特許第6063521号(P6063521)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6063521リン含有フェノール樹脂化合物及びそれを原料として調製されたリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6063521
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】リン含有フェノール樹脂化合物及びそれを原料として調製されたリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物
(51)【国際特許分類】
   C08G 8/28 20060101AFI20170106BHJP
   C08G 59/40 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   C08G8/28 Z
   C08G59/40
【請求項の数】17
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-120795(P2015-120795)
(22)【出願日】2015年6月16日
(65)【公開番号】特開2016-41802(P2016-41802A)
(43)【公開日】2016年3月31日
【審査請求日】2015年6月16日
(31)【優先権主張番号】201410403470.2
(32)【優先日】2014年8月15日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514156471
【氏名又は名称】江蘇雅克科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100102185
【弁理士】
【氏名又は名称】多田 繁範
(74)【代理人】
【識別番号】100129399
【弁理士】
【氏名又は名称】寺田 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】謝 東穎
(72)【発明者】
【氏名】沈 ▲埼▼
(72)【発明者】
【氏名】張 家銘
【審査官】 岡谷 祐哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−007232(JP,A)
【文献】 特開2002−053633(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0120021(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第101928372(CN,A)
【文献】 特表2014−516973(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第103382242(CN,A)
【文献】 特開2003−105058(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/145950(WO,A1)
【文献】 特開平05−230439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 4/00−16/06
C08G 59/00−59/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表されるリン含有フェノール樹脂化合物において、
【化1】
ただし、
Yは、異なる構造単位において同じ又は異なる、
【化2】
又は
【化3】
であり、
Zは、
【化4】
であり、
Rは、異なる構造単位において同じ又は異なる、H、C〜C10アルキル、C〜C18アリール、
【化5】
又は
【化6】
であり、Rは異なる構造単位において同じ又は異なる、H、C〜C10アルキル又はC〜C18アリールであり、
pは、[化1]において記載されている3か所のpのうち少なくとも1つが、少なくとも1つの構造単位において、1〜2であり、qは0〜3であり、aは1以上の整数であり、bは1以上の整数であり、
mは0〜6であり、
Xは
【化7】
である、リン含有フェノール樹脂化合物。
【請求項2】
請求項1に記載のリン含有フェノール樹脂化合物の製造方法であって、
フェノール系化合物、ビスフェノール系化合物及びホルムアルデヒドを利用してフェノールノボラック樹脂を合成し、かつ
前記フェノールノボラック樹脂と芳香族リン酸エステル化合物を混合して、縮重合反応させることを含むリン含有フェノール樹脂化合物の製造方法。
【請求項3】
前記フェノール系化合物は、フェノール、o‐クレゾール、m‐クレゾール、p‐クレゾール、o‐フェニルフェノール、m‐フェニルフェノール、p‐フェニルフェノール、2,6‐ジメチルフェノール、2,4‐ジメチルフェノール又はそれらの組み合わせである請求項2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記ビスフェノール系化合物は、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂である請求項2に記載の製造方法。
【請求項5】
