特許第6063510号(P6063510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三井住友カード株式会社の特許一覧

特許6063510プリペイドカードの管理システム、管理方法、及びプログラム
<>
  • 特許6063510-プリペイドカードの管理システム、管理方法、及びプログラム 図000002
  • 特許6063510-プリペイドカードの管理システム、管理方法、及びプログラム 図000003
  • 特許6063510-プリペイドカードの管理システム、管理方法、及びプログラム 図000004
  • 特許6063510-プリペイドカードの管理システム、管理方法、及びプログラム 図000005
  • 特許6063510-プリペイドカードの管理システム、管理方法、及びプログラム 図000006
  • 特許6063510-プリペイドカードの管理システム、管理方法、及びプログラム 図000007
  • 特許6063510-プリペイドカードの管理システム、管理方法、及びプログラム 図000008
  • 特許6063510-プリペイドカードの管理システム、管理方法、及びプログラム 図000009
  • 特許6063510-プリペイドカードの管理システム、管理方法、及びプログラム 図000010
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6063510
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】プリペイドカードの管理システム、管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/28 20120101AFI20170106BHJP
   G06Q 20/34 20120101ALI20170106BHJP
   G06Q 50/26 20120101ALI20170106BHJP
   G06Q 50/22 20120101ALI20170106BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   G06Q20/28ZIT
   G06Q20/34
   G06Q50/26
   G06Q50/22
   G07G1/12 321P
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-80062(P2015-80062)
(22)【出願日】2015年4月9日
(65)【公開番号】特開2016-200939(P2016-200939A)
(43)【公開日】2016年12月1日
【審査請求日】2015年4月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】594103301
【氏名又は名称】三井住友カード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鳥谷 雅志
【審査官】 田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−210764(JP,A)
【文献】 特開2010−237757(JP,A)
【文献】 特開2004−326174(JP,A)
【文献】 特開2006−059193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G07G 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
公的給付の受給者に対してプリペイドカードを発行し、前記公的給付の受給者情報を管理するためのプリペイドカード管理システムであって、
カード会社システムと、
カード管理センターシステムと
を有し、
前記カード会社システムは、
前記公的給付の受給者情報を含む1つまたは複数の受給者ファイルを受信する手段と、
記1つまたは複数の受給者ファイルに基づいて、カード一括発行依頼ファイルを作成する手段と、
を備え、
前記カード管理センターシステムは、
記カード一括発行依頼ファイルに基づいて前記受給者のプリペイドカードを一括して登録する手段と、
前記受給者の取引履歴情報に基づいて提携先還元ファイルを作成する手段と
を備え、
前記カード会社システムにより、前記提携先還元ファイルを自治体システムに送信することを特徴とするプリペイドカード管理システム。
【請求項2】
前記カード会社システムは、
記受給者のプリペイドカードに対する入金データファイルを受信する手段と、
記入金データファイルに基づいて残高一括チャージ依頼ファイルを作成る手段と、
をさらに備え、
前記カード管理センターシステムは、
