特許第6063260号(P6063260)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6063260
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】移動体の正常位置値探索方法と装置
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/244 20060101AFI20170106BHJP
【FI】
   G01D5/244 J
【請求項の数】15
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2012-555324(P2012-555324)
(86)(22)【出願日】2011年2月23日
(65)【公表番号】特表2013-521478(P2013-521478A)
(43)【公表日】2013年6月10日
(86)【国際出願番号】EP2011000879
(87)【国際公開番号】WO2011107233
(87)【国際公開日】20110909
【審査請求日】2013年12月26日
(31)【優先権主張番号】102010010560.0
(32)【優先日】2010年3月5日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506076606
【氏名又は名称】アバゴ・テクノロジーズ・ジェネラル・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100121061
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 清春
(72)【発明者】
【氏名】ウォルター メーナルト
(72)【発明者】
【氏名】トーマス テイル
【審査官】 吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−316137(JP,A)
【文献】 特開2003−50141(JP,A)
【文献】 特開平11−27973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/00−5/38、
18/00
G01B 7/00−7/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の瞬時の絶対位置に表れる正常位置値zを探索する方法が、静止センサユニット(7)と、移動体と共に移動する設定移動範囲を通り抜けることができる少なくとも1つの測定セグメントからなる励磁ユニットと、からなる位置センサによって探索される方法であって、
センサユニット(7)の発生する複数の出力信号と、少なくとも、測定セグメント内の正常位置値zとを共に再生可能に確実に記録し、測定モードにおいて、出力信号から発生した信号の値と、相対比較値メモリ(14)に蓄積された基準値とを、計算ユニット(10)の中で比較する工程からなり、
位置センサの較正モードにおいて、励磁ユニットは較正ユニット(31)に接続される較正標準(30)と特定の関係にあり、少なくとも一度は移動範囲を通過することで較正正常位置値μ(z)が取得されるとともに、連続かつ同時にセンサユニット(7)の出力信号aE(z(t)), bE(z(t)),…から増幅値グループΔaE(z), ΔbE(z), …が取り出され、そこから増幅値グループは別の平均値グループAE(z), BE(z),…を形成し、付帯関連する真の正常位置値zを含んだ状態でそれぞれ暗黙に未知数量として、それら平均値グループと較正正常位置値μ(z)を集合構築する較正ユニット(31)に供給され、較正標準(30)から得られる較正正常位置値μ(z)は、正常位置値z(AE, BE,…)と相互に一定の関係として関連付けられ、それぞれ付帯関連値の多重項として蓄積される付帯関連する較正標準(30)から得られるそれぞれの較正正常位置値μ(AE, BE,…)とともに、真の基準値AE(μ(z)), BE(μ(z)),…としてそれらが相対比較値メモリ(14)の中に蓄積される工程と、
測定モードにおいて、探索される増幅値グループΔaM(z), ΔbM(z),…の現在のまたは瞬間の各正常位置値zは、連続して同時に出力信号aM(z(t)), bM(z(t)),…から取り出され、センサユニット(7)に識別され、増幅値グループを別の平均値グループとして測定値AM(z), BM(z),…,が形成されるとともに、その後、現在の正常位置値z(AM, BM,…) = m μ(AE, BE,…)が計算ユニット(10)の相対比較値メモリ(14)に蓄積された真の基準値AE(μ(z)), BE(μ(z)),…と付帯関連する較正標準(30)から得られる較正正常位置値μ(AE, BE,…)により探索され、それにより、基準値グループと測定値グループとのクロス積の相違がゼロに近付いていく工程、
と、からなることを特徴とする移動体の正常位置値探索方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、較正モードの中で、詳細には、センサユニット(7)で事前に生成された2つの出力信号uE(z(t)), vE(z(t))が、事実上同時にセンサユニット(7)から得られ、複数(x)のペア(一対)の増幅値ΔuE1(z),…, ΔuEx(z), ΔvE1(z),…, ΔvEx(z)が、引き続き(継続的に)取り出され、同時にペア(一対)の平均値UE(z), VE(z)がそこから生成され、ペアの平均値は、較正ユニット(31)にペアの基準値として直接供給され、較正ユニット(31)は、ペアの真の基準値UE(μ(z)),VE(μ(z))として蓄積するため、それらおよび関連する較正正常位置値μ(z)を集合構築する、ことに特徴があり、
測定モードの中で、詳細には、センサユニット(7)で事前に生成された2つの出力信号uM(z(t)),vM(z(t))が、事実上同時にセンサユニット(7)から得られ、複数(x)のペア(一対)の増幅値ΔuM1(z),…,ΔuMx(z),ΔvM1(z),…,ΔvMx(z)が、引き続き(継続的に)取り出され、同時にペア(一対)の平均値UM(z), VM(z)がそこから生成され、ペアの平均値は、計算ユニット(10)に供給され、現在の正常位置値z(UM,VM)=mμ(UE,VE)がクロス積の差としてUM(z)VE(μ(z))-VM(z) U E(μ(z))で探索され、ゼロに近付くことを特徴とする請求項1記載の移動体の正常探索位置値方法。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、較正モードの16の出力信号が事実上同時にセンサユニット(7)から得られ、4つのグループを形成し、同じセンサ・エレメント(I、II、III、IV)から派生する各々4つの出力信号を含んでおり、
IaE(z(t)),IbE(z(t)),IcE(z(t)),IdE(z(t)),
IIeE(z(t)),IIfE(z(t)),IIgE(z(t)),IIhE(z(t)),
IIIiE(z(t)),IIIjE(z(t)),IIIkE(z(t)),IIIlE(z(t)),
IVmE(z(t)),IVnE(z(t)),IVoE(z(t)),IVpE(z(t))
そこから複数(x)の増幅値グループ
ΔIaE1(z),...,ΔIaEx(z),…………….,ΔIdE1(z),…,ΔIdEx(z).
ΔIIeE1(z),...,ΔIIeEx(z),……………,ΔIIhE1(z),...,ΔIIhEx(z),
ΔIIIiE1(z),...,ΔIIIiEx(z),…………..…,ΔIIIlE1(z),...,ΔIIIlEx(z),
ΔIVmE1(z),...,ΔIVmEx(z),…….……..,ΔIVpE1(z),…,ΔIVpEx(z)
が、同時に連続して取り出され、対応する平均値グループが同時にそこから形成され、
IAE(z),IBE(z),ICE(z),IDE(z),
IIEE(z),IIFE(z),IIGE(z),IIIHE(z),
IIIIE(z),IIIJE(z),IIIKE(z),IIILE(z),
IVME(z),IVNE(z),IVOE(z),IVPE(z),
個々のセンサエレメント(I、II、III、IV)から派生する平均値は、前処理計算回路(9)の中でともにリンクされるように、4つの平均値QE(z),RE(z),SE(z),TE(z)は電気的な測定エラーから解放された状態で形成され、グループとして較正ユニット(31)に供給され、4つの真の基準値のグループQE(μ(z)),RE(μ(z)),SE(μ(z)),TE(μ(z))として蓄積し、さらに関連する較正正常位置値μ(z)が集合構築され、
測定モードにおいて、16の出力信号が、センサユニット(7)から事実上同時に得られ、4つのグループを形成し、その各々が同じセンサエレメント(I、II、III、IV)から派生する出力信号を含んでおり、
IaM(z(t)),IbM(z(t)),IcM(z(t)),IdM(z(t)),
IIeM(z(t)),IIfM(z(t)),IIgM(z(t)),IIhM(z(t)),
IIIiM(z(t)),IIIjM(z(t)),IIIkM(z(t)),IIIlM(z(t)),
IVmM(z(t)),IVnM(z(t)),IVoM(z(t)),IVpM(z(t))
増幅値グループの複数(x)が同時に連続して取り出されて、
ΔIaM1(z),…,ΔIaMx(z),…………,ΔIdM1(z),…,ΔIdMx(z).
ΔIIeM1(z),…,ΔIIeMx(z),…………,ΔIIhM1(z),…,IIhMx(z),
ΔIIIiM1(z),…,ΔIIIiMx(z),………,ΔIIIlM1(z),…,ΔIIIlMx(z),
ΔIVmM1(z),…,ΔIVmMx(z),…………,ΔIVpM1(z),…,ΔIVpMx(z)
また、対応する平均値グループは同時にそこから形成される。
IAM(z),IBM(z),ICM(z),IDM(z),
IIMM(z),IIFM(z),IIGM(z),IIIHM(z),
IIIIM(z),IIIJM(z),IIIKM(z),IIILM(z),
IVMM(z),IVNM(z),IVOM(z),IVPM(z)
センサエレメント(I、II、III、IV)からそれぞれ派生する平均値が、前処理計算回路(9)の中でともにリンクされ、4つの平均値QM(z),RM(z),SM(z),TM(z)は電気的な測定エラーから解放された状態で形成され、測定値として計算ユニット(10)に供給され、そして、
現在の正常位置値z(QM,RM,SM,TM)=mμ(QE,RE,SE,TE)は、クロス積の差から探索され、
[QE(μ(z))-RE(μ(z))][SM(z)-TM(z)]-[QM(z)-RM(z)][SE(μ(z))-TE(μ(z))]
となってゼロに近付く
ことを特徴とする請求項1記載の移動体の正常探索位置値方法。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、較正モードの16の出力信号は事実上同時にセンサユニット(7)から得られ、4つのグループを形成し、同じセンサ・エレメント(I、II、III、IV)から派生する各々4つの出力信号を含んでおり、
IaE(z(t)),IbE(z(t)),IcE(z(t)),IdE(z(t)),
IIeE(z(t)),IIfE(z(t)),IIgE(z(t)),IIhE(z(t)),
IIIiE(z(t)),IIIjE(z(t)),IIIkE(z(t)),IIIlE(z(t)),
IVmE(z(t)),IVnE(z(t)),IVoE(z(t)),IVpE(z(t))
増幅値グループの複数(x)が同時に連続して取り出されて、
ΔIaE1(z),...,ΔIaEx(z),……………,ΔIdE1(z),…,ΔIdEx(z).
