【実施例】
【0015】
(パチンコ機の概略構成について)
実施例に係るパチンコ機Pは、
図1および
図2に示すように、遊技店に設けられた「島」とも称される設置枠台(図示せず)に固定される固定枠としての外枠Aと、該外枠Aに対して前側から着脱および開閉可能に枢支された本体枠としての中枠Bと、該中枠Bに着脱交換可能に取り付けられて所要の遊技領域12が画成された遊技盤Dと、中枠Bの前面側に着脱および開閉可能に枢支され、該中枠Bに配設した遊技盤Dを透視保護する前枠Cとを備えている。前枠Cの前側には、透明板11が配設された窓口10の下方に、遊技球を貯留可能な上球皿(上球貯留部)Eが配設されると共に、該上球皿Eの下方に、遊技球を貯留可能な下球皿(下球貯留部)Fや、中枠Bに配設された打球発射装置(図示せず)および前枠Cに配設された球送り装置(図示せず)を作動させるハンドルユニットGが配設されている。
【0016】
パチンコ機Pの後側には、
図2に示すように、中枠Bの後側上部に、外部球供給設備(図示せず)から供給されるパチンコ球を貯留する球タンク302が配設されている。また、中枠Bの後側左部(
図2では右側)に、球タンク302と連通接続する球通路ユニット303が上下に架設され、該球通路ユニット303には球払出し装置304が配設されている。従って、球払出し装置304の作動により、球タンク302に供給されたパチンコ球を上下の球皿E,Fへ給出するよう構成されている。また、遊技盤Dの後側に配設された設置部材(第1部材)35には、主制御基板が収容された主制御装置300や、統括制御基板が収容された統括制御装置301が設置されている。
【0017】
このようなパチンコ機Pでは、上球皿Eから球送り装置および打球発射装置を介して遊技盤Dの遊技領域12へ打ち込まれた遊技球が、該遊技領域12内に配設された始動入賞装置24に入賞することにより、主制御装置300および統括制御装置301による所定の制御に基づき、該遊技盤Dに設けられた表示窓口(表示部)18に臨むように配設されたドラム式図柄表示装置Hでの図柄変動演出が開始される。そしてパチンコ機Pは、ドラム式図柄表示装置Hにおける図柄変動演出の結果として、表示窓口18に図柄が所定の組み合わせで停止することにより遊技者に有利な特別遊技状態(例えば「大当り」)が発生すると、遊技盤Dの遊技領域12に設けられた特別入賞装置27(
図3,
図4参照)の特別入賞口28が開放して多数の遊技球の入賞が可能となり、遊技球の入賞に基づいて球通路ユニット303の球払出し装置304が作動して多数のパチンコ球が賞球として上球皿Eまたは下球皿Fへ払い出される。
【0018】
(遊技盤)
遊技盤Dは、
図3および
図4に示すように、中枠Bに設けた遊技盤保持部(図示せず)の内縁形状に整合する外縁形状に形成された木製合板または合成樹脂板であり、該遊技盤Dの前側には、打球発射装置から発射された遊技球が流下し得る遊技領域12が画成されると共に、後述する設置部材35が該遊技盤Dの後側に取り付けられている(
図5、
図6参照)。遊技盤Dの前側には、左下部から右上部にかけて円弧状に延在する外レール13と、この外レール13の内側に中央下部から左上部にかけて並べて配置された内レール14と、外レール13の右上部から内レール14の下部までの間に右方へ凹む湾曲形状に構成された盤面飾り部材15が配設されており、両レール13,14および盤面飾り部材15で囲まれた内側が遊技領域12として構成される。これにより、打球発射装置から発射された遊技球は、外レール13と内レール14との間を通って遊技領域12の左上部に打ち出された後、該遊技領域12内を流下する。なお、遊技領域12は、内レール14の延在長を大きく設定して、外レール13および該内レール14により形成するように構成してもよい。
【0019】
遊技盤Dは、
図6に示すように、遊技領域12の略中央に前後に開口する装着口16が形成されている。そして遊技盤Dは、
図3、
図4および
図6に示すように、前後に開口する表示窓口18が形成されたセンター役とも称される枠状装飾体17が、該装着口16の開口縁を覆うように取り付けられている。枠状装飾体17の表示窓口18には、前述した設置部材35に後側から固定されたドラム式図柄表示装置Hの複数(実施例では4つ)の図柄ドラム(図柄表示体)107,107,107,147が、遊技盤Dの前側から視認可能に臨んでいる。そして、表示窓口18の前部には、ドラム式図柄表示装置Hに配設された合計4つの図柄ドラム(図柄表示体)107,107,107,147の前側部分に対応する4つの開口19Aが開口した枠状の窓枠部材19が配設されている(
図2、
図3、
図5、
図6参照)。これにより、ドラム式図柄表示装置Hの各図柄ドラム107,107,107,147間の隙間が前側から隠されるようになっている。そして、実施例のドラム式図柄表示装置Hは、後述するように、最も右側に位置する図柄ドラム147と残り3つの各図柄ドラム107との役割が異なっている。このため、窓枠部材19は、右側の図柄ドラム147と該図柄ドラム147の左隣りに位置する図柄ドラム107との間に位置する第1縦枠部19Bの幅が、各図柄ドラム107間に位置する第2縦枠部19Cの幅より大きく形成されている。なお、枠状装飾体17には、表示窓口18の上側および下側に、照明手段を備えた装飾部材20,20が配設されている。
【0020】
遊技盤Dの遊技領域12内には、多数の遊技釘21が打設されていると共に、枠状装飾体17の左側方には、遊技領域12を流下する遊技球の接触に伴って回転する回転案内部材22が回転自在に支持されており、遊技領域12に打ち出された遊技球が遊技釘21や回転案内部材22に接触することで、該遊技球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、遊技領域12内の左側方には、該遊技領域12を流下する遊技球が通過する球通過ゲート23が配設されており、該球通過ゲート23の後側には該ゲート23を通過した遊技球を検知するセンサが設けられている。更に、遊技領域12における枠状装飾体17の下方位置には、遊技領域12を流下した遊技球が入賞可能な第1始動入賞口25および第2始動入賞口26を有する始動入賞装置24や、特別入賞口28を有する特別入賞装置27や、普通入賞口30を有する普通入賞装置29が配設されている。
【0021】
(始動入賞装置)
始動入賞装置24における第1始動入賞口25は、
図3および
図4に示すように、遊技領域12内で常に上方へ開口する常時開放タイプであり、第2始動入賞口26は、所定の駆動手段により該第2始動入賞口26を開閉可能に構成された開閉部材26A,26Aが設けられており、該開閉部材26A,26Aが第2始動入賞口26を閉じた閉鎖位置と開いた開放位置とに変位するよう構成されている。すなわち、第1始動入賞口25は、遊技領域12を流下する遊技球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口26は、遊技領域12に配設された球通過ゲート23をパチンコ球が通過したことを条件として実施される普図当り判定(普図当り抽選)の結果に応じて開閉部材26A,26Aが開閉することで、遊技球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。始動入賞装置24には第1始動入賞口25に入賞した遊技球を検出する始動入賞センサが配設されると共に、第2始動入賞口26に入賞した遊技球を検出する始動入賞センサが配設されており、各始動入賞センサによる球検出信号が主制御装置300に入力される。そして、各始動入賞センサによる遊技球の検出を契機として、所定数の遊技球が賞球として払い出される。
【0022】
(特別入賞装置)
特別入賞装置27は、
図3および
図4に示すように、遊技領域12に開口する特別入賞口28を開閉自在に閉成する開閉扉28Aを備えており、駆動手段の駆動に伴って開閉扉28Aが閉じた閉鎖位置と開いた開放位置とに変位するよう構成されている。また、特別入賞装置27には、特別入賞口28に入賞した遊技球を検出する特別入賞センサが設けられており、該特別入賞センサからの球検出信号が主制御装置300へ入力される。そして、主制御装置300において大当り判定結果が肯定の場合には、ドラム式図柄表示装置Hにおいて統括制御装置301において決定された変動パターンに応じて実行された図柄変動演出の終了後に、遊技者に有利な遊技として特別入賞装置27の開閉扉28Aが開放制御され、特別入賞口28に対して多数の遊技球が入賞可能となる。
【0023】
(主制御装置について)
パチンコ機Pの遊技を総合的に制御する主制御基板を備えた主制御装置300は、
図2に示すように、設置部材35の後側下部(ドラム式図柄表示装置Hの配設位置の下側)に配設されている。主制御装置300の主制御基板は、制御動作を所定の手順で実行することができるメイン制御CPU、メイン制御CPUの制御プログラムを格納するメイン制御ROMおよび必要なデータの書き込みおよび読み出しができるメイン制御RAMを備えている。そして主制御装置300は、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数等の各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をメイン制御RAMの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行するようになっている。例えば、主制御装置300では、第1始動入賞口25または第2始動入賞口26の始動入賞検出センサから検出信号が入力されると、メイン制御CPUがメイン制御ROMから大当り判定用乱数を取得し、この大当り判定用乱数とメイン制御ROMに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りとするか否かの大当り判定(大当り抽選)を行なう。また主制御装置300では、大当り判定の結果が肯定の場合には、大当り演出のみが含まれる変動パターンテーブルから大当り演出用の変動パターンを決定する。これに対して、大当り判定の結果が否定の場合には、はずれ演出のみが含まれる変動パターンテーブルからはずれ演出用の変動パターンを決定する。大当り演出用およびはずれ演出用の変動パターンの決定は、大当り判定と同様に、メイン制御CPUがメイン制御ROMから取得した乱数により行なう。なお、変動パターンテーブルから決定される大当り演出およびはずれ演出の変動パターンは、少なくとも図柄変動演出の変動時間および演出内容を特定するものである。そして、パチンコ機Pでは、主制御装置300の大当り判定の結果に応じて出力された統括制御装置301の制御信号に基づいて、ドラム式図柄表示装置Hに所定の演出表示を行なわせると共に、主制御装置300の制御により出力された球払出しに係る制御信号に基づいて、球通路ユニット303に配設された球払出し装置304によって所定数の賞球が払い出される。
【0024】
(統括制御装置)
統括制御装置301の統括制御基板には、統括制御CPUが備えられると共に、該統括制御CPUには、統括制御ROMおよび統括制御RAMが接続されている。また、統括制御CPUは、実行可否判定用乱数や動作変動パターン抽選用乱数等の各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAMの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。更に、統括制御ROMには、ドラム式図柄表示装置Hの各図柄表示ユニット100,101およびシャッタユニット102(
図6参照)の作動を制御する作動制御部、装飾部材20に配設された照明装置やドラム式図柄表示装置Hに配設された照明手段126,166(
図6参照)等を制御する照明制御部、スピーカを制御する音制御部等を統括的に制御するための統括制御プログラム等が記憶されている。
【0025】
(設置部材)
遊技盤Dの後側に取り付けられる設置部材35は、
図5〜
図7に示すように、中央に設置開口36が形成されて全体が略矩形の枠状に構成された合成樹脂製の部材であり、設置開口36を枠状装飾体17の表示窓口18に臨ませた状態で前端を遊技盤Dの後面に突き合わせて、ネジ等により該遊技盤Dに取り付けられる。設置部材35は、設置開口36の上側に位置する上枠体部37と、該設置開口36の下側に位置する下枠体部38と、設置開口36の左側に位置して上枠体部37の左部および下枠体部38の左部に連設された左枠体部39と、設置開口36の右側に位置して上枠体部37の右部および下枠体部38の右部に連設された右枠体部40とから構成され、設置開口36は横長の略矩形に形成されている(左枠体部39および右枠体部40は、
図5および
図7では左右逆に表れている)。なお、上下左右の各枠体部37,38,39,40の外周縁には、当該設置部材35を遊技盤Dに固定するための取付片41が複数形成されている。
【0026】
上枠体部37は、
図5および
図7に示すように、後方に突出すると共に前方に開口した略バケット形状に形成されており、枠状装飾体17に配設された装飾部材20の後部を収容して後方からカバーし得るようになっている。下枠体部38は、
図5および
図7に示すように、前方に開口して遊技盤Dの後面との間に空間を画成して、該遊技盤Dに設置された始動入賞装置24、特別入賞装置27および普通入賞装置29等を後方からカバーし得るようになっている。また、下枠体部38の後部には、中継基板および主制御装置300等が設置される。
【0027】
左枠体部39には、
図2、
図5〜
図7に示すように、後方へ延出した保持部44が形成されており、該保持部44に統括制御装置301が設置されるようになっている。この保持部44は、統括制御装置301を、その長手が縦となる向きで左右両側から保持するように構成されている。また、左枠体部39における設置開口36の左側には、ドラム式図柄表示装置Hの左側部を支持するための左設置台部45が、上下に延在するように設けられている。左設置台部45における設置開口36に向いた端部には、該設置開口36に開口して左方へ凹となる係合口46が、上下に離間して複数(実施例では2つ)形成されている。各係合口46,46は、ドラム式図柄表示装置Hの左端に左側方へ突出して形成された複数(実施例では2つ)の第1引掛け部284,284(
図16(a),
