【実施例】
【0024】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられると共に、該遊技盤20の裏側に、各種図柄を変動表示可能な演出実行手段としての図柄表示装置18が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられている。また、前枠13における窓部の下部位置には、パチンコ球を貯留可能な球受け皿14,15が設けられており、前枠13と一体的に球受け皿14,15を開閉し得るようになっている。実施例の前枠13には、上球受け皿14および下球受け皿15が上下の位置関係で組み付けられている。なお、前記球受け皿14,15は、前枠13とは個別に中枠12に組み付けるものでもよく、1枚の球受け皿14,15のみを設ける構成であってもよい。
【0025】
また、前記前枠13の右下方位置には、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動させる操作ハンドル17が設けられている。前記操作ハンドル17は、左回転方向に付勢された操作レバー17aを備えており、該操作レバー17aを右回転させるよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて発射されるようになっている。
【0026】
(中枠12について)
図2に示すように、前記中枠12は、全体が外枠11の開口領域に整合する形状および大きさに形成されており、ヒンジ機構19を介して中枠12の左側が外枠11に対して回動自在に支持されている。また、中枠12には、前後に開口する遊技盤保持部12a(図示せず)が画成されており、当該遊技盤保持部12aに対して遊技盤20が着脱自在に保持されている。これにより、パチンコ機10の前面側から前枠13の窓部を介して遊技盤20を目視し得るようになっている。なお、
図1において、遊技盤20の前面に配設されている各種の遊技部品は、後述する案内レール21を除いて図示省略してある。
【0027】
また、中枠12の後方上部位置には、
図2に示すように、一定数のパチンコ球を貯留可能な貯留タンク130が配設されており、遊技店に設けられた球供給設備から必要に応じて供給されたパチンコ球を貯留タンク130内に一定数貯留し得るようになっている。前記貯留タンク130は、前記中枠12の左右方向の略全幅に亘って延在するよう形成されると共に、貯留タンク130のタンク底面が中枠12の一側部(実施例ではヒンジ機構19側となる左側部)へ向けてタンク底面が下方傾斜するよう形成されて、貯留したパチンコ球が一定方向へ流れるよう構成されている。また、前記中枠12における遊技盤保持部12aの下方位置には、一側部(実施例ではヒンジ機構19側となる左側部)に偏った位置に、前記上下の球受け皿14,15連通する球誘導部134が設けられている。そして、パチンコ球が通過可能な球通路132aが形成された球通路ユニット132が、前記貯留タンク130の下流端部(貯留タンク130の左側端部)と前記球誘導部134とを掛け渡すよう設けられている。
【0028】
この球通路ユニット132は、前記貯留タンク130および球誘導部134の夫々に球通路132aが連通するよう構成されると共に当該球通路132aの経路途中に球払出装置136が配設されており、払出制御装置140からの制御信号に基づいて球払出装置136が作動することにより、貯留タンク130に貯留されたパチンコ球が上下の球受け皿14,15へ払い出されるよう構成されている。ここで、前記球通路ユニット132は、前記遊技盤保持部12a(遊技盤20)から後方に離間した位置を跨ぐよう鉛直方向に延在している(
図2参照)。すなわち、前記中枠12には、球通路ユニット132の配設域の前方に重なるよう横幅の大きな遊技盤保持部12aが形成されると共に、当該遊技盤保持部12aから後方に離間した位置に球通路ユニット132が配置されることで、左右寸法および前後寸法の大きな遊技盤20を設置し得るようになっている。なお、前記中枠12の裏面側における遊技盤保持部12aよりも下方には、パチンコ機10の電源制御を行う電源制御装置138や、パチンコ球の払出制御を行う払出制御装置140、パチンコ球の発射制御を行う発射制御装置142等の各種制御装置が配設されている。
【0029】
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、
図3〜
図5に示すように、前記中枠12の遊技盤保持部12aに整合する所定板厚の木材板や合成樹脂材からなる板状に形成され、該遊技盤20の表面(盤面)に配設された略円形状に湾曲した案内レール21により、パチンコ球が流下可能な遊技領域20aが画成されている。また、前記遊技盤20には、打球発射装置により発射されたパチンコ球を遊技領域20aへ誘導する発射通路が遊技領域20aの外周に沿って形成されている。遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が前記遊技領域20a内に複数開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体30等の装飾部材や、始動入賞装置40および特別入賞装置45等の入賞装置)が取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口23が開設されている。そして、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘25が植設されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘25に接触することでパチンコ球の流下方向を不規則に変化させたり、パチンコ球を一定方向に誘導するようになっている。なお、前記装着口の形成数や大きさは、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤20設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜に決定される。そして、前記遊技盤20の裏側に配設された設置部材50に、前記図柄表示装置18や主制御基板が収容された主制御装置57、統括制御基板が収容された統括制御装置70等が着脱自在に配設されている(
図5参照)。
【0030】
ここで、前記遊技盤20には、前記遊技領域20aの略中央に、前後に開口する表示窓口30aが形成された枠状装飾体30(
図3参照)が取り付けられており、該枠状装飾体30の表示窓口30aを介して図柄表示装置18の表示部が遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。前記枠状装飾体30は、前記装着口の開口縁に沿って延在する環状に形成されると共に、上縁部から左右両側縁部に亘り、遊技盤20の前面より前方に突出する庇状部31が連続的に設けられており、前記遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を庇状部31に沿って枠状装飾体30の左右側部へ案内することで、該パチンコ球が表示窓口30aを横切って流下するのを規制している。なお、枠状装飾体30には、前記表示窓口30aの開口下縁側にパチンコ球が左右に転動可能なステージ32が配設されると共に、該表示窓口30aの左側に、遊技領域20aに開口する球導入部33が設けられており、該遊技領域20aを流下するパチンコ球を球導入部33から取込んでステージ32に案内し得るよう構成されている。なお、前記ステージ32には、前記始動入賞装置40の上方位置に、該始動入賞装置40に向けてパチンコ球を排出する排出部32aが設けられている。
【0031】
また、前記遊技盤20には、
