特許第6063216号(P6063216)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6063216
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】振動ノイズ補正用欠陥検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/892 20060101AFI20170106BHJP
【FI】
   G01N21/892 A
【請求項の数】9
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-251469(P2012-251469)
(22)【出願日】2012年11月15日
(65)【公開番号】特開2013-125028(P2013-125028A)
(43)【公開日】2013年6月24日
【審査請求日】2015年10月2日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0133646
(32)【優先日】2011年12月13日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE−CHEM CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】特許業務法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェ ヒュン パク
(72)【発明者】
【氏名】イル スン パク
(72)【発明者】
【氏名】ヨン グン ユン
【審査官】 深田 高義
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−108975(JP,A)
【文献】 特開2000−321168(JP,A)
【文献】 特開2006−292593(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/142346(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/892
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定方向に長いシートの長さ方向に移送されるシート状製品を、複数のピクセルからなる画像として取得する画像取得部、前記画像取得部によって取得された画像を前記シート状製品の前記長さ方向に拡張させる画像拡張部、及び前記拡張された画像を積層し、前記画像拡張部によって拡張された前記画像の各ピクセル別に同一位置のピクセルの明度を累積する画像積層部を具備する、振動ノイズ補正用欠陥検査装置。
【請求項2】
前記画像拡張部は、前記画像取得部によって取得された画像を複数個の領域に区分した後、区分された各領域の前記長さ方向の長さが前記取得された画像の前記長さ方向の長さになるように拡張する、請求項1に記載の振動ノイズ補正用欠陥検査装置。
【請求項3】
前記画像拡張部は、前記各領域の前記長さ方向の長さが振動ノイズ信号の前記長さ方向の長さと同様に前記取得画像を複数個の領域に区分する、請求項2に記載の振動ノイズ補正用欠陥検査装置。
【請求項4】
前記振動ノイズ補正用欠陥検査装置は、前記画像積層部によって前記積層された画像から欠陥位置を検出する欠陥検出部、及び前記欠陥検出部によって検出された欠陥位置を画面に表示するモニタリング部をさらに具備する、請求項1に記載の振動ノイズ補正用欠陥検査装置。
【請求項5】
前記欠陥検出部は、前記積層された画像の明度変曲点を確認した後、前記明度変曲点が既設定された臨界値を超過する場合、該当変曲点が示された位置を欠陥位置として検出する、請求項4に記載の振動ノイズ補正用欠陥検査装置。
【請求項6】
一定方向に長いシートの長さ方向に移送されるシート状製品の単位面積を複数個の領域に区分して高速撮影する画像取得部を備える振動ノイズ補正用欠陥検査装置であって、前記画像取得部は、前記シート状製品の画像の長さ方向の解像度が長さ方向に直交する幅方向の解像度より高く示されるように撮影して前記シート状製品を、複数のピクセルからなる画像として取得
前記拡張された画像を積層し、前記画像取得部によって取得された前記画像の各ピクセル別に同一位置のピクセルの明度を累積する画像積層部をさらに備える、振動ノイズ補正用欠陥検査装置。
【請求項7】
前記画像取得部は、前記各領域の長さが振動ノイズ信号の長さと同様に前記シート状製品を複数個の領域に区分する、請求項に記載の振動ノイズ補正用欠陥検査装置。
【請求項8】
前記振動ノイズ補正用欠陥検査装置は、前記画像積層部によって積層された画像から欠陥位置を検出する欠陥検出部、及び前記欠陥検出部によって検出された欠陥位置を画面に表示するモニタリング部をさらに具備する、請求項に記載の振動ノイズ補正用欠陥検査装置。
【請求項9】
