(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の水中油型乳化組成物(以下、単に、「本発明の乳化組成物」ともいう。)について以下に詳細に説明する。
【0011】
本発明の乳化組成物は、食用油脂(成分A)、及び飽和脂肪酸を構成脂肪酸とするモノアシルグリセロール(成分B)を少なくとも含む油相成分と、水(成分C)、糖アルコール(成分D)、及びセルロース(成分E)を少なくとも含む水相成分とを水中油型に乳化分散して得られる、ケーキの製造に適した起泡性の水中油型乳化組成物である。
【0012】
本発明に用いる食用油脂(成分A)に特に制限はないが、植物油脂であることが好ましい。当該植物油脂としては、例えば、大豆油、オリーブ油、サフラワー油、コーン油、ナタネ油、綿実油、これらの分別油、エステル交換油、硬化油から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
本発明の乳化組成物中の食用油脂の含有量は、油脂特有の風味をケーキに付与する点及び乳化安定性を向上する点から、3質量%以上であることが好ましく、5質量%以上であることがより好ましく、8質量%以上であることがより好ましい。また、乳化安定性を向上する点から、本発明の乳化組成物中の食用油脂の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましく、13質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明で規定する食用油脂の含有量は、トリアシルグリセロール及びジアシルグリセロールの量を意味し、モノアシルグリセロールは算入しない。本発明に用いる食用油脂は、トリアシルグリセロールを主成分としており、食用油脂中のトリアシルグリセロールの含有量は、通常には90〜99質量%である。
食用油脂は、本発明の乳化組成物の油相成分を構成する。
【0013】
本発明に用いる、飽和脂肪酸を構成脂肪酸とするモノアシルグリセロール(成分B、以下、「飽和モノアシルグリセロール」ともいう。)とは、グリセリンが有する3つのヒドロキシル基のいずれか1つと、飽和脂肪酸が有するカルボキシル基とがエステル結合した構造を有するモノエステル化合物である。飽和脂肪酸が結合するグリセリンのヒドロキシル基は、α−位であってもβ−位であってもよいが、α位であることが好ましい。
上記飽和脂肪酸に特に制限はないが、ケーキの比容積向上の観点から、ミリスチン酸(C14:0)、パルミチン酸(C16:0)、ステアリン酸(C18:0)、アラキジン酸(C20:0)から選ばれるものであることが好ましく、パルミチン酸又はステアリン酸であることがより好ましい。
【0014】
本発明の乳化組成物中には、1種又は2種以上の飽和モノアシルグリセロールが含まれる。本発明の乳化組成物中の飽和モノアシルグリセロールの含有量は、ケーキの比容積向上の点から、2質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましい。また、乳化安定性を向上する点から、本発明の乳化組成物中の飽和モノアシルグリセロールの含有量は、20質量%以下であることが好ましく、18質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることがさらに好ましい。
飽和モノアシルグリセロールは、本発明の乳化組成物の油相成分を構成する。
【0015】
本発明に用いる水(成分C)は、飲用水であれば特に制限はなく、例えば、水道水、精製水、イオン交換水、ミネラルウォーターから選ばれる1種又は2種以上を用いることができる。また、成分C以外の成分を水溶液等の水を含む状態で配合した場合には、当該水溶液等に含まれる水は、成分Cを構成する。
【0016】
本発明の乳化組成物中の水の含有量は、乳化安定性を向上する点から、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、18質量%以上であることがさらに好ましい。また、防腐性の点から、本発明の乳化組成物中の水の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、35質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることがさらに好ましい。
水は、本発明の乳化組成物における水相成分の基剤となる。
【0017】
本発明に用いる糖アルコール(成分D)は、糖が還元されたものであり、例えば、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトールから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。本発明に用いる糖アルコールは、ソルビトール又はマルチトールが好ましく、ソルビトールがより好ましい。
【0018】
本発明の乳化組成物中の糖アルコールの含有量は、10質量%以上60質量%以下である。糖アルコールの含有量を上記範囲内とすることで、乳化安定性の向上、ケーキの比容積とばらけ感の向上を図ることができる。本発明の乳化組成物中の糖アルコールの含有量は、好ましくは20質量%以上であり、25質量%以上であることがより好ましく、32質量%以上であることがさらに好ましい。また、ケーキの比容積とばらけ感の向上の観点から、本発明の乳化組成物中の糖アルコールの含有量は、55質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましく、45質量%以下であることがさらに好ましく、40質量%以下であることがさらに好ましい。