図3に示すように、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞装置40や特別入賞装置45が取り付けられている。前記始動入賞装置40は、遊技領域20a内で常に開口する入球口としての第1始動入賞口41aと、開閉部材(開閉手段)42の動作により遊技領域20aへの開状態を切替可能な入球口としての第2始動入賞口41bとが設けられている。前記開閉部材42は、前記枠状装飾体30の左側方に設けられたゲート部材35をパチンコ球が通過(入球)したことを契機として開閉駆動されるよう構成されており、当該開閉部材42が開放状態となることで第2始動入賞口41bへのパチンコ球の入賞を許容するようになっている。また、前記特別入賞装置45は、遊技領域20aに開口する特別入賞口46を開閉自在に閉成する開閉扉(開閉手段)47を備えており、駆動手段としての図示しないソレノイドの駆動に伴って開閉扉47が作動することで特別入賞口46が開放するよう構成されている。そして、前記始動入賞装置40の第1始動入賞口41aまたは第2始動入賞口41bにパチンコ球が入賞することで、主制御装置57および統括制御装置70による所定の制御に基づき、前記図柄表示装置18の図柄を変動表示する図柄変動演出が展開され、該図柄変動演出の結果、図柄表示装置18に所定の図柄組み合わせ(例えば同一図柄の3つ揃い等)で図柄が確定的に停止表示されると、特別遊技(大当り)が発生して前記特別入賞装置45が開放し、遊技者が多数の賞球を獲得可能な機会が与えられるようになっている。実施例では、前記遊技盤20において、枠状装飾体30の下方位置(左右中央の下方位置)に前記始動入賞装置40が配設されると共に、始動入賞装置40の下方位置に前記特別入賞装置45が配設されている。
【0032】
(設置部材50について)
前記遊技盤20の裏面に配設される前記設置部材50は、
図5、
図6に示すように、遊技盤20に対向する対向面部51と、該対向面部51の外周縁部から前方へ延出する外周壁部52とから前方へ開口する矩形箱状に形成されている。そして、前記外周壁部52の前端部に、外側方へ延出するフランジ部53が複数箇所に形成されており、遊技盤20の裏側に当接させたフランジ部53をネジ固定することで、当該遊技盤20に設置部材50が取り付けられるようになっている。また、前記設置部材50における対向面部51の前面側(すなわち、遊技盤20および設置部材50により画成される空間内)には、各種の演出装置や遊技に供されたパチンコ球を排出案内する球排出経路部材等の図示しない各種遊技部品が設置されて、設置部材50を基材とする1つのユニットとして扱い得るようになっている。このように、前記設置部材50は、図柄表示装置18や演出装置等のパチンコ機10の遊技演出に関わる各種演出装置の設置手段として機能している。前記図柄表示装置18は、前記第1始動入賞口41aまたは第2始動入賞口41bへのパチンコ球の入賞に基づいて実行される大当り抽選の結果を表示するものであり、実施例では外表面に複数の図柄が表示された円筒状の3つの図柄ドラムを回転駆動することで、図柄変動演出を実行するよう構成されている。この図柄表示装置18は、図柄ドラムの直径に応じて前後幅が比較的大きなものとなっており、遊技盤20の後面側に取着されている設置部材50に対して着脱可能に設置される。なお、図柄表示装置18としてはリール式に限られず、液晶表示装置やドットマトリックス式の表示装置等のような図柄を表示するタイプの図柄表示装置18を採用してもよい。
【0033】
また、前記設置部材50には、
図6に示すように、前記対向面部51における前記枠状装飾体30の表示窓口30aと前後に並ぶ位置に、前後に開口する設置開口部51aが開設されている。すなわち、前記設置部材50における箱状の本体部分は、設置開口部51aの上部を形成する第1枠体部50aと、該設置開口の下部を形成する第2枠体部50bと、設置開口部51aの左側部(
図6では設置開口部51aの右側部)を形成すると共に第1枠体部50aおよび第2枠体部50bの左部の夫々に連設した第3枠体部50cと、設置開口部51aの右側部(
図6では設置開口部51aの左側部)を形成すると共に第1枠体部50aおよび第2枠体部50bの右部の夫々に連設した第4枠体部50dとからなっており、各枠体部の前面および後面に対して、前記各種遊技部品を設置し得るようになっている。そして、前記設置開口部51aを挟んで左右に対向する第3枠体部50cおよび第4枠体部50dに、前記図柄表示装置18を着脱可能に保持する表示装置保持部54が設けられており、該表示装置保持部54に保持された図柄表示装置18の表示部が設置開口部51aおよび枠状装飾体30の表示窓口30aを介して遊技盤20前面に臨むようになっている。なお実施例では、前記設置開口部51aの開口内側に位置するよう前記図柄表示装置18が配設されて、設置部材50の前後方向に図柄表示装置18が突出している。
【0034】
ここで、前記設置部材50の第2枠体部50bには、
図6に示すように、前記遊技盤20に配設された各種電気部品73と主制御装置57とを中継接続する中継基板をケース部材に収容した中継基板ユニット55が後面に設置されている。そして、前記中継基板ユニット55の後方を覆うよう前記第2枠体部50bに取付ベース部材56が配設されて、該取付ベース部材56の後面に前記主制御装置57を設置するよう構成されている。この中継基板ユニット55の中継基板には、前記各入賞口に入賞したパチンコ球検出用の入賞検出センサ(図示せず)や、ゲート部材35を通過するパチンコ球検出用のゲートセンサ36が配線接続されると共に、磁気センサ61や電波センサ(図示せず)等の異常検出センサ等が配線接続されている。そして、前記設置部材50(第3枠体部50c)の左側方(
図6では右側方)に設けられた保持機構部90(後述)に、前記主制御装置57からの制御信号に基づいて制御処理を実行する前記統括制御装置70が縦置き姿勢で設置されている。なお、統括制御装置70は、前記図柄表示装置18で行われる図柄変動演出や、スピーカからの音声出力や、パチンコ機10が備える各種発光装置の発光制御を行う制御装置である。
【0035】
(切欠部53aについて)
図4、
図7に示すように、前記設置部材50には、該設置部材50の左側面をなす外周壁部52(第3枠体部50cを形成する外周壁部52)の前端部に、前記フランジ部53が上下に離間する複数箇所から外側方へ向けて延出するよう形成されている。すなわち、設置部材50の第3枠体部50cに形成されるフランジ部53には、外側端から外周壁部52側に凹む切欠部53aが設けられており、遊技盤20に設置部材50を設置した際に、遊技盤20の前後に貫通形成されたセンサ収容部37が切欠部53aの内側で開口するよう構成されている。ここで、センサ収容部37は、前記ゲート部材35の配設位置に対応して形成されており、当該センサ収容部37の内部に、当該ゲート部材35を通過するパチンコ球検出用のゲートセンサ36を収容するようになっている。すなわち、ゲートセンサ36は、遊技盤20の後面側から切欠部53aを介して着脱し得るよう配設されている。なお、ゲートセンサ36から引き出される配線H1は、第3枠体部50cの外周壁部52の前後に延在するよう設けられた第1配線通路58を通過するよう、該第1配線通路58に沿って設けられた複数の配線保持片58aに保持され、該配線H1の先端側のコネクタが前記中継基板ユニット55の中継基板に接続されている。
【0036】
(センサ保持部63について)
図7、
図8に示すように、前記切欠部53aの下方に位置するフランジ部53には、遊技領域20aに発生した磁気を検知する磁気センサ61を着脱可能に保持するセンサ保持部63が設けられている。磁気センサ61は、磁気を検出するセンサ部が設けられた細長い四角柱状のセンサ本体61aと、磁気センサ61に対する配線H2が接続される接続部61bとを備えており、当該接続部61bがセンサ本体61aに対して後方(
図9(c)では左)へ偏った鉤状に形成されている。この磁気センサ61は、遊技領域20aにおける前記球導入部33の入口近傍の裏側に位置するよう配設されており、磁石等を利用した不正行為(例えば、パチンコ球を停滞させて後続のパチンコ球を球導入部33へ誘導する行為)を磁気センサ61で検出し得るよう構成される。
【0037】
前記センサ保持部63は、
図8に示すように、磁気センサ61の上下移動を規制する上側突出片64および下側突出片65と、前記外周壁部52に近接する右方向(
