特許第6063235号(P6063235)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6063235作業自動化支援システム及び作業自動化支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6063235
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】作業自動化支援システム及び作業自動化支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 9/44 20060101AFI20170106BHJP
【FI】
   G06F9/06 620A
【請求項の数】8
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-269118(P2012-269118)
(22)【出願日】2012年12月10日
(65)【公開番号】特開2014-115806(P2014-115806A)
(43)【公開日】2014年6月26日
【審査請求日】2015年11月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233491
【氏名又は名称】株式会社日立システムズ
(74)【代理人】
【識別番号】100080001
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 大和
(74)【代理人】
【識別番号】100113642
【弁理士】
【氏名又は名称】菅田 篤志
(74)【代理人】
【識別番号】100117008
【弁理士】
【氏名又は名称】筒井 章子
(74)【代理人】
【識別番号】100147430
【弁理士】
【氏名又は名称】坂次 哲也
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 淳弘
【審査官】 多賀 実
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/126796(WO,A1)
【文献】 特開2002−373078(JP,A)
【文献】 鳥居 昭彦 外3名,「オフィス環境向けHI−VISUALシステム」,情報処理学会研究報告,社団法人情報処理学会,1994年 3月 1日,第94巻、第18号
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/44
G06F11/34
G06Q10/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラウザ及び表計算ソフトウェアを対象とした自動化対象の作業プロセスを記録するコンピュータと、作業プロセス及び該作業プロセスで使用するファイルを記録したログファイルを格納するファイルサーバと、該ファイルサーバに格納した作業プロセスを管理する管理サーバと、該管理サーバで利用する情報を管理するデータベースとを接続した作業自動化支援システムであって、
前記コンピュータが、ブラウザを操作した情報であるブラウザプロセス定義ファイル及び操作実施画面をファイルサーバに記憶するブラウザ操作記録エージェントと、表計算ソフトウェアを操作した情報である表計算プロセス定義ファイル及び表計算ファイルをファイルサーバに記憶する操作記録エージェントとを備え、
前記管理サーバが、前記ファイルサーバに記録したブラウザプロセス定義ファイル及び操作実施画面並びに表計算プロセス定義ファイル及び表計算ファイルに基づいてブラウザ及び表計算ソフトウェアの操作手順を複数の処理ステップの流れを表す処理フローチャートとして作成するフロー表示機能部と、前記ブラウザプロセス定義ファイル及び表計算プロセス定義ファイルを作業自動化ツールのインプットファイルに変換して登録するフロー変換登録機能部とを備え、
前記フロー表示機能部が、前記ブラウザプロセス定義ファイル及び操作実施画面並びに表計算プロセス定義ファイル及び表計算ファイルに基づいて処理フローチャートを作成する第1工程と、
前記フロー変換登録機能部が、ポップアップ画面を用いて登録された論理式に基づいて作業自動化ツールのインプットファイルを生成する第2工程とを実行する作業自動化支援システム。
【請求項2】
前記ポップアップ画面が、操作対象であるタグ又はセルの列位置及び行位置を表示するターゲットの小項目窓と、該ターゲットの操作対象に対して操作された入力又は削除又は複写又は貼付又は押下の何れかの操作内容を表示するアクションの小項目窓と、該ターゲットに対して操作対象に対して操作された数値を表示する値の小項目窓とを有し、前記ターゲット小項目窓とアクション小項目窓と値小項目窓の表示内容を編集することによって前記論理式を登録するように構成されている請求項1記載の作業自動化支援システム。
【請求項3】
前記第2工程において、前記第1工程により作成したブラウザ及び表計算ソフトウェアの操作手順による処理フローチャートの繰り返し条件を登録するための論理式を登録するポップアップ画面を生成する請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の作業自動化支援システム。
【請求項4】
前記ブラウザ操作記録エージェント及び操作記録エージェントが、ブラウザ及び表計算ソフトウェアが操作された実時間を記録する時間記録機能を有し、該時間記録機能により記録した操作実時間と、前記第2工程により生成したインプットファイルに基づく作業自動化ツールを試行的に実行した試行実行時間とを比較して表示する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の作業自動化支援システム。
【請求項5】
ブラウザ及び表計算ソフトウェアを対象とした自動化対象の作業プロセスを記録するコンピュータと、作業プロセス及び該作業プロセスで使用するファイルを記録したログファイルを格納するファイルサーバと、該ファイルサーバに格納した作業プロセスを管理する管理サーバと、該管理サーバで利用する情報を管理するデータベースとを接続したコンピュータシステムにおける作業自動化支援方法であって、
