(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
アルミニウム硫酸塩または、アルミニウムと、カリウム、ナトリウムから選択される一価の金属イオンもしくはアンモニウムとの任意の硫酸複塩である脱水した硫酸アルミニウム塩、塩化カルシウムならびに、
(i)18.02(MPa)0.5以下のヒルデブラント溶解度パラメータ(HSP)を有する、50%以上のオイル;
(ii)18.25(MPa)0.5以上のHSPを有する、30%以下の液体;
(iii)18.61(MPa)0.5以上のHSPを有する、20%以下の液体;および
(iv)23.20(MPa)0.5以上のHSPを有する、10%以下の液体を含む
液体状のキャリア材料を含み、
全て重量パーセントであり、
硫酸アルミニウム塩に対する塩化カルシウムのモル比が1:1より大きい、
2重量%未満の自由水を有する制汗用組成物。
アルミニウム硫酸塩または、アルミニウムと、カリウム、ナトリウムから選択される一価の金属イオンもしくはアンモニウムとの任意の硫酸複塩である脱水した硫酸アルミニウム塩の含水率を低下させること、ならびに、得られた脱水した塩を、塩化カルシウムおよび、
(v)18.02(MPa)0.5以下のヒルデブラント溶解度パラメータを有する、80重量%以上のオイル;
(vi)18.25(MPa)0.5以上のHSPを有する、30%以下の液体;
(vii)18.61(MPa)0.5以上のHSPを有する、20%以下の液体;および
(viii)23.20(MPa)0.5以上のHSPを有する、10%以下の液体;
を含む液体状のキャリア材料と混合することを含み、
全て重量パーセントであり、
硫酸アルミニウム塩に対する塩化カルシウムのモル比が1:1より大きい、
2重量%未満の自由水を有する制汗用組成物を製造する方法。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本明細書に記載の発汗を減少させるための方法は、ヒトの身体の表面から、具体的には、脇の下の領域および足、特に、別名腹窩部として知られている脇の下の領域からの発汗を減少させるためのものである。
【0023】
前記方法は、一般的には、前記方法、化粧組成物の達成に使用される化粧方法および組成物と見なされる場合がある。それはそれとして、前記方法は、極めて効果的であることができ、多汗症として知られる極端な汗かきの健康状態を治療するのにも使用される場合がある。
【0024】
典型的には、前記方法は、直接的にヒトの身体の表面への、本発明の第1の態様に基づく組成物の局所的な適用を含む。別の実施形態では、前記組成物は、例えば、ワイプ上に前記組成物を適用して、同様にヒトの身体の表面に適用されることにより、ヒトの身体の表面に間接的に適用され得る。
【0025】
前記組成物が、ヒトの身体の表面に適用される場合、汗腺からの液体が、少なくとも部分的に、前記塩を溶解することにより、前記塩を動かし、それらを相互作用させることにより、良好な制汗効果をもたらすと仮定される。
【0026】
用語「乾燥した粉末」は、物質の結晶状態および非結晶状態の両方を含むと理解されるべきである。このような粉末は、使用される特定の塩の最も水和した天然塩のそれから低減された含水率を有する。好ましい硫酸アルミニウム塩および好ましい塩化カルシウム塩を記載した段落における、前記関連する「乾燥した粉末」がより好ましい。
【0027】
本明細書では、塩に言及して使用する場合、用語「脱水した」は、使用される特定の塩の最も水和した天然塩のそれから低減された含水率を有する塩を意味すると理解されるべきである。
【0028】
本明細書では、用語「無水」は、2重量%未満の自由水を有することを意味すると理解されるべきである。好ましくは、無水の組成物は、1重量%未満、およびより好ましくは、0.5%未満の自由水を有する。
【0029】
本明細書では、「自由水」は、任意の特定の成分に関連する水和の水以外の水である。脱水した硫酸アルミニウム塩および水溶性カルシウム塩は、典型的には、それらに関連する一部の水を含む自由流動粉末として利用できる。これは、典型的には、水和の水である。
【0030】
本明細書では、用語「液体」は、20℃および1気圧を意味する室温および大気圧における、物質の状態を意味すると理解されるべきである。
【0031】
本明細書では、用語「オイル」は、室温および大気圧において液体である、水と非混合性の物質を意味すると理解されるべきである。
【0032】
本明細書では、全てのパーセント(%)は、特に断らない限り、重量パーセント(%w/w)であると理解されるべきである。
【0033】
無水の組成物は、10重量%未満、およびより好ましくは、5%未満の(それの成分に関連する水和の水を含む)総含水率を有するのが好ましい。
【0034】
本記載において使用する際、用語「硫酸アルミニウム塩」は、アルミニウム硫酸塩(「硫酸アルミニウム」とも言う)または、アルミニウムと、カリウム、ナトリウムから選択される一価の金属イオンもしくはアンモニウムとの任意の硫酸複塩を意味する。前記用語は、一価の金属とアルミニウム以外の三価の金属、例えば、クロム(III)もしくは鉄(III)の硫酸複塩である硫酸アルミニウム塩を含まない。
【0035】
本発明に使用するための硫酸アルミニウム塩は、硫酸アルミニウム・カリウム、硫酸アルミニウム・アンモニウム、硫酸アルミニウム・ナトリウムおよびアルミニウム硫酸塩である。すなわち:
