(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
本発明のコンテナについて、
図2(A)、(B)及び
図3を用いて説明する。コンテナ17は、容器本体60と、容器本体60に取り付けた開閉扉21と、を有する。容器本体60は、四角形、例えば長方形の底部18と、底部18の平行な2辺に連続して設けた一対の側壁19と、コンテナ17の長手方向で開閉扉21とは反対側に設けられた前壁20とを有する。コンテナ17の長手方向の意味は後述する。前壁20は一対の側壁19に連続している。なお、本実施の形態では、便宜上、コンテナ17において前壁20が設けられている部分を前部といい、前壁20とは反対側を後部と呼ぶことにする。つまり、前壁20はコンテナ17の最も前部に設けられているということができる。容器本体60は金属製、例えば、鉄板や鋼鉄、ステンレス等で形成されている。また、本発明のコンテナは四角形に限定されるものではなく、容器本体と、容器本体に取り付けられた開閉扉と、後述の構成を有し、固液分離を可能にする構成であれば、柱状のコンテナであってもよい。可搬性を考慮すれば、本実施の形態で説明するような四角形、特に長方形であることが好ましい。
【0018】
コンテナ17の長手方向で開閉扉21側、すなわちコンテナ17の最も後部において、一対の側壁19の間に取り出し口61が形成されている。開閉扉21は、コンテナ17の長手方向でコンテナ17の最も後部に設けられており、取り出し口61を開閉する。開閉扉21は、コンテナ17の長手方向で、前壁20に対して間隔をおいて配置されている。
【0019】
コンテナ17の上部に開口部27が形成されている。前壁20に係止部22が設けられており、容器本体60に収容された対象物50を取り出す際、コンテナ17を傾斜させるために、係止部22を用いることができる。なお、対象物50を取り出す方法の詳細については後述する。なお、コンテナ17において、容器本体60に天蓋を設け、ダンパー等で当該天蓋を開閉することで開口部27を形成する構成であってもよい。
【0020】
コンテナ17内であって、底部18上に支持枠28を介して排水床29が設けられている。支持枠28は、
図5のように、コンテナ17の前後方向に沿って配置された複数本の縦部材30と、縦部材30同士を接続するようにコンテナ17の幅方向に配置した横部材31と、縦部材30に連続して設けた脚部32と、を有する。コンテナ17の前後方向は、コンテナ17の長手方向と同じである。縦部材30及び横部材31及び脚部32は、共に断面形状がL形の金属材であり、かつ、互いに溶接して固定されている。脚部32は、底部18に接触しており、縦部材30及び横部材31は、底部18に対して平行である。そして、2本の縦部材30と、2本の横部材31との間に、空間33が形成されている。空間33は、コンテナ17の平面視で四角形である。
【0021】
排水床29は通水性を備えており、排水床29自体に、処理物を支持する剛性が無くてもよい。排水床29は、支持枠28から取り外してコンテナ17の底部18の清掃やメンテナンスを行うために、排水床29を支持枠28に嵌め込む機構を有することが望ましい。そこで、排水床29は、
図4のように、金属製の板部34と、板部34に溶接して固定された嵌め込み部35と、を有する。板部34は、コンテナ17の平面視で四角形である。嵌め込み部35は金属製であり、かつ、板部34の四辺と平行に、かつ、四辺の内側に配置されている。嵌め込み部35は、
図6のように、空間33に配置されており、板部34の四辺が、それぞれ縦部材30及び横部材31により支持されている。板部34を厚さ方向に貫通する排水孔36が複数設けられている。嵌め込み部35を空間33に配置すると、板部34は、支持枠28に対して底部18を平行な方向に位置決めされる。
図3のようにコンテナ17を平面視すると、板部34が8枚並べて配置されている。
【0022】
なお、本実施の形態では板部34を8枚並べて配置する構成としているが、板部34の枚数に限定はない。板部34は少なくとも排水孔36が複数設けられて通水機能を発揮できればよく、1枚以上であればよい。板部34自体の清掃、及び板部34を取り外すことでコンテナ17の内部を清掃できることを考慮すれば、板部34は複数枚に分割することが好ましく、例えば本実施の形態のように8枚並べて配置することができる。対象物の洗浄、安定化処理等を行うためのピット等のような地上に固定された施設は、その内部の清掃、メンテナンスが大がかりとなるが、本実施形態のコンテナ17は板部34を取り外すことができ、さらに板部34が複数枚に分割されているため、コンテナ17の内部清掃及びメンテナンスが最小限かつ容易に行うことができる。
【0023】
