(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1に記載の装置では、例えば基板に非線形な歪みが発生して局所領域の位置ズレが非線形なものとなっている場合、各局所領域の位置を正確に計測するために全局所領域についてマークを撮像して各マーク位置を検出する必要がある。その結果、ユーザが許容するタクトタイム内で描画処理を行うことが困難となることがあった。
【0005】
また、近年、半導体装置の実装密度を向上させることを目的としてウェハなどの基板上に複数の半導体チップを実装するパッケージ技術、いわゆるCOW(Chip on Wafer)やWLP(Wafer Level Package)などが提案されている。これらのパッケージ技術では、基板上にマウントされた半導体チップに対して露光を行うケースが増えているが、マウント時の位置ズレやモールド時に発生する応力等に起因して各チップの位置ズレは離散的なものとなってしまう。このため、従来のアライメント処理をそのまま利用する場合、基板上に形成されたチップの位置、つまりパターンを描画すべき局所領域の位置を全て計測した上で描画時の補正を行う必要がある。その結果、基板上に実装される半導体チップにパターンを描画するのに要する時間が長くなり、ユーザ要求のタクトタイム内に描画処理することが難しい。
【0006】
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、基板の表面に形成された局所領域に対して設計データで記述されるパターンを短時間で描画することが可能な描画装置および描画方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる描画装置
の一態様は、処理ステージ上の基板の表面に形成された局所領域に対して設計データで記述されるパターンを描画する描画装置であって、基板の表面の全面画像を撮像する第1撮像部を有する撮像手段と、第1撮像部により撮像された全面画像を画像処理して局所領域の配置を示す配置情報を取得する画像処理手段と、配置情報に基づいて設計データを補正して補正設計データを作成するデータ作成手段と、第1撮像部による全面画像の撮像が完了した基板を撮像手段から処理ステージに搬送する搬送手段と、処理ステージを移動させて処理ステージ上の基板の表面に形成された局所領域と補正設計データで記述されるパターンとの位置合せを行った上で、補正設計データに基づいてパターンを局所領域に露光する露光手段とを備え
、撮像手段は、基板を保持して回転する回転部と、基板が回転している間に基板に予め形成されたマークを撮像する第2撮像部と、第2撮像部により撮像した画像に基づいてマークの位置情報を求める位置情報取得部を有し、第1撮像部は、少なくとも基板の回転中心から基板の半径方向と平行な方向に基板の半径の長さを有する走査ラインの画像を、少なくとも基板が一回転する間、撮像して全面画像を取得し、位置合せを行う前に、搬送手段は位置情報に基づいて前記処理ステージへの基板の搬送を制御して前記処理ステージ上での前記基板の相対位置を調整する。
また、本発明にかかる描画装置の他の態様は、処理ステージ上の基板の表面に形成された局所領域に対して設計データで記述されるパターンを描画する描画装置であって、基板の表面の全面画像を撮像する第1撮像部を有する撮像手段と、第1撮像部により撮像された全面画像を画像処理して局所領域の配置を示す配置情報を取得する画像処理手段と、配置情報に基づいて設計データを補正して補正設計データを作成するデータ作成手段と、第1撮像部による全面画像の撮像が完了した基板を撮像手段から処理ステージに搬送する搬送手段と、処理ステージを移動させて処理ステージ上の基板の表面に形成された局所領域と補正設計データで記述されるパターンとの位置合せを行った上で、補正設計データに基づいてパターンを局所領域に露光する露光手段とを備え、データ作成手段は、補正設計データで記述されるパターンに含まれる基準点の座標を補正設計データから複数個導出する座標導出部を有し、露光手段は、基準点の各々に対応する基板上の基準点を撮像する第3撮像部と、第3撮像部で撮像された複数の基準点の位置を計測する位置計測部と、位置計測部で計測された位置および座標導出部で導出された座標のずれ量を最小化させるように処理ステージを移動させて位置合せを行う露光制御部とを有する。
【0008】
また、本発明にかかる描画方法
の一態様は、基板の表面に形成された局所領域に対して設計データで記述されるパターンを描画する描画方法であって、基板の表面の全面画像を撮像する第1工程と、全面画像を含まれる局所領域の配置を示す配置情報を取得する第2工程と、配置情報に基づいて設計データを補正して補正設計データを作成する第3工程と、全面画像の撮像終了後に基板を処理ステージに搬送する第4工程と、処理ステージ上の基板の表面に形成された局所領域と補正設計データで記述されるパターンとの位置合せを行う第5工程と、位置合せの完了後に補正設計データに基づいてパターンを局所領域に露光する第6工程とを備え
