(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6063211
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】歯間ブラシのブラシ先端研磨方法及びその装置
(51)【国際特許分類】
A46D 9/02 20060101AFI20170106BHJP
【FI】
A46D9/02
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-247165(P2012-247165)
(22)【出願日】2012年11月9日
(65)【公開番号】特開2014-94129(P2014-94129A)
(43)【公開日】2014年5月22日
【審査請求日】2015年9月18日
(73)【特許権者】
【識別番号】000207713
【氏名又は名称】大平工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000947
【氏名又は名称】特許業務法人あーく特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐野 晃
【審査官】
根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】
特表平05−502600(JP,A)
【文献】
特開平08−224127(JP,A)
【文献】
国際公開第2006/062187(WO,A1)
【文献】
特開平04−096709(JP,A)
【文献】
特開平09−313255(JP,A)
【文献】
特開平10−295447(JP,A)
【文献】
特開2001−277082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 1/00−17/08
A46D 1/00−99/00
B24B 5/00−7/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の研磨具を備え、
前記複数種類の研磨具は、歯間ブラシの高さ方向における複数の区分において、それぞれブラシの外周面形状に対応する円筒穴状またはテーパー穴状の研磨面を有し、
該歯間ブラシを保持して設定長さずつ間欠的に搬送する一方、前記ブラシに対して前記複数の研磨具を回転させて昇降させ、前記ブラシ先端を研磨することを特徴とする歯間ブラシのブラシ先端研磨方法。
【請求項2】
請求項1に記載の歯間ブラシのブラシ先端研磨方法において、前記研磨具を複数回昇降させることを特徴とする歯間ブラシのブラシ先端研磨方法。
【請求項3】
請求項2に記載の歯間ブラシのブラシ先端研磨方法において、前記研磨具の昇降の際、回転方向を変化させることを特徴とする歯間ブラシのブラシ先端研磨方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つに記載の歯間ブラシのブラシ先端研磨方法において、前記設定間隔をおいて搬送される歯間ブラシのブラシ先端を歯間ブラシの搬送方向に向かって目の粗さが荒目から順に細かな複数個の研磨具によって研磨することを特徴とする歯間ブラシのブラシ先端研磨方法。
【請求項5】
搬送レールに、歯間ブラシを保持するホルダーを設定間隔をおいて設けたチェーンコンベアを配設する一方、ホルダーに保持された歯間ブラシに対向して、複数個の研磨具を歯間ブラシの軸心回りに回転自在に、かつ、その軸心に沿って昇降自在に配設してなり、
前記複数個の研磨具は、前記歯間ブラシの高さ方向における複数の区分において、それぞれブラシの外周面形状に対応する円筒穴状またはテーパー穴状の研磨面を有し
チェーンコンベアを駆動させて歯間ブラシを設定長さずつ間欠的に搬送し、歯間ブラシがそれぞれ研磨具に対向する位置に移動した際、研磨具が対向する歯間ブラシのブラシに対して回転しつつ昇降し、ブラシ先端を研磨することを特徴とする歯間ブラシのブラシ先端研磨装置。
【請求項6】