前記コンピュータに、ブラウザを操作した情報であるブラウザプロセス定義ファイル及び操作実施画面をファイルサーバに記憶するブラウザ操作記録エージェントと、表計算ソフトウェアを操作した情報である表計算プロセス定義ファイル及び表計算ファイルをファイルサーバに記憶する操作記録エージェントとを設け、
前記管理サーバに、前記ファイルサーバに記録したブラウザプロセス定義ファイル及び操作実施画面並びに表計算プロセス定義ファイル及び表計算ファイルに基づいてブラウザ及び表計算ソフトウェアの操作手順を複数の処理ステップの流れを表す処理フローチャートとして作成するフロー表示機能部と、前記ブラウザプロセス定義ファイル及び表計算プロセス定義ファイルを作業自動化ツールのインプットファイルに変換して登録するフロー変換登録機能部とを設け、
前記フロー表示機能部に、前記ブラウザプロセス定義ファイル及び操作実施画面並びに表計算プロセス定義ファイル及び表計算ファイルに基づいて処理フローチャートを作成する第1工程を実行させ、
前記フロー変換登録機能部に、前記フロー変換登録機能部が、ポップアップ画面を用いて登録された論理式に基づいて作業自動化ツールのインプットファイルを生成する第2工程とを実行させる作業自動化支援方法。
【請求項6】
前記ポップアップ画面が、操作対象であるタグ又はセルの列位置及び行位置を表示するターゲットの小項目窓と、該ターゲットの操作対象に対して操作された入力又は削除又は複写又は貼付又は押下の何れかの操作内容を表示するアクションの小項目窓と、該ターゲットに対して操作対象に対して操作された数値を表示する値の小項目窓とを有し、前記ターゲット小項目窓とアクション小項目窓と値小項目窓の表示内容を編集することによって前記論理式を登録させる請求項5記載の作業自動化支援方法。
【請求項7】
前記第2工程において、前記第1工程により作成したブラウザ及び表計算ソフトウェアの操作手順による処理フローチャートの繰り返し条件を登録するための論理式を登録するポップアップ画面を生成させる請求項5又は請求項6のいずれか1項に記載の作業自動化支援方法。
【請求項8】
前記ブラウザ操作記録エージェント及び操作記録エージェントに、ブラウザ及び表計算ソフトウェアが操作された実時間を記録する時間記録機能を設け、該時間記録機能により記録した操作実時間と、前記第2工程により生成したインプットファイルに基づく作業自動化ツールを試行的に実行した試行実行時間とを比較して表示させる請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の作業自動化支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラウザソフトウェア及び表計算ソフト等を利用した定型作業を記録し、当該作業記録に基づいて作業プロセスを自動化することができる作業自動化支援システム及び作業自動化支援方法に係り、特に自動化した作業の作業フローを可視化すると共に作業自動化効果を判定することができる作業自動化支援システム及び作業自動化支援方法関する。
【背景技術】
【0002】
近年、企業においてはブラウザソフトウェアを用いて任意のウェブサイトにアクセスして必要なデータを取得し、この取得したデータを所定の表計算ソフトウェアに入力して集計を行う作業があり、この作業は人手によって行われている。例えば、多数の従業員に目的に応じて異なるキャリアの携帯電話やスマートフォンと契約し、各人の通話実績による料金を集計する作業においては、作業者が、各キャリアのホームページにアクセスして使用実績額を確認し、予め用意された集計用の表計算ソフトウェアに入力して集計する作業が行われている。
【0003】
この作業は、作業者がキャリア毎に形式が異なるホームページの使用実績額表から該当月の実績額を確認して集計用の表計算ソフトウェアの該当者・該当月のセルに実績額を入力する作業を多数の従業員毎に繰り返して行うため、煩雑な作業である。
【0004】
尚、一般に企業内の業務の自動化を検討する場合、現状の作業プロセスを可視化し、対応する自動化方式の導入による効果を検討することが行われており、このプロセス可視化においては、コンサルタントやシステムエンジニア等が顧客の業務を把握するためにBPM(ビジネス・プロセス・マネジメント)ツールを利用して、ヒアリング時もしくはヒアリング後に手作業でプロセスフロー図を作成することが一般的である。
【0005】
なお、従来技術による業務作業を可視化する技術に関する技術が記載された文献としては、下記の特許文献が挙げられ、特許文献1には、処理時間取得部が、業務システムにおける実行履歴から、業務における処理を完了するのに必要とされる時間である処理時間であって、当該処理を識別する処理名毎と処理の実行に用いたリソースを識別するリソース識別子毎と予め指定された単位の時間帯毎との処理時間を記述した処理時間設定ファイルを作成し、オーダ管理部が、オーダ発生時刻リストに記述されたオーダ生成時刻に従ってオーダを生成して業務シミュレーションを行う際、前記処理時間設定ファイルから当該オーダの処理名及びリソース識別子および現在時刻と合致する処理時間を取得することによって、実際の業務を反映したシミュレーションを行う技術が記載され、特許文献2には、業務分担支援装置が、業務用件を入力させる手順と、複数のシステムを識別する名称を入力させる手順と、評価項目および評価項目の重要度である評価項目の重みを入力させる手順と、評価項目における評価値を入力させる手順と、複数のシステムのシステム毎に評価項目における評価値と評価項目の重みとを入力とする所定の関数における出力値を算出する手順と、各システムごとの出力値を比較して所定の業務用件を担当するシステムを決定する手順と、業務用件と決定されたシステムとの対応情報を、業務システムの設計の結果として出力する手順とを含めて実行することによって、複数のシステムを使用する業務システムの設計を支援する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−299496公報
