3
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2012-71488(P2012-71488)
(22)【出願日】2012年3月27日
(65)【公開番号】特開2013-202091(P2013-202091A)
(43)【公開日】2013年10月7日
【審査請求日】2014年12月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】特許業務法人 サトー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神谷 幸雄
【審査官】 池谷 香次郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−240024(JP,A)
【文献】 特開2011−239819(JP,A)
【文献】 特開2006−075493(JP,A)
【文献】 特開2011−239818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常状態よりも小役の入賞確率が高まる特別状態を発生可能な遊技機に対応して設けられる遊技情報表示装置であって、
遊技機から出力される遊技信号に基づいて当該遊技機の当日の遊技情報である累計遊技情報を集計する累計遊技情報集計手段と、
遊技の開始を特定可能な遊技開始特定手段と、
前記遊技開始特定手段が遊技の開始を特定した後における前記遊技機の遊技情報である個人遊技情報を集計する個人遊技情報集計手段と、
前記遊技機における所定の遊技結果を入力するために遊技者が操作する遊技者操作手段と、
前記累計遊技情報集計手段が集計した累計遊技情報、及び前記個人遊技情報集計手段が集計した個人遊技情報を表示する表示手段と、
前記遊技機の小役の入賞状況に基づいて前記特別状態を判定する特別状態判定手段と、
前記特別状態判定手段による判定結果に基づいて特別状態の発生回数を特定する発生回数特定手段と、を備え、
前記表示手段は、遊技者が前記遊技者操作手段により前記特別状態の発生回数を加算又は減算した場合に、前記累計遊技情報として前記発生回数特定手段が特定した特別状態の発生回数を表示すると共に、前記個人遊技情報として前記発生回数特定手段が特定した特別状態の発生回数に前記遊技者操作手段によって加算又は減算された値を表示することを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項2】
通常状態よりも小役の入賞確率が高まる特別状態を発生可能な遊技機に対応して設けられる遊技情報表示装置であって、
遊技機から出力される遊技信号に基づいて当該遊技機の当日の遊技情報である累計遊技情報を集計する累計遊技情報集計手段と、
遊技の開始を特定可能な遊技開始特定手段と、
前記遊技開始特定手段が遊技の開始を特定した後における前記遊技機の遊技情報である個人遊技情報を集計する個人遊技情報集計手段と、
前記遊技機における所定の遊技結果を入力するために遊技者が操作する遊技者操作手段と、
前記累計遊技情報集計手段が集計した累計遊技情報、及び前記個人遊技情報集計手段が集計した個人遊技情報を表示する表示手段と、
前記遊技機の小役の入賞状況に基づいて前記特別状態を判定する特別状態判定手段と、
前記特別状態判定手段による判定結果に基づいて特別状態の発生回数を特定する発生回数特定手段と、を備え、
前記特別状態判定手段は、所定の判定期間における小役の入賞状況が設定値に達した回数が所定回数以上連続した場合に前記特別状態であると判定する一方、所定回数以上連続しなかった場合に前記特別状態であると判定せず、
前記表示手段は、前記所定の期間における小役の入賞状況が設定値に達した後、前記特別状態であると判定するまでの期間内又は所定回数以上連続しなかったと判定するまでの期間内において、特別状態判定中であることを遊技者に報知するように構成されており、特別状態判定中であることを報知している期間中において遊技者により所定の特別状態肯定操作又は所定の特別状態否定操作が行われた場合に、特別状態判定中であることの報知を中止すると共に、前記累計遊技情報として前記発生回数特定手段が特定した特別状態の発生回数を表示し、前記個人遊技情報として前記所定の特別状態肯定操作が行われた場合に前記特別状態判定手段が特別状態であると判定する一方、前記所定の特別状態否定操作が行われた場合に前記特別状態であると判定しないものとして前記発生回数特定手段が特定した特別状態の発生回数を表示することを特徴とする遊技情報表示装置。
