(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電源基板と、遊技媒体払出制御装置の払出動作を制御する払出制御基板と、外部のカードユニット装置が接続される貸出装置接続基板とを備え、前記カードユニット装置へ電力を供給するカードユニット用電力供給線が前記電源基板から前記払出制御基板を経由して前記貸出装置接続基板へ配設される遊技機であって、
前記電源基板と前記払出制御基板との間に、前記カードユニット用電力供給線を中継する中継基板を設け、
前記中継基板に、前記カードユニット用電力供給線から前記カードユニット装置への過電流を遮断するカードユニット用ヒューズを設け、
前記払出制御基板と前記貸出装置接続基板とを、開封時に痕跡が残る1つの又は個別の基板ケース内に収容した
ことを特徴とする遊技機。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1に示すパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と略称する)Pは、遊技球を遊技媒体として用いるものであり、遊技者は、遊技場運営者から遊技球を借り受けてパチンコ機Pによる遊技を行う。パチンコ機Pの遊技において、遊技球はその1個1個が遊技価値を有した遊技媒体であり、遊技の成果として遊技者が享受する特典(利益)は、例えば遊技者が獲得した遊技球の数に基づいて遊技価値に換算することができる。なお、遊技媒体としてメダルを使用し、遊技の成果の特典としてメダルが払い出される回胴式遊技機(スロットマシン)等の他の遊技機にも適用可能である。
【0020】
[遊技機の全体構成]
図1〜
図3に示すように、パチンコ機Pは、機枠(外枠)1と内枠扉(前面枠)2とガラス扉3と遊技盤5とを備える。機枠1は、縦長矩形状の木製枠体であり、遊技場内の島設備(図示省略)に対して締結固定される。内枠扉2は、機枠1に開閉自在に取り付けられ、ガラス扉3は、内枠扉2に開閉自在に取り付けられる。
【0021】
遊技盤5は、内枠扉2の内側に収容され、内枠扉2に対して着脱可能に固定される。ガラス扉3の中央部には、縦長円形状の開口窓6が形成され、開口窓6には、遊技盤5の前方を覆う透明なガラス板7が取り付けられる。遊技盤5の前面(盤面)は、遊技者が開口窓6を介して前方から視認可能な遊技領域8を含み、ガラス扉3が閉じられると、ガラス板7の内面(後面)と遊技領域8との間に遊技球が流下可能な空間が形成される。
【0022】
内枠扉2の一側(
図1中の右側)の縁部には、シリンダ錠9が設けられている。機枠1に対して内枠扉2及びガラス扉3を閉じてシリンダ錠9を施錠すると、機枠1に対する内枠扉2及びガラス扉3の開放が禁止される。
【0023】
ガラス扉3は、その下部に前面ボード4を一体的に有し、前面ボード4には、前方へ突出する上皿10と下皿11とが設けられる。上皿10は前面ボード4の上部に配置され、下皿11は上皿10の下方に配置される。上皿10には、遊技者に貸し出された遊技球(貸球)や入賞により獲得した遊技球(賞球)が貯留され、下皿11には、上皿10が満杯の状態でさらに払い出された遊技球が貯留される。なお、本実施形態のパチンコ機PはいわゆるCR機(パチンコ機Pに隣接して設置されるCRユニット(カードユニット装置)50(
図4に示す)に接続される機種)であり、遊技者が借り受けた遊技球は、賞球とは別に上皿10に払い出される。
【0024】
前面ボード4の上面には、貸出操作部15と演出ボタン23とが設けられている。貸出操作部15は、球貸スイッチ12と返却スイッチ13と度数表示装置14と球貸表示装置24とを有し、遊技者がCRユニット50(
図4に示す)に残高がゼロではなく且つ適正な有価媒体(例えば磁気記録媒体や記憶IC内蔵媒体等)を投入すると、投入された有価媒体の残存度数が度数表示装置14に表示されるとともに、球貸表示装置24の球貸可能ランプ(図示省略)が点灯する。係る状態で遊技者が球貸スイッチ12を操作すると、予め決められた度数単位(例えば500円分に相当する5度数)に対応する個数(例えば125個)分の遊技球が貸し出され、度数表示装置14に、貸出処理中であることが表示されるとともに、遊技球の貸出に応じて有価媒体の残高度数が減少する。
【0025】
前面ボード4の前面には、上皿球抜き操作部16と下皿球抜き操作部17とが設けられている。上皿球抜き操作部16が操作されると、上皿10の遊技球が下皿11へ流下し、下皿球抜き操作部17が操作されると、下皿11の遊技球が下方へ落下して排出される。下皿11から排出された遊技球は、例えば球受け箱(図示省略)等に受け止められる。
【0026】
前面ボード4の右下部には、発射ハンドル18が回転自在に支持され、内枠扉2の下部には、発射装置19が取り付けられている。上皿1の遊技球は発射装置19に1個ずつ供給され、遊技者が発射ハンドル18を回転操作すると、発射装置19(発射モータ86(
図4に示す))が作動し、遊技領域8に向かって遊技球が発射される。遊技領域8は、ガイドレール20及び遊技球規制レール21によって略円形状に区画形成され、発射装置19から発射された遊技球は、レール20,21に沿って滑走して遊技領域8に左上方から進入し、遊技釘や風車等に誘導及び案内されて流下する。
【0027】
ガラス扉3の上部と内枠扉2の下部とには、スピーカ22がそれぞれ取り付けら、ガラス扉3の前面には、複数の枠体ランプ25が取り付けられている。スピーカ22は、遊技に関する様々な効果音を発する。枠体ランプ25は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。
【0028】
[盤面の構成]
遊技領域8内には、統合表示ユニット30、演出表示装置(画像表示器)31、スルーチャッカ32、電動チューリップ(普通電動役物)33、ステージ34、第1始動入賞口(第1特図始動入賞口)35、第2始動入賞口(第2特図始動入賞口)36、一般入賞口37、アウト口38、アタッカー装置(特別電動役物)39、複数の盤面ランプ60、遊技釘(図示省略)、及び風車(図示省略)等が設けられている。第1始動入賞口35と第2始動入賞口36とは上下方向に間隔を空けて配置されている。盤面ランプ60は、例えば内蔵するLEDの発光(点灯や点滅、輝度階調の変化、色調の変化等)により演出を実行する。
【0029】
統合表示ユニット30は、演出表示装置31を視認している遊技者の視界に同時に入らないように、遊技盤3の右下部分に配置されている。統合表示ユニット30は、第1特図表示装置(第1特別図柄表示装置)40と、第2特図表示装置(第2特別図柄表示装置)41と、普図表示装置(普通図柄表示装置)42と、状態表示装置43とを備え(各表示装置は