請求項5に記載の歯間ブラシのブラシ先端研磨装置において、前記設定間隔をおいて保持された歯間ブラシに対向して、歯間ブラシの搬送方向に向かって目の粗さが順に細かくなる複数個の研磨具をそれぞれ配設することを特徴とする歯間ブラシのブラシ先端研磨装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、歯間ブラシのブラシ先端研磨方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、歯間ブラシが知られている。この歯間ブラシ11は、
図8(a)に示すように、金属ワイヤ12を撚り加工して形成されたワイヤロッド部13と、このワイヤロッド部13に直交して、かつ、その長手方向に間隔をおいて半径方向に放射状に突出された複数本のフィラメントからなるブラシ14と、ワイヤロッド部13の基部に一体に設けられたプラスチック製基台15とから構成されている。そして、歯間ブラシ11の基台15を摘んでワイヤロッド部13を歯と歯の間の隙間に出し入れすることにより、ワイヤロッド部13に固定されたブラシ14がともに移動し、通常の歯ブラシによるブラッシングでは歯垢清掃が困難な歯の側面部分や根元部分等を清掃することができる。
【0003】
このような歯間ブラシ11は、二つ折りした金属ワイヤ12の間に合成繊維束からなる複数本のフィラメントを挟み込み、金属ワイヤ12を撚り加工してフィラメントを複数本ずつ複数箇所でねじり止めした後、フィラメントを毛切り加工してブラシ14を形成し、最後に基台15をインサート成形等によって形成することで製造される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−227315号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、前述した歯間ブラシのブラシ先端を刃物で毛切り加工すると、ブラシを形成する各フィラメントの先端は、
図8(b)に示すように、その可撓性によって鋭角状に切断されるとともに、切断面の周囲がささくれだって外方に拡がった形状を呈している。このため、歯間ブラシの使用に際して、ブラシを歯と歯の間へ挿入すると、毛先が固い等の違和感を覚える場合があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、ブラシを形成する各フィラメントの先端をほぼ丸く研磨してブラシの歯間への挿入時の違和感の発生を可及的に抑制することのできる歯間ブラシのブラシ先端研磨方法及びその装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の歯間ブラシのブラシ先端研磨方法は、
複数種類の研磨具を備え、前記複数種類の研磨具は、歯間ブラシの高さ方向における複数の区分において、それぞれブラシの外周面形状に対応する円筒穴状またはテーパー穴状の研磨面を有し、該歯間ブラシを保持して設定長さずつ間欠的に搬送する一方、前記ブラシに対して
前記複数の研磨具を回転させて昇降させ、
前記ブラシ先端を研磨することを特徴とするものである。
【0008】
本発明によれば、歯間ブラシを保持して設定長さずつ間欠的に搬送すると、搬送された歯間ブラシは、該歯間ブラシのブラシの外周面形状に対応する円筒穴状又はテーパー穴状の研磨面を有する研磨具に対向する。次いで、研磨具を回転させて下降させ、歯間ブラシのブラシに嵌挿させた後、研磨具を元の位置まで上昇させ、歯間ブラシのブラシから離脱させる。この際、研磨具の研磨面がブラシ先端に略接触して各フィラメントの先端をわずかに撓ませることから、回転しつつ下降し、上昇する研磨具によって各フィラメントの先端をほぼ丸く研磨することができる。
【0009】
この結果、歯間ブラシを歯間へ挿入する際、ブラシを形成する各フィラメントが歯肉に滑らかに接触し、違和感の発生を可及的に抑制することができる。
【0010】
本発明において、前記研磨具を複数回昇降させることが好ましい。これにより、歯間ブラシのブラシを形成する各フィラメントの先端を繰り返し研磨することができ、ブラシ先端を全周にわたって確実に丸く研磨することができる。
【0011】