【請求項3】
前記遊技機における所定の遊技結果を計数するために遊技場従業員が操作する従業員操作手段を備え、
前記表示手段は、前記従業員操作手段による操作がされた場合に、該操作結果を反映した前記累計遊技情報、及び該操作結果を反映した前記個人遊技情報を表示することを特徴とする請求項1または2に記載の遊技情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機で所定の遊技状態が発生したことをカウントする機能を備えた遊技情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技場では、遊技機毎の遊技情報を集計し、その遊技情報を遊技者に対して表示する表示装置が設けられている。また、遊技者が自ら操作できる手動カウンタを設け、そのカウンタ値を表示する技術も知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−239818号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような手動カウンタは便利である反面、遊技者による悪戯が横行する可能性があり、遊技情報の信頼性が低下するという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、遊技情報の信頼性を確保しつつ手動でカウントする機能により利便性を向上させることが可能な遊技情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、通常状態よりも小役の入賞確率が高まる特別状態を発生可能な遊技機に対応して設けられる遊技情報表示装置であって、遊技機から出力される遊技信号に基づいて当該遊技機の当日の遊技情報である累計遊技情報を集計する累計遊技情報集計手段と、遊技の開始を特定可能な遊技開始特定手段と、前記遊技開始特定手段が遊技の開始を特定した後における前記遊技機の遊技情報である個人遊技情報を集計する個人遊技情報集計手段と、前記遊技機における所定の遊技結果を入力するために遊技者が操作する遊技者操作手段と、前記累計遊技情報集計手段が集計した累計遊技情報、及び前記個人遊技情報集計手段が集計した個人遊技情報を表示する表示手段と、前記遊技機の小役の入賞状況に基づいて前記特別状態を判定する特別状態判定手段と、前記特別状態判定手段による判定結果に基づいて特別状態の発生回数を特定する発生回数特定手段と、を備え、前記表示手段は、遊技者が前記遊技者操作手段により前記特別状態の発生回数を加算又は減算した場合に、前記累計遊技情報として前記発生回数特定手段が特定した特別状態の発生回数を表示すると共に、前記個人遊技情報として前記発生回数特定手段が特定した特別状態の発生回数に前記遊技者操作手段によって加算又は減算された値を表示するものである(請求項1)。
【0007】
本発明は、通常状態よりも小役の入賞確率が高まる特別状態を発生可能な遊技機に対応して設けられる遊技情報表示装置であって、遊技機から出力される遊技信号に基づいて当該遊技機の当日の遊技情報である累計遊技情報を集計する累計遊技情報集計手段と、遊技の開始を特定可能な遊技開始特定手段と、前記遊技開始特定手段が遊技の開始を特定した後における前記遊技機の遊技情報である個人遊技情報を集計する個人遊技情報集計手段と、前記遊技機における所定の遊技結果を入力するために遊技者が操作する遊技者操作手段と、前記累計遊技情報集計手段が集計した累計遊技情報、及び前記個人遊技情報集計手段が集計した個人遊技情報を表示する表示手段と、前記遊技機の小役の入賞状況に基づいて前記特別状態を判定する特別状態判定手段と、前記特別状態判定手段による判定結果に基づいて特別状態の発生回数を特定する発生回数特定手段と、を備え、前記特別状態判定手段は、所定の判定期間における小役の入賞状況が設定値に達した回数が所定回数以上連続した場合に前記特別状態であると判定する一方、所定回数以上連続しなかった場合に前記特別状態であると判定せず、前記表示手段は、前記所定の期間における小役の入賞状況が設定値に達した後、前記特別状態であると判定するまでの期間内又は所定回数以上連続しなかったと判定するまでの期間内において、特別状態判定中であることを遊技者に報知するように構成されており、特別状態判定中であることを報知している期間中において遊技者により所定の特別状態肯定操作又は所定の特別状態否定操作が行われた場合に、特別状態判定中であることの報知を中止すると共に、前記累計遊技情報として前記発生回数特定手段が特定した特別状態の発生回数を表示し、前記個人遊技情報として前記所定の特別状態肯定操作が行われた場合に前記特別状態判定手段が特別状態であると判定する一方、前記所定の特別状態否定操作が行われた場合に前記特別状態であると判定しないものとして前記発生回数特定手段が特定した特別状態の発生回数を表示するものである(請求項)。