前記欠陥検出部は、前記積層された画像の明度変曲点を確認した後、前記明度変曲点が既設定された臨界値を超過する場合、該当変曲点が示された位置を欠陥位置として検出する、請求項に記載の振動ノイズ補正用欠陥検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、欠陥検査技術に関するものであって、より詳しくは、振動ノイズによる誤検を防ぎながら欠陥検出力を向上することができる振動ノイズ補正用欠陥検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
欠陥検査システムとは、例えば、印刷回路基板、偏光フィルム、光学フィルム、位相差フィルム、異形フィルムなどの各種シート状製品の外観をカメラで撮影し、撮影した映像に基づいて該当製品に欠陥、埃、異物、及びムラなどの不良があるか否かを検出するシステムをいう。
【0003】
シート状製品は、一般的にロール・ツー・ロール(Roll-to-Roll)工程を通じて移動するようになるが、このとき、モータ、シート状製品に生じる張力、及び外部衝撃などによって振動が生じる可能性がある。この場合、振動ノイズによって欠陥検査システムで誤検が生じるようになる。
【0004】
例えば、偏光フィルムの場合、製造過程において染料の不均一な染着や接着不良などによって偏光フィルムの延伸方向に筋状のムラが生じたりもするが、ムラが生じた偏光フィルムを光学カメラで撮影すると、撮影した映像においてムラが生じた部分に明度のばらつきが生じるようになる。
【0005】
ところで、光学検査過程で振動ノイズが生じる場合にも、撮影した映像に明度のばらつきが生じるようになる。すなわち、図1に示すように、偏光フィルムの移動中に振動ノイズが生じると、撮影した映像中に振動ノイズが生じた部分で明度のばらつきが示されることが確認できる。ここで、M/D方向は、偏光フィルムの移動方向を示す。この場合、明度のばらつきがムラによって生じたものであるか、或いは振動ノイズによって生じたものであるかが判断し難いため、誤検が生じるといった問題点がある。従って、検査過程中に振動ノイズが生じたとき、振動ノイズによる誤検を防止することができる手段が求められている。
【0006】
一方、ムラのような欠陥が偏光フィルムに生じる場合、ムラによる欠陥は他の種類の欠陥とは異なって視認性が低いため、単位面積(すなわち、カメラで一回撮影する偏光フィルムの面積)に対しては検出力が低下するという問題点がある。しかし、ムラによる欠陥は事故による欠陥であって、偏光フィルムの全体面積に対して連続的に生じるため、品質不良で大きな問題となっている。従って、ムラによる欠陥を早期に検出して、措置を取ることができる手段が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、振動による振動ノイズを低減させ、実際の欠陥による欠陥信号の弁別性を向上することができる振動ノイズ補正用欠陥検査装置を提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、視認性の低いムラ欠陥に対しても欠陥検出力を向上することができる振動ノイズ補正用欠陥検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1.本発明の一実施形態による振動ノイズ補正用欠陥検査装置は、一定方向に移送されるシート状製品の画像を取得する画像取得部、及び前記画像取得部によって取得された画像を前記シート状製品の長さ方向に拡張させる画像拡張部を備える。
【0010】
2.前記項目1において、前記画像拡張部は、前記画像取得部によって取得された画像を複数個の領域に区分した後、区分された各領域の水平長さが前記取得された画像の水平長さになるように拡張する。
【0011】
3.前記項目2において、前記画像拡張部は、前記各領域の水平長さが振動ノイズ信号の水平長さと同様に前記取得画像を複数個の領域に区分する。
【0012】
4.前記項目1において、前記振動ノイズ補正用欠陥検査装置は、前記画像拡張部によって拡張された画像を積層する画像積層部、前記画像積層部によって積層された画像から欠陥位置を検出する欠陥検出部、及び前記欠陥検出部によって検出された欠陥位置を画面に表示するモニタリング部をさらに備える。
【0013】
5.前記項目4において、前記画像積層部は、前記拡張された画像の各ピクセル別に同一位置のピクセルの明度を累積する。
【0014】
6.前記項目4において、前記欠陥検出部は、前記積層された画像の明度変曲点を確認した後、前記明度変曲点が既設定された臨界値を超過する場合、該当変曲点が示された位置を欠陥位置として検出する。
【0015】
7.本発明の他の実施形態による振動ノイズ補正用欠陥検査装置は、一定方向に移送されるシート状製品の単位面積を複数個の領域に区分して高速撮影する画像取得部を備え、前記画像取得部は、前記シート状製品の画像の水平解像度が垂直解像度より高く示されるように撮影して前記シート状製品の画像を取得する。
【0016】
8.前記項目7において、前記画像取得部は、前記各領域の長さが振動ノイズ信号の長さと同様に前記シート状製品を複数個の領域に区分する。
【0017】
9.前記項目7において、前記ノイズ補正用欠陥検査装置は、前記画像取得部によって取得された画像を積層する画像積層部、前記画像積層部によって積層された画像から欠陥位置を検出する欠陥検出部、及び前記欠陥検出部によって検出された欠陥位置を画面に表示するモニタリング部をさらに備える。