本発明において、前記研磨具の昇降の際、回転方向を変化させることが好ましい。これにより、歯間ブラシのブラシを形成する各フィラメントの先端を回転方向及び上下方向に撓み方向を変えて研磨具の研磨面に略接触させてわずかに撓ませることができ、万遍なく丸く研磨することができる。
【0012】
本発明において、前記設定間隔をおいて搬送される歯間ブラシのブラシ先端を歯間ブラシの搬送方向に向かって目の粗さが荒目から順に細かな複数個の研磨具によって研磨することが好ましい。これにより、搬送された歯間ブラシのブラシを形成する各フィラメントの先端を、目の粗い研磨具から目の細かい研磨具の順に丸く研磨することができることから、ブラシ先端を効率よく研磨することができる。
【0013】
本発明の歯間ブラシのブラシ先端研磨装置は、搬送レールに、歯間ブラシを保持するホルダーを設定間隔をおいて設けたチェーンコンベアを配設する一方、ホルダーに保持された歯間ブラシに対向して、
複数個の研磨具を歯間ブラシの軸心回りに回転自在に、かつ、その軸心に沿って昇降自在に配設してなり、
前記複数個の研磨具は、前記歯間ブラシの高さ方向における複数の区分において、それぞれブラシの外周面形状に対応する円筒穴状またはテーパー穴状の研磨面を有しチェーンコンベアを駆動させて歯間ブラシを設定長さずつ間欠的に搬送し、歯間ブラシがそれぞれ研磨具に対向する位置に移動した際、研磨具が対向する歯間ブラシのブラシに対して回転しつつ昇降し、ブラシ先端を研磨することを特徴とするものである。
【0014】
本発明によれば、搬送レールに沿ってチェーンコンベアを間欠的に周回移動させ、チェーンコンベアのホルダーに保持された歯間ブラシを研磨具と対向する位置に順に搬送する。歯間ブラシが研磨具と対向する位置に搬送されると、研磨具が回転しつつ下降し、歯間ブラシのブラシに嵌挿する。研磨具が設定位置まで下降すれば、元の位置まで上昇して歯間ブラシのブラシから離脱した後、研磨具の回転を停止させる。ここで、研磨具は、歯間ブラシのブラシ外周面形状に対応する研磨面を有している。例えば、ストレート状のブラシに対しては円筒穴状の研磨面を、テーパー状のブラシに対してはテーパー穴状の研磨面をそれぞれ有している。したがって、研磨具は、その研磨面がブラシを形成する各フィラメントの先端に略接触してわずかに撓ませた状態で、回転しつつ昇降することから、各フィラメントの先端をほぼ丸く研磨することができる。
【0015】
この結果、歯間ブラシを歯間へ挿入する際、ブラシを形成する各フィラメントが歯肉に滑らかに接触し、違和感の発生を可及的に抑制することができる。
【0016】
本発明において、前記設定間隔をおいて保持された歯間ブラシに対向して、歯間ブラシの搬送方向に向かって目の粗さが順に細かくなる複数個の研磨具をそれぞれ配設することが好ましい。これにより、設定間隔をおいて搬送される歯間ブラシは、目の粗さが歯間ブラシの搬送方向に向かって順に細かくなるように配設された研磨具に対向し、ブラシを形成する各フィラメントの先端は、目の粗い研磨具から目の細かい研磨具の順に丸く研磨されることから、ブラシ先端を効率よく研磨することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ブラシを形成する各フィラメントの先端をほぼ丸く研磨してブラシの歯間への挿入時の違和感の発生を可及的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の歯間ブラシのブラシ先端研磨装置の一実施形態を示す正面図である。
【
図2】本発明の研磨装置によって研磨された歯間ブラシ及びそのブラシ先端X部を拡大して示す説明図である。
【
図3】
図1の研磨装置の変形例を示す正面図である。
【
図4】
図1の研磨装置の他の変形例を示す正面図である。
【
図5】本発明の歯間ブラシのブラシ先端研磨装置の他の実施形態を示す正面図である。
【
図6】
図5の研磨装置の変形例を示す正面図である。
【
図7】
図6の研磨装置によるブラシ先端の研磨工程を説明する断面図である。
【
図8】従来の歯間ブラシ及びそのブラシ先端A部を拡大して示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図1には、本発明の歯間ブラシのブラシ先端研磨装置1の一実施形態が示されている。
