(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の便座便蓋開閉装置は、1本の出力軸を備え、ケース内にこの出力軸を回転駆動するための一つの駆動系を備えるギヤードモータを2つ用意し、これら2つのギヤードモータを各出力軸が平行になるように隣接配置して連結したものと実質的に同一の構成を備えている。また、洋式便器の機種の中には、出力軸が1本のギヤードモータを2つ用い、一方のギヤードモータの出力軸を、便座および便蓋の回転中心線方向の一方側から便蓋に接続し、他方のギヤードモータの出力軸を便座および便蓋の回転中心線方向の他方側から便座に接続して、便蓋と便座の開閉を可能としているものがあるので、出力軸が1本のギヤードモータを隣接配置して連結して特許文献1の開閉装置の代替とすることができれば、出力軸が1本のギヤードモータを洋式便器の複数の機種において有効に利用することができ、洋式便器の製造コストを抑制できる。
【0005】
しかし、出力軸が1本のギヤードモータを隣接配置して連結するだけでは、互いのギヤードモータのケースが干渉し合って並列に配置された2本の出力軸の軸間距離を所望の距離とすることができないという問題がある。2本の出力軸の軸間距離を調整できなければ、予め2本の出力軸の間の距離が所望の距離とされて設計されている開閉装置の代替として、出力軸が1本のギヤードモータを隣接配置して連結した構成の便座便蓋開閉装置を用いることは難しい。
【0006】
ここで、2本の出力軸の軸間距離を接近させるために、2つの出力軸の間に新たな出力軸を設け、この出力軸に輪列などを用いて一方の出力軸に伝達されている回転を伝達し、他方の出力軸と新たな出力軸とを便座と便蓋に連結される2本の出力軸とすることが考えられる。しかし、この場合には、便座や便蓋が手動で開閉される際などに外部から加わる力によって、新たに設けた出力軸に傾きが発生することがないようにする必要がある。
【0007】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、同一のケースを備える2つのギヤードモータを連結して用いる際に一方のギヤードモータの出力軸と他方のギヤードモータの出力軸の軸間距離を接近させることが可能な便座便蓋開閉装置を提供することにある。また、2つの出力軸の軸間距離を接近させるために新たに設けた出力軸に傾きが発生することを防止できる便座便蓋開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の便座便蓋開閉装置は、
第1モータを駆動源として回転する第1出力歯車と、前記第1モータおよび前記第1出力歯車を収納する第1ケースとを備える第1ギヤードモータと、
第2モータを駆動源として回転する第2出力歯車と、前記第2モータおよび前記第2出力歯車を収納する第2ケースとを備える第2ギヤードモータと、
前記第1ケースの第1端面と前記第2ケースの第2端面とに架け渡されて前記第1ギヤードモータと前記第2ギヤードモータとを着脱可能に連結している連結ユニットと、
前記第1端面に設けられた第1開口から一部分が前記第1ケース内に挿入されて前記第1出力歯車に設けられた第1装着部に着脱可能に装着された出力軸と、を有し、
前記第1ケースは、前記第1ギヤードモータと前記第2ギヤードモータとの連結方向および前記出力軸の突出方向と交差する方向に離間する2つの第1ネジ固定部を備え、
前記第2ケースは、前記第1ケースと同一の部材であり、前記第1端面と対応する前記第2端面に前記第1開口と対応する第2開口を備えるとともに、前記第1ネジ固定部に対応する2つの第2ネジ固定部を備え、
前記第2出力歯車には、前記第1装着部と同一の構成の第2装着部が設けられており、
前記連結ユニットは、前記第2開口から前記第2ケース内に挿入されて前記第2装着部に着脱可能に装着されたユニット入力軸と、前記ユニット入力軸と平行で前記突出方向に延びるユニット出力軸と、前記ユニット入力軸の回転を前記ユニット出力軸に伝達するユニット輪列とを備え、
前記出力軸は、便蓋および便座の一方を回転させるための軸であり、
前記ユニット出力軸は、前記便蓋および前記便座の他方を回転させるための軸であり、
前記連結ユニットは、2つの前記第1ネジ固定部および2つの前記第2ネジ固定部のうちの少なくとも3つのネジ固定部にネジ止め固定されていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、第1ギヤードモータと第2ギヤードモータを連結する連結ユニットが、第2のギヤードモータの出力歯車に装着されるユニット入力軸と、ユニット入力軸と平行でユニット入力軸の駆動力が伝達されるユニット出力軸を備えている。従って、連結ユニットを用いて第1ギヤードモータと第2ギヤードモータを連結して2つの駆動源と2本の出力軸を備える便座便蓋開閉装置を構成したときに、第1ギヤードモータの第1出力軸に装着された出力軸と連結ユニットのユニット出力軸とを2本の出力軸のそれぞれとすることができる。この結果、第1ギヤードモータと第2ギヤードモータを連結して2つの駆動源と2本の出力軸を備える便座便蓋開閉装置を構成する際に、第1ギヤードモータの第1出力歯車に装着された出力軸と第2ギヤードモータの第2出力歯車に装着された出力軸を2本の出力軸のそれぞれとした場合と比較して、2本の出力軸の軸間距離を短くすることができる。また、連結ユニットは第1ギヤードモータおよび第2ギヤードモータに対して着脱可能とされているので、連結ユニットを取り外した後に、第2ギヤードモータの出力歯車に出力軸を装着すれば、第1ギヤードモータおよび第2ギヤードモータのそれぞれを単体として用いることができる。さらに、第1ギヤードモータおよび第2ギヤードモータのそれぞれを単体として利用する場合には、これらのギヤードモータの間でケースが共通のものなっており部品点数が削減されているので、装置の製造コストを抑制できる。