M(i)Al(SO
4)
2またはAl
2(SO
4)
3
式中、M(i)は、K
+、Na
+、NH
4+またはそれらの混合物である。
【0036】
好ましい硫酸アルミニウム塩は、硫酸アルミニウム・アンモニウムおよび硫酸アルミニウム・カリウムであり、特に、硫酸アルミニウム・カリウムである。
【0037】
本発明に使用される硫酸アルミニウム塩は、低減した含水率を有する、すなわち、前記硫酸アルミニウム塩は、少なくとも部分的に脱水されている。前記好ましい硫酸アルミニウム塩は、乾燥した粉末(上記参照)として記載されてもよい。このような塩の使用は、配合の容易性を改善し、および/または、前記組成物に関する改善された保存安定性をもたらすことが見出された。
【0038】
硫酸アルミニウム・カリウム十二水和物は、塩化カルシウムとの配合が特に困難であることが見出されたが、その含水率を25%以上まで低減させることにより、許容できる組成物をもたらし得る。本発明に使用する通常の硫酸アルミニウム塩は、35重量%未満の含水率を有する。好ましい硫酸アルミニウム塩は、28重量%未満の含水率を有する。特に好ましい硫酸アルミニウム塩は、20重量%未満の含水率を有する。水が存在する場合、典型的には、水和の水として存在する。
【0039】
本発明に使用される硫酸アルミニウム塩は、低減された粒径をもたらすために、典型的には、すりつぶされる。好ましい実施形態では、前記硫酸アルミニウム塩の粒径分布は、そのD50が75ミクロン未満、およびより好ましくは、50ミクロン未満となるようにである。前記硫酸アルミニウム塩の粒径分布は、好ましくは、5重量%未満、およびより好ましくは、1重量%未満の粒子が、120ミクロンより大きい粒径を有するようにである。
【0040】
前記硫酸アルミニウム塩の粒径分布は、Malvern Mastersizer2000における光散乱法を使用して、有利に測定され得る。前記粉末が、シリコーン油(DC245)に分散され、結果が、1.55の粒子屈折率および0.001の仮想屈折率を推定することにより分析される。
【0041】
本発明に使用される水溶性カルシウム塩は、好ましくは、塩化カルシウムであるが、他の実施形態では、塩化物イオンは、全部または一部において、臭化物、ヨウ化物または硝酸塩で置換されていてもよい。本明細書における塩化カルシウムへの言及は、一般的には、上記のように置換されていてもよいこの材料に対してのものであると理解されるべきである。
【0042】
好ましくは、前記塩化カルシウムは、乾燥した粉末である(上記参照)。前記塩化カルシウムは、25%以下の含水率を有するのが非常に好ましい。このような組成物に関する適切な塩化カルシウムとしては、塩化カルシウム二水和物および無水塩化カルシウムがあげられ、無水塩化カルシウムが好ましい。ただし、一部の供給元から取得した無水塩化カルシウムは、約14重量%以下の水和の水を含み得ることに留意すべきである。
【0043】
本発明に使用される塩化カルシウムは、低減された粒径をもたらすために、典型的には、すりつぶされる。好ましい実施形態では、前記塩化カルシウムの粒径分布は、そのD50が100ミクロン未満、より好ましくは75ミクロン未満、および最も好ましくは、50ミクロン未満となるようにである。前記塩化カルシウムの粒径分布は、好ましくは、5重量%未満、およびより好ましくは、1重量%未満の粒子が、120ミクロンより大きい粒径を有するようにである。
【0044】
前記硫酸アルミニウム塩の粒径分布は、Malvern Mastersizer2000における光散乱法を使用して、有利に測定され得る。前記粉末が、シリコーン油(DC245)に分散され、結果が、1.55の粒子屈折率および0.001の仮想屈折率を推定することにより分析される。
【0045】
本発明の中心は、下記化学反応を適時に引き起こすことである。
【0046】
KAl(SO
4)
2+2CaCl
2−>2CaSO
4↓+KCl+AlCl
3
または
Al
2(SO
4)
3+3CaCl
2−>3CaSO
4↓+2AlCl
3
上側の式において、カリウムイオン(K
+)が、ナトリウム(Na
+)またはアンモニウム(NH
4+)で置換されてもよい。
【0047】
両方の式において、使用される塩化物イオンは、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩で置換されていてもよい。このため、前記塩化カルシウムは、十分等しく、カルシウムの、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩またはそれらの任意の混合物であり得る。
【0048】
上記式の化学量論は、第一に、2モルの塩化カルシウムに1モルの硫酸アルミニウムを必要とし、第二に、3モルの塩化カルシウムに1モルの硫酸アルミニウムを必要とする。これらの式は、本発明の組成物におけるこれらの成分の好ましい比に関する基礎を設定する。このような組成物では、塩化カルシウムのモル量が、硫酸アルミニウム塩のモル量を上回るのが好ましい。存在する硫酸アルミニウムの量および種類と比較して、上記式により化学量論的に必要とされるものに、前記塩化カルシウムの量が、少なくとも適合するのが好ましい。これは、硫酸アルミニウム塩に対する塩化カルシウムのモル比が、少なくとも2:1であることが好ましいことを意味する。