記残高一括チャージ依頼ファイルに基づいて前記受給者のプリペイドカードに対する残高を一括して登録する手
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のプリペイドカード管理システム。
【請求項3】
前記カード会社システムは、
記受給者の属性変更ファイルを受信する手段と、
記属性変更ファイルに基づいて、会員情報一括更新依頼ファイルを作成る手段と、
をさらに備え、
前記カード管理センターシステムは、
前記会員情報一括更新依頼ファイルに基づいて前記受給者の会員情報を一括して更新する手
をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2に記載のプリペイドカード管理システム。
【請求項4】
前記カード会社システムが、前記受給者の会員情報、残高情報、及び取引情報を提供するための会員用ウェブサイト提供手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のプリペイドカード管理システム。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1乃至のいずれか1項に記載の前記プリペイドカード管理システムとして機能させるためのプログラム。
【請求項6】
カード会社システムと、カード管理センターシステムとを有し、かつ公的給付の受給者に対してプリペイドカードを発行し、前記公的給付の受給者情報を管理するためのプリペイドカード管理システムにおいて、プリペイドカードを管理する方法であって、
前記カード会社システムの受給者ファイルを受信する手段により、前記公的給付の受給者情報を含む1つまたは複数の受給者ファイルを受信するステップと、
前記カード会社システムのカード一括発行依頼ファイルを作成する手段により、前記1つまたは複数の受給者ファイルに基づいて、カード一括発行依頼ファイルを作成するステップと、
前記カード管理センターシステムのプリペイドカードを一括して登録する手段により、前記カード一括発行依頼ファイルに基づいて前記受給者のプリペイドカードを一括して登録するステップと
前記カード管理センターシステムの提携先還元ファイルを作成する手段により、前記受給者の取引履歴情報に基づいて提携先還元ファイルを作成するステップと、
前記カード会社システムの前記提携先還元ファイルを送信する手段により、前記提携先還元ファイルを自治体システムに送信するステップと
を備えたことを特徴とする方法。
【請求項7】
前記カード会社システムの入金データファイルを受信する手段により、前記受給者のプリペイドカードに対する入金データファイルを受信するステップと、
前記カード会社システムの残高一括チャージ依頼ファイルを作成する手段により、前記入金データファイルに基づいて残高一括チャージ依頼ファイルを作成するステップと、
前記カード管理センターシステムの前記受給者のプリペイドカードに対する残高を一括して登録する手段により、前記残高一括チャージ依頼ファイルに基づいて前記受給者のプリペイドカードに対する残高を一括して登録するステップと
をさらに備えたことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記カード会社システムの前記受給者の属性変更ファイルを受信する手段により、前記受給者の属性変更ファイルを受信するステップと、
前記カード会社システムの会員情報一括更新依頼ファイルを作成する手段により、前記属性変更ファイルに基づいて、会員情報一括更新依頼ファイルを作成するステップと、
前記カード管理センターシステムの前記受給者の会員情報を一括して更新する手段により、前記会員情報一括更新依頼ファイルに基づいて前記受給者の会員情報を一括して更新するステップと
をさらに備えたことを特徴とする請求項またはに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリペイドカードの管理システム、管理方法、及びプログラムに関し、より具体的には、例えば、生活保護費等の公的給付の受給者に対してプリペイドカードを発行し、その情報を管理するためのプリペイドカード管理システム、管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
生活保護制度とは、資産や能力等すべてを活用してもなお生活に困窮する者に対し、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度である。制度の主旨に鑑み、国(直接的には地方自治体)は、生活保護を受けるための要件及び生活保護の内容に従って、生活保護費を支給している。
【0003】