前記芳香族リン酸エステル化合物は、DOPO(9,10‐ジヒドロ‐9‐オキサ‐10‐ホスファフェナントレン‐10‐オキシド)である請求項2に記載の製造方法。
【請求項6】
式(II)で表されるリン含有フェノール樹脂化合物において、
【化8】
ただし、
Zは、
【化9】
であり、
Rは、異なる構造単位において同じ又は異なる、H、C〜C10アルキル、C〜C18アリール、
【化10】
又は
【化11】
であり、Rは異なる構造単位において同じ又は異なる、H、C〜C10アルキル又はC〜C18アリールであり、
pは、[化8]において記載されている2か所のpのうち少なくとも1つが、少なくとも1つの構造単位において、1〜2であり、qは0〜3であり、aは1以上の整数であり、mは0〜6であり、
Xは
【化12】
である、リン含有フェノール樹脂化合物。
【請求項7】
請求項6に記載のリン含有フェノール樹脂化合物の製造方法であって、
ビスフェノール系化合物及びホルムアルデヒドを利用してフェノールノボラック樹脂を合成し、かつ
前記フェノールノボラック樹脂と芳香族リン酸エステル化合物を混合して、縮重合反応させることを含むリン含有フェノール樹脂化合物の製造方法。
【請求項8】
前記ビスフェノール系化合物は、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂である請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記芳香族リン酸エステル化合物は、DOPO(9,10‐ジヒドロ‐9‐オキサ‐10‐ホスファフェナントレン‐10‐オキシド)である請求項7に記載の製造方法。
【請求項10】
前記リン含有フェノール樹脂化合物は、
【化13】
であり、
ただし、
uは0〜2であり、wは0〜2であり、u+wは1以上の整数である請求項6に記載のリン含有フェノール樹脂化合物。
【請求項11】
リン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物の製造方法であって、
請求項1又は6に記載のリン含有フェノール樹脂化合物を単独で使用してエポキシ樹脂と150〜200℃の温度範囲の下で反応させて、又は請求項1又は6に記載のリン含有フェノール樹脂化合物及びエポキシ樹脂硬化剤の混合物を使用して、エポキシ樹脂と150〜200℃の温度範囲の下で反応させるリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物の製造方法。
【請求項12】
前記リン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物は、リンの質量含有量が0.5〜10%の範囲にある請求項11に記載のリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物の製造方法。
【請求項13】
前記エポキシ樹脂硬化剤は、フェノールノボラック樹脂、o‐クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ジシアンジアミド、メチレンジアニリン、ジアミノジフェニルスルホン、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂又はそれらの組み合わせである請求項11に記載のリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物の製造方法。
【請求項14】
前記エポキシ樹脂は、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ樹脂、ジヒドロキシビフェニルエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、o‐クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノールノボラックエポキシ樹脂又はそれらの組み合わせである請求項11に記載のリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物の製造方法。
【請求項15】
前記反応は、硬化促進剤の存在下で行われる請求項11に記載のリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物の製造方法。
【請求項16】
前記硬化促進剤の重量は、前記エポキシ樹脂と前記エポキシ樹脂硬化剤との総重量の0.01〜2.5%である請求項15に記載のリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物の製造方法。
【請求項17】
前記硬化促進剤は、2‐メチルイミダゾール、2‐フェニルイミダゾール、又は2‐エチル‐4‐メチルイミダゾール又はそれらの組み合わせを含むイミダゾール系化合物である請求項15に記載のリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規の化合物の技術分野に属し、リン含有フェノール樹脂化合物、及び当該化合物を利用してエポキシ樹脂のエポキシ基と反応して得られた、環境に優しく、性能が優れたハロゲンフリーのリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物に関する。