糖アルコールは、本発明の乳化組成物における水相成分を構成する。
【0019】
本発明に用いるセルロース(成分E)は、β-グルコース分子がグリコシド結合により直鎖状に重合した水に不溶性の天然高分子である。本発明で規定する「セルロース」には、セルロース誘導体は含まれない。すなわち、本発明で規定する「セルロース」には、メチルセルロースなどのグルコース成分の水酸基が置換されたものは含まれない。
本発明に用いるセルロースは、結晶性セルロース及び非結晶性セルロースのいずれでもよいが、結晶性セルロースを用いることがより好ましい。
【0020】
本発明の乳化組成物中のセルロースの含有量は、0.1質量%以上3質量%以下である。セルロースの含有量を上記範囲内とすることで、ケーキ比容積とばらけ感の向上を図ることができる。本発明の乳化組成物中のセルロースの含有量は、好ましくは0.3質量%以上であり、0.4質量%以上であることがより好ましい。また、ケーキ比容積、ばらけ感及び風味の向上の観点から、本発明の乳化組成物中のセルロースの含有量は、2質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることがさらに好ましい。
セルロースは、本発明の乳化組成物の水相成分を構成する。
【0021】
本発明の乳化組成物において、セルロースの含有量(e)に対する糖アルコールの含有量(d)の比率(d/e)は、質量比で11.5以上である。当該比率とすることで、ケーキのばらけ感の向上と風味の向上の両立を図ることができる。当該比率(d/e)は好ましくは、質量比で14以上であり、20以上であることがより好ましく、40以上であることがより好ましく、65以上であることがさらに好ましい。また、ケーキ比容積の向上の点から、当該比率(d/e)は、好ましくは質量比で150以下であり、より好ましくは120以下であり、さらに好ましくは100以下である。
【0022】
本発明の乳化組成物は、増粘多糖類(成分F)を含有することが好ましい。本発明の乳化組成物に用いる増粘多糖類は、単糖分子がグリコシド結合によって重合した糖であり、重合している単糖単位の数が10以上のものを意味する。本発明に用いる増粘多糖類は、上記構造を有する限り特に制限はないが、キサンタンガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアガム及びセルロース誘導体から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、なかでもキサンタンガムが好適に用いられる。セルロース誘導体とは、例えば、セルロースの構成成分であるグルコースの水酸基が置換されたものであり、その例としてはメチルセルロースが挙げられる。
本発明で規定する「上記増粘多糖類」には、上記セルロース(成分E)は含まれないものとする。すなわち、上記セルロース(成分E)は、増粘多糖類とは別に、独立して配合される成分である。
【0023】
本発明の乳化組成物が増粘多糖類を含む場合において、本発明の乳化組成物中の増粘多糖類の含有量に特に制限はないが、ケーキ比容積の向上の観点から、好ましくは0.02質量%以上であり、0.03質量%以上であることがより好ましく、0.04質量%以上であることがさらに好ましい。また、ケーキ比容積の向上と風味の向上の両立の観点から、本発明の乳化組成物中の増粘多糖類の含有量は、好ましくは0.5質量%以下であり、0.3質量%以下であることがより好ましく、0.2質量%以下であることがさらに好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましい。
増粘多糖類は、本発明の乳化組成物の水相成分を構成する。
【0024】
本発明の乳化組成物は、リン脂質(成分G)を含有することが好ましい。本発明に用いるリン脂質に特に制限はなく、例えば、フォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジン酸、これらの酵素処理物から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。また、天然レシチン(例えば、大豆レシチン、卵黄レシチン)、当該天然レシチンの酵素分解物、リン脂質複合体(例えば、リン脂質とタンパク質との複合体等)から選ばれるの1種又は2種以上を上記リン脂質として用いてもよい。
【0025】
本発明の乳化組成物がリン脂質を含む場合において、本発明の乳化組成物中のリン脂質の含有量は特に限定されないが、ケーキ比容積の向上とケーキの風味向上の両立の観点から、好ましくは0.1質量%以上であり、0.2質量%以上であることがより好ましく、0.5質量%以上であることがさらに好ましい。また、同様の観点から、本発明の乳化組成物中のリン脂質の含有量は、好ましくは5質量%以下であり、4質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがさらに好ましい。