図4に示す)、これらの表示装置40〜43は、1つの統合表示基板(図示省略)に実装された状態で遊技盤5に取り付けられる。
【0030】
第1特図表示装置40は、第1始動入賞口35への遊技球の入賞を契機に行われた第1特別図柄に係る電子抽選の結果を、第1特別図柄(数字や絵柄)を変動させた後に停止表示するものである。第2特図表示装置41は、第2始動入賞口36への遊技球の入賞を契機に行われた第2特別図柄に係る電子抽選の結果を、第2特別図柄(数字や絵柄)を変動させた後に停止表示するものである。本実施形態の第1特図表示装置40及び第2特図表示装置41は、7セグメントLEDによって第1特別図柄及び第2特別図柄を変動後に停止表示する。なお、本実施形態では、第2始動入賞口36への入賞に基づく遊技の方が第1始動入賞口35への入賞に基づく遊技よりも優先して実行されるため、第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動することはない。
【0031】
普通図柄表示装置42は、スルーチャッカ32の遊技球の通過を契機に行われた普通図柄に係る電子抽選の結果を、普通図柄(数字や絵柄)を変動させた後に停止表示するものである。本実施形態の普通図柄表示装置42は、7セグメントLEDによって普通図柄を変動後に停止表示する。
【0032】
状態表示装置43は、ラウンド数表示部、第1特図保留数表示部、第2特図保留数表示部、及び普図保留数表示部(各表示部は図示省略)を有する。ラウンド数表示部は、4つのランプ(LED)から構成され、ランプの消灯、点灯又は点滅の組合せによって現在の大当たりが何ラウンド継続するかを表示する。第1特図保留数表示部は、第1始動入賞口35に遊技球が入賞し、当該入賞に応じて取得された第1特図当たり決定乱数(大当たり決定乱数)が第1特図保留乱数としてRAM75の第1特図保留乱数記憶領域(図示省略)に記憶されると、その記憶数を現在の保留数として表示する。第2特図保留数表示部は、第2始動入賞口36に遊技球が入賞し、当該入賞に応じて取得された第2特図当たり決定乱数(大当たり決定乱数)が第2特図保留乱数としてRAM75の第2特図保留乱数記憶領域(図示省略)に記憶されると、その記憶数を現在の保留数を表示する。普図保留数表示部は、スルーチャッカ32を遊技球が通過し、当該通過に応じて取得された普図当たり決定乱数(当たり決定乱数)が普図保留乱数としてRAM75の普図保留乱数記憶領域(図示省略)に記憶されると、その記憶数を現在の保留数を表示する。これらの保留数表示部は、それぞれランプ(LED)から構成され、ランプの消灯、点灯又は点滅の組合せによって「0」個〜「4」個(保留球乱数の記憶数の上限)の間で保留数を表示する。
【0033】
図2に示すように、演出表示装置31は、液晶の画像表示器を有し、遊技盤3の略中央部に設けられ、第1始動入賞口35及び第2始動入賞口36への遊技球の入賞を契機に行われた特別図柄に係る電子抽選の結果に基づいて所定の演出画像を表示する。演出画像には、第1特図表示装置40及び第2特図表示装置41に変動表示される第1特別図柄及び第2特別図柄と同期をとって変動するダミー図柄(演出図柄)と、第1特図当たり決定乱数の保留数表示と、第2特図当たり決定乱数の保留数表示とが含まれる。
【0034】
電動チューリップ33は、1対の羽根部材49と電動チューリップ駆動装置51(
図4に示す)とを備える。1対の羽根部材49は、遊技盤3との直交軸を中心に回転自在であり、第2始動入賞口36の入口の左右に配置される。電動チューリップ駆動装置51のソレノイド(図示省略)が通電されると、1対の羽根部材が互いに離れる方向に回転し、電動チューリップ33が開口して、第2始動入賞口36の入口が拡大される。電動チューリップ33が閉じた状態(通常状態)では、第2始動入賞口36に遊技球は入賞できず、第2始動入賞口36への入賞は、電動チューリップ33の開口時に制限される。
【0035】
ステージ34は、遊技球が転動しながら一時的に滞在する構造物であり、演出表示装置31の下方に配置される。ステージ34の略中央の真下に第1始動入賞口35が配され、ステージ34の中央部分から落下した遊技球は、高い確率で第1始動入賞口35へと導かれる。
【0036】
アタッカー装置39は、第1始動入賞口35及び第2始動入賞口36に遊技球が入賞することを契機に行われる特別図柄に係る電子抽選の結果、特図当たり(大当たり)となって大当たり遊技に移行した場合に所定回数(本実施形態では、2ラウンド又は15ラウンド)開放される装置である。アタッカー装置39は、横長矩形状の大入賞口52と横長板状の蓋部材53とアタッカー駆動装置54(
図4に示す)とを備える。蓋部材53の下部は、水平な軸を中心として前後方向に開閉自在に支持され、アタッカー駆動装置54のソレノイド(図示省略)が通電されると、蓋部材53の上部が前下方へ傾動し、アタッカー装置39が開口して大入賞口52が露呈され、多量の遊技球が蓋部材53の上面(裏面)に案内されて大入賞口52へ入賞可能となる。アタッカー装置39が閉じた状態(通常状態)では、蓋部材54が大入賞口54を閉止するため、大入賞口52への入賞は、アタッカー装置39の開口時に制限される。
【0037】
各入賞口(第1始動入賞口35、第2始動入賞口36、一般入賞口37、大入賞口52)に遊技球が入賞すると、所定個数の遊技球が賞球として遊技者に払い出され、入賞した遊技球は、その入賞口35,36,37,52から遊技盤5の裏側へ回収される。また、何れの入賞口35,36,37,52にも入賞しなかった遊技球は、最終的にアウト口38から遊技盤5の裏側へ回収される。回収された遊技球は、アウト通路アセンブリ(図示省略)を通じてパチンコ機Pの裏側から枠外へ排出され、さらに島設備の補給経路(図示省略)に合流する。
【0038】
スルーチャッカ32、第1始動入賞口35、第2始動入賞口36、一般入賞口37、大入賞口52の内部には、それぞれ遊技球の通過を検知するためのセンサ(
図4に示すゲート通過球検知センサ55、第1特図始動球検知センサ56、第2特図始動球検知センサ57、大入賞球検知センサ58及び一般入賞球検知センサ59)が設けられている。これらのセンサ55,56,57,58,59は、遊技球の通過を検知する度に、主制御装置70(
図4に示す)に検知信号を送信する。なお、第1特図始動球検知センサ56と第2特図始動球検知センサ57と大入賞球検知センサ58と一般入賞球検知センサ59とは、遊技領域8に発射された遊技球の入賞を検知する入賞検知手段として機能する。また、以下の説明において、これらの検知信号のうち、センサ56,57,58,59が送信する検知信号を入賞球検知信号と称し、センサ55が送信する検知信号を球通過検知信号と称して、両者を区別する場合がある。