図16(b)参照)を、設置開口36内から差し込み可能に構成されている。そして各係合口46,46は、差し込まれた第1引掛け部284,284を、上下方向および前後方向へ移動不能に係合保持するようになっている。すなわち、各第1引掛け部284,284を対応の係合口46,46に係合することで、ドラム式図柄表示装置Hの左側部が左設置台部45に固定されて支持される。
【0028】
右枠体部40における設置開口36に沿う部位には、
図5〜
図13に示すように、ドラム式図柄表示装置Hの右側部を支持するための右設置台部47が、上下に延在して設けられている。右設置台部47には、後方および左右に開口して前方へ凹となる係合凹部(第1固定部)48が、上下に離間して複数(実施例では2つ)形成されている。各係合凹部48,48は、ドラム式図柄表示装置Hの右端に右側方へ突出して形成された複数(実施例では2つ)の第2引掛け部(第2固定部)285,285を、後方から嵌め込んで係合可能に構成されている。すなわち、各係合凹部48は、係合された第2引掛け部285が前方および上下方向へ移動するのを規制するようになっている。また、右設置台部47の後面には、後方へ突出するガイド部49が、上下に離間して複数(実施例では2つ)設けられている。各ガイド部49は、後述する規制手段としての規制部材55を、右設置台部47に対して上下へスライド移動可能に支持するものである。
【0029】
(保持突部)
右設置台部47の下側部分には、
図7および
図8に示すように、上下に開口する枠状壁部50が設けられており、規制部材55の下部に形成されたストッパ部57が上下に挿通可能となっている。そして、枠状壁部50の後側を構成する後壁部50Aは、規制部材55の前側に位置する係合凹部48に対し、該規制部材55を挟んで反対側となる後側に位置している。そして、枠状壁部50の後壁部50Aの前面(枠状壁部50に挿通されるストッパ部57と対向する側)には、第2係合部としての保持突部51が形成されている(
図8、
図9、
図15参照)。保持突部51は、後壁部50Aの前面から突出した鉤状の突部であり、略水平に形成された下面部52と、下面部52の前縁から上方にいくにつれて後方へ変位するよう傾斜した退避手段としての傾斜部53とを備えている。そして、保持突部51は、規制部材55の退避位置において、ストッパ部57に設けられた当接部64に傾斜部53が後下方から当接するよう構成され(
図10、
図15(a)参照)、規制部材55の規制位置において、該ストッパ部57に設けられた第1係合部としての係合口66に下面部52が後上方から当接するように構成されている(
図12、
図15(b))。
【0030】
(規制部材)
右設置台部47には、
図5〜
図13に示すように、各係合凹部48,48に係合した各第2引掛け部285,285を該係合凹部48,48に固定するための規制部材(規制手段)55が配設されている。この規制部材55は、右設置台部47に対して上下にスライド移動が可能に配設されており、各係合凹部48,48に各第2引掛け部285,285を係合するのを許容する退避位置(
図8(a)、
図9、
図10参照)および各係合凹部48,48に係合した各第2引掛け部285,285が該係合凹部48,48から離脱するのを規制する規制位置(
図8(b)、
図11、
図12参照)の間を変位するようになっている。そして、規制部材55は、退避位置から規制位置にスライド移動させた際に、各第2引掛け部285,285に対して後側から同時に当接することで、各第2引掛け部285,285を対応した各係合凹部48,48から離脱不能に固定するようになっている。なお、規制部材55の規制位置においては、各係合凹部48,48の後方開口が該規制部材55で塞がれる。
【0031】
規制部材55は、
図14および
図15に示すように、縦長に形成された合成樹脂製の部材である。規制部材55は、前述した各第2引掛け部285,285に係止して保持する本体部56と、この本体部56に設けられ、該本体部56の下端から下方へ延出するストッパ部57とからなる。ここで、本体部56とストッパ部57とは、一体に形成されている。本体部56は、右設置台部47に接触する前面58A側が平坦に形成された本体板部58と、該本体板部58の外周縁から後方へ突出すると共に該外周縁に沿って延在するよう形成されたリブ59とを有しており、該リブ59により本体部56の長手方向における撓み変形や捻れ変形を抑制するように構成されている。本体部56には、その上縁近傍および長手方向の中央下方に、前後に開口すると共に上下に長いガイド孔60,60が形成されている。各ガイド孔60,60には、前述したガイド部49,49が前側から摺動可能に挿入されて(
図10、
図12参照)、該ガイド孔60,60に挿入された該ガイド部49,49の先端(後端)には、本体部56がガイド部49,49から後方へ外れるのを防止する抜止め部材54が取り付けられている。なお、抜止め部材として、ガイド孔60,60の左右開口幅より大きいワッシャ付きのネジが採用されている。これにより、規制部材55は、右設置台部47に対し上下方向のスライド移動が可能に取り付けられる。
【0032】
本体部56には、
図14および
図15に示すように、長手方向の略中央および下部(ストッパ部57の上側)に、左方および前後に開口する切欠き部61,61が形成されている。各切欠き部61,61は、右設置台部47に形成された各係合凹部48,48の上下間隔と同間隔で形成されており、
図8(a)、
図9および
図10に示すように、規制部材55の退避位置において、各切欠き部61,61が各係合凹部48,48と前後方向で整合するようになっている。そして、各切欠き部61,61は、前述した第2引掛け部285,285が前後に通過可能な上下幅に形成されており、規制部材55の退避位置においては、各係合凹部48,48への該第2引掛け部285,285の係合を許容し得るようになっている。
【0033】
また、
図14および
図15に示すように、本体部56における各切欠き部61,61の下方部位は、規制部材55の規制位置において各第2引掛け部285,285の後面に当接する当受け部62,62となっている。各当受け部62,62の前面は、第2引掛け部285,285の後面285Aと面接触し得るよう平坦に形成されている。そして、各当受け部62,62は、
図8(a)、
図9および
図10に示すように、規制部材55の退避位置において、各係合凹部48,48の上方に位置するようになっている。また、各当受け部62,62は、
図8(b)、
図11および
図12に示すように、規制部材55の退避位置において、各係合凹部48,48の後側に位置して第2引掛け部285,285の後面285Aに当接する。なお、各当受け部62,62は、
図11〜
図13に示すように、規制部材55の規制位置において、各々の第2引掛け部285,285の後面285Aと面接触する。
【0034】
規制部材55は、
図14に示すように、本体部56における上側の切欠き部61と下側のガイド孔60との間に、後方へ延出した操作片63が形成されている。この操作片63は指で摘むことが可能な形状、サイズに形成されており、該操作片63を把持しながら規制部材55を退避位置および規制位置の間で簡易にスライド移動させ得る。
【0035】
(ストッパ部)
ストッパ部57は、
図14および
図15に示すように、本体部56との連設部分を中心として前後方向への弾性変形が可能な舌片状に形成されている。ストッパ部57の下端には、規制部材55の退避位置において、右設置台部47に形成された前述の保持突部51に上方から当接する当接部64が形成されている。すなわち、当接部64は、退避位置にある規制部材55が、退避位置から規制位置側へスライド移動するのを規制して該退避位置に保持するように機能する。そして、当接部64には、
図15(a)および
図15(b)に示すように、保持突部51の傾斜部53と当接する退避手段としての傾斜面65が、ストッパ部57の下端から上方にいくにつれて後方へ傾斜するように形成されている。従って、保持突部51の傾斜部53に当接部64の傾斜面65が上方から当接した状態で規制部材55を退避位置から規制位置に向けて下方へ付勢した際に、ストッパ部57が前方へ変位するように弾性変形して当接部64が保持突部51に対し前側へ退避し、規制部材55を退避位置に向けてスライド移動させ得るように構成されている。
【0036】
また、
図14および
図15に示すように、ストッパ部57における本体部56と隣接する部分には、規制部材55の規制位置において、前述の保持突部51が後方から係脱可能に係合する第2係合部として係合口66が設けられている。係合口66は、ストッパ部57から後側に開口すると共に前側へ凹となる形状に形成されており、前方へ突出した保持突部51が後方から係合して、該保持突部51の下面部52が係合口66の下端部66Aに上方(退避位置側)から当接することで、規制部材55が規制位置から退避位置側へスライド移動するのを規制し得るようになっている。そして、
図11および
図12に示すように、規制部材55の規制位置においては、ストッパ部57の下端が枠状壁部50から下方へ突出するようになっており、ストッパ部57を前方へ付勢して該ストッパ部57を前方へ弾性変形させることが可能であり、このようにストッパ部57が弾性変形することで、保持突部51と係合口66との係合が解除されるよう構成されている。従って、規制部材55の規制位置において、ストッパ部57を前方へ弾性変形させることで、当該規制部材55を退避位置に向けてスライド移動することが許容される。すなわち、規制部材55は、ストッパ部57を強制的に前方へ弾性変形させなければ退避位置側へスライド移動させることができず、規制部材55が規制位置から不用意にスライド移動するのを防止するよう構成されている。なお、実施例では、係合口66がストッパ部57の前面に開口しているが、保持突部51が係止して規制部材55を規制位置に保持可能であれば、係合口66はストッパ部57の前面に開口していなくてもよい。
【0037】
(ドラム式図柄表示装置)
次に、実施例のドラム式図柄表示装置Hについて、図面を引用して説明する。なお、ドラム式図柄表示装置Hの説明における左右方向、前後方向および上下方向は、遊技盤Dの設置部材35に取り付けた状態を基準として指称する。
【0038】
実施例に係るドラム式図柄表示装置Hは、
図6、
図16〜
図18、
図27および
図28に示すように、外周面に各種図柄114A,154Aが表示された図柄ドラム(図柄表示体)107,147を駆動モータ(駆動手段)106,146の駆動により回転させる複数(実施例では4基)の図柄表示ユニット100,101を、矩形箱状のドラムケース(収容ケース,第2部材,ケース体)103内に収容して構成されている。実施例のドラム式図柄表示装置Hは、図柄ドラム107の回転中心を一致させて横並びに配置された3基の第1図柄表示ユニット100,100,100と、該第1図柄表示ユニット100より小型に構成されて、右側の第1図柄表示ユニット100の右隣りに配置された1基の第2図柄表示ユニット101とを備えている。ここで、各第1図柄表示ユニット100は、主制御装置300における大当り抽選の結果を表示するよう図柄ドラム107が回転制御される。また、第2図柄表示ユニット101は、主制御装置300における大当り抽選の結果を示唆したり、各第1図柄表示ユニット100の動作態様(演出内容)を示唆するよう図柄ドラム147が回転制御される。また、実施例のドラム式図柄表示装置Hは、3基の第1図柄表示ユニット100の各図柄ドラム107に表示された図柄114Aを被覆して隠すことが可能なシャッタユニット102を備えている。そして、ドラム式図柄表示装置Hは、統括制御装置301からの制御信号に基づいて第1および第2の各図柄表示ユニット100,101の駆動モータ106,146を個別に駆動制御するよう構成され、該統括制御装置301からの制御信号に基づいて各図柄ドラム107,147が回転することで所要の図柄変動演出が行なわれる。
【0039】
(第1図柄表示ユニット)
3基の各第1図柄表示ユニット100は、図柄ドラム(以降「第1図柄ドラム」という)107の外周に表示された図柄114Aの配列が、左側と中央の第1図柄表示ユニット100が同じで、右側の第1図柄表示ユニット101が異なっている。但し、各第1図柄表示ユニット100は、図柄114Aの配列が異なる点を除いては、各構成部品や構造が基本的に同じである。従って、ここでは、右側の第1図柄表示ユニット100を図示して説明し、左側および中央の第1図柄表示ユニット100,100は、右側の第1図柄表示ユニット100と同一部材、部位に同一の符号を付して説明は省略する。
【0040】
図29、
図30および
図36に示すように、第1図柄表示ユニット100は、ドラムケース103に保持される支持板105と、該支持板105に配設されて統括制御装置301からの制御信号により駆動制御される駆動モータ106と、該駆動モータ106により回転され、外周面に各種図柄114Aが表示された図柄表示体としての第1図柄ドラム107とを備えている。ここで、駆動モータ106は、原位置検出センサ(図示せず)を内蔵したステッピングモータであって、その駆動軸106Aには、該駆動軸106Aと一体的に回転する円盤状部材108が取り付けられている。この円盤状部材108には、駆動軸108Aから偏心した位置に、突出した位置決め突部108Aが形成されている。
【0041】
(第1図柄ドラム)
第1図柄ドラム107は、
図29、
図30および
図36に示すように、駆動モータ106の円盤状部材108に固定される固定板110と、該固定板110に連設され、当該固定板110から離間する方向に所定長さに延在すると共に回転中心から放射方向へ向けて屈曲された複数本(実施例では6本)のスポーク111と、各スポーク111の放射側端部に連設される第1環状体112と、該第1環状体112と同径に形成されて軸方向に離間する第2環状体113と、該第1管状体112および第2環状体113の周縁部に取り付けられて第1図柄ドラム107の外周面をなし、識別可能な複数種類の図柄114Aが表示された光透過性の図柄フィルム114とから構成されている。このような第1図柄ドラム107は、駆動モータ106の回転により固定板110が回転することで、図柄フィルム114に表示された図柄114Aが周方向に移動するようになっている。ここで、固定板110には、各環状体113,114の中心に整列する位置に通孔110Aが穿設されると共に、偏心位置に円盤状部材108に形成された位置決め突部108Aが挿入する位置決め孔110Bが開口形成されており、駆動軸106Aを固定板110の通孔110Aに挿入すると共に円盤状部材108の位置決め突部108Aを該固定板110の位置決め孔114Bに挿入した状態で、第1図柄ドラム107と駆動軸106Aとがネジ止めされる。従って、駆動モータ106と第1図柄ドラム107とを組み付けた際には、該駆動モータ106に内蔵した原位置検出センサと第1図柄ドラム107に表示された図柄114Aとが常に一定関係となり、該原位置検出センサの検出に基づいて駆動モータ106を駆動制御することで、各図柄114Aを所定位置で停止させ得る。