リン脂質は、本発明の乳化組成物の油相成分を構成する。
【0026】
本発明の乳化組成物は、上記以外に乳化剤(成分H)、糖類(成分I)、エタノール(成分J)等を含有してもよい。
本発明に用いる乳化剤(成分H)は、乳化組成物の乳化安定性をより向上させる観点から、HLBが2以上20以下の少なくとも1種の乳化剤であることが好ましく、HLBが2以上8以下の少なくとも1種の乳化剤と、HLBが9以上20以下の少なくとも1種の乳化剤とからなることがより好ましい。なお、本発明で規定する「乳化剤」には、モノアシルグリセロール、ジアシルグリセロール、及びリン脂質は含まれないものとする。
【0027】
本発明において、HLBは下記の数式で表されるGriffin法(W.C.Griffin,J.Soc.Cosmetic.Chemists.,1,311(1949))により計算した値である。
HLB=20×(親水基部分の分子量)/(乳化剤の分子量)
【0028】
上記のHLBが2以上8以下の乳化剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。乳化安定性の観点から、ソルビタン脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステルを併用するのが好ましい。ソルビタン脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステルを構成する脂肪酸に特に制限はないが、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、エルカ酸が挙げられ、これらのうち飽和脂肪酸がより好ましい。なかでも、ソルビタン脂肪酸モノエステル又はプロピレングリコール脂肪酸モノエステルが好ましく、ソルビタンモノステアレート又はプロピレングリコールベヘン酸エステルが好適に用いられる。
本発明の乳化組成物中、上記のHLBが2以上8以下の乳化剤の含有量は特に限定されないが、乳化安定性の観点から、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましい。また、同様の観点から、本発明の乳化組成物中の、上記のHLBが2以上8以下の乳化剤の含有量は、20質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることがより好ましく、6質量%以下であることがさらに好ましい。
【0029】
上記のHLBが9以上20以下の乳化剤としては、例えば、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート、ポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上を挙げることができるが、水への分散性と乳化安定性の観点からショ糖脂肪酸エステルが好適に用いられる。ショ糖脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸、エルカ酸等が挙げられ、これらのうち飽和脂肪酸がより好ましい。本発明に用いうるショ糖脂肪酸エステルは、好ましくはショ糖ステアリン酸エステルである。
本発明の乳化組成物中、上記のHLBが9以上20以下の乳化剤の含有量は特に限定されないが、乳化安定性の観点から、1質量%以上であることが好ましく、2質量%以上であることがより好ましく、2.5質量%以上であることがさらに好ましい。また、同様の観点から、上記のHLBが9以上20以下の乳化剤の含有量は、10質量%以下であることが好ましく、8質量%以下であることがより好ましく、6質量%以下であることがさらに好ましい。
【0030】
上記糖類(成分I)としては、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類、五糖類、六糖類、澱粉加水分解物から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。より具体的には、例えば、グルコース、マルトース、フルクトース、シュークロース、ラクトース、トレハロース、マルトトリオース、マルトテトラオースから選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。
本発明において、上記糖類には、上記糖アルコール(成分D)は含まれない。
本発明の乳化組成物中の糖類の含有量は特に限定されないが、乳化安定性の向上、及びケーキに適度の甘みを付与する観点から、5質量%以上であることが好ましく、7質量%以上であることがより好ましい。また、乳化安定性の向上の点から、本発明の乳化組成物中の糖類の含有量は、25量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることがさらに好ましい。
糖類は、本発明の乳化組成物の水相成分を構成する。
【0031】
エタノール(成分J)は、本発明の乳化組成物中に含有させることで、その界面活性作用により乳化物の調製を容易にする。本発明の乳化組成物中のエタノールの含有量は特に限定されないが、乳化安定性の観点から、0.5質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましい。また、同様の観点から、本発明の乳化組成物中のエタノールの含有量は、5質量以下であることが好ましく、4質量%以下であることがさらに好ましい。