【0010】
また、本発明では、第1、第2ケースには第1ギヤードモータと第2ギヤードモータの連結方向および出力軸の突出方向と交差する方向に離間する位置に2つのネジ固定部(第1ネジ固定部および2つの第2ネジ固定部)が設けられており、連結ユニットは、これらのネジ固定部のうちの少なくとも3つのネジ固定部にネジ止め固定されている。従って、便座や便蓋の開閉に際してユニット出力軸にその軸線と交差する方向から力が加わった場合でも、第1ケースおよび第2ケースにネジ止め固定された連結ユニットの姿勢が変動することがなく、ユニット出力軸に傾斜が発生することがない。
【0011】
この場合において、前記連結ユニットを前記第1ケースおよび前記第2ケースに固定する複数のユニット固定用有頭ネジを有し、前記連結ユニットは、前記ユニット輪列を収納するとともに、前記ユニット入力軸を回転可能に支持する入力側軸受および前記ユニット出力軸を回転可能に支持する出力側軸受を有するユニットケースを備え、前記ユニットケースは、前記突出方向で前記ユニット輪列を間に挟んだ一方側ケース部分および他方側ケース部分と、前記突出方向に延びて前記一方側ケース部分および前記他方側ケース部分の間を連続させている環状の側壁部分を備え、前記一方側ケース部分は、前記第1端面および前記第2端面に密着可能な取付面と、当該取付面に形成され前記ユニット入力軸を外側に突出させている入力側開口と、を備え、前記複数のユニット固定用有頭ネジのうちの第1ネジは、前記他方側ケース部分、前記側壁部分および前記一方側ケース部分を貫通して前記第1端面に設けられた前記第1ネジ固定部に捻じ込まれ、前記複数のユニット固定用有頭ネジのうちの第2ネジは、前記他方側ケース部分、前記側壁部分および前記一方側ケース部分を貫通して前記第2端面に設けられた前記第2ネジ固定部に捻じ込まれていることが望ましい。このようにすれば、ユニット出力軸にユニット出力軸の軸線と交差する方向から力が加わった場合に、その力をユニットケースの側壁部分で受け止めることができる。また、取付面と第1ケースの第1端面および第2ケースの第2端面との密着により、連結ユニットの姿勢が変動することがなく、ユニット出力軸に傾斜が発生することがない。
【0012】
本発明において、前記第1ケースにおいて前記突出方向で前記連結ユニットとは反対側に位置する第3端面と前記第2ケースにおいて前記連結ユニットとは反対側に位置する第4端面との間に架け渡されて前記第1ギヤードモータと前記第2ギヤードモータとを着脱可能に連結している連結部材を有することが望ましい。このような連結部材によって連結ユニットとは反対側から第1ギヤードモータと第2ギヤードモータを連結すれば、ギヤードモータ同士の連結が確実なものとなる。従って、出力軸やユニット出力軸にユニット出力軸の軸線と交差する方向から力が加わった場合に、その力によって第1ギヤードモータと第2ギヤードモータの連結が外れてしまうことを防止できる。
【0013】
この場合において、前記第1ケースは、前記第3端面の前記連結方向の両端部分を当該連結方向の外側から切り欠いて設けた2つの第1段部を備え、前記第2ケースは、前記第4端面に前記第1段部に対応する2つの第2段部を備え、前記連結部材は、前記連結方向で隣接配置された前記第1段部と前記第2段部に架け渡されており、前記連結部材の前記突出方向における厚さ寸法は、前記第1段部の前記突出方向における深さ寸法よりも短いことが望ましい。このようにすれば、連結部材が第3端面および第4端面から突出しない。従って、ギヤードモーターユニットを便器本体に搭載する際に、連結部材が搭載位置にある他の部材と干渉することがない。
【0014】
本発明において、前記第1ケースおよび前記第2ケースのそれぞれは、前記突出方向に積層された第1積層ケースおよび第2積層ケースを備え、前記第1ケースの前記第1積層ケースは、前記第1端面を備え、前記第2ケースの前記第1積層ケースは、前記第2端面を備え、前記第2積層ケースは、前記連結ユニットと前記第1積層ケースによって部分的に挟持される被挟持部を備えており、前記複数のユニット固定用有頭ネジのうちの第3ネジは、前記被挟持部を貫通して前記第1積層ケースに設けられた第3ネジ固定部に捻じ込まれていることが望ましい。このようにすれば、連結ユニットを第1積層ケースと第2積層ケースの固定に利用できる。
【0015】
この場合において、連結ユニットと第1積層ケースで被挟持部を挟持するためには、前記ユニットケースは、前記連結方向および前記突出方向と交差する方向に突出する突出部を備えており、前記第2積層ケースの前記被挟持部は、前記突出部と前記第1積層ケースによって挟持されている構成を採用することができる。
【0016】
本発明において、前記第1ケースは、前記連結方向で対向しており、前記第1端面と直交する方向に延びる平坦な一対の第1側面部分を備えており、前記第2ケースは、前記一対の第1側面部分に対応する一対の第2側面部分を備えており、前記第1ギヤードモータと前記第2ギヤードモータは、前記一対の第1側面部分の一方と前記一対の第2側面部分の他方とを当接させた状態で連結されていることが望ましい。このようにすれば、第1ギヤードモータと第2ギヤードモータを隣接配置して連結することが可能であり、第1側面部分と第2側面部分の密着によって第1ギヤードモータと第2ギヤードモータの連結が確実なものとなる。