【0049】
塩化カルシウムと、存在する主な硫酸アルミニウム塩として硫酸アルミニウム・ナトリウム、カリウムもしくはアンモニウムとを含む組成物において、硫酸アルミニウム塩に対する塩化カルシウムのモル比は、好ましくは1:1から5:1、より好ましくは3:2から3:1、および最も好ましくは、約2:1である。
【0050】
塩化カルシウムと、存在する主な硫酸アルミニウム塩としてアルミニウム硫酸塩とを含む組成物において、硫酸アルミニウム塩に対する塩化カルシウムのモル比は、好ましくは2:1から6:1、より好ましくは5:2から4:1、および最も好ましくは、約3:1である。
【0051】
上記で示した反応が、前記成分がヒトの皮膚表面に届けられる前に、最小限でのみ生じるのが本発明に重要である。早計な反応は、所望の利益をもたらさない傾向の物質の物理的状態をもたらす。このような物質を前記所望の箇所に適用することさえ、一般的に極度に困難である。
【0052】
前記反応物質を構成するイオンが十分な移動性を有する場合、本発明に関わる化学反応のみが起こってもよい。本発明の特定の好ましい実施形態では、この移動性は、典型的には、前記反応物質が、ヒトの身体の表面に見出される水性の体液に溶解する際に生じる。
【0053】
塩化マグネシウムは、塩化カルシウムに代えて使用された場合には、効果がない。硫酸カルシウムと比較して、硫酸マグネシウムの水溶性が非常に高いためである。
【0054】
本発明の第3の必須成分は、比較的疎水性の成分を含む液体状のキャリア材料である。本発明者らは、大部分(50%以上)の前記液体状のキャリア材料が、18.02(MPa)
0.5以下のHSPを有するオイルから構成されるべきであることを見出した。好ましくは、前記液体状のキャリア材料は、70%以上、およびより好ましくは、80%以上のこのようなオイルを含む。さらに、前記液体状のキャリア材料は、疎水特性をほとんど有さない液体成分を、わずかな量より多く含むべきではない。ほとんど疎水性を有さない液体成分が、ほとんど許容され得ないことが見出された。このため、前記液体状のキャリア材料は、18.25(MPa)
0.5以上のHSPを有する、30%以下の液体;18.61(MPa)
0.5以上のHSPを有する、20%以下の液体;および、23.20(MPa)
0.5以上のHSPを有する、10%以下の液体を含むべきである。
【0055】
前記液体状のキャリア材料は、18.02(MPa)
0.5より高いHSPを有する液体を、50%未満、好ましくは30%未満、およびより好ましくは、20重量%未満の量でのみ含み得ることが理解されるであろう。
【0056】
本発明者らは、構造化剤を含むスティックまたは軟固体の組成物に関して、18.02(MPa)
0.5以下のHSPを有するオイルの好ましいレベルが、いくらかより高いことを見出した。このため、本発明の具体的な態様では、脱水した硫酸アルミニウム塩、水溶性カルシウム塩および、18.02(MPa)
0.5以下のHSPを有する、85重量%以上のオイルを含む液体状のキャリア材料を含むスティックまたは軟固体の組成物が提供される。このような組成物では、前記液体状のキャリア材料は、好ましくは、18.02(MPa)
0.5以下のHSPを有する、90%以上、およびより好ましくは、95重量%以上のオイルを含む。
【0057】
前記液体状のキャリア材料は、存在し得る任意の液体状の芳香剤成分を除いて、前記組成物の全ての液体成分を含むと見なされるべきである。
【0058】
多くの化粧用液体に関するHSPは、文献、例えば、C.D.Vaughan,J.Soc.Cosmet.Chem.(1985),36,319−333または、米国特許出願公開第2010/0047296号明細書(Henkel)の表1から取得され得る。文献値が報告されていない液体に関して、前記HSPは、上記参考文献に記載された方法または、S.W.van KrevelenによりProperties of Polymers,p200−225,Elsevier,(1990)に記載された方法を使用して、算出されてもよい。
【0059】
18.02(MPa)
0.5以下のHSPを有する適切なオイルは、トリエチルヘキサノイン、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、ヘキサデカン、C12−15アルキルの安息香酸塩、ジオクチルエーテル、白色鉱油、ジメチコン油、フェニルトリメチコンおよびシクロメチコン、例えば、シクロペンタシロキサンである。好ましい実施形態では、前記液体状のキャリア材料は、80重量%以上の、このリストから選択されたオイルを含む。
【0060】
前記液体状のキャリア材料は、好ましくは、16.36(MPa)
0.5以下のHSPを有するオイルを含む。好ましい実施形態では、前記液体状のキャリア材料は、16.36(MPa)
0.5以下のHSPを有する、50重量%以上のオイルを含む。
【0061】
16.36(MPa)
0.5以下のHSPを有する適切なオイルは、ヘキサデカン、C12−15アルキルの安息香酸塩、パルミチン酸イソプロピル、ジオクチルエーテル、白色鉱油、ジメチコン油、フェニルトリメチコンおよびシクロメチコン、例えば、シクロペンタシロキサンである。特に好ましい実施形態では、前記液体状のキャリア材料は、85重量%以上の、このリストから選択されたオイルを含む。