【0039】
[裏側の概略構成]
図3に示すように、パチンコ機Pの裏側には、電源基板100、主制御基板62、払出制御基板63、サブ制御基板64、貸出装置接続基板91、ヒューズ基板(中継基板)101、サブ接続基板102、外部情報端子基板65、電源コード(電源プラグ)66、アース線(アース端子)67、パチンコ機Pの電源系統や制御系統を構成する各種の電子機器類(図示外の制御コンピュータを含む)等が設置されている。電源基板100、払出制御基板63、貸出装置接続基板91、ヒューズ基板101、サブ接続基板102、及び外部情報端子基板65は、内枠ユニットの構成部品として内枠扉2の裏面側に固定され、主制御基板62及びサブ制御基板64は、G盤ユニットの構成部品として遊技盤5の裏面側に固定されている。電源基板100は、内枠扉2の裏面の左右中央よりも遊技者から視て右側(
図3中左側)に配置され、払出制御基板63は、電源基板100の後方(遊技者からみて奥側)に配置される。CRユニット50(
図3に示す)は、遊技者から視てパチンコ機Pの左側(
図3中右側)にパチンコ機Pに隣接して配置される。ヒューズ基板101は、内枠扉2の裏面の左右中央よりも遊技者から視て左側(
図3中右側)に配置され、貸出装置接続基板91は、払出制御基板63とヒューズ基板101との間に配置される。
【0040】
外部情報端子基板65は、パチンコ機Pを外部の電子機器(例えば、ホールコンピュータ68(
図4に示す)やデータ表示装置等)に接続するためのインタフェースであり、パチンコ機Pの遊技進行状態やメンテナンス状態等を表す各種の外部情報信号(例えば賞球情報、扉開放情報、図柄確定回数情報、大当たり情報、始動口情報等)は、払出制御基板63から外部情報端子基板65を介して外部の電子機器に送信される。
【0041】
電源コード66は、遊技場の島設備に設置された電源装置(例えばAC24V)に接続されて、パチンコ機Pの動作に必要な電源(電力)を確保する。アース線67は、島設備に設置されたアース端子に接続され、パチンコ機Pをアース(接地)する。
【0042】
[電気的構成]
次に、パチンコ機Pの制御に関する電気的構成について説明する。
【0043】
図4に示すように、パチンコ機Pは、主な電気的構成として、電源基板100に設ける電源供給装置61と、主制御基板62に設ける主制御装置70と、払出制御基板63に設ける払出制御装置71及び発射制御装置99と、サブ制御基板64に設けるサブ制御装置72とを備える。主制御装置70は、制御動作の中枢であり、主にパチンコ機Pにおける遊技処理の実行を制御する機能を有し、払出制御装置71は、主に遊技球の払い出しを制御する機能を有し、発射制御装置99は、遊技球の発射を制御する機能を有し、サブ制御装置72は、主に演出を制御する機能を有する。
【0044】
図3及び
図5に示すように、電源供給装置61は電源基板100によって構成され、主制御装置70は主制御基板62によって構成され、払出制御装置71は払出制御基板63によって構成され、サブ制御装置72はサブ制御基板64によって構成されている。ヒューズ基板101は、電源基板100と払出制御基板63との間の電気的な接続を中継し、貸出装置接続基板91は、払出制御装置71とCRユニット50との間の電気的な接続を中継する。
【0045】
図5に示すように、払出制御基板63と貸出装置接続基板91とは、各基板63,91のコネクタ140,141同士をハーネスを介さずに直接接続する(ボードtoボードで接続する)ことによって電気的に接続される。貸出装置接続基板91とCRユニット50とは、貸出装置接続基板91のコネクタ142とCRユニット50のコネクタ143とをワイヤハーネス130で接続することによって電気的に接続される。
図5及び
図6に示すように、電源基板100とヒューズ基板101、ヒューズ基板101と払出制御基板63、払出制御基板63と主制御基板62、及び電源基板100とサブ接続基板102とは、各基板100,101,63,62,102のコネクタ144,145,146,147,148,149,154,150をワイヤハーネス131,132,133,134でそれぞれ接続することによって電気的に接続される。なお、各基板100,101,63,62,102のコネクタ144,145,146,147,148,149,154,150とワイヤハーネス131,132,133,134とは、各ワイヤハーネス131,132,133,134の端部にそれぞれ固定された単一のコネクタ(図示省略)を対応する基端側のコネクタ144,145,146,147,148,149,154,150に装着することによって電気的に接続される。
【0046】
電気的な接続とは、信号線を介した情報(コマンド等)の通信が可能であり、且つ一方から他方へ電力供給線(後述するバックアップ電力供給線を含む)を介して電力供給が行われる状態を意味し、各コネクタ140〜150,154は、それぞれが相当する端子数を備えた単一のコネクタによって形成されている。
【0047】
例えば、主制御基板62と払出制御基板63とを接続するワイヤハーネス133は、主制御装置70から払出制御装置71に対して一方向にコマンドが送信される通信線と、払出制御装置71から主制御装置70に対して一方向にコマンドが送信される通信線と、後述するメイン電力供給線120と、バックアップ電力供給線123と、RWMクリア信号線(図示省略)とを含む。電源基板100とヒューズ基板101とを接続するワイヤハーネス131は、後述するメイン電力供給線120と、カードユニット用電力供給線122と、RWMクリア信号線とを含む。ヒューズ基板101と払出制御基板63とを接続するワイヤハーネス132は、後述するメイン電力供給線120と、カードユニット用電力供給線122と、バックアップ電力供給線123と、RWMクリア信号線とを含む。ヒューズ基板101のコネクタ145は、電源基板100との間で、メイン電力供給線120とカードユニット電力供給線122とRWMクリア信号線とをヒューズ基板101に電気的に接続するための単一の第1コネクタとして機能し、ヒューズ基板101のコネクタ146は、払出制御基板63との間で、メイン電力供給線120とカードユニット電力供給線122とバックアップ電力供給線123とRWMクリア信号線とをヒューズ基板101に電気的に接続するための単一の第2コネクタとして機能する。電源基板100とサブ接続基板102とを接続するワイヤハーネス134は、後述するサブ用電力供給線121を含む。
【0048】
(電源供給装置61)