【0008】
請求項1または2に記載の遊技情報表示装置において、
前記遊技機における所定の遊技結果を計数するために遊技場従業員が操作する従業員操作手段を備え、前記表示手段は、前記従業員操作手段による操作がされた場合に、該操作結果を反映した前記累計遊技情報、及び該操作結果を反映した前記個人遊技情報を表示するようにしてもよい(請求項)。
【発明の効果】
【0009】
請求項1の発明によれば、遊技者による遊技結果の入力が個人遊技情報には反映されるが、累計遊技情報には反映されないので、遊技者は自ら計数した遊技結果も含めて自己の遊技情報を容易に知ることができ、かつ、従来から利用されている累計遊技情報の信頼性も確保される。さらに、遊技者による遊技結果の入力は累計遊技情報には反映されないので、遊技者の悪戯を防止でき、累計遊技情報の信頼性を高めることができる。
【0010】
小役の入賞状況に基づいて特別状態を判定する技術が知られている。しかし、誤判定することもあるので、遊技者は表示された発生回数を鵜呑みにすることはできず、又、自己が遊技している最中に誤判定されると不快に感じる上、特別状態の発生状況を自ら確認しているにも拘わらず実際の発生回数をあとから把握するのが困難になる。この点請求項の発明では、自動で計数された特別状態の発生回数に対し、遊技者が自ら加算又は減算することができるので、誤判定による不快感を軽減することができる上、自己が遊技した期間における特別状態の発生回数をあとからでも正確に把握できる。
【0011】
特別状態を小役の入賞状況に基づいて判定する場合、実際に特別状態が発生して暫くしてから特別状態を判定し、その結果を反映した遊技情報が表示される。この場合、遊技情報に反映されるまで何の報知もしないと、特別状態を判定できないのではないかと遊技者に疑念を与えてしまう。逆に特別状態でない場合に特別状態と判定してしまった場合には、遊技者自身が気づくことなく発生回数をカウントアップする恐れがある。そこで、請求項の発明では、特別状態の判定に複数段階のステップを設け、その途中段階で判定中であることを遊技者に報知することにより上記の恐れを解決する。この場合、実際には特別状態が発生しているのに判定中であることを報知したり、発生していないのに判定中であることを報知したりすることは遊技者に不快感を与える原因となりうるので、遊技者が自ら肯定操作又は否定操作できるようにすると良い。
【0012】
請求項の発明によれば、従業員が操作する場合には悪戯行為は考えられないので、両遊技情報に反映させることにより確実に修正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態におけるシステム全体を示す概略図
図2】遊技機のリールを示す図
図3】遊技機の内部当選役の役構成を示す図
図4】遊技機の内部当選テーブルを示す図
図5】遊技機の有効ラインを示す図
図6】情報表示装置の正面図
図7】情報表示装置の表示部を示す図
図8】情報表示装置による特別状態判定処理を示すフローチャート
図9】情報表示装置による特別状態詳細判定処理を示すフローチャート
図10】情報表示装置による「判定中」表示中止処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態における遊技情報表示システムについて図面を参照しながら説明する。
図1はシステム全体を示す概略図である。遊技場内には複数の遊技機1が設置されている。本実施形態の場合、遊技機1は所謂スロットマシンである。各遊技機1には、貸出装置2及び遊技情報表示装置(以下、「情報表示装置」)3(累計遊技情報集計手段、遊技開始特定手段、個人遊技情報集計手段、特別状態発生手段、発生回数特定手段に相当)がそれぞれ付設されている。これら遊技機1、貸出装置2及び情報表示装置3は、中継装置4に接続されている。この中継装置4は、LAN5を介して管理装置6に接続している。このため、遊技機1や貸出装置2等の遊技機1側の機器から出力される遊技信号は、中継装置4によって管理装置6に送信される。管理装置6は、遊技場内の例えば事務所等に設置されており、モニタ7、キーボード8等が接続されている。このような遊技場内には、例えば数百台の遊技機1が設置されており、管理装置6の管理対象となっている。