【特許文献2】特開2004−213281公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述の従来技術によるプロセスの可視化を手作業で行う手法は、プロセスの記法や各ステップの粒度について知識と経験が必要であり、またプロセスフロー図作成のための作業時間が必要となるため、業務担当者での作業改善につながりにくいという課題があり、前記特許文献に記載されたログなどから自動的にプロセスを可視化する手法は、業務システムのプロセスは可視化できるが、業務システムを扱わない作業のプロセスは可視化できないという課題があり、更に自動化の効果を算出する技術は、人手による目算では正確な作業時間が算出できないと共に、正確な値を測定しようとするとその分時間がかかってしまい、業務担当者の作業改善につながりにくいという課題があり、作業自動化提案システムは、複数の業務システムを使う作業、業務システムを使わない作業については対応できないという課題があった。
【0008】
本発明の目的は、前述の従来技術による課題を解決しようとするものであり、ブラウザ及び表計算ソフトウェアを用いた定型的なソフトウェア作業を行う作業自動化ツールの作成を支援することができる作業自動化支援システム及び作業自動化支援方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するため本発明は、ブラウザ及び表計算ソフトウェアを対象とした自動化対象の作業プロセスを記録するコンピュータと、作業プロセス及び該作業プロセスで使用するファイルを記録したログファイルを格納するファイルサーバと、該ファイルサーバに格納した作業プロセスを管理する管理サーバと、該管理サーバで利用する情報を管理するデータベースとを接続した作業自動化支援システムであって、
前記コンピュータが、ブラウザを操作した情報であるブラウザプロセス定義ファイル及び操作実施画面をファイルサーバに記憶するブラウザ操作記録エージェントと、表計算ソフトウェアを操作した情報である表計算プロセス定義ファイル及び表計算ファイルをファイルサーバに記憶する操作記録エージェントとを備え、
前記管理サーバが、前記ファイルサーバに記録したブラウザプロセス定義ファイル及び操作実施画面並びに表計算プロセス定義ファイル及び表計算ファイルに基づいてブラウザ及び表計算ソフトウェアの操作手順を複数の処理ステップの流れを表す処理フローチャートとして作成するフロー表示機能部と、前記ブラウザプロセス定義ファイル及び表計算プロセス定義ファイルを作業自動化ツールのインプットファイルに変換して登録するフロー変換登録機能部とを備え、
前記フロー表示機能部が、前記ブラウザプロセス定義ファイル及び操作実施画面並びに表計算プロセス定義ファイル及び表計算ファイルに基づいて処理フローチャートを作成する第1工程と、
前記フロー変換登録機能部が、ポップアップ画面を用いて登録された論理式に基づいて作業自動化ツールのインプットファイルを生成する第2工程とを実行することを第1の特徴とする。
【0010】
また、本発明は、第1の特徴の作業自動化支援システムにおいて、前記ポップアップ画面が、操作対象であるタグ又はセルの列位置及び行位置を表示するターゲットの小項目窓と、該ターゲットの操作対象に対して操作された入力又は削除又は複写又は貼付又は押下の何れかの操作内容を表示するアクションの小項目窓と、該ターゲットに対して操作対象に対して操作された数値を表示する値の小項目窓とを有し、前記ターゲット小項目窓とアクション小項目窓と値小項目窓の表示内容を編集することによって前記論理式を登録するように構成されていることを第2の特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記何れかの特徴の作業自動化支援システムであって、前記第1工程により作成したブラウザ及び表計算ソフトウェアの操作手順による処理フローチャートの繰り返し条件を登録するための論理式を登録するポップアップ画面を生成することを第3の特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記何れかの特徴の作業自動化支援システムであって、前記ブラウザ操作記録エージェント及び操作記録エージェントが、ブラウザ及び表計算ソフトウェアが操作された実時間を記録する時間記録機能を有し、該時間記録機能により記録した操作実時間と、前記第2工程により生成したインプットファイルに基づく作業自動化ツールを試行的に実行した試行実行時間とを比較して表示することを第4の特徴とする。
【0013】
更に、本発明は、ブラウザ及び表計算ソフトウェアを対象とした自動化対象の作業プロセスを記録するコンピュータと、作業プロセス及び該作業プロセスで使用するファイルを記録したログファイルを格納するファイルサーバと、該ファイルサーバに格納した作業プロセスを管理する管理サーバと、該管理サーバで利用する情報を管理するデータベースとを接続したコンピュータシステムにおける作業自動化支援方法であって、
前記コンピュータに、ブラウザを操作した情報であるブラウザプロセス定義ファイル及び操作実施画面をファイルサーバに記憶するブラウザ操作記録エージェントと、表計算ソフトウェアを操作した情報である表計算プロセス定義ファイル及び表計算ファイルをファイルサーバに記憶する操作記録エージェントとを設け、
前記管理サーバに、前記ファイルサーバに記録したブラウザプロセス定義ファイル及び操作実施画面並びに表計算プロセス定義ファイル及び表計算ファイルに基づいてブラウザ及び表計算ソフトウェアの操作手順を複数の処理ステップの流れを表す処理フローチャートとして作成するフロー表示機能部と、前記ブラウザプロセス定義ファイル及び表計算プロセス定義ファイルを作業自動化ツールのインプットファイルに変換して登録するフロー変換登録機能部とを設け、
前記フロー表示機能部に、前記ブラウザプロセス定義ファイル及び操作実施画面並びに表計算プロセス定義ファイル及び表計算ファイルに基づいて処理フローチャートを作成する第1工程を実行させ、
前記フロー変換登録機能部に、ポップアップ画面を用いて登録された論理式に基づいて作業自動化ツールのインプットファイルを生成する第2工程とを実行させることを第5の特徴とする。
【0014】