、第1工程は、回転部によって基板を保持しながら回転させるとともに、少なくとも基板が一回転する間に第1撮像部によって少なくとも基板の回転中心から基板の半径方向と平行な方向に基板の半径の長さを有する走査ラインの画像を撮像して全面画像を取得し、基板が回転している間に基板に予め形成されたマークを第2撮像部により撮像した画像に基づいてマークの位置情報を求める工程を有し、第4工程は、第5工程を行う前に、搬送手段による基板の処理ステージへの搬送を位置情報に基づいて制御して処理ステージ上での基板の相対位置を調整する工程を有する。
また、本発明にかかる描画方法の他の態様は、基板の表面に形成された局所領域に対して設計データで記述されるパターンを描画する描画方法であって、基板の表面の全面画像を撮像する第1工程と、全面画像を含まれる局所領域の配置を示す配置情報を取得する第2工程と、配置情報に基づいて設計データを補正して補正設計データを作成する第3工程と、全面画像の撮像終了後に基板を処理ステージに搬送する第4工程と、処理ステージ上の基板の表面に形成された局所領域と補正設計データで記述されるパターンとの位置合せを行う第5工程と、位置合せの完了後に補正設計データに基づいてパターンを局所領域に露光する第6工程とを備え、第3工程は、補正設計データで記述されるパターンに含まれる基準点の座標を補正設計データから複数個、座標導出部により導出する工程を有し、第6工程は、基準点の各々に対応する基板上の基準点を第3撮像部で撮像し、第3撮像部で撮像された複数の基準点の位置を位置計測部で計測し、位置計測部で計測された位置および座標導出部で導出された座標のずれ量を最小化させるように処理ステージを移動させて位置合せを行う工程を有する工程を有する。
【0009】
このように構成された発明では、全面画像に基づいて局所領域の配置を示す配置情報が取得され、当該配置情報に基づいて設計データを補正して補正設計データが作成される。そして、当該補正設計データで記述されるパターンと局所領域との位置合せが行われた後で、補正設計データに基づいてパターンが局所領域に露光される。したがって、処理ステージ上の基板の表面に形成された局所領域の全部について個別の位置計測を行うことなく、パターンを局部領域に描画することが可能となっている。
【0010】
また、配置情報を取得するにあたって基板の表面の全面画像を撮像するが、処理ステージと異なる撮像手段で行っているため、次のような作用効果も得られる。本発明では、パターン描画のために、以下の処理、
(a)全面画像を撮像する処理、
(b)全面画像に対する画像処理により配置情報を取得する処理、
(c)配置情報に基づき補正設計データを作成する処理、
(d)補正設計データで記述されるパターンと局所領域とを位置合わせする処理
(e)補正設計データに基づきパターンを局所領域に露光する処理
を行う。これらの処理のうち処理(d)および処理(e)については、必ず処理ステージ上に基板を載置した状態で実行する必要があるのに対し、処理(a)〜(c)については任意である。そこで、本発明では、全面画像を撮像した後に基板を処理ステージに搬送するように構成し、少なくとも処理(a)と、処理(d)および処理(e)とを分離した位置で実行するように構成している。したがって、処理(b)および処理(c)の各々については、全面画像を撮像した位置あるいは基板搬送中に行うことが可能となり、合理的な処理が可能となる。
【0011】
さらに、処理ステージ上に基板を載置した状態で処理(a)を実行するためには、全面画像を撮像するための構成(第1撮像部)を処理ステージの近傍に配置する必要があるが、このような構成が処理(d)や処理(e)を実行するための構成と干渉しないように装置設計することは事実上困難である。これに対し、本発明では処理(a)と、処理(d)および処理(e)とを分離した位置で実行するように構成しているため、装置の設計自由度を高めることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本発明にかかる描画装置の一実施形態を示す正面図である。
図2は
図1の描画装置の平面図である。
図3は
図1の描画装置の電気的構成を示すブロック図である。描画装置はウェハなどの基板Wの表面にマウントされた半導体チップCPにパターンを描画する装置である。基板Wは、半導体基板、プリント基板、ガラス基板などの各種基板のいずれでもよいが、図示例では円形のウェハを基板として用いている。なお、以下においては、表面に半導体チップCPがマウントされた、チップ搭載基板を単に「基板W」と称する。また、以下においては、装置の全体構成を説明した後、装置の主要構成である露光ユニット、プリアライメントユニット、画像処理ユニットおよびデータ作成ユニットの構成、ならびに描画動作について詳述する。
【0014】
A.全体構成
描画装置は、露光ユニット100、プリアライメントユニット200、搬送ユニット300、画像処理ユニット400およびデータ作成ユニット500を有している。そして、これらのうち露光ユニット100、プリアライメントユニット200および搬送ユニット300の主要構成要素が、本体フレーム601で構成される骨格の天井面および周囲面にカバーパネル(図示省略)が取り付けられることによって形成される本体内部に配置されている。
【0015】