【0017】
本発明において、前記第1ギヤードモータと前記第2ギヤードモータとは、同一の構成を備えているものとすることができる。すなわち、同一のギヤードモータを2つ用いて、2つの駆動源と各駆動源によってそれぞれ駆動される2本の出力軸を備える便座便蓋開閉装置を構成することができる。このようにすれば、一つの駆動源と1本の出力軸を備えるギヤードモータと、2つの駆動源と2本の出力軸を備えるギヤードモータとの間で共通の部品を用いることができるので、製造コストを抑制できる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、一つの駆動源と1本の出力軸を備えるギヤードモータと、2つの駆動源と2本の出力軸を備えるギヤードモータとの間で共通の部品を用いることができるので、製造コストを抑制できる。また、連結ユニットを用いて第1ギヤードモータと第2ギヤードモータを連結して2つの駆動源と2本の出力軸を備える便座便蓋開閉装置を構成したときに、第1ギヤードモータの第1出力軸に装着された出力軸と連結ユニットのユニット出力軸を2本の出力軸のそれぞれとすることができ、2本の出力軸の軸間距離を短くすることができる。さらに、便座や便蓋の開閉に際してユニット出力軸にその軸線と交差する方向から力が加わった場合でも、第1ケースおよび第2ケースにネジ止め固定された連結ユニットの姿勢が変動することがなく、ユニット出力軸に傾斜が発生することがない。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照して本発明の実施の形態の便座便蓋開閉装置を説明する。以下の説明では、出力軸の軸線方向をZ方向とし、第1ギヤードモータと第2ギヤードモータの連結方向をY方向とし、Z方向およびY方向に直交する方向X方向とする。また、説明の便宜上、Z方向において出力軸の突出方向を上側(上方)、その反対側を下側(下方)とし、X方向において出力軸が配置されている端部側を前側(前方)、その反対側を後側(後方)として説明する。
【0021】
(便座便蓋開閉装置)
図1(a)は本発明の便座便蓋開閉装置を後方の上側から見た場合の斜視図であり、
図1(b)は前方の下側から見た場合の斜視図である。
図2は便座便蓋開閉装置を上側から見た場合の平面図である。
図1(a)、
図2に示すように、本例の便座便蓋開閉装置10は、第1ギヤードモータ1と、第2ギヤードモータ2を備えている。第1ギヤードモータ1には出力軸3が装着されている。出力軸3は第1ギヤードモータ1の前端部分から上方に突出している。第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2は連結ユニット4によって着脱可能に連結されている。連結ユニット4からはZ方向にユニット出力軸5が突出している。ユニット出力軸5は出力軸3の突出方向と同一方向に突出している。すなわち、ユニット出力軸5の突出方向は、出力軸3の軸線L方向の上方である。
【0022】
図1(b)に示すように、第1ギヤードモータ1の下端面(第3端面)1aおよび第2ギヤードモータ2の下端面(第4端面)2aには、X方向の中央部分におけるY方向の両端に連結部6、7が設けられている。隣接配置された第1ギヤードモータ1の連結部(第1段部)6と第2ギヤードモータ2の連結部(第2段部)7の間には連結部材8が架け渡されており、ネジ止め固定されている。
【0023】
便座便蓋開閉装置10において、第1ギヤードモータ1に装着された出力軸3は洋式便器の便座を開閉するためのものであり、連結ユニット4から突出するユニット出力軸5は便蓋を開閉するためのものである。すなわち、便座便蓋開閉装置10は、ユニット出力軸5と出力軸3が上下に位置する姿勢とされ、出力軸3が便座に連結され、ユニット出力軸5が便蓋に連結された状態で洋式便器の便器本体に搭載される。便座および便蓋を連結する際に、便座側および便蓋側の部材と第1ギヤードモータ1および第2ギヤードモータ2が干渉することがないように、出力軸3およびユニット出力軸5は便座便蓋開閉装置10の前端部分に配置されている。
【0024】
ここで、第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2とは同一の構成を備えている。従って、連結ユニット4および連結部材8を取り外して第2ギヤードモータ2に出力軸3と同一の出力軸3を装着すれば、第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2は、それぞれを単体で使用することができる。
【0025】
(第1ギヤードモータ)
図3(a)は出力軸3を装着した第1ギヤードモータ1を後方の上側から見た場合の斜視図であり、
図3(b)は出力軸3を装着した第1ギヤードモータ1を後方の下側から見た場合の斜視図である。
図3(a)に示すように、第1ギヤードモータ1は前端部分に出力軸3を突出させる開口11(第1開口)を有するケース(第1ケース)12を備えている。出力軸3は開口11を介してケース12内に挿入されており、後述する出力歯車13に着脱可能に装着されている。ケース12の上面のX方向の途中位置には、ケース12をY方向に横断する帯状の凹部14が設けられている。
【0026】