生活保護費には8つの種類(生活扶助、住宅扶助、教育扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助)があり、このうちの生活扶助は、日常生活に必要な費用を対象としたものである。受給者の構成は、単身の高齢者が多くを占めており、各種生活支援サービスを必要としている被保護者は増加している。また、生活保護法が改正され(改正生活保護法平成25年12月成立)、収入・支出その他生計の状況を適切に把握することが、受給者の責務となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来、生活保護費等の公的給付は、口座振込もしくは現金手交により行なわれており、受給者は、毎月行なわれる給付のたびに、口座から現金を引き出したり、窓口で受取手続を行なったりしなければならなかった。また、このような作業は、公的給付の支給者にとっても負担となっていた。
【0005】
さらに、受給者は、収入や支出などの生計の状況を適切に把握することが責務となっているが、現状、受給者が自ら家計簿を等を作成するしかなく、必ずしも適切に生計の状況を把握することができておらず、支給者である地方自治体も生活扶助費等の利用実績を把握することができていなかった。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、生活保護費等の公的給付の受給者に、一括してプリペイドカードを発行し、毎月の給付金の少なくとも一部(例えば、生活扶助費の一部)をプリペイドカードに一括してチャージして支給するための、プリペイドカードの管理システム、管理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明の一実施形態に係るプリペイドカード管理システムは、カード会社システムと、カード管理センターシステムとを備え、カード会社システムにおいて、公的給付の受給者情報を含む1つまたは複数の受給者ファイルを受信する手段と、1つまたは複数の受給者ファイルに基づいて、カード一括発行依頼ファイルを作成し、カード管理センターシステムにアップロードする手段と、カード管理センターシステムにおいて、カード一括発行依頼ファイルに基づいて受給者のプリペイドカードを一括して登録する手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一実施形態に係るプリペイドカード管理システムは、カード会社システムにおいて、受給者のプリペイドカードに対する入金データファイルを受信する手段と、入金データファイルに基づいて残高一括チャージ依頼ファイルを作成し、カード管理センターシステムにアップロードする手段と、カード管理センターシステムにおいて、残高一括チャージ依頼ファイルに基づいて受給者のプリペイドカードに対する残高を一括して登録する手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一実施形態に係るプリペイドカード管理システムは、カード会社システムにおいて、受給者の属性変更ファイルを受信する手段と、属性変更ファイルに基づいて、会員情報一括更新依頼ファイルを作成し、カード管理センターシステムにアップロードする手段と、カード管理センターにおいて、会員情報一括更新依頼ファイルに基づいて受給者の会員情報を一括して更新する手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一実施形態に係るプリペイドカード管理システムは、カード管理センターシステムにおいて、受給者の会員情報または受給者の取引履歴情報に基づいて提携先還元ファイルを作成し、カード会社システムに送信する手段と、提携先還元ファイルをダウンロードし、自治体システムへ送信する手段とをさらに備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように、本発明によれば、生活保護費等の支給に際し、受給者及び支給者の双方の負担を軽減することが可能となる。また、支給者が生活保護費等の利用実績を把握することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係るプリペイドカード管理システムの構成図である。
図2】本発明の一実施形態に係るプリペイドカード管理システムの機能ブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係るカード発行処理のフロー図である。
図4】本発明の一実施形態に係る残高チャージ処理のフロー図である。
図5】本発明の一実施形態に係るカード再発行処理のフロー図である。
図6】本発明の一実施形態に係る属性変更処理のフロー図である。
図7】本発明の一実施形態に係る属性一括変更処理のフロー図である。
図8】本発明の一実施形態に係る退会処理のフロー図である。