描画装置の本体内部は、処理領域602と受け渡し領域603とに区分されている。これらの領域のうち処理領域602には、主として、露光ユニット100の主要構成である処理ステージ1、ステージ移動部2、ステージ位置計測部3、光学ユニット4、グローバルアライメント部5が配置されている。そして、露光ユニット100の露光制御部6が露光ユニット100の各部を制御することで光ビームを基板Wに露光してパターンを描画する。一方、受け渡し領域603には、
図2に示すようにプリアライメントユニット200および搬送ユニット300が配置されている。プリアライメントユニット200は、プリアライメント処理およびCADデータの補正処理に必要なチップ搭載基板Wの表面の全面画像を取得する。また、搬送ユニット300は処理領域602に対する基板Wの搬出入を行う搬送ロボット301を有している。なお、本実施形態では、プリアライメントユニット200を2個配置しているが、プリアライメントユニット200の個数はこれに限定されるものではなく、任意である。
【0016】
また、描画装置の本体外部には、
図1に示すようにグローバルアライメント部5に照明光を供給する照明部7が配置される。また、
図1および
図2への図示を省略しているが、同本体外部には上記露光制御部6、画像処理ユニット400およびデータ作成ユニット500が配置されている。
【0017】
さらに、描画装置の本体外部で、受け渡し領域603に隣接する位置には、キャリアCを載置するためのキャリア載置部604が配置される。そして、搬送ロボット301がキャリアC、プリアライメントユニット200および処理ステージ1にアクセスして基板Wを次のように搬送する。つまり、搬送ロボット301は、キャリア載置部604に載置されたキャリアCに収容された未処理の基板Wを取り出し、いずれか一方のプリアライメントユニット200に搬入し、プリアライメント処理を受けた基板Wを当該プリアライメントユニット200から処理ステージ1に搬送し、描画処理を受けた基板Wを処理ステージ1からキャリアCに搬出する。
【0018】
B.露光ユニット100の構成
処理ステージ1は、平板状の外形を有し、その上面に基板Wを水平姿勢に載置して保持する保持部である。処理ステージ1の上面には、複数の吸引孔(図示省略)が形成されており、この吸引孔に負圧(吸引圧)を付与することによって、処理ステージ1上に載置された基板Wを処理ステージ1の上面に固定保持することができるようになっている。そして、処理ステージ1はステージ移動部2により移動させられる。
【0019】
ステージ移動部2は、処理ステージ1を主走査方向(Y軸方向)、副走査方向(X軸方向)、及び回転方向(Z軸周りの回転方向(θ軸方向))に移動させる機構である。ステージ移動部2は、処理ステージ1を回転可能に支持する支持プレート22を支持するベースプレート24と、支持プレート22を副走査方向Xに移動させる副走査機構23と、ベースプレート24を主走査方向Yに移動させる主走査機構25とを備える。副走査機構23および主走査機構25は露光制御部6からの指示に応じて処理ステージ1を移動させる。
【0020】
副走査機構23は、支持プレート22の下面に取り付けられた図示しない移動子とベースプレート24の上面に敷設された図示しない固定子とにより構成されたリニアモータ23aを有している。また、支持プレート22とベースプレート24との間には、副走査方向に延びる一対のガイド部23bが設けられている。このため、リニアモータ23aを動作させると、ベースプレート24上のガイド部23bに沿って支持プレート22が副走査方向Xに移動する。
【0021】
主走査機構25は、ベースプレート24の下面に取り付けられた移動子と描画装置の基台8上に敷設された固定子とにより構成されたリニアモータ25aを有している。また、ベースプレート24と基台8との間には、主走査方向に延びる一対のガイド部25bが設けられている。このため、リニアモータ25aを動作させると、基台606上のガイド部25bに沿ってベースプレート24が主走査方向Yに移動する。
【0022】
ステージ位置計測部3は、処理ステージ1の位置を計測する機構である。ステージ位置計測部3は、露光制御部6と電気的に接続されており、露光制御部6からの指示に応じて処理ステージ1の位置を計測する。ステージ位置計測部3は、例えば処理ステージ1に向けてレーザ光を照射し、その反射光と出射光との干渉を利用して、処理ステージ1の位置を計測する機構により構成されているが、その構成動作はこれに限定されるものではない。この実施形態では、ステージ位置計測部3は、レーザ光を出射する出射部31と、ビームスプリッタ32と、ビームベンダ33と、第1干渉計34と、第2干渉計35とを備える。これら出射部31、各干渉計34、35は、露光制御部6と電気的に接続されており、露光制御部6からの指示に応じて処理ステージ1の位置を計測する。
【0023】
出射部31から出射されたレーザ光は、まずビームスプリッタ32に入射し、ビームベンダ33に向かう第1分岐光と、第2干渉計35に向かう第2分岐光とに分岐される。第1分岐光は、ビームベンダ33により反射され、第1干渉計34に入射するとともに、第1干渉計34から処理ステージ1の第1の部位に照射される。そして、第1の部位で反射した第1分岐光が、再び第1干渉計34へと入射する。第1干渉計34は、処理ステージ1の第1の部位に向かう第1分岐光と第1の部位で反射された第1分岐光との干渉に基づいて第1の部位の位置に対応した位置パラメータを計測する。