また、本発明は、前記第5の特徴の作業自動化支援方法であって、前記ポップアップ画面が、操作対象であるタグ又はセルの列位置及び行位置を表示するターゲットの小項目窓と、該ターゲットの操作対象に対して操作された入力又は削除又は複写又は貼付又は押下の何れかの操作内容を表示するアクションの小項目窓と、該ターゲットに対して操作対象に対して操作された数値を表示する値の小項目窓とを有し、前記ターゲット小項目窓とアクション小項目窓と値小項目窓の表示内容を編集することによって前記論理式を登録させることを第6の特徴とする。
【0015】
また、本発明は、前記何れかの特徴の作業自動化支援方法であって、前記第1工程により作成したブラウザ及び表計算ソフトウェアの操作手順による処理フローチャートの繰り返し条件を登録するための論理式を登録するポップアップ画面を生成させることを第7の特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記何れかの特徴の作業自動化支援方法であって、前記ブラウザ操作記録エージェント及び操作記録エージェントに、ブラウザ及び表計算ソフトウェアが操作された実時間を記録する時間記録機能を設け、該時間記録機能により記録した操作実時間と、前記第2工程により生成したインプットファイルに基づく作業自動化ツールを試行的に実行した試行実行時間とを比較して表示させることを第8の特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明による作業自動化支援システム及び作業自動化支援方法は、フロー表示機能部が、ブラウザプロセス定義ファイル及び操作実施画面並びに表計算プロセス定義ファイル及び表計算ファイルに基づいて処理フローチャートを作成する第1工程と、フロー変換登録機能部が、ポップアップ画面を用いて登録された論理式に基づいて作業自動化ツールのインプットファイルを生成する第2工程とを実行することによって、ブラウザ及び表計算ソフトウェアを用いた定型的なソフトウェア作業を行う作業自動化ツールの作成を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態による作業自動化支援システムの全体構成を示す図である
図2】本実施形態によるコンピュータの機能的構成を示す図である
図3】本実施形態による管理サーバの機能的構成を示す図である
図4】本実施形態によるシステム管理者がプロセス変換方法を登録する処理フローを示す図である
図5】本実施形態による操作の記録を実行する処理フローを示す図である
図6】本実施形態による作業自動化提案の内容確認の処理フローを示す図である
図7】本実施形態によるプロセス管理部の変換登録機能における操作定義の一例を示す図である
図8】本実施形態による操作定義と自動化ツールの操作定義を対応づけて管理する定義管理テーブルとそのデータの一例を示す図である
図9】本実施形態によるPC毎に操作記録のステータスとログ出力先を管理するステータステーブルとそのデータの一例を示す図である
図10】本実施形態によるログイメージの一例を示す図である
図11】本実施形態による操作ログとキャプチャが保存されたフォルダイメージの一例を示す図である
図12】本実施形態による作業自動化の詳細動作を説明するための図である
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明による作業自動化支援方法及びプログラムを適用した作業自動化支援システムの一実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
[構成]
本実施形態による作業自動化支援システムは、図1に示す如く、本実施形態による自動化対象の作業プロセスを記録するコンピュータ(PC)101と、作業プロセスで使用するファイル及び作業を記録したログファイル等を格納するファイルサーバ102と、該ファイルサーバ102に記録した作業プロセスを管理する管理サーバ103と、該管理サーバ103で利用する情報を管理するデータベース(DB)104と、前記コンピュータ101とファイルサーバ102と管理サーバ103とデータベース104とを接続するLAN等のネットワーク105とを備える。尚、図1においては、1台のコンピュータ101しか図示していないが、複数の作業者が居る場合、作業者毎のコンピュータがネットワーク105に接続されているものとする。
【0020】
[コンピュータ101]
前記コンピュータ101は、機能的構成として、図2に示す如く、自動化対象の作業プロセスを記録する操作記録管理部201と、インターネット回線を介してウェブ上で公開されているHTML文書などを閲覧するためのアプリケーションソフトウェアであるブラウザソフトウェア204と、表計算による集計等を行うための表計算ソフト211とを備え、ハードウェア構成としては、一般のコンピュータ同様に、CPU・メモリ・磁気ディスク装置等の記憶手段・表示部・キーボード等の入出力機器・各種インタフェース機器・基本ソフトウェア(OS)及び前述の操作記録管理部20とアドオン205とマクロ212とを実現するためのソフトウェアを含むものである。
【0021】
前記ブラウザソフトウェア204は、アプリケーションソフトウェアに追加される拡張機能であるアドオン205(市販又は無償の業務フローチャート簡易作図支援ツール)がインストールされており、該アドオン205は、ブラウザ操作記録エージェント206として、ブラウザが起動時に操作を記録すべきか操作記録システムに問い合わせを判定する稼働判定機能部207と、ソフトウェアに対する操作者のブラウザ上での操作情報(入力・削除・コピー・ペースト・クリック等)を記録する操作記録機能部208と、該操作記録機能部208により記録した操作情報をログとしてファイルサーバ102の共有フォルダに出力する操作ログ出力機能部209と、操作を実施する画面を出力するキャプチャ出力機能部210とを備え、当該ブラウザ操作記録エージェント206は、ユーザの操作ログと各操作時の画面をHTMLとして前記ファイルサーバ102の共有フォルダに保存するように動作する。尚、本出願で使用するエージェントとは、インストールされているソフトウェアに対して複数機能を実行する為の機能及びソフトウェアを意味する。
【0022】