【0062】
含まれ得る18.02(MPa)
0.5より大きいHSPを有するオイルとしては、エーテル、例えば、PPG−14ブチルエーテルならびに脂肪アルコール、例えば、オクチルドデカノールおよびイソセチルアルコールがあげられる。
【0063】
前記液体状のキャリア材料の好ましい成分は、追加機能も行い、特に好ましい機能は、皮膚軟化剤および/またはマスキング液体として機能するものである。
【0064】
前記液体状のキャリア材料の好ましい成分は、上記のように無水である。好ましくは、前記成分は、2%未満、より好ましくは1%未満、および最も好ましくは、0.5重量%未満の自由水を含む。
【0065】
前記液体状のキャリア材料は、好ましくは、存在する場合もある任意の噴霧剤を除いて、前記組成物の、1〜90%、より好ましくは10から80%、および最も好ましくは、20から70重量%のレベルで、前記組成物に含まれる。
【0066】
18.02(MPa)
0.5以下のHSPを有するオイルは、好ましくは、存在する場合もある任意の噴霧剤を除いて、前記組成物の、1〜90%、より好ましくは10から80%、および最も好ましくは、20から70重量%のレベルで、前記組成物に含まれる。
【0067】
他の成分が、本発明に基づいて使用される組成物に含まれてもよい。
【0068】
更なる制汗性活性剤が含まれてもよい。
【0069】
組成物に包含される制汗性活性剤、例えば、乾燥した硫酸アルミニウム塩および塩化カルシウムの総量は、前記組成物の重量の、好ましくは0.5〜50%、特に1から30%、および特に、2%から26%である。
【0070】
前記硫酸アルミニウム塩および塩化カルシウムの組み合わせに加えて使用される制汗性活性剤は、多くの場合、収斂性活性塩、例えば、具体的には、アルミニウム、ジルコニウムおよび混合されたアルミニウム/ジルコニウムの塩から選択される。好ましい更なる制汗性活性剤は、アルミニウム、ジルコニウムおよびアルミニウム/ジルコニウムのハロゲン化物およびハロハイドレート塩、例えば、クロロハイドレートである。
【0071】
適切なアルミニウムハロハイドレートは、一般式Al
2(OH)
xQ
y・wH
2Oで規定され、前記一般式中、Qは、塩素、臭素またはヨウ素を表し、xは、2から5の変数であり、および、x+y=6である。一方、wH
2Oは、可変量の水和を表す。特に効果的なアルミニウムハロハイドレート塩は、活性化アルミニウムクロロハイドレートとして公知であり、当該分野において公知の方法により製造される。
【0072】
適切なジルコニウム活性剤は、経験上の一般式:ZrO(OH)
2n−nzB
z・wH
2Oで表され、前記一般式中、zは、値2n−nzがゼロまたは正となるように、0.9から2.0の範囲における変数であり、nは、Bの原子価であり、Bは、塩化物、他のハロゲン化物、スルファミン酸塩、硫酸塩およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0073】
前述の収斂性のアルミニウムおよび/またはジルコニウムの塩に基づく制汗性錯体が、使用され得る。前記錯体は、多くの場合、アミノ酸、例えば、グリシンとの化合物を使用する。
【0074】
懸濁液組成物における固体状の制汗性塩の割合は、前記固体状の活性剤に存在してもよい、任意の水和の水および任意の錯化剤の重量を、通常含む。
【0075】
更なる消臭性活性剤が含まれてもよい。使用される場合、包含レベルは、好ましくは0.01重量%から3重量%、およびより好ましくは、0.03重量%から0.5重量%である。好ましい消臭性活性剤は、単純なアルコール、例えば、エタノールより効果的なものである。例としては、四級アンモニウム化合物、例えば、セチルトリメチルアンモニウム塩;クロルヘキシジンおよびその塩;ならびにジグリセロールモノカプレート、ジグリセロールモノラウレート、グリセロールモノラウレートならびに、「Deodorant Ingredients」,S.A.Makin and M.R.Lowry、「Antiperspirants and Deodorants」,Ed.K.Laden(1999,Marcel Dekker,New York)に記載の類似の材料があげられる。ポリヘキサメチレンビグアニド塩(ポリアミノプロピルビグアニド塩としても公知)がより好ましい。一例は、Arch Chemicalsから入手できるCosmocil CQ;2’,4’,4’−トリクロロ,2−ヒドロキシ−ジフェニルエーテル(トリクロサン);および、3,7,11−トリメチルドデカ−2,6,10−トリエノール(ファルネソール)である。
【0076】
本発明において使用される組成物の種類に特異的な他の成分が含まれてもよい。本発明に使用され得る組成物の種類としては、非排他的に、スティック、軟固体、エアロゾルおよびロールオン式があげられる。
【0077】
スティックまたは軟固体の組成物は、典型的には、1つ以上の構造化剤(structurants)またはゲル化剤を含む。前記ゲル化剤は、前記組成物を増粘するのに役立つ。構造化剤系と呼ばれる、このような増粘剤は、このような目的に関する分野において公知のものから選択され得る。本発明者らは、前記硫酸アルミニウム塩および塩化カルシウムが同じ組成物に含まれる場合、特に重要である構造化剤の選択を見出した。このような組成物では、特に適切な構造化剤系が、