【0024】
一方、第2分岐光は、第2干渉計35に入射するとともに、第2干渉計35から処理ステージ1の第2の部位(ただし、第2の部位は、第1の部位とは異なる位置である。)に照射される。そして、第2の部位で反射した第2分岐光が、再び第2干渉計35へ入射する。第2干渉計35は、処理ステージ1の第2の部位に向かう第2分岐光と処理ステージ1の第2の部位で反射された第2分岐光との干渉に基づいて第2の部位の位置に対応した位置パラメータを計測する。
【0025】
露光制御部6は、第1干渉計34および第2干渉計35の各々から、処理ステージ1の第1の部位の位置に対応した位置パラメータ及び処理ステージ1の第2の部位の位置に対応した位置パラメータを取得する。そして、取得した各位置パラメータに基づいて、露光制御部6は処理ステージ1の位置を算出する。
【0026】
光学ユニット4は、2つの光学ヘッド40a、40bを有している。光学ヘッド40a、40bはともに同一構成を有しており、光照射部41から与えられるレーザ光をCADデータで記述されたパターンに対応する描画データに基づき変調する。ここでは、
図1を参照しつつ光学ヘッド40aに関連する構成について説明するが、光学ヘッド40bについても同様に構成されている。なお、光学ヘッドの設置数はこれに限定されず任意である。
【0027】
光照射部41は、レーザ駆動部411、レーザ発振器412および照明光学系413を有している。この光照射部41では、レーザ駆動部411の作動によりレーザ発振器412からレーザ光が出射され、照明光学系413を介して光学ヘッド40aに導入される。この光学ヘッド40aには、光変調素子が設けられており、描画データに基づきレーザ光を変調する。そして、光学ヘッド40aは変調レーザ光を光学ヘッド40aの直下位置で移動している基板Wに対して落射することで処理ステージ1に保持された基板W上の半導体チップCPを露光してパターンを描画する。これによって、基板Wの表面にマウントされている半導体チップCPに対してCADデータで記述されたパターンが重ねて描画される。
【0028】
グローバルアライメント部5は、後述するようにデータ作成ユニット500から指定されるグローバルアライメントマークGMを撮像する。グローバルアライメント部5は、鏡筒、対物レンズ、およびCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサを有する第3撮像部51を備える。本実施形態では、CCDイメージセンサとしてエリアイメージセンサ(二次元イメージセンサ)を用いているが、これに限定されるものではない。また、グローバルアライメント部5は、図示しない昇降機構によって所定の範囲内で昇降可能に支持されている。
【0029】
照明部7は鏡筒とファイバ71を介して接続され、グローバルアライメント部5に対して照明用の光を供給する。照明部7から延びるファイバ71によって導かれる光は、第3撮像部51の鏡筒を介して基板Wの上面に導かれ、その反射光は、対物レンズを介してCCDイメージセンサで受光される。これによって、基板Wの上面が撮像されて撮像データが取得されることになる。第3撮像部51はマーク位置計測部52と電気的に接続されており、取得した撮像データをマーク位置計測部52に出力する。マーク位置計測部52は当該撮像データに基づいてグローバルアライメントマークGMの座標位置を求め、露光制御部6に出力する。
【0030】
C.プリアライメントユニット200の構成
図4はプリアライメントユニットの概略構成を例示する側面図である。プリアライメントユニット200は、搬送ロボット301によりキャリアCから搬送されてきた基板Wのノッチ(
図8中の符号NT)の位置情報を取得して搬送ユニット300に提供するプリアライメント処理と、基板Wの表面の全面画像を撮像し、当該画像情報を画像処理ユニット400に送信する全面画像取得処理とを実行する。プリアライメントユニット200では、回転テーブル210が設けられており、搬送ロボット301から基板Wを受け取る。この回転テーブル210は搬送ロボット301によって搬送されてきた基板Wを支持する上面を有している。この回転テーブル210の上面には、複数の吸引孔が形成されており、図示を省略する吸引手段によって各吸引孔を吸引することで、基板Wが回転テーブル210上で吸着されて保持される。また、回転テーブル210はモータ220の回転軸に連結されており、モータ220からの回転駆動力を受けて、基板Wを保持しつつZ軸周りに回転する。
【0031】
プリアライメントユニット200は、回転テーブル210に保持された基板Wの表面の全面画像を取得するために、第1光照射部230および第1撮像部240を有している。第1光照射部230は、
図4および
図5に示すように、回転テーブル210上に水平に保持された基板Wの上方の位置であって、基板Wの中心Cwを通る鉛直線Lvに対してY軸方向の一方側の位置に配置される。これに対して、第1撮像部240は、回転テーブル210上に水平に保持された基板Wの上方の位置であって、上記鉛直線Lvに対してY軸方向の他方側の位置に配置される。つまり、第1光照射部230と第1撮像部240とは、基板Wの中心Cwを通る鉛直軸Lvを挟んで互いに反対側に配置されている。そして、第1光照射部230から射出されて基板Wに入射角α1で入射した光は、基板Wにおいて反射角α2で正反射(α1=α2)された後に第1撮像部240へ向かう。