ΔIIeE1(z),...,ΔIIeEx(z),……………,ΔIIhE1(z),…,ΔIIhEx(z),
ΔIIIiE1(z),...,ΔIIIiEx(z),……………,ΔIIIlE1(z),…,ΔIIIlEx(z),
ΔIVmE1(z),...,ΔIVmEx(z),…………,ΔIVpE1(z),…,ΔIVpEx(z)
そして前処理計算回路(9)に供給され、電気的な測定エラーから解放された4つの信号が派生するのと同じ方法で同じセンサエレメントからそれぞれ派生する増幅値とまずリンクされ、その後、外部干渉場の値を除去して、ペアの計算回路の増幅値複数(x)ΔuE1(z),…,ΔuEx(z),ΔvE1(z),…,ΔvEx(z),にリンクされ、そこから対応する平均値UE(z),VE(z)が同時に形成され、ペアの基準値として較正ユニット(31)に直接供給され、ペアの真の基準値UE(μ),VE(μ)として蓄積し、さらに関連する較正正常位置値μ(z)が集合構築され、
測定モードにおいて、16の出力信号が、事実上同時にセンサ・ユニット(7)から得られ、4つのグループを形成し、同じセンサ・エレメント(I、II、III、IV)から派生する各々4つの出力信号を含んでおり、
IaM(z(t)),IbM(z(t)),IcM(z(t)),IdM(z(t)),
IIeM(z(t)),IIfM(z(t)),IIgM(z(t)),IIhM(z(t)),
IIIiM(z(t)),IIIjM(z(t)),IIIkM(z(t)),IIIlM(z(t)),
IVmM(z(t)),IVnM(z(t)),IVoM(z(t)),IVpM(z(t))
増幅値のグループの複数(x)が
ΔIaM1(z),...,ΔIaMx(z),……………,ΔIdM1(z),…,ΔIdMx(z).
ΔIImM1(z),...,ΔIImMx(z),……………,ΔIIhM1(z),…,ΔIIhMx(z),
ΔIIIiM1(z),...,ΔIIIiMx(z),……………,ΔIIIlM1(z),…,ΔIIIlMx(z),
ΔIVmM1(z),...,ΔIVmMx(z),……………,ΔIVpM1(z),…,ΔIVpMx(z)
同時に連続して取り出されて、そして前処理計算回路(9)に供給され、電気的な測定エラーから解放された4つの信号が派生するのと同じ方法で同じセンサエレメントからそれぞれ派生する増幅値とまずリンクされ、その後、外部干渉場の値を除去して、ペアの計算回路の増幅値複数(x)ΔuM1(z),…,ΔuMx(z),ΔvM1(z),…,ΔvMx(z),にリンクされ、そこから対応する平均値UM(z),VM(z)が同時に形成され、そして
現在の正常位置値ペアの基準値z(UM,VM)=mμ(UE,VE)がクロス積の差
UM(z)VE(μ(z))-VM(z)UE(μ(z))
として確定され、ゼロに近付くことを特徴とする請求項1記載の移動体の正常探索位置値方法。
【請求項5】
請求項1乃至4に記載される1つの方法であって、進行中の別構成の平均値(A(z),B(z),…)の中で、既知となる数多くの既に探索されている個々の増幅値である前の平均値から、それぞれの新しい平均値が形成され、最初の重量因子と第二の重量因子から形成される最新の連結した個々の増幅値ととともに供給されることを特徴とする請求項1〜4記載の移動体の正常探索位置値方法。
【請求項6】
請求項1乃至5に記載される1つの方法であって、較正装置(31)と外部の較正標準(30)とによって較正モードが実際の測定モードに先立って実行され、一定の相関性を達成するために励磁ユニットに機械的に連結され、μ=z/m、グリッドカップリングm=1からなる較正正常位置値(μ(z))を派生することを特徴とする請求項1〜5記載の移動体の正常探索位置値方法。
【請求項7】
モニターされる検体の位置を探索する方法が、行動範囲を複数の測定セグメントに細分化して、一方では絶対に数えられ、他方では正常位置値(z)を探索する方法として、請求項1乃至5に記載される1つの方法では、較正モードと測定モードの両方で、かつ、
センサユニット(7)の出力信号aE(z(t)), bE(z(t)),…と、そこから派生する平均値A(z), B(z),…、の両方が、それぞれ、少なくとも半周期的であり、その半周期の長さが、連結する測定セグメントの長さにそれぞれ対応することを特徴とする移動体の正常探索位置値方法。
【請求項8】
前記請求項1乃至4のいずれかに記載される方法であって、較正モードと測定モードの両方で、磁界センサによってセンサ信号がそれぞれ派生することを特徴とする移動体の正常探索位置値方法。
【請求項9】
前記請求項1乃至4のいずれかに記載される方法であって、センサユニット(7)がマルチプレクサー(2)を含んでおり、これにより、較正モードと測定モードの両方で、
複数のセンサ・エレメントのそれぞれの信号は、増幅器(3)か、デジタル化されるセンサユニット(7)の出力信号a(z(t)),b(z(t)),…を発生させるアナログ/デジタル交換器の、一つの処理チャネルに交互に供給され、
デマルチプレクサーはマルチチャネル構成を回復させるとともに、増幅値Δa(z),Δb(z),…の少なくとも1つが同じ正常位置値(z)の中間記憶に属していて、すべてが同時に処理できるように、それぞれの次に利用できるものが派生するまで有効であることを特徴とする移動体の正常探索位置値方法。
【請求項10】
前記請求項1乃至4のいずれかに記載される方法であって、測定モードで、出力価値δ(t)は計算回路(10)で測定値AM(z), BM(z),…と、相対比較値メモリ(14)の各真の基準値AE(μ), BE(μ),…とから算出され、
規制ループを形成するために、フィードバック回路(15)で生成され計算回路(10)の出力値δ(t)に依存する可変入力値φ(t)が、相対比較値メモリ(14)の制御入力に供給され、
相対比較値メモリ(14)の入力値φ(t)は、計算回路(10)の出力値δ(t)が少なくともほぼゼロに等しい時に、較正標準(30)から得られる較正正常位置値μ(AE,BE,…)のm-timesにセットされる、それは、問題の真の基準値AE(μ), BE(μ),…に属し、また、相対比較値メモリ(14)に正常位置値(z)と等しいと認められ:z(AM, BM,…)=mμ(AE,BE,…)として蓄積することを特徴とする移動体の正常探索位置値方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法であって、相対比較値メモリ(14)の入力値φ(t)と、計算回路(10)の出力値δ(t)を、変更するインクリメント信号をユーザーがインターフェース(16)経由で正常位置値(z)に加えて利用することができるようにしたことを特徴とする移動体の正常探索位置値方法。
【請求項12】
前記請求項1乃至4のいずれかに記載される方法であって、センサの電圧供給の電圧レベルがセンサ信号の増幅に依存するようにコントロールされ、センサ信号を処理する回路ユニットの入力電圧範囲へ、信号電圧範囲の最適な適応が保証されることを特徴とする移動体の正常探索位置値方法。
【請求項13】
前記請求項1乃至4のいずれかに記載される方法であって、真の基準値AE(μ), BE(μ),…と、較正標準(30)から得られる較正正常位置値μ(AE,BE,…)が個別のサポート価値として蓄積され、中間値を探索するためにその間への書込作業が実行されることを特徴とする移動体の正常探索位置値方法。
【請求項14】
前記請求項1乃至4のいずれかに記載される方法において、遅れと処理時間により生じるドラッギングエラーは訂正されることを特徴とする移動体の正常探索位置値方法。
【請求項15】
前記請求項1乃至4のいずれかに記載される方法を実施することを特徴とする移動体の正常探索位置値装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1で識別部またはこの方法を実施するのに適当な装置とされている位置センサにより移動体の瞬時の絶対位値とされている正常位値の値zを確定するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツの特許出願DE 10 2009 010242.6は先の公開ではないが、記載された絶対位置センサは、セグメント測定器(カウンター)と言われるものを備えており、励振ユニットとして、
移動体に固定接続したマグネット・キャリヤー(磁気担体)が装着され、その上に複数の永久磁石が、(計測される移動体の)動きの方向に向かって相互に間隔を置いておいて、交互に連続して北局(−)と南局(+)により構成される測定素子(セグメント)が装着され、計測される移動体の移動範囲をカバーし、計測によりその概略の位値が確定される。
静止センサ機器は、計測作業と測定セグメントの正確な分析を行うが、センサ機器にはそれぞれの瞬時の正常位値を確認する少なくとも2つの例えばホール素子を備えたセンサ機器が装備される。
まず、本件記載の位値センサに関して、励磁ユニットは、少なくとも1つの永久磁石を装備し、磁界センサが使用されているが、好ましい選択を表しているに過ぎない。励磁ユニットとセンサの間の相互作用が別の物理的なパラメーターによって獲得される場合、本発明の方法を同じ態様で利用できるであろう。これは事実によって明らかにされると意図されるのであり“磁石素子”という用語に代えて本件記述では計測素子の用語を使用している。ともかく、少なくとも2つのセンサは各々が電気的なセンサ信号を配信する。