エタノールは、本発明の乳化組成物の水相成分を構成する。
【0032】
本発明の乳化組成物は、油相成分と水相成分とを通常の方法で水中油型に乳化分散させて得ることができる。より具体的には、例えば、80℃程度まで加熱した上記油相成分を、ホモミキサーを用いて攪拌し、ここに40℃程度まで加熱した上記水相成分を加えて攪拌し乳化分散させることで水中油型乳化組成物を得ることができる。本発明の乳化組成物の乳化安定性を高めるために、乳化分散に用いる上記水相成分の量は、乳化分散に用いる上記油相成分の量に対して、質量比(水相成分/油相成分)で1.5以上とすることが好ましく、2以上とすることがより好ましく、2.5以上とすることがさらに好ましい。また、当該質量比は4以下であることが好ましく、3.5以下であることがより好ましい。
【0033】
本発明の水中油型乳化組成物は、ケーキの製造に用いられる。当該ケーキとしては、スポンジケーキ、バターケーキ、シフォンケーキ、ロールケーキ、スイスロール、ブッセ、バウムクーヘン、パウンドケーキ、チーズケーキ、スナックケーキ、蒸しケーキ等が挙げられる。
【0034】
本発明のケーキの製造方法は、本発明の乳化組成物を含有させたケーキ生地を焼成する工程を含む。このケーキ生地は、少なくとも小麦粉と、卵と、本発明の乳化組成物とを混合して調製される。良好な食感と風味のケーキを得る観点から、本発明のケーキの製造方法は、少なくとも小麦粉と、該小麦粉100質量部に対して、卵50〜300質量部と、糖類20〜250質量部と、本発明の乳化組成物3〜100質量部とを混合して抱気させたケーキ生地を調製し、このケーキ生地を焼成する工程を含むことが好ましい。より好ましくは、少なくとも小麦粉100質量部に対して、卵80〜250質量部と、糖類50〜180質量部と、本発明の乳化組成物5〜50質量部とを混合して抱気させたケーキ生地を調製し、このケーキ生地を焼成する工程を含む。
【0035】
上記小麦粉に特に制限はないが、薄力粉が好ましい。
上記卵として、例えば、鶏卵、ダチョウ卵、アヒル卵から選ばれる1種又は2種以上が挙げられるが、中でも鶏卵が好適に用いられる。また、上記卵は、卵白又は卵黄を意味する。
使用する卵の加工形態に特に制限はなく、例えば、生卵、凍結卵、粉末卵、加糖卵、殺菌卵から選ばれる1種又は2種以上を用いることができるが、殺菌卵を用いることが好ましい。
上記糖類は、前述の成分Iと同義である。
上記ケーキ生地は、さらに粉乳、ベーキングパウダー、砂糖、食用油、香料等を含んでいてもよい。
【0036】
上記焼成方法に特に制限はないが、通常には、ケーキ生地を所望の型(円筒、三角筒や四角筒等の角筒等)に入れ、オーブン等で加熱して焼き上げる。加熱温度は通常のケーキの焼成温度を採用すればよく、例えば、150℃〜250℃で焼成することができる。
【0037】
上述した実施形態に関し、本発明は以下の水中油型乳化組成物、ケーキの製造方法或いはケーキを開示する。
【0038】
<1>
A:食用油脂
B:飽和モノアシルグリセロール
C:水
D:糖アルコール
E:セルロース
を含有し、
該糖アルコールの含有量dが10質量%以上60質量%以下、該セルロースの含有量eが0.1質量%以上3質量%以下であり、d/eが11.5以上である、水中油型乳化組成物。
【0039】
<2>
食用油脂の含有量が、3質量%以上、好ましくは5質量%以上、より好ましくは8質量%以上である、前記<1>に記載の水中油型乳化組成物。
<3>
食用油脂の含有量が、20質量%以下、好ましくは15質量%以下、より好ましくは13質量%以下である、前記<1>又は<2>に記載の水中油型乳化組成物。
<4>
食用油脂の含有量が、3〜20質量%、好ましくは5〜15質量%、より好ましくは8〜13質量%である、前記<1>に記載の水中油型乳化組成物。
<5>
食用油脂が、大豆油、オリーブ油、サフラワー油、コーン油、ナタネ油、綿実油、これらの分別油、エステル交換油、硬化油から選ばれる1種又は2種以上である、前記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
【0040】
<6>
飽和モノアシルグリセロールの含有量が、2質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上である、前記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<7>
飽和モノアシルグリセロールの含有量が、20質量%以下、好ましくは18質量%以下、より好ましくは15質量%以下である、前記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<8>
飽和モノアシルグリセロールの含有量が、2〜20質量%、好ましくは3〜18質量%、より好ましくは5〜15質量%である、前記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<9>
飽和モノアシルグリセロールの構成脂肪酸が、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸から選ばれものであり、好ましくはパルミチン酸又はステアリン酸である、前記<1>〜<8>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