【0015】
遊技機1は、表示窓9、スタートレバー10、ストップボタン11a〜11c、メダル投入口12、BETボタン13、液晶表示部14、受皿15等が設けられている。遊技者は、表示窓9を通じて内部に設けられたリールの図柄を視認可能となっている。各図柄は、図2に示すように、左リール16a、中リール16b及び右リール16cの円周面に描かれており、各リール16a〜16cが停止した状態では、表示窓9の上段、中段及び下段に対応して停止表示される。即ち、遊技機1には、各リール16a〜16cそれぞれについて3図柄ずつ、合計9図柄分の図柄表示領域が形成されている。遊技機1は、遊技者によってメダル投入口12からメダル(遊技価値)を投入、或いは、BETボタン13を操作することでクレジットメダル(遊技価値)が所定枚数(例えば通常状態では3枚)投入された状態でスタートレバー10が操作されると(ゲームが開始されると)、内部抽選を実行すると共にリールの変動を開始させ、ストップボタン11a〜11cを操作することによって所謂引込制御(予め規定された引込範囲例えば4図柄までにある図柄を有効ライン上に引込んで停止表示させる制御)によってリール16a〜16cの変動を停止する。
【0016】
図3は、遊技機1に設定されている内部当選役の役構成を示している。遊技機1には、所謂ボーナス役としてのBB(ビッグボーナス)役及びRB(レギュラーボーナス)役、所謂小役としての5枚役A〜F、15枚役、2枚役、5枚役G、5枚役H、及びリプレイ役が設けられている。遊技機1には、図5に示すように、合計4本(表示窓9の上段、中段に対応した横方向に1本ずつの2本、及び斜め方向の2本)の有効ライン1〜4が設けられている。遊技者によるストップボタン11a〜11cの操作によってこれらの有効ライン1〜4のうち何れかの有効ライン上に内部当選役に対応する図柄が揃ったとき、即ち、有効ライン上に停止表示された図柄の組合せが内部当選役に対応する図柄の組合せと一致したとき、入賞となる。そして、入賞となった場合には、BB状態やRB状態の発生、或いは、対応する枚数のメダルの払出(遊技価値の付与)が行われる。BB状態は420枚、RB状態110枚を超えるメダルの払出により終了する。これにより、1ゲームが終了する。尚、遊技機1では、1ゲーム当たりのメダルの投入枚数(BET数)は遊技状態によらず3枚に設定されている。
【0017】
遊技機1は、ゲーム開始時の内部抽選において、0〜65535の間で発生する乱数のうち1つを抽出し、抽出した乱数と図示しない抽選テーブルとを照合することにより、内部当選であるか否かを判定している。図4は、遊技機1に設定されている内部当選テーブル、即ち、内部抽選における各役に割り振られている乱数の数を示している。この内部当選テーブルは、後述する遊技機1の遊技状態に応じて設けられている。例えば、通常状態では、BB役及びRB役に対して64個、5枚役が2種類同時当選する5枚役A+5枚役B〜Fにそれぞれ1952個、15枚役及び2枚役にそれぞれ128個、5枚役G及び5枚役Hにそれぞれ4096個、リプレイ役に8978個、はずれに36510個の乱数が割り振られている。RT状態では、リプレイ役とハズレ以外は通常状態と同一の乱数の数であるが、リプレイ役は通常状態の約5倍に設定され、ハズレは819個に設定されている。つまり、RT状態では高い確率で何らかの役が内部当選している。BB又はRB状態では、5枚役Aがほぼ100%内部当選する。
【0018】
遊技機1は、図示しない設定値操作部から内部当選確率等を規定するための例えば1〜6の6段階の設定値が設定される。このうち1つの設定値を有効化することにより、所謂出率が理論値として設定される。遊技機1は、この設定値の値が大きいほどボーナス役の内部当選確率が高くなる等、遊技者にとって有利となるように設定されている。この場合、周知のように例えば図4の内部当選テーブルを設定値に対応付けて複数設け、設定された設定値により内部当選テーブルを選択することで遊技者の有利と不利とを調整可能にすれば良い。
【0019】