【0003】
位置センサは既に頻繁に“アブソルート(絶対)”として引用されており、たとえ主要電源が失われた場合でもバックアップ電池という手段によって正しく測定する事の出来る測定素子であり、電源の供給が回復された場合、被検体が移動している間でも、正確なセグメント測定値を直ちに入手することが出来る。
前述のドイツの特許出願DE 10 2009 010242.6に記述された位置カウンターは、厳格な意味で“アブソルート(絶対)”に対比するものであり、励磁ユニットおよびWiegandワイヤ配線によってモニターされる検体の運動エネルギーから必要とされる電気的エネルギが得られるので、正確なセグメントの継続的測定にはバックアップ電池を必要としない。本発明は、それらのすべての種類の位置センサに関し同様の方法で使用することができる。
確定的な総合位値は、電子処理ユニットにより、測定セグメントの計測した粗位値と 測定セグメントの分解によって得られた正常位値zとによって探索され、その総合位値の正確性は、正常位値zに値する。
【0004】
励磁ユニットの永久磁石のそれぞれの数によって、この発明の方法を使用した位置センサは、正常な分解に関与する単一の測定セグメントを備えるか、又は、複数の測定セグメントを備える。
前者の場合、測定セグメントが、測定する幅の全体に、例えば直線移動の場合なら、測定される検体の動きの全ての範囲におよび、あるいは回転運動の場合には、例えば自動車のアクセルやブレーキペダルの枢動を測定するような場合には、180°未満の回転角度幅におよぶ。大きな回転角度となる特に完全360°の回転をカバーするには少なくとも2つの測定セグメントが必要となる。
【0005】
一方、測定する距離は複数の測定セグメントによってカバーされる。移動方向への測定セグメントの長さは、センサの供給する準周期センサ信号とは正確には同一ではなく、そこでは期間の長さの半分が測定セグメントの長さにそれぞれ相当する。
しかしながら、測定セグメントの長さが正確に同一であったとしても、厳密な意味では周期のあるセンサ信号を含むものでない、というのは、ある1つの測定セグメントと他のものとでは、通常は異なるカーブ形状を持つことになる。
センサ信号の近似の周期性のために、正常位値zは、モニターされる動きの中に直線(線形)の変位(置換・排気量)または回転運動を含んでいるかどうかに関係なく角度値のように扱うことができる。例えば回転センサの場合には、モニターされるボデーの全回転角度値がそれらの角度値に相当するということ、例えばシャフトであれば、360°の全回転角がたった2つの測定セグメントによってカバーされると言う事になる。
【0006】
他のすべての状況で、例えば、ドイツの特許出願DE 10 2009 010242.6による位置センサに関し、シャフトの回転の全角度は、例えばλとなる、複数の測定セグメントへ細分される。
個々のセンサ信号の360°の範囲の期間は、2つの測定セグメントの角度の範囲に相当し、シャフトの全回転のλ/2nd部分だけとなる。その結果生じる不確定な実際の位置の特性は、測定セグメントを計測することによって求められる。セグメントを計測する装置は測定セグメントをλ以上測定できるので、そのような位置センサは正確に関係が測定された多くの全回転を追跡することができ、それを解決できる多重装置となる。
計測される被検体が粗い(所)と正常位値を移動している場合、時間によって変化するので、正常位値の精確な表示はz(t)となる。
もし、被検体が静止している場合は、zは−ノイズによって引き起こされる変動を無視すると−固定値となり、瞬間位置に相当し、動きが再び生じるまでは変動しない。
zに仮定される値は被検体が停止に来て、停止が異なる広い位置で起きる為にそれぞれが粗または正常位値に連結して完全に異なり個性的に特徴付けられている。
被検体が静止した場合、個々に仮定されるZとされている値は、
静止は、粗と正常の位置の連結によって独自に特徴づけられたそれぞれの最も広く異なる位置で起こり得るため、
互いに(個々に)完全に異なる。
【0007】
正常位値z(t)を探索するために、一般に使用されているセンサ・ユニットの少なくとも2つの出力信号a(z(t))とb(z(t))だけでなく、それぞれ1つの出力信号a(z(t)) b(z(t))から少なくとも2つ派生信号が得られ、特に、増幅そして/またはデジタル化そして/または平均化することによって、瞬時の幅値に含まれていた各モーメントtにおける出力信号の情報a(z(t))、b(z(t))が得られ、情報は問題となっている測定セグメント内の関連正常位値z(t)の明白な識別を可能にする。
その目的のために、最先端技術では、少なくとも2つの派生信号は、計算機器によって、理想的にサイナソイダル(正弦波関数)かコサイナソイダル(余弦波関数)カーブから派生し、ROM(読み出し専用メモリ)に蓄積されている基準値と対比される。
しかしながら、センサ信号または、そこから派生した信号が、理想的にサイナソイダル(正弦波関数)かコサイナソイダル(余弦波関数)カーブ形であった時だけ、エラーの無い結果を招来することになるだろう。実務上、そのような条件を達成することは出来ないであろう。
特定の信号は個々の測定セグメントのために確かに再生できる、がしかし、それらは、正確なサイナソイダル(正弦波)構成からの逸脱を含んでおり、さらに、ある測定セグメントと別のものとは異なることになる。
その問題を克服するために、DE 10 2009 010 242.6では、その位置センサの最初の使用に先立って較正操作を実行することを提案している。その手段により、較正操作である、理想構成からの派生信号との偏差(基準からの逸脱)が、その後、実際の測定作業あるいは位置決定作業の中で使用される修正値を探索するために測定検知される。しかしながら、それに関するより正確な情報はない。
個別の相対比較値のメモリ中に修正値を個別に記憶することは困難であり、派生した信号の数学的な評価を複雑にし、それ故、各正常位値z(t)を探索する全ての手続きを遅くさせる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】日本特許公報4039210号
【特許文献2】日本特許公報4174168号
【特許文献3】ドイツ特許出願DE 10 2009 010242.6
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
比較において、発明の目的は、この明細書の冒頭部分で述べられている方法の本質的な単純化にあり、それによる装置の複雑性の削減および経費の限界までの削減、特に少数で非高額な部品の使用と、高解像度のある高精度の位置探索と、高度にダイナミックであり、その関係で、励磁場の幾何学も、センサ配置の幾何学も、乗数的および/または加算的な外乱変数(かく乱変数)も、測定結果には影響しない。
その目的を到達するために、本発明は、請求項1記載の特性を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以下には、請求項と詳細の中で使用される用語について詳述する:
ここで考察される方法においては、瞬時の正常位値を識別するのに、少なくとも2つの異なるカーブの形式または構造のセンサ出力信号を使用することが必要であることが既に述べられている。 特に高い正確性の要求がなされない使用状況では、それは十分であるが、しかし、高度に正確な測定結果を達成しなければならない場合は十分ではない。
本発明の方法で提供するのは、基本的に較正モードの間でも測定モードの間でも、2つ以上、例えば4または12から16のセンサ信号を探知してかつ評価できることであり、以下にその詳細をさらに詳述する。
【0011】
これを示すために、センサユニットの出力信号は、aE(z(t)),bE(z(t)),…およびaM(z(t)),bM(z(t)),…で表示される、それぞれ、EおよびMの指数は、それぞれ較正モード(E)と測定モード(M)の処理で得られ形成される信号(および、更なる工程から得られる幅値、または、幅値から形成される平均値)を表している。動作モードとは無関係に指数EおよびMの信号が得られたとしても、それぞれの数値は除外される。全ての信号は、実測値および測定単位の表示 から成る物理的パラメーターである。
一つ本質的な点は、複数の出力信号a(z(t)), b(z(t)),…,から同時に得られた(如何なる)測定モーメントtvの幅値Δa(z(tν))、Δb(z(tν)) ,…と、被検体の測定モーメントtvによって想定される正常位値z(tν)との間には両方向にむかって直線的な相関関係があることである。
【0012】
単純な例では、複数の出力信号a(z(t)),b(z(t)),…は、二つの連続した測定セグメントの概略的な周期形状で、二つのゼロ交差と最大値と最小値からなるという意味では、安定した構成であり、センサの相互位置により位相変動を生ずるものである。
単一幅値グループΔa(z),Δb(z),…は、可逆的に明白な方法で2つの測定セグメント中の個々の正常位値zに連結している。
しかしながら、一般的に、本発明の方法による実態は以下のとおりである:正確に幅値Δa(z),Δb(z),…の正常位値zを探索するには、形成された出力信号のそれぞれの曲線形状a(z(t)),b(z(t)),…も、曲線構造の基礎も、曲線形状の表す機能も明白でなく;後者だけが連続的であればよい。