電源供給装置61(電源基板100)は、電源コード66を通じて島設備から外部電源(例えば、24Vの交流電源)の供給を受け、この交流電源をパチンコ機Pで使用する複数の定電圧の直流電源や粗整流の直流電源に変換し、主制御装置70、払出制御装置71、サブ制御装置72等に供給するとともに、交流電源をCRユニット50に供給する。
【0049】
すなわち、
図5に示すように、電源基板100に形成された電源供給回路115は、外部電源から入力部113に供給された電力(AC24V)を分岐部114で2系統に分岐し、その一方をカードユニット用電力供給線122から供給電力として出力するとともに、他方を整流回路110へ入力し、整流回路110から出力される電力(脈流32V)を直流電源生成回路107へ入力し、整流回路110から出力される電力(脈流32V)と直流電源生成回路107から出力される電力(DC12V)をメイン電力供給線120及びサブ用電力供給線121から供給電力としてそれぞれ出力する。主制御基板62及び払出制御基板63には、直流電源生成回路107によって生成されたDC12Vの電力がメイン電力供給線120を介して供給される。サブ制御基板64には、整流回路110によって整流されたDC32Vと直流電源生成回路107によって生成されたDC12Vの電力がサブ用電力供給線121を介して供給される。CRユニット50には、AC24Vの電力がカードユニット用電力供給線122を介して供給される。カードユニット用電力供給線122は、電源基板100からヒューズ基板101及び払出制御基板71を経由して貸出装置接続基板91まで配設され、CRユニット50の電源は、電力貸出装置接続基板91からハーネス130を介して供給される。サブ用電力供給線121は、サブ接続基板102を経由してサブ制御基板64(
図3に示す)等まで配設されている。
【0050】
電源供給回路115には、電源ショート等の異常が発生したときに電力消費側への過電流を遮断する第1及び第2のヒューズ111,112が設けられている。第1のヒューズ111は、入力部113と分岐部114との間の回路に介設され、第2のヒューズ112は、整流回路110からサブ電力供給線121に至る回路に介設されている。また、第1のヒューズ111と分岐部114との間には、パチンコ機Pへの電源供給をON/OFFするための電源スイッチ106が設けられている。
【0051】
電源基板100には、電源断検出回路96(
図4に示す)とRWMクリアスイッチ69(
図4に示す)とが設けられている。電源断検出回路96は、外部電源からの電源の供給が途絶えたとき(電源断の発生時)に電源断予告信号(電源断信号)を生成し、主制御装置70及び払出制御装置71に対して電源断予告信号を送信する。なお、電源断検出回路96を主制御基板62及び払出制御基板63に設けてもよい。
【0052】
RWMクリアスイッチ69は、主制御装置70のRAM75及び払出制御装置71のRAM82に保存されている過去の遊技情報をクリアするために操作されるスイッチである。RWMクリアスイッチ69が操作されると、RWMクリア信号が主制御装置70及び払出制御装置71にRWMクリア信号線(図示省略)を介して送信される。電源基板100にRWMクリアスイッチ69を設けているのは、電源基板100に配置された電源スイッチ106による電源投入時の短い時間だけ、RWMクリアスイッチ69の操作を確認する構成であり、操作方法としては、電源スイッチ106のON操作と同時にRWMクリアスイッチ69の操作を行うことから、RWMクリアスイッチ69と電源スイッチ106とを互いに近接して配置する方が操作者にとって好ましいためである。なお、RWMクリアスイッチ69は、ヒューズ基板101、主制御基板62、払出制御基板63に設けることも可能であるがこの場合もRWMクリアスイッチ69を電源スイッチ106に近接して配置することが好ましい。
【0053】
(ヒューズ基板101)
図5に示すように、ヒューズ基板101は、電源基板100と払出制御基板63との間の電気的な接続を中継する。また、ヒューズ基板101には、カードユニット用ヒューズ117が設けられている。カードユニット用ヒューズ117は、電源ショート等の異常が発生したときにカードユニット用電力供給線122からCRユニット50への過電流を遮断するものであり、容易に交換可能な状態で取り付けられている。カードユニット用ヒューズ117は、CRユニット50で電源ショート等の異常が発生したときに、電源基板100のヒューズ11よりも先に切断するものが選定されている。なお、容易に交換可能な状態には、ヒューズ基板101を個別の基板ケースによって覆わない状態、ヒューズ基板101を開封が容易な基板ケースによって覆った状態、ヒューズ基板101を覆う基板ケースの外面にカード用ヒューズ117を露出させて取り付けた状態などが該当する。
【0054】
コンデンサ118は、電源投入による通電時にバックアップ電力供給線123を介して払出制御基板63から供給された電力を蓄積し、蓄積した電力(バックアップ電力)を電源断の発生時にバックアップ電力供給線123を介して払出制御基板63及び主制御基板62へ供給する。バックアップ電力の供給により、後述する主制御装置70のRAM(記憶素子)75及び払出制御装置71のRAM(記憶素子)82にそれぞれ記憶されたバックアップ用の所定の情報が消去せずに保持される。なお、本実施形態では、コンデンサ118をヒューズ基板101に設けているが、電源基板100にコンデンサ118を設けてもよい。
【0055】
(主制御装置70)
図4に示すように、主制御装置70には、中央演算処理装置(中央命令処理部)である主制御CPU73を実装した回路基板(主制御基板62)が装備されており、主制御CPU73は、CPUコア、各種レジスタ(汎用レジスタ、フラグレジスタ、インデックスレジスタ、リフレッシュレジスタ、割込みレジスタ、命令レジスタなど)、スタックポインタ、プログラムカウンタ、命令レコーダ(何れも図示省略)等を含み、ROM74やRAM(RWM)75等の半導体メモリとともにLSIとして構成されている。各レジスタは、演算結果、次に読み込む命令のアドレス、実行状態等を保持する。また主制御装置70には、ハード乱数発生回路76やサンプリング回路(図示省略)が装備されている。ハード乱数発生回路76は、ハードウェア乱数(例えば10進数表記で0〜65535)を発生させるものであり、発生させた乱数は、サンプリング回路を通じて主制御CPU73に入力される。ハードウェア乱数は、大当たり判定用の第1特図当たり決定乱数及び第2特図当たり決定乱数や、当たり(普図当たり)判定用の普図当たり決定乱数として用いられる。主制御装置70には、クロック(周波数発生回路部)77、入出力(I/O)ポート、カウンタ/タイマ回路(CTC)等の周辺ICが装備されており、これらは主制御CPU73とともに回路基板上に実装されている。