【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂は、その自身の化学構造によって、反応性、強靭性、柔軟性等において何れも優れた性能を有し、且つ良好な機械的性能、電気的性能及び寸法安定性を有しており、異なる基材に対して、その密着性も非常に優れ、硬化後のエポキシ樹脂が、基材の本来の特性を保つことができるだけでなく、更に水、ガス及び化学物質へのバリア性を有し、且つ軽質、コストが低い等のメリットを有するため、電子と航空宇宙産業、特に半導体パッケージ材とプリント回路板基材等の分野に幅広く適用されている。エポキシ樹脂は、プリント回路板に適用される場合、難燃性が不足という問題があり、従来は、難燃の要求を満たすためにエポキシ樹脂にハロゲン系難燃剤を添加するようになった。しかし、ハロゲン系難燃剤は、燃焼する時にダイオキシン(dioxin)、ベンゾフラン(benzofuran)及び刺激性と腐食性のある有害ガスを発生し、また小分子の難燃剤が常に機械性能の低下及び光分解作用を起こし、材料を劣化させてしまい、同時に、移動と揮発という問題があって、材料性能の低下及び難燃効果が理想的ではなくなる。従って、ハロゲン化難燃剤の代わりに有機リン化合物難燃剤を熱硬化性エポキシ樹脂組成物に用いた、例えば、特許EP A 0384939、EP A 0384940、EP A 0408990、DE A 4308184、DE A 4308185、DE A 4308187、WO A 96/07685、WO A 96/07686に記載の発明が絶えず提案されており、また、プリント回路の積層板について、環境保護意識の向上に伴って、現在、国際規範が何れも無鉛プロセス(Lead free)を要求するため、基板の加工性能への要求が非常に厳しくなり、特に材料のガラス転移点(Tg)及び基板の半田ポットにおける耐熱性等の性能が既に当業者が克服しなければならない重要な課題となっている。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、エポキシ樹脂の硬化に適用でき、且つ効率的な難燃効果を付与する新規のリン含有フェノール樹脂化合物を提供することにある。環境に優しい有機リン系基を導入することによって、本来のエポキシ樹脂の優れた特性を保持することができる以外、また効率的な難燃の要求に満たすことができ、材料のガラス転移点(Tg)及び耐熱性等を向上させる特徴を備えることで、当該硬化系を軽薄短小で精密化の電子材料分野に見事に適用できるようにする。
【0004】
式(I)で表される新の含リン難燃フェノールノボラック樹脂化合物において、
【化1】
ただし、 Yは、異なる構造単位において同じ又は異なる、
【化2】
又は
【化3】
であり、 Zは、異なる構造単位において同じ又は異なる、置換されていない
【化4】
【化5】
【化6】
【化7】
又は
【化8】
であり、 Rは、異なる構造単位において同じ又は異なる、H、C〜C10アルキル、C〜C18アリール、
【化9】
又は
【化10】
であり、Rは異なる構造単位において同じ又は異なる、H、C〜C10アルキル又はC〜C18アリールであり、 pは0〜2であり、qは0〜3であり、aは1以上の整数であり、bは0以上の整数であり、 mは0〜6であり、 Xは
【化11】
である、含リン難燃フェノールノボラック樹脂化合物である。
【0005】
ある実施例において、このような新のリン含有フェノール樹脂化合物は、構造が
【化12】
であってもよく、ただし、iは0〜2であり、jは0〜2であり、i+jは1以上の整数である。
【0006】
ある実施例において、このような新のリン含有フェノール樹脂化合物は、構造が
【化13】
であってもよく、ただし、rは0〜2であり、sは0〜2であり、r+sは1以上の整数である。
【0007】
ある実施例において、このような新のリン含有フェノール樹脂化合物は、構造が
【化14】
であってもよく、ただし、tは0〜2であり、vは0〜2であり、t+vは1以上の整数である。
【0008】
別の実施例において、このような新のリン含有フェノール樹脂化合物は、構造が
【化15】
であってもよく、ただし、uは0〜2であり、wは0〜2であり、u+wは1以上の整数である。
【0009】
このようなリン含有フェノール樹脂化合物は、適切な反応性、幅広い圧入加工区間、高いガラス転移点、優れた耐熱性、低吸水性及び良好な電気的性能を有し、エポキシ樹脂の硬化剤とすることができ、この化合物のフェノール性水酸基とエポキシ樹脂のエポキシ基とを反応させることで、集積回路板及び半導体のパッケージ材用の、環境に優しいハロゲンフリー難燃性エポキシ樹脂硬化物を形成できる。
【0010】
このような新規の含リン(難燃)フェノールノボラック樹脂化合物の調製方法としては、フェノール系化合物、ビスフェノール系化合物及びホルムアルデヒドを利用してフェノールノボラック樹脂を合成して、フェノールノボラック樹脂と芳香族リン酸エステル化合物(例えば、DOPO(9,10‐ジヒドロ‐9‐オキサ‐10‐ホスファフェナントレン‐10‐オキシド))を混合して、縮重合反応させて調製される。
【0011】