1.好ましくは、より少量のポリエチレンワックスおよび水素化ひまし油の存在下における、主な成分としてのステアリルアルコール;または、
2.好ましくは、より少量の水素化ひまし油の存在下における、主な成分としてのポリエチレンワックス
を含むことが見出された。
【0078】
一般的に、本発明に基づく組成物における使用に適した構造化剤およびゲル化剤は、ワックスまたは非ポリマー性繊維形成ゲル化剤として分類され得る。
【0079】
「ワックス」は、30℃で固体状であり、好ましくは40℃でも固体状である、水に不溶性の材料として規定され得る。前記ワックスは、炭化水素、直鎖状の脂肪アルコール、シリコーンポリマー、エステルワックスまたはそれらの混合物から選択され得る。
【0080】
炭化水素ワックスとしては、例えば、パラフィンワックス、オゾケライト、微結晶ワックスおよびポリエチレンワックスがあげられる。最後に指定されたものは、望ましくは、300から600、および有利に、350から525の平均分子量を有する。
【0081】
直鎖状の脂肪アルコールは、一般的に、14から40個、および多くの場合、16から24個を含む。実際には、ほとんどが、偶数個の炭素原子を含み、見かけ上1つ、例えば、ステアリルアルコールであるものであっても、多くは化合物の混合物を含む。
【0082】
シリコーンポリマーワックスは、典型的には、経験式:
1.R−(SiMe
2−O−)
x−SiMe
2R
xは、少なくとも10、好ましくは10から50であり、ならびに、Rは、少なくとも20個の炭素、好ましくは25から40個の炭素を含むアルキル基、ならびに、特に少なくとも30個の炭素の平均的な直鎖長さを有するアルキル基;または、
2.Y−(SiMe
2−O−)
y−(Si[OR’]Me−O−)
z−Y’
Yは、SiMe
2−O、Y’は、SiMe
2を表し、R’は、少なくとも15個の炭素、好ましくは18から22個のアルキル、例えば、ステアリル、yおよびzは、両方とも整数であり、合計で好ましくは10から50である。
を満たす。
【0083】
エステルワックスとしては、例えば、C
16−C
22の脂肪酸とグリセロールまたはエチレングリコールとのエステルがあげられ、前記エステルは、天然物から単離され、または脂肪族アルコールおよびカルボン酸からそれぞれ、より都合よく合成され得る。
【0084】
「非ポリマー性繊維形成ゲル化剤」は、高温でオイルの水親和性ブレンドに溶解可能であり、冷却状態で、典型的には、数個の分子の幅以下の非常に薄い成分のネットワークを形成するのを促進し得る。1つの特に有効なカテゴリーのこのような増粘剤は、N−アシルアミノ酸アミドを含み、具体的には、直鎖状および分岐鎖状のN−アシルグルタミン酸ジアルキルアミド、例えば、具体的には、N−ラウロイルグルタミン酸ジn−ブチルアミドおよびN−エチルヘキサノイルグルタミン酸ジn−ブチルアミドならびに特にそれらの混合物を含む。このようなアミドゲル化剤は、必要であれば、12−ヒドロキシステアリン酸と共に、本発明に基づく無水の組成物に使用され得る。
【0085】
他のこのような非ポリマー性繊維形成ゲル化剤としては、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、国際公開第98/27954号パンフレットで説明される二塩基および三塩基のカルボン酸におけるアミド誘導体、例えば、特に、アルキルN,N’ジアルキルスクシンアミドがあげられる。
【0086】
この種の非ポリマー性繊維形成ゲル化剤を含む更なる適切な構造化系は、米国特許第6,410,003号、同第7,332,153号、同第6,410,001号、同第6,321,841号および同第6,248,312号明細書に記載されている。
【0087】
前記構造化剤またはゲル化剤は、多くの場合、前記スティックまたは軟固体の組成物に、1.5から30%の濃度で使用される。非ポリマー性繊維形成ゲル化剤が前記構造化系の主な成分として使用される場合、その濃度は、典型的には、アミドゲル化剤またはそれらの混合物に関して1.5から7.5重量%の範囲、および、エステルまたはステロールゲル化剤に関して5から15%の範囲である。ワックスが前記構造化系の主な成分として使用される場合、その濃度は、10から30重量%、および特に、12から24重量%の範囲で通常選択される。
【0088】
または、前記従来技術に開示された他の種類の構造化剤またはゲル化剤が、使用され得る。
【0089】
エアロゾル組成物は、噴霧剤および基材から構成される。エアロゾル「基材」組成物は、前記エアロゾル組成物から前記噴霧剤を引いた全ての成分であると見なされる。
【0090】
前記噴霧剤は、前記噴霧剤が大気圧において20℃以下の沸点を有するために、液化された場合でも、本発明に基づく液体ではないことに留意されるべきである。
【0091】
典型的には、前記エアロゾル噴霧剤は、10℃以下の沸点を有する、液化炭化水素またはハロゲン化炭化水素のガス(具体的には、フッ素化炭化水素、例えば、1,1−ジフルオロエタンおよび/または1−トリフルオロ−2−フルオロエタン)および、特に0℃以下の沸点を有するものである。液化炭化水素ガス、および特に、C
3からC
6の炭化水素、例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタンおよびイソペンタンならびに2つ以上のそれらの混合物を使用するのが特に好ましい。好ましい噴霧剤は、イソブタン、イソブタン/プロパン、ブタン/プロパンならびにプロパン、イソブタンおよびブタンの混合物である。