前記表計算ソフトウェア211は、アプリケーションソフトウェアに追加される拡張機能であるマクロ212(市販又は無償の業務フローチャート簡易作図支援ツール)がインストールされており、該マクロ212は、表計算操作記録エージェント213として、表計算ソフト起動時に操作を記録すべきか操作記録システムに問い合わせて判定する稼働判定機能部214と、ソフトウェアに対する操作者の操作情報(入力・削除・コピー・ペースト・クリック等)を記録する操作記録機能部215と、該操作記録機能部215により記録した操作情報をログとしてファイルサーバ102の共有フォルダへ出力する操作ログ出力機能部216と、各操作実施時の表計算ファイルをHTMLに変換し共有フォルダに出力するキャプチャ出力機能部217とを備え、当該表計算操作記録エージェント213は、ユーザの操作ログとHTMLファイルに変換した表計算ファイルをファイルサーバ102の共有フォルダに出力するように動作する。
【0023】
前記操作記録管理部201は、前記ブラウザソフトウェア204のブラウザ操作記録エージェント206及び表計算ソフトウェア211の表計算操作記録エージェント213と情報のやり取りを行うエージェント連携機能部202と、後述する管理サーバ103のプロセス管理部302と情報のやり取りを行うサーバ連携機能部203を備え、後述のプロセス管理部302から送られてくる情報とそこへ引き渡す情報及びブラウザ操作記録エージェント206と表計算操作記録エージェント213へ引き渡す情報とそこで発生した情報を管理するように動作する。
【0024】
[管理サーバ103]
前記管理サーバ103は、図3に示す如く、作業プロセスの作成・表示・編集を行うプロセス管理部302として、操作を記録した際に生成されるプロセス定義ファイルを企業情報システム管理者が選定した自動化ツールのインプットファイルとして変換する方式を定義するためのフロー変換登録機能部303と、記録したプロセスフロー図を利用者に表示するフロー表示機能部304と、ユーザが操作を記録する際の開始と終了のタイミングを本実施形態で実現されるシステムに通知する記録始点・終点申告機能部305と、操作記録により生成されたプロセス定義ファイルを前記定義方式に従って定義ファイルを変換するフロー変換機能部306と、操作記録管理部201から送られてきた操作ログやキャプチャからプロセスを作成して利用者の編集内容に従ってプロセス定義ファイルを編集するフロー演算機能部307と、操作記録管理部と情報のやり取りを行う操作記録管理部連携機能部308と、データベース104とのデータのやり取りを行うデータ管理機能部309とを備える。
【0025】
また、前記データベース104に記録されるデータは、図9に示すコンピュータ毎の操作記録を格納するステータステーブルと、図10に示す表計算ログ及びブラウザ操作ログと、図11に示すログ保存フォルダに配置されるログとキャプチャのイメージとを含み、前記図9のステータステーブルは、コンピュータのマシン名と動作状態を表すステータス(ON/OFF)と操作ログの保存場所の各項目情報とから成り、前記図10の操作ログは、操作を行った日時と操作対象のセル又はタグと操作種別(入力、複写、クリック)と操作の値の各項目情報から成り、図11に示すログ保存フォルダに配置されるログ及びキャプチャは、ブラウザ操作又は表計算操作のログ名並びにブラウザのHTML名と、ログ又はキャピチャの内容の各項目情報とから構成されている。
【0026】
[動作]
次に本実施形態による作業自動化支援システムの動作を説明する。
[初期設定動作]
まず、本実施形態による作業自動化支援システムは、作業自動化を行うための事前準備として、自動化ツールに特定の操作を行わせるためのインプットファイルの定義を登録するものであって、図4に示す如く、システム管理者が管理サーバ103のプロセス管理部302のフロー変換登録機能部303を用いてブラウザからアクセスするステップ401と、データ入力とデータ削除とデータ抽出とループなどの処理を表す自動化ツールのプロセス記載方法を登録するステップ402とを実行する。
【0027】
前記ステップ402による自動化ツールのプロセス記載方法の登録は、ブラウザ上の表の3行3列目に「original string」という文字列を入力する操作の場合、図7左側に示したタグの如く表され、図7右側の如く、前記の入力操作に対応する自動化ツールの操作定義を表すことができる。図7右側に表す例においては、「@」で始まる文字列は本実施形態変換登録で使用できる変数を表し、左図の特定タグの値を任意の場所に挿入できるように構成されている。
【0028】
例えば、ターゲット変数が「@1234567.operation.location.left[1]」の場合、idが1234567となるステップ内で、「operation」タグ内の「location」タグに記載された文字列の左から一文字目を取得して代入することを意味し、ターゲット変数が「@1234567.operation.value」であれば、同ステップの「operation」タグ内の「location」タグに記載された値を取得し代入することを意味している。なお、ここで登録された情報はプロセス管理部302のデータ管理機能部309を通してデータベース104の定義管理テーブルに登録され、このデータベース104の定義管理テーブルは、図8に示す如く、図中左側のプロセスフロー及び図中右側の変換フローとして表される。
【0029】
尚、前述したXMLで記載された操作定義に基づいてブラウザの操作を自動化すると共に、指定されたマクロを呼び出して表計算ソフトウェアでの操作を自動化するソフトウェアは既に市場に出回っており、システム管理者がこのような仕組みを持つソフトウェアをあらかじめ選定していることを前提としている。
【0030】
[ユーザ操作記録動作]
次に、本実施形態による作業自動化支援システムは、作業の自動化を検討している利用者が操作を記録する動作を行い、利用者作業用のコンピュータ101には前述した操作記録管理部201・ブラウザ操作記録エージェント206・表計算操作記録エージェント213が予めインストールされているものとする。
【0031】