複数の出力信号a(z(t)),b(z(t)),…が、上述したより、単純でない形状の場合は、例えば、複数の最大(値)および/または、最小(値)および/または、複数の交点を測定セグメント内に有しており、それぞれの正常位値z(tν) が個性的に表現されていることを確認することが必要である。
【0013】
シンボル(記号)Δは、得られる幅値のために採用されたもので、各々に、任意に選択されたゼロ値に関連(対)する“全幅値”と、先行の正常値測定との関係で問題とされる幅の変化を再生した変化値とが含まれることを明確にする。
測定モーメントtνは走査クロック周波数により決定することができる。それに代えて、通常は発生しない事象に基づくことになるが、走査(scanning)を導入することも可能であり、これは例えば、被検体の位置変化や、位置センサにより検出される測定値のユーザからのデータの要求、その他、によって引き起こされる。
【0014】
“瞬時の正常位値”の用語は、そのモーメントtνにおける被検体のある場所に附属する正常位値を示していると考えられる。ノイズによって引き起こされた波動とは別に、時間との関連で更に変化するものではないので、単純化するために独立変数(偏角)tνを省略することができ、また、瞬時の正常位値正常位置は、zと表示することができる。これは、幅値Δa(z),Δb(z),…についても同様に適用され、測定モーメントtνが得られる。好ましいことに、少なくとも被検体が動いている状態での異なる測定モーメントでは、zの値は異なり、また、連結した幅値Δa(z),Δb(z),…の測定値はそれぞれ異なり、異なるサイン(記号)を持つことになる。
本発明にかかる方法と最先端技術との本質的な違いは、例えばセンサユニットの出力信号a(z(t)),b(z(t)),…の曲線形状に関し“概略においてサイナソイダル(正弦波関数)かコサイナソイダル(余弦波関数)”かのような特別な想定を必要としていない。形状には全く関係することなく、具体的にサイン波形またはコサイン波形による関連値が使用される事もない。
【0015】
本発明によれば、増幅値がΔa(z),Δb(z),…同時に取り出されるか、または同時に、それぞれの正常位置値zと明確に連結されるか、相関関係となることができれば、完全に十分である。
この状態は、増幅値Δa(z),Δb(z),…が正確に取り出され、常に瞬時の正常位置値zに連結して保たれることを意味するものではなく、モニターされる被検体が問題となる場所で動かない状態である場合も、または、対象の値zが何度も反復して複数回に渡りアプローチしたと判断され常に正確にそれらの値を得ている場合もある。“正確に”とは、どんな場合でも問題となる値の変動の大きさを意味し、被検体は固定されている場合か、または、逐次的に得た値の大きさの差異が、それぞれ必要とされる測定精度レベル以下である場合である。言いかえれば: 理想的には、増幅値 Δa(z), Δb(z),…のノイズは、正確さを測定する希望のレベル未満であるべきである。
【0016】
要求される測定精度のレベルが高い時においては、非常に高精度でかつ対応する高価なセンサー、アンプ、および、アナログ/デジタル変換機がある場合には、最適な状態で装備される。ここでは、本発明の明細書の冒頭に開示した方法と装置が提供され、出来るだけ安価な構成で装備される。
本発明による更なる処理手続によれば、個別の増幅値Δa(z),Δb(z),…が使用されるのではなく、それぞれの信号a(z), b(z),…について同時にかつ別々に形成される平均値A(z), B(z),…が使用される。それは統計的変動(ノイズ)を除去することになる。平均化する方法は、この目的の達成に特に適しており、高度な力学が、先公開文献ではないがDE 10 2009 023 515に開示されている。
【0017】
複数の連続的に生じる個々の幅値は、各々の平均値のために検出され処理され、上記の各“測定モーメント”tνは、モーメントtνの異なる時間周期を実際には含んでいる。高走査クロック周波数の使用により、それらの時間周期を非常に短く保つことが出来るため、少なくともモニターされる被検体の動作速度が非常に速い場合でなければ、モニターされる被検体の位置は顕著には変化しない。速い動作速度においては平均化操作に起因してドラッギングエラーを発生させ、そのエラーは瞬時の精度を僅かに低下させる結果となる。しかしながら、ドラッギングエラーは修正可能であり、高速時に要求される精度はいずれにしても低いので、エラーは許容範囲である。
高度に正確な平均値AE(z),BE(z),…を形成することを可能にするため、それぞれ同時に得られた幅値ΔaE(z),ΔbE(z),…の較正モードにおける問題の位置センサの実際値(要素)は正確に表示され、モニターされる被検体か、またはそれに装着されている位置センサの励磁ユニットを、非常に低速で較正モードに移行して正常位値zが増加して変更する前にそれぞれの平均値を形成することが望ましい。
【0018】
このようにして形成された平均値AE(z),BE(z),…は、例えば、較正標準として提供される情報の項目に基づく較正ユニットとして知られているそれぞれの正確な較正正常位置値μに連結される。
較正平均値AE(μ), BE(μ),…は、当該位置センサのセンサユニットの出力信号aE(z),bE(z),…の実際の波形を再生する真の基準値を示し、また、上述の好ましい事例では、位値グループの形式、あるいは、好ましいとはいえないが、除算の商グループAE(μ)/BE(μ)の形式等々で、連結した較正正常位値μ(AE,BE,…)と一緒に、相対比較値メモリに蓄積される。
【0019】
本発明による方法の一部は、現在の文脈では“較正モード”と認定されており、厳密に言えば、較正標準から得られた“数値(marking)”は、“較正された”位置センサの“測定スケール”または“数値キャリア”には転送されないという手段によって相関する方法である。
むしろ、センサユニットの出力信号a(z(t)),b(z(t)),…の連続するモーメントt1、t2、t3、等々の中の較正モードから得られる真の基準値グループと、各々の基準値は正確にはセンサユニットの各々のモーメントt1、t2、t3で想定される正常位値z(t1), z(t2), z(t3)と連結しており、位置センサの励磁ユニットによって、正常位値が順次、較正正常位値μ(AE(t1),BE(t1),…),μ(AE(t2),BE(t2),…), μ(AE(t3),BE(t3),…)等々と相互に関連付けられ、問題とされるモーメントt1、t2、t3の較正基準が提供され、後者とともに、較正値メモリとのリンクを維持しつつ蓄積される。
したがって、それぞれの個別の実際の位置センサのため、センサ配置における励磁ユニットの複数の個別位置のため、真の基準値は精度の要求により既定された密度をモニターされる被検体の範囲をカバーし、得られた値は、較正正常位値と一緒に相対比較値メモリに蓄積される。それらの基準値は、各々のセンサ出力信号の波形の正確なイメージを提供するという理由から、それは位置センサによって異なるが、“本物(真)”とされる。サポート値という形で蓄積されている場合でも、それは可能である。それぞれの特定のサポート値が探索された位置の密度は、少なくとも、それぞれの波形の領域において低く保つことが可能であり、適切な精度につながる補間(interpolation)をすることが可能である。
【0020】
測定モードにおいては、幅値ΔaM(z),ΔbM(z),…を、いかなる測定時tνにおいても、取得または測定すれば、それで十分であり、それに対応した平均値AM(z),BM(z),…が形成され、ここで“測定値”とされ、そしてそれは、真の基準値グループの予め決められた数学的演算手段により、処理手段の最終段階においてグループごとに段階的に対比するために計算回路に送られ、相対比較値メモリに蓄積される。
相対比較値メモリに蓄積された真の基準値(基準値マトリックス)であるグループの適切な基準に基づいて、瞬時の正常値zに連結した測定値グループ(測定値マトリックス)について“一致”が達成された場合は、基準値グループに属する較正正常値μ(AE,BE,…)が、相対比較値メモリから取り出され、また、瞬時の正常値zが公式z=mμに従って算出されるが、ここでmは較正標準と励磁ユニットの間の伝達率である。機械的な固い結束のためm=1とする。例えば伝達手段の連結としてはmを任意の値とすること可能である。一方、較正ユニットではμに代えて処理手続の最終段階における上記の較正を省略するために、その値をmμとすることが可能である。
【0021】
したがって、測定モードで得られた測定値は、関連する較正正常値を検出するための識別信号あるいはマトリックスの形式の識別アドレスとなり、相対比較値メモリ内に蓄積され、それは較正基準値を発生させ、それゆえの正確性をもつ。
使用されるかもしれない適正な一致基準は、例えば、測定値と、相対比較値メモリに蓄積された基準値とから形成された、ゼロに等しい(少なくとも近似する)クロス積の差である可能性がある。最先端技術上の異なる状況においても、相対比較値メモリに蓄積された基準波形の数学的演算(任意に修正された)から導かれ、瞬時の正常値zとして使用されるが、較正正常値μ(AE, BE,…)は識別された基準値グループに帰属する。
【0022】