本発明の調製方法に用いられたフェノール系化合物としては、フェノール、o‐クレゾール、m‐クレゾール、p‐クレゾール、o‐フェニルフェノール、m‐フェニルフェノール、p‐フェニルフェノール、2,6‐ジメチルフェノール、2,4‐ジメチルフェノールの中の1種又はそれらの組み合わせであってもよく、ビスフェノール系化合物としては、ジヒドロキシビフェニル(biphenol)、ビスフェノールF(bisphenol F)、ビスフェノールA(bisphenol A)、p‐ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ビスフェノールS(bisphenol S)、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂(Dicyclopentadiene‐Phenol Resin)の中の1種又はそれらの組み合わせであってもよい。
【0012】
化学構造において、この新規のリン含有フェノール樹脂化合物は、例えば、ジヒドロキシビフェニル(biphenol)、ビスフェノールF(bisphenol F)、ビスフェノールS(bisphenol S)及びジシクロペンタジエンフェノール樹脂(Dicyclopentadiene‐Phenol Resin)等のような、優れた耐熱性、高いTg、低吸水性、良好な電気性能及び良好な寸法安定性を有するビスフェノール系化合物を有するため、軽薄短小で精密化の電子材料分野に適用できる。
【0013】
本発明は、前記リン含有フェノール樹脂化合物を単独で、又はエポキシ樹脂硬化剤と混合して、エポキシ樹脂と共に高温で反応させて調製されるリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物を同時に提供する。前記得られたハロゲンフリー難燃性エポキシ樹脂組合物がガラス繊維に含浸され、更に加熱硬化を経た後、難燃性の銅張積層板を形成し、集積回路板及び半導体のパッケージ材として使用されることができ、即ち、形成されたリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物がプリント回路板の基材樹脂及びパッケージ材とされることができる。
【0014】
前記エポキシ樹脂硬化剤は、フェノールノボラック樹脂(phenol‐formaldehyde novolac)、o‐クレゾールノボラック樹脂(cresol‐formaldehyde novolac)、ビスフェノールAノボラック樹脂(bisphenol A‐formaldehyde novolac)、ジシアンジアミド(dicyandiamide)、メチレンジアニリン(methylenedianiline)、ジアミノジフェニルスルホン(diaminodiphenyl sulfone)、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂(Dicyclopentadiene‐Phenol Resin)中の1種又はそれらの組み合わせからなる群から選ばれたものであってもよい。
【0015】
前記エポキシ樹脂とは、二官能エポキシ樹脂又は多官能エポキシ樹脂を指し、例えばビスフェノールA(bisphenol A)エポキシ樹脂、ビスフェノールF(bisphenol F)エポキシ樹脂、ビスフェノールS(bisphenol S)エポキシ樹脂、ジヒドロキシビフェニル(biphenol)エポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂(phenol novolac epoxy)、o‐クレゾールノボラックエポキシ樹脂(cresol novolac epoxy)、ビスフェノールAエポキシ樹脂(bisphenol A novolac epoxy)、ジシクロペンタジエンフェノールノボラックエポキシ樹脂(Dicyclopentadiene‐Phenol Epoxy Resin)の中の1種又はそれらの組み合わせである。
【0016】
本発明のリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物において、エポキシ樹脂と硬化剤とを同等の当量で使用し、150℃よりも高い温度条件で硬化反応させて調製する。
【0017】
UL94のV‐0難燃等級に達するために、本発明のリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物(エポキシ樹脂+リン含有硬化剤+その他の助剤)において、レシピ組成と各成分の具体的な構造は、多種の変化形態を有するが、最終の硬化物におけるリン含有量を0.5〜10%の質量範囲に制御すればよい。
【0018】
反応を効果的に促進するために、本発明のリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物は、硬化促進剤の存在で行われ、使用される硬化促進剤の重量が全部のエポキシ樹脂と硬化剤との総重量の0.01〜2.5%の範囲にあり、適切な硬化促進剤として、例えば、2‐メチルイミダゾール(2‐MIと略称する)、2‐フェニルイミダゾール(2‐PIと略称する)、2‐エチル‐4‐メチルイミダゾール(2E4MZと略称する)等のイミダゾール(imidazole)系化合物であってもよい。
【実施例】
【0019】
下記実施例によって本発明がより理解される。ここでは、以下の実施例は、単に説明するためのものであり、本発明の範囲を制限するためのものではない。
【0020】
一、新のリン含有フェノール樹脂化合物の調製
【0021】