【0042】
(支持板)
支持板105は、
図29および
図30に示すように、所要の配線パターンがプリントされると共に、表面(第1図柄ドラム107に対向する面)に各種電装部品が配設されたプリント配線板115と、該プリント配線板115と略整合する形状に形成されたベース板金116と、プリント配線板115とベース板金116との間に配設され、該プリント配線板115の裏面とベース板金116との接触を防止する保護フィルム117とを備えており、プリント配線板115およびベース板金116は保護フィルム117を挟んで整合させた状態でネジ固定される。ここで、プリント配線板115には、その略中央位置に表裏面に貫通する開口部115Bが開設されると共に、保護フィルム117には、その略中央位置に表裏面に貫通する開口部117Aが開設され、ベース板金116には、各開口部115B,117Aと対応する位置に駆動モータ106の設置部116Bが形成されている。従って、駆動モータ106をベース板金116の設置部116Bにネジにより固定した際には、該駆動モータ106が、開口部11BA,117Aに挿通されてプリント配線板115の表面側(右側)に露出するようになっている(
図6参照)。なお、保護フィルム117は、電気を通さない非導電材から形成されている。
【0043】
プリント配線板115およびベース板金116の各前端縁115A,116Aは、上下方向の略中央に向かうにつれて前側に突出して第1図柄ドラム107に倣う円弧状の円弧状に形成されている。ここで、プリント配線板115およびベース板金116の前端縁115A,116Aは、第1図柄ドラム107より小さい曲率となるよう設定され、駆動モータ106に第1図柄ドラム107を取り付けた状態で、前端縁115A,116Aより第1図柄ドラム107の外周面の方が外側に位置するようになっている。そして、各前端縁115A,116Aは、後述するガイド部材131で覆われるようになっている。一方、プリント配線板115およびベース板金116の各後端縁115C,116Cは、略垂直に延在する直線状に形成されており、ドラムケース103の後壁部233の前面に当接するようになっている(
図35、
図36参照)。
【0044】
図29または
図30に示すように、プリント配線板115には、前端縁115Aに近傍する前側上下位置に第1嵌挿孔118,118が夫々形成されると共に、ベース板金116には、プリント配線板115の第1嵌挿孔118,118に臨む第1ネジ孔119,119が形成されている。また、
図29、
図30、
図35および
図36に示すように、ベース板金116の後端縁116Cにおける上部および下部には、第2ネジ孔120Aを形成した第1固定片(連結部)120が、該後端縁116Cから右方に折曲した状態に形成されており、ドラムケース103に当該第1図柄表示ユニット100を収容した状態で、該ドラムケース103の外側から第2ネジ孔120Aへネジを締結し得るように構成されている。また、ベース板金116における後端縁116C上部から前上方に向け傾斜する上傾斜端縁116Dには、第3ネジ孔121Aを形成した第2固定片(連結部)121が、該上傾斜端縁116Dから右方に折曲した状態に形成されており、ドラムケース103に当該第1図柄表示ユニット100を収容した状態で、該ドラムケース103の外側から第3ネジ孔121Aへネジを締結し得るように構成されている。更に、ベース板金116における後端縁116C下部から前下方に向け傾斜する下上傾斜端縁116Eには、第4ネジ孔122Aを形成した第3固定片(連結部)122が、該上傾斜端縁116Eから左方に折曲した状態に形成されており、ドラムケース103に当該第1図柄表示ユニット100を収容した状態で、該ドラムケース103の外側から第4ネジ孔122Aへネジを締結し得るように構成されている。すなわち、第2固定片121および第3固定片122は、ベース板金116を挟んで左右逆向きに折曲形成されている。
【0045】
また、
図29および
図36に示すように、プリント配線板115の表面には、電装部品として、第1図柄ドラム107の図柄114Aを内側から照明する照明手段126や、統括制御装置301に接続されてドラムケース103の上壁部234に位置する中継基板255(
図16参照)からの配線が着脱可能に接続される第1コネクタ接続端子124や、駆動モータ106に接続された配線(図示せず)が着脱可能に接続される第2コネクタ接続端子125が夫々配設されている。これにより、中継基板255および駆動モータ106の夫々の配線を対応のコネクタ接続端子124,125に各々接続することで、照明手段126および駆動モータ106が該中継基板255を介して統括制御装置301に電気的に接続される。なお、第1コネクタ接続端子124は、コネクタ差込み口が略下方を向く姿勢でプリント配線板115の後端縁に臨むように設置され、当該第1図柄表示ユニット100をドラムケース103に収容した際に、該ドラムケース103に開設された第1通出孔250から外方に臨むよう構成されると共に、第2コネクタ接続端子125は、部品リードがプリント配線板115の裏面に突出することのない表面実装により第1図柄ドラム107の内側に位置するよう設置される(
図36参照)。なお、表面実装とは、プリント配線板115の表面に各種電子部品をハンダ付けする技術を云う。
【0046】
(照明手段)
照明手段126は、
図6および
図29に示すように、プリント配線板115における開口部115Bと前端縁115Aとの間に設置されており、該前端縁115Aに沿ってプリント配線板115の表面に円弧状に配設される複数(実施例では9個)のLED127と、該LED127から照射された光を受けて前方(第1図柄ドラム107の内面側)へ反射するリフレクタ部材128とから構成される。各LED127は、第2コネクタ接続端子125と同様に、部品リードがプリント配線板115の裏面に突出しない表面実装により、第1図柄ドラム107の軸方向(プリント配線板115に対して略直交する方向)に光を照射する姿勢で設置されている。
【0047】
リフレクタ部材128は、
図6、
図29および
図30に示すように、第1図柄ドラム107に倣うよう湾曲して第1図柄ドラム107の全幅の約1/2の幅で該図柄フィルム114に対向する後反射面128Aと、該後部反射面128Aの右側縁(プリント配線板115から離間する端縁)に連設して、第1図柄ドラム107の第1環状体112に向かって拡がりながら該第1図柄ドラム107に倣って円弧状に湾曲する側部反射面128Bと、後部反射面128Aおよび側部反射面128Bの上下端に連接して第1図柄ドラム107の軸方向に拡がりながら前側(第1図柄ドラム107の周面側)に延出する上部反射面128Cおよび下部反射面128Dとを備え、LED127から照射された光を受けて各反射面128A〜128Dが面発光するよう構成されている。第1図柄ドラム107の周方向における上部反射面128Cの先端と下部反射面128Dの先端との間隔は、3つの図柄114Aの表示間隔と同等に設定されている。また、後部反射面128Aと側部反射面128Bとの前面には、上部反射面128Cと下部反射面128Dとの間を3つの照射空間に区画する2つの区画壁128E,128Eが、図柄フィルム114の裏面に近接する位置まで立設されており、3つの各照射空間には、LED127が3個ずつ配置されている。従って、3個のLED127により、照射空間の前側に位置する図柄114Aの後面を照射するようになっている。
【0048】
また、
図29および
図30に示すように、上部反射面128Cおよび下部反射面128Dにおけるプリント配線板115側の後側には、後方へ向けて延出する取着片129,129が夫々形成されている。各取着片129には、プリント配線板115に形成した第1嵌挿孔118,118対応する位置に、プリント配線板115側に突出するボス部129Aが夫々形成されており、各第1嵌挿孔118に対してプリント配線板115の表面側からボス部129Aを嵌挿し得るようになっている。ここで、各ボス部129Aには、第1嵌挿孔118に挿通した状態で、ベース板金116の第1ネジ孔119と整列する位置に、ネジを挿通可能な通孔が形成されており、該通孔に挿通したネジを第1ネジ孔119に夫々螺挿することで、リフレクタ部材128がベース板金116に固定されるようになっている。
【0049】
(ガイド部材)
図17、
図18、
図29および
図30に示すように、プリント配線板115の表面側には、該プリント配線板115およびベース板金116の各前端縁115A,116Aを被覆するガイド部材131が配設されている。ガイド部材131は、合成樹脂により形成され、プリント配線板115およびベース板金116の円弧状の前端縁115A,116Aに整合する円弧状に形成されたガイド部132と、ガイド部132の内側に離間した位置において該ガイド部132に沿って円弧状に形成され、上端および下端において該ガイド部132に連設された装着部133とを備えている。装着部133は、プリント配線板115の表面に当接するよう平坦に形成され、該装着部133とガイド部132との間に前述した各LED127が位置するようになっている。また、装着部133の上部および下部には、プリント配線板115に形成した第1嵌挿孔118に整合すると共に、リフレクタ部材128のボス部129Aの嵌挿を許容する大きさの第2嵌挿孔134,134が形成されている。従って、各第2嵌挿孔134が各第1嵌挿孔118に整合するように装着部133をプリント配線板115の表面に位置決めして、リフレクタ部材128の各ボス部129Aを第2嵌挿孔134および第1嵌挿孔118に嵌挿させ、ボス部129Aの通孔に挿通したネジをベース板金116の第1ネジ孔119に螺挿することにより、ガイド部材131は、リフレクタ部材128およびプリント配線板115に挟まれた状態で支持板105に固定される。そして、プリント配線板115およびベース板金116の各前端縁115A,116Aは、ガイド部材131により隠されて、ドラム式図柄表示ユニットHの前側から見えなくなる(
図17、
図18)。
【0050】
(第1ガイド部)
ガイド部材131に設けられた第1ガイド部としてのガイド部132は、
図21、
図22、
図25および
図26に示すように、半円弧状に延在形成され、当該ガイド部材131を支持板105に取り付けた際には、駆動モータ106の駆動軸106Aの軸中心(第1図柄ドラム107の回転中心)に中心が一致した状態で、プリント配線板115およびベース板金116の各前端縁115A,116Aに沿って配置される。そして、ガイド部132は、該ガイド部132の外面に開口すると共に長手方向に延在するガイド溝132Aが形成されている。ガイド部132のガイド溝132Aには、
図17、
図19、
図21および
図37等に示すように、シャッタユニット102を構成するシャッタ体181,182の裏面に突設された第2ガイド部としてのガイド片220,220が、外方から差し込まれた状態で摺動するよう構成されている。すなわち、ガイド部132は、シャッタユニット102の各シャッタ体181,182が第1図柄ドラム107の外周に沿って移動する際に、該シャッタ体181,182を支持するよう構成されている。
【0051】
(第2図柄表示ユニット)
図31および
図32に示すように、第2図柄表示ユニット101は、ドラムケース103に保持される支持板145と、該支持板145に配設されて統括制御装置301からの制御信号により駆動制御される駆動モータ146と、該駆動モータ146により回転され、外周面に各種図柄が表示された図柄ドラム(以降「第2図柄ドラム」という)147とを備えている。ここで、駆動モータ146は、原位置検出センサ(図示せず)を内蔵したステッピングモータであって、その駆動軸146Aには、該駆動軸146Aと一体的に回転する円盤状部材148が取り付けられている。この円盤状部材148には、駆動軸146Aから偏心した位置に、突出した位置決め突部148Aが形成されている。
【0052】
(第2図柄ドラム)
第2図柄ドラム147は、
図29または
図30に示すように、駆動モータ146の円盤状部材108に固定される固定板150と、該固定板150に連設され、当該固定板150から離間する方向に所定長さに延在すると共に回転中心から放射方向へ向けて屈曲された複数本(実施例では6本)のスポーク151と、各スポーク151の放射側端部に連設される第1環状体152と、該第1環状体152と同径に形成されて軸方向に離間する第2環状体153と、該第1環状体152および第2環状体153の周縁部に取り付けられて第2図柄ドラム147の外周面をなし、識別可能な複数種類の図柄154Aが表示された光透過性の図柄フィルム154とから構成されている。このような第2図柄ドラム147は、駆動モータ146の回転により固定板150が回転することで、図柄フィルム154に表示された図柄154Aが周方向に移動するようになっている。ここで、固定板150には、各環状体152,153の中心に整列する位置に通孔150Aが穿設されると共に、偏心位置に円盤状部材148に形成された位置決め突部148Aが挿入する位置決め孔154Bが開口形成されており、駆動軸146Aを固定板150の通孔150Aに挿入すると共に円盤状部材148の位置決め突部148Aを固定板150の位置決め孔150Bに挿入した状態で、第2図柄ドラム147と駆動軸146Aとがネジ止めされる。従って、駆動モータ146と第2図柄ドラム147とを組み付けた際には、該駆動モータ146に内蔵した原位置検出センサと第2図柄ドラム147に表示された図柄154Aとが常に一定関係となり、該原位置検出センサの検出に基づいて駆動モータ146を駆動制御することで、各図柄154Aを所定位置で停止させ得る。
【0053】
(支持板)
支持板145は、
図31および