貸出装置2は、図1に示すように、最上部に動作状態を示す動作ランプ17、その下方に貨幣投入口18、下部にメダル払出口19を備えている。動作ランプ17は、不具合が生じた場合等に点灯し、従業員に不具合の発生等を報知する。この貸出装置2は、遊技者が貨幣投入口18に有価価値(例えば貨幣)を投入すると、メダル払出口19から投入された有価価値に応じた数のメダルを遊技機1の受皿15に払出す。
【0020】
遊技機側からは次の信号が出力される。
アウト信号=遊技機1から出力。開始操作に応じベット状態のメダルを使用したとしてベット状態のメダル数(3枚)分がパルス出力されるので、アウト信号数×1がアウト(使用媒体数)となる。尚、リプレイ時にも対応分を出力。
セーフ信号=遊技機1から出力。メダルが1枚払出される毎に1パルス出力されるので、セーフ信号数×1がセーフ(払出媒体数)となる。尚、リプレイ役入賞時にも、そのゲームに使用されたメダル分を出力。
BB・RB信号=遊技機1から出力。対応するボーナス状態(B.B、R.B)時にレベル出力されるので、信号受信期間をボーナス状態として特定する。
売上信号=貸出機から出力。貸出メダル5枚(100円相当)毎に1パルス出力されるので、売上信号数×100が売上金額となる。尚、対価となる有価価値としては現金等の有価価値は勿論、貯玉等の有価価値も含まれる。即ち、所謂再プレイにより貸出されるメダルを貸出メダルとしても良い。
【0021】
遊技機1は次のように動作する。
15枚役の入賞に応じてART状態(ART)に移行する。
ARTは後述する報知を行うAT状態(AT)とリプレイ役の内部当選率が向上するRT状態(RT)とが複合した特別状態であり、ART中又はRT中に終了役(一般役)が入賞した場合には、ART又はRTを終了して通常状態へと移行する。
AT中は5枚役Aを複数(本実施形態では3つ)のラインにて入賞させ15枚の入賞を得るためのストップボタン11a〜11cの操作順序を遊技機1の液晶表示部14にて報知する。即ち、1Gの払出枚数が15枚であるAT役の入賞操作(AT役入賞操作)を補助する報知(AT役報知)を行い、遊技者がその報知通り操作すればAT役が入賞し、操作しなければAT役でない一般役(5枚、終了役)が入賞する。
【0022】
ATはART発生時等に抽選されるゲーム数を行うまで継続し、終了すればATを終了してRTへと移行する。尚、ATが重複しないRTではAT役報知が行われず、遊技者は終了役入賞を防止できないことから、ATが終了するとほどなくRTも終了する。
ATのゲーム数の抽選は設定値により変更可能である。設定値は6段階あり、周知の設定変更操作により変更する。尚、実施形態上は、設定値6の平均継続数が70Gで遊技者にとって最も有利であり、設定値1の平均継続数が50Gで遊技者にとって最も不利となる様に設定値に応じて段階的に遊技者の有利度が異なっている。
【0023】
次に、AT役操作報知に関わる5枚役A〜Fについて説明する。
5枚役Aは単独で内部当選する場合と、5枚役B〜Fの何れか1つと同時に内部当選する場合の全部で6通りある。尚、5枚役Aの単独当選はボーナスゲーム中のみである。
上記何れの場合も5枚役Aのみが入賞する。但し、5枚役B〜Fの何れか1つと同時当選した場合は、その組み合わせと押し順に応じてベル図柄が中リール16bの上段か中段に停止するように制御されるので、上段に停止した場合(有効ライン1本で入賞)には5枚(一般役)のメダルが払い出され、中段に停止した場合(有効ライン3本で入賞)には15枚(AT役)のメダルが払い出される。尚、5枚役Aの単独当選時は押し順に拘わらずベル図柄が中リール16bの中段に停止する。
具体的には以下の場合にベル図柄が中段で停止し、その他の場合に上段で停止する。
5枚役A+5枚役Bが同時当選……中リール16bを最初に停止(中→左→右又は中→右→左)の順に停止
5枚役A+5枚役Cが同時当選……左→中→右の順に停止
5枚役A+5枚役Dが同時当選……左→右→中の順に停止
5枚役A+5枚役Eが同時当選……右→中→左の順に停止
5枚役A+5枚役Fが同時当選……右→左→中の順に停止
よって、AT役操作報知では、操作するストップボタン11a〜11cの押し順をゲーム開始時に報知する。
【0024】
情報表示装置3は、制御部(CPU)、記憶部(RAM、ROM等、送受信部(I/F)を備え、遊技機側からの遊技信号により遊技情報を特定し、その特定した遊技情報を表示する。