図8の左方向)への磁気センサ61の移動を規制する側部突出片66と、該外周壁部52から離間する左方向(
図8の右方向)への磁気センサ61の移動および後方への移動を規制する係止フック67とから構成されている。ここで、前記上下の突出片64,65および側部突出片66は、前記設置部材50(第3枠体部50c)の外周壁部52からフランジ部53側へ向けて線状に延在すると共に、該側部突出片66の延在長よりも上下の突出片64,65の延在長が長くなるよう形成されている。そして、上下の突出片の離間距離が前記磁気センサ61におけるセンサ本体61aの長手方向の長さに合うよう形成されており、当該上下の突出片64,65の間に臨ませたセンサ本体61aの側端部に前記側部突出片66の端部が当接するようになっている。
【0038】
前記係止フック67は、
図9に示すように、前記設置部材50(第3枠体部50c)の外周壁部52からフランジ部53側へ向けて前後方向に弾性変形可能に延出する弾性片67aの延出端部に、前方へ突出する係止突片67bが形成されている。前記係止フック67の弾性片67aは、前記磁気センサ61のセンサ本体61aの前後の厚み分だけ前記フランジ部53から後方に離間するよう形成されており、該弾性片67aとフランジ部53との間に臨ませたセンサ本体61aの後方への移動を規制するようになっている。また、前記弾性片67aとフランジ部53との間に臨ませた磁気センサ61のセンサ本体61aを前記側部突出片66の端部に当接させた際に、当該センサ本体61aにおける他方の端部に前記係止突片67bが係合して、前記外周壁部52から離間する方向へセンサ本体61aの後方が移動するのを規制するようになっている。また、前記弾性片67aは、上下に離間する2箇所に形成されて、当該弾性片67aの間に作業者の手指を差し込み得るよう構成されている。すなわち、前記係止突片67bを後方へ押圧して係止フック67(弾性片67a)を弾性変形させ、当該係止突片67bとセンサ本体61aとの係合を解除した状態で、一対の弾性片67aの間に差し込んでセンサ本体61aを横方向へ押圧することで、センサ保持部63から磁気センサ61を容易に取り外し得るようになっている。
【0039】
また、
図8、
図9に示すように、前記上下の突出片64,65の夫々には、前記外周壁部52から離間する端部に、対応する上下の突出片64,65から離間するにつれて末広がりとなる傾斜状に延在する一対の案内リブ68が連設されている。すなわち、上下の案内リブ68の間に臨ませた磁気センサ61のセンサ本体61aをフランジ部53に沿って摺動した際に、当該上下の案内リブ68によりセンサ本体61aを上下の突出片64,65の間に誘導し得るようになっている。なお、上側突出片64およびこれに対応した上側の案内リブ68は、前記磁気センサ61における凹状部の前後の幅よりも大きな突出寸法となるようフランジ部53に形成されており、磁気センサ61が上下逆さに取り付けられる不具合が防止されている。なお、この磁気センサ61から引き出される配線H2は、第3枠体部50cの外周壁部52の前後に延在するよう設けられた第2配線通路59を通過するよう、該第2配線通路59に沿って設けられた複数の配線保持片59aに保持され、該配線H2の先端側のコネクタが前記中継基板ユニット55の中継基板に接続されている。
【0040】
(設置部材50に対する制御装置の設置構造について)
次に、回路基板72をケース部材の内側に収容保持した基板ユニットの設置構造について説明する。実施例では、前記設置部材50に配設される制御装置の設置構造について説明する。
【0041】
(統括制御装置70について)
図10、
図11に示すように、前記統括制御装置70は、CPUやROM、コンデンサ等の各種電気部品73が搭載された回路基板72(
図12、
図13参照)を透明な基板ケース(ケース部材)71の内部に収容保持した縦長矩形箱状の基板ユニットとして構成されている。なお、前記回路基板72は、矩形板状に形成されると共に、CPUやROM、コンデンサ等の主要な電気部品73が回路基板72の一方側の面(表面、実装面72a)に集約して搭載してある。そして、前記回路基板72の端部(長辺側端部)が遊技盤20の後面に向くと共に当該回路基板72の実装面72aが第2枠体部50b側を向く縦向き姿勢で、前記保持機構部90を介して統括制御装置70が設置部材50に配設されるよう構成されている。すなわち、統括制御装置70は、回路基板72の実装面72aが前記遊技盤20の後面に対して交差する姿勢で設置部材50に対して着脱可能に保持されている。なお、以下の統括制御装置70の基板ケース71に関する説明では、設置部材50(保持機構部90)に対する取付姿勢を基準として、前後、左右および上下を指称するものとする。また、前記基板ケース71において回路基板72の実装面72aと対向する板部を表面板75と指称すると共に反対側の板部を裏面板76と指称する。
【0042】
前記基板ケース71の上面板77および下面板78には、
図11に示すように、前記回路基板72が収容される収容空間71aに貫通する複数の通孔77a,78aが形成されており、回路基板72に設けた電気部品73の発熱に伴って上面板77の通孔77aから収容空間71aの内部空気を排出させると共に下面板78の通孔78aから収容空間71a内へ外部空気が流入する自然循環を行い得るよう構成されている。また、前記基板ケース71の表面板75に対しては、上下方向に延在する縦長スリット状の通孔75aが当該表面板75の上半部に偏って形成されている。そして、基板ケース71の表面板75の下半部(通孔75aの形成領域の下部側)が、前記保持機構部90(後述する第2側方規制部105)が基板ケース71を支持する際の支持面として機能するよう構成されている。すなわち、前記基板ケース71における表面板75の上半部に通孔75aを偏って形成することで、ケース内外の空気循環の効率を高めると共に、前記保持機構部90で支持された基板ケース71の支持安定性を向上している。なお、前記回路基板72の実装面72aには、後縁部に沿って複数のコネクタ72bが配置されると共に、前記基板ケース71の表面板75には、当該回路基板72のコネクタ72bをケース外部に露出させるコネクタ開口75bが対応して形成されている。
【0043】
前記基板ケース71には、
図11に示すように、前記保持機構部90(後述する係合凹部95)に対して係脱可能に係合して保持される下係合部82と、保持機構部90(後述する把持部)に対して係脱可能に係合して保持される上係合部83とが設けられており、下係合部82および上係合部83を保持機構部90と係合させることで、基板ケース71の上下方向への変位が規制されるようになっている。ここで、前記下係合部82は、前記下面板78の前端部から下方へ突出するよう形成されると共に、前記上係合部83は、前記上面板77の前端部から上方へ突出するよう形成されている。なお、以下の説明では、便宜上、下係合部82を下側突部82と指称し、上係合部83を上側突部83と指称する。ここで、前記上側突部83の前後幅W2は、前記下側突部82の前後幅W1より大きく設定されると共に、該下側突部82が差し込まれる前記保持機構部90(係合凹部95)における係合口95aの前後の開口幅W4(
図14)よりも大きく形成されており、当該上側突部83を係合口95aに差し込み不能に構成されている。なお、前記下側突部82および上側突部83の夫々は、対応する下面板78および上面板77の左右全幅に亘って突出するよう形成されており、当該下側突部82および上側突部83の左右幅が基板ケース71の左右幅W3と略同一となるよう設定されている。
【0044】
また、