凹部14の底面は軸線Lと直交する平面を備えている。また、凹部14におけるY方向の一方の端縁部分には、段部15が設けられている。段部15の底面にはネジ止め用貫通孔16が形成されている。凹部14よりも前側のケース12の前側部分には、出力軸3の軸線Lと直交するユニット載置面(第1端面)17が設けられている。ユニット載置面17には連結ユニット4をネジ止め固定するためのネジ穴からなるネジ固定部(第1ネジ固定部)18が設けられている。ネジ止め用貫通孔16とネジ固定部18は、X方向で離間した位置にある。
【0027】
ケース12の上面の外周縁から下方に延びて第1ギヤードモータ1の下端面1aに連続している側面は、Z方向に延びており、X方向に沿って互いに平行な一対の第1側面部分(第1側面部分)21と第2側面部分(第1側面部分)22を備えている。また、Z方向に延びており、一対の第1、第2側面部分21、22の前端を接続している第3側面部分23と、一対の第1、第2側面部分21、22の後端を接続している第4側面部分24を備えている。第3側面部分23をZ方向から見た場合の形状は湾曲しており、前方に向かって第1側面部分21および第2側面部分22から離れるのに伴って先細りとなっている。第4側面部分24は、Z方向およびY方向に沿って延びる平坦面を備えている。開口11は第3側面部分23の内周側に位置している。
【0028】
図3(b)に示すように、ケース12の下端面1aは平坦面となっている。連結部6は下端面1aにおいて第1側面部分21および第2側面部分22の下端となっている一対の平行な縁部に設けられている。各連結部6は下端面1a、2aをY方向の外側から切り欠いて設けられた切り欠き段部である。各連結部6には連結部材固定用ネジ穴25が設けられている。
【0029】
ここで、ケース12は、Z方向の下側からこの順番で積層された下ケース26、中ケース(第1積層ケース)27および上ケース(第2積層ケース)28を備えている。下ケース26の下端面は第1ギヤードモータ1の下端面1aとなっている。中ケース27は、前端部分に上方に突出する突出部分29を備えており、突出部分29の上端面はユニット載置面17とされている。
【0030】
上ケース28は、中ケース27における突出部分29の後方に載置されている。上ケース28は前端部分に前方およびY方向の外側から切り欠かれた形状の段部30を備えている。上ケース28が中ケース27に積載された状態では、中ケース27の突出部分29の後端面と段部30によって凹部14が形成されている。上ケース28における段部30のY方向の一方側にネジ止め用貫通孔16を備える段部15が設けられている。
【0031】
上ケース28における段部30のY方向の他方側には前方に突出する突出部31が設けられている。突出部31にはネジ止め用段部32が形成されている。また、上ケース28における段部15よりも後側部分の外周縁にも、2箇所にネジ止め用段部32が設けられている。各ネジ止め用段部32の底面には、
図4に示すように、ネジ止め用貫通孔33が設けられている。
【0032】
上ケース28、中ケース27および下ケース26は、
図4に示すように、上ケース28および中ケース27を貫通して下ケース26に到達する3本のケース固定用有頭ネジ35によってネジ止め固定されている。より詳細には、中ケース27において上ケース28の各ネジ止め用貫通孔33に対応する位置にはネジ止め用貫通孔36が設けられており、下ケース26において中ケース27のネジ止め用貫通孔36に対応する位置にはネジ穴からなるネジ固定部(不図示)が設けられており、3本のケース固定用有頭ネジ35のそれぞれは、上ケース28のネジ止め用貫通孔33および中ケース27の第1ネジ止め用貫通孔36を貫通して下ケース26のネジ固定部のネジ穴に捻じ込まれている。
【0033】
また、後述するように、上ケース28は、段部30と段部30から前方に突出する突出部31が連結ユニット4と中ケース27によって挟持される被挟持部38となっている。すなわち、ユニット固定用有頭ネジ40によって、連結ユニット4を第1ギヤードモータ1に固定する際に、上ケース28の被挟持部38が連結ユニット4と中ケース27に挟まれる。ここで、ユニット固定用有頭ネジ40は、連結ユニット4を貫通し、段部30の段部15に設けられたネジ止め用貫通孔16を貫通し、さらに、中ケース27においてこのネジ止め用貫通孔16と対応する位置に設けられたネジ止め用貫通孔41(
図4参照)を貫通し、下ケース26においてこのネジ止め用貫通孔41と対応する位置に設けられたネジ固定部43にネジ止めされる(
図10参照)。
【0034】
(第1ギヤードモータの駆動系)
図5は第1ギヤードモータ1から出力軸3を駆動する駆動系を取り出して示した斜視図である。
図5(a)では駆動系を上方から見ており、
図5(b)では駆動系を下方から見ている。
図5では、各歯車の噛合関係を分かり易くするために、一部の歯車の歯部を2点鎖線で省略している。また、コイルバネを筒状に示してある。
【0035】
図5に示すように、ケース12内には、出力軸3の駆動源となるモータ45、出力歯車(第1出力歯車)13、第1モータ45の駆動力を減速して出力歯車13に伝達する輪列46、出力軸3の回転角度位置を検出するための回転角度検出機構47が収納されている。また、ケース12内には、出力軸3による便座の駆動をアシストする付勢力を発揮するアシストバネ48と、便座を平伏姿勢の閉じ位置から起立姿勢の開き位置に回動させて開いたときに、便座が自重で閉じ位置に戻ることを防止するための自立保持機構49が配置されている。