本発明の方法によれば、それら(比較的低いレベル技術の複雑性や経費性)から提供された測定信号に関して、高いレベルの再現性を有していなければならない個々の位置センサにそれを伝える事を可能にしたのは、個々に又は相関して行われた“較正”で、高いレベルの精度を備えた正確な較正基準値による。それは、それぞれの個別位置センサのために専用の高精度測定器具を使用するより費用がかからない。
センサから供給された信号から、それぞれの瞬時の正常値z=mμを探索するのに必要な信号処理は、明らかに極めて短時間に実現可能である、しかし、励磁ユニットの動きは非常に速いため、明らかに出力された正確な正常値にエラーを引き起こさせることになるが、それはモニターされる被検体とともに励磁ユニットがすでに新たな正常な位値に移動した時点で(瞬間に)発生するからである。このエラーは、探索された正常値 z=mμとの関係で、励磁ユニットの真の位置との差を表わすものである。もたらされるエラーは、モニターされる被検体の速度の増加により増大する。しかしながら、それは以下に詳述される規制回路の中で増加として知られており、修正することが可能である。
【0023】
較正モードは実際の測定モードに先立って達成されることが望ましい。その場合、較正されるそれぞれの位置センサの励磁ユニットは、較正モードで得られた較正平均値AE(μ), BE(μ),… に属する較正正常値 μ = z を(位置センサに属する較正ユニットに)提供するために、望ましくは、外部較正標準(m-1)に機械的に堅固に接続される。較正標準は、高度に精確な光学インクリメンタルセンサであることが望ましい。
代替として、外部較正標準に代えて、較正平均値AE(μ),BE(μ),…を備えた励磁ユニットとの相互関連、または、時間との関係で生じる較正正常値μを備えた較正ユニットとの相互関連で、内部較正回路を使用することも可能である。
【0024】
望ましくは、モニターされる被検体の作動領域は、同じ長さではないが複数の測定セグメントに細分化され、また、一方では、確実に計算され、他方では正常値zが探索され、配列としては、センサユニットの出力信号a(z(t)),b(z(t)),…と、そこから派生する平均値A(z), B(z),…の両方が半周期的であり、それぞれのケースの半周期の長さは、それぞれの測定セグメントの長さに対応するようになる。望ましくは、センサ信号は強力な磁界センサによって提供される。磁場発散の強度はゼロに等しく(divB=0)なるので、この状況は測定する場に磁場を発生させる明白な関係となる。
本発明による方法で特に効果的なのは、ロータリーセンサを使用した場合である。
【0025】
特に好ましい本発明による別の方法によれば、第一荷重係数により提供される事前に検出した個々の値の既定数値から“古い”平均値が形成され、また、最新の個別の値が第二荷重係数により提供され、さらに、これら二つの荷重係数から新たな平均値が形成されるという方法により、平均が継続的にもたらされている。これは、DE 10 2009 023 515 A1に開示されているが、先公開文献(prior
publication)ではなく、また、その技術内容は参照として本出願に全体が援用されている。
この方法に高度なダイナミクスを持たせ、すなわちモニターされている物の速度の急速な変化に対する高い順応性を与えるために、特に、二つの荷重係数の大きさである、古い平均値と、新しい個々の値との間の差を変化させるようする。具体的には、第一荷重係数は比較的に小さい値を選択し、第二荷重係数として比較的大きな値を選択する方法であって、その差は大きければ大きいほどよく、その逆も同様である。その関係で、荷重係数の合計は一定に保たれることが望ましい。
【0026】
好ましくは、値のグループの生成は、較正基準値によって引き起こされるが、しかしながら、高精度であればよく、非常に高いレベルの分解能(resolution)を持たなければならない訳ではない。そのケースでは、真の基準値AE(μ),BE(μ),…μ(AE,BE,…)は、別けられてサポート(補助)値という形で相対比較値(比較値)メモリに蓄積され、その間は線形補間(liner interpolation)が中間の値を探索するのに効果的である。そのケースでは、サポート(補助)値の密度は、線形補間(linear interpolation)で生ずるエラーを、許容されるエラーの範囲以下にするという方法によれば、それぞれで要求されている精度に適応させることが可能となる。これにより、大幅なメモリ領域の節約と、処理速度の実質的な増加となる。
これらの方法、および、本発明の方法による更に有利な構造、および、適合する装置は付随する請求項に列挙される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
本発明は、実施例という手段で図面に示される例示を参照することによって以下に詳述される:
図1は、電子処理システムで機能している本発明による較正モードの位置センサを示す概略ブロック回路図であり、センサユニットで事前処理の行われた2つの出力信号の評価値が示されている。
図2は、図1の電子処理システムの測定モードにおける作動を示す概略ブロック回路図である。
【0028】
図3は、図1および図2の電子処理システムによって評価された、較正モードにおける2つの隣接した測定セグメントについての2つの事前処理されたセンサユニットの出力信号の正常値 z に関するプロットされたグラフによる波形(曲線形状)図である。
図4は、本発明による位置センサが較正モードで機能している電子処理システムを示す概略ブロック回路図であり、センサユニットに提供された16の出力信号が相互に個別に評価されて示されている。
図5は、図4の電子処理システムが測定モードで機能していることを示す概略ブロック回路図である。
【0029】
図6は、本発明による位置センサが較正モードで作動している電子処理システム の概略ブロック回路図であり、センサユニットにより提供された16の出力信号は、4つの信号として利用するために分離増幅され、平均化された後に事前処理されてから、さらに順次評価される。
図7は、図6の電子処理システムが測定モードで作動している状態を示す概略ブロック回路図である。
図8は、本発明による位置センサが較正モードで作動している電子処理システム の概略ブロック回路図であり、センサユニットにより提供された16の出力信号が分離増幅された後に事前処理されるが、2つの信号を提供するために平均化される前に行われ、さらに順次評価される。
【0030】
図9は、図8の電子処理システムが測定モードで作動している状態を示す概略ブロック回路図である。
図10は、図1および図4で示される配置で実施される較正モードを一般化したフローチャートである。
図11は、図2および図5で示される配置で実施する較正モードの一般化フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
同じユニットは図1図2図4から図9まで同じ参照(番号)で表す。図1と、図4図6図8は、それぞれ較正モードを説明するために、測定モードにだけ必要となる回路部分は点線で表示されている。一方、図2図4図7および図9では、外部較正標準値30は省略され、また、測定モードでは作動していないので、較正ユニット31は点線で示されている。内部較正値発生回路が外部較正標準値の代わりに使用される場合、それは較正ユニット31に含まれている。以下の参照において、2つの操作モード(較正モードまたは測定モード)のうちの1つが明示されていない場合には、それらの説明は両方の操作モードに等しく適用される。アドレス信号について、較正モードと測定モードをそれぞれ表示するEおよびMの符号は省略される。
【0032】
図1図3において、本発明の基本原理は、簡略化した想定でセンサユニット7を使用して詳述されおり、それぞれの必要な態様について“位相シフト”された2つの出力信号 a(z(t)) と b(z(t) を提供している。 この点で、個々に解釈されるものではないが、ドイツ特許出願DE 10 2009 010 242.6に測定の配備についての直接的な参照が記載されており、特に、シャフトのロータリ(回転)運動をモニタするための配備であって、位置センサの励磁ユニットはシャフトに接続された磁性キャリアを備え、そこで回転して磁極を交互に置く連続した永久磁石を派生させており、そのため、それらは回転方向に、おおよそ均等に分割され、本発明による配列によって、長さまたは角度範囲の精細に解像された測定セグメントが形成される。シャフトと磁性キャリアは、図1および図2においては示されていない。
【0033】
シャフトの正常値zを探索するために必要となる信号は、センサ配列1によって提供され、例えば4つのホール素子I、II、III、IVを含んでおり、ポイント形式で配列されていて、I、II、III、IVのそれぞれのホール素子間を接続する線が示すように、一対の関係で結び付けられている。その点で、ホール素子は反対方向に通過する永久磁石の磁界を備えるという方法で、各ペアは反直列の関係で接続される。
相互に反対の電気回路であるため、磁界から生じる信号値が追加されるが、外部から重ね合わされる付加的な障害は、相互に打ち消しとなる。
【0034】
例えば、一対のホール素子I、II、III、IVをそれぞれの定常的に配置して、永久磁石を運動方向へ向けて不均等に配置すると、それぞれ、磁性キャリアがそこを通過(therepast)する際に半周期信号を派生させる。均等な磁極間の間隔は周期信号を派生させる。