【0032】
この際、現在主流の300[mm]の径を有する半導体ウェハを基板Wとして用いる場合には、光が基板Wへ入射する入射角α1は、20度ないし45度となる。次世代型のより大型化した基板、具体的には450[mm]の半導体ウェハを基板Wとして用いる場合も同様である。
【0033】
第1撮像部240は、基板Wから反射角α2で正反射された光を反射する光学系241と、光学系241で反射された光を検出して電気信号に変換する光電変換部242とを有する。光学系241は、長方形状を有した平板状のミラー2411を保持板2412で保持した構成を有しており、基板Wからの正反射光をミラー2411で反射して光電変換部242へと導く。この光電変換部242は、例えばラインセンサカメラで構成される。このラインセンサカメラとしては、CCDやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のラインセンサ素子、増幅器、駆動回路、A/D(Analog/Digital)変換器、メモリ、入出力回路、結像レンズ(撮像レンズ)および筐体等によって構成される周知のラインセンサカメラを用いることができる。
【0034】
このように、第1光照射部230が射出した光は基板Wで反射された後に、第1撮像部240へと入射する。こうして、第1撮像部240によって基板Wの画像を撮像することができる。続いては、これら第1光照射部230および第1撮像部240のより具体的な構成について説明する。
【0035】
図5は第1光照射部と第1撮像部との位置関係を模式的に示す平面図である。
図6は第1光照射部の要部断面を模式的に示した断面図である。
図7は第1光照射部から第1撮像部へ至る光路を模式的に示した平面図である。なお、
図7では、光路を示すために光電変換部242が光学系241に対してずらして記載されているが、実際には
図4および
図5に示すように、光電変換部242は光学系241の直上に配置されている。
【0036】
第1光照射部230は、X軸方向に長尺な円柱形状の光源231を、同じくX軸方向に長尺であって中空の円筒支持部材232で周方向に覆った構成を具備している。円筒支持部材232にはY軸方向に延びるスリット2321(
図6)が回転テーブル210上の基板Wへ向けて開口しており、光源231から射出された光はスリット2321を介して基板Wに照射される。これによって、基板WにはX軸方向に延びる直線状に光が照射されることとなる。また、円筒支持部材232と光源231との隙間には、スリット2321の逆側から光源231を覆うように反射材2311が設けられている。これによって、光源231からスリット2321の逆向きに射出された光は、反射材2311でスリット2321へと反射される。その結果、スリット2321を通過する光量を増大させて、基板Wに照射される光量を十分に確保することが可能となっている。
【0037】
図5に示すように、光源231は、回転テーブル210上の基板Wの中心Cwに対して、Y軸方向の一方側に寄って配置されている。これに対して、光源231の他方端は、連結部233、連結管234および光ファイバ235を介してLED(Light Emitting Diode)に接続されている。より具体的には、連結管234の一方端が連結部233を介して光源231の端(他方端)に接続されている。また、連結管234の他方端が光ファイバ235を介してLED236に接続されている。したがって、LED236からの光が、光ファイバ235によって導光された後に、連結管234および連結部233を介して光源231に到達して、光源231から射出される。
【0038】
こうして、第1光照射部230から射出された光が、X軸方向に延びる直線状に基板Wに照射された後に第1撮像部240へと向かう。つまり、
図7の破線で示すように、第1光照射部230から射出された光は、回転テーブル210上の基板Wで正反射された後に、光学系241でさらに反射されて光電変換部242に入射する。ここで、光電変換部242に入射する光が基板Wで反射される領域を撮像領域Adとすると、撮像領域Adは、基板Wの端から中心Cwまでの範囲に重複する。この際、撮像領域Adは、基板Wの半径よりやや長い直線形状を有しており、基板Wの端から中心Cwまでの範囲Arの両側にはみ出している。なお、
図7では、撮像領域Adがこの範囲Arに対して基板中心Cw側にはみ出した範囲に符号ΔArが付されている。そして、このような撮像領域Adで反射された光が縮小されて、光電変換部242の受光部に結像される。こうして、第1撮像部240は撮像領域Ad内における1ライン分の基板Wの画像を撮像する。このプリアライメントユニット200では、回転テーブル210が1回転以上して停止するまでの間、次に説明するプリアライメント処理と並行して第1撮像部240が所定の回転角度毎に撮像した1ライン分の画像を順次画像処理ユニット400に送信する。
【0039】