図4に示すように、モータ45はケース12の後端部分に収納されており、出力歯車13はケース12の前端側部分に収納されている。
【0036】
モータ45は、ブラシ付きDCモータである。モータ45には配線51を介して外部の制御装置(不図示)から電力が供給される。供給される電力の極性を第1極性から当該第1極性とは反対の第2極性に反転させると、モータ45の回転方向は第1方向から当該第1方向とは逆の第2方向に逆転する。モータ45の回転方向が逆転すると、この逆転に伴って、出力歯車13の回転方向が逆転するので、出力軸3の回転方向が逆となる。
【0037】
出力歯車13は支軸52に回転可能に支持されている。支軸52の下端は下ケース26に固定されている。出力歯車13は外周面に歯部を備える歯車部53と、歯車部53よりも小径で歯車部53と同軸に形成された筒部(第1装着部)54を備えている。筒部54の中心孔は出力軸3の下端部分が挿入される装着孔となっている。出力歯車13は、筒部54がケース12の開口11と同軸上に位置するように配置されており、開口11を介して出力軸3の下端部分が装着孔に挿入されると、出力軸3は出力歯車13と一体に回転する状態となる。
【0038】
輪列46は、モータ45の回転軸に取り付けられたピニオン60、ピニオン60と噛合する第1複合歯車61、第1複合歯車61と噛合する第2複合歯車62、第2複合歯車62と噛合する第3複合歯車63、第3複合歯車63と噛合する第4複合歯車64を備えている。第4複合歯車64は出力歯車13と噛合している。
【0039】
より具体的には、第1複合歯車61は、第1大径歯車部61aと第1大径歯車部61aよりも小径で第1大径歯車部61aと同軸に設けられた第1小径歯車部61bを備えており、第1大径歯車部61aがピニオン60と噛合している。第2複合歯車62は、第2大径歯車部62aと第2大径歯車部62aよりも小径で第2大径歯車部62aと同軸に設けられた第2小径歯車部62bを備えており、第2大径歯車部62aが第1複合歯車61の第1小径歯車部61bと噛合している。第3複合歯車63は、第3大径歯車部63aと第3大径歯車部63aよりも小径で第3大径歯車部63aと同軸に設けられた第3小径歯車部63bを備えており、第3大径歯車部63aが第2複合歯車62の第2小径歯車部62bと噛合している。第4複合歯車64は、第4大径歯車部64aと第4大径歯車部64aよりも小径で第4大径歯車部64aと同軸に設けられた第4小径歯車部64bを備えており、第4大径歯車部64aが第3複合歯車63の第3小径歯車部63bと噛合し、第4小径歯車部64bが出力歯車13と噛合している。
【0040】
第1複合歯車61は第1支軸65に回転可能に支持されており、第2複合歯車62は第2支軸66に回転可能に支持されている。第3複合歯車63は第3支軸67に回転可能に支持されており、第4複合歯車64は第4支軸68に回転可能に支持されている。第1支軸65は、中ケース27において軸線Lと交差する方向に延びている中間板70に設けられた貫通孔71を貫通して上下方向に延びており(
図4参照)、下端が下ケース26に支持され、上端が上ケース28に支持されている。なお、第1複合歯車61は、第1大径歯車部61aが中間板70の上方に配置され、第1小径歯車部61bが貫通孔71を介して下ケース26の側に突出している。第2支軸66、第3支軸67および第4支軸68は下端が下ケース26に支持されており、上端が中ケース27の中間板70に支持されている。第2複合歯車62の第3大径歯車部63aにはラチェットを用いたトルクリミッタが組み込まれている。トルクリミッタは、出力軸3の側から作用する力が出力歯車13を介して輪列46に入力され、所定のトルクを超えたときに、輪列46の伝達を遮断することでその力がモータ45にまで伝達されることを防止するものである。
【0041】
回転角度検出機構47はポテンショ歯車75とポテンショ歯車75の回転角度を検出するポテンショメータ76を備えている。ポテンショメータ76は、
図4に示すように、中ケース27の中間板70の上側に載置されている。ここで、中間板70には下ケース26の側と上ケース28の側とを連通させる開口77が設けられており、この開口77からは、出力歯車13と噛合する第4複合歯車64の第4小径歯車部64bの上端の周方向の一部分が露出している。ポテンショ歯車75は、この開口77を介して第4複合歯車64の第4小径歯車部64bと噛合している。ポテンショメータ76からはポテンショ歯車75の回転角度に対応する信号が出力される。
【0042】
アシストバネ48は、出力歯車13の筒部54の外周側(出力軸3の外周側)に配置されている。アシストバネ48は同軸に配置された2本のコイルバネからなる。各コイルバネの一方の端は径方向の外側に突出しており、中ケース27の突出部分29の内壁面に固定されている。各コイルバネの他方の端は、軸線L方向の下方に突出しており、出力歯車13の歯車部53の筒部54の側の環状端面に固定されている。アシストバネ48は、出力歯車13(出力軸3)の軸線L回りの一方向への回転に伴って径が変化して蓄勢して、出力軸3を他方向に回転させる付勢力を発揮する。
【0043】
自立保持機構49は、出力軸3に付与されるトルクが予め設定した設定トルクよりも小さい場合に、出力軸3を予め定めた角度位置で停止した状態に保持する。自立保持機構49は、歯車部53の内周側に構成されており、その下端部分が歯車部53から突出している。
【0044】
(第2ギヤードモータ)