図11に示すように、前記基板ケース71には、前記保持機構部90(後述する弾性係止片107)に対して係脱可能に係合して保持されるストッパ突部84が設けられており、該ストッパ突部84を保持機構部90と係合させることで、基板ケース71の後方への変位が規制されるようになっている。前記ストッパ突部84は、前記基板ケース71における表面板75に、上方に偏って突設されており、当該ストッパ突部84および保持機構部90(後述する弾性係止片107)の係合位置と、前記下側突部82および保持機構部90(係合凹部95)の係合位置(すなわち基板ケース71の下端部)とが基板ケース71の上下方向(長手方向)に離間するよう構成されている。ここで、前記ストッパ突部84は、前後方向に延在すると共に上下に離間する一対の第1リブ84aと、該一対の第1リブ84aの後端に連設する第2リブ84bとから形成されており、基板ケース71を表面板75側から視た際に略コ字状を呈するようになっている。また、前記ストッパ突部84(具体的には第1リブ84a)は、該ストッパ突部84の前端から後端に向けて前記表面板75からの突出量が大きくなる傾斜状に形成されており、基板ケース71を保持機構部90に設置する際に、保持機構部90の弾性係止片107を弾性変形させるよう当該ストッパ突部84が作用するようになっている。
【0045】
また、
図11に示すように、前記基板ケース71の前面板79には、前記保持機構部90における後述する設置面93(
図14参照)に当接する当接支持面79aと、該当接支持面79aより後方に凹んだ退避面79bとが設けられている。すなわち、基板ケース71を保持機構部90に保持した際に、前記前面板79の当接支持面79aが設置面93に当接して基板ケース71の前方への変位が規制される一方で、当該前面板79の退避面79bは設置面93から離間するようになっている。ここで、前記当接支持面79aは、前記前面板79の上下の端部に位置するよう設けられており、当該上下の当接支持面79aの間に、前面板79の左右全幅に亘って退避面79bが形成されている。また、前記退避面79bには、上下に離間する複数箇所に、前面板79の左右全幅に亘って延在する突条部79cが形成されており、当該突条部79cにより退避面79bを複数に分断された凹状の逃げ溝が形成されるようになっている。そして、基板ケース71を保持機構部90に保持した際に、当該保持機構部90に設けられた後述する帯状突部94(
図7、
図8、
図14参照)が、この逃げ溝に嵌まり込むよう構成されている。なお、前記退避面79bは、表面板75側の左縁よりも裏面板76側の右縁が前側に位置するよう傾斜しているのに対し(
図13参照)、前記突条部79cは、前端部が表面板75および右側板に対して直交(後板に対して平行)するよう設けられ、基板ケース71の右端から左端に向けて突条部79cが退避面79bから突出する突出高さが次第に増すよう形成されている。また、前記基板ケース71の前面板79(当接支持面79a)は、前記下側突部82および上側突部83に連続して当該各突部の前面をなすよう形成されている。
【0046】
(保持機構部90について)
次に、前記設置部材50に形成される保持機構部90について説明する。
図7、
図8、
図12〜
図17に示すように、前記保持機構部90は、前記遊技盤20の後面側において、統括制御装置70(基板ケース71)を遊技盤20の後方へ向けて起立する縦向き姿勢(基板ケース71の表面が遊技盤20の後面に対して交差する姿勢)で着脱可能に保持し得るよう構成されている。具体的に、前記保持機構部90は、前記設置部材50(第3枠体部50c)における外周壁部52の左側(
図7、
図12では右側)に隣接して設けられている。すなわち、前記保持機構部90を介して基板ケース71を図柄表示装置18の側方に隣接して配設することにより、該図柄表示装置18と重なる前後方向への突出寸法を抑制するようになっている。以下の説明では、前記保持機構部90により保持された統括制御装置70(基板ケース71)が占有する領域を設置領域90aと指称するものとする。
【0047】
前記保持機構部90は、
図7に示すように、基板ケース71を設置領域90aに保持した状態で、前記前面板79が当接して基板ケース71の前方移動を規制する前側規制部としての設置面93と、基板ケース71の下端部(一端部)に係合して当該基板ケース71の下方移動を規制する下側規制部としての係合凹部(係合部)95と、該係合凹部95に対して基板ケース71の設置領域90aを挟んで対向する上方位置に設けられ、当該係合凹部95との係合解除方向への基板ケース71の上方移動を規制する第1上側規制部(第1規制部)98と、基板ケース71の設置領域90aの左縁部(設置領域90aの一方縁部。なお
図7では設置領域90aの右側の縁部である)に設けられ、当該該設置領域90aの左縁部側への基板ケース71の移動を規制する第1側方規制部(第2規制部)102と、基板ユニットの設置領域90aの右縁部(設置領域90aの他方縁部。なお
図7では設置領域90aの左側の縁部である)に設けられ、当該該設置領域90aの右縁部側への基板ケース71の移動を規制する第2側方規制部(第3規制部)105とを備えている。すなわち、前記基板ケース71の前面板79を設置面93に当接させて前方移動を規制した状態で、前記係合凹部95、第1上側規制部98、第1側方規制部102および第2側方規制部105により遊技盤20の後面に沿う方向への基板ユニットの変位が規制されるようになっている。また、保持機構部90は、前記基板ケース71のストッパ突部84に係脱可能に係合して基板ケース71の前方移動を規制する後側規制部としての弾性係止片107が設けられている。すなわち、基板ケース71の離脱方向(後方)への変位を弾性係止片107により規制するようになっている。
【0048】
(設置面93について)
図14に示すように、前記設置部材50は、前記第3枠体部50cを形成する外周壁部52の上下に離間する2箇所から側方へ突出するよう支持台91が形成されており、当該支持台91の後面が前記保持機構部90の設置面93として機能するようになっている。また、上下の支持台91は、前記フランジ部53から所定距離だけ設置面93が後方へ離間するよう形成されており、当該設置面93に基板ケース71の前面板79を当接させた際に、遊技盤20の後面と基板ケース71(前面板79)との間にセンサ収容空間120(
図10参照)が画成されるようになっている。そして、このセンサ収容空間120に、前記センサ保持部63に保持された磁気センサ61が位置すると共に、前記ゲートセンサ36が収容されたセンサ収容部37の後端が開口するようになっている。すなわち、前記基板ケース71を保持機構部90で保持した状態では、前記ゲートセンサ36および磁気センサ61が基板ケース71と前後の位置関係で重なるようになっており、当該ゲートセンサ36や磁気センサ61を基板ケース71で保護し得るようになっている。そして、前記保持機構部90から基板ケース71を取り外した状態では、該基板ケース71の設置領域90aにセンサ収容空間120が連通して、センサ収容部37からゲートセンサ36を取り外したり、センサ保持部63から磁気センサ61を取り外したりすることが可能となる。なお、前記設置面93は、前記基板ケース71を保持機構部90で保持した状態において、前記係止フック67を弾性変形させて前記センサ保持部63の係合爪109と磁気センサ61との係合を解除し得る位置に設けられており、基板ケース71が設置領域90aに設置されているか否かに関わらず磁気センサ61を着脱し得るようになっている。
【0049】
また、
図7、
図14に示すように、上側に位置する支持台91の設置面93には、左右へ向けて帯状に延在する2つの帯状突部94が上下に離間するよう設けられている。前記上側の設置面93に形成された帯状突部94は、前記基板ケース71を保持機構部90で保持した際に、当該基板ケース71に形成された逃げ溝の内側に嵌まり込むと共に、当該帯状突部94の一方が、基板ケース71の前面板79に形成された上側の当接支持面79aの下方に隣接して位置すると共に、当該帯状突部94の他方が、基板ケース71の前面板79に形成された上側の突条部79cの上方に隣接して位置するようになっている。すなわち、前記上側の設置面93に形成された帯状突部94の夫々が隣接する対応の当接支持面79aおよび突条部79cの端部に係合することで、基板ケース71の上下移動を規制し得るようになっている。また同様に、下側に位置する支持台91の設置面93には、左右へ向けて帯状に延在する2つの帯状突部94が上下に離間するよう設けられている。前記下側の設置面93に形成された帯状突部94は、前記基板ケース71を保持機構部90で保持した際に、当該基板ケース71に形成された逃げ溝の内側に嵌まり込むと共に、当該帯状突部94の一方が、基板ケース71の前面板79に形成された下側の当接支持面79aの上方に隣接して位置すると共に、当該帯状突部94の他方が、基板ケース71の前面板79に形成された下側の突条部79cの上方に隣接して位置するようになっている。すなわち、前記下側の設置面93に形成された帯状突部94の夫々が隣接する対応の当接支持面79aおよび突条部79cの端部に係合することで、基板ケース71の上方移動を規制し得るようになっている。