また、プリアライメントユニット200は、プリアライメント処理を行うために、第2光照射部250、第2撮像部260および位置情報取得部270を有している。第2光照射部250は
図5に示すようにハロゲンランプなどの白色光源251、回転フィルタ部材252、フィルタ回転モータ253および光ファイバ254を備えている。回転フィルタ部材252は、フィルタ回転モータ253により回転駆動される回転板を有しており、当該回転板に対し、可視光を透過する可視光用フィルタ、赤外光を透過する赤外光用フィルタおよびいずれのフィルタも配置されていない透過窓が設けられている。そして、フィルタ回転モータ253により回転板を回転位置決めすることで、可視光用フィルタ、赤外光用フィルタおよび透過窓のいずれかが白色光源251と光ファイバ254の間に位置決めされる。この位置決め後に、白色光源251が点灯すると、フィルタ位置決め態様に応じた光が光ファイバ254の一方端に入射し、第2撮像部260に導光される。
【0040】
第2撮像部260は回転テーブル210上に水平に保持された基板Wの周縁上方の位置であって、鉛直線Lvに対してX軸方向の一方側の位置に配置される。第2撮像部260は、
図4に示すように鏡筒261、対物レンズ262およびCCDカメラ263を有している。そして、第2光照射部250から導光される光が鏡筒261および対物レンズ262を介して基板Wの表面の周縁部に落射して照明する。また、基板Wの表面で反射した反射光は対物レンズ262および鏡筒261を介してCCDカメラ263で受光され、当該周縁部の画像が撮像される。
【0041】
第2撮像部260で撮像された画像は位置情報取得部270に与えられる。位置情報取得部270は撮像された画像から基板Wの周縁部に形成されるノッチを認識する。そして、位置情報取得部270は、回転テーブル210が停止した時点でのノッチの回転角度を位置情報として取得し、搬送ユニット300に送信する。なお、位置情報を受け取った搬送ユニット300は、回転テーブル210から処理ステージ1に搬送するに際し、搬送ロボット301による回転テーブル210からの基板Wの受取、基板Wの搬送および処理ステージ1への基板Wの載置をコントロールして処理ステージ1に対して基板Wを位置決めする。このように、本実施形態では、プリアライメントユニット200で撮像された基板Wの周縁部の画像に基づき搬送ロボット301と協同してプリアライメント処理が実行される。もちろん、搬送ロボット301が回転テーブル210から基板Wを受け取る前に、位置情報取得部270で取得された位置情報に基づいてプリアライメントユニット200の回転テーブル210が回転して基板Wのプリアライメント処理を完了させてもよい。
【0042】
D.画像処理ユニット400
画像処理ユニット400は第1撮像部240の撮像結果に対して画像処理を実行するものであり、露光制御部6とともに電装ラック(図示省略)内に配置されている。画像処理ユニット400は、第1撮像部240から送信されてくる1ライン分の画像を順次受信することで、回転角度と回転中心からの距離(動径)を座標軸とする極座標系で表される基板表面の全面画像(
図8中の符号WI)を取得する。また、画像処理ユニット400は座標変換部410および配置情報取得部420を備えており、各部で以下の処理を実行する。
【0043】
座標変換部410は極座標系で示される全面画像をXY座標系で示される画像に変換する。なお、本実施形態では、従来周知の座標変換方法を用いているため、ここでは変換方法の説明については省略する。
【0044】
配置情報取得部420は、XY座標系で示される画像から基板Wの表面にマウントされている各半導体チップCPの形状を認識する。例えば半導体チップCPが矩形形状を有する場合、配置情報取得部420はチップ矩形を認識し、各半導体チップCPの中心座標および傾きを配置情報として求め、当該配置情報をデータ作成ユニット500に送信する。また、半導体チップCP上に形成された位置情報がわかっている2点以上のマークを認識し、配置情報を求めてもよい。
【0045】
E.データ作成ユニット500
データ作成ユニット500は、CPU(Central Processing Unit)や記憶部510等を有するコンピュータで構成されており、露光制御部6、画像処理ユニット400とともに電装ラック内に配置されている。また、データ作成ユニット500内のCPUが所定のプログラムに従って演算処理することにより、データ作成部520、アライメント座標導出部530およびラスタライズ部540が実現される。本実施形態では、矩形形状の半導体チップCPに重ね合わせて描画するパターンは外部のCAD等により生成されたベクトル形式の設計データで記述されており、その設計データがデータ作成ユニット500に入力されると、記憶部510に書き込まれて保存される。そして、データ作成部520が配置情報取得部420から受信した配置情報に基づいて設計データ511を補正して補正設計データを作成し、アライメント座標導出部530およびラスタライズ部540に送る。
【0046】
アライメント座標導出部530は上記補正設計データに含まれるグローバルアライメントマーク(
図8中の符号GM)の座標を導出し、露光制御部6に送信する。これを受けて露光制御部6はグローバルアライメント部5によるグローバルアライメント処理を実行する。