一対のホール素子I、II、III、IVによって生成された2つのアナログ信号は、それぞれ、さらなる処理を可能とするために、増幅されなければならない。望ましくは、その処理は、シングルチャンネルモードにおいて、オフセット電圧の温度依存性と、使用されるアンプ3の利得要素(係数)を除去するという効果がある。その目的のために、一対のホール素子I、II、III、IVによって提供された2つの信号は、それぞれアンプ3への入力に代えて、マルチプレクサー2に送出される。このシングルチャンネル信号処理の利点は、DE 42 24 225 A1に詳述されている。
【0035】
デジタルで処理される計算回路10による測定モードにおける事後の評価の実行を可能にするため、アンプ3の出力は、増幅されたアナログ信号をデジタル化して交互に供給するアナログ/デジタル変換器4の入力に接続される。その出力は、マルチプレクサー2と同期して作動するデマルチプレクサー5に接続され、これにより二重チャネル構成を復元する。
上述のセンサ配置1と、回路部分2から5は、共同でセンサユニット7を形成するもので、その出力信号a(z(t)), b(z(t)はデマルチプレクサー5の2つの出力によって形成される。
【0036】
更なる処理を同時に行うために、較正モードにおける較正ユニット31と、測定モードにおける計算回路10は、共にセンサユニット7の出力信号a(z(t))、b(z(t))を必要としており、(エラーを引き起こす構成要素は別にして)リアルタイムで、デマルチプレクサー5の2つの出力の各々に接続されたダウンストリームは中間メモリ(IM)6であって、連結したそれぞれのデジタル出力信号a(z(t))、b(z(t))から、それぞれの瞬時の増幅値Δa(z)、Δb(z)を取り出し、それを同じ正常価値zに属するそれぞれ他のデジタル増幅値が利用可能となるまで同じユニットに蓄積する。
【0037】
それらの処理工程は、2つの出力信号a(z(t))、b(z(t))のうち1つが他方との関係でタイムラグを生ずるような高速で施行することが可能であり、その関係で、モニタされる被検体の動作が非常に速い場合は、実際には役に立たず(plays practically no part)、それぞれ増幅値Δa(z),Δb(z)は、シングルチャンネルの事前処理で“同時に”が検出されたと判断した後に取り出されるので、そのうちの一つか、又は、同じ正常値zと連結させることも可能である。他方で、同時性は、中間の記憶装置で生成することも可能である。
原則として、デマルチプレクサー5の2つの出力チャネルのうち1つの中間メモリを提供すれば十分であるが、しかし、2つの信号を同様に処理したいので、それには2つの中間のメモリ6を使用することが望ましい。従って、評価の操作と並行して、新たなアナログ/デジタル変換操作を既に開始しておくことができる。
【0038】
センサ配列1が、増幅を必要としない大きな幅の信号を供給するセンサを備えている場合は、マルチプレクサー2、アンプ3、デマルチプレクサー5および2つの中間メモリ6を除外(省略)することが可能である。2重チャネルのセンサユニット7だけは、未だに、2つのアナログ/デジタル変換器を備えており、センサ信号のそれぞれの1つは送出され、直接、センサユニットの出力信号a(z(t))、b(z(t))が出力たれている。
原則として、それぞれの真の正常値zは、幅値Δa(z)とΔb(z)によって正確に決定される。しかしながら、特に、安価なセンサを使用する場合、各々の出力信号a(z(t))、b(z(t)は、所望のレベルの測定精度で許容できるよりも非常に大きな雑音となり、得られたそれらの信号a(z(t))、b(z(t))の幅値Δa(z)、Δb(z)は、個別の測定値の形成している計算回路の二つの入力11,12には送出されないことが望ましいが、しかし、平均値A(z)、B(z)の形式で、従前より平均回路(AC)8に形成されている。
【0039】
高いレベルのダイナミクス(実現力)を達成するために、少なくともモニタされる被検体が非常に速く移動しない場合には、ハイレベルな精度のために、本発明では、それぞれの事前に得られた平均値A(z)old、B(z)oldと、それぞれの最も新しい個々の幅値Δa(z)、Δb(z)とから、新平均値A(z)new、B(z)newが以下の処理によって形成されて提供される。処理は、旧平均値A(z)old、B(z)oldと、最も新しい個々の幅値Δa(z)、Δb(z)を、荷重係数gf1、gf2によって加算されてその合算合計が荷重係数によって分割される前に、乗算(掛け合わせ)して算出されるもので、下記の平均値A(z)のための方程式で表される。
対応する考察が、新しい平均値B(z)newの形成にも適用される。
【0040】
それぞれのダイナミック荷重係数gf1とgf2は、比較的小さく選択されたそれぞれの旧平均値A(z)old、B(z)oldに属するgf1、および、比較的大きく選択されたそれぞれの最も新しい個々の幅値Δa(z)、Δb(z)に属するgf2の旧平均値A(z)old、B(z)oldとが、其々の旧平均値A(z)old、B(z)oldと其々の最も新しい個々の幅値Δa(z)、Δb(z)と間の差が大きい状態で使用され、かつ、荷重係数の合計gf1+gf2は一定に保たれることが望ましい。
下流に配置される中間メモリ6と平均回路8は、例えば、マイクロコントローラ(μ-controller)のような単一の計算ユニットにすることができるように計算回路10と較正ユニット31に統合することができる。しかしながら、ここでは、明確化のために分離した回路のように表示される。
【0041】
平均値AE(z)、BE(z)の一対は、較正モードにおいて、励磁ユニットと較正標準30の連結により確定した較正ユニット31に供給し、それらペアの各々に属している較正正常位値の文字μ(z)から受け取り、本来の正常位値μ(AE,BE)からなる連結した三重値(トリプレット値)と同様に連結した真の基準値AE(μ) 、BE()もまた入れ替え(転置)に使用され、そして、相互関係を維持している間、相対比較値(比較値)メモリ14に蓄積される。
好ましくない選択肢として、除算の商AE(μ)/BE(μ)が形成され、そして、相互関係が維持している間、μ(AE,BE)と共に相対比較値(比較値)メモリに蓄積される。
どんな場合でも、較正の工程は、被検体の動きの全範囲を一様にカバーする複数の正常位値zのために繰り返される。
【0042】
測定モードに関与する瞬時の正常位値zを探索するために、計算ユニット10は、個々の平均値AM(z)、BM(z)と、計算に基づいて相対比較値(比較値)メモリ14に蓄積されている三重値AE(μ(z)),BE(μ(z))の真の基準値AE(μ(z))、BE(μ(z))を比較:
δ(t)=AM(z)ΒΕ(μ(z))-BM(z)AΕ(μ(z))
好ましくは、AE(μ(z))とBE(μ(z))に連結した閉ループ制御配列は、δ(t)がゼロに向う方法で、μについても変化する。
【0043】
その目的のために、計算ユニット10の出力信号δ(t)は、独立変数φ(t)を形成するフィードバック回路15に供給され、入力信号として相対比較値(比較値)メモリ14に供給される。フィードバック回路15は、δ(t)の値がゼロより大きいか、小さいか、またはゼロと等しいかをチェックし、δ(t)の符号を考慮して、既に本明細書に記載した少なくとも十分な精度の条件δ(t)=0を満たすまで、1つまたはいくつかのインクリメントによって、φ(t)の値を修正する。
条件δ(t)=0は、問題の基準値AE(μ)とBE(μ)の一対に属する、フィードバック回路15の本来の正常位値μ(AE,BE)によって生じるφ(t)の適切な変化によって達成し、それは、相対比較値(比較値)メモリ14に蓄積され、励磁ユニットと較正標準の堅固な結合とともに、(φ=μ=z)、φにより求められた正常位値zと等しくなるようにセットされ、位値のユーザに繋がっているインターフェース16に供給され、これにより、較正基準の真の値が表れる。
【0044】
インターフェース16は、ライン17と18を経由してフィードバック回路15から受信され、インクリメンタル信号は相対比較値(比較値)メモリ14の入力値φ(t)、を変更するために提供され、計算ユニット10の出力値δ(t)の符号から、測定される被検体の動きの方向および速度に関する情報が直接得られる。
一方、その関係に沿って複数の除算の操作を実行することが可能である:
AM(z)/BM(z) <> AΕ(μ)/ΒΕ(μ)
そして、不等式が等式になるまで、μ(マイクロ)の値を変化させる。
しかしながら、それは一般に数学的な問題(例えば、0による除算は回避しなければいけない)であり、実質的に多くの時間を消費することになる。
【0045】
更に、図1図9は、入力信号として最善に供給される、個々の信号幅に表れる平均回路8の出力の幅評価回路21を示すものである。
幅評価回路21の入力信号の代わりに、中間メモリ6あるいはデマルチプレクサー5のダウンストリームを取り除くことができる。
特に高い精度で正常位値zを測定するために、本発明によれば、センサユニット7の出力信号a(z(t))、b(z(t))を正弦(サイン)または余弦(コサイン)の形式にする必要はない。
特別に高水準な正確性は操作には必要はないものについて、しかしながら、以下に記載する、センサ1の電圧供給の制御について、目的を達成するため、これらの出力信号a(z(t))、b(z(t))は、ほぼ公式に合致すると想定される。