【0018】
10.前記項目9において、前記画像積層部は、前記拡張された画像の各ピクセル別に同一位置のピクセルの明度を累積する。
【0019】
11.前記項目9において、前記欠陥検出部は、前記積層された画像の明度変曲点を確認した後、前記明度変曲点が既設定された臨界値を超過する場合、該当変曲点が示された位置を欠陥位置として検出する。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施形態によると、シート状製品の画像において振動ノイズ信号を低減させながら欠陥信号はそのまま維持し、欠陥信号の弁別性を向上することができるようになる。また、シート状製品の拡張画像を積層して欠陥信号を増幅させることによって、視認性の低い欠陥に対しても欠陥検出力を向上させることができ、ムラなどの欠陥を早期に検出することができるため、迅速な措置を取ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】振動ノイズ信号によって明度のばらつきを示したグラフである。
図2】本発明の一実施形態による振動ノイズ補正用欠陥検査装置の構成を示した図である。
図3】本発明の一実施形態による画像取得部が連続的に移送されるシート状製品の画像を取得する状態を示した図である。
図4】本発明の一実施形態による画像拡張部が取得画像を拡張する状態を示した図である。
図5】シート状製品の取得画像を示した写真である。
図6】シート状製品の拡張画像を示した写真である。
図7】本発明の他の実施形態による振動ノイズ補正用欠陥検査装置の構成を示した図である。
図8】一般カメラを通じてシート状製品の画像を取得する場合と高速及び高解像度カメラを通じてシート状製品の画像を取得する場合とを比較して示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図2乃至図8を参照して、本発明の振動ノイズ補正用欠陥検査装置の具体的な実施形態を説明する。しかし、これは例示的な実施形態に過ぎず、本発明はこれに制限されるものではない。
【0023】
本発明の説明において、本発明に係る公知技術に関する具体的な説明が本発明の要旨をかえって不明確にする可能性があると判断される場合は、その詳細な説明を省略することにする。そして、後述する用語は、本発明における機能を考慮して定義した用語であって、これは使用者、運用者の意図又は慣例などによって変わり得る。従って、この定義は、本明細書の全般にわたって記載された内容に基づいて行われるべきものである。
【0024】
本発明の技術的思想は、特許請求の範囲の記載によって決められ、以下の実施形態は、進歩的な本発明の技術的思想を本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に効率的に説明するための一手段に過ぎない。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態による振動ノイズ補正用欠陥検査装置の構成を示した図である。
【0026】
図2を参照すれば、欠陥検査装置100は、画像取得部102、画像拡張部104、画像積層部106、欠陥検出部108、及びモニタリング部110を備える。
【0027】
画像取得部102は、一定方向に移送されるシート状製品150の上部でシート状製品150を撮影してシート状製品150の画像を取得する。シート状製品150としては、例えば、偏光フィルム、光学フィルム、位相差フィルム、異形フィルムなどがあるが、これらに限定されるものではなく、これら以外の多様な製品がある。
【0028】
画像取得部102は、例えば、デジタルカメラのような画像撮影手段を含む。画像取得部102は、連続的に移送されるシート状製品150を既設定された撮影速度で撮影し、シート状製品150の画像を取得することができる。
【0029】
図3は、本発明の一実施形態による画像取得部が連続的に移送されるシート状製品の画像を取得する状態を示した図である。図3を参照すれば、シート状製品150が一定方向に移送されることによって、シート状製品150の上部に位置する画像取得部102が、まずA−1地点のシート状製品の画像を取得し、以後、引き続きA−2、A−3、・・・、A−n地点のシート状製品の画像を順次取得するようになる。
【0030】
画像拡張部104は、画像取得部102によって取得された画像(以下、「取得画像」という)をシート状製品150の長さ方向に拡張(Stretching)させ、振動ノイズ信号を低減させる(或いは、除去する)。
【0031】
図4は、本発明の一実施形態による画像拡張部が取得画像を拡張する状態を示した図である。図4を参照すれば、取得画像160は水平長さ×垂直長さに該当する大きさを有する。ここで、水平長さは、取得画像160におけるシート状製品150の方向への長さを示し、垂直長さは、取得画像160におけるシート状製品150の幅方向への長さを示す。
【0032】