図6は情報表示装置3を示す正面図である。情報表示装置3には、情報切替ボタン20、「個人リセット」ボタン21、「ART中」ボタン22(遊技者操作手段に相当)、「非ART」ボタン23(遊技者操作手段に相当)、呼出釦24、表示部25(表示手段に相当)が設けられている。表示部25には、状態表示部25a、第1情報表示部25b、第2情報表示部25c、第3情報表示部25d、第4情報表示部25eが設定されている。情報切替ボタン20を操作することで、所謂ボーナス履歴、小役の入賞回数表示、過去の遊技情報等を待機表示から切り替えて表示可能であり、その切替操作が行われた場合には操作信号を管理装置6へ出力する。
【0025】
情報表示装置3は次のように動作する。
(1)対応する遊技機1における当日(開店から現在まで)の遊技情報である累計遊技情報として、累計ゲーム数、ボーナス終了後からのゲーム数、BB回数、RB回数、ART回数を表示する。アウト信号3回入力で1ゲームと判定、BB信号、RB信号に基づいてBB回数とRB回数を判定する。
(2)「個人リセット」ボタン21が押下されると(開始特定)、その後の遊技情報を個人遊技情報として累計遊技情報とは別に集計する。
(3)情報切替ボタン20のうちの「個人」ボタン20aが押下される毎に個人遊技情報と累計遊技情報を切り替えて表示する。
(4)遊技場従業員はリモコン(従業員操作手段に相当)でART回数を加算/減算することができ、判定中に肯定操作/否定操作することができる。この操作に応じて累計遊技情報及び個人遊技情報のART回数を加算/減算、又は後述する遊技者が肯定操作/否定操作した場合と同様に肯定/否定処理をする。
【0026】
次に上記構成の作用について説明する。尚、遊技開始時におけるゲーム履歴は初期化されている。
情報表示装置3は、本発明に関連して特別状態判定処理を実行する。
図8は、情報表示装置3による特別状態判定処理を示すフローチャートである。情報表示装置3は、アウト信号が入力したか(A1)、セーフ信号が入力したか(A2)を判定している。アウト信号が入力したときは(A1:YES)、ゲーム間アウトを加算し(A2)、前回ゲーム終了時より設定アウト分のゲーム間アウトを更新したかを判定する(A3)。一方、セーフ信号を入力したときは(A10:YES)、ゲーム間セーフを加算する(A11)。設定アウト分のゲーム間アウトを更新した場合(A3:YES)、つまり、ゲームの開始を特定した場合、ゲーム間セーフが有るかを判定し(A4)、有る場合は(A4:YES)、最新ゲームは入賞であることをゲーム履歴に記憶し(A5)、無い場合は(A4:NO)、最新ゲームははずれであることを記録し(A12)、ゲーム間セーフを初期化してから(A6)、特別状態詳細判定処理を実行する(A7)。
【0027】
図9は、情報表示装置3による特別状態詳細判定処理を示すフローチャートである。情報表示装置3は、ゲーム履歴内のゲームが判定ゲームである10ゲームとなったかを判定する(B1)。ゲーム開始から10ゲームとなった場合は(B1:YES)、ゲーム履歴内のゲームの「はずれ」が設定はずれゲームである3ゲームを上回っているかを判定する(B2)。ARTが発生していない通常状態でははずれの確率が高く、10ゲーム中に4ゲーム以上ははずれとなるのが通常であることから(B2:YES)、ARTフラグが0かを判定する(B3)。このARTフラグは、後述するようにARTであることを確定した場合に1となるフラグである。ARTフラグは0であることから(B3:YES)、仮フラグが1かを判定する(B4)。この仮フラグは、後述するようにARTの判定中である場合に1となるフラグである。仮フラグは0であるから(B4:NO)、リターンして「判定中」表示中止処理を実行する(A8)。
図10は、情報表示装置3による「判定中」表示中止処理を示すフローチャートである。情報表示装置3は、「ART中」ボタン22が押下げられたか(C1)、「非ART」ボタン23が押下げられたか(C7)を判定する。この場合、何れのボタンも押下げられていないので(C1:NO、C7:NO)、そのままリターンする。
【0028】
さて、ARTが発生すると、はずれの確率が極めて低くなることから、やがて直近の10ゲーム中の「はずれ」が3ゲーム以下となる。情報表示装置3は、10ゲーム中の「はずれ」が3ゲーム以下となると(B2:NO)、仮フラグが1かを判定する(B9)。仮フラグは0であることから(B9:NO)、ARTの判定中であることを示すために仮フラグを1とし(B17)、「判定中」(特別状態判定中に相当)の表示を開始してから(B18)、ゲーム履歴を初期化する(B20)。つまり、ARTの可能性が高いものの、確定することはできないことから、「判定中」と表示し、次の10ゲームでARTの発生の有無を決定するのである。