【0046】
そのようにして得られた幅値は、電圧制御オシレータ(発振機)22に移送され、センサ1の電流/電圧供給量の上位または下位の電圧レベルを制御する2つのチャージ(電荷)ポンプ23、24を作動させる。その方法は、回路ユニット2〜10、14〜16および20〜22の全てを含む好ましくはICコンポーネントにより、ダウンストリームの配置された回路配列を、入力電圧範囲のセンサ信号電圧範囲に最適に適合させ、達成させる方法による。
他にも、幅平均値は、2つの出力信号のうちの1つの幅値である、それぞれに定義された測定セグメントから形成された値を、積分することで検出することができ、また、電圧制御オシレータ(発振機)22に供給することができる。
チャージ(電荷)ポンプは当業者によく知られている。この関係で、入力電圧から高電圧または低電圧の出力電圧を生産するエネルギー蓄電手段としてキャパシタ(コンデンサ=蓄電器)が用いられており、DC(直流)電圧/DC電圧変換器のようなものを含んだものとなる。簡素で安価な成分から構成することができる。
【0047】
電荷ポンプは、電荷の供給とキャパシタ(畜電器)からの充電を制御する電子スイッチを使用しており、現在の配置では、電圧制御オシレータ(発振器)によって必要とされる状態で作動している。
図3は、左側の縦座標に幅値、右側の縦座標に較正正常位値μを表わし、2つの出力信号a(z)、b(z)の起こるであろうカーブ形状を表わしており、横座標上にプロットされた正常位値zとの関係で、2つの測定セグメントMS1およびMS2は較正操作中に本発明による方法によって直ちに処理可能となっている。
図(説明)を簡素化するために理想となる考察が与えられた、すなわちノイズの無い出力a(z)、b(z)には、平準化操作は(実際には不可避であるが)要求されてない。
【0048】
各測定セグメントの始めと終わりは、位相シフト(転位)を持つカーブb(z)のゼロ交差に関連したカーブa(z) の2本の曲線うちの1本がゼロ交差によって認識される。
そのために、2本の曲線は“半周期“であるとされる。
機械的に安定したセンサ配列を前提とした2本の曲線のゼロ交差間の位相シフト(転位)は、動きの範囲全体に関して同じである。
見てわかるように、測定セグメントMS1は、測定セグメントMS2より顕著に長く、a(z)とb(z)は非常に異なる形状の2つの曲線型である。しかしながら、既に上述した“単純な場合(シンプルケース)”を引き起こすように、2つの測定セグメントの各々とたった一度だけ交差することが注目される。右側の測定セグメントに隣接する2本の曲線のさらなる形状は、測定セグメントMS1およびMS2の中のそれとは相違する。
【0049】
較正正常位置値μは、望ましくはzと正確に比例し、2つの測定セグメントMS1とMS2の上に伸び、傾き1/mで増加する直線によって表わすことができ、そして次の測定セグメントへ測定セグメントMS2の推移でそこから順番にゼロ値に向かって再び後方へジャンプし、2つの測定セグメントMS1およびMS2の示す現状と同じ方法で、次の2つの測定セグメント上に直線的に再び上昇する。
右側の測定セグメントMS2が示すように、測定モーメントtν中で、増幅値Δa(z)とΔb(z)は、上述した更なる処理作業の為のために取り出すと、これらには正常位置値μ(a,b)が属し、それらに較正作業中は連結しており、2つ増幅値Δa(z)とΔb(z)が測定モードが生じた場合は、被検体の正常位置値の測定値として出力することができるように蓄積される。
【0050】
図1から図3を参照に記載された実施例に関し、センサ配列1には励磁ユニットの磁場の中に配置される4つのホール素子I, II, III, IVが含まれると想定されており、
ホール素子の各ペアは、それによって付加的に加えられた干渉場の成分が除去される信号を供給するために、反対方向(非連続接続)の測定される磁場を見ている。
しかしながら、これにより達成できる精度は、2つの理由により多くの場合において十分ではない:
【0051】
一方で、ある特定のフィールド構成では、機械設備(ハードウェア)条件で接続された2つのホール素子には危険、つまり、各ペアで常に固定されており、それを通って通過させることができる厳密に同一の場の成分は持っていないため、それにより、測定結果を改ざんすることができる(という危険がある)。
他方、コストの面からは、電子信号処理および評価手段の本質的な部分が配置される集積回路チップの上面側でホール素子が生産されることが望ましい。
そして、圧電効果および異なる結晶構造については、ホール素子でストレス効果を引き起こした結果、ホール素子のオフセット(相殺)に結びつき、そこを通るのと同一の磁場の強さを持っている場合さえ、出力信号は異なる幅値を持つことになって;結果として生じるエラーは、ここでは“電気的計測誤差”とされる。
【0052】
最後に述べた問題点を解決するために、電源供給の接続が周期的に交換されるその信号の取除き接続、および、陽極と陰極の後者が個々の形状で相互の交換により、それぞれのホール素子I、II、III、IVから 非常に迅速な継続で、4つの個々の信号を得ることが効果的である。
迅速な継続で引き起こった個々のアナログ信号の電圧値は、増幅され、そして、交換サイクルの4つの個々の信号の電圧値がすべて存在するまで、サンプルホールド回路の中の中間蓄積装置の中に入れられ、これにより、ホール素子自体によって起こされる干渉成分が消滅するように、正確なサイン関係は、問題のホール素子I、II、III、IVによって供給された信号を与えるために合計される。
しかしながら、増幅器を備えた特定の処理チャネルが、4つの個々の信号のそれぞれの増幅および中間蓄積装置について使用されるとすると、これまで通りで、新しく、取り除くことのできないより大きなエラーが、個々のホール素子I、II、III、IVに属する4つの処理チャンネルの異なるオフセット電圧および温度ドリフト現象よって起こる可能性がある。
【0053】
高度で詳細な形態で作業できるようにするには、本発明によって提供されるように、使用する4つのホール素子I、II、III、IVを固定配線しないで、直接そこで取り出された16の個々の信号の幅値を、図4から図9の実施例と同様に、シングルチャンネルの前処理によって、センサユニット7のデジタル出力信号Ia(z(t)),Ib(z(t)),…,IVp(z(t))に対応する数から派生させる。
信号の前ついた識別表示であるローマ数字のIからIVは、これにより4つのホール素子I、II、III、IVのどれから問題の信号が発生しているかを示すものである。
これらの図からわかるように、ちょうど2個ではなく16つのホールプローブ信号は、個々に周期的、連続的に増幅器3へ適用されるマルチプレクサー2に移り、その出力は、そのアナログ/デジタル変換器4をもち、ダウンストリームと接続している。
これらの回路部によって電圧を加えられた乗法のかく乱は、同じ方法により16つの全ての信号へ移行し、そして、後の除算の商の構成によって除去することができる。
【0054】
デマルチプレクサー5は、16つの相互に並列な出力ラインへのセンサユニット7の出力信号Ia(z(t)),Ib(z(t)),…,IVp(z(t))としてのシングルチャンネルのホールプルーブ信号との関係から生じる信号に適用され、それぞれ中間蓄積手段6につながり、クロック関係で、出力信号から瞬時の増幅値が取り出され、センサユニット7に供給され、1つの正常位置値zに属する16つの全てのデジタル出力信号増幅値ΔIa(z),ΔIb(z),…,ΔIVp(z)は、更なる処理の為に、同時に使用ができるようになるまで、中間蓄積手段の中におかれる。
それは異なる方法でも達成できる:
【0055】
図4および図5に示す実施例では、平均値IA(z), IB(z),…, IVP(z)は、既に図1図2で説明した同じ方法で、専用の平均回路(AC)8により、16つの幅値ΔIa(z),ΔIb(z),…,ΔIVp(z)の各々から同時に形成される。
平均値IA(z),IB(z),…,IVP(z)は、その後、連結されていない状態で供給され、較正ユニット31への測定モード(図4)の中で、また計算ユニット10への測定モード(図5)の中で、つまりパラレル(並列)であり、それらが適切に処理され、また、2つの平均値A(z)とB(z)のために図1および図2の実施例で既に記述したように評価される。
外積差は、ここで16つの基準値IAE(μ),IBE(μ),…,IVPE(μ)、および16つの測定値IAM(z),IBM(z),…IPM(z)からそれぞれ形成され、少なくとも適切な精度でゼロ値に近付くまで変化する。
問題の基準値グループに属する本来の正常位値μ(AE,BE,…,PE)に条件が到達すると、相対比較値(比較値)メモリ14に蓄積され、現在の独立変数φ(φ=μ)として認識され、現在の正常位値z=mμとして出力され、探索できる
【0056】
図6および図7の実施例では、迅速に連続するΔIVpx(z)によるΔIVp1(z)へのΔIbx(z)等によるΔIb1(z)、ΔIax(z)によるΔIa1(z)のすべてが、同時に処理することが可能な場合は、対応する平均値IA(z),IB(z),…,IVP(z)は、16つの幅値ΔIa(z),ΔIb(z),…,ΔIVp(z)の各々からそれぞれ形成される。