【0050】
(係合凹部95について)
図14に示すように、前記係合凹部95は、前記設置領域90aの下縁において係合口95aが設置領域90a側(上方)へ開口する凹状に形成されており、該係合凹部95の係合口95aから挿入された基板ケース71の下側突部82が係脱可能に係合するよう構成されている。すなわち、前記係合口95aに下側突部82を挿入した基板ケース71の下面板78が前記係合凹部95の開口端部に当接することで、当該基板ケース71の下方移動を規制するようになっている。また、前記係合凹部95に基板ケース71の下側突部82を挿入した状態において、係合凹部95の内面に下側突部82の後端面が当接するよう構成されており、当該基板ケース71の下端部の後方移動が規制されるようになっている。すなわち、前記係合凹部95は、基板ユニットの後方移動を規制する後側規制部としての機能も有している。ここで、前記係合凹部95における係合口95aの左右の開口幅W5は、下側突部82の左右の幅W3よりも大きく形成されており、該下側突部82の係合口95aへの挿入容易性を高めている。また、前記設置部材50には、前記係合凹部95の内部前面側に、係合凹部95の内部に開口する退避部95bが形成されており、設置領域90aに保持される取付姿勢に対して傾斜させた傾斜姿勢の基板ケース71の下側突部82を、当該係合凹部95に対して挿入し得るようになっている。これにより、傾斜姿勢とした基板ケース71の下側突部82を前記係合口95aに挿入した状態で、係合凹部95の開口端部との当接位置を支点として基板ケース71を回動することにより、当該基板ケース71を取付姿勢に変位させ得るようになっている。
【0051】
(上側規制部98について)
前記設置部材50には、
図14、
図15に示すように、前記係合凹部95に対して前記統括制御装置70(基板ケース71)の設置領域90aを挟んで対向する位置に、後方へ向けて突出して基板ケース71の上面板77に対向する上壁部97が形成されている。そして、この上壁部97に前記第1上側規制部98が形成されている。ここで、前記上壁部97は、前記基板ケース71に形成された上側突部83の上方および左右側方に対して所定の間隙を開けて囲繞するコ字状に形成されており、当該上壁部97に囲まれた領域内側に基板ケース71の上側突部83を後方から差し込み得るようになっている。すなわち、前記上壁部97は、前記基板ケース71の設置領域90aに対し、前記係合凹部95からの下側突部82の係合解除方向(上方向)に位置するよう設置領域90aの上縁に沿って後方へ突設されている。
【0052】
そして、
図14に示すように、前記基板ケース71に形成された上側突部83の上面に対向する前記上壁部97の対向面97aに、該基板ケース71側に突出するよう前記第1上側規制部98が形成されており、当該第1上側規制部98に上側突部83の上面が当接することで、係合凹部95および下側突部82の係合解除方向(上方)への基板ケース71の移動が規制されるようになっている。なお、前記第1上側規制部98は、上壁部97の突出方向(前後方向)に沿って線状に延在するよう形成されると共に、左右方向に互いに離間するよう複数(実施例では2つ)設けられている。また、
図14に示すように、前記第1上側規制部98には、前記設置面93に連設すると共に前記設置領域90aに保持した基板ケース71(上側突部83)の上面が当接する第1上側規制面98aと、当該第1上側規制面98aの後端部に連設すると共に後方へ向かうにつれて設置領域90aに保持した基板ケース71(上側突部83)から離間するよう傾斜した第1上側案内面98b(案内面)とが設けられている。すなわち、前記設置領域90aに対して基板ケース71の上側突部83を後方から移動させた際に、前記第1上側案内面98bに沿って上側突部83を第1上側規制面98aに当接する位置に誘導し得るようになっている。
【0053】
また、前記上壁部97には、
図7、
図15に示すように、前記基板ケース71に形成された上側突部83の左右側面に対向する対向面97bに、該基板ケース71側に突出するよう第2上側規制部99が形成されており、設置領域90aに保持された基板ケース71における上側突部83の左右側面に対して当該第2上側規制部99が当接するようになっている。すなわち、前記第2上側規制部99が上側突部83の左右側面に当接することで、基板ケース71の上端部の左右位置が位置規制されて、基板ケース71の保持安定性が向上するようになっている。なお、前記第2上側規制部99は、上壁部97の突出方向(前後方向)に沿って線状に延在するよう形成されている。また、
図15に示すように、前記第2上側規制部99の夫々には、前記設置面93に連設すると共に前記設置領域90aに保持した基板ケース71(上側突部83)の対応する左右側面が当接する第2上側規制面99aと、当該第2上側規制面99aの後端部に連設すると共に後方へ向かうにつれて設置領域90aに保持した基板ケース71(上側突部83)から離間するよう傾斜した第2上側案内面(案内面)99bとが設けられている。すなわち、前記設置領域90aに対して基板ケース71の上部を後方から移動させた際に、前記第2上側案内面99bに沿って上側突部83が第2上側規制面99aに当接する位置まで誘導し得るようになっている。なお、左右に対向する第2上側規制部99における第2上側規制面99aの離間幅W6は、前記係合凹部95における係合口95aの左右の開口幅W5よりも小さくなるよう形成されている。
【0054】
(第1側方規制部102について)
前記設置部材50には、
図7、
図12、
図13に示すように、前記係合凹部95および第1上側規制部98の対向方向(上下方向)に直交する左右方向において設置領域90aの左側の縁部(一方縁部)に、後方へ向けて突出して基板ケース71の裏面板76に対向する第1側壁部101が形成されており、当該第1側壁部101に前記第1側方規制部102が形成されている。ここで、前記第1側壁部101は、前記基板ケース71の裏面板76に対して所定の間隙を開けて対向するよう形成されている。また、前記第1側壁部101は、前記上壁部97に隣接する位置および係合凹部95に隣接する位置に夫々設けられており、前記基板ケース71を保持機構部90に保持した状態で、上下の第1側壁部101の間から前記センサ収容空間120が左側方に開口するよう構成されている。なお、前記上下の第1側壁部101は、前記基板ケース71の前面板79を設置面93に当接させた状態で、該基板ケース71の前後幅の1/2以上の範囲で対向するよう設けられており、当該基板ケース71の支持安定性を高めるよう構成されている。
【0055】
そして、
図12、
図13に示すように、前記基板ケース71の裏面板76に対向する前記上下の第1側壁部101の対向面101aに、該基板ケース71側に突出するよう前記第1側方規制部102が形成されており、当該第1側方規制部102に基板ケース71の裏面板76が当接することで、該設置領域90aの左縁部側への前記基板ケース71の移動が規制されるようになっている。なお、前記第1側方規制部102は、第1側壁部101の突出方向(前後方向)に沿って線状に延在するよう形成されると共に、上下方向に互いに離間するよう複数設けられている。実施例では、上側の第1側壁部101に4つの第1側方規制部102が設けられ、下側の第1側壁部101に3つの第1側方規制部102が設けられている。また、