図7は、上述のようにして「判定中」となった情報表示装置3の表示例である。状態表示部25aには「判定中」である旨を示し、第3情報表示部25d及び第4情報表示部25eには暫定として、特別情報(ART中情報)と仮情報(判定中情報)とを合算した暫定情報(暫定獲得数、暫定ゲーム)を表示している。
【0029】
情報表示装置3は、「判定中」の表示開始からのゲーム数が10ゲームとなった場合に(B1:YES)、そのゲーム中の「はずれ」が3ゲーム以下であった場合は(B2:NO)、仮フラグが1であることかを判定する(B9)。仮フラグは1であることから(B9:YES)、仮フラグを0とする(B10)。次に、確定フラグが1であるかを判定する(B11)。この確定フラグは、後述するように遊技者自身がARTであることを確定した場合に1となる。確定フラグは0であるので(B11:NO)、累計遊技情報及び個人遊技情報のART回数に1加算し(B14)、ARTであることを確定するためにARTフラグを1とし(B15)、「判定中」表示を終了してから(B16)、ゲーム履歴を初期化する(B20)。つまり、2回連続してARTの可能性が高いと判定したことから、ARTを確定したのである。
【0030】
図6は、上述のようにしてART中(ARTフラグ=1)となった情報表示装置3の表示例である。状態表示部25aでは遊技状態、第1情報表示部25bではボーナス数とボーナス終了後からのゲーム数、第2情報表示部25cではART情報としてARTの発生回数と平均獲得数(合計欄の平均差数)、第3情報表示部25dではART中差数、第4情報表示部25eではART中ゲームを表示している。
以上のようにして、ARTの自動判定が行われ、ARTが確定された場合は、累計遊技情報及び個人遊技情報のART回数が自動的にカウントアップされる。
【0031】
ところで、上述したARTの自動判定の信頼性は高いものの、ART中においてもはずれが発生する可能性があることから、信頼性が完全に保証されるものではない。このような事情から、遊技者によっては遊技結果としてのARTを自分自身で確信した場合にART回数を手動でカウントアップすることを希望する者も存在する。このように手動のカウントアップを希望する遊技者は、「判定中」の表示状態で「ART中」ボタン22を押下げる(特別状態肯定操作に相当)。
【0032】
情報表示装置3は、「ART中」ボタン22が押下げられたときは(C1:YES)、確定フラグが0(C2:YES)、仮フラグが1であること(C3:YES)、つまりARTの判定中であることを確認してから、個人遊技情報のART回数に1加算し(C4)、「判定中」表示を中止し(C5)、確定フラグを1とする(C6)。このように判定中で、かつ確定フラグが1となった状態で、再度ARTである可能性が高いと判定した場合に(B2:NO)、確定フラグは1であることから(B11:YES)、累計遊技情報のART回数のみに1加算し(B12)、確定フラグを0とし(B13)、ARTフラグを1とし(B15)、「判定中」表示を終了してから(B16)、ゲーム履歴を初期化する(B20)。
以上の動作により、累計遊技情報のART回数は自動的にカウントアップされるのに対して、個人遊技情報のART回数は手動でカウントアップされることになる。これにより、「ART中」ボタン22が悪戯で操作されるにしても、それが累計遊技情報のART回数に反映されることはない。
【0033】
ところで、上述のようにARTの可能性が高いとして仮フラグを1としたものの、実際にはARTではなく偶々通常状態で連続して入賞した場合もある。このような場合、「判定中」の表示開始から10ゲーム内の「はずれ」が4以上となるから(B2:YES)、ARTフラグが0(B3:YES)、仮フラグが1(B4:YES)、つまり判定中であることを確認してから、10ゲーム内の「はずれ」が、設定はずれゲーム(=3ゲーム)+再判定値(=3ゲーム)=6ゲームを上回ったかを判定する。上回った場合は、ARTでないことを特定し、仮フラグを0(B6)、確定フラグを0とし(B7)、「判定中」表示を終了してから(B8)、ゲーム履歴を初期化する(B20)。
以上のようにして「判定中」の表示状態では、本当にARTか否かの判定が行われており、ARTでないと特定した場合は、初期状態となる。
【0034】