また、本実施形態に適用される作業は、図1に示した作業自動化支援システムを使用しながら利用者が、例えば複数の携帯キャリア会社のホームページにアクセスして複数の従業員毎の携帯使用実績を確認ながら当該確認した使用実績を集計用の表計算ソフトウェアに入力する作業を繰り返して行うもので、本実施形態による作業自動化支援システムは、従業員毎の前記確認及び入力作業において次のように動作する。
【0032】
本実施形態による作業自動化支援システムによるユーザ操作記録動作は、図5に示す如く、利用者が任意のコンピュータ101からブラウザソフトウェア204を起動して管理サーバ103にあるプロセス管理部302の記録始点・終点申告機能部305にアクセスするステップ501と、該ステップ501によりアクセスしたサイトのブラウザに表示されたテキストボックスに操作を行うコンピュータ名を入力すると共に開始ボタンをクリックするステップ502とを実行することによって、プロセス管理部302がフロー演算機能部307にコンピュータ名情報が引き渡され、該コンピュータ名情報を引き渡されたフロー演算機能部307がデータ管理機能部309を通じて操作記録に関するステータスと操作記録のログを保存するフォルダを管理するステータス管理テーブルを参照し、該当するサーバのステータスがOFFであればONに設定すると共に、ブラウザと表計算のログの出力先フォルダを作成し、操作記録管理部連携機能部308に出力先を引き渡し、操作記録管理部連携機能部308が、この情報を利用者が指定したコンピュータ101の操作記録管理部201にあるサーバ連携機能部203に引き渡すと共に、操作記録の処理の開始を伝えるように動作する。
【0033】
次いで、本作業自動化支援システムによるユーザ操作記録動作は、前記ステップ502迄の動作によって操作を記録するための準備が完了し、利用者が開始ボタンを押したウェブ画面では準備完了を伝えるメッセージと停止ボタンが表示され、利用者が指定したコンピュータ101を用いて作業を開始するステップ503と、利用者の作業が終了したとき、利用者が前記ステップ501にてアクセスしたブラウザの記録終了ボタンをクリックすることによって処理を終了するステップ504を実行するように動作する。
【0034】
前記ステップ503において、利用者が例えば携帯キャリア会社から携帯使用実績を入手するためにブラウザを起動させたとき、本実施形態による作業自動化支援システムが、ブラウザ操作記録エージェント206の稼働判定機能部207が操作記録管理部201のエージェント連携機能部202に操作記録の要否を問い合わせ、操作記録管理部201がログファイルの出力先情報と共に開始指示がプロセス管理部302から受けているため、ブラウザ操作記録エージェント206にログファイル出力先情報と操作記録開始の指示を回答する。
【0035】
これを受けたブラウザ操作記録エージェント206が操作の記録を開始し、この操作記録を開始した操作記録機能部208が、ロード時の画面をHTMLとしてキャッシングすると共にキャプチャ出力機能部210を通じて指定されたログフォルダに出力し、画面での操作記録は、アドオンされたエージェントの操作記録機能部208により、ブラウザの画面表示部にポイントされた際のマウスやキーボードの操作をHTMLタグベースで管理するように動作し、利用者の操作が完了し、利用者がブラウザを閉じたとき、操作記録機能部208で記録されたログ情報は操作ログ出力機能部209に引き渡され、操作記録管理部201から指定されたログ保存場所に操作時刻・操作対象HTMLタグ・操作内容・入出力データが記載されたログファイル(図10)を出力するように動作する。
【0036】
前記ステップ503において、利用者が前記ブラウザを用いて参照した携帯使用実績の集計を行うために表計算ソフトウェアを起動させたとき、本実施形態による作業自動化支援システムは、前述のブラウザの場合と同様に、表計算操作記録エージェント213の稼働判定機能部214が操作記録の必要性を確認し、操作記録機能部215が操作記録を開始し、該操作記録機能部215が、操作開始前の表計算ファイルをHTMLに変換し、操作記録管理部201により指定されたログ出力先へキャプチャ出力機能部217を経由して出力し、その後に表計算ソフトを用いて行われた操作セルをベースに入力やコピーなどの操作を管理し、利用者が作業を終了し、表計算ソフトを停止させるとき、操作記録機能部215により記録した操作記録は、操作ログ出力機能部216に引き渡され、操作記録管理部201から指定されたログ保存場所に操作時刻・操作対象セル・操作内容・入出力データが記載されたログファイル(図10)を出力するように動作する。
【0037】
[作業自動化動作]
次いで、本実施形態による作業自動化支援システムは、利用者が作業自動化の確認を行う動作を実行するものであり、この作業自動化動作概要を図6を参照して説明する。
【0038】
この作業自動化動作は、図6に示す如く、まず、利用者がブラウザソフトウェアを用いて管理サーバ103のプロセス管理部302にあるフロー表示にアクセスするステップ601と、該表示したフロー表示画面に表示されるテキストボックスに作業記録を実施したPC名称を入力するステップ602とを実行することによって、本実施形態の作業自動化支援システムのフロー表示機能部304が入力されたPC名称をフロー演算機能部307に引き渡し、フロー演算機能部307がステータス管理テーブルを参照して対象のマシン(コンピュータ)のステータスがOFFになっていることを確認し、同テーブルに保存されているログの保存場所からログを取得し、操作ログを時系列に並べ(ソート)、その順で操作をXMLファイルに定義し順番に並べた(ソートした)XMLファイルを作成し、当該作成したXMLファイルをフロー表示機能部304に引き渡し、フロー表示機能部304がXMLファイルに定義されたプロセスを利用者にもわかりやすいフロー図に変換してブラウザに表示するように動作する。
【0039】
次いで、本実施形態による作業自動化動作は、図6に戻り、利用者がブラウザに表示されたフローに対して処理対象の判断基準を追加するステップ603を実行する。このステップ603における利用者による判断基準の追加は、利用者が、フロー内のステップ毎に常に同一のタグ又はセルに対して処理を行うのか、条件によって処理を行うタグやセルが異なるのかを判断し、作業自動化を実現するセルに登録することや、条件を指定する場合、キャプチャしている画面イメージをベースに処理対象の判断条件を入力することによって行われる。