【0056】
RAM75には、各種フラグの記憶領域を含むワーク領域(図示省略)が設けられ、割込み発生時やサブルーチンや関数を呼び出す際に、処理中のデータや戻りアドレスなどがワーク領域のスタック領域(退避領域)に一時的に退避される。
【0057】
主制御CPU73は、遊技処理の実行を制御する主制御部として機能し、RAM75は、主制御CPU73による遊技処理の実行経過に対応する状態を記憶する記憶素子として機能する。電源断の発生時には、コンデンサ118に蓄積された電力がバックアップ電力供給線123(
図5に示す)を介してRAM75に供給される。
【0058】
球検知センサ類56〜59の入賞検知信号は、入出力ドライバ(図示省略)を介して主制御CPU73に入力される。なお、本実施形態では、第1特図始動球検知センサ56及び第2特図始動球検知センサ57からの入賞検知信号は、主制御装置70に直接送信され、ゲート通過球検知センサ55、大入賞球検知センサ58及び一般入賞球検知センサ59からの入賞検知信号は、中継端子板(図示省略)を経由して主制御装置70に送信される。
【0059】
第1特図表示装置40、第2特図表示装置41、普図表示装置42、及び状態表示装置43の各表示は、主制御CPU73からの制御信号によって制御される。主制御CPU73は、遊技の進行状況に応じてこれら表示装置40〜43に対する制御信号を出力し、各LEDの点灯状態を制御する。
【0060】
電動チューリップ駆動装置51及びアタッカー駆動装置54の駆動は、主制御CPU73からの制御信号によって制御される。各駆動装置51,54のソレノイドは、主制御CPU73からの制御信号に基づいて動作(励磁)し、電動チューリップ33及びアタッカー装置39を開閉動作(作動)させる。
【0061】
内枠扉2には、ガラス扉開放スイッチ78と内枠扉開放スイッチ79とが設置されている。内枠扉2からガラス扉3が開放されると、ガラス扉開放スイッチ78からの接点信号が払出制御装置71を経由して主制御装置70に入力される。また、機枠1から内枠扉2が開放されると、内枠扉開放スイッチ79からの接点信号が払出制御装置71を経由して主制御装置70に入力される。
図4では図示を簡略化しているが、
図3に示すように、ガラス扉開放スイッチ78及び内枠扉開放スイッチ79からの各接点信号を送信する扉開放検出用信号線151,152の各接点は、払出制御基板63を経由して主制御装置70に入力される。スイッチ78,79から接点信号を受信した主制御CPU73は、扉が開放したことを音やLEDや液晶などによって報知するため、これらの報知処理の実行を指示する制御信号をサブ制御装置72に送信する。また、扉開放スイッチ78,79からの接点信号は、払出制御基板63を経由して、扉開放を示す外部情報信号として外部情報端子基板65に出力される。
【0062】
パチンコ機Pには磁気や電波等を検知するエラー検知センサ98が設けられ、エラー検知センサ98は、磁気や電波等を検知すると、主制御装置70にエラー検知信号を送信する。エラー検知信号を受信した主制御CPU73は、所定のエラー処理を実行するとともに、エラー検知を示す外部情報信号を出力する。
【0063】
(払出制御装置71)
払出制御装置71には、払出制御CPU80を実装した回路基板(払出制御基板63)が装備されており、払出制御CPU80も、主制御CPU73と同様に、CPUコア(図示省略)を含み、ROM81、RAM82等の半導体メモリとともにLSIとして構成されている。払出制御CPU80は、主制御CPU73から受信した賞球指示コマンド(払出コマンド送信信号)に基づいて遊技球の払い出し動作を制御し、指示された個数の遊技球の払出動作を実行させる。なお、主制御CPU73は、賞球指示コマンドとは別に、賞球情報信号を外部情報信号として生成し出力する。具体的には、主制御CPU73は、指示した個数の合計が所定個数(例えば、10個)に達する毎に、賞球情報信号を外部情報信号として生成し出力する。また、払出制御CPU80も、払い出しを行った個数の合計が所定個数(例えば、10個)に達する毎に、賞球情報信号を外部情報信号として生成し出力する。
【0064】
払出制御CPU80は、遊技球(遊技媒体)の払出処理及び貸出処理の実行を制御する払出制御部として機能し、RAM82は、払出制御CPU80による払出処理及び貸出処理の実行経過に対応する状態を記憶する記憶素子として機能する。電源断の発生時には、コンデンサ118に蓄積された電力がバックアップ電力供給線123(
図5に示す)を介してRAM82に供給される。
【0065】
遊技場の球補給経路(図示省略)から補給された遊技球は、賞球タンク(図示省略)に蓄えられ、賞球樋(図示省略)を流下して賞球ケース(図示省略)に導入され、賞球ケースから上皿10に供給される。
【0066】
賞球ケースには、払出モータ(例えばステッピングモータ)83が設けられ、払出制御装置71(払出制御基板63)には、払出モータ83の駆動回路(図示省略)が設けられている。払出制御装置71は、払出モータ83を回転駆動して遊技球を賞球ケースから払い出させる。払出モータ83の1回の払出動作(所定量の回転駆動)によって1個の遊技球が払い出され、払い出された遊技球は、払出流路(図示省略)を通って前面ボード4へ流下する。
【0067】
払出モータ83の下流側には払出計数スイッチ84が設置され、払出モータ83の駆動によって実際に賞球が払い出されると、払出計数スイッチ84からの払出計数信号(払出検知信号)が払出制御装置71に送信される。払出計数信号は、1個の遊技球の払い出しを検出する度に送信され、払出制御CPU80は、受信した払出計数信号に基づき、実際の払出数や球切れ状態を検知して、遊技球の払い出しを管理する。
【0068】
CRユニット50に残高がゼロではない適正な有価媒体が投入されると、CRユニット50は、貸出の処理中であること(球貸しが可能な状態であること)を示す貸出装置READY信号を、貸出装置接続基板91を経由して払出制御装置71へ送信するとともに、貸出可LED信号及び度数表示LED信号を、払出操作基板200を経由して球貸表示装置24及び度数表示装置14に送信する。球貸可LED信号を受信した球貸表示装置24では球貸可能ランプが点灯し、度数表示LED信号を受信した度数表示装置14では、有価媒体の残高度数が表示される。係る状態で球貸スイッチ12が操作されると、その操作信号(貸出スイッチ信号)が払出操作基板200を経由してCRユニット50に送信され、貸出スイッチ信号を受信したCRユニット50は、有価媒体の残高の減算処理を実行するとともに、台端末貸出要求完了確認信号を、貸出装置接続基板91を経由して払出制御装置71へ送信する。台端末貸出要求完了確認信号は、基本単位分(25個)の遊技球の貸出を要求する信号であり、例えば球貸スイッチ12の1回の操作が5度数分(125個)の貸出要求に対応するようにCRユニット50側で設定されている場合には、球貸スイッチ12が1回操作されると、台端末貸出要求完了確認信号は5回繰り返して送信される。