排水床29は金属製のパンチング板、メッシュシートのいずれか一方、または両者の組み合わせで造ることができる。パンチング板及びメッシュシートを単独で用いる場合、目の大きさは0.1〜3mmとする。パンチング板とメッシュシートとを重ねる場合、例えば、パンチング板の上にメッシュシートを敷く場合は、メッシュシートの目を0.1〜3mmとし、パンチング板の孔径を2〜50mmとする。なお、メッシュシートの上にパンチング板を重ねてもよい。目の大きさは、対象物50の平均粒径よりも小さい方がよいが、上記の目の大きさの範囲よりも平均粒径が小さい対象物50をコンテナ17に収容する場合、排水床29の直上部に樹脂製トリカルネットや不織布、ろ布などを設置し、ろ過径をさらに小さくしてもよい。つまり、排水床29は、金属製のパンチング板、不織布、メッシュシート、樹脂製トリカルネット、ろ布等を含む。
【0024】
コンテナ17の内部であって、排水床29と底部18との間に排水室37が形成される。つまり、コンテナ17の内部は、排水床29により、収容室63と排水室37とに仕切られている。収容室63は、排水床29の上に形成され、排水床29と底部18との間に、排水室37が形成される。排水床29は、通水機能を有しており、収容室63の水は排水床29を通り抜けて排水室37へ移動する。排水床29と開閉扉21との間、排水床29とコンテナ17の一対の側壁19との間に、1cm程度の隙間を空けておいてよい。隙間がない場合は、排水床29と開閉扉21とが干渉したり、排水床29と一対の側壁19とが干渉したりするため、板部34を支持枠28から取り外すことができなくなる可能性がある。対象物50が、開口部27から排水室37に落下する可能性がある場合は、当該隙間を埋める緩衝材を設けることがよく、緩衝材としてはゴムなどの伸縮する素材であることが好ましい。
【0025】
排水室37の容量は排水床29を設置する位置によって決定される。ここで、排水室37の高さ、すなわち排水床29を設置する位置の決め方について説明する。排水床29を設置する位置は、排水室37に貯留される排水量、特に貯留される排水の底部18から排水上面までの高さを考慮して決めることが好ましい。そこで、排水床29の高さは、
排水床高さ≧排水室に貯留する排水量(m
3 )/コンテナ底部面積(m
2 )+通気口の内径(mm)
の関係となるように設定する。排水量は、
液固比=排水量(体積)/対象物(重量) = 0.1〜1.5
となるように設定する。コンテナ17の底部18であって、前後方向の後端に壁38が設けられている。壁38は、底部18の縁から連続して直角に立ち上げられている。壁38の先端は、板部34より下方に位置する。
【0026】
本実施の形態では、コンテナ17が壁38を有するが、壁38を有していない構成であってもよい。壁38を有することで、容器本体60に収容された対象物50を取り出すために、開閉扉21を開けた状態でコンテナ17を傾けた際、排水室37に残留した排水が外部に流出することを防ぐことができる。また、排水室37が形成される底部18、支持枠28及び排水床29などの表面を防汚コーティングすることで、コンテナ17の内部清掃を容易に行うことができる。そして容器本体60の内壁全体の表面についても防汚コーティングすることが可能である。例えば、防汚コーティングとしては、ポリザラシランなどの親水性ガラスコーティング、フッ素コーティングまたは酸化チタンを利用した光触媒コーティングなどを利用することができる。
【0027】
側壁19を厚さ方向に貫通する排水口39が設けられている。排水口39は、排水室37とコンテナ17の外部とをつなぐ通路である。排水口39は、コンテナ17の長手方向、つまり、一対の側壁19に対して平行方向で、開閉扉21とは反対側に1カ所以上設置され、バルブによって開閉を制御され、バルブの先の接続は開放である。排水口の内径は5mm〜500mmの範囲内に設定する。排水口39の上端は、板部34の下面よりも下に位置する。本実施の形態では、
図2に示すように排水口39は、一対の側壁19に設けられているが、排水口39を設ける位置はこれに限定されない。排水口39を設ける位置は、排水口39の上端が板部34の下面よりも下に位置していれば、どこに設置されていてもよい。例えばコンテナ17の底部18に、排水口39を設けることができる。
【0028】
コンテナ17の外部に排水管41が設けられており、排水口39は排水管41に接続されている。排水管41はポンプ57に接続されており、排水管41にバルブ42が設けられている。排水口39の口径は、ポンプ57の吸い込み口に接続される排水管41の内径に合わせるのがよい。ポンプ57は、排水室37の水を吸入して、コンテナ17の外部へ吐出する。排水管41の開閉はバルブ42によって操作する。コンテナ17内への通気時にバルブ42を閉めておくことで、コンテナ17内の空気が、排水口39から漏れることを防ぐことができる。バルブ42の先の接続は開放とし、排水室37からの排水時に、排水口39を、ポンプ57や排水路などの設備に接続する。
【0029】
バルブ42の口径はポンプ57のホース径に合わせて設定し、排水室37の貯水量と、時間当たり排水量とを考慮し、決定するのが望ましい。ポンプ57としてはスイープポンプを用いることができ、排水管41の内径が25mmであるものが多いことから、後述する処理例では排水口39の内径は25mmとする。ポンプ57は、コンテナ17のサイズ、つまり容積、排水室37に貯留する排水量、排水室37から排水する回数を考慮して、排水能力の選定を行うとよい。
【0030】