【0021】
この研磨装置1は、歯間ブラシ11におけるストレート状のブラシ14先端、すなわち、半径方向に放射状に突出する複数本のフィラメントをほぼ同一の長さに揃えたブラシ14先端を丸く研磨するものであって、搬送レール2に支持されて間欠的に搬送されるチェーンコンベア3と、チェーンコンベア3に保持された歯間ブラシ11に臨んで配設された研磨具4とから構成されている。
【0022】
チェーンコンベア3は、ピンリンク31及びローラリンク32を交互に組み合わせて長尺化し、首尾各端を取り外し可能な継手リンク(図示せず)を介して環状に形成した従来周知のローラチェーンであって、ローラリンク32のブッシュ回りに回転自在に支持されたローラが搬送レール2に敷設されたリニアベアリング21上を転動することにより周回移動する。
【0023】
ここで、詳細には図示しないが、ローラリンク32のローラ間に出没するフックを有する搬送シリンダが昇降台に設置されており、昇降台の昇降及び搬送シリンダの伸縮を利用してチェーンコンベア3を間欠的に周回移動させることができる。すなわち、昇降台を上昇させて搬送シリンダのピストンロッドに設けたフックをチェーンコンベア3におけるローラリンク32のローラ間に配置させ、搬送シリンダを伸長作動させることでフックを介してチェーンコンベア3を設定長さだけ一方向に周回移動させる。その後、昇降台を下降させてフックをチェーンコンベア3におけるローラリンク32のローラ間から離脱させ、搬送シリンダを縮小作動させることで元の位置に復帰させる。以下、昇降台の上昇、搬送シリンダの伸長、昇降台の下降、搬送シリンダの縮小を繰り返すことにより、チェーンコンベア3を間欠的に設定長さずつ周回移動させることができる。
【0024】
また、チェーンコンベア3におけるピンリンク31のピンリンクプレートには、歯間ブラシ11を保持する断面L字状のホルダー33が連結されており、ロボットアーム(図示せず)を介して毛切り加工された歯間ブラシ11を把持し、その基台15を該ホルダー33に差し込んで保持することができる。
【0025】
研磨具4は、電動切削工具、例えば、日本精密機械工作株式会社の製造販売に係る商品名:リューター(登録商標)にチャック装置を介して着脱自在に設けられる軸付き先端工具であって、歯間ブラシ11のストレート状のブラシ14の外周面形状に対応す円筒穴状の研磨面を軸心方向に形成した砥石である。
【0026】
次に、このように構成された研磨装置1を用いて歯間ブラシ11におけるブラシ14先端を研磨する場合について説明する。
【0027】
まず、毛切り加工された歯間ブラシ11の搬送ラインから図示しないロボットアームを介して歯間ブラシ11を把持し、その基台15をチェーンコンベア3のホルダー33に差し込んで保持する。次いで、ロボットアームが元に位置に復帰すれば、図示しない昇降台を上昇させ、フックをローラリンク32のローラ間に配置させた後、搬送シリンダを伸長作動させ、チェンコンベア3を設定長さだけ移動させる。すなわち、チェーンコンベア3のホルダー33に保持された歯間ブラシ11を、研磨具4が待機する直下位置まで移動させる。チェーンコンベア3が設定長さだけ移動すれば、昇降台が下降するとともに、搬送シリンダが縮小作動し、元の位置に復帰する。
【0028】
一方、歯間ブラシ11が研磨具4に臨む位置に移動すれば、図示しない電動切削工具を駆動させ、研磨具4を回転させるとともに、電動切削工具を下降させて研磨具4を歯間ブラシ11のブラシ14に嵌挿する。ここで、歯間ブラシ11のブラシ14を形成する各フィラメントの先端は、研磨具4の円筒穴状の研磨面に略接触してわずかに撓むことにより、回転しつつ下降する研磨具4によって全周にわたって研磨される。研磨具4が下端に達すれば、研磨具4は上昇し、ブラシ14から離脱した元の位置に戻って回転を停止する。この際、ブラシ14を形成するフィラメントの先端は、回転しつつ上昇する研磨具4に略接触してわずかに撓むことにより、再び研磨具4によって全周にわたってほぼ丸く研磨される(
図2(b)参照)。
【0029】