図9】本発明の一実施形態に係る提携先還元ファイルダウンロード処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、複数の図面において同一の符号は同一物を表し、その繰り返しの説明は省略する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係るプリペイドカード管理システム100の全体構成を示す。プリペイドカード管理システム100は、自治体システム101、カード会社システム105、カード管理センターシステム107、及び、印刷会社システム109を含む。自治体システム101、カード会社システム105、カード管理センターシステム107、及び、印刷会社システム109は一般的に、複数の操作端末とサーバとから構成される。
【0015】
自治体システム101は、生活保護制度を運用する地方自治体側のシステムであって、具体的には、生活保護費等の公的給付の申請を受け付け、申請者を公的給付の受給者として登録するための自治体のコンピュータシステムである。自治体システム101に登録された受給者の情報は、インターネットまたは専用ネットワークなどのネットワーク103を介して、カード会社システム105へ送信される。また、受給者登録の他に、プリペイドカードの残高チャージ、プリペイドカードの再発行、受給者の属性情報の変更、プリペイドカードの解約等の情報も、自治体システム101からカード会社システム105へ送信される。
【0016】
カード会社システム105は、自治体システム101から受信した情報に基づいて、カード管理センターシステム107とデータファイルの送受信を行なう。また、ファイルの送受信に限らず、管理者ウェブ画面を介してカード管理センターシステム107に直接アクセスし、データの登録や参照を行うことができるようにしてもよい。また、カード会社システム105は、プリペイドカード利用時のオーソリデータや売上データ等の取引情報を提携先店舗端末111やショッピングウェブサイト112から受信すると、カード管理センターシステム107に送信する。
【0017】
カード管理センターシステム107は、プリペイドカードの会員情報やチャージの残高情報を記憶する。また、カード管理センターシステム107は、カードの発行情報や再発行情報を印刷会社システム109に送信する。また、カード管理センターシステム107は、提携先店舗端末111やショッピングウェブサイト112においてプリペイドカードが使用されると、カード会社システム105を経由して取引情報を受信し、残高情報DB232を更新し、取引履歴を取引情報DB233に記憶する。このように、本発明に係るプリペイドカードは、サーバ管理型プリペイドカードであり、チャージ残高などの情報は、プリペイドカード自体ではなく、カード管理センターシステム107のサーバによって管理される。サーバ管理型プリペイドカードでカード自体に記憶される情報は、基本的にはカード自体の識別情報(ID)のみでよい。サーバ管理型プリペイドカードを店舗やショッピングサイトで利用するためには、カード管理センターシステム107と通信を行なう必要がある。
【0018】
印刷会社システム109がカード管理センターシステム107からカードの発行情報や再発行情報を受け付けると、印刷会社は、カード情報が記録されたプリペイドカードを作成し、自治体へ納品する。作成されたプリペイドカードは、自治体の窓口において受給者へ配布される。
【0019】
提携先店舗端末111は、受給者がプリペイドカードを使用することのできる提携店に設置された端末であり、カード会社システム105と取引情報のやり取りを行なう。また、提携店等が運営するショッピングウェブサイト112でもプリペイドカードを使用することができる。一般的に、受給者がショッピングウェブサイト上に入力したプリペイドカードのカード番号、有効期限、セキュリティコード等によって、プリペイドカードが認証され、カード会社システム105との間で取引情報のやり取りが行なわれる。
【0020】
なお、上述したシステムの操作端末やサーバは、1つまたは複数のコンピュータによって構成することができ、特定のハードウェア構成やソフトウェアプログラムに限定されるものではない。また、操作端末は、ワークステーション、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末などとすることができる。
【0021】
以上、本発明の一実施形態に係るプリペイドカード管理システム100全体の構成について説明したが、本発明を実施することのできるシステム構成はこれに限定されるものではない。
【0022】