一方、ARTが終了すると、直近10ゲーム内の「はずれ」が4以上となるので(B1:YES、B2:YES)、ARTフラグが1(B3:NO)、つまりART中であることを確認してから、ARTフラグを0とする(B19)。そして、直近10ゲームの「はずれ」が4回以上であった場合は(B2:YES)、仮フラグが0であるから(B4:NO)、リターンすることを繰り返す。
以上のようにして、ARTの終了を自動的に判定することができるものの、通常状態でも役が連続して入賞することがあることから、ARTが発生した場合と同様にその信頼性が完全に保証されるものではない。そこで、手動でARTの終了を確定したい遊技者は、「判定中」の表示状態で「非ART」ボタン23を押下げる(特別状態否定操作に相当)。
【0035】
情報表示装置3は、「非ART」ボタン23が押下げられたときは(C7:YES)、確定フラグが0(C8:YES)、仮フラグが1(C9:YES)であることを確認してから、「判定中」の表示を中止し(C10)、確定フラグを1としてから(C11)、リターンする。この場合、ARTの可能性が高いと判定した場合であっても(B2:NO)、確定フラグが1であることから(B11:YES)、累計遊技情報のART回数のみに1加算する(B12)。つまり、個人遊技情報のART回数が手動でカウントアップされることはない。これにより、「非ART」ボタン23が悪戯で操作されるにしても、それが累計遊技情報のART回数に反映されることはない。
【0036】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
遊技機毎の当日の遊技情報である累計遊技情報とは別に、個人リセットボタン2の操作が行われてからの遊技情報を個人遊技情報として集計し、手動でカウント操作された場合に個人遊技情報にのみ反映させて遊技情報を表示するようにしたので、遊技者は自ら計数した遊技結果も含めて自己の遊技情報を容易に知ることができ、かつ、従来から利用されている累計遊技情報の信頼性も確保される。さらに、遊技者による遊技結果の入力は累計遊技情報には反映されないので、遊技者の悪戯を防止でき、累計遊技情報の信頼性を高めることができる。
【0037】
「判定中」の表示中は、ART中獲得数と判定中獲得数を合算した暫定獲得数、及びART中ゲームと判定中ゲームとを合算した暫定ゲームを表示するようにしたので、自動で計数されたARTの発生回数に対し、遊技者が自ら加算することができ、誤判定による不快感を軽減することができる上、自己が遊技した期間におけるARTの発生回数をあとからでも正確に把握できる。
ARTを仮判定した状態が2回連続した場合にARTを特定すると共に、ARTでないことを仮判定した状態が2回連続しなかった場合に仮判定を取り消す際に、ARTの判定中は「判定中」を表示して遊技者に対してカウント操作可能であることを表示するようにしたので、遊技者に対して安心感を与えることができる。
従業員のリモコン操作によりART回数を加算/減算可能としたので、ART回数の修正を確実に行うことができる。
【0038】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
遊技者操作手段による操作が特定の遊技者(例えば優良会員)によって行われた場合、累計遊技情報と個人遊技情報の両方に反映させるようにしても良い。優良会員は遊技場側が指定した遊技者としても良いし、遊技情報(来店回数、来店頻度、累計アウト、累計ゲーム数、ボーナス入賞回数など)が所定条件を満たした遊技者(会員カードや顔認証によって対応付け)としても良い。
本実施形態では個人遊技情報として表示される遊技情報の種類と累計遊技情報として表示される遊技情報の種類は同じとしたが、異なるように構成しても良い。また、開始特定は会員カードの受付、顔認証などで行っても良い。
個人遊技情報と累計遊技情報を1画面上に表示するようにしても良い。
遊技者操作手段による入力対象は、例えば小役の入賞回数やARTの発生回数の加算/減算であっても良い。
【符号の説明】
【0039】
図面中、1は遊技機、3は遊技情報表示装置(累計遊技情報集計手段、遊技開始特定手段、個人遊技情報集計手段、特別状態発生手段、発生回数特定手段)、22は「ART中」ボタン(遊技者操作手段)、23は「非ART」ボタン(遊技者操作手段)、25は表示部(表示手段)である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10