図32に示すように、所要の配線パターンがプリントされると共に、表面(第2図柄ドラム147に対向する面)に各種電装部品が配設されたプリント配線板155と、前半分がプリント配線板155と略整合する形状で後半分が該プリント配線板155より大きく形成されたベース板金156と、プリント配線板155とベース板金156との間に配設され、該プリント配線板155の裏面とベース板金156との接触を防止する保護フィルム157とを備えており、プリント配線板155およびベース板金156は保護フィルム157を挟んで整合させた状態でネジ固定される。ここで、プリント配線板155には、その略中央位置に表裏面に貫通する開口部155Bが開設されると共に、保護フィルム157には、その略中央位置に表裏面に貫通する開口部157Aが開設され、ベース板金156には、各開口部155B,157Aと対応する位置に駆動モータ146の設置部156Bが形成されている。従って、駆動モータ146をベース板金156の設置部156Bにネジにより固定した際には、駆動モータ146が、開口部155B,157Aに挿通されてプリント配線板155の表面側(右側)に露出するようになっている(
図6参照)。なお、保護フィルム157は、電気を通さない非導電材から形成されている。
【0054】
プリント配線板155およびベース板金156の各前端縁155A,156Aは、上下方向の略中央に向かうにつれて前側に突出して第2図柄ドラム147に倣う円弧状の円弧状に形成されている。ここで、プリント配線板155およびベース板金156の前端縁155A,156Aは、第2図柄ドラム147より小さい曲率となるよう設定され、駆動モータ146に第2図柄ドラム147を取り付けた状態で、前端縁155A,156Aより第2図柄ドラム147の外周面の方が外側に位置するようになっている。そして、各前端縁155A,156Aは、後述するカバー部材171で覆われるようになっている。一方、プリント配線板155およびベース板金156の各後端縁155C,156Cは、略垂直に延在する直線状に形成されており、ドラムケース103の後壁部233の前面に当接するようになっている(
図35参照)。
【0055】
図31または
図32に示すように、プリント配線板155には、前端縁155Aに近傍する前側上下位置に第1嵌挿孔158,158が夫々形成されると共に、ベース板金156には、プリント配線板155の第1嵌挿孔158,158に臨む第1ネジ孔159,159が形成されている。また、
図31、
図32および
図35に示すように、ベース板金156の後端縁156Cにおける上部および下部には、第2ネジ孔160Aを形成した固定片160が、該後端縁156Cから右方に折曲した状態に形成されており、ドラムケース103に当該第2図柄表示ユニット101を収容した状態で、該ドラムケース103の外側から第2ネジ孔160Aへネジを締結し得るように構成されている。また、ベース板金156の上端縁156Dおよび下端縁156Eは、水平に延在して互いに前後方向へ平行に形成されており、
図35に示すように、ドラムケース103に形成された第1挟持部245に上端縁156Dが左右方向へ移動不能に支持されると共に、該ドラムケース103に形成された第2挟持部246に下端縁156Eが左右方向へ移動不能に支持されるようになっている。
【0056】
また、
図31に示すように、プリント配線板155の表面には、電装部品として、第2図柄ドラム147の図柄154Aを内側から照明する照明手段166や、統括制御装置301に接続されてドラムケース103の上部後側に位置する中継基板255(
図16参照)からの配線が着脱可能に接続される第1コネクタ接続端子164や、駆動モータ146に接続された配線(図示せず)が着脱可能に接続される第2コネクタ接続端子165が夫々配設されている。これにより、中継基板255および駆動モータ146の夫々の配線を対応のコネクタ接続端子164,165に各々接続することで、照明手段166および駆動モータ146が該中継基板255を介して統括制御装置301に電気的に接続される。なお、第1コネクタ接続端子164は、コネクタ差込み口が右方を向く姿勢でプリント配線板155の後端縁近傍に設置され、当該第2図柄表示ユニット101をドラムケース103に収容した際に、該ドラムケース103に開設された第2通出孔251(
図28参照)から外方に臨むよう構成されると共に、第2コネクタ接続端子165は、部品リードがプリント配線板155の裏面に突出することのない表面実装により第2図柄ドラム147の内側に位置するよう設置される。
【0057】
(照明手段)
照明手段166は、
図6および
図31に示すように、プリント配線板155における開口部155Bと前端縁155Aとの間に設置されており、該前端縁155Aに沿ってプリント配線板155の表面に円弧状に配設される複数(実施例では6個)のLED167と、該LED167から照射された光を受けて前方(第2図柄ドラム147の内面側)へ反射するリフレクタ部材168とから構成される。各LED167は、第2コネクタ接続端子165と同様に、部品リードがプリント配線板155の裏面に突出しない表面実装により、第2図柄ドラム147の軸方向(プリント配線板155に対して略直交する方向)に光を照射する姿勢で設置されている。
【0058】
リフレクタ部材168は、
図6、
図31および
図32に示すように、第2図柄ドラム147に倣うよう湾曲して第2図柄ドラム147の全幅の約1/2の幅で該図柄フィルム154に対向する後部反射面168Aと、該後部反射面168Aの右側縁(プリント配線板155から離間する端縁)に連設して、第2図柄ドラム147の第1環状体152に向かって拡がりながら該第2図柄ドラム147に倣って円弧状に湾曲する側部反射面168Bと、後部反射面168Aおよび側部反射面168Bの上下端に連接して第2図柄ドラム147の軸方向に拡がりながら前側(第2図柄ドラム147の周面側)に延出する上部反射面168Cおよび下部反射面168Dとを備え、LED167から照射された光を受けて各反射面168A〜168Dが面発光するよう構成されている。また、後部反射面168Aと側部反射面168Bとの前面には、上部反射面168Cと下部反射面168Dとの間を3つの照射空間に区画する2つの区画壁168E,168Eが、図柄フィルム154の裏面に近接する位置まで立設されており、3つの各照射空間には、LED167が2個ずつ配置されている。従って、2個のLED167により、照射空間の前側に位置する図柄154Aの後面を照射するようになっている。
【0059】
また、
図31および
図32に示すように、上部反射面168Cおよび下部反射面168Dにおけるプリント配線板155側の後側には、後方へ向けて延出する取着片169,169が夫々形成されている。各取着片169には、プリント配線板155に形成した第1嵌挿孔158,158対応する位置に、プリント配線板115側に突出するボス部169Aが夫々形成されており、各第1嵌挿孔158に対してプリント配線板155の表面側からボス部169Aを嵌挿し得るようになっている。ここで、各ボス部169Aには、第1嵌挿孔158に挿通した状態で、ベース板金156の第1ネジ孔159と整列する位置に、ネジを挿通可能な通孔が形成されており、該通孔に挿通したネジを第1ネジ孔159に夫々螺挿することで、リフレクタ部材168がベース板金156に固定される。
【0060】
(カバー部材)
図17、
図18、
図31および
図32に示すように、プリント配線板155の表面側には、該プリント配線板155およびベース板金156の各前端縁155A,156Aを被覆するカバー部材171が配設されている。カバー部材171は、合成樹脂により形成され、プリント配線板115およびベース板金116の前端縁115,116に整合する円弧状に形成された被覆部172と、被覆部172の内側に離間した位置において該被覆部172に沿って円弧状に形成され、上端および下端において該被覆部172に連設された装着部173とを備えている。装着部173は、プリント配線板155の表面に当接するよう平坦に形成され、該装着部173と被覆部172との間に前述した各LED167が位置するようになっている。また、装着部173の上部および下部には、プリント配線板155に形成した第1嵌挿孔158に整合すると共に、リフレクタ部材168のボス部169Aの嵌挿を許容する大きさの第2嵌挿孔174,174が形成されている。従って、各第2嵌挿孔174が各第1嵌挿孔158に整合するように装着部173をプリント配線板155の表面に位置決めして、リフレクタ部材168の各ボス部169Aを第2嵌挿孔174および第1嵌挿孔158に嵌挿させ、ボス部169Aの通孔に挿通したネジをベース板金156の第1ネジ孔159に螺挿することにより、カバー部材171は、リフレクタ部材168およびプリント配線板155に挟まれた状態で支持板145に固定される。そして、プリント配線板155およびベース板金156の各前端縁155A,156Aは、カバー部材171により隠されて、ドラム式図柄表示ユニットHの前側から見えなくなる(
図17、
図18)。
【0061】
(シャッタユニット)
次に、3基の各第1図柄表示ユニット100における各第1図柄ドラム107の図柄114Aを被覆して隠すシャッタユニット102について説明する。実施例のシャッタユニット102は、
図17〜
図20、
図23および
図24に示すように、ドラムケース103内に横並びに配置された各第1図柄表示ユニット100における各第1図柄ドラム107の外周外側に上下に位置して、該第1図柄ドラム107の周方向での幅が図柄1個分以上に形成され、各第1図柄ドラム107の周方向に離間して配設された一対のシャッタ体181,181を備えている。またシャッタユニット102は、各シャッタ体181,182を、各第1図柄ドラム107の外周に沿って離間させた離間位置(
図19〜
図22、
図37(a)参照)および該第1図柄ドラム107の外周に沿って近接させた近接位置(
図23〜
図26、
図37(b)参照)に移動させる作動手段としての作動モータ183を備えている。そして、シャッタユニット102は、各シャッタ体181,182が離間位置に移動した場合に、各第1図柄ドラム107毎に、複数(実施例では3つ)の図柄114Aが前述した遊技盤Dの表示窓口18に表示されるようにする(
図3、
図38(c)参照)。またシャッタユニット102は、各シャッタ体181,182が近接位置に移動した場合に、該シャッタ体181,182が表示窓口18に移動して、各第1図柄ドラム107毎に、各シャッタ体181,182の離間位置における図柄表示数(3つ)より少ない数(実施例では1つ)の図柄114Aが該表示窓口18に表示されるようにする(
図4、
図39(c)参照)。このようなシャッタユニット102は、ドラムケース103の外側に配設される金属体232に固定される左右一対の支持フレーム184,185により、各シャッタ体181,182の左右両側が支持された状態で該ドラムケース103内に配設される。なお、以下の説明において、上側に配設されたシャッタ体を第1シャッタ体181、下側に配設されたシャッタ体を第2シャッタ体182という場合もある。
【0062】
(支持フレーム)
第1シャッタ体181および第2シャッタ体182の右側を支持する支持フレーム(以降「右支持フレーム」という)184は、
図6に示すように、ドラムケース103に配設された金属体232に固定された状態で、右側の第1図柄表示ユニット100の右隣り(第2図柄表示ユニット101の左隣り)に配置される。この右支持フレーム184は、
図33および
図34に示すように、金属体232に固定される上下に長い本体部186と、本体部186から前方へ延出して各シャッタ体181,182を支持する支持部187とから構成されている。そして、本体部186における支持部187より下側の部分は、作動モータ183が固定される設置部188とされている。本体部186は、その後端側が左方へ折曲形成されて、ドラムケース103の後壁部233に形成された第1開口248(
図27、
図28参照)に臨む固定片186Aを備えている。固定片186Aには、金属体232に形成された第3ネジ挿通孔271(
図27、
図28参照)に整合する第1ネジ孔189が、上下に離間して複数(実施例では2つ)形成されている。従って、第3ネジ挿通孔271を介して後方から挿通したネジを各第1ネジ孔189に螺挿することで、右支持フレーム184が金属体232に直接取り付けられる。
【0063】
支持部187には、左方へ延出した第1支持軸190が設けられ、第1シャッタ体181および第2シャッタ体182を該第1支持軸190で回動可能に支持するようになっている。ここで、第1支持軸190の軸心は、各第1図柄表示ユニット100の第1図柄ドラム107の回転中心(駆動モータ106の駆動軸106A)と左右方向において同一軸線上に位置している。設置部188には、作動モータ183の駆動軸183Aが挿通する軸挿通孔191が開設され、該作動モータ183が、駆動軸183Aを右側から軸挿通孔191に挿通させた状態で該設置部188にネジにより固定される。また、本体部186の左壁面には、作動モータ183とドラムケース103の上部に配設された前述の中継基板255に接続される中継基板192が配設されている。この中継基板192には、作動モータ183からの配線(図示せず)が接続されるコネクタ接続端子や、後述するセンサ225からの配線(図示せず)が接続されるコネクタ接続端子が配設されている。なお、中継基板192には、軸挿通孔191と整合する開口192Aが形成されており、作動モータ183の駆動軸183Aは、該開口192Aを介して中継基板192の左方へ延出する。
【0064】
第1シャッタ体181および第2シャッタ体182の左側を支持する支持フレーム(以降「左支持フレーム」という)185は、
図6に示すように、ドラムケース103に配設された金属板232に固定された状態で、左側の第1図柄表示ユニット100の左隣りに配置される。この左支持フレーム185は、
図33および
図34に示すように、上下に長い本体部186と、本体部196から前方へ延出して各シャッタ体181,182を支持する支持部197とから構成されている。本体部196は、その後端側が右方へ折曲形成されて、ドラムケース103の後壁部233に形成された第2開口249(
図28参照)に臨む固定片196Aを備えている。固定片196Aには、金属体232に形成された第3ネジ挿通孔271に整合する第2ネジ孔198が、上下に離間して複数(実施例では2つ)形成されている。従って、第3ネジ挿通孔271を介して後方から挿通したネジを第2ネジ孔198に締結することで、左支持フレーム185が金属体232に取り付けられる。支持部197には、右方へ延出した第2支持軸200が設けられ、第1シャッタ体181および第2シャッタ体182を該第2支持軸200で回動可能に支持するようになっている。ここで、第2支持軸200の軸心は、各第1図柄表示ユニット100の第1図柄ドラム107の回転中心と左右方向において同一軸線上に位置している。