次に、図2を参照して、本発明の一実施形態に係るプリペイドカード管理システムの機能構成について説明する。以下に説明する各機能は、プリペイドカード管理システムを構成するコンピュータの記憶装置またはメモリに記憶されたコンピュータプログラムを、当該コンピュータの処理装置(CPU)が読み出し、実行することによって実現される。
【0023】
自治体システム101は、登録部201、ファイル生成部203、ファイル送信部205、ファイル受信部207を備える。登録部201は、自治体の担当者によって入力された、プリペイドカードを新たに発行する受給者の情報、プリペイドカードにチャージする入金データ、プリペイドの再発行依頼、会員の属性変更、プリペイドカードの解約などを登録し、自治体システム101に記憶する。ファイル生成部203は、自治体システム101に登録された内容に基づいて、各種ファイルを生成する。ファイル送信部205は、ファイル生成部203によって生成された各種ファイルを、カード会社システム105に送信する。ファイル受信部207は、カード会社システム105から送信されたファイルを受信し、自治体システム101に記憶する。自治体システム101は、カード会社システム105から受信したファイルを参照することで、カード管理センターに保持されているデータを確認することができる。
【0024】
カード会社システム105は、ファイル受信部211、ファイル生成部212、ファイルアップロード部213、ファイルダウンロード部214、ファイル送信部215、ファイル照会部216、登録部217、返金処理部218を備える。
【0025】
ファイル受信部211は、自治体システム101から送信されてきた各種ファイルを受信し、記憶する。ファイル生成部212は、記憶された各種ファイルに基づいて、対応する各種ファイルを生成する。ファイルアップロード部213は、カード管理センターシステム107に対して生成された各種ファイルをアップロードする。ファイルダウンロード部214は、カード管理センターシステム107からファイルをダウンロードし、カード会社システム105に記憶する。ファイル送信部215は、カード管理センターシステム107から受信したファイルを、自治体システム101に送信する。ファイル照会部216は、カード管理センターシステム107に記憶されたデータを参照することを可能にする。登録部217は、カード会社の担当者によって入力されたデータを、カード管理センターシステム107に登録する。例えば、ファイル生成部212によって生成されるファイルは、自治体システム101から受信した大量のデータを一括して登録するために生成され、ファイルアップロード部213によってカード管理センターシステム107にアップロードされるが、登録部217は、発生頻度の少ないデータを個別にカード管理センターシステム107に登録するため使用される。カード管理センターシステム107へのアクセスは、管理者ウェブ画面を介して行なうようにしてもよい。返金処理部218は、プリペイドカードの残高が残っていた退会者に対して、返金処理を行う。
【0026】
カード管理センターシステム107は、ファイル取込部221、カード一括発行処理部222、残高一括チャージ処理部223、会員情報更新処理部224、会員情報一括更新処理部225、退会処理部226、提携先還元ファイル作成処理部227、会員用ウェブサイト提供部228、会員情報データベース(DB)231、残高情報DB232、取引履歴DB233を備える。
【0027】
ファイル取込部221は、カード会社システム105からアップロードされた各種ファイルを取り込み、記憶する。カード一括発行処理部222は、受信したカード一括発行依頼ファイルに基づいて、会員情報DB231に登録する。残高一括チャージ処理部223は、受信した残高一括チャージ依頼ファイルに基づいて、各プリペイドカードに対するチャージ残高を残高情報DB232に登録する。会員情報更新処理部224は、カード会社システム105から登録された個別の会員属性変更データに基づいて、会員情報DB231を更新する。会員情報一括更新処理部225は、受信した会員情報一括更新依頼ファイルに基づいて、会員情報DB231を更新する。退会処理部226は、カード会社システム105から登録された退会データに基づいて、会員情報DB231を更新する。提携先還元ファイル処理部227は、カード管理センターシステムの各種データベースに登録されたデータに基づいて、各種データファイルを作成する。会員用ウェブサイト提供部228は、プリペイドカードの会員に、会員情報DB231、残高情報DB232、取引履歴DB233に格納されたデータに基づいて、自らの利用状況や登録情報を表示させることのできるウェブサイトを提供する。
【0028】
以上、本発明の一実施形態に係るプリペイドカード管理システムの機能構成について説明したが、プリペイドカードシステムの機能構成はこれに限定されるものではなく、その他の機能構成要素を備えてもよい。