画像拡張部104は、取得画像160を複数個の領域a、b、cに区分した後、区分された各領域a、b、cの水平長さが取得画像160の水平長さになるように拡張させる。そうすれば、一つの取得画像160に対して複数個の拡張画像160'を得ることができるようになる。このとき、各拡張画像160'の大きさは、取得画像160と同一になる。この場合、各拡張画像160'において振動ノイズ信号を低減させながら欠陥信号はそのまま維持することができるようになる。
【0033】
具体的に、シート状製品150の欠陥を検査する過程において振動が生じる場合、振動はシート状製品150を上下に動くようにするため、振動ノイズ信号はシート状製品150の幅方向に示されるようになる。しかしながら、シート状製品150の製造過程において生じたムラなどのような欠陥は、シート状製品150の特定位置において連続して生じるため、ムラなどによる欠陥信号はシート状製品150の長さ方向(すなわち、移送方向)に示されることになる。
【0034】
従って、画像拡張部104を通じて、取得画像をシート状製品150の長さ方向に拡張すれば、シート状製品150の幅方向に示される振動ノイズ信号を低減させながら(或いは、除去しながら)、シート状製品150の長さ方向(すなわち、移送方向)に示される欠陥信号はそのまま維持することができるようになる。これによって、拡張画像160'は、実際の欠陥による欠陥信号の弁別性が向上されて示されるようになる。
【0035】
画像拡張部104は、取得画像160を複数個の領域a、b、cに区分するとき、各領域a、b、cの水平長さが取得画像160において振動ノイズ信号が占める水平長さ(すなわち、シート状製品150の幅方向に示される振動ノイズ信号の幅)になるようにすることができる。
【0036】
例えば、取得画像160の水平長さが1,000ピクセルであり、取得画像160において振動ノイズ信号が占める水平長さが100ピクセルである場合、画像拡張部104は、取得画像160を水平長さ100ピクセル単位で10個の領域に区分することができる。この場合、各領域a、b、cの水平長さを取得画像160の水平長さに拡張すれば、振動ノイズが含まれる拡張画像160'において振動ノイズが該当拡張画像160'の全体に亘って示されるため、該当拡張画像160'には、振動ノイズによる明度のばらつきが示されず、振動ノイズを除去することができるようになる。
【0037】
図5は、シート状製品の取得画像を示した写真であり、図6は、シート状製品の拡張画像を示した写真である。ここで、図6は、シート状製品の取得画像を10個の領域に区分した後、区分された各領域の水平長さを取得画像の水平長さに拡張した写真を示している。
【0038】
図5を参照すれば、シート状製品150の取得画像は、シート状製品150の幅方向に多数個の振動ノイズ信号が示されることが確認できる。これに対し、図6を参照すれば、シート状製品150の拡張画像は、シート状製品150の幅方向に示された振動ノイズ信号が低減(又は、除去)されて示され、シート状製品150の長さ方向に示された欠陥信号はそのまま維持され、欠陥信号の弁別性が向上したことを確認することができる。
【0039】
画像積層部106は、画像拡張部104によって拡張された画像、すなわち、拡張画像を積層する。例えば、画像積層部106は、二つ以上の拡張画像の各ピクセル別の明度を累積して、一つの積層された画像を生成する。すなわち、画像積層部106は、拡張画像の各ピクセル別に同一位置のピクセルの明度を累積することによって、拡張画像を積層する。拡張画像の各ピクセル別に同一位置のピクセルの明度を累積すれば、ムラのような欠陥による明度の差もまた累積して示されるようになる。
【0040】
前述したとおり、ムラなどの欠陥は、特定位置においてシート状製品150の長さ方向に連続して示される特徴がある。このとき、ムラなどの欠陥は視認性が低いため、単位面積(すなわち、カメラのような撮影手段で一回撮影することができる面積)に対して検査する場合、欠陥の検出力が低下するようになる。これに対して、本発明の実施形態では、振動ノイズ信号を低減させ欠陥信号の弁別性が向上した拡張画像を積層することによって、積層画像で欠陥による明度の差を視覚的に強調することができ、これによって、単位面積に対して視認性の低い欠陥に対しても検出力を向上することができるようになる。
【0041】
欠陥検出部108は、画像積層部106によって積層された画像(以下、「積層画像」という)を分析して積層画像からムラなどによる欠陥位置を検出する。例えば、欠陥検出部108は、積層画像の各ピクセルの微分値又は標準偏差を通じて明度の変曲点を確認した後、変曲点が既設定された臨界値を超過する場合、該当変曲点が示された位置を欠陥位置として検出することができる。
【0042】
モニタリング部110は、欠陥検出部108で検出された欠陥位置を画面に表示して管理者が確認することができるようにする。このとき、モニタリング部110は、画面上の欠陥位置にマーキングを表示することができる。なお、モニタリング部110は、シート状製品150に欠陥が生じた場合、警告音を発生させることもできる。この場合、管理者は、シート状製品150の製造を停止させ、欠陥の発生原因を確認するなど、迅速な措置を取ることができるようになる。