【0065】
(第1シャッタ体)
図33および
図34に示すように、第1シャッタ体181は、横並びに配置された3基の各第1図柄表示ユニット100の第1図柄ドラム107を同時に隠し得る横長で、かつ各第1図柄ドラム107の外周に沿う曲率で湾曲した板状に形成されている。第1シャッタ体181の右端は、右支持フレーム184の第1支持軸190に回転可能に支持される第1右アーム201の先端に連結支持されると共に、該第1シャッタ体181の左端は、左支持フレーム185の第2支持軸200に回転可能に支持される第1左アーム202の先端に連結支持され、当該第1シャッタ体181は、第1右アーム201および第1左アーム202の間に架設される。そして、第1右アーム201および第1左アーム202が第1支持軸190および第2支持軸200を中心として回動することで、第1シャッタ体181が各第1図柄ドラム107の外周に沿って回転移動するようになっている。なお、第1シャッタ体181の表面には、所要のイラストやマーク等が表示されている。
【0066】
図33および
図34に示すように、第1右アーム201は、第1支持軸190が挿通する支持孔204が左右に貫通するよう形成され、該支持孔204を中心とする円形をなす円板部203と、該円板部203の外周部の一部から径方向外方へ突出して形成され、第1シャッタ体181の右端に連結されるシャッタ支持部205と、該円板部203の外周部の一部から径方向外方へ突出して形成され、支持孔204を中心とする円弧状に形成されたラックギア206とを備えている。ラックギア206は、第1右アーム201を第1支持軸190で支持した状態において、作動モータ183の駆動軸183Aに固定された第1駆動ギア221と噛合するように形成されている。従って、該作動モータ183を正逆回転制御することにより、第1右アーム201が第1支持軸190を中心として往復回動するようになっている。一方、第1左アーム202は、第2支持軸200が挿通する支持孔208が左右に貫通するよう形成され、該支持孔208を中心とする円形をなす207と、該円板部207の外周部の一部から径方向外方へ突出して形成され、第1シャッタ体181の左端に連結されるシャッタ支持部209とを備えている。従って、第1左アーム202は、第1右アーム201の往復回動に追従する第1シャッタ体181に従って第2支持軸200を中心として往復回動するようになっている。
【0067】
(第2シャッタ体)
図33および
図34に示すように、第2シャッタ体182は、横並びに配置された3基の各第1図柄表示ユニット100の第1図柄ドラム107を同時に隠し得る横長で、かつ各第1図柄ドラム107の外周に沿う曲率で湾曲した板状に形成されている。第2シャッタ体182の右端は、右支持フレーム184の第1支持軸190に支持される第2右アーム211の先端に連結支持されると共に、該第2シャッタ体182の左端は、左支持フレーム185の第2支持軸200に支持される第2左アーム212の先端に連結支持され、当該第2シャッタ体182は、第2右アーム211および第2左アーム212の間に架設される。そして、第2右アーム211および第2左アーム212が第1支持軸190および第2支持軸200を中心として回動することで、第2シャッタ体182が各第1図柄ドラム107の外周に沿って回転移動するようになっている。なお、第2シャッタ体182の表面には、所要のイラストやマーク等が表示されている。
【0068】
図33および
図34に示すように、第2右アーム211は、第1支持軸190が挿通する支持孔214が左右に貫通するよう形成され、該支持孔214を中心とする円形をなす円板部213と、該円板部213の外周部の一部から径方向外方へ突出して形成され、第2シャッタ体182の右端に連結されるシャッタ支持部215と、該円板部203の外周部の一部に形成され、支持孔214を中心とする円弧状に形成されたラックギア216とを備えている。ラックギア216は、第2右アーム211を第1支持軸190で支持した状態において、右支持フレーム184に回転可能に配設された中間ギア223を介して作動モータ183の駆動軸183Aに固定された第2駆動ギア222と連係するように形成されている。従って、該作動モータ183を正逆回転制御することにより、第2右アーム211が第1支持軸190を中心として往復回動するようになっている。一方、第2左アーム212は、第2支持軸200が挿通する支持孔218が左右に貫通するよう形成され、該支持孔218を中心とする円形をなす円板部217と、該円板部217の外周部の一部から径方向外方へ突出して形成され、第2シャッタ体182の左端に連結されるシャッタ支持部219とを備えている。従って、第2左アーム212は、第2右アーム211の往復回動に追従する第2シャッタ体182に従って第2支持軸200を中心として往復回動するようになっている。
【0069】
第1右アーム201と第1左アーム202とにより支持された第1シャッタ体181および第2右アーム211と第2左アーム212とにより支持された第2シャッタ体182は、
図37に示すように、第1支持軸190および第2支持軸200を中心として各アーム201,202,211,212が回転する。従って、第1シャッタ体181および第2シャッタ体182は、
図37に示すように、第1支持軸190および第2支持軸200を中心とする同一周面上を、離間位置と近接位置との間で第1図柄ドラム107の外周に沿って移動する。
【0070】
(第2ガイド部)
前述した第1シャッタ体181および第2シャッタ体182は、
図17、
図18、
図33〜
図35に示すように、第1図柄ドラム107と対向する裏面側に、径方向内方へ突出する3つのガイド片(第2ガイド部)220を、左右方向に所要間隔毎に離間して備えている。各ガイド片220は、各第1図柄表示ユニット100毎に設けられた各ガイド部132と対向する位置に、第1シャッタ体181または第2シャッタ体182の幅方向へ枠曲して延在し、該シャッタ体181,182の全幅に亘って形成されている。このような各ガイド片220は、対応するガイド部132のガイド溝132Aに対して径方向外方から差し込まれ、該ガイド溝132Aに沿って第1図柄ドラム107の外周方向への移動(摺動)が許容されると共に、該第1図柄ドラム107に近づく方向への移動が規制されるように係合している。従って、作動モータ183の作動により第1シャッタ体181および第2シャッタ体182が第1図柄ドラム107の周方向へ移動する際に、各ガイド片220が対応のガイド部132に沿って摺動するから、第1シャッタ体181または第2シャッタ体182が、第1図柄ドラム107の外周側へ移動するように撓み変形したり、左右方向において捻れ変形するのを防止するよう構成されている。
【0071】
(作動モータ)
作動モータ183は、
図25、
図26、
図33および
図34に示すように、右支持フレーム184における設置部188の右側に、駆動軸183Aを左方に延出させた姿勢で固定されており、中継基板192から左方へ延出した該駆動軸183Aには、平歯車である第1駆動ギア221および第2駆動ギア222が軸方向に並んで固定されている。第1駆動ギア221は、第1右アーム201に設けられたラックギア206と直接に噛合している。また、第1駆動ギア221の左側に位置する第2駆動ギア222は、第1駆動ギア221より小径に形成され、右支持フレーム184に回転自在に配設された中間ギア223に噛合している。また中間ギア223は、第2右アーム211に設けられたラックギア216に噛合している。従って、作動モータ183を作動させると、第2駆動ギア222噛合した中間ギア223が第1駆動ギア221と逆方向に回転するため、第1右アーム201および第2右アーム211は逆方向に回転するようになる。すなわち、シャッタユニット102は、駆動軸183Aの先端側から見て該駆動軸183Aが右回転するよう作動モータ183を駆動させると、第1シャッタ体181と第2シャッタ体182とが第1図柄ドラム107の周方向へ互いに離間した離間位置(
図19〜
図22、
図35(a)参照)に移動し、駆動軸183Aの先端側から見て該駆動軸183Aが左回転するよう作動モータ183を駆動させると、第1シャッタ体181と第2シャッタ体182とが第1図柄ドラム107の周方向へ互いに近接した近接位置(
図23〜
図26、
図35(b)参照)に移動するようになっている。
【0072】
図22または
図26に示すように、右支持フレーム184の本体部186の上部に、センサ225が配設されていると共に、第1右アーム201における円板部203の外周端には、該センサ225により検知される検知片226が設けられている。検知片226は、シャッタ体181,182の離間位置においてセンサ225により検知される位置に設けられており、検知片226をセンサ225が検知した場合には、該センサ225から検知信号が統括制御装置301に送信される。従って、統括制御装置301は、センサ225からの検知信号が入力されることで、第1シャッタ体181および第2シャッタ体182が離間位置にあることを認識する。
【0073】
(ドラムケース)
ドラムケース103は、
図16、
図27および
図28に示すように、前方に向かって開口する箱状に形成されたケース体230と、該ケース体230の前方開口を覆う透明カバー体231とから箱状に形成され、3基の第1図柄表示ユニット100および1基の第2図柄表示ユニット101を左右に横並びで収容すると共に、前述したシャッタユニット102を収容し得るように構成されている。透明カバー体231とケース体230とは、複数(実施例では4個)のネジにより前後に組み付けられ、各第1図柄表示ユニット100、第2図柄表示ユニット101およびシャッタユニット102をカバーする。また、ケース体230には、該ケース体230の外面を囲繞する形状に板金形成された金属製の金属体232が取り付けられている。金属体232は、ドラムケース103を補強すると共に、第1図柄表示ユニット100の駆動モータ106の駆動および第2図柄表示ユニット101の駆動モータ146の駆動により発生し得るノイズを低減する効果も具有する。
【0074】
(ケース体)
ケース体230は、
図16、
図27、
図28、
図35および
図36に示すように、略垂直な後壁部(固定部)233と、前側開口に隣接する前部が水平で該前部から後壁部233に向けて後部が下方傾斜する上壁部(固定部)234と、前側開口に隣接する前部が水平で該前部から後壁部233に向けて後部が上方傾斜する下壁部(固定部)235と、上下の壁部234,235および後壁部233の左縁に連設された左側壁部236および右縁に連設された右側壁部237とからなり、前方の開口形状が矩形の箱状に形成される。ここで、ケース体230における第2図柄表示ユニット101が配設される右側部分は、上壁部234および下壁部235の傾斜角度が急になっていて後壁部233が小さくなっている。上壁部234の傾斜部分、下壁部235の傾斜部分および後壁部233には、スリット状の放熱孔238が複数形成されて、各第1図柄表示ユニット100の駆動モータ106および第2図柄表示ユニット101の駆動モータ146の駆動時に発生する熱をケース外部へ放出し得るようになっている。そして、上壁部234、左側壁部236、右側壁部237および下壁部235により形成される4つの各角部には、前後に貫通した第1ネジ挿通孔239Aが開設されたリブ239が形成されており、該ケース体230と透明カバー体231とを締結するネジ(図示せず)が該第1ネジ挿通孔239Aに挿通されるようになっている。
【0075】
(第1図柄表示ユニットの取付構造)
図27、
図28、
図35および
図36に示すように、ケース体230における後壁部233の内面(前面)には、上壁部234の近接位置および下壁部235の近接位置に、第1図柄表示ユニット100の支持板145におけるベース板金116に設けられた第1固定片120,120が係合する上下一対の係合支持部240,240が、3基の各第1図柄表示ユニット100に対応するよう左右に離間して3箇所に形成されている。各係合支持部240は、前側から見て逆L形をなして後壁部233の前面から前方へ突出した突片240Aと、該突片240Aの下部前端から上方へ延出し、第1固定片120の厚みと同じ間隔で後壁部233から前方へ離間して位置する保持片240Bとからなり、該係合支持部240は、上方および左方へ開口している。従って、各第1固定片120は、後壁部233における各係合支持部240の上方に当接させた状態で、第1図柄表示ユニット100を下方へ移動させることで、各係合支持部240における保持片240Bと後壁部233との間に挿入され、各係合支持部240に係合した各第1固定片120は、前後方向および右方向への移動が規制されるようになっている。また、後壁部233には、係合支持部240に係合した第1固定片120に形成された第2ネジ孔120Aと前後に整合する第2ネジ挿通孔241,241が開設されており、ケース体230の後壁部233の後外方から該第2ネジ挿通孔241に挿通させたネジ(図示せず)を第2ネジ孔120Aに螺挿することで、第1固定片120がケース体230に固定されるようになっている。
【0076】
また、
図28、
図35および
図36に示すように、ケース体230の上壁部234における傾斜部分には、第1図柄表示ユニット100の支持板105におけるベース板金116に設けられた第2固定片121に形成された第3ネジ孔121Aと整合する第3ネジ挿通孔242が、3基の各第1図柄表示ユニット100に対応するよう左右に離間して3箇所に開設されている。従って、ケース体230の上壁部234の外方から該第3ネジ挿通孔242に挿通させたネジ(図示せず)を第3ネジ孔121Aに螺挿することで、第2固定片121がケース体230に固定されるようになっている。更に、ケース体230の下壁部235における傾斜部分には、第1図柄表示ユニット100の支持板105におけるベース板金116に設けられた第3固定片122に形成された第4ネジ孔122Aと整合する第4ネジ挿通孔243が、3基の各第1図柄表示ユニット100に対応するよう左右に離間して3箇所に開設されている。従って、ケース体230の下壁部235の外方から該第4ネジ挿通孔243に挿通させたネジ(図示せず)を第4ネジ孔122Aに螺挿することで、第3固定片122がケース体230に固定されるようになっている。