【0029】
次に、図3を参照して、本発明の一実施形態に係るプリペイドカードの一括発行処理につて説明する。図3に示した処理フローは、自治体システム101、カード会社システム105、カード管理センターシステム107、印刷会社システム109によって実行される。
【0030】
まず、ステップ301において、自治体の窓口において生活保護の扶助申請を受け付けると、担当者は、生活保護の要件や生活保護の内容を審査し、審査結果を操作端末に入力する。ステップ302において、自治体システム101は、要件を満たした受給者の情報と生活保護の内容を登録し、登録された受給者情報から受給者ファイルを作成する。ステップ303において、作成された受給者ファイルがカード会社システム105に送信される。受給者ファイルの作成及び送信は、受給者が登録されるたびに行なってもよいし、定めれらた期日に定期的に行なってもよい。
【0031】
ステップ304において、カード会社システム105は1つまたは複数の受給者ファイルを受信し、記憶する。次いで、ステップ305において、カード会社システム105は、記憶した受給者ファイルに基づいて、受給者情報を含むカード一括発行依頼ファイルを生成する。カード一括発行依頼ファイルは、複数の受給者情報を含み、一括して複数のプリペイドカードの発行を依頼するためのファイルである。一括して複数のプリペイドカードの発行依頼を行なうことにより、受給者情報を個別にやり取りするよりも処理の負荷を軽減させることができる。ステップ306において、生成したカード一括発行依頼ファイルは、カード管理センターシステム107にアップロードされる。
【0032】
ステップ307において、カード管理センターシステム107は、カード会社システム105からアップロードされたカード一括発行依頼ファイルを取り込む。次いで、ステップ308において、カード管理センターシステム107は、カード一括発行処理を行い、受給者のプリペイドカードを一括して登録する。ここでは、会員情報DB231に、新規にプリペイドカードを発行する会員情報を登録する。カード一括発行処理は、例えば、夜間バッチ処理において行なわれ、一度にバッチ処理される。登録された会員情報は、印刷会社システム109に送信され、ステップ309において新たなプリペイドカードが作成される。印刷会社は新たなプリペイドカードを作成すると自治体に送付し、自治体の窓口において受給者に支給される。
【0033】
次いで、ステップ310において、カード一括発行処理の結果ファイルが生成される。カード一括発行結果ファイルは、ステップ311において、カード会社システム105によってダウンロードされ、ステップ312において、カード会社システム105から自治体システム101に送信される。ステップ313において、自治体システム101がカード一括発行結果ファイルを受信し、記憶する。自治体の担当者は、受給者ファイルとカード一括発行結果ファイルを突き合わせることで、プリペイドカードの一括登録結果を検証することができる。
【0034】
次に、図4を参照して、本発明の一実施形態に係るプリペイドカードの残高一括チャージ処理について説明する。図4に示した処理フローは、自治体システム101、カード会社システム105、カード管理センターシステム107によって実行される。
【0035】
まず、ステップ401において、自治体システム101は、自治体の担当者によって入力されたプリペイドカードに対する入金データから、入金データファイルを作成し、ステップ402において、カード会社システム105に送信する。入金データは、毎月行なわれる生活保護費等の給付金のデータであり、プリペイドカードにチャージする金額が、入金データファイルとしてカード会社システム105に送信される。給付金の入金は一度に多くの受給者に対して一括して行なわれる。なお、自治体は、入金データに合わせて、カード会社の指定口座にチャージ相当金額を入金する。
【0036】
次いで、ステップ403において、カード会社システム105は入金データファイルを受信して記憶すると、ステップ404において、残高一括チャージ依頼ファイルを作成する。残高一括チャージ依頼ファイルは、毎月定期的に生じる多くの受給者のプリペイドカードに対して一括して残高をチャージするように依頼するためのファイルである。一括残高チャージを行なうことにより、各受給者に対する残高チャージを個別にやり取りするよりも処理の負荷を軽減させることができる。ステップ405において、作成した残高一括チャージ依頼ファイルは、カード管理センターシステム107にアップロードされる。
【0037】