実施例1 反応釜に376gのジヒドロキシビフェニル、648gのホルムアルデヒド水溶液(質量濃度37%)及び24gの水酸化ナトリウムを投入し、攪拌し始め、温度を50℃に加熱し、3時間保温した。次に、85℃に昇温させ、3時間保温した後、n‐ブタノール1480gを加え、12時間還流させた。材料の温度を55〜60℃に低下させ、減圧蒸留によって約1000gのn‐ブタノールを除去し、中間物を得た。 中間物に1080gのDOPO(9,10‐ジヒドロ‐9‐オキサ‐10‐ホスファフェナントレン‐10‐オキシド)を加え、2時間内に材料の温度を80℃から徐々に180℃に昇温させ、n‐ブタノールを適時に反応系から排出できるように、130℃の時点反応系を減圧した。180℃で1時間保温してから、材料の温度を130℃に低下させ、約900gのプロピレングリコールメチル
エーテルを加え、0.5時間攪拌し続けて、放出して、本発明のリン含有フェノール樹脂化合物(以下、単に「リン系硬化剤」という)‐‐リン系硬化剤P‐1を得た。
【0022】
実施例2 反応釜に37gのフェノール、337gのジヒドロキシビフェニル、648gのホルムアルデヒド水溶液(質量濃度37%)及び24gの水酸化ナトリウムを投入し、攪拌し始め、温度を50℃に加熱し、3時間保温した。次に、85℃に昇温させ、3時間保温した後、n‐ブタノール1480gを加え、12時間還流させた。材料の温度を55〜60℃に低下させ、減圧蒸留によって約1000gのn‐ブタノールを除去し、中間物を得た。 中間物に1080gのDOPO(9,10‐ジヒドロ‐9‐オキサ‐10‐ホスファフェナントレン‐10‐オキシド)を加え、2時間内に材料の温度を80℃から徐々に180℃に昇温させ、n‐ブタノールを適時に反応系から排出できるように、120℃の時点反応系を減圧した。180℃で1時間保温してから、材料の温度を130℃に低下させ、約900gのプロピレングリコールメチルエーテルを加え、0.5時間攪拌し続けて、放出して、リン系硬化剤P‐2を得た。
【0023】
実施例3 反応釜に520gのビスフェノールS、648gのホルムアルデヒド水溶液(質量濃度37%)及び24gの水酸化ナトリウムを投入し、攪拌し始め、温度を50℃に加熱し、3時間保温した。次に、85℃に昇温させ、3時間保温した後、n‐ブタノール1480gを加え、12時間還流させた。材料の温度を55〜60℃に低下させ、減圧蒸留によって約1000gのn‐ブタノールを除去し、中間物を得た。 中間物に1080gのDOPO(9,10‐ジヒドロ‐9‐オキサ‐10‐ホスファフェナントレン‐10‐オキシド)を加え、2時間内に材料の温度を80℃から徐々に180℃に昇温させ、n‐ブタノールを適時に反応系から排出できるように、130℃の時点反応系を減圧した。180℃で1時間保温してから、材料の温度を130℃に低下させ、約900gのプロピレングリコールメチルエーテルを加え、0.5時間攪拌し続けて、放出して、リン系硬化剤P‐3を得た。
【0024】
実施例4 反応釜に59gのフェノール、461gのビスフェノールS、648gのホルムアルデヒド水溶液(質量濃度37%)及び24gの水酸化ナトリウムを投入し、攪拌し始め、温度を50℃に加熱し、3時間保温した。次に、85℃に昇温させ、3時間保温した後、n‐ブタノール1480gを加え、12時間還流させた。材料の温度を55〜60℃に低下させ、減圧蒸留によって約1000gのn‐ブタノールを除去し、中間物を得た。 中間物に1080gのDOPO(9,10‐ジヒドロ‐9‐オキサ‐10‐ホスファフェナントレン‐10‐オキシド)を加え、2時間内に材料の温度を80℃から徐々に180℃に昇温させ、n‐ブタノールを適時に反応系から排出できるように、120℃の時点反応系を減圧した。180℃で1時間保温してから、材料の温度を130℃に低下させ、約900gのプロピレングリコールメチルエーテルを加え、0.5時間攪拌し続けて、放出して、リン系硬化剤P‐4を得た。
【0025】
実施例5 反応釜に490gのビスフェノールF、648gのホルムアルデヒド水溶液(質量濃度37%)及び24gの水酸化ナトリウムを加え、攪拌し始め、温度を50℃に加熱し、3時間保温した。次に、65℃に昇温させ、3時間保温した後、n‐ブタノール1480gを加え、12時間還流させた。材料の温度を55〜60℃に低下させ、減圧蒸留によって約1000gのn‐ブタノールを除去し、中間物を得た。 中間物に1080gのDOPO(9,10‐ジヒドロ‐9‐オキサ‐10‐ホスファフェナントレン‐10‐オキシド)を加え、2時間内に材料の温度を80℃から徐々に180℃に昇温させ、n‐ブタノールを適時に反応系から排出できるように、120℃の時点反応系を減圧した。180℃で2時間保温してから、材料の温度を130℃に低下させ、約900gのプロピレングリコールメチルエーテルを加え、0.5時間攪拌し続けて、放出して、リン系硬化剤P‐5を得た。
【0026】