【0047】
ラスタライズ部540は、アライメント座標導出部530によるグローバルアライメントマークの座標導出処理および露光制御部6によるグローバルアライメント処理と並行して補正設計データをラスタライズしてランレングスデータ(描画データ)512を生成して記憶部510に保存する。そして、露光制御部6からのデータ要求に応じてランレングスデータ512が記憶部510から露光制御部6に出力され、当該ランレングスデータ512にしがたって半導体チップCPへのパターン描画が実行される。
【0048】
F.描画動作
次に、上記のように構成された描画装置によるパターン描画動作について
図8を参照しながら詳述する。
図8は
図1の描画装置によるパターンの描画動作を模式的に示す図である。なお、同図中の「PALユニット」はプリアライメントユニットの略称であり、「データ作成ユニット500」、「画像処理ユニット400」、「PALユニット200」および「露光ユニット100」で示す欄に記載された模式図は、それぞれデータ作成ユニット500、画像処理ユニット400、プリアライメントユニット200および露光ユニット100で実行される動作内容を模式的に示している。
【0049】
この描画装置では、搬送ロボット301がキャリア載置部604に載置されたキャリアCから複数の半導体チップCPがマウントされた基板Wを搬出し、プリアライメントユニット200の回転テーブル210に搬送する。すると、
図8中の「PALユニット200」の欄に示すように、回転テーブル210が少なくとも1回転以上回転する間に、第2撮像部260により撮像された画像(以下「周縁画像」という)に基づいて位置情報取得部270がノッチNTを識別し、当該ノッチNTの回転角度を位置情報として取得する。そして、プリアライメントユニット200は当該位置情報を搬送ユニット300に与え、搬送ロボット301は回転テーブル210から処理ステージ1基板Wを搬送する間に処理ステージ1に対して基板Wを位置決めする。これによって、処理ステージ1ではノッチNTがほぼ一定方向を向いた状態で位置決めされる。
【0050】
プリアライメントユニット200では、周縁画像の撮像と並行して、第1撮像部240は撮像した画像データを画像処理ユニット400に送信する。したがって、回転テーブル210が1回転した段階で画像処理ユニット400は極座標系で基板Wの全面画像WIを取得し、図示を省略する画像メモリに一時的に保存する。そして、上記のように搬送ロボット301によって基板Wを処理ステージ1に搬送するのと並行して画像処理ユニット400はXY変換処理および配置情報の取得処理を実行する。これらの処理のうちXY変換処理は従来より周知の方法により実行されるものであり、座標変換部410がXY変換処理を実行することによって、極座標系で示される全面画像WIがXY座標系で示される全面画像WIに変換される。そして、XY座標系の全面画像WIに基づいて配置情報取得部420が各半導体チップCPの形状(本実施形態では「矩形」)を認識し、各半導体チップCPの中心座標CCおよび傾きθを配置情報として求め、当該配置情報をデータ作成ユニット500に送信する。
【0051】
データ作成ユニット500は、各半導体チップCPの理想位置からのズレ量を求める。つまり、設計データ511には各半導体チップCPの中心座標CC0と傾きθ0に関する情報、つまりチップデータが含まれており、チップデータと配置情報(中心座標CC、傾きθ)と対比することでX座標のズレ量ΔX、Y座標のズレ量ΔYおよび角度のズレ量Δθが求められる。そして、データ作成ユニット500はズレ量を設計データ511に反映して座標補正および回転補正し、それら補正された設計データ(以下「補正設計データ」という)を記憶部510に一時的に記憶する。なお本実施形態では、設計データ511は、半導体装置や液晶装置のパターンを形成するCADデータであり、セル(GDSII規格ではSTRUCTUREに対応)と呼ばれる概念を用いたものである。このため、設計データ511では、定義したパターンのレイアウトを命令する「SREF」で各チップの配置を規定しているため、上記ズレ量に基づいてSREF命令中のX、Y、θのプロパティを変更するのみで補正設計データを得ることができる。したがって、設計データ511の補正を短時間で行うことが可能となっており、搬送ロボット301による基板Wの処理ステージ1への搬送と並行して補正設計データを得ることが可能となっている。
【0052】
データ作成ユニット500では、補正設計データが得られると、アライメント座標導出部530が補正設計データからグローバルアライメントマークGMの座標を導出し、露光ユニット100の露光制御部6に出力する。本実施形態では、予め4点のグローバルアライメントマークGMが設定されているが、グローバルアライメントマークGMの個数はこれに限定されるものではなく、任意の複数点を予め設定することができる。また、これに並行して、ラスタライズ部540は補正設計データのラスタライズ処理を開始する。このラスタライズ処理はグローバルアライメントマークGMの座標導出処理および次に説明する露光制御部6によるグローバルアライメント処理と並行して実行され、ランレングスデータ(描画データ)512を生成して記憶部510に保存する。
【0053】