【0041】
<10>
水の含有量が、5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは18質量%以上である、前記<1>〜<9>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<11>
水の含有量が40質量%以下、好ましくは35質量%以下、より好ましくは30質量%以下である、前記<1>〜<10>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<12>
水の含有量が5〜40質量%、好ましくは10〜35質量%、より好ましくは18〜30質量%である、前記<1>〜<9>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
【0042】
<13>
糖アルコールの含有量が、20質量%以上、好ましくは25質量%以上、より好ましくは32質量%以上である、前記<1>〜<12>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<14>
糖アルコールの含有量が、55質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、さらに好ましくは40質量%以下である、前記<1>〜<13>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<15>
糖アルコールの含有量が、20〜55質量%、好ましくは20〜50質量%、より好ましくは25〜45質量%、さらに好ましくは32〜40質量%である、前記<1>〜<12>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<16>
糖アルコールが、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール及びマルチトールから選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくはソルビトールである、前記<1>〜<15>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
【0043】
<17>
セルロースの含有量が、0.3質量%以上、好ましくは0.4質量%以上である、前記<1>〜<16>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<18>
セルロースの含有量が、2質量%以下、好ましくは1質量%以下である、前記<1>〜<17>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<19>
セルロースの含有量が、0.3〜2質量%、好ましくは0.5〜1質量%である、前記<1>〜<16>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<20>
セルロースが、結晶性セルロース又は非結晶性セルロースであり、好ましくは結晶性セルロースである、前記<1>〜<19>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
【0044】
<21>
[糖アルコールの含有量d/セルロースの含有量e]が、質量比で14以上であり、好ましくは20以上であり、より好ましくは40以上であり、さらに好ましくは65以上である、前記<1>〜<20>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<22>
[糖アルコールの含有量d/セルロースの含有量e]が、質量比で150以下であり、好ましくは120以下であり、より好ましくは100以下である、前記<1>〜<21>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<23>
[糖アルコールの含有量d/セルロースの含有量e]が、質量比で14〜150であり、好ましくは20〜150であり、より好ましくは40〜120であり、さらに好ましくは65〜100である、前記<1>〜<20>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
【0045】
<24>
F:増粘多糖類
を含有し、該増粘多糖類の含有量が0.02質量%以上0.5質量%以下である、前記<1>〜<23>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<25>
増粘多糖類の含有量が、0.03質量%以上、好ましくは0.04質量%以上である、前記<24>に記載の水中油型乳化組成物。
<26>
増粘多糖類の含有量が、0.3質量%以下、好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下である、前記<24>又は<25>に記載の水中油型乳化組成物。
<27>
増粘多糖類の含有量が、0.03〜0.3質量%、好ましくは0.03〜0.2質量%、より好ましくは0.04〜0.1質量%である、前記<24>に記載の水中油型乳化組成物。