それらの平均値は、ここでは、前処理の計算回路9に移り、そこでホール素子の電気的オフセットエラー(誤差)を除去するために、各ホール素子I、II、III、IVで生じた平均値とリンクして単一の出力平均値Q(z)、R(z)、S(z)、T(z)、をそれぞれ形成する。
別々に増幅する中間蓄積装置に入れられたアナログホール素子信号の図1図2に描かれたリンキング(結合)の本質的相違は、増幅とデジタル化がすべての16の信号に共通する1つの処理チャネルで発生するので、そのチャンネルで起きるエラーが全ての信号に同様の態様で刻印され、デジタル化操作の後でも不変であるため、形成された差により適切な処理で除去させることができる。
【0057】
従って、上記の変形として、適切に処理され評価された場合、較正モード(図6)で較正ユニット31へ、測定モード(図7)で計算ユニット10へ移送される。
外積差は、ここで、基準値に関連する4つのQE(μ)、RE(μ)、SE(μ)とTE(μ)および測定値に関連する4つのQM(z), RM(z), SM(μ)とTM(z)からそれぞれ形成され、少なくとも適切な精度でゼロ値に近付くまで変化する。
問題の基準値グループに属する本来の正常位置値μ(QE, RE, SE, TE)に条件が到達すると、、相対比較値(比較値)メモリ14に蓄積され、現在の独立変数φ (φ = μ)として認識され、現在の正常位置値z = m μとして出力され、探索できる
ここで2つが指定されることにより、例えば以下の3つの式の内の1つに従って算出することが可能である。
[QE(μ(z))‐RE(μ(z))][SM(z)‐TM(z)]‐[QM(z)‐RM(z)][SE(μ(z))‐TE(μ(z))]
または、
[QE(μ(z))‐TE(μ(z))][SM(z)‐RM(z)]‐[QM(z)‐RTM(z)][SE(μ(z))‐RE(μ(z))]
3つ目は、Q、R、SおよびT信号の更なる置換によって得られる。
【0058】
対応する考察結果から、ここでの平準化操作は、前処理計算回路9の出力信号ではなく、入力信号を生じない図6および図7とは異なり、図8および図9の実施形態に適用される。
しかしながら、ここで本質的な違いは、電気測定誤差と外部からのかく乱による誤差の両方が、既に前処理操作で除去され、単純な最終の処理手段により行われる。
図1図2図4図9に関して記述した発明の個別の処理の工程に従って、最も広く様々な(適切な)バリエーションを組み合わせることができる。
【0059】
上記詳述した実施例では、4つのホール素子I、II、III、IVを有するセンサ配列1は、それぞれ別に記載される。
本発明に係る方法では、3つのホール素子だけからなる、12の処理される信号を供給する例で実施することが可能でもある。別の一対の形成では、外積から実現することも可能である。外積の一般的な式としては、測定値グループの1つ以上の要素(素子)と基準値グループの1つ以上の要素(素子)とを乗算することでも効果を奏することが出来る。
前処理および/または外積によって一般に行われている信号処理工程では、基本概念を含んでおり、前述のDE 42 24 225 A1に詳述されているように、全ての干渉係数は、差の値をレシオメトリック(供給電圧に比例する)処理によって除去することができる。
【0060】
一般用語を保持して、図10に示すフローチャートでは、センサユニット7からの出力信号の数値は固定でなく、(これに限定されないとして、)較正モード中における最も本質的なステップを示している。
スタート40の後、動きの範囲を超えて、複数の位置(状況)を通過した本発明に係る位置センサの、例えば、機械的に厳密に較正標準30に結合されている励磁ユニットは、ステップ41のセンサユニット7の各々の正常位値Zによって個々に識別され、連結した出力信号のaE(z(t)),
bE(z(t)) ,…のグループが供給され、それぞれの実施形態に応じて、(例えば)2つ、3つ、4つ、12または16つの信号を包含することができる。
【0061】
ステップ42では、各々の出力信号aE(z(t)),bE(z(t)),…のためにステップ43で同時に形成された平均値AE(z),BE(z),…から得られる各々の出力信号aE(z(t)),bE(z(t)),…xと幅値ΔaE1(z),…,ΔaEx(z),ΔbE1(z),….ΔbEx(z),…が連続的に得られる。
そのケースでは始動段階で、Xは、少なくとも1より大きくなければならない。なぜなら、更なる操作過程では、一般的に、既に得られた平均値(旧)AE(z)old,BE(z)old…から形成される新しい平均値AE(z)new,BE(z)new…と、1つの新しい個々の幅値ΔaE(z),ΔbE(z)…のためには十分であり、旧の平均値AE(z)old,BE(z)old,…と、最新の個々の幅値ΔaE(z), ΔbE(z)…の両方を、加算合計する前に、荷重係数gf1とgf2を、それぞれ乗算し、そして、その後、その合計は荷重係数の合計によって割られ、したがって、x は1に等しくなる。
【0062】
上述した操作と平行して、ステップ44の較正標準30は、問題の正常位値z(t)に相当する較正正常位値μ(z)をステップ43で形成してステップ45に変換し、平均値AE(z),BE(z),…をさらに得ることができる較正ユニット31へ供給し、この較正正常位値μ(z)を利用して、真の基準値AE(μ(z)),BE(μ(z)),…にするとともに、それを較正正常位値μ(z)に連結させる。
ステップ46では、連結した較正正常位値μ(AE、BE、…)とともに、真の基準値AE(μ(z)),BE(μ(z)),…は、相対比較値(比較値)メモリ14に多重として蓄積される
【0063】
ステップ47は、動きの全範囲がカバーされたかどうかの質問を含んでいる。
“YES”の場合、較正モードは終了(ブロック48)、そうでない場合には出力信号aE(z(t)),bE(z(t)),…のグループを処理するためにステップ41に戻り、次の正常位値z(t)に属し、そして、上述した方法のセンサユニット7によって供給され、多重値として蓄積された “library” は、相対比較値(比較値)メモリで次第に形成され、モニターされる被検体の動きの全範囲をほぼ一様にカバーすることができる。
図11のフローチャートの中で、ステップ51〜53は、ここで処理される信号が現在実施されているのが測定モードであることを明確にするために指数文字Mを帯有するが、それ以外は、較正モードの中のステップ41〜43と完全に同様に行われる。
【0064】
しかしながら、ステップ53の後、平均値AM(z), BM(z),…は、較正ユニット31に移送されるのではなく、相対比較値(比較値)メモリ14(ステップ54)から基準値AE(μ(z)), BE(μ(z)),…の最初のグループを同時に受信(受取)ために計算ユニット10に渡される。
計算ユニット10のステップ55では、既定の数学的な操作に基づき、外積の構成によって、特に、実際に適用された平均値AM(z),BM(z),…を相対比較値(比較値)メモリ14から供給される基準値AE(μ(z)),BE(μ(z)),…と比較する。
所定の一致基準が満たされている場合(“YES”の場合、ステップ56へ)、例えば、平均値AM(z),BM(z),…および基準値AE(μ(z)),BE(μ(z)),…からの外積は、ゼロに等しいか、あるいはほぼ等しく、現在の正常位値z(AM(z),BM(z),….)は、較正正常位値μ(AE,BE,…)の測定から、方程式z=mμに従って計算され、基準値AE(μ(z)),BE(μ(z)),…のグループの多重値に瞬時に配属され、ユーザに配信される。
その後、ステップ51に戻り、再び、センサユニット7から引き継ぎ、出力信号aM(z(t)), bM(z(t)),…のグループは、被検体がまだ動きがない場合には、同じ正常位値z(t)に属するか、あるいは新しい位置についての記述する新たな正常位値z(t)に属することになる。
【0065】
基準56の答えが “no” の場合はステップ54に戻り、すなわち、相対比較値(比較値)メモリは、測定値あるいはまだ適用されている平均値AM(z), BM(z),…で新たな比較を行う計算ユニット10に次の多重値を配信する。
55、56、54のループは、基準の答えが“YES”になるまで実行され、一方でステップ57に記述されている方法は、ユーザに探索した正常位値z=mμ を配信することが可能であり、また一方で、ステップ51に戻ることができ、センサユニット7の出力信号aM(z(t)), bM(z(t)),…の新しいグループに引き継ぎ、また、記述した方法で、新しい正常位値zをそこから探索する。
【0066】
図面に示すように、ホール素子I, II, III, IVの位置は、図式的に解釈される。実際には、センサ配列の4つのホール素子は、好ましくは、正方形の四隅に配置されている。先行文献または先行技術内容ではなく、参照として、その全体が援用されているドイツの特許出願10 2010 050 356.8号に記述されているように、3つのホール素子センサは、三角形の角、あるいは直線上に配置することができる。
主にここで言及されてきたホール素子の代わりに、他の磁気抵抗効果センサを使用することは可能であり、具体的に言うとGMRセンサ(GMR=
giant magnetic resistance=巨人磁気抵抗効果)がそれに該当する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11