ステップ406において、カード管理センターシステム107は、カード会社システム105からアップロードされた残高一括チャージ依頼ファイルを取り込む。次いで、ステップ407において、カード管理センターシステム107は、残高一括チャージ処理を行う。ここでは、残高情報DB232に、各受給者のプリペイドカードに対する残高が一括して登録される。残高一括チャージ処理も、例えば、夜間バッチ処理において行なわれ、一度にバッチ処理される。また、残高一括チャージ処理では、残高一括チャージ結果ファイルが生成される。ステップ408では、カード会社システム105において、生成された残高一括チャージ結果をファイルを参照することができ、残高一括チャージ処理の結果を確認することができる。
【0038】
次に、図5を参照して、本発明の一実施形態に係るプリペイドカードの再発行処理について説明する。図5に示した処理フローは、自治体システム101、カード会社システム105、カード管理センターシステム107、印刷会社システム109によって実行される。
【0039】
まず、ステップ501において、自治体の窓口においてプリペイドカードの再発行依頼を受け付けると、担当者は、プリペイドの再発行依頼を操作端末を利用して入力する。ステップ502において、自治体システム101は、担当者によって入力されたプリペイドカードの再発行情報に基づいて再発行情報ファイルを作成し、カード会社システム105に送信する。
【0040】
ステップ503において、カード会社システム105は再発行情報ファイルを受信し、記憶する。ステップ504では、記憶した再発行情報ファイルに基づいて、カード管理センターシステム107に対して再発行依頼が登録される。
【0041】
ステップ505では、カード管理センターシステム107においてカード一括発行処理が行なわれ、カードの再発行依頼が印刷会社システム109に送信される。ステップ506において、印刷会社において再発行されたプリペイドカードが作成され、自治体へ送付される。プリペイドカードの再発行処理は通常、個別に処理されるが、新規のカード発行処理と同様に、カードの一括発行処理によって処理することもできる。再発行されたプリペイドカードには、再発行されたカードであることを示す情報を記録してもよい。
【0042】
次に、図6を参照して、本発明の一実施形態に係るプリペイドカードの会員情報の属性変更処理(個別)について説明する。会員の属性情報には、住所や年齢のほか、受給者の状況を把握するのに役立つ情報を含むこともできる。図6に示した処理フローは、自治体システム101、カード会社システム105、カード管理センターシステム107によって実行される。
【0043】
まず、ステップ601において、自治体の窓口において会員情報の変更依頼を受け付けると、担当者は、会員の属性変更を操作端末を利用して入力する。ステップ602において、自治体システム101は、担当者によって入力された属性情報に基づいて属性変更ファイルを作成し、ステップ603において、作成した属性変更ファイルをカード会社システム105に送信する。
【0044】
ステップ604において、カード会社システム105は属性変更ファイルを受信し、記憶する。ステップ605では、記憶した属性変更ファイルに基づいて、カード管理センターシステム107に対して属性変更登録がなされる。
【0045】
ステップ606では、カード管理センターシステム107が、登録された属性情報に基づいて会員情報更新処理を行い、会員情報DB231を更新する。このようにして、個別の属性変更処理が行なわれる。
【0046】
次に、図7を参照して、本発明の一実施形態に係るプリペイドカードの会員情報の属性一括変更処理について説明する。図7に示した処理フローは、自治体システム101、カード会社システム105、カード管理センターシステム107によって実行される。
【0047】
まず、ステップ701からステップ703において属性変更依頼を受け付け、属性変更ファイルを作成し、カード会社システム105に送信する。また、ステップ704において、カード会社システム105は、属性変更ファイルを受信し、記憶する。ここまでの処理は、図6に示した処理と同様である。
【0048】
次いで、ステップ705において、カード会社システム105は、会員情報一括更新依頼ファイルを作成する。ここでは、会員個別の属性変更ファイルではなく、複数の属性変更を一括して依頼するファイルを作成する。そうすることで、属性変更情報を個別にやり取りするよりも処理の負荷を軽減させることができる。例えば、生活保護制度が改正され、受給者の区分等が変更された場合、そのような情報を一括して変更することができる。
【0049】
次いで、ステップ706において、カード会社システム105は、作成した会員情報一括変更依頼ファイルを、カード管理センターシステム107にアップロードする。
【0050】