<28>
増粘多糖類が、キサンタンガム、ジェランガム、ローカストビーンガム、グアーガム、アラビアガム及びセルロース誘導体から選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくはキサンタンガムである、前記<24>〜<27>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
【0046】
<29>
G:リン脂質
を含有し、該リン脂質の含有量が0.1質量%以上5質量%以下である、前記<1>〜<28>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<30>
リン脂質の含有量が、0.2質量%以上、好ましくは0.5質量%以上である、前記<29>に記載の水中油型乳化組成物。
<31>
リン脂質の含有量が、4質量%以下、好ましくは3質量%以下である、前記<29>又は<30>に記載の水中油型乳化組成物。
<32>
リン脂質の含有量が、0.2〜4質量%であり、好ましくは0.5〜3質量%である、前記<29>に記載の水中油型乳化組成物。
<33>
リン脂質が、フォスファチジルコリン、フォスファチジルエタノールアミン、フォスファチジルイノシトール、フォスファチジン酸、及びこれらの酵素処理物から選ばれる1種又は2種以上である、前記<29>〜<32>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<34>
リン脂質が、天然レシチンであり、好ましくは大豆レシチン又は卵黄レシチンである、前記<29>〜<32>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
【0047】
<35>
H:乳化剤
を含有する、前記<1>〜<34>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<36>
乳化剤が、HLB2以上8以下の乳化剤と、HLB9以上20以下の乳化剤とを含有する、<35>に記載の水中油型乳化組成物。
<37>
HLB2以上8以下の乳化剤の含有量が、1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上である、前記<36>に記載の水中油型乳化組成物。
<38>
HLB2以上8以下の乳化剤の含有量が、20質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは6質量%以下である、前記<36>又は<37>に記載の水中油型乳化組成物。
<39>
HLB2以上8以下の乳化剤の含有量が、1〜20質量%、好ましくは2〜10質量%、より好ましくは3〜6質量%である、前記<36>に記載の水中油型乳化組成物。
<40>
HLB9以上20以下の乳化剤の含有量が、1質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは2.5質量%以上である、前記<36>〜<39>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<41>
HLB9以上20以下の乳化剤の含有量が、10質量%以下、好ましくは8質量%以下、より好ましくは6質量%以下である、前記<36>〜<40>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<42>
HLB9以上20以下の乳化剤の含有量が、1〜10質量%、好ましくは2〜8質量%、より好ましくは2.5〜6質量%である、前記<36>〜<39>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<43>
HLB2以上8以下の乳化剤が、ソルビタン脂肪酸エステル及びプロピレングリコール脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくはソルビタン脂肪酸モノエステル及びプロピレングリコール脂肪酸モノエステルから選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくはソルビタン飽和脂肪酸モノエステル及びプロピレングリコール飽和脂肪酸モノエステルから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくは、ソルビタンモノステアレート、プロピレングリコールベヘン酸エステル、又はこれらの組み合わせである、前記<36>〜<42>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<44>
HLB9以上20以下の乳化剤が、ショ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート及びポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる1種又は2種以上であり、好ましくはショ糖脂肪酸エステルであり、より好ましくはショ糖飽和脂肪酸エステルであり、さらに好ましくはショ糖ステアリン酸エステルである、前記<36>〜<43>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
【0048】