実施例6 反応釜に49gのフェノール、441gのビスフェノールF、648gのホルムアルデヒド水溶液(質量濃度37%)及び24gの水酸化ナトリウムを投入し、攪拌し始め、温度を50℃に加熱し、3時間保温した。次に、65℃に昇温させ、3時間保温した後、n‐ブタノール1480gを加え、12時間還流させた。材料の温度を55〜60℃に低下させ、減圧蒸留によって約1000gのn‐ブタノールを除去し、中間物を得た。 中間物に1080gのDOPO(9,10‐ジヒドロ‐9‐オキサ‐10‐ホスファフェナントレン‐10‐オキシド)を加え、2時間内に材料の温度を80℃から徐々に175℃に昇温させ、n‐ブタノールを適時に反応系から排出できるように、120℃の時点反応系を減圧した。175℃で2時間保温してから、材料の温度を140℃に低下させ、約900gのプロピレングリコールメチルエーテルを加え、0.5時間攪拌し続けて、放出して、リン系硬化剤P‐6を得た。
【0027】
実施例7 反応釜に640gのジシクロペンタジエンフェノール樹脂(Dicyclopentadiene‐Phenol Resin)、648gのホルムアルデヒド水溶液(質量濃度37%)及び24gの水酸化ナトリウムを投入し、攪拌し始め、温度を50℃に加熱し、3時間保温した。次に、65℃に昇温させ、3時間保温した後、n‐ブタノール1480gを加え、12時間還流させた。材料の温度を55〜60℃に低下させ、減圧蒸留によって約1000gのn‐ブタノールを除去し、中間物を得た。 中間物に1080gのDOPO(9,10‐ジヒドロ‐9‐オキサ‐10‐ホスファフェナントレン‐10‐オキシド)を加え、2時間内に材料の温度を80℃から徐々に180℃に昇温させ、n‐ブタノールを適時に反応系から排出できるように、120℃の時点反応系を減圧した。180℃で2時間保温してから、材料の温度を130℃に低下させ、約900gのプロピレングリコールメチルエーテルを加え、0.5時間攪拌し続けて、放出して、リン系硬化剤P‐7を得た。
【0028】
実施例8 反応釜に64gのフェノール、576gのジシクロペンタジエンフェノール樹脂(Dicyclopentadiene‐Phenol Resin)、648gのホルムアルデヒド水溶液(質量濃度37%)及び24gの水酸化ナトリウムを投入し、攪拌し始め、温度を50℃に加熱し、3時間保温した。次に、65℃に昇温させ、3時間保温した後、n‐ブタノール1480gを加え、12時間還流させた。材料の温度を55〜60℃に低下させ、減圧蒸留によって約1000gのn‐ブタノールを除去し、中間物を得た。 中間物に1080gのDOPO(9,10‐ジヒドロ‐9‐オキサ‐10‐ホスファフェナントレン‐10‐オキシド)を加え、2時間内に材料の温度を80℃から徐々に175℃に昇温させ、n‐ブタノールを適時に反応系から排出できるように、120℃の時点反応系を減圧した。175℃で2時間保温してから、材料の温度を140℃に低下させ、約900gのプロピレングリコールメチルエーテルを加え、0.5時間攪拌し続けて、放出して、リン系硬化剤P‐8を得た。
【0029】
実施例9 反応釜に257gのジヒドロキシビフェニル、257gのビスフェノールF、648gのホルムアルデヒド水溶液(質量濃度37%)及び24gの水酸化ナトリウムを投入し、攪拌し始め、温度を40℃に加熱し、3時間保温した。次に、65℃に昇温させ、3時間保温した後、n‐ブタノール1480gを加え、12時間還流させた。材料の温度を55〜60℃に低下させ、減圧蒸留によって約1000gのn‐ブタノールを除去し、中間物を得た。 中間物に1080gのDOPO(9,10‐ジヒドロ‐9‐オキサ‐10‐ホスファフェナントレン‐10‐オキシド)を加え、2時間内に材料の温度を80℃から徐々に175℃に昇温させ、n‐ブタノールを適時に反応系から排出できるように、120℃の時点反応系を減圧した。175℃で2時間保温してから、材料の温度を130℃に低下させ、約900gのプロピレングリコールメチルエーテルを加え、0.5時間攪拌し続けて、放出して、リン系硬化剤P‐9を得た。
【0030】
実施例10 反応釜に267gのビスフェノールS、267gのビスフェノールF、648gのホルムアルデヒド水溶液(質量濃度37%)及び24gの水酸化ナトリウムを投入し、攪拌し始め、温度を40℃に加熱し、3時間保温した。次に、65℃に昇温させ、3時間保温した後、n‐ブタノール1480gを加え、12時間還流させた。材料の温度を55〜60℃に低下させ、減圧蒸留によって約1000gのn‐ブタノールを除去し、中間物を得た。 中間物に1080gのDOPO(9,10‐ジヒドロ‐9‐オキサ‐10‐ホスファフェナントレン‐10‐オキシド)を加え、2時間内に材料の温度を80℃から徐々に180℃に昇温させ、n‐ブタノールを適時に反応系から排出できるように、120℃の時点反応系を減圧した。180℃で1時間保温して、将材料の温度低下135℃、約900gのプロピレングリコールメチルエーテルを加え、0.5時間攪拌し続けて、放出して、リン系硬化剤P‐10を得た。
【0031】
比較例1 反応釜に470gのフェノール、648gのホルムアルデヒド水溶液(質量濃度37%)及び24gの水酸化ナトリウムを投入し、攪拌し始め、温度を40℃に加熱し、3時間保温した。次に、65℃に昇温させ、3時間保温した後、n‐ブタノール1480gを加え、12時間還流させた。材料の温度を55〜60℃に低下させ、減圧蒸留によって約1000gのn‐ブタノールを除去し、中間物を得た。 中間物に1080gのDOPO(9,10‐ジヒドロ‐9‐オキサ‐10‐ホスファフェナントレン‐10‐オキシド)を加え、2時間内に材料の温度を80℃から徐々に180℃に昇温させ、n‐ブタノールを適時に反応系から排出できるように、120℃の時点反応系を減圧した。180℃で1時間保温してから、材料の温度を130℃に低下させ、約900gのプロピレングリコールメチルエーテルを加え、0.5時間攪拌し続けて、放出して、リン系硬化剤P‐11を得た。