【0069】
払出制御装置71のRAM82には、遊技球の払出残数を記憶する払出残数記憶領域が設けられている。払出残数記憶領域は、賞球として払い出す予定の遊技球数(賞球残数)を記憶する賞球メモリ領域と、貸出として払い出す予定の遊技球数(貸出残数)を記憶する貸出メモリ領域とに区分されている。払出制御CPU80は、主制御CPU73から賞球指示コマンドを受信すると、受信した賞球指示コマンドが示す賞球数分だけ賞球残数を加算し、CRユニット50から台端末貸出要求完了確認信号を受信すると、基本単位分だけ貸出残数を加算する。遊技球の払出動作において、払出制御CPU80は、払出計数SW84からの払出計数信号を受信する度に、賞球残数又は貸出残数の一方を1ずつ減算し、賞球残数及び貸出残数の双方がゼロになるまで払出動作を継続する。なお、本実施形態の払出制御CPU80は、貸出残数の払い出しを賞球残数よりも優先して実行する。すなわち、貸出残数がゼロではない場合には、貸出残数がゼロになるまで貸出残数を優先して減算し、貸出残数がゼロである場合に限り、賞球残数を減算し、賞球残数がゼロになったときに払い出しを終了する。なお、1回の賞球払出を所定単位個数(例えば25個)を上限とした個数分まで連続して実行する処理(賞球連続払出処理)が設定されている場合には、連続賞球払出処理の途中に貸出残数がゼロから増加しても、実行中の連続賞球払出処理が完了するまではその処理(賞球払出)を中断せずに継続する。そして、1回の連続賞球払出処理が完了した後は、賞球残数が未だゼロに達していなくても、貸出残数がゼロではない場合には、賞球残数よりも貸出残数の払い出しを優先して実行する。払出制御CPU80は、払出動作が実行可能であるときにはこれを示す台READY信号を、基本単位分の貸出が終了したときにはこれを示す台端末貸出完了信号を、貸出装置接続基板91を経由してCRユニット50へそれぞれ送信する。
【0070】
上皿10(
図1に示す)への遊技球の供給経路には皿満タンスイッチ85が設置され、下皿11(
図1に示す)が遊技球で満杯になると、皿満タンスイッチ85がONになり、満タン検出信号が払出制御装置71に送信される。球満タンスイッチ85からの満タン検出信号を送信する満タン検出用信号線(図示省略)は、払出制御基板63に接続され、満タン検出信号は、払出制御装置71に入力される。満タン検出信号を受信した払出制御CPU80は、主制御CPU73から受信した賞球指示コマンドに応じた賞球動作を一旦保留とし、未払出の賞球残数をRAM82に記憶させておく。なお、RAM82の記憶は電源断時にもバックアップが可能であり、遊技中に停電(瞬間的な停電を含む)が発生しても、未払出の賞球残数情報が消失してしまうことはない。
【0071】
払出制御基板63には、メイン電力供給線120から供給されるDC12Vの電力を5Vに降圧してCPU80へ供給するレギュレータ108が設けられている。また、レギュレータ108からの電力は、バックアップ電源としてバックアップ電力供給線123を介してヒューズ基板101のコンデンサ118に供給される。なお、主制御基板62にも、払出制御基板63と同様に、メイン電力供給線120から供給されるDC12Vの電力を5Vに降圧してCPU73へ供給するレギュレータ109が設けられている。
【0072】
(発射制御装置99)
発射装置19(
図2に示す)には、発射モータ86と球送りソレノイド87とが設けられ、発射ハンドル18(
図1に示す)には、発射ボリューム88とタッチセンサ89と発射停止スイッチ90とが設けられている。球送りソレノイド87は、上皿10(
図1に示す)から流下した遊技球を1個ずつ発射位置に送り出し、発射モータ86は、発射位置に送り出された遊技球を打ち出す。なお遊技球の発射間隔は、例えば0.6秒程度(1分間で100個以内)である。
【0073】
発射ボリューム88は、発射ハンドル18(
図1に示す)の回転操作量(ストローク)に比例した発射勢指示信号を発射制御装置99に送信する。タッチセンサ89は、静電容量の変化から遊技者の身体が発射ハンドル18に触れていることを検出し、その検出信号を発射制御装置99に送信する。発射停止スイッチ90は、遊技者から操作されたときに発射停止信号(接点信号)を発射制御装置99に送信する。
【0074】
遊技者が発射ハンドル18を回転操作すると、発射ボリューム88から発射制御装置99に回転操作量に応じた発射勢指示信号が送信される。発射制御装置99は、受信した発射勢指示信号に基づいて発射モータ86の駆動を制御する。これにより、遊技者の操作量に応じて遊技球の打ち出し強さが調整される。但し、発射制御装置99は、タッチセンサ89からの検出信号がオフ(ローレベル)の場合、及び発射停止スイッチ90から発射停止信号が入力された場合には、発射モータ86の駆動を停止する。この他、払出制御CPU80は、パチンコ機PにCRユニット50が接続されていない場合、発射制御装置99に対して発射モータ86の駆動を停止する信号を出力する。
図4では図示を簡略化しているが、
図3に示すように、発射モータ86の駆動制御信号を送信する発射モータ用信号線153は、ヒューズ基板101に接続され、発射モータ86の駆動制御信号は、払出制御基板63からヒューズ基板101を経由して発射モータ86に入力される。
【0075】
払出制御装置71の基板上には、状態LED(図示省略)が設けられている。状態LEDは、電源からの電力供給時に発光する電源LED、受け皿の満タン時に発光する受け皿満タンLED、通信エラー時に発光する通信エラーLED、扉開放時に発光する扉開放LED、払出動作の不良時に発光する払出動作不良LED、CRユニット50との未接続時に発光するCR未接続LEDとを含む。通信エラーLED、払出動作不良LED及びCR未接続LEDの発光制御は、対応する信号(コマンド)の受信に基づいて払出制御CPU80が実行する。
【0076】
(サブ制御装置72)
サブ制御装置72には、演出制御CPU92を実装した回路基板(複合サブ制御基板64)が装備されており、演出制御CPU92も、主制御CPU73と同様に、CPUコア(図示省略)を含み、ROM93、RAM94等の半導体メモリとともにLSIとして構成されている。サブ制御装置72には、入出力ドライバや各種の周辺IC(共に図示省略)が装備されている。