<45>
I:糖類
を含有し、該糖類の含有量が5質量%以上25質量%以下である、前記<1>〜<44>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<46>
糖類の含有量が、7質量%以上である、前記<45>に記載の水中油型乳化組成物。
<47>
糖類の含有量が、20質量%以下、好ましくは15質量%以下である、前記<45>又は<46>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<48>
糖類の含有量が、7〜20質量%、好ましくは7〜15質量%である、前記<45>に記載の水中油型乳化組成物。
<49>
糖類が、単糖類、二糖類、三糖類、四糖類、五糖類、六糖類、澱粉加水分解物から選ばれる1種又は2種以上であり、より具体的には、グルコース、マルトース、フルクトース、シュークロース、ラクトース、トレハロース、マルトトリオース、マルトテトラオースから選ばれる1種又は2種以上である、<45>〜<48>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
【0049】
<50>
J:エタノール
を含有し、該エタノールの含有量が、0.5質量%以上5質量%以下である、前記<1>〜<49>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<51>
エタノールの含有量が、1質量%以上である、前記<50>に記載の水中油型乳化組成物。
<52>
エタノールの含有量が、4質量%以下である、前記<50>又は<51>に記載の水中油型乳化組成物。
<53>
エタノールの含有量が、1〜4質量%である、前記<50>に記載の水中油型乳化組成物。
【0050】
<54>
[水相成分/油相成分]が、質量比で1.5以上、好ましくは2以上、より好ましくは2.5以上である、前記<1>〜<53>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<55>
[水相成分/油相成分]が、質量比で4以下、好ましくは3.5以下である、前記<1>〜<54>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
<56>
[水相成分/油相成分]が、質量比で1.5〜4、好ましくは2〜3.5、より好ましくは2.5〜3.5である、前記<1>〜<53>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
【0051】
<57>
ケーキ用起泡性乳化組成物である、前記<1>〜<56>のいずれか1つに記載の水中油型乳化組成物。
【0052】
<58>
前記<57>に記載の水中油型乳化組成物を含むケーキ生地を焼成することを含む、ケーキの製造方法。
<59>
少なくとも小麦粉と、卵と、前記<57>に記載の水中油型乳化組成物とを混合してケーキ生地を調製し、該ケーキ生地を焼成することを含む、ケーキの製造方法。
<60>
少なくとも小麦粉と、該小麦粉100質量部に対して、卵50〜300質量部と、糖類20〜250質量部と、前記<57>に記載の水中油型乳化組成物3〜100質量部とを混合して抱気させたケーキ生地を調製し、このケーキ生地を焼成することを含む、ケーキの製造方法。
<61>
少なくとも小麦粉と、該小麦粉100質量部に対して、卵80〜250質量部と、糖類50〜180質量部と、前記<57>に記載の水中油型乳化組成物5〜50質量部とを混合して抱気させたケーキ生地を調製し、このケーキ生地を焼成することを含む、ケーキの製造方法。
<62>
小麦粉が薄力粉である、前記<59>〜<61>のいずれか1つに記載のケーキの製造方法。
<63>
卵が鶏卵である、前記<59>〜<62>のいずれか1つに記載のケーキの製造方法。
<64>
焼成温度が150〜250℃である、前記<58>〜<63>のいずれか1つに記載のケーキの製造方法。
【0053】
前記<58>〜<64>のいずれか1つに記載のケーキの製造方法により得られうるケーキ。
【0054】
以下、本発明を実施例に基づき詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0055】
[調製例1 水中油型乳化組成物の調製]
菜種白絞油(日清オイリオ社製)、ステアリン酸モノアシルグリセロール(商品名:エキセルT−95、花王社製)、ソルビタンモノステアレート(HLB4.7、商品名:エマゾール S−10VHL、花王社製)、プロピレングリコールベヘン酸エステル(HLB2〜3、PGMB、花王社製)及び大豆由来リン脂質(商品名:レシチンデラックス、リン脂質分60質量%、日清オイリオ社製)を下記表1に示す割合で混合し、80℃に加熱して攪拌溶解することで油相成分を調製した。
【0056】
液糖(商品名:ハイマルトースMC−45、糖分70質量%、日本食品化工社製)、糖アルコール(ソルビトール)水溶液(商品名:ソルビットD-70、糖分70質量%、三菱商事フードテック社製)、水(水道水)、エタノール(日本アルコール産業社製)、ショ糖ステアリン酸エステル(HLB11、商品名:S−1170、三菱化学社製)、キサンタンガム(商品名:ビストップD−3000、三栄源エフ・エフ・アイ社製)、結晶セルロース(商品名:セオラスFD-101、旭化成工業社製)、メチルセルロース(商品名:MCE−400、信越化学工業社製)を下記表1に示す割合で混合し、40℃に加熱して攪拌溶解することで水相成分を得た。