【0032】
比較例2 反応釜に570gのビスフェノールA、648gのホルムアルデヒド水溶液(質量濃度37%)及び24gの水酸化ナトリウムを投入し、攪拌し始め、温度を40℃に加熱し、3時間保温した。次に、65℃に昇温させ、3時間保温した後、n‐ブタノール1480gを加え、12時間還流させた。材料の温度を55〜60℃に低下させ、減圧蒸留によって約1000gのn‐ブタノールを除去し、中間物を得た。 中間物に1080gのDOPO(9,10‐ジヒドロ‐9‐オキサ‐10‐ホスファフェナントレン‐10‐オキシド)を加え、2時間内に材料の温度を80℃から徐々に180℃に昇温させ、n‐ブタノールを適時に反応系から排出できるように、120℃の時点反応系を減圧した。180℃で1時間保温してから、材料の温度を130℃に低下させ、約900gのプロピレングリコールメチルエーテルを加え、0.5時間攪拌し続けて、放出して、リン系硬化剤P‐12を得た。
【0033】
本発明の新規の含リン難燃フェノールノボラック樹脂化合物の調製方法は、フェノール系化合物、ビスフェノール系化合物とホルムアルデヒド合成フェノールノボラック樹脂を使用して、フェノールノボラック樹脂とDOPO(9,10‐ジヒドロ‐9‐オキサ‐10‐ホスファフェナントレン‐10‐オキシド)を混合して縮重合反応を行うことで得る。
【0034】
フェノール系化合物としては、フェノール、o‐クレゾール、m‐クレゾール、p‐クレゾール、o‐フェニルフェノール、m‐フェニルフェノール、p‐フェニルフェノール、2,6‐ジメチルフェノール、2,4‐ジメチルフェノールの中の1種又はそれらの組み合わせを含む。ビスフェノール系化合物としては、ジヒドロキシビフェニル(biphenol)、ビスフェノールF(bisphenol F)、p‐ジヒドロキシジフェニルスルフィド、ビスフェノールS(bisphenol S)、ジシクロペンタジエンフェノール樹脂(Dicyclopentadiene‐Phenol Resin)の中の1種又はそれらの組み合わせを含む。
【0035】
実施例1〜10及び比較例1、2に用いられたフェノール系化合物、ビスフェノール系化合物を下記表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
二、リン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物の調製
【0038】
実施例11‐20: ビスフェノールA型フェノールノボラックエポキシ樹脂(Bisphenol A novolac epoxy resin;BNE)の硬化剤として、異なったリン含有基を有するリン系硬化剤(P‐1〜P‐10)を用いた。上記ビスフェノールA型フェノールノボラックエポキシ樹脂とリン系硬化剤(P‐1〜P‐10)を、エポキシ基とフェノール基との当量比が1:1となるように均一に混合し、エポキシ樹脂とリン系硬化剤との総重量の0.5PHRの2‐フェニルイミダゾール化合物を硬化促進剤として加え、乳鉢の中で粉末状に研磨して均一に攪拌し、この粉末で金型にいっぱい詰め、150℃、50kg/cmの圧力で1時間加熱し、170℃で2時間加熱し、更に200℃で3時間加熱し、本発明のリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物を得た。
【0039】
比較例3 ビスフェノールA型フェノールノボラックエポキシ樹脂の硬化剤として、比較例1のリン含有基を有するリン系硬化剤(P‐11)を用いた。上記ビスフェノールA型フェノールノボラックエポキシ樹脂とリン系硬化剤(P‐11)を、エポキシ基とフェノール基との当量比が1:1となるように均一に混合し、エポキシ樹脂とリン系硬化剤との総重量の0.5PHRの2‐フェニルイミダゾール化合物を硬化促進剤として加え、乳鉢の中で粉末状に研磨して均一に攪拌し、この粉末で金型にいっぱい詰め、150℃、50kg/cmの圧力で1時間加熱し、170℃で2時間加熱し、更に200℃で3時間加熱し、リン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物を得た。
【0040】
比較例4: ビスフェノールA型フェノールノボラックエポキシ樹脂の硬化剤として、比較例2のリン含有基を有するリン系硬化剤(P‐12)を用いた。上記ビスフェノールA型フェノールノボラックエポキシ樹脂とリン系硬化剤(P‐12)とを、エポキシ基とフェノール基との当量比が1:1となるように均一に混合し、エポキシ樹脂と硬化剤との総重量の0.5PHRの2‐フェニルイミダゾール化合物を硬化促進剤として加え、乳鉢の中で粉末状に研磨して均一に攪拌し、この粉末で金型にいっぱい詰め、150℃、50kg/cmの圧力で1時間加熱し、170℃で2時間加熱し、更に200℃で3時間加熱し、リン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物を得た。
【0041】