また、ポンプ57はコンテナ17の排水室37から水を排水する機構であるが、ポンプ57を用いることなく、排水室37から水を排水することも可能である。例えば、コンテナ17が、後述する脚部62,65を有する場合、底部18の底面59が傾斜するため、排水室37の水は、自重で底部18の底面59に沿って流れ、排水口39から外部に排出される。
【0031】
また、コンテナ17の前壁20に通気口43が設けられている。通気口43は、排水室37とコンテナ17の外部とをつなぐ。通気口43の設置位置、とりわけ通気口43の下端の位置は、排水室37に貯留される排水量、特に貯留される排水においての底部18から排水上面までの高さを考慮して決めることが好ましい。通気口43は、排水室37に貯留される排水の最大水位よりも上に位置していることが好ましい。つまり、通気口43は、排水床29よりも下方に、かつ、排水室37の排水の最大水位よりも上方に1カ所以上設ける。例えば、
図2において、通気口43の下端は、貯留される排水の最大水位及び排水口39の上端よりも上に位置し、通気口43の上端は、排水床29を構成する板部34の下面よりも下に位置する。さらに、通気口43の内径は、5mm〜500mmの範囲内に設定できる。
【0032】
さらに、コンテナ17内へ通気する給気装置51として、通気口43または通気管53のうち、少なくとも一方を設ける。通気管53と空気機械52との接続箇所は、コンテナ17の長手方向で開閉扉21と反対側に設けてある。通気管53は、排水床29の直上または直下に設置するか、対象物50に上部から刺して挿入する。空気機械52から通気管53までの通気ラインは1本でもよいが、圧力を均一にするために複数本としてもよい。また、排水床29の直上に設置または対象物50に埋まる通気管53の本数は何本でもよい。通気管53を排水床29の直上に設置する場合、通気管53内の圧力を均一にするため、通気管53の形状をループ状にしてもよい。なお、一対の側壁19に対して垂直方向に、通気管53が存在すると、クレーンなどの重機でコンテナ17を傾斜させる時、またはコンテナ17のダンプアップ時に対象物50が通気管53に引っかかる可能性がある。このため、
図3に示すように、前壁20から開閉扉21に向けて側壁19と平行方向な第2管部56を、1本ずつ設置する方が望ましい。コンテナ17のダンプアップ及び第2管部56は後述する。
【0033】
コンテナ17内へ空気を供給する給気装置51が設けられている。給気装置51は、後述の荷役車両10やコンテナ17に固定されていてもよいし、後述の荷役車両10やコンテナ17に対して着脱可能であってもよい。給気装置51は、空気機械52と、空気機械52に接続された通気管53と、を有する。空気機械52は、圧縮機または送風機の何れでもよい。通気管53は、コンテナ17の内部で排水床29の上方に配置されている。
【0034】
通気管53は、収容室63に配置される第1管部54と、第1管部54に接続される接続部55と、接続部55に接続された複数本の第2管部56と、を有する。第1管部54は、前壁20に沿って上下方向に配置され、接続部55は、前壁20に沿って底部18と平行に配置されている。また、第2管部56は、互いに平行に、かつ、底部18と平行に配置されている。4本の第2管部56は、接続部55から分岐している。第2管部56は、板部34に接触しており、前壁20の近くから開閉扉21の近くに亘って配置されている。通気管53は、金属または合成樹脂製であり、径方向に貫通する通気穴が設けられている。
【0035】
また、クレーンなどの重機でコンテナ17を傾斜させて、またはコンテナ17をダンプアップして対象物50を搬出する際、対象物50が、通気管53、第1管部54及び接続部55の係止部22側に溜まることを防ぐため、通気管53、第1管部54及び接続部55から、開閉扉21側に向けて若干距離を隔てた箇所に、
図8に示す仕切り板67を設けることもできる。仕切り板67は、排水床29上に垂直に立てられる。仕切り板67の下端が第2管部56に接触しないように、仕切り板67の下端に切り欠きを設けてもよい。仕切り板67を収容室63内に設けることで、対象物50を搬出する際に、対象物50が仕切り板67と前壁20との間に移動することを防ぐことができる。なお、仕切り板67の素材はステンレスや樹脂など何でもよい。
【0036】
給水装置44を用いることで、コンテナ17の内部へ散水することが可能である。給水装置44は、コンテナ17や後述の荷役車両10に取り付けられている必要はなく、別途用意することができる。コンテナ17内の対象物50に散水する方法は、コンテナ17内またはコンテナ17の外、具体的には、コンテナ17の上部から、コンテナ17内の対象物50に向かって散水する方法であればよく、給水装置44及び散水状態は限定されない。例えば、ノズルまたはチューブを用いてコンテナ17の上部から、噴霧または滴下して散水する方法を採用できる。また、滴下して散水する方法は、コンテナ17内で行ってもよい。その場合、チューブはコンテナ17の上端または対象物に固定するか、コンテナ17内で対象物50の上に這わせて設置することができる。ノズルまたはチューブをコンテナ17の