【0077】
サブ制御装置72のROM93には、演出の制御に関する演出制御プログラムが格納されており、演出制御CPU92は、格納された演出制御プログラムに従い、主制御CPU73から送信される演出用のコマンドに基づいて、演出表示装置31、各種ランプ25,60、音発生装置97及び可動役物による演出の制御を実行する。演出表示装置31は、画像プロセッサや液晶等を含み、音発生装置97は、サウンドプロセッサやスピーカ22等を含む。演出の制御には、演出表示装置31の画像の表示制御、各種ランプ25,60の発光制御、スピーカ22からの音声発生制御、及び可動役物の駆動装置95の駆動制御が含まれる。なお、画像プロセッサ及びサウンドプロセッサは、サブ制御基板64に設けてもよい。
【0078】
(外部への出力)
主制御装置70及び払出制御装置71において生成された各種の外部情報信号は、外部情報端子基板65から外部に出力される。外部情報端子基板65から出力される信号は、例えば遊技場のホールコンピュータ68で集計される。
【0079】
[払出制御基板63及び貸出装置接続基板91の基板ケース201の説明]
図7に示すように、払出制御基板63と貸出装置接続基板91とは、両者のコネクタ140,141が接続された状態で、開封時に痕跡が残る単一の基板ケース201の内部に封入される。基板ケース201は、外部から視認可能な透明樹脂製のケース本体202及びケースカバー203からなり、パチンコ機P(内枠扉2)に固定される。封入とは、基板に固定されてワイヤハーネスと接続されるコネクタの周囲に形成される間隙(例えば、
図5に示すコネクタ147,148,142と後述する矩形孔218との間隙)を最小限に抑え、且つ基板表面に形成される基板回路や基板上に搭載される各部品への外部からの接触が不可能又は著しく困難な状態で、基板全体を終了して被覆することを意味する。なお、以下の説明では、相互に接続されて一体化した払出制御基板63及び貸出装置接続基板91を基板63,91と表す。
【0080】
ケース本体202は、基板63,91よりも僅かに大きい略矩形板状であり、内枠扉2側に配置される。ケースカバー203は、内枠扉2側の前面が開口する矩形箱状であり、ケース本体202の後側(内枠扉2から離間する側)に配置される。
図7において、ケースカバー203の上下の縁部はケース本体202の上下の縁部にそれぞれ係合してスライド移動可能であり、ケースカバー203の左端をケース本体202に対して右側から差し込み、ケースカバー203をケース本体202に対して左側へスライド移動させることによって、両者が装着位置で相対向し、両者の間に基板63,91の収容空間が区画される。
【0081】
ケース本体202の左端部には、ネジ締結部204が設けられ、ケースカバー203の左端部には、ネジ締結部204に対応して筒体ユニット205が設けられている。ネジ締結部204には、2箇所のネジ挿入孔206が形成されている。ネジ挿入孔206の内周面には、スクリュー状のネジ(加締めビス)207が締め込まれることによって雌ネジが形成される。筒体ユニット205は、2箇所のネジ挿入孔206にそれぞれ対応する2つの筒状体208が形成され、ネジ207は各筒状体208の内径部に収容され又は挿通する。
【0082】
図8に示すように、ネジ挿入孔206の開口縁部には凹部209が設けられ、凹部209には、薄肉の金属板を加工して形成された係合プレート(回路用ネジワッシャー)210が埋設される。凹部209及び係合プレート210は、2個のネジ挿入孔206に跨る大きさを有する楕円状である(
図7参照)。
【0083】
係合プレート210のうち2個のネジ挿入孔206と対応する部位には、花冠形(略X状)の孔部211が4箇所の突片212によってそれぞれ区画形成されている。係合プレート210が凹部209に嵌め込まれた状態で、各孔部211の中心は、各ネジ挿入孔206の中心にほぼ一致する。4箇所の突片212は、その先端側がネジ挿入孔206側へ傾斜するように基端部から前方へ僅かに屈曲されて孔部211の内側へ突出する。突片212の各先端に接する内接円の直径は、ネジ挿入孔206の直径よりも僅かに小さく設定されている。各突片212は、筒状体208の内径部を挿通してネジ締結部204のネジ挿入孔206に締め込まれたネジ207の後述する周溝213と係合する。突片212と周溝213との係合によって、ネジ207の締結状態の緩み(解除)が防止され、基板ケース201を容易に開封することができない。
【0084】
ネジ締結部204の後面には、合成樹脂製で、2個のネジ挿入孔206に跨る大きさを有する単一の蓋部材(ネジワッシャー押さえ部材)214が固着されている。蓋部材214のうち各ネジ挿入孔206(係合プレート210の各孔部211)と対応する部位には、ネジ207の挿通を許容する貫通孔215がそれぞれ形成されている。蓋部材214は、係合プレート210の凹部209からの脱落を阻止する。
【0085】
ネジ207の先端から軸方向の中間部付近までの範囲には、雄ネジ216が形成されている。さらに、雄ネジ216よりも基端側の軸方向の略中間部には、所定深さの周溝213が形成されている。
【0086】
ネジ207が筒状体208の内径部に挿入された状態で、筒状体208の後端側の開口端面には、金属製の板状のキャップ(加締めビス蓋)217が固着される。キャップ217は、その一部が筒状体208の外周面に加締められることによって筒体ユニット205に固着される。固着されたキャップ217によって開口271は封止され、ネジ207は筒状体208から抜け出さないように収納及び保持される。また、ネジ207が筒状体208を挿通してネジ挿入孔206と螺合した締結状態でキャップ217を固着した後は、ネジ207による締結状態を解除するためには、キャップ217の加締め部(
図9に斜線を付して示す3箇所の加締め部218)を切断しなければならない。すなわち、加締めて固着するキャップ217を設けることによって、開封時に痕跡が残る基板ケース201が構成される。なお、開封時に痕跡が残る構造は、キャップ217による加締めに限定されず、例えばケース本体202とケースカバー203とを封印タグによって連結するなど、他の構造であってもよい。
【0087】
基板63,91を基板ケース201に組み付ける場合、基板63,91にケースカバー203を被せ、そのサブユニットを、ケース本体202の右側からスライドさせてケース本体202とケースカバー203とを装着位置に設定する。
【0088】