【0077】
従って、3基の第1図柄表示ユニット100は、各第1固定片120を対応する係合支持部240に係合させると共にネジにより後壁部233に固定し、第2固定片121および第3固定片122を各々ネジにより上壁部234および下壁部235に固定することで、支持板105の後部がケース体230に強固に固定される。特に、第1固定片120および第2固定片121と第3固定片122とが、支持板105を挟んで左右に位置しているから、ケース体230に固定された第1図柄表示ユニット100は、前側が左右方向へ変位することが規制され、隣接する第1図柄表示ユニット100が接触することが防止されるようになっている。なお、ケース体230に取付固定された3基の第1図柄表示ユニット100は、各第1図柄ドラム107の回転中心を左右の同一軸線上に整列させた状態で横並びになっている(
図6、
図17、
図18参照)。
【0078】
(第2図柄表示ユニットの取付構造)
図27および
図35に示すように、ケース体230における上壁部234の前部下面には、第2図柄表示ユニット101の支持板145を該上壁部234に保持する第1挟持部245が設けられると共に、下壁部235の前部上面には、該支持板145を該下壁部235に保持する第2挟持部246が設けられている。第1挟持部245は、第2図柄表示ユニット101におけるベース板金156の厚み寸法と略同一の間隔で左右に離間した設けられた左右一対の挟持リブ245A,245Aから構成されている。各挟持リブ245A,245Aは、上壁部234の下面から下方へ突出すると共に前後方向へ平行に延在しており、第2図柄表示ユニット101におけるベース板金156の上端縁156Dが、両挟持リブ245A,245A間に前側から差し込み可能となっている。一方、第2挟持部246は、第2図柄表示ユニット101におけるベース板金156の厚み寸法と略同一の間隔で左右に離間した設けられた左右一対の挟持リブ246A,246Aから構成されている。各挟持リブ246A,246Aは、下壁部235の上面から上方へ突出すると共に前後方向へ平行に延在しており、第2図柄表示ユニット101におけるベース板金156の下端縁156Eが、両挟持リブ246A,246A間に前側から差し込み可能となっている。従って、第1挟持部245および第2挟持部246に対して前側から差し込まれた第2図柄表示ユニット101のベース板金156は、左右方向へ移動が規制された状態でケース体230に保持される。
【0079】
また、
図28に示すように、ケース体230の後壁部233における右側部分には、第2図柄表示ユニット101の支持板145におけるベース板金156に設けられた各固定片160に形成された第2ネジ孔160Aと整合する第5ネジ挿通孔247が、上下に離間した2箇所に開設されている。従って、ケース体230の後壁部233の外方から該第5ネジ挿通孔247に挿通させたネジ(図示せず)を第2ネジ孔160Aに螺挿することで、固定片160がケース体230に固定されるようになっている。
【0080】
従って、第2図柄表示ユニット101は、第1挟持部245および第2挟持部246にベース板金156の上端縁156Dおよび下端縁156Eを各々差し込むと共に、固定片160をネジにより後壁部233に固定することで、ベース板金156の上部、下部および後部がケース体230に強固に固定される。すなわち、ベース板金156の3箇所がケース体230に保持されるから、ケース体230に固定された第2図柄表示ユニット101は、前側が左右方向へ変位することが規制される。なお、ケース体230に取付固定された第2図柄表示ユニット101は、第2図柄ドラム147の回転中心が、第1図柄表示ユニット100の第1図柄ドラム107の回転中心より、前方かつ下方に位置している(
図6、
図17、
図18参照)。
【0081】
ケース体230に取り付けられた3基の各第1図柄表示ユニット100と第2図柄表示ユニット101は、第1図柄ドラム107と第2図柄ドラム147との外径が異なると共に、第1図柄ドラム107と第2図柄ドラム147の回転中心も異なっている。従って、実施例のドラム式図柄表示装置Hは、主制御装置300における大当り抽選の結果を表示する各第1図柄表示ユニット100と、該主制御装置300における大当り抽選の結果や第1図柄表示ユニット100の動作態様(演出内容)を示唆する第2図柄表示ユニット101との役割が異なっていることが明確になるように構成され、遊技者に混乱を与えないよう考慮されている。そして、
図6および
図18に示すように、各第1図柄表示ユニット100の第1図柄ドラム107の外周における最前位置と第2図柄表示ユニット101の第2図柄ドラム147の外周における最前位置とが略同じであり、
図3および
図4に示すように、第2図柄ドラム147が見難くならないようになっている。
【0082】
(ケース体のその他の構成)
図27および
図28に示すように、ケース体230の後壁部233における右側壁部237側には、シャッタユニット102を支持する右支持フレーム184の固定片186Aをケース外方へ臨ませる第1開口248が開設されていると共に、後壁部233における左側壁部236側には、前述したように、シャッタユニット102を支持する左支持フレーム185の固定片196Aをケース外方へ臨ませる第2開口249が開設されている。また、ケース体230の下壁部235における後壁部233の近接位置には、左右方向に離間する3箇所に第1通出孔250が夫々開設されており、各第1図柄表示ユニット100をケース体230内に固定した際に、該第1図柄表示ユニット100の支持板105(プリント配線板115)に設けた第1コネクタ接続端子124が、第1通出孔250を介してケース外方に臨むようになっている。更に、ケース体230の後壁部233における右側には、第2通出孔251が開設されており、第2図柄表示ユニット101をケース体230内に固定した際に、該第2図柄表示ユニット101の支持板145(プリント配線板155)に設けた第1コネクタ接続端子164が、第2通出孔251を介してケース外方に臨むようになっている。
【0083】
また、
図28および
図36に示すように、ケース体230の上壁部234における傾斜部分の前縁には、左右方向に離間する2箇所に第1差し込み孔252が開設されると共に、
図27および
図36に示すように、下壁部235における傾斜部分の前縁には、左右方向に離間する3箇所に第2差し込み孔253が開設されている。各第1差し込み孔252には、金属体232に形成された上差し込み片273が差し込まれ、各第2差し込み孔253には、該金属体232に形成された下差し込み片275が差し込まれるようになっている。更に、
図28に示すように、ケース体230の後壁部233には、金属体232を該後壁部233に固定するネジ(図示せず)が螺挿される複数(実施例では4つ)のネジ孔254が形成されている。
【0084】
また、
図28に示すように、ケース体230の上壁部234における傾斜部分の右側部分には、中継基板255が保持された基板ケース256が設置されるようになっている。ケース体230には、基板ケース256を固定する手段として、上壁部234の傾斜部分において左右方向に離間する2箇所に開設された係合孔257,257と、後壁部233の上部から上壁部234の後縁に突出して、左右方向に離間する2箇所に設けられた係合爪258,258とを備えている。各係合孔257には、基板ケース256の前端に前方へ延出するように形成された各係合突部259,259が、後方から差し込まれるように構成されている。また、各係合爪258は、上端が前後方向に移動するよう弾性変形が可能となっており、基板ケース256の後端部256Aに係脱可能に係合するようになっている。従って中継基板255は、係合突部259と係合孔257との係合および係合爪258と基板ケース256の後端部256Aとの係合により、基板ケース256に保持された状態でケース体230に固定される(
図16(b)参照)。
【0085】
(中継基板)
前述した中継基板255は、3基の第1図柄表示ユニット100、第2図柄表示ユニット101およびシャッタユニット102と、前述した統括制御装置301とを、電気的に接続する基板である。
図16(b)に示すように、中継基板255の上面左端には、統括制御装置301に接続される配線のコネクタ(図示せず)が接続される第1コネクタ接続端子260が、差込み口が左方に向いた姿勢で配設されている。また、中継基板255の上面後端には、左側および中央の各第1図柄表示ユニット100に各々接続される配線が纏められたコネクタ(図示せず)が接続される第2コネクタ接続端子261と、右側の第1図柄表示ユニット100および第2図柄表示ユニット101に各々接続される配線が纏められたコネクタ(図示せず)が接続される第3コネクタ接続端子262と、シャッタユニット102に接続される配線が纏められたコネクタ(図示せず)が接続される第4コネクタ接続端子263とが配設されている。
【0086】
(金属体)
金属体232は、
図27、
図28および
図36に示すように、金属板をプレス成形により折曲形成した部材であって、ケース体230の後壁部233に対応する後板部265と、上壁部234の傾斜部分に対応する上傾斜部266と、下壁部235の傾斜部分に対応する下傾斜部267とからなり、前方に行くにつれて上下に拡開する形状となっている。そして、金属体232は、ケース体230に配設した際には、上壁部234の傾斜部分、後壁部233および下壁部235の傾斜部分に沿って保持され(
図16(b)参照)、該ケース体230を補強するようになっている。
【0087】
後板部265は、
図16(b)、
図27および
図28に示すように、ケース体230の後壁部233の形状に合わせて横長の略矩形に形成されており、後壁部233に形成された放熱孔238と対応する部位には、複数(実施例では6つ)の第1開口268が形成されており、該放熱孔238を介した熱の排出を阻害しないようになっている。後板部265には、後壁部233に形成された各第2ネジ挿通孔241と前後に整合する第1ネジ挿通孔269が形成されており、該第1ネジ挿通孔269および第2ネジ挿通孔241に後方から挿通したネジを、第1図柄表示ユニット100のベース板金116における第1固定片120に設けられた第2ネジ孔120Aに螺挿することで、金属体232と各第1図柄表示ユニット100とが後壁部233を挟んで締結されるようになっている。また、後板部265には、後壁部233に形成された各ネジ孔254と前後に整合する第2ネジ挿通孔270が形成されており、該第2ネジ挿通孔270に後方から挿通したネジを各ネジ孔254に螺挿することで、当該金属体232がケース体230に固定される。更に、後板部265には、後壁部233に形成された第1開口248および第2開口249に臨む位置に、右支持フレーム184に形成された第1ネジ孔189,189および左支持フレーム185に形成された第2ネジ孔198,198と前後に整合する4つの第3ネジ挿通孔271が開設されており、該第3ネジ挿通孔270に後方から挿通したネジを各第1ネジ孔189および第2ネジ孔198に螺挿することで、当該金属体232に右支持フレーム184および左支持フレーム185が固定される。従って、後板部265は、複数のネジによりケース体230の後壁部233に強固に固定される。
【0088】
上傾斜部266は、
図16(b)、
図27および
図28に示すように、左右方向の幅が後板部265の1/2以下であり、中継基板255が固定される部分を除く傾斜部分に沿うように後板部265の左側に偏った位置に形成されている。上傾斜部266には、上壁部234に形成された放熱孔238と対応する部位に第2開口272が形成されており、該放熱孔238を介した熱の排出を阻害しないようになっている。また、上傾斜部266の上端には、左右方向に離間した2つの上差し込み片273が前方に延出して形成されており、各上差し込み片273は、ケース体230の上壁部234に形成された前述の各第1差し込み孔252に対し後方から各々差し込み可能となっている(
図36参照)。
【0089】
下傾斜部267は、
図16(b)、
図27および
図28に示すように、左右方向の幅が後板部265より小さく、ケース体230の下壁部235における傾斜部分に沿うように形成されている。下傾斜部267には、下壁部235に形成された放熱孔238と対応する部位に第3開口274が形成されており、該放熱孔238を介した熱の排出を阻害しないようになっている。また、下傾斜部267の下端には、左右方向に離間した3つの下差し込み片275が前方に延出して形成されており、各下差し込み片275は、ケース体230の下壁部235に形成された前述の第2差し込み孔253に対し後方から各々差し込み可能となっている(
図36参照)。
【0090】
(透明カバー体)
ドラムケース103を構成する透明カバー体231は、
図16(a)、
図27および
図28に示すように、各第1図柄表示ユニット100の第1図柄ドラム107および第2図柄表示ユニット101の第2図柄ドラム147を透視可能にケース体230の前方開口を覆い、前向きに凸円弧形に膨出する形状をなす前面部278と、該前面部278の左右端縁に連設されて垂直に延在する左側壁部279および右側壁部280と、前面部278の上下部および左右の側壁部279,280の後部に連設された矩形の枠状部281とからなり、透明合成樹脂材により後側に開放する箱蓋形に形成されている。透明カバー体231は、前述したケース体230と前後に組み付けた際に、枠状部281が該ケース体230の前端外周囲を囲繞するよう構成される。そして、枠状部281の内側における上下および左右の4つの各角部には、後方へ開口したネジ孔282が形成されており、各ネジ孔282は、ケース体230に形成された前述の各第1ネジ挿通孔239Aと前後で各々整合するようになっている。従って、透明カバー体231とケース体230とは、各ネジ挿通孔239Aを介して各ネジ孔282にネジを螺挿することで、3基の各第1図柄表示ユニット100、第2図柄表示ユニット101およびシャッタユニット102を収納した状態で前後に締結される。
【0091】
前面部278は、
図16(a)、
図27および