図13に示すように、前記各第1側方規制部102には、前記設置面93に連設すると共に前記設置領域90aに保持した基板ケース71の裏面板76が当接する第1側方規制面102aと、当該第1側方規制面102aの後端部に連設すると共に後方へ向かうにつれて設置領域90aに保持した基板ケース71(裏面板76)から離間するよう傾斜した第1側方案内面102b(案内面)とが設けられている。すなわち、前記設置領域90aに対して基板ケース71を後方から移動させた際に、前記第1側方案内面102bに沿って基板ケース71の裏面板76を第1側方規制面102aに当接する位置まで誘導し得るようになっている。
【0056】
また、
図13、
図15に示すように、前記上下の第1側壁部101において前記基板ケース71の裏面板76に対向する対向面101aは、第1側壁部101の後端(突出先端側)へ向かうにつれて当該基板ケース71から離間する傾斜状に形成されている。すなわち、上下の第1側壁部101に形成された第1側方規制部102(第1側方規制面102a)に基板ケース71の裏面板76を当接させた状態で、各第1側壁部101の後端部が基板ケース71の裏面板76から大きく離間して、基板ケース71の裏面側の視認性を高めるよう構成されている。また言い換えると、前記各第1側方規制部102は、前記第1側壁部101の後端部から前端部(設置面93側)に向かうにつれて当該第1側壁部101の対向面101aからの突出高さが徐々に低くなる三角板状に形成されているから、当該第1側方規制部102の剛性が高めることができ、基板ケース71の支持安定性を向上し得るようになっている。ここで、第1側壁部101の対向面101aと基板ケース71の裏面板76との間に形成されるS1は、当該基板ケース71と前記球通路ユニット132との間に画成される隙間S2と前後に連通するよう形成されており、当該隙間S1,S2を介して遊技盤20の後方側から基板ケース71の裏面板76を視認し得る構成されている。
【0057】
図12に示すように、前記上下の第1側壁部101における対向面101aとは反対側に位置する外側面101bは、当該第1側壁部101の突出先端側へ向かうにつれて設置領域90aへ近づく傾斜状に形成されている。すなわち、上下の第1側壁部101は、突出基端となる前端側側から突出先端となる後端側へ向けて先窄みの山状に形成されており、突出基端側での幅を大きく確保することで、当該第1側壁部101の剛性を高めている。
【0058】
(第2側方規制部105について)
前記設置部材50には、
図12、
図13、
図14に示すように、前記係合凹部95および第1上側規制部98の対向方向(上下方向)に直交する左右方向において設置領域90aの右側の縁部(他方縁部)に、後方へ向けて突出して基板ケース71の表面板75に対向する第2側壁部104が形成されている。そして、この第2側壁部104に前記第2側方規制部105が形成されている。ここで、前記第2側壁部104は、前記基板ケース71(設置領域90a)を挟んで位置する前記上下の第1側壁部101の間の領域に対向するよう形成されている。すなわち、保持機構部90により基板ケース71を保持した際に、当該基板ケース71の表面板75および裏面板76に対して、前記第1側壁部101および第2側壁部104が互い違いになるよう対向して、当該基板ケース71の周囲の空気の流動性を高めている。また、第2側壁部104は、前記設置領域90aに基板ケース71を取り付けた状態で、該基板ケース71における表面板75の下半部に対向する位置および上下幅で設けられている(
図5参照)。すなわち、第2側壁部104は、前記通孔75aが殆ど設けられていない表面板75の下半部に対向するよう形成されている。
【0059】
図8、
図12、
図13に示すように、前記基板ケース71の表面板75に対向する前記第2側壁部104の対向面104aに、該基板ケース71側に突出するよう前記第2側方規制部105が形成されており、当該第2側方規制部105に基板ケース71の表面板75が当接することで、該設置領域90aの右縁部側への前基板ケース71の移動が規制されるようになっている。なお、前記第2側方規制部105は、第2側壁部104の突出方向(前後方向)に沿って線状に延在するよう形成されると共に、上下方向に互いに離間するよう複数設けられている。実施例では、上側の第2側壁部104に4つの第1側方規制部102が設けられている。また、前記第2側壁部104における対向面104aとは反対側に位置する外側面104bには、前記第2側方規制部105の形成位置と対応する位置に、前後方向に延在する補強リブ104cが形成されており、第2側方規制部105に基板ケース71が当接した際に、第2側壁部104が損傷するのを防止するようになっている。
【0060】
また、前記遊技盤20の後面を基準とした前記第2側壁部104の突出高さは、
図12、
図13、
図17に示すように、同様に遊技盤20の後面を基準とした前記上下の第1側壁部101の後方への突出高さと比べて低くなるよう形成されている。すなわち、前記第1側壁部101および第2側壁部104は、前記遊技盤20の後面に対する後方への突出高さが相違するよう形成されている。なお、前記第2側壁部104は、前記基板ケース71の前面板79を設置面93に当接させた状態で、該基板ケース71の前後幅の1/2の範囲で対向するよう設けられており、当該基板ケース71の支持安定性を高めるよう構成されている。
【0061】
(弾性係止片107について)
前記設置部材50には、
図7,
図14〜
図16に示すように、前記基板ケース71の表面板75に対向する位置に、該基板ケース71に対して近接離間する方向へ弾性変形可能な弾性係止片107が形成されている。前記弾性係止片107は、前記設置部材50(第3枠体部50c)の後端部から後方へ延出する長板状の係止片本体108と、該係止片本体108に前記基板ケース71(設置領域90a)側へ突出するよう設けられて前記ストッパ突部84に対して係脱可能に係合する係合爪109とを備えており、基板ケース71の前面板79を設置面93に当接させた際に、当該係合爪109がストッパ突部84と係合して、基板ケース71の後方移動を規制するよう構成されている。また、前記弾性係止片107の後端部には、後方に向かうにつれて設置領域90aから離間するよう傾斜する操作片110が設けられており、当該操作片110を操作して弾性係止片107を弾性変形させることで、前記係合爪109とストッパ突部84との係止状態を解除し得るよう構成されている。
【0062】
前記係合爪109は、
図16に示すように、前記係止片本体108の上下の端縁に沿って延在する突出部109aと、該上下の突出部109aの後端部から対向する突出部109aへ向けて上方または下方へ延出する係止片109bとから上下対称な鉤状に形成されており、前記板ケースの前面板79を設置面93に当接させた際に、上下の突出部109aおよび係止片109bで囲まれた係止領域に前記ストッパ突部84が臨んでストッパ突部84の後端部が係止片109bの前端に係合することにより、当該基板ケース71の後方移動を規制するようになっている。
【0063】
ここで、前記弾性係止片107の係合爪109から、前記第1側壁部101に形成された第1側方規制部102の端部までの離間距離W7は(
図15(c)参照)、前記基板ケース71の左右の幅寸法W3(
図11(c)参照)よりも狭くなるよう形成されている。すなわち、前記基板ケース71を保持機構部90で保持した状態で、前記弾性係止片107が完全に弾性復帰しないよう構成されており、前記係合爪109が基板ケース71の表面板75を押圧して、当該係合爪109とストッパ突部84との係合状態が確実に維持し得るようになっている。
【0064】
また、前記弾性係止片107の後端部には、
図15,