【0043】
本発明の実施形態によると、シート状製品150の画像において振動ノイズ信号を低減させながら欠陥信号はそのまま維持され、欠陥信号の弁別性を向上することができるようになる。また、シート状製品150の拡張画像を積層して欠陥信号を増幅させることによって、視認性の低い欠陥に対しても欠陥検出力を向上することができ、ムラなどの欠陥を早期に検出することができるため、迅速な措置を取ることができるようになる。
【0044】
図7は、本発明の他の実施形態による振動ノイズ補正用欠陥検査装置の構成を示した図である。
【0045】
図7を参照すれば、欠陥検査装置200は、画像取得部202、画像積層部204、欠陥検出部206、及びモニタリング部208を備える。ここで、欠陥検出部206及びモニタリング部208は、図2に示す欠陥検出部108及びモニタリング部110と同一の構成であるため、これに関する説明は省略する。
【0046】
画像取得部202は、一定方向に移送されるシート状製品250の上部でシート状製品250を撮影して、シート状製品250の画像を取得する。このとき、画像取得部202は、高速及び高解像度カメラのような画像撮影手段を通じてシート状製品250の画像を取得する。
【0047】
図8は、一般カメラを通じてシート状製品の画像を取得する場合と高速及び高解像度カメラを通じてシート状製品の画像を取得する場合とを比較して示した図である。
【0048】
図8を参照すれば、一般カメラを用いてシート状製品250の単位面積Sを撮影すれば、単位面積Sに対して一定の大きさを有する画像Aを取得するようになる。ここで、一般カメラがシート状製品250を一回撮影して単位面積Sに対する画像を取得する時間を単位時間とすると、一般カメラは単位時間で一つの画像Aを取得するようになる。一方、画像Aの水平解像度及び垂直解像度は同一に形成される。例えば、画像Aの各ピクセルの水平及び垂直長さが実際のシート状製品250の100μmの長さを示すようにすることができる。
【0049】
これに対し、画像取得部202は、高速及び高解像度カメラを通じてシート状製品250の画像を取得する。例えば、画像取得部202は、高速及び高解像度カメラを通じてシート状製品250の単位面積をシート状製品250の長さ方向に複数個の領域S−1、S−2、S−3に区分したとき、区分された各領域S−1、S−2、S−3毎に撮影を遂行する。このとき、画像取得部202は、高速撮影を通じて区分された各領域S−1、S−2、S−3を単位時間内に全て撮影する。そうすれば、画像取得部202は、単位時間で複数個の画像B−1、B−2、B−3を取得するようになる。
【0050】
なお、画像取得部202は、高速及び高解像度カメラを通じてシート状製品250を撮影するとき、各画像B−1、B−2、B−3の水平解像度が垂直解像度より高く示されるように撮影する。例えば、画像取得部202は、各画像B−1、B−2、B−3の各ピクセルの水平長さが実際のシート状製品250の10μmの長さを示すようにし、各ピクセルの垂直長さが実際のシート状製品250の100μmの長さを示すようにすることができる。この場合、各画像B−1、B−2、B−3の水平解像度は、垂直解像度より10倍高く示されるようになる。
【0051】
このように、シート状製品250の単位面積を複数個に区分して高速で撮影しながら水平解像度が垂直解像度より高く示されるように撮影すれば、画像取得部202によって取得された画像は、シート状製品250の長さ方向に非常に細密な部分を表示するため、シート状製品250の幅方向に示される振動ノイズ信号を低減(又は、除去)することができるようになる。
【0052】
画像取得部202がシート状製品250を複数個の領域に区分して撮影するとき、各領域S−1、S−2、S−3の長さが振動ノイズ信号の長さ(すなわち、シート状製品250の幅方向に示される振動ノイズ信号の幅)になるようにシート状製品250を区分して撮影することができる。この場合、振動ノイズを含む画像において振動ノイズが該当画像の全体に亘って示されるため、該当画像には振動ノイズによる明度のばらつきが示されず、振動ノイズを除去することができるようになる。
【0053】
画像積層部204は、画像取得部202が取得した画像を積層する。すなわち、画像積層部204は、二つ以上の拡張画像の各ピクセル別の明度を累積し、一つの積層された画像を生成する。
【0054】
以上、代表的な実施形態を通じて本発明に関して詳細に説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、上述した実施形態に対して本発明の範疇から逸脱しない範囲内で多様な変形が可能なことを理解するものである。従って、本発明の権利範囲は、説明した実施形態に限定されて決められてはならず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものによって決められなければならない。
【符号の説明】
【0055】
102:画像取得部、104:画像拡張部、106:画像積層部、108:欠陥検出部、110:モニタリング部
図2
図3
図4
図1
図5
図6
図7
図8