【0092】
検討され得る他の噴霧剤としては、アルキルエーテル、例えば、ジメチルエーテルまたは圧縮された非反応性ガス、例えば、空気、窒素もしくは二酸化炭素があげられる。
【0093】
前記噴霧剤は、典型的には、前記エアロゾル組成物の主な成分であり、多くの場合、30から99重量%を含み、および好ましくは、50から95重量%を含む。
【0094】
特定の好ましい実施形態では、エアロゾル組成物は、懸濁化剤、例えば、疎水性に修飾されたクレイ、例えば、Elementisからのジステアルジモニウムヘクトライト(Bentone 38V)を、典型的には、0.1から1.5重量%で含んでもよい。
【0095】
炭酸プロピレンは、本発明に基づいて使用されるエアロゾル組成物に、典型的には、0.001から0.1重量%で、有利に使用されてもよい。
【0096】
本発明に基づいて使用するのに適したロールオン式組成物は、典型的には、懸濁液の製品、具体的には、1つ以上の無水の液体状キャリア材料(上記参照)における懸濁液である。疎水性の液体状のキャリア材料が好ましい。
【0097】
ロールオン式組成物は、好ましくは、懸濁化剤、例えば、疎水性に修飾されたクレイ、例えば、Elementisからのジステアルジモニウムヘクトライト(Bentone 38V)を、典型的には、0.5から3重量%で含む。
【0098】
ロールオン式組成物は、好ましくは、粒子知覚改質剤、例えば、細分化されたクレイ、例えば、Evonik DegussaからのAerosil 200を、典型的には、0.01から0.5重量%で含む。他の微粒子状の知覚改質剤としては、微粒子状のポリエチレン(例えば、Acumist B18)、タルクおよび二酸化チタンがあげられる。
【0099】
特定の組成物では、香料溶解剤および/または洗脱剤である乳化剤は、好ましい更なる成分である。前者としては、例えば、Cremaphor RHおよびCOの範囲において、BASFから入手できるPEG−水素化ひまし油があげられ、好ましくは、1.5重量%以下、より好ましくは0.3から0.7重量%で存在する。後者としては、例えば、ポリ(オキシエチレン)エーテルがあげられる。
【0100】
本発明の多くの実施形態において、芳香剤は、望ましい更なる成分である。適切な材料としては、従来の香料、例えば、香油があげられ、例えば、欧州特許第545,556号明細書に記載の、いわゆる消臭芳香剤もあげられる。包含レベルは、好ましくは、5重量%以下、特に0.1重量%から3.5重量%、および特に、0.5重量%から2.5重量%である。前記芳香剤は、ヒトの身体の表面での加水分解またはせん断により、適用後に放出が引き起こされる、封入型で添加されてもよい。
【0101】
含まれてもよい更なる付加的な成分は、従来のレベルでの、着色剤および保存剤、例えば、C
1−C
3アルキルパラベンである。
【0102】
一部の組成物では、水親和性皮膚軟化剤、例えば、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400)が、典型的には、全組成物の2%以下のレベルで含まれ得る。
【0103】
本発明に基づく組成物の製造方法は、前記塩化カルシウムおよび、18.02(MPa)
0.5以下のヒルデブラント溶解度パラメータを有する、85重量%以上のオイルを含む液体状のキャリア材料と混合する前に、硫酸アルミニウム塩の含水率を低下させることを含む。このような方法では、前記硫酸アルミニウム塩は、好ましくは、含水率を35%未満、より好ましくは28%未満、および最も好ましくは、20重量%未満に低減する。
【実施例】
【0104】
下記実施例は、本発明の特定の具体的な実施形態を説明し、本発明の範囲を限定しない。本発明に基づく実施例は、数字で示され、比較例は、記号で示される。
【0105】
全ての量は、特に断らない限り、重量パーセントである。
【0106】
本研究に使用される成分/原料の詳細は、以下の通りである。
【0107】
(1)シクロペンタシロキサン、DC245、Dow Corningから。[HSP=11.80(MPa)
0.5]。
(2)C12−15アルキルの安息香酸塩、Finsolv TN、Finetexから。[HSP=15.60(MPa)
0.5]。
(3)PPG−14ブチルエーテル、Fluid AP、AmercolまたはUconから。[HSP=18.61(MPa)
0.5]。
(4)ジメチコン油(50cs)、Xiameter PMX−200、Dow Corningから。[HSP=12.07(MPa)
0.5]。
(5)白色鉱油、Silkolene Sirius M70、Fuchsから。[HSP=14.50(MPa)
0.5]。
(6)ヘキサデカン、Sigma−Aldrichから。[HSP=16.36(MPa)
0.5]。
(7)ミリスチン酸イソプロピル、Crodamol IPM−LQ、Crodaから。[HSP=16.40(MPa)
0.5]。
(8)トリエチルヘキサノイン、Crodamol GTEH−LQ(MV)、Crodaから。[HSP=18.02(MPa)
0.5]。
(9)オクチルドデカノール、Eutanol G、Cognisから。[HSP=18.25(MPa)
0.5]。