この装着位置において、ネジ固定部230に筒体ユニット205が位置合わせされる。そして、図示しない複数のネジによって基板63,91及びケースカバー203をケース本体202に取り付ける。これにより、基板63,91は、ケース本体202及びケースカバー203からなる基板ケース201の内部に収納されて被覆され、基板上の電気部品が他の導電部品との接触によるショートや損傷等から保護される。また、基板63,91の各コネクタ147,148,142(
図5に示す)は、ケースカバー203の各矩形孔218を通して外部に露出し、それらのコネクタ147,148,142に配線(
図5に示すワイヤハーネス132,133,130)を接続することにより、基板63,91と、他の基板等とが電気的に接続される。
【0089】
また、ネジ固定部230と筒体ユニット205とを用いたネジ207による固定については、パチンコ機10の工場出荷時には、2本のネジ207のうちの1本のみをネジ挿通孔236に締結し、残りの1本を筒状体208の内径部に単に挿入しておく。そして、ホールでのパチンコ機10の検査又は修理のために基板ケース201を分解する際に、締結済のネジ207の締結を解除し、再組付の際に未締結の残りの1本のネジ207をネジ挿通孔236に締結する。
【0090】
なお、払出制御基板63と貸出装置接続基板91とを、両者のコネクタ140,141が接続された状態で、開封時に痕跡が残る2つの基板ケースの内部にそれぞれ個別に封入してもよい。また、特に図示して説明していないが、主制御基板62も、払出制御基板63及び貸出装置接続基板91と同様に、開封時に痕跡が残る単一の基板ケースの内部に封入される。
【0091】
本実施形態によれば、両者のコネクタ140,141同士を直接接続した払出制御基板63と貸出装置接続基板91とを、開封時に痕跡が残る単一の基板ケース201内に封入しているので、不正行為の防止及び抑制を図ることができる。
【0092】
また、電源基板100や払出制御基板63や貸出装置接続基板91とは別にヒューズ基板101を設け、ヒューズ基板101にカードユニット用ヒューズ117を交換容易に取り付けたので、ヒューズ117の交換に際して、払出制御基板63のように基板が封入された基板ケース201を開封する必要がなく、また、電源基板100に設けた他のヒューズ111,112との間で誤交換が生じ難い。
【0093】
特に、電源基板100を、内枠扉2の裏面の左右中央よりも右側に配置し、ヒューズ基板101を、内枠扉2の裏面の左右中央よりも左側に配置しているので、電源基板100とヒューズ基板101とが離れた状態となり、ヒューズ117の誤交換をさらに確実に防止することができる。
【0094】
従って、不正行為の防止及び抑制とヒューズ117の交換作業性の向上とを両立させることができる。
【0095】
また、バックアップ電力供給線123を電源基板100からヒューズ基板101及び払出制御基板63を経由して主制御基板62へ配設し、ヒューズ基板101に、電源断の発生時にバックアップ電力供給線を介してバックアップ電力を供給するコンデンサ118を設けるとともに、ヒューズ基板101に、メイン電力供給線120とカードユニット電力供給線122を電源基板100との間で電気的に接続するための単一のコネクタ145と、メイン電力供給線120とカードユニット電力供給線122とバックアップ電力供給線123とを払出制御基板63との間で電気的に接続するための単一のコネクタ146とを設けたので、配線の簡素化、接続作業の容易化及び部品点数の削減を図ることができる。
【0096】
また、ヒューズ基板101と払出制御基板63とを接続するワイヤハーネス132を、電力供給線120,122及びRWMクリア信号線の他、扉開放検出用信号線151,152と発射モータ用信号線153と満タン検出用信号線とを含むように行使し、ヒューズ基板101のコネクタ145,146及び払出制御基板63のコネクタ147を、これらの信号線に対応する端子も備えるように構成した場合は、さらなる配線の簡素化、接続作業の容易化及び部品点数の削減が可能となる。また、払出制御基板63を交換する際の交換作業の容易化も可能となる。
【0097】
さらに、ヒューズ基板101に、コンデンサ118を設けた場合は、電源基板100にこれらを設ける必要がなくなる。このため、電源基板100を異なる機種間の共通部品として設計し易くなり、部品の共用化を図ることができる。
【0098】
さらに、ヒューズ基板101に、RWMクリアスイッチ69を設けた場合は、電源基板100にこれらを設ける必要がなくなる。このため、電源基板100を異なる機種間の共通部品としてさらに設計し易くなり、さらに部品の共用化を図ることができる。
【0099】
また、ヒューズ基板101と払出制御基板63とを接続するワイヤハーネス132が、電力供給線120,122及びRWMクリア信号線の他に、扉開放検出用信号線151,152(
図3に示す)と発射モータ用信号線153(
図3に示す)と満タン検出用信号線(図示省略)とを含み、ヒューズ基板101のコネクタ145,146及び払出制御基板63のコネクタ147が、これらの信号線に対応する端子を備える構成とすることによって、さらなる配線の簡素化、接続作業の容易化及び部品点数の削減が可能となる。
【0100】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【0101】
例えば、外部情報端子基板65へ出力する外部情報について、主制御装置70の外部情報を主制御基板62から払出制御基板63に出力し、払出制御装置71の外部情報と主制御基板62から入力された外部情報とを、コネクタ147からワイヤハーネス132及びコネクタ146を経由させてヒューズ基板101に出力し、ヒューズ基板101から外部情報端子基板65に出力してもよい。
【0102】
払出モータ83について、ヒューズ基板101に接続し、その信号をコネクタ146からワイヤハーネス132及びコネクタ147を経由させて払出制御基板63に接続してもよい。
【0103】
ヒューズ基板101及びサブ接続基板102を、払出制御基板63の裏側に配置してもよい。このような配置によって、ワイヤハーネス130と、ワイヤハーネス131、132、134およびサブ制御基板102等に接続するハーネスとが交差することがなく、ハーネスの引き回しが整然とする。
【0104】
払出制御基板63と貸出装置接続基板91は、ボードtoボードで接続せずに、ワイヤハーネスによって接続し、両基板63,91を同一ケース(かしめ付)内に収容する構成としてもよい。
【0105】
コンデンサ118に蓄電するための電力を払出制御基板63からではなく、電源基板100から行ってもよい。この場合、電源基板100とヒューズ基板101との間のハーネス131がバックアップ電力供給線123を含み、対応する端子をコネクタ144,145が備える構成とすればよい。