この結果、ホルダー33に保持された歯間ブラシ11のブラシ14を形成する各フィラメントの先端は、回転しつつ昇降する研磨具4によってほぼ丸く研磨される。したがって、歯間ブラシ11を歯間へ挿入する際、ブラシ14を形成する各フィラメントの先端が歯肉に滑らかに接触し、違和感の発生を可及的に抑制することができる。
【0030】
なお、研磨具4を回転方向を変えて再度昇降させると、ブラシ14の各フィラメントの先端を上下方向及び左右方向にほぼ均一に丸く研磨することができることから、研磨具4の昇降を繰り返す際、回転方向を変更させることが好ましい。
【0031】
この場合、ロボットアームによる歯間ブラシ11の移送に要する作業時間との平準化を図るため、
図3に示すように、歯間ブラシ11の搬送方向上流側の研磨具4を一方向に回転させ、下流側の研磨具4を上流側の研磨具4の回転方向とは逆方向に回転させ、歯間ブラシ11のブラシ14先端を2個の研磨具4によって順に研磨するようにしてもよい。
【0032】
また、ロボットアームによって複数本の歯間ブラシ11を把持してチェーンコンベア3の隣接する複数のホルダー33にそれぞれ移し替ることができるときには、複数本の歯間ブラシ11に対応する設定長さずつ搬送して複数本の歯間ブラシ11のブラシ14先端を対応する複数個の研磨具4によって同時に研磨することが可能となり、さらに作業効率を向上させることができる。
【0033】
さらに、
図4に示すように、歯間ブラシ11の搬送方向に向かって歯間ブラシ11の搬送ピッチに合わせて、搬送方向上流側から下流側に向かって粗目、中目、細目の複数個の研磨具4A,4B,4Cを順に配設し、各歯間ブラシ11を間欠的に搬送する際、そのブラシ14先端を粗目、中目、細目の順に研磨するようにしてもよい。これにより、歯間ブラシ11のブラシ14を形成する各フィラメントの先端を丸く研磨する際、効率よくまねらかに研磨することができる。
【0034】
ところで、前述した実施形態の歯間ブラシ11においては、半径方向に放射状に突出する複数本のフィラメントがほぼ同一の長さに揃えたストレート状のブラシ14を研磨する場合について例示したが、半径方向に突出する複数本のフィラメントの長さが基台15側に向かって徐々に長くなるテーパー状に形成したブラシ14を研磨する場合に適用することもできる。
【0035】
具体的には、歯間ブラシ11のテーパー状のブラシ14の外周面形状に対応するテーパー穴状の研磨面を軸心方向に形成した研磨具4D(
図5参照)を用意し、該研磨具4Dを回転状態で昇降させ、歯間ブラシ11のテーパー状のブラシ14に嵌挿すればよい。これにより、テーパー状のブラシ14を形成する各フィラメントの先端は、回転しつつ下降する研磨具4Dのテーパー穴状の研磨面に対して略接触してわずかに撓むことにより、研磨具4Dによって全周にわたって研磨される。
【0036】
この場合、テーパー穴状の研磨面が歯間ブラシ11のブラシ14先端に略接触した状態から研磨具4Dを徐々に下降させると、テーパー状のブラシ14先端との接触面積が徐々に大きくなり、摩擦熱が発生してブラシ14先端が丸くならないばかりか溶ける事態を発生させるおそれがある。すなわち、ブラシ14のテーパー角が5度の場合、研磨具4が1単位下降すれば、研磨面はtan5°に相当する0.087だけブラシ14の中心側に食い込んで各フィラメントの先端をより大きく撓ませて接触面積を増大させることになる。したがって、研磨具4Dによるテーパー状のブラシ14先端の研磨に際しては、ブラシ14の材質等に対応して研磨具4Dの回転数や下降量、接触時間を調整して摩擦熱によるフィラメントの溶融を防止する必要がある。
【0037】
例えば、
図6及び
図7に示すように、歯間ブラシ11のテーパー状のブラシ14を高さ方向に複数個(実施例においては、上中下の3個)に区分し、各区分されたブラシ14先端にそれぞれ略接触するテーパー穴状の研磨面を有する研磨具41D,42D,43Dを順に配設し、ブラシ14先端を上下方向に区分した部位を順に研磨すれば、間欠的な研磨によって摩擦熱の発生を抑制して、フィラメントの溶融を防止できる。
【符号の説明】
【0038】
1 研磨装置
2 搬送レール
3 チェーンコンベア
33 ホルダー
4 研磨具
11 歯間ブラシ
14 ブラシ