【0040】
次いで、本実施形態による作業自動化動作は、前記ステップ603による処理対象の判断を登録後、利用者が処理対象に対して入力又は抽出するデータの取扱方法を入力するステップ604と、該ステップ604による入力が完了すると、プロセスの繰り返し処理を入力するステップ605とを実行する。
【0041】
本作業自動化動作は、前記ステップ604においてデータ取扱方法が入力の場合、入力する値の算出方法を入力し、抽出する場合は後続のステップでその値を使用できるように変数に格納するよう処理を登録し、前記ステップ605において繰り返しの登録は、各ステップ間にループを表すステップを挿入し、キャプチャしている画面イメージをベースに繰り返し条件を図示しないポッブアップ画面を用いて登録することにより定義するように動作する。この繰り返しの登録は、各ステップ間にループを表すステップを挿入し、キャプチャしている画面イメージをベースに繰り返し条件を登録することにより定義する。当該プロセスの繰り返し処理の入力を行うステップ605は、図示しないが、例えば、前記ステップS11とステップS12とステップS13との繰り返し回数実績や、集計用表計算ソフトウェアに予め登録されたアクセス対象に基づいて(例えば、集計用表計算ソフトウェアに集計対象の従業員の電話番号を登録しておき、検索によって前記電話番号が登録されたセルを対象とする他)繰り返し回数を設定する。
【0042】
本実施形態による作業自動化支援システムは、前述のステップ603〜605による利用者が編集したXMLファイルを、フロー演算機能部307及びフロー変換機能部306に引き渡し、フロー演算機能部307が、編集XMLファイルからログ情報及び利用者が定義した繰り返しの情報に基づいて作業に費やした時間(実作業時間)を算出し、フロー変換機能部306が、定義管理テーブルを参照してプロセスが定義されたXMLファイルを自動化ツールが認識する定義に変換するように動作し、これらフロー演算機能部307及びフロー変換機能部306の処理が終了した後、利用者のブラウザに自動化した場合に削減できる時間と自動化ツールに同じ作業を行わせるための定義ファイルを表示するように動作する。
【0043】
以上の登録処理が完了したときにブラウザ上に表示されている自動化効果算出ボタンを押すステップ606が実行されたとき、本システムは、前述のフロー演算機能部307が、算出した実作業時間と定義した自動化ツールの定義ファイルを用いて定義されたホームページへのアクセス及び表計算ソフトウェアによる作業を自動的に試行し、この試行作業に要した時間と前記実作業時間とを比較して表示することによって、表示される自動化効果を確認するステップ606とを実行し、表示される自動化効果が短時間になり確認された場合、自動化ツールのプロセス定義ファイルをダウンロードするステップ607を実行して処理を終了するように動作し、前記ステップ607によってダウンロードした定義ファイルをツールに読み込ませることで自動化を実現することができる。
【0044】
[作業自動化詳細動作]
次に前述のステップ603〜ステップ604における作業自動化動作の詳細を図12を参照して説明する。図12左側に示すフローは、ステップ603において表示された複数キャリアを参照して携帯使用実績を集計用の表計算ソフトウェアに入力する一連の作業を縦長に表した例であって、キャリアd社のホームページにアクセスして使用実績を参照した処理を表すステップS11と、キャリアd社のホームページの携帯実績料金表の3行目、3列目のテキストボックスの値(¥1000000)を複写した処理を表すステップ12と、該ステップ12によって複写した使用実績(¥1000000)を集計用の表計算ソフトウェアのC列、51行目(図12(b)参照)のセルに入力した処理を表すステップS13と、前記ステップS11からステップS13迄の処理が繰り返されたか否かを判定し、繰り返されたと判定したときに前記ステップS11に戻るステップS14とから成るキャリアd社を対象としたd社対象作業10と、同様に使用実績参照処理を表すステップS21と複写処理を表すステップS22と判定処理を表すステップS24を含むキャリアa社を対象としたa社対象作業20と、同様に使用実績参照処理を表すステップS31と複写処理を表すステップS32と判定処理を表すステップS34を含むキャリアSを対象としたS社対象作業30とを行って処理を終了したことを一連の作業手順として表したものである。
【0045】
さて、前記ステップS603における表示されたフローに対するブラウザ及び表計算上の処理対象判断基準の登録は、本実施形態による管理サーバ103のプロセス管理部302のフロー変換登録機能部303が、フローのステップS12に対応したポップアップ画面70a及びステップS13に対応したポップアップ画面70bとから成る初期画面40を表示する。
【0046】
このポップアップ画面70aは、ステップS12における利用者の操作を、操作対象の「ターゲット」と該操作対象に対する操作内容である「アクション」と該操作対象の「値」と媒介変数である「パラメータ」の各項目情報から成る小項目窓を表示し、本例の場合、利用者のブラウザの操作対象がキャリアd社ホームページの携帯実績料金表の操作対象であり、使用実績が「¥1000000」であることから、「ターゲット」が「3行目、3列目」(3tr,3td)、「アクション」が「COPY」、「値」が「1000000」、パラメータが空欄として表示される。
【0047】
前記ポップアップ画面70bは、ステップS13における利用者の操作を、操作対象の「ターゲット」と該操作対象に対する操作内容である「アクション」と該操作対象の「値」と媒介変数である「パラメータ」の各項目情報から成り、本例の場合、利用者の表計算ソフトウェアの操作対象セルが「C51」(図12(b)参照)であり、複写した使用実績が「¥1000000」であることから、「ターゲット」が「C51」、「アクション」が「input」、「値」が「1000000」、パラメータは空欄として表示される。