第2ギヤードモータ2は、第1ギヤードモータ1と同一の構成を備えている。すなわち、Z方向に積層された下ケース26、中ケース27(第1積層ケース)および上ケース(第2積層ケース)28からなるケース(第2ケース)12を備えている。ケース12の上面にはY方向に横断する凹部14が設けられており、凹部14の前側の中ケース27の突出部分29に開口(第2開口)11とユニット載置面(第2端面)17を備える。ユニット載置面17にはネジ固定部(第2ネジ固定部)18が設けられている。凹部14の段部15にはネジ止め用貫通孔16が設けられており、下ケース26においてネジ止め用貫通孔16と対応する位置にはネジ固定部43が設けられている。
【0045】
また、第2ギヤードモータ2のケース12の側面は、Z方向に延びて互いに平行な一対の第1、第2側面部分(第2側面部分)21、22、第1、第2側面部分21、22の前端を連結する第3側面部分23、および、第1、第2側面部分21、22の後端を連結する第4側面部分24を備えている。ケース12の下端面2aにおいて第1側面部分21および第2側面部分22の下端となっている一対の平行な縁部にはそれぞれ連結部材固定用ネジ穴25を備える連結部7が設けられている。
【0046】
また、ケース12内には、
図5に示すように、モータ45、出力歯車(第2出力歯車)13、第1モータ45の駆動力を出力歯車13に伝達する輪列46、回転角度検出機構47、アシストバネ48、および、自立保持機構49が収納されている。出力歯車13は外周面に歯部を備える歯車部53と、歯車部53よりも小径で歯車部53と同軸に形成された筒部(第2装着部)54を備えている
【0047】
ここで、
図1に示すように、第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2は、それぞれの開口11を同一の方向に向けた状態で隣接配置されている。より詳細には、第1ギヤードモータ1の第1側面部分21と第2ギヤードモータ2の第2側面部分22を当接させ、第1ギヤードモータ1のユニット載置面17と第2ギヤードモータ2のユニット載置面17を同じ高さ位置に位置させている。また、第1ギヤードモータ1の第4側面部分24と第2ギヤードモータ2の第4側面部分24を同一平面上に位置させ、第1ギヤードモータ1の下端面1aと第2ギヤードモータ2の下端面2aを同一平面上に位置させて配置されている。
【0048】
(連結ユニット)
図6、
図7を参照して連結ユニット4を説明する。
図6(a)は連結ユニット4を後方の上側から見た場合の斜視図であり、
図6(b)は後方の下側から見た場合の斜視図である。
図7は連結ユニット4の分解斜視図である。
【0049】
連結ユニット4は、ユニットケース81と、下端側部分がユニットケース81から下方に突出しているユニット入力軸82、上端側部分がユニットケース81から上方に突出しているユニット出力軸5、ユニットケース81に収納されているユニット輪列83を備えている。ユニット入力軸82は下端部分が第2ギヤードモータ2の出力歯車13の筒部54に装着される。これによりユニット入力軸82は出力歯車13と一体回転可能となる。ユニット輪列83は、第2ギヤードモータ2の出力歯車13から伝達されるユニット入力軸82の回転をユニット出力軸5に伝達する。
【0050】
図7に示すように、ユニット輪列83はユニット入力軸82の上端部分に同軸に形成された入力軸側歯車部84と、ユニット出力軸5の下端部分に形成されて入力軸側歯車部84と噛合している出力軸側歯車部85からなる。ユニット入力軸82の上端面には軸線L方向の下方に向かって窪む円形凹部84aが入力側歯車部84と同軸に設けられている。ユニット出力軸5の下面には、軸線L方向の上方に向かって窪む円形凹部85aが出力軸側歯車部85と同軸に設けられている。
【0051】
ユニットケース81は、Z方向で積層されたユニット下ケース87とユニット上ケース(他方側ケース部分)88を備えている。ユニット下ケース87は、下端面が平坦な取付面87aとなっている底板部(一方側ケース部分)89と、底板部89からZ方向の上方に延びる環状の側壁部(側壁部分)90を備えている。ユニット下ケース87には、底板部89と側壁部90によってユニット輪列83が収納される凹部91が形成されている。凹部91の底面のY方向の一方側には、ユニット入力軸82を下方に突出させる開口(入力側開口)92が設けられている。凹部91の底面のY方向の他方側には、Z方向を上方に延びる円柱部(出力側軸受)93が設けられている。円柱部93はユニット出力軸5の軸受部であり、ユニット出力軸5の円形凹部85aに挿入されてユニット出力軸5を回転可能に支持する。
【0052】
ユニット上ケース88は、凹部91を上方から被うようにユニット下ケース87に被せられている。ユニット上ケース88において、ユニット下ケース87の円柱部93と対向する位置には、円柱部93と同軸にユニット出力軸5を上方に突出させる開口94が設けられている。ユニット上ケース88において、ユニット下ケース87の開口92に対応する位置には、Z方向を上方に延びる円柱部(入力側軸受)95が開口92と同軸に設けられている。円柱部95はユニット入力軸82の軸受部であり、ユニット入力軸82の円形凹部84aに挿入されてユニット入力軸82を回転可能に支持する。
【0053】
ユニットケース81において、凹部91をY方向で間に挟む両側には、ユニット貫通孔96が設けられている。ユニット貫通孔96はユニット上ケース88を貫通する上ケース孔96aと、ユニット下ケース87の側壁部90および底板部89を上ケース孔96aと同軸に貫通する下ケース孔96bから形成されている(