(10)PEG8、Polyglykol 400、Clariantから。[HSP=23.20(MPa)
0.5]。
(11)ステアリルアルコール、Lanette C18 Deo、Cognisから。
(12)ポリエチレンワックス、Performalene 400、分子量約400、Alfa Chemicalsから。
(13)水素化ひまし油、Castor Wax MP80、Caschemから。
(14)65℃で[14〜18%のH
2Oに]乾燥させ、ジェットミルされて、38〜45ミクロンの粒径(D50)を与えられた硫酸アルミニウム・カリウム、Sigma−Aldrichから。
(15)200℃で[3%のH
2Oに]乾燥させ、ハンマーミルされて、17ミクロンの粒径(D50)を与えられた硫酸アルミニウム・カリウム、Sigma−Aldrichから。
(16)無水塩化カルシウム−ジェットミルされて、24ミクロンの粒径(D50)を与えられ、4(重量)%未満の水分、Sigma−Aldrichから。
(17)無水塩化カルシウム−ジェットミルされて、20〜35ミクロンの間の粒径(D50)を与えられ、7(重量)%の水分、Sigma−Aldrichから。
(18)ジステアルジモニウムヘクトライト、Bentone 38V、Elementisから。
(19)AP40、HARPから。
(20)炭酸プロピレン。
(21)アルミニウム硫酸塩、Tai−ace S100、Taimei Chemicals Co Ltd.,から、平均粒径8〜10ミクロン、含水率1.5重量%未満。
(22)塩化カルシウム二水和物、Sigma−Aldrichから、光学顕微鏡に従った手法により、主に100ミクロン未満の粒子を有することが見出された。
【0108】
第1シリーズの実験では、表1に示された全体配合に基づく組成物を、表2に列記した液体を使用して調製した。表2に、45℃で4週間保存した後の、前記組成物の再分散特性の詳細も示す。
【0109】
【表1】
【0110】
【表2】
18.02(MPa)
0.5より大きいHSP値を有する液体に関して、前記硫酸アルミニウムおよび塩化カルシウムは、再分散不可能な、硬いコンパクトな層を形成していたことが見出された。前記硫酸アルミニウムおよび塩化カルシウム同士が、比較的極性の液体により媒介されて、反応したと仮定される。18.02(MPa)
0.5以下のHSP値を有するオイルに関して、前記硫酸アルミニウムおよび塩化カルシウムは、程度の差はあるが、再分散可能であったことが見出された。固形物が再分散するのが「困難」であった場合、固まった粉末を破砕するのに、持続的な振とうを必要とした。ただし、最終的には、微粒子の固形物の懸濁液を生じた。
【0111】
第2シリーズの実験では、表1に示された全体配合に基づく組成物を、表3に示されたオイルの混合物(合計で、前記組成物の66%を構成)を使用して調製した。表3に、45℃で4週間保存した後の、前記組成物の再分散特性の詳細も示す。
【0112】
【表3】
前記結果は、シクロペンタシロキサン(1)、C12−15アルキルの安息香酸塩(2)およびトリエチルヘキサノイン(8)の混合物において、前記硫酸アルミニウムおよび塩化カルシウムが、完全に再分散され得たことを示す。完全な再分散は、低レベルのPPG−14ブチルエーテル(3)(HSP 18.61(MPa)
0.5)が含まれた場合(実施例10)でも可能であった。より高いレベルのPPG−14ブチルエーテル(3)では、前記固形物は、微粒子状の粉末に完全には分散され得ない「粘着性」の凝集物を形成したか、または、分散「不可能」であった。
【0113】
表4に示された制汗性エアロゾル基材組成物を、下記のように調製した。1つ以上のオイル[成分(1)から(3)および(8)から(10)]を、懸濁化剤[成分(18)]と室温でブレンドし、続けて、炭酸プロピレンおよび芳香剤をそれぞれ、せん断しながら添加した。ついで、示された成分(14)から(17)から選択された塩を(まず、塩化カルシウムを)、前記混合物に添加し、十分に分散させた。ついで、得られた基材組成物を、稠度および安定性について評価した。
【0114】
本発明に基づく実施例はそれぞれ、安定で、室温で少なくとも3日間注入可能なままの、注入可能な基材であった。一方、25%のPPG−14ブチルエーテル(3)を含む液体状のキャリアを有する比較例Fは、調製後直ぐに熱くなり、1時間以内に完全に固体化し、使用不可であった。25%のPEG−8を含む液体状のキャリアを有する比較例Gも、不成功であった。前記組成物は分離し、下層は、再懸濁できない粘性の塊となった。
【0115】
この組成物における、オクチルドデカノール(9)(18.25(MPa)
0.5のHSPを有するオイル)を含む、25%の液体状のキャリア材料である実施例16は、注目に値する。
【0116】
前記エアロゾル基材組成物の実施例13を、その後に、完全なエアロゾル組成物を形成するのに使用した。前記基材を、標準的なバルブおよびバルブキャップで栓がされたエアロゾル缶に入れ、ついで、液化された噴霧剤[成分(19)]を添加した。前記噴霧剤に対する基材の重量比は、13:87であった。
【0117】
【表4】
実施例13から製造したエアロゾル組成物の制汗性能を、非制汗性ボディースプレー対照のそれと比較した。試験オペレータが、各官能試験員の一方の脇の下に前記試験組成物(2秒のスプレー−おおよそ2gの適用に相当)を適用し、他方の脇の下に同量の前記ボディースプレー対照を適用した。これを、毎日1回、3日間行った。3回目の適用後、官能試験員は、彼らの脇の下をその後の24時間洗わないように求められた。