実施例21〜30: リン系硬化剤(P‐1〜P‐10)、ビスフェノールA型フェノールノボラックエポキシ樹脂、o‐クレゾールノボラックエポキシ樹脂(Cresol formaldehyde novolac epoxy resin;CNE)、フェノールノボラックエポキシ樹脂(phenol novolac epoxy;PNE)を、表4の重量比に従って水酸化アルミニウム、二酸化珪素及びイミダゾール(imidazole)系硬化促進剤と適量な溶剤で均一に混合し、小型含浸機でガラス繊維布によって含浸した後、170℃で150秒加熱してから裁断して小型ホットプレスの中で185℃、25kg/cmで2時間硬化させ、ハロゲンフリー銅張積層板を得た。
【0042】
比較例5〜6: リン系硬化剤(P‐11〜P‐12)、ビスフェノールA型フェノールノボラックエポキシ樹脂、o‐クレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂を、表4の重量比に従って水酸化アルミニウム、二酸化珪素及びイミダゾール(imidazole)系硬化促進剤と適量な溶剤で均一に混合し、小型含浸機でガラス繊維布によって含浸した後、170℃で150秒加熱してから裁断して小型ホットプレスの中で185℃、25kg/cmで2時間硬化させ、ハロゲンフリー銅張積層板を得た。
【0043】
[テスト説明]111ワニスゲル化時間(sec): 0.3mlの樹脂ワニスを170℃の加熱板に置いて、そのゲル化時間を測定した。ガラス転移温度(℃): 昇温速率=20℃/minの示差走査熱量計(DSC)を用いてテストを行った。難燃性: 試験片を0.5in×4.7inの長方形に裁断し、火炎高さ2cmの青い炎で10秒燃焼した後で遠ざけて、合計2燃焼した後、炎を遠ざけた後の自己消火時間を記録した。吸水率(%): サンプルを120℃、2atmの圧力鍋で30分間加熱した。誘電損失(1GHz): 試験片を5×5の正方形に裁断し、且つ板の3点を取って板厚を測定した後で誘電解析機器に挟んで測定し、完了した後でその平均値を取った。誘電率(1GHz):
エッチングされた基板を5cmの正方形の試験片に裁断し、105℃のオーブン内で2hrベーキングした後、取り出して板厚測定機器によって試験片の3箇所の板厚を測定した。更に試験片を誘電測定装置に挟んで、3点のデータを測定した後で平均値を取った。
【0044】
本発明を上記具体的な実施例によって説明したが、当業者であれば、上記説明に基づいて多種の変更を行うことができる。本発明の範囲は、下記特許請求の範囲やその精神内に指定された各種の変化を含む。
【0045】
下記表2は、硬化物のガラス転移点(Tg)を比較し、表3は、硬化物の熱分解を分析し、表4は、覆銅基板テストの結果を示す。
【0046】
[硬化物ガラス転移温度]
【表2】
【0047】
[硬化物熱分解分析]
【表3】
【0048】
[樹脂レシピ組成及びその物性]
【表4】
【0049】
[結論] 実施例11〜20と比較例3〜4で得られたリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物のTg(表2)を比較して、本発明を使用したリン含有フェノール樹脂化合物、特にビスフェノールSを原料として調製されたリン系硬化剤(実施例3のリン系硬化剤P‐3)がエポキシ樹脂と反応して得られたリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物は、そのTgが全部でフェノールによって合成したリン系硬化剤(比較例1のリン系硬化剤P‐11)がエポキシ樹脂と反応して得られたリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物よりも高く、ひいては全部でビスフェノールA型リン系硬化剤(比較例2のリン系硬化剤P‐12)を使用したエポキシ樹脂と反応して得られたリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物よりも13℃高く、且つ熱安定性もその他の実施例より一層良好であることが分かる。
【0050】
表3から、リン系硬化剤とエポキシ樹脂との架橋程度の相違が分かり、ビスフェノールS型のリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物(実施例3のリン系硬化剤P‐3及び実施例4のリン系硬化剤P‐4)がTGAテストにおいて、熱分解(5%重量損失)温度が425℃を超えてもよく、高級な電子パッケージ材に用いられることができる。
【0051】
表4から、本発明のリン含有難燃性エポキシ樹脂硬化物を有するものとして、実施例26(リン系硬化剤P‐6、フェノール+ビスフェノールF体系)以外、他の実施例の何れのTgも単にフェノールから合成したリン系硬化剤(比較例5)又は単にビスフェノールAから合成したリン系硬化剤(比較例6)より高く、しかも何れの電気的特性表現も比較例5及び比較例6よりも優れ、ジシクロペンタジエン含有のリン系硬化剤(実施例27)は、DKが3.91にも達することができ、且つDfが0.008のレベルにも達することができるので、高周波の銅張積層板の分野に適用されることができる。膨張係数の表現では、実施例21〜24及び実施例27〜30は、α1の何れも30〜40にあり、α2が198〜229にある。実施例41〜62において、レシピに1.2〜1.4%のリン含有量を有すれば、銅張積層板に必要な難燃効果を達成することできるため、高級な含リン銅張積層板材料の製造分野には好適に用いられる。