図10参照)。
【0054】
ユニット下ケース87の下端部分からは、
図6に示すように、後方に向かって一定厚さの板部(突出部)98が突出している。板部98の上面には、上方に突出して側壁部90の外周面に連続している4本のリブ99がY方向に等間隔で形成されている。板部98のY方向の一方端部分であってリブ99の外側、および、板部98のY方向の他方の端側部分であって2本のリブ99の間には、それぞれ板部貫通孔100が形成されている。板部98の下面は、取付面87aよりも下方に突出しており、取付面87aと板部98の下面との間には段部101が形成されている。段部101と重なる位置におけるY方向の両端部分には突起102が形成されており、各板部貫通孔100は各突起102を貫通している。
【0055】
(連結部材)
図8は連結部材8の斜視図である。連結部材8は一定厚さの平板であり、隣接する2つの貫通孔105を備えている。連結部材8の厚さ寸法は、連結部6、7(段部)の深さ寸法よりも短い。また、連結部材8の形状は、第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2とを並列に並べたときに隣接する2つの連結部6、7によって形成される凹部に嵌合する形状をしている。
【0056】
(第1ギヤードモータと第2ギヤードモータの連結)
図9は連結ユニット4による第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2の連結の説明図である。
図10は
図2のA−A´線における断面図である。
図11は連結部材8による第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2の連結の説明図である。
図9に示すように、連結ユニット4は4本のユニット固定用有頭ネジ40によって第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2にネジ止め固定されて、第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2を連結する。
【0057】
より具体的には、第1のユニット固定用有頭ネジ40は、連結ユニット4のユニット貫通孔96を貫通して第1ギヤードモータ1のユニット載置面17に形成されたネジ固定部18にネジ込まれる。第2のユニット固定用有頭ネジ40は、連結ユニット4のユニット貫通孔96を貫通して第2ギヤードモータ2のユニット載置面17に形成されたネジ固定部18にネジ込まれる。
【0058】
第3のユニット固定用有頭ネジ40は、連結ユニット4の板部98に形成された板部貫通孔100を貫通し、第1ギヤードモータ1のケース12の凹部14に設けられたネジ止め用貫通孔16を貫通して、下ケース26に設けられたネジ固定部43にネジ込まれる。第4のユニット固定用有頭ネジ40は、連結ユニット4の板部98に形成された板部貫通孔100を貫通し、第2ギヤードモータ2のケース12の凹部14に設けられたネジ止め用貫通孔16を貫通して、下ケース26に設けられたネジ固定部43にネジ込まれる。
【0059】
ここで、第3のユニット固定用有頭ネジ40および第4のユニット固定用有頭ネジ40は、
図10に示すように、板部貫通孔100から凹部14の段部15に設けられたネジ止め用貫通孔16を貫通し、さらに、中ケース27においてこのネジ止め用貫通孔16と対応する位置に設けられたネジ止め用貫通孔41を貫通し、下ケース26においてこのネジ止め用貫通孔41と対応する位置に設けられたネジ固定部43にネジ止めされている。中ケース27のネジ止め用貫通孔41は、
図4に示すように、中ケース27において、第3側面部分23を構成している外周壁の内側にZ方向に延びるように設けられたリブ42に形成された貫通孔である。また、下ケース26のネジ固定部43は、下ケース26において、第3側面部分23を構成している外周壁の内側にZ方向に延びるように設けられたリブ44に形成されたネジ穴である。下ケース26のリブ44と中ケース27のリブ42とは軸線L方向から見たときに重なっている。ここで、ネジ止め用貫通孔41をネジ穴としてネジ固定部(第3のネジ固定部)としてもよい。
【0060】
なお、下ケース26の下端面(第1ギヤードモータ1のケース12の下端面1aおよび第2ギヤードモータ2のケース12の下端面2a)には、便座便蓋開閉装置10を便器本体に搭載する際にネジ止め固定用に用いられる取り付けネジ穴26aが設けられている。取り付けネジ穴26aは、下ケース26のリブ44に、ネジ固定部43と同軸に形成されている。
【0061】
第1、第2のユニット固定用有頭ネジ40がネジ固定部18にネジ込まれ、第3、第4のユニット固定用有頭ネジ40がネジ固定部43にネジ込まれると、第2ギヤードモータ2の上ケース28の被挟持部38が連結ユニット4と中ケース27で挟まれた状態となり、連結ユニット4の取付面87aは各ギヤードモータ1、2のユニット載置面17に密着した状態となる。また、板部98は各ギヤードモータ1、2の凹部91に嵌合した状態となり、ユニットケース81の下面の2つの突起102が第1ケース12の凹部91の段部15および第2ケース12の凹部91の段部15にそれぞれ嵌合した状態となる。
【0062】
次に、