ステップ707において、カード管理センターシステム107は、アップロードされた会員情報一括変更依頼ファイルを取り込み、ステップ708において、会員情報一括更新処理を行う。ここでは、会員情報一括更新依頼ファイルに基づいて、会員情報DB231が一括して更新され、会員情報一括更新結果ファイルが作成される。ステップ709では、カード会社システム105において、作成された会員情報一括更新結果ファイルを参照することができ、会員情報一括更新処理の結果を確認することができる。
【0051】
次に、図8を参照して、本発明の一実施形態に係るプリペイドカードの退会処理について説明する。退会とは、受給者がプリペイドカードによる生活保護費等の給付金の受け取りを止めたり、生活保護の対象外となった場合などに生じる。図8に示した処理フローは、自治体システム101、カード会社システム105、カード管理センターシステム107によって実行される。
【0052】
まず、ステップ801において、自治体の窓口においてプリペイドカードの解約を受け付けると、担当者は、プリペイドカードの解約を操作端末を利用して入力する。ステップ802において、自治体システム101は、担当者によって入力された解約情報に基づいて解約ファイルを作成し、ステップ803において、作成した解約ファイルをカード会社システム105に送信する。
【0053】
ステップ804において、カード会社システム105は解約ファイルを受信し、記憶する。ステップ805では、記憶した解約ファイルに基づいて、カード管理センターシステム107に対して退会登録がなされる。
【0054】
ステップ806では、カード管理センターシステム107が、登録された退会情報に基づいて退会処理を行い、会員情報DB231を更新する。次いで、ステップ807において、カード会社システム105は、返金処理を行う。ここでは、プリペイドカードの残高が残っていた退会者について、自治体の指定の金融機関口座に返金処理を行う。このようにして、個別に退会処理が行なわれる。
【0055】
次に、図9を参照して、本発明の一実施形態に係る提携先還元ファイルダウンロード処理について説明する。ここで、提携先還元ファイルとは、カード管理センターシステム107に記憶されている会員情報一覧ファイルや、取引履歴情報ファイルを指す。図9に示した処理フローは、自治体システム101、カード会社システム105、カード管理センターシステム107によって実行される。
【0056】
まず、ステップ901において、カード管理センターシステム107が、提携先還元ファイル作成処理を行う。ここでは、カード管理センターシステム107の会員情報DB231や取引履歴DB233から予め定められた情報を抽出し、提携先還元ファイルを作成する。
【0057】
ステップ902において、カード会社システム105が作成された提携先還元ファイルをダウンロードし、記憶する。ステップ903において、カード会社システム105は、提携先還元ファイルを暗号化し、自治体システム101に送信する。ステップ904において、自治体システム101は、受信した提携先還元ファイルを複合化し、記憶する。このようにして、カード管理センターシステム107に記憶された情報は、自治体システム101に提供される。
【0058】
以上、本発明の一実施形態に係るプリペイドカードの管理システム及び管理方法について説明した。本発明によると、プリペイドカードの一括発行、一括残高チャージ、一括属性変更を行うことができ、支給者によるプリペイドカードの管理をより容易に行なうことが可能となる。よって、生活保護費等の公的給付をプリペイドカードを用いて行なうことが可能になる。
【0059】
また、本発明によると、受給者は、口座からの現金の引き出しや窓口での受取手続等を行なうことなく、生活保護費、特に、生活扶助費としてチャージされたプリペイドカードの残高を、日常生活に必要な物品等を購入することができる。また、プリペイドカードの利用状況やチャージ残高は、カード管理センターシステムが提供する会員用ウェブサイト上で確認することもでき、一日当たりの利用限度額を設定できるようにしてもよい。
【0060】
また、支給者とっても、ケースワーカー等が必要に応じて利用状況を照会することで、受給者に対する家計支援に活用することができ、悪質な事業者による経済的搾取防止にも繋げることができる。また、支給者にとっても、現金の受渡しや受取手続を削減し、対象者への支給を迅速化することができ、行政効率を向上させることができる。
【符号の説明】
【0061】
100 プリペイドカード管理システム
101 自治体システム
103 ネットワーク
105 カード会社システム
107 カード管理センターシステム
109 印刷会社システム
111 提携先店舗端末
112 ショッピングウェブサイト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9