【0048】
ここで、利用者が前記初期画面40の表示内容を確認し、ブラウザに対する処理ステップ12のポップアップ画面70aの「ターゲット」は固定のために維持し、「アクション」を「代入」に変更し、「パラメータ」に任意の変数である「aaa」を入力したポップアップ画面80bに変更し、表計算ソフトウェアに対するステップS13のポップアップ画面70bの「ターゲット」を検索するための論理式である「look(c50:e50,d社)」(本例では、「d社」の対象セルをセル「c50〜e50」範囲で検索する論理式として例示したものであって、実際の論理式とは異なる。)を入力し、「パラメータ」に前記ブラウザに対して設定した変数「aaa」を入力したポップアップ画面80bを含む編集後画面41に変更することによって、処理対象判断基準を登録することができる。
【0049】
この処理対象判断基準は、編集後画面41の如く、ブラウザ画面における3行目且つ3列目のセルの「値」をターゲットとしてパラメータ「aaa」に代入し、該パラメータ「aaa」に代入した「値」を、表計算ソフトウェアの集計表のC列目50行目からC列100行目の範囲で入力対象のC列セルを検索し、検索したC列セルにパラメータ「aaa」の値「10000000」を入力することを表し、フロー変換登録機能部303が処理対象判断基準及びデータ取扱方法として登録するように動作する。
【0050】
本実施形態による作業自動化支援システムは、この処理対象判断基準及びデータ取扱方法をキャリアa社に対しては編集前のポップアップ画面50を編集後のポップアップ画面51に変更し、キャリアS社に対しては編集前のポップアップ画面60を編集後のポップアップ画面61に変更し、キャリアd社と同様に処理対象判断基準及びデータ取扱方法として登録するように動作する。
【0051】
このように本実施形態による作業自動化支援システムは、ブラウザ及び表計算ソフトウェアを対象とした自動化対象の作業プロセスを記録するコンピュータ101と、作業プロセスで使用するファイル及び作業を記録したログファイル等を格納するファイルサーバ102と、該ファイルサーバ102に記録した作業プロセスを管理する管理サーバ103と、該管理サーバ103で利用する情報を管理するデータベース104とをネットワーク105を介して接続して構成され、
前記コンピュータ101が、ブラウザを操作した情報であるブラウザプロセス定義ファイル及び操作実施画面を記録してファイルサーバ102に出力するブラウザ操作記録エージェント206と、表計算を操作した情報である表計算プロセス定義ファイル及び表計算ファイルを記録してファイルサーバ102に出力する操作記録エージェント213とを備え、
前記管理サーバ103が、前記ファイルサーバ102に記録したブラウザプロセス定義ファイル及び操作実施画面並びに表計算プロセス定義ファイル及び表計算ファイルに基づいてブラウザ及び表計算ソフトウェアの操作手順を複数の処理ステップの流れを表す処理フローチャートとして作成するフロー表示機能部304と、前記ブラウザプロセス定義ファイル及び表計算プロセス定義ファイルを作業自動化ツールのインプットファイルに変換して登録するフロー変換登録機能部303とを備え、
前記フロー表示機能部304が、前記ブラウザプロセス定義ファイル及び操作実施画面並びに表計算プロセス定義ファイル及び表計算ファイルに基づいて処理フローチャートを作成する第1工程と、
前記フロー変換登録機能部303が、前記フロー表示機能部により作成された処理フローチャートの処理ステップ毎に、常に対象とするタグ又はセルが同一のときに操作対象を同一タグ又は同一セルとして指定する論理式と、条件によって対象とするタグ又はセルが異なるときに操作対象条件に応じたタグ又はセルとして指定する論理式とを登録するためのポップアップ画面(70a、70b)を生成する第2工程と、
該第2工程によって生成したポップアップ画面を用いて登録された論理式に基づいて作業自動化ツールのインプットファイルを生成し、ブラウザ及び表計算ソフトウェアを用いた定型的なソフトウェア作業を行う作業自動化ツールの作成を支援することができる。
【0052】
また、本発明は、前記第1工程に続き、前記フロー変換登録機能部が、前記フロー表示機能部により作成された処理フローチャートの処理ステップ毎に、常に対象とするタグ又はセルが同一のときに操作対象を同一タグ又は同一セルとして指定する論理式と、条件によって対象とするタグ又はセルが異なるときに操作対象条件に応じたタグ又はセルとして指定する論理式とを登録するためのポップアップ画面を生成する第2工程と、該第2工程によって生成したポップアップ画面を用いて登録された論理式に基づいて作業自動化ツールのインプットファイルを生成し、該生成したインプットファイルに基づいて作業自動化ツールを生成する第3工程とを実行するように構成しても良く、更に、上記工程をプログラムによって構成しても良い。
【符号の説明】
【0053】
40 初期画面、41 編集後画面、50〜60 ポップアップ画面、
60〜61 ポップアップ画面、70a〜70b ポップアップ画面、
101 コンピュータ、102 ファイルサーバ、104 データベース、
105 ネットワーク、201 操作記録管理部、
202 エージェント連携機能部、203 サーバ連携機能部、
204 ブラウザソフトウェア、205 アドオン
206 ブラウザ操作記録エージェント、207 稼働判定機能部、
208 操作記録機能部、209 操作ログ出力機能部、
210 キャプチャ出力機能部、211 表計算ソフトウェア、212 マクロ、
213 表計算操作記録エージェント、214 稼働判定機能部、
215 操作記録機能部、216 操作ログ出力機能部、
217 キャプチャ出力機能部、302 プロセス管理部、
303 フロー変換登録機能部、304 フロー表示機能部、
305 記録始点・終点申告機能部、306 フロー変換機能部、
307 フロー演算機能部、308 操作記録管理部連携機能部、
309 データ管理機能部
図1
図2
図3
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図10
図11
図12