図11に示すように、第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2とを配列したときにY方向に互いに隣接する2つの連結部6、7に連結部材8を挿入する。そして、2本の連結部材固定用有頭ネジ106を用いて、一方を、連結部材8の貫通孔105を介して第1ギヤードモータ1の連結部6の連結部材固定用ネジ穴25に捻じ込み、他方を連結部材8の貫通孔105を介して第2ギヤードモータ2の連結部7の連結部材固定用ネジ穴25に捻じ込む。これにより、連結部材8は2つの連結部6、7により形成された凹部内に収納された状態で第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2を連結する。
【0063】
ここで、第1、第2ケース12には第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2の連結方向および出力軸3の突出方向と交差する方向に離間する位置に2つのネジ固定部(ユニット載置面17に形成されたネジ固定部18、および、下ケース26に設けられたネジ固定部43)が設けられており、連結ユニット4は、これらのネジ固定部18、43にネジ止め固定されている。従って、便座や便蓋の開閉に際してユニット出力軸5にその軸線Lと交差する方向(X方向およびY方向)から力が加わった場合でも、第1ケース12および第2ケース12にネジ止め固定された連結ユニット4の姿勢が変動することがなく、ユニット出力軸5に傾斜が発生することがない。
【0064】
また、4本のユニット固定用有頭ネジ40のうちの2本は、
図10に示すように、ユニット上ケース88を貫通する上ケース孔96a、ユニット下ケース87の側壁部90および底板部89を貫通する下ケース孔96bから形成されたユニット貫通孔96を貫通して各ケース12のネジ固定部18に捻じ込まれている。従って、ユニット出力軸5にユニット出力軸5の軸線Lと交差する方向(X方向およびY方向)から力が加わった場合に、その力をユニットケース81の側壁部90で受け止めることができる。
【0065】
さらに、ユニットケース81の取付面87aと第1ケース12のユニット載置面17および第2ケース12のユニット載置面17が密着しているので、連結ユニット4の姿勢が変動することがなく、ユニット出力軸5に傾斜が発生することがない。
【0066】
また、本例では、ケースの上ケース28を、連結ユニット4と中ケース27で挟み、被挟持部38にユニット固定用有頭ネジ40を貫通させてこれらをネジ止め固定している。すなわち、連結ユニット4を上ケース28と中ケース27の固定に利用できる。
【0067】
さらに、本例では、連結部材8によって、連結ユニット4とは反対側から第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2を連結しているので、第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2の連結が確実なものとなる。従って、出力軸3やユニット出力軸5にユニット出力軸5の軸線Lと交差する方向から力が加わった場合に、その力によって第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2の連結が外れてしまうことを防止できる。
【0068】
また、連結部材8は連結部6、7により第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2の下端面1a、2aに形成される凹部内に収納された状態で第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2を連結しているので、便座便蓋開閉装置10を便器本体に搭載する際に、連結部材8が便器本体の搭載位置にある他の部材と干渉することがない。
【0069】
(作用効果)
本例では、第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2を連結する連結ユニット4が、第2ギヤードモータ2の出力歯車13に装着されるユニット入力軸82と、ユニット入力軸82と平行でユニット入力軸82の駆動力が伝達されるユニット出力軸5を備えている。従って、連結ユニット4を用いて第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2を連結して2つの駆動源と2本の出力軸を備える便座便蓋開閉装置10を構成したときに、第1ギヤードモータ1の第1出力軸3に装着された出力軸3と連結ユニット4のユニット出力軸5とを2本の出力軸3のそれぞれとすることができる。この結果、第1ギヤードモータ1と第2ギヤードモータ2を連結して2つの駆動源と2本の出力軸を備える便座便蓋開閉装置10を構成する際に、第1ギヤードモータ1の出力歯車13に装着された出力軸3と第2ギヤードモータ2の出力歯車13に装着された出力軸を2本の出力軸のそれぞれとした場合と比較して、2本の出力軸の軸間距離を短くすることができる。また、連結ユニット4は第1ギヤードモータ1および第2ギヤードモータ2に対して着脱可能とされているので、連結ユニット4を取り外した後に、第2ギヤードモータ2の出力歯車13に出力軸3を装着すれば、第1ギヤードモータ1および第2ギヤードモータ2のそれぞれを単体として用いることができる。
【0070】
(その他の実施の形態)
なお、連結ユニット4を各ギヤードモータ1、2にネジ止め固定する際に、連結ユニット4の板部98を貫通する2本のユニット固定用有頭ネジ40のうちの1本のユニット固定用有頭ネジ40を省略することもできる。