グローバルアライメントマークGMの座標を受け取った露光制御部6はグローバルアライメント処理を行う。すなわち、アライメント座標導出部530から与えられるグローバルアライメントマークGMの座標情報に基づきステージ移動部2により処理ステージ1が第3撮像部51の直下位置に移動して各グローバルアライメントマークGMを順番に第3撮像部51の撮像可能位置に位置決めし、第3撮像部51によるマーク撮像が実行される(グローバル用アライメント計測)。この第3撮像部51から出力される画像信号はマーク位置計測部52により処理され、グローバルアライメントマークGMの処理ステージ1上の位置が正確に求められる。そして、これらの計測位置情報に基づき回転機構21が作動して処理ステージ1を鉛直軸回りに微小回転させて各チップCPへのパターン描画に適した向きにアライメント(位置合わせ)される。なお、処理ステージ1を光学ヘッド40a、40bの直下位置に移動させた後で当該アライメントを行ってもよい。
【0054】
グローバルアライメント処理が完了すると、露光制御部6はデータ作成ユニット500に対してデータ要求を行い、記憶部510から読み出されるランレングスデータ512ランレングスデータ512にしがたって半導体チップCPに対するパターン描画を行う。
【0055】
以上のように、本実施形態では、処理ステージ1上の基板Wに実装された半導体チップCPの位置を全て計測することなく、各チップCPにパターンを描画することが可能であり、パターン描画に要する時間を短縮することができる。また、プリアライメント処理と同時に全面画像WIを撮像しており、キャリアCからの基板Wの取出から当該基板W上の半導体チップCPにパターンを描画するまでの一連の処理を合理的に行うことができる。
【0056】
また、全面画像WIを撮像する処理を処理ステージ1と異なるプリアライメントユニット200で行っているため、次のような作用効果が得られる。まず、処理ステージ1で基板Wを保持した状態で全面画像WIの撮像からパターン露光までを一貫して行うことも可能であるが、この場合、以下の処理、
(a)全面画像WIを撮像する処理、
(b)全面画像WIに対する画像処理により配置情報を取得する処理、
(c)配置情報に基づき補正設計データを作成する処理、
(d)補正設計データで記述されるパターンと半導体チップCPとを位置合わせする処理、
(e)補正設計データに基づきパターンを半導体チップCPに露光する処理
をシリアルで行う必要がある。したがって、各処理に要する時間がそのままタクトタイムを構成する主要因となる。これに対し、本実施形態では処理(d)および処理(e)については処理ステージ1上に基板Wを載置した状態で実行するが、次に処理すべき基板Wに対する処理(a)については処理(d)や処理(e)を行っている間に並行して行うことができ、処理(b)あるいは処理(c)については処理ステージ1への基板Wの搬送中に並行して行うことができる。したがって、本実施形態によればタクトタイムを大幅に短縮することができる。
【0057】
また、処理ステージ1上に基板Wを載置した状態で全面画像WIを撮像するためには、第1光照射部230および第1撮像部240を処理ステージ1の上方位置に配置する必要がある。しかしながら、これらの構成が光学ヘッド40a、40bや第3撮像部51などの構成部品と干渉しないように装置設計することは事実上困難である。これに対し、本実施形態では全面画像WIの撮像をプリアライメントユニット200で行うように構成しているため、上記干渉の考慮が不要であり、装置の設計自由度を高めることができる。
【0058】
このように本実施形態では、半導体チップCPが本発明の「局所領域」に相当している。また、プリアライメントユニット200が本発明の「撮像手段」として機能しており、プリアライメントユニット200中の回転テーブル210が本発明の「回転部」に相当している。ノッチNTが本発明の「基板に予め形成されたマーク」に相当し、グローバルアライメントマークGMが本発明の「基準点」に相当する。
【0059】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では、プリアライメントユニット200を装備する描画装置に対して本発明を適用しているが、プリアライメントユニットを有さないものの処理ステージと異なる位置で全面画像を撮像する撮像部を有する描画装置、あるいは当該撮像部を追加装備する描画装置に対しても本発明を適用することができる。
【0060】
また、上記実施形態では、基板Wの表面にマウントされた半導体チップCPに対してパターンを描画する技術に対して本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、基板表面に既設されたパターンに対して別のパターンを描画する技術に対しても本発明を適用することができる。この場合、既設されたパターンが本発明の「局所領域」に相当する。
【0061】
さらに、上記実施形態では、プリアライメントユニット200から処理ステージ1への基板Wの搬送中に、配置情報を取得する処理(b)と、配置情報に基づき補正設計データを作成する処理(c)とを並行して行っているが、上記基板搬送中にいずれか一方の処理のみを実行するように構成してもよい。