【0118】
3回目で最後の製品適用の24時間後、前記官能試験員に、40℃(±2℃)および40%(±5%)の相対湿度の温室で、40分間汗をかかせた。この期間後、前記官能試験員を、前記温室から退出させ、彼らの脇の下を、入念に拭いて乾燥させた。ついで、予め秤量した綿のパッドを、各官能試験員の各脇の下に適用し、前記官能試験員を、前記温室にさらに20分間、再度入らせた。この期間後、前記パッドを、取り外し、再度秤量した。生じた汗の重量を算出した。
【0119】
各官能試験員の汗の重量減少(SWR)を、割合(% SWR)として算出し、平均% SWRを、MurphyおよびLevineにより、「Analysis of Antiperspirant Efficacy Results」,J.Soc.Cosmetic Chemists,1991(May),42,167−197において記載された方法に基づいて算出した。この試験において、実施例13は、前記対照より、23%高いSWRをもたらすことが見出された。
【0120】
表5に示される更なる制汗性エアロゾル基材組成物を、表4のものと同様の方法で調製した。
【0121】
前記組成物はそれぞれ、18.02(MPa)
0.5より大きいHSPを有する液体状のキャリア材料をそれぞれ低レベルで含んでいるにも関わらず、安定で、室温で少なくとも3日間注入可能なままの、注入可能な基材であった。この組成物における、オクチルドデカノール(9)(18.25(MPa)
0.5のHSPを有するオイル)を含む、12.6%の液体状のキャリア材料である実施例20は、注目に値する。この組成物における、PEG−8(10)(23.2(MPa)
0.5のHSPを有する液体)を含む、6.3%の液体状のキャリア材料である実施例22も、注目に値する。この組成物は、粗粒状であったが、許容でき、いくらか高いレベルのPEG8が許容され得るであろうことを示唆している。PEG8である水混和性の湿潤剤を含む組成物は、その湿潤特性のために特に望ましい。
【0122】
【表5】
表6に示されたスティック組成物を、下記のように調製した。オイル[成分(1)(2)(3)および(8)]同士を、90℃でブレンドした。ワックス[成分(11)から(13)]を、攪拌しながら溶解した。前記ワックスを完全に溶解した時点で、前記混合物を、75〜85℃に冷却した。示される成分(14)から(17)から選択した塩を(まず、塩化カルシウムを)、前記混合物中に添加し、十分に分散させた。前記混合物を、約62℃に冷却し、スティック筒に注入した。
【0123】
実施例23を、実施例13から調製した前記完全なエアロゾル組成物を試験するのに使用したものと類似の制汗性能試験に使用した。実施例23を使用して(適用あたりに0.3gで投与)、顕著なSWRを得た。
【0124】
【表6】
実施例29および、前記塩化カルシウムをシリコーンオイル(1)に置き替えた類似の組成物の制汗性能を、実施例13から調製した完全なエアロゾル組成物を試験するのに使用したものに類似する方法を使用して、非制汗性ボディースプレーのそれと、別々の試験で比較した。実施例29は、前記塩化カルシウムを含まない類似の組成物より、28%高いSWRをもたらすことが見出された。
【0125】
処理条件を少し荒くする、スケールアップ研究から、実施例23および24が、実施例25から28に対して劣っていることが証明された。大規模(3kg)で製造した場合、実施例23および24は、許容できない軟らかさとなり、長時間80℃以上で処理することに耐えられなかった。85℃で2時間処理した、実施例23および24のバージョン(それぞれ、23Aおよび24Aと標識)に対する実施例25から28の優位性の証拠を、針入度計値として表7に示す。実施例23Aおよび24Aが、15mmより大きい針入度計値を有して、非常に軟らかかったことが分かるであろう。対照的に、(85℃で2時間処理しても)実施例25から28はそれぞれ、7.3mmから9.6mmの許容され得る針入度計値を有した。
【0126】
【表7】
表7に示された測定を行うのに使用した針入度計は、Seta waxニードル(重量2.5g)を備え、ニードル点での、9°10’+/−15’の円錐角を有する、lab plant PNT針入度計とした。試験した各組成物は、前記ニードルをその上に下げる平坦な上面を有した。押し込み硬さを、5秒の期間、ニードルとホルダ(50g)との組み合わせた重量に基づいて、そのホルダと共に前記ニードルを下げることにより測定した。前記試験を、各試料における6点で行い、ついで、結果を平均化した。
【0127】
表8に示された実施例を、下記のように調製した。オイル同士を95でブレンドした。ワックスを、攪拌しながら、90〜95℃で溶解した。前記ワックスを完全に溶解した時点で、前記混合物を、85℃に冷却した。示されるように選択した塩を(まず、塩化カルシウムを)、前記混合物中に添加し、十分に分散させた。前記混合物を、約75℃に冷却し、スティック筒に注入した。
【0128】
これらのスティック組成物は全て、満足な硬度を有した。実施例30は、実施例13および23を試験するのに使用したそれと類似の方法を使用して試験した場合、顕著なSWRをもたらすことが見出された。
【0129】
【表8】