図16に示すように、前方に向かうにつれて設置領域90aに近接するよう傾斜する作用壁111が形成されている。なお、前記作用壁111および操作片110は、連続した傾斜面を成すよう構成されている。前記作用壁111には、前記設置領域90aに基板ケース71を取り付ける際に、前記ストッパ突部84(第1リブ84a)が当接するよう構成されており、当該ストッパ突部84の当接に伴って弾性係止片107を弾性変形させ得るようになっている。前記弾性係止片107の係止片本体108には、前記上下一対の係止片109bの対向した端部から作用壁111へ向けて後方へ延在するレール状のガイド部112が形成されている。また、前記ガイド部112は、下側突部82を係合凹部95に挿入した傾斜姿勢の基板ケース71を、当該下側突部82と係合凹部95との係合位置を中心に取付姿勢へ向けて回動させた際に、前記ストッパ突部84が移動する移動経路上に位置するよう設けられている。すなわち、前記設置領域90aに基板ケース71を取り付ける際に、前記ストッパ突部84の当接に伴い弾性変形した弾性係止片107が弾性復帰することを、前記ガイド部112とストッパ突部84との当接により規制して、前記係合爪109との係合位置へのストッパ突部84の移動を許容すると共に、当該基板ケース71の前面板79が設置面93に当接したタイミングで、ストッパ突部84が係合爪109の前端側まで移動して弾性係止片107が弾性復帰することにより、ストッパ突部84と係合爪109が自然に係合するようになっている。上下のガイド部112の離間間隔は、前記ストッパ突部84における上下の第1リブ84aの離間間隔と略一致するよう形成されている。
【0065】
(実施例の作用)
次に、前述のように構成されたパチンコ機10の作用について説明する。
【0066】
保持機構部90に対して基板ケース71(統括制御装置70)を設置する際には、前記第1側壁部101(第1側方規制部102)および第2側壁部104(第2側方規制部105)の間に基板ケース71を下側突部82から挿入する。このとき、第2側壁部104よりも第1側壁部101を大きく後方へ突出させてあるから、傾斜姿勢にした基板ケース71の裏面板76を第1側壁部101の第1側方規制部102に当接(
図17のM1参照)することで、第1側方規制部102および第2側方規制部105の間に基板ケース71を後方から差し込み可能な位置に、当該基板ケース71を位置合わせすることができる。従って、第1側方規制部102に当接させた基板ケース71を、当該第1側方規制に沿って設置面93に近づけるだけで基板ケース71を後方から差し込むことができる。このとき、前記第1側方規制部102に第1側方案内面102bを形成すると共に、前記第2側方規制部105に第2側方案内面105bを形成したことにより、第1側方規制部102および第2側方規制部105の間に差し込み可能な位置から基板ケース71が左右にずれたとしても、当該第1側方案内面102bおよび第2側方案内面105bにより基板ケース71の姿勢を正して第1側方規制部102(第1側方規制面102a)および第2側方規制部105(第2側方規制面105a)の間に容易に差し込むことができる。
【0067】
そして、第1側壁部101および第2側壁部104の間に傾斜姿勢で差し込んだ基板ケース71の下側突部82を設置面93に当接させた状態で、当該基板ケース71を下方へ移動することにより、係合凹部95の係合口95aを介して係合凹部95内に下側突部82が挿入される。このとき、係合凹部95に退避部95bを形成したことで、前記基板ケース71を傾斜姿勢のまま挿入することができる。また、係合凹部95における係合口95aの左右開口幅(W5)を、前記基板ケース71の下側突部82の左右幅(W3)よりも大きくしたことで、下側突部82を係合凹部95に対し容易に挿入することができる。そして、係合凹部95に係合させた下側突部82を支点として基板ケース71を傾斜姿勢から取付姿勢にするよう起立させることで、当該基板ケース71の前面板79が設置面93に当接した際に基板ケース71のストッパ突部84が弾性係止片107と係合して、保持機構部90により基板ケース71が保持される。
【0068】
ここで、前記基板ケース71の上側突部83に対向する上壁部97に設けられた第1上側規制部98には、第1上側案内面98bを形成するようにしたから、傾斜姿勢から取付姿勢にするよう回動させた際に基板ケース71が上方にずれたとしても、当該第1上側案内面98bにより基板ケース71の姿勢を正して第1上側規制部98における第1上側規制面98aに基板ケース71の上側突部83が当接するよう誘導することができる。また、前記上壁部97には、前記上側突部83を挟む位置に第2上側規制部99が夫々形成されると共に、該第2上側規制部99に第2上側案内面99bを形成したから、傾斜姿勢から取付姿勢にするよう回動させた際に基板ケース71の上側突部83が左右にずれたとしても、当該第2上側案内面99bにより基板ケース71の姿勢を正して第2上側規制部99における第2上側規制面99aに上側突部83の側面が当接するよう誘導することができる。
【0069】
また、傾斜姿勢から取付姿勢にするよう基板ケース71を回動させた際に、前記ストッパ突部84の移動軌跡上に位置する弾性係止片107の作用壁111に当接する。従って、弾性係止片107の作用壁111にストッパ突部84が当接した状態で基板ケース71を取付姿勢に変位させると、作用壁111がストッパ突部84により押圧されて弾性係止片107の係止片本体108を弾性変形させるように作用し、ストッパ突部84が作用壁111との当接位置を通過し、ガイド部112に沿って移動した後、ストッパ突部84が弾性係止片107の係止領域へ導かれることで、係止片本体108が弾性復帰し、これによりストッパ突部84が弾性係止片107により係止される。このように、傾斜姿勢から取付姿勢にするよう基板ケース71を回動させるだけで、ストッパ突部84を弾性係止片107とを自然に係合させることができる。また、前記弾性係止片107の係合爪109から前記第1側方規制部102までの離間距離W7を、基板ケース71の左右の幅寸法W3よりも狭くなる形成して、弾性復帰した弾性係止片107が基板ケース71の表面板75を押圧するよう構成したことにより、ストッパ突部84と弾性係止片107との係合状態が緩むのを防止することができ、基板ケース71を保持機構部90により安定的に保持し得る。
【0070】
そして、回路基板72の表面が遊技盤20の後面に対して交差する姿勢で統括制御装置70(基板ケース71)を保持し得るよう保持機構部90を設け、保持機構部90に保持される統括制御装置70と、演出装置保持部に保持される図柄表示装置18とが、遊技盤20の後面に沿う方向に重なる位置関係(具体的には、左右に重なる位置関係であり、両装置の後端位置が略同一とされている)で配設されるよう構成した。従って、図柄表示装置18の後方に統括制御装置70を設置する場合と比較して、遊技盤20全体における前後方向の大きさを抑えることができる。また、図柄表示装置18を取り外す場合に統括制御装置70を取り外す必要が生じないことで、図柄表示装置18に関する点検および交換作業の簡略化が図られる。
【0071】
また、前記統括制御装置70における基板ケース71の下側突部82が係合する係合凹部95と、該係合凹部95の上方に設けられて基板ケース71の上側突部83に当接する第1上側規制部98とを備えると共に、基板ケース71のストッパ突部84を係止する弾性係止片107を備えることで、基板ケース71の離脱方向への変位(後方変位)を係合凹部95および弾性係止片107で規制し、係合凹部95からの下側突部82が抜け出る方向(係合解除方向)への変位を第1上側規制部98で規制することができる。また、基板ケース71の表面板75に対向する第2側壁部104と、裏面板76に対向する第1側壁部101とを形成し、当該基板ケース71の表面板75および裏面板76の両側を支持するよう構成したことで、統括制御装置70の支持安定性を高めることができる。また、設置状態で基板ケース71が左右に大きく揺動して破損する不具合を防止し得る。
【0072】
そして、基板ケース71における上側突部83の前後幅W2を下側突部82の前後幅W1よりも大きく形成すると共に、上側突部83を係合凹部95の係合口95aに挿入不能に構成したしたことで、保持機構部90に対し基板ケース71が上下逆さに取り付けられる不具合を防止できる。また、上側突部83および下側突部82を観察することで基板ケース71の取付姿勢を容易に判別することも可能となる。
【0073】