図28に示すように、3基の各第1図柄表示ユニット100における第1図柄ドラム107の前側に位置する第1透視面278Aと、第2図柄表示ユニット101における第2図柄ドラム147の前側に位置する第2透視面278Bとからなる。第1透視面278Aは、第1図柄表示ユニット100の各第1図柄ドラム107の外面に沿って所要間隔に離間した位置で延在するよう曲面に形成されている(
図36参照)。また、第2透視面278Bは、第2図柄表示ユニット101の第2図柄ドラム147の外面に沿って所要間隔に離間した位置で延在するよう曲面に形成されており、第2透視面278Bは第1透視面278より小さい曲率半径で湾曲している。ここで、前面部278の第1透視面278Aは、
図36に示すように、各第1図柄ドラム107の外周面との間に、シャッタユニット102における第1シャッタ体181および第2シャッタ体182の移動領域を確保するように形成されている。また、左右の側壁部279,280は、その内面が波板状に形成されて照射光を拡散し得るようになっている。
【0092】
(第1引掛け部および第2引掛け部)
透明カバー体231における左側壁部236には、
図16、
図27および
図28に示すように、上下に離間する2箇所に、前述した第1引掛け部284,284が左外方へ突出して形成されており、設置部材35の左設置台部45に形成された係合口46,46に各々係脱可能に係合する。各第1引掛け部284,284は、突出端の前縁および上下縁が各々曲面に形成されており、対応する係合口46,46に右側方から対し差し込み易くなっている。また、透明カバー体231における右側壁部237には、上下に離間する2箇所に、前述した第2引掛け部285,285が左外方へ突出して形成されており、設置部材35の右設置台部47に形成された係合凹部48,48に各々係脱可能に係合する。各第2引掛け部285,285は、後面285Aが左右かつ垂直な平坦面に形成されており、該後面285Aの全面が前述した規制部材55の当受け部62と面接触するよう構成されている。また、各第2引掛け部285,285は、突出端の前縁および上下縁が各々曲面に形成されており、対応する係合凹部48,48に対し後方から係合させ易くなっている。
【0093】
前述のように構成された透明カバー体231は、
図7に示すように、各第1引掛け部284を対応する各係合口46に各々差し込んで係合させると共に、各第2引掛け部285を対応する各係合凹部48に各々係合させた後、
図11〜
図13に示すように、規制部材55を規制位置にスライド移動させることで、設置開口36内に位置決めされた状態で設置部材35に固定される。そして、透明カバー体231の枠状部281は、設置開口36の開口サイズに比べて、左右方向および上下方向の寸法が僅かに小さく設定されており、
図6に示すように、設置部材35に固定された状態においては、設置開口36の外周縁との間に僅かな隙間286が形成されるようになっている。
【0094】
(実施例の作用)
実施例のパチンコ機Pにおけるドラム式図柄表示装置Hは、第1図柄表示ユニット100、第2図柄表示ユニット101およびシャッタユニット102をドラムケース103のケース体230に固定するに先立ち、該ケース体230の外側に金属体232を取り付ける。すなわち、金属体232は、
図27、
図28および
図36に示すように、上傾斜部266に設けられた各上差し込み片273を、ケース体230の上壁部234に設けられた各第1差し込み孔252に差し込むと共に、下傾斜部267に設けられた各下差し込み片275を、ケース体230の下壁部235に設けられた各第2差し込み孔253に差し込み、後板部265をケース体230の後壁部233にネジにより固定する。これにより金属体232は、後板部265がケース体230の後壁部233に接触し、上傾斜部266がケース体230の上壁部234に接触し、下傾斜部267がケース体230の下壁部235に接触して、該ケース体230を外側から包み込むように配設される。
【0095】
予め組み立てられた3基の第1図柄表示ユニット100は、
図27、
図28および
図35に示すように、支持板105におけるベース板金116に設けられた各第1固定片120を、ドラムケース103のケース体230における後壁部233に設けられた係合支持部240に上方から係合させると共に、金属体232および後壁部233に挿通させたネジにより該後壁部233に固定する。また、ベース板金116に設けられた第2固定片121を、ケース体230の上壁部234に挿通したネジにより該上壁部234に固定すると共に、ベース板金116に設けられた第3固定片122を、ケース体230の下壁部235に挿通させたネジにより該下壁部235に固定する。これにより、各第1図柄表示ユニット100は、
図36に示すように、ベース板金116がケース体230の後壁部233、上壁部134および下壁部235に固定されるから、支持板105の前側が左右に変位することが規制されてケース体230に安定的に固定される。特に、第1固定片120が係合支持部240に係合されると共に金属体232にも締結されるから、各第1図柄表示ユニット100は、ケース体230に強固に固定される。
【0096】
予め組み立てられた第2図柄表示ユニット101は、
図27、
図28および
図35に示すように、支持板145におけるベース板金156の上端部156Dを、ドラムケース203のケース体230における上壁部234に設けられた第1挟持部245に差し込むと共に、ベース板金156の下端部156Eを、ケース体230の下壁部235に設けられた第2挟持部246に差し込み、ベース板金156に設けられた固定片160を、金属体232およびケース体230の後壁部233に挿通させたネジにより該後壁部233に固定する。これにより、第2図柄表示ユニット101は、ベース板金156がケース体230の後壁部233、上壁部134および下壁部235に支持されると共に固定されるから、支持板145の前側が左右に変位することが規制されてケース体230に安定的に固定される。特に、固定片160が金属体232にも締結されるから、第2図柄表示ユニット101は、ケース体230に強固に固定される。
【0097】
次に、予め組み立てられたシャッタユニット102は、
図27および
図28に示すように、右支持フレーム184の固定片186Aを、ドラムケース203のケース体230における後壁部233の第1開口248に整合させ、金属体232の後板部265に挿通させたネジにより該金属体232に固定すると共に、左支持フレーム185の固定片196Aを、ドラムケース203のケース体230における後壁部233の第2開口249に整合させ、金属体232の後板部265に挿通させたネジにより該金属体232に固定する。なお、この固定作業時に、第1シャッタ体181の裏面に設けられた各ガイド片220を、各第1図柄表示ユニット100に設けられた対応するガイド部132のガイド溝132Aに差し込むと共に、第2シャッタ体182の裏面に設けられた各ガイド片220を、各第1図柄表示ユニット100に設けられた対応するガイド部132のガイド溝132Aに差し込むようにする。これにより、シャッタユニット102は、右支持フレーム184および左支持フレーム185により左右両側において金属体232に直接固定されるから、右支持フレーム184および左支持フレーム185の前側が左右に変位することが規制されてケース体230に安定的に固定される。
【0098】
ケース体230に対して、各第1図柄表示ユニット100、第2図柄表示ユニット101およびシャッタユニット102の取り付けが完了したら、
図27および
図28に示すように、該ケース体230と透明カバー体231とをネジにより締結する。そして、各第1図柄表示ユニット100、第2図柄表示ユニット101およびシャッタユニット102と中継基板255とを、図示省略した配線で接続することで、ドラム式図柄表示ユニットHの組み立てが完了する。
【0099】
次に、前述のように組み立てられたドラム式図柄表示ユニットHを、
図7に示すように、遊技盤Dの後側に取り付けられた設置部材35の設置開口36に取り付ける。なお、ドラム式図柄表示ユニットHの取り付けに際し、設置部材35の右設置台部47に予めスライド移動可能に取り付けられた規制部材55は、
図9および
図10に示すように、退避位置に保持させておく。ここで、規制部材55は、右設置台部47に形成された保持突部51に、ストッパ部57の当接部64が上方から当接するから、下方の規制位置に向けて降下することなく退避位置に保持される。従って、規制部材55は、手で押さえなくても退避位置に保持されるから、設置部材35に対するドラム式図柄表示装置Hの取付け作業時に、該ドラム式図柄表示装置Hを両手で持つことが可能となる。ドラム式図柄表示装置Hの取付け作業においては、先ず、ドラム式図柄表示ユニットHをその左側が前方となる斜めの姿勢として、ドラムケース103の左側部に設けられた各第1引掛け部284,284を、設置部材35の左設置台部45に設けられた各係合口46,46に差し込んで係合させる。次いで、ドラム式図柄表示ユニットHの右側を前方へ移動させ、ドラムケース103の右側部に設けられた各第2引掛け部285,285を、退避位置に保持されている規制部材55の切欠き部61,61に後方から挿通させた後、各切欠き部61,61に整合した各係合凹部48,48に係合させる(
図9、
図10参照)。
【0100】
各第2引掛け部285,285が各係合凹部48,48に係合されたら、規制部材55を退避位置から規制位置に向けて移動させる。この際に、保持突部51の傾斜部53とストッパ部57の当接部64の傾斜面65とが当接することで、ストッパ部57が前方へ弾性変形して当接部64が保持突部51から前方へ退避するから、規制部材55の規制位置へのスライド移動が許容される。規制部材55が規制位置に移動すると、
図11〜
図13に示すように、該規制部材55の当受け部62,62が係合凹部48,48の後側に位置して、各係合凹部48,48に係合している第2引掛け部285,285の後面285Aの全面に当受け部62,62が面接触した状態で当接し、各第2引掛け部285,285が同時に対応した係合凹部48から離脱不能に固定される。すなわち、規制部材55を退避位置から規制位置へスライド移動させるだけのワンタッチ操作により、2つの第2引掛け部285,285を各係合凹部48,48に同時に固定させることができ、設置部材35に対してドラム式図柄表示装置Hを簡易に固定することができる。しかも、規制部材55は、退避位置から規制位置へスライド移動させるだけであるから、該規制部材55の操作を簡易に行なうことができる。また、規制部材55の当受け部62と第2引掛け部285の後面285Aとが面接触するから、ドラム式図柄表示装置Hの重量が規制部材55に加わっても、該規制部材55に対して応力が集中することが防止されて、該規制部材55により第2引掛け部285を適切に保持することができ、規制部材55の破損を防止できる。
【0101】
各係合口46,46に係合した各第1引掛け部284,284は、上下方向および前後方向の移動が規制されると共に、各係合凹部48,48に係合した各第2引掛け部285,285も、上下方向の移動が規制されると共に規制部材55により前後方向の移動も規制される。従って、実施例のドラム式図柄表示装置Hは、
図6に示すように、ドラムケース103の透明カバー体231における前面部278の第1透視面278Aおよび第2透視面278Bを、枠状装飾体17の表示窓口18に臨ませた状態で、設置部材35にがたつくことなく固定される。そして、ドラム式図柄表示装置Hのドラムケース103と設置部材35の設置開口36の開口縁との間に隙間286が画成されているから、第1図柄表示ユニット100の作動や、第2図柄表示ユニット101の作動や、シャッタユニット102の作動によってドラム式図柄表示装置Hに振動が発生した場合でも、該振動がドラムケース103を介して設置部材35へ伝わることが抑制され、該ドラム式図柄表示装置Hの振動による異音の発生や設置部材35の振動を抑えることができる。
【0102】
また、規制部材55が規制位置までスライド移動すると、右設置台部47に形成された保持突部51が、ストッパ部57に形成された係合口66に対して、係合凹部48の反対側である後側から嵌り込む。従って、例えばドラム式図柄表示装置Hの重みにより第2引掛け部285に対し係合凹部48から離脱する方向の力(前方側から後方側への力)が作用した場合には、規制部材55が保持突部51側へ押されるから、保持突部51が係合口66に差し込まれるようになって該係合口66と保持突部51との係合状態が保たれる。従って、規制部材55が後側へ押されても、該規制部材55が規制位置から退避位置側へスライド移動することが規制され、ドラム式図柄表示装置Hが設置部材35に固定された状態を好適に維持し得る。また、保持突部51が係合口66に嵌り込んでいることで、規制部材55が規制位置側から退避位置側へ付勢されても、該規制部材55は、退避位置側へのスライド移動が規制されて規制位置に保持される。
【0103】
前述のように構成されたドラム式図柄表示装置Hを備えた実施例のパチンコ機Pでは、遊技盤Dの遊技領域12へ打ち出された遊技球が始動入賞装置24の第1始動入賞口25または第2始動入賞口26に入賞して、該第1始動入賞口25または第2始動入賞口26に配設された球検知スイッチによる球検知信号が主制御装置300に入力されると、該主制御装置300は、これを契機として大当り抽選を行なうと共に、大当り抽選の結果に基づく所定の制御信号を統括制御装置301に出力する。統括制御装置301では、主制御装置300からの制御信号に基づいて所定の変動パターンを決定して、決定された変動パターンに基づいてドラム式図柄表示装置Hの各第1図柄表示ユニット100の第1図柄ドラム107および第2図柄表示ユニット101の第2図柄ドラム147を回転させて図柄変動演出を行なわせる。
【0104】
そして、統括制御装置301は、シャッタユニット102の作動を伴わない変動パターンを決定した場合には、該シャッタユニット102を第1シャッタ体181および第2シャッタ体182を離間位置(
図3、
図19、
図20参照)としたもとで、
図38(a)に示すように、3基の各第1図柄表示ユニット100の第1図柄ドラム107および第2図柄表示ユニット101の第2図柄ドラム147を同時に回転させる。これにより、遊技盤Dの表示窓口18には、上段に位置する第1図柄組合わせラインL1、中段に位置する第2図柄組合わせラインL2、下段に位置する第3図柄組合わせラインL3、左下がりの第4図柄組合わせラインL4および右上がりの第5図柄組合わせラインL5の合計5本の図柄組合わせラインが形成される。