なお、表1の上欄に記載の各成分の数値は油相成分と水相成分の合計を100質量%としたときの質量%を示す。
【0057】
上記水相成分を上記油相成分に徐々に添加しながらホモミキサー(プライミックス社製)を用いて50℃、7000rpmで攪拌乳化し、水中油型乳化組成物(本発明品1〜7、比較品1〜9)を得た。得られた各乳化組成物を15℃まで冷却し、冷蔵庫(5℃)にて1日保存した後、後述する試験例に用いた。
表1には、各乳化組成物中の食用油脂(成分A)、飽和モノアシルグリセロール(成分B)、水(成分C)、糖アルコール(成分D)、セルロース(成分E)の各含有量(単位:質量%)も併せて示した。
【0058】
[調製例2 ケーキの調製]
卵(生鶏卵)500g、上白糖600gを加え、ミキサー(関東ミキサー社製)で攪拌しながら30℃まで加温した。上記乳化組成物50g、油脂(花王社製マリッシュスーパー)50g及び水100gを加え中速で1分間攪拌した。薄力粉(日清製粉社製)500g、調整粉乳50g及びベーキングパウダー(愛国産業社製)20gを加え、低速で30秒攪拌し、その後ケーキ生地の比重が0.45g/cm
3になるまで高速で攪拌した。
得られたケーキ生地を、離型油2g塗った丸型スチール型(型6号)に260g流し入れ、上火200℃、下火200℃のオーブンで20分間焼成してケーキを製造し、下記の試験例に用いた。
【0059】
[試験例1 水中油型乳化組成物の安定性]
上記調製例1で調製した水中油型乳化組成物について、40℃で1時間経過した後におけるオイルオフの発生の有無を目視にて調べた。
結果を下記表1に示す。
【0060】
[試験例2 ケーキの比容積の測定]
ケーキを焼成後、30分間室温に放置し、品温が20℃となったところでケーキの比容積を測定した。上記「比容積」は、ケーキ1gあたりの容積(単位:cm
3/g)として算出され、この値が大きいほど、ケーキ生地の焼成による膨らみが大きいことを意味する。ケーキの比容積は、レーザー体積計測機WinVM2000(ASTEX社製)にて測定した。
一般に比容積が大きい程、口当たりが軽くソフトである。また、比容積が高まれば、単位質量当たりで製造できるケーキのボリュームが増えることになり、少ない原料でより多くのケーキを製造することができるため、製造コストの削減にも寄与する。
結果を表1に示す。
【0061】
[試験例3 ケーキ品質の官能評価]
上記調製例2で製造したケーキについて、専門パネル10名にて、風味及び食感を下記評価基準により評価した。評価数値は協議により決定した。
【0062】
−風味の評価基準−
5:食べた時、気道に卵黄の香りが強く残り、強いコクを感じる。
4:食べた時、気道に卵黄の香りが残り、コクを感じる。
3:食べた時、気道に卵黄の香りが残りにくく、コクがやや弱い。
2:食べた時、気道に卵黄の香りが残りにくく、コクが弱い。
1:食べた時、気道に卵黄の香りが残らず、コクが感じられない。
【0063】
−食感(ばらけ感)の評価基準−
5:食した際に、口中でケーキがよりばらけ易い。
4:食した際に、口中でケーキがばらけ易い。
3:食した際に、口中でケーキがばらける。
2:食した際に、口中でケーキがばらけにくい。
1:食した際に、口中でケーキがよりばらけにくい。
結果を表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】
表1に示されるように、セルロースを含有しない比較品1又は比較品3の乳化組成物を用いて製造したケーキは、比容積が小さく、また、食してもコクが弱く、さらに口中でほとんどばらけなかった。
【0066】
また、セルロースの含有量に対する糖アルコールの含有量の比率が本発明の規定よりも低い比較品2又は比較品7の乳化組成物を用いて製造したケーキも同様に、比容積が小さく、コクも弱く、また、口中でばらけにくいものであった。さらに、セルロースの含有量が本発明の規定よりも高い比較品7の乳化組成物は、オイルオフを生じた。
また、セルロースの含有量を低減し、セルロースに対する糖アルコールの含有量の比率を高めることで、ケーキの比容積が高まる傾向が認められたが、当該比率が本発明の規定よりも少ないレベルでは、コクとばらけ感について大きな改善は認められなかった(比較品6及び8)。
【0067】
また、糖アルコールを含有しない比較品4や比較品5の乳化組成物は、乳化安定性に劣り、オイルオフを生じた。さらに、比較品4又は比較品5の乳化組成物を用いて製造したケーキは、比容積、コク、ばらけ感のいずれにも劣るものであった。
【0068】
また、セルロースに代えてセルロース誘導体であるメチルセルロースを含有する比較品9の乳化組成物を用いて製造したケーキでは、十分なコクとばらけ感の両立を図ることができなかった。
【0069】
これに対し、本発明品1〜7の乳化組成物を用いて製造したケーキは、比容積がより大きく、十分なコクを有し、かつ、口中においてよりばらけ易いものであった。これらのケーキを食した際に口中に広がるばらけ感は、ケーキに求められる食感に適合したものであった。
なお、本発明品1〜7の乳化組成物を用いて製造したケーキは、いずれも良好な弾力、口溶け、及びしっとり感を有していた。