また,実施例の保持機構部90では、設置領域90aの下縁において係合凹部95の係合口95aが上方へ開口するよう形成し、当該係合凹部95に対して基板ケース71の下側突部82を上方から挿し込んで係合される。これにより、統括制御装置70の自重により下側突部82と係合凹部95との係合状態を維持することができ、保持機構部90に対する統括制御装置70の取付作業性が高まると共に、当該保持機構部90に取り付けられた基板ケース71の安定性を向上することにも繋がる。また、下側突部82における下面(挿入先端面)の左右の横幅W3よりも係合凹部95における係合口95aの左右の開口幅W5を大きく形成してあるから、係合凹部95の係合口95aに対して広い領域で下側突部82を受け入れることができ、該下側突部82を係合凹部95に対して容易に係合させることができる。そして、前記基板ケース71の上側突部83を左右から挟むよう一対の第2上側規制部99を形成すると共に、当該第2上側規制部99間の離間幅W6を係合口95aの左右の開口幅W5よりも小さくなるよ設定したことで、係合凹部95の係合口95aに対する下側突部82の挿入を容易にしつつ、基板ケース71の上部の安定性を高めることができ、設置状態で基板ケース71の上端部が左右に大きく揺動するのを防ぎ、基板ケース71の破損等を防止し得る。
【0074】
前記第1上側規制部98、第2上側規制部99、第1側方規制部102および第2側方規制部105の夫々に、後方へ向かうにつれて設置領域90aから遠ざかるよう傾斜する案内面を設けた。これにより、設置領域90aに基板ケース71を取り付ける際に、当該基板ケース71を広い範囲から受け入れることができる。また、弾性係止片107の操作片110および作用壁111に連続する傾斜状の案内面を形成するようにしたことで、操作片110を利用して基板ケース71を広い範囲から設置領域90aへ案内でき、統括制御装置70を取り付ける際の作業性が高まる。
【0075】
前記第1側壁部101における遊技盤20の後面を基準とした後方への突出高さと、前記第2側壁部104の突出高さと相違させ、前記設置領域90aを挟んで位置する第1側壁部101の後端部および第2側壁部104の後端部の前後位置を異ならせたことにより、第1側壁部101と第2側壁部104との間に差し込まれる基板ケース71の受け入れ領域が広くなり、当該基板ケース71の取付作業性が向上する。また、第1側壁部101の後端部および第2側壁部104の後端部の前後位置を異ならせたことで、傾斜姿勢とした基板ケース71を一方の側壁部(具体的には第1側壁部101に形成された第1側方規制部102)に当接させて位置合わせすることが可能となる。
【0076】
また、前記基板ケース71の裏面板76に対向する前記第1側壁部101の対向面101aを、当該第1側壁部101の後端側へ向かうにつれて基板ケース71の裏面板76から離間する傾斜状に形成したから、保持機構部90に保持した状態における基板ケース71の裏面板76の視認性が高まる。このため、第1側壁部101に形成した第1側方規制部102により基板ケース71の変位を規制しつつ、基板ケース71を目視で点検することができる。また、基板ケース71と第1側壁部101の対向面101aとの間の隙間S1が、基板ケース71および球通路ユニット132の間に画成される隙間S2と連通するようにしたから、パチンコ機10の後側からも基板ケース71の裏面板76を目視により点検することができる。
【0077】
前記上下の第1側壁部101を、前端側(突出基端側)から後端側(突出先端側)へ向けて先窄まりとなる山状に構成したことで、第1側壁部101の後端側でのスペースを確保しつつ、当該第1側壁部101の剛性を高めることができる。特に、基板ケース71を縦向き姿勢で設置する場合に、基板ケース71の安定性を高めるべく、基板ケース71の四方を囲む壁部(係合凹部95、上壁部97、第1側壁部101および第2側壁部104)の厚みを大きくすると、全体として大きなスペースを占有することになり、遊技盤20の裏側における各種部品の設置スペースを圧迫することに繋がる。これに対し、実施例のように、第1側壁部101を他の壁部よりも突出方向に大きくなるよう構成すると共に当該第1側壁部101の剛性を高めて、当該第1側壁部101を設置領域90aに基板ケース71を案内するガイドとすることで、当該基板ケース71の取付時に作用する力を第1側壁部101に集中させることができるため、結果的に第1側壁部101の基盤を強固に構成すればよく、保持機構部90の省スペース化を図ることに繋がる。
【0078】
(変更例)
なお、遊技機としては、実施例に示したものに限らず、種々の構成を採用可能である。
【0079】
(1) 実施例では、回路基板の表面が遊技盤の後面に対して交差する縦向き姿勢で基板ユニットを保持するよう保持機構部を構成したが、回路基板の表面が遊技盤の後面に対して交差する横向き姿勢で基板ユニットを保持するよう構成してもよい。
(2) 実施例では、保持機構部に基板ケース(統括制御装置)を設置した状態で、センサ保持部に対する磁気センサの着脱が行えるよう構成したが、保持機構部に基板ケース(統括制御装置)を設置した状態では磁気センサの着脱が行えないよう構成してもよい。
(3) 実施例では、演出装置として図柄表示装置を採用したが、可動体を備えた演出用可動装置や発光演出装置、入賞装置等であってもよく、またこれらを組み合わせた装置を採用してもよい。
(4) 実施例では、基板ケースの前面板に逃げ溝部を設け、設置面の帯状突部と係合するように構成したが、前面板に逃げ溝部を設けなくてもよい。この場合には、基板ケースが帯状突部に沿って傾倒することで上側第1側壁部との隙間がなくなり、安定して基板ケースを保持させることができる。
(5) 実施例では、保持機構部が基板ユニットを遊技盤の後方から後面に近づく方向へ受け入れるよう構成したが、遊技盤の後面に沿う方向へ移動した基板ユニットを受け入れる構成としてもよい。
(6) 実施例では、保持機構部が保持する対象を基板ケース(統括制御装置)としたが、ケース部材に収容保持しない回路基板を対象としてもよい。
(7) 実施例では、基板ユニットとして統括制御装置を採用したが、主制御基板、払出制御基板または発射制御基板等の制御用の回路を有する回路基板を備えた基板ユニットを採用することもでき、また外部端子接続用基板、中継基板またはLED基板等の制御用回路を有さない回路基板を備えた基板ユニットを採用することもできる。
(8) 実施例では、遊技機としてパチンコ機の基板ユニットを保持する構成例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。すなわち、設置面に対して回路基板の表面が交差する姿勢で基板ユニットを着脱可能に保持する構成とすることができる。
【0080】
また、本願には例えば次のような技術的思想が含まれている。
遊技球が流下可能な遊技領域(20a)が形成された遊技盤(20)と、
前記遊技領域(20a)に設けられ、遊技球が入球可能な入球口(41a,41b)と、
前記入球口(41a,41b)への遊技球の入球に基づいて遊技演出を実行する演出装置(18)と、
前記演出装置(18)の後面が前記遊技盤(20)の後面より後側に位置する状態で該演出装置(18)を保持するベース部材(50)と、
表面に電気部品(73)が配設された回路基板(72)をケース部材(71)の内側に収容保持してなる基板ユニット(70)と、
遊技に関する所定の情報を検知するものであって、前記遊技盤(20)における前記ベース部材(50)の外縁よりも外側となる位置に配設されるセンサ(37,61)とを備えた遊技機において、
前記基板ユニット(70)を着脱可能に保持すると共に、前記基板ユニット(70)を保持した状態では前記センサ(37,61)の後方が前記基板ユニット(70)により被覆され、前記基板ユニット(70)を取り外した状態では前記センサ(37,61)が前記遊技盤(20)の後方へ露出されるよう設けられる保持機構部(90)を備えている。
上記の構成によれば、専用のカバーを設けることなくセンサを着脱可能に保護することができ、センサに対する破損等の不具合を防止すると共に、必要に応じてセンサの交換を容易に行うことができる。