【0105】
統括制御装置301は、決定した変動パターンに基づき、各第1図柄表示ユニット100および第2図柄表示ユニット100の両方が作動開始してから所定時間後に、
図38(b)に示すように、先ず第2図柄表示ユニット101の第2図柄ドラム147を停止させて、例えば大当り成立に対する期待度が高いことを示す所定の図柄154Aを停止表示する。第2図柄表示ユニット101は、主制御装置300における大当たり抽選の結果を示唆するように第2図柄ドラム147が回転制御されるから、停止表示された図柄154Aに基づいて大当り発生を示唆する際の期待度を変化させた演出が行なわれる。
【0106】
そして、統括制御装置301は、決定した変動パターンに基づき、第2図柄表示ユニット101の第2図柄ドラム147が停止してから所定時間後に、
図38(c)に示すように、各第1図柄表示ユニット100の各第1図柄ドラム107を、同時に停止させるか、適宜時間差をもって順次停止させる。従って、遊技盤Dの表示窓口18には、各第1図柄ドラム107に3個の図柄114Aが表示され、最大で3列、3段で合計9個の図柄114Aが表示され、第1〜第5の各図柄組合わせラインL1,L2,L3,L4,L5で同一図柄が停止表示される可能性があるから、大当り成立に対する遊技者の興味を惹きつけるようにさせ得る。
【0107】
一方、統括制御装置301は、シャッタユニット102の作動を伴なう変動パターンを決定した場合には、例えば先ず、該シャッタユニット102を第1シャッタ体181および第2シャッタ体182を離間位置(
図3、
図19、
図20参照)としたもとで、
図39(a)に示すように、3基の各第1図柄表示ユニット100の第1図柄ドラム107および第2図柄表示ユニット101の第2図柄ドラム147を同時に回転させる。これにより、遊技盤Dの表示窓口18には、一時的に、上段に位置する第1図柄組合わせラインL1、中段に位置する第2図柄組合わせラインL2、下段に位置する第3図柄組合わせラインL3、左下がりの第4図柄組合わせラインL4および右上がりの第5図柄組合わせラインL5の合計5本の図柄組合わせラインが形成される。
【0108】
統括制御装置301は、決定した変動パターンに基づき、各第1図柄表示ユニット100および第2図柄表示ユニット100の両方が作動開始してから所定時間後に、
図39(b)に示すように、先ず第2図柄表示ユニット101の第2図柄ドラム147を停止させて、例えば大当り成立に対する期待度が低いことを示す所定の図柄154Aを停止表示する。また、統括制御装置301は、シャッタユニット102の作動モータ183を作動させて、
図39(b)に示すように、第1シャッタ体181および第2シャッタ体182を、第1図柄ドラム107の外面に沿って近接移動させて近接位置(
図4、
図23、
図24参照)として、両シャッタ体181,182を表示窓口18の上方および下方へ延出した状態とする。これにより、遊技盤Dの表示窓口18には、中段に位置する第2図柄組合わせラインL2の1本だけが形成される。
【0109】
そして、統括制御装置301は、決定した変動パターンに基づき、第2図柄表示ユニット101の第2図柄ドラム147が停止してから所定時間後に、
図39(c)に示すように、各第1図柄表示ユニット100の各第1図柄ドラム107を、同時に停止させるか、適宜時間差をもって順次停止させる。従って、遊技盤Dの表示窓口18には、各第1図柄ドラム107毎に1個の図柄114Aが表示されるから、第2図柄組合わせラインL2上に合計3個の図柄114Aが表示される。
【0110】
なお、シャッタユニット102の作動を伴なう変動パターンは、各第1図柄表示ユニット100の第1図柄ドラム107の回転による図柄変動中に第1シャッタ体181および第2シャッタ体182を離間位置から近接位置へ単に移動させる態様だけではない。例えば、各第1図柄表示ユニット100の第1図柄ドラム107の回転開始による図柄変動演出の開始と同時に近接位置に移動させ、図柄変動演出の途中に近接位置から離間位置へ移動させる態様や、各第1図柄表示ユニット100の第1図柄ドラム107の回転開始による図柄変動演出の開始時には離間位置に停止させ、図柄変動演出の途中に近接位置から離間位置へ移動させ、更に図柄停止前に再び離間位置に移動させる態様等、様々な態様が設定されており、これにより図柄変動演出の多様化を図るようになっている。
【0111】
従って、シャッタユニット102を備えたドラム式図柄表示装置Hを装備した実施例のパチンコ遊技機Pによれば、主制御装置300における大当り抽選の結果を表示するよう制御される各第1図柄表示ユニット100の第1図柄ドラム107の外周外側に配設した一対の第1シャッタ体181および第2シャッタ体182を、該各第1図柄ドラム107の外周に沿って離間させた離間位置に移動することで、各第1図柄ドラム107毎に遊技盤Dの表示窓口18に3個の図柄114Aを表示させ得る。また、第1シャッタ体181および第2シャッタ体182を、第1図柄ドラム107の外周に沿って近接させて表示窓口18に位置する近接位置とすることで、各第1図柄ドラム107毎に、各シャッタ体181,182の離間位置における図柄表示数(3個)より少ない数(1個)の図柄114Aを遊技盤Dの表示窓口18に表示させ得る。従って、一対の第1シャッタ体181および第2シャッタ体182を離間位置または近接位置に移動させることで表示窓口18における図柄114Aの表示数を変化させることができるから、表示窓口18における図柄変動演出の多様化を図り得る。また、一対の第1シャッタ体181および第2シャッタ体182を同時に近接移動させることで、各第1図柄ドラム107の外周面を周方向両側から隠して、表示窓口18の中央部に図柄114Aを表示することが可能である。
【0112】
また、シャッタユニット102の第1シャッタ体181および第2シャッタ体182が、ドラムケース103内に横並びに配置された3基の各図柄表示ユニット100の各第1図柄ドラム107を被覆可能な長さに形成されているから、当該第1シャッタ体181および第2シャッタ体182により3つの各第1図柄ドラム107の図柄114Aを同時に被覆して隠すことができる。そして、シャッタユニット102が、1つの作動モータ183により3基の第1図柄表示ユニット100の各第1図柄ドラム107を被覆可能な第1シャッタ体181および第2シャッタ体182を移動させるよう構成されており、各第1図柄表示ユニット100毎に個別にシャッタ体を備える構成ではないから、各第1図柄表示ユニット100の複雑化や大型化を防止することができる。従って、シャッタユニット102を備えることによるドラム式図柄表示装置Hの大型化や重量化も防止し得る。
【0113】
また、各第1図柄表示ユニット100は、支持板105におけるベース板金116の後部に設けられた第1〜第3の各固定片120,121,122を、ドラムケース103のケース体230の後部(後壁部233、上壁部234の後部および下壁部235の後部)に固定することで、該ケース体230に保持されるよう構成されているから、各第1図柄表示ユニット100における第1図柄ドラム107の外周前側において、シャッタユニット102の第1シャッタ体181および第2シャッタ体182が移動するのを許容し得る。
【0114】
更に、左右の両端が支持された第1シャッタ体181および第2シャッタ体182は、各シャッタ体181,182の裏面に設けられた各ガイド片220が、第1図柄表示ユニット100に設けられたガイド部132のガイド溝132Aに差し込まれて摺動可能となっているから、第1シャッタ体181および第2シャッタ体182は左右中間部分が第1図柄ドラム107に近づくように変形することが規制され、該シャッタ体181,182が第1図柄ドラム107の外周面に接触することを防止できる。また、駆動モータ106の駆動により第1図柄ドラム107の回転時に振動が発生しても、第1シャッタ体181または第2シャッタ体182にびびり振動が発生することを防止し得る。
【0115】
更に、ドラムケース103に収容された3基の各第1図柄表示ユニット100と第2図柄表示ユニット101とは、第1図柄ドラム107と第2図柄ドラム147との外径が異なると共に、第1図柄ドラム107および第2図柄ドラム147の回転中心がずれた状態となっている。従って、主制御装置300における大当り抽選の結果を表示する各第1図柄表示ユニット100と、該主制御装置300における大当り抽選の結果や第1図柄表示ユニット100の動作態様(演出内容)を示唆する第2図柄表示ユニット101との役割が異なることが明確化されており、図柄変動演出時に遊技者に混乱を与えない。
【0116】
〔変更例〕
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限られるものではなく、種々の変更が可能である。
(1)シャッタユニット102について、1つの作動モータ183により2つの第1シャッタ体181および第2シャッタ体182を同期的に移動させる構成を例示したが、第1シャッタ体181および第2シャッタ体182を別々の作動モータで個別に移動させるよう構成してもよい。このように、第1シャッタ体181および第2シャッタ体182を別の作動モータで作動させる構成では、
図40(a)に示すように、第2シャッタ体182を離間位置に停止させると共に第1シャッタ体181だけを近接位置に移動させたり、
図40(b)に示すように、第1シャッタ体181を離間位置に停止させると共に第2シャッタ体182だけを近接位置に移動させることが可能である。ここで、
図40(a)の場合には、表示窓口18に第2図柄組合わせラインL2および第3図柄組合わせラインL3が形成可能で、各第1図柄ドラム107毎に2個ずつの図柄114Aが表示され、3列、2段の合計6個の図柄114Aを表示窓口18に表示し得る。また、
図40(b)の場合には、表示窓口18に第1図柄組合わせラインL1および第2図柄組合わせラインL2が形成可能で、各第1図柄ドラム107毎に2個ずつの図柄114Aが表示され、3列、2段の合計6個の図柄114Aを表示窓口18に表示し得る。
(2)第1図柄表示ユニット100に設けられた第1ガイド部と、第1シャッタ体181および第2シャッタ体182に設けられた第2ガイド部の構成は、第1ガイド部を、円弧状に延在する凸状のガイド片として、第2ガイド部を、該第1ガイド部が差し込み可能な凹状のガイド溝とした構成であってもよい。
(3)第1図柄表示ユニット100に設けられた第1ガイド部と、第1シャッタ体181および第2シャッタ体182に設けられた第2ガイド部の構成は、
図41に示すように、第1または第2ガイド部の何れか一方が、短手方向の断面形状を、先端側が基端側より幅広の先端拡大凸部(例えばT形形状)とすると共に、他方のガイド部が、短手方向の断面形状を、開口端側より底側が幅広の底部拡大凹部(例えば逆T形形状)としてもよい。第1ガイド部および第2ガイド部をこのような断面形状とした場合には、第1シャッタ体181および第2シャッタ体182が、第1図柄ドラム107に外周面に近づく方向の弾性変形が規制されると共に該外周面から遠ざかる方向の弾性変形も規制されるから、該シャッタ体181,182が第1図柄ドラム107の外周面から遠ざかる方向へ弾性変形して透明カバー体231の前面部278に接触することも防止し得る。
(4)シャッタユニット102のシャッタ体181,182は、3基の第1図柄表示ユニット100における第1図柄ドラム107の図柄114Aを同時に被覆するものに限らず、2基以下または4基以上の第1図柄表示ユニット100における第1図柄ドラム107の図柄114Aを同時に被覆する構成であってもよい。また、各第1図柄表示ユニット100毎に、第1図柄ドラム107の図柄114Aを被覆し得るシャッタユニット102を個別に備えた構成であってもよい。
(5)第1シャッタ体181および第2シャッタ体182の離間位置における各第1図柄ドラム107毎に視認可能な図柄数および近接位置における視認可能な図柄数は、各々3つおよび1つに限定されず、各シャッタ体181,182の離間位置における視認可能な図柄数は2つまたは4つ以上であってもよく、各シャッタ体181,182の近接位置における視認可能な図柄数は、離間位置における視認可能な図柄数より少なければ2つ以上であってもよい。
(6)第2図柄表示ユニット101は、第1図柄表示ユニット100の右側に隣接して配設したものに限らず、第1図柄表示ユニット100の左側に隣接して配設した構成や、第1図柄表示ユニット100の上側または下側に隣接して配設した構成であってもよい。また、第1図柄表示ユニット100または第2図柄表示ユニット101は、各図柄ドラム107,147の回転中心の軸方向が、上下方向に延在する向きや、斜め方向に傾斜した向きに配設したものであってもよい。
(7)各係合凹部48に係合した各第2引掛け部285を対応する該係合凹部48に固定する規制手段55は、退避位置と規制位置との間に実施例のように上下にスライド移動するものに限らず、例えば退避位置と規制位置との間を左右方向に対して斜めにスライド移動するものや、前後方向に対して斜めにスライド移動するものであってもよい。また、係合凹部48、第2引掛け部285および規制手段55は、実施例で示したドラム式図柄表示装置Hの右側に限らず、該ドラム式図柄表示装置Hの左側、上側または下側に設けてもよい。
(8)規制手段55によって同時に固定される第1固定部と第2固定部との数は、実施例で例示した2組に限らず、3組以上であってもよい。
(9)規制手段55により固定する第1固定部と第2固定部が配設される部材は、実施例で例示した設置部材35とドラム式図柄表示装置Hに限らず、遊技機を構成する他の部材であってもよい。
(10)規制部材55を規制位置に固定する第1係合部と第2係合部は、実施例で例示した凹凸形態と逆の凹凸形態としてもよい。すなわち、規制部材55のストッパ部57に設けられる第1係合部を凸状とし、設置部材35側に設けられる第2係合部を凹状としてもよい。また、第1係合部が設けられるストッパ部57は、規制部材55の上部または側部に設けるようにしてもよい。
(11)遊技機として、一般的なパチンコ機にを例示したが、これに限られるものではなく、スロットマシンであってもよい。また、図柄表示体としては、実施例に示した図柄ドラムに限られるものではなく、外周面に各種図柄が表示された無端状の図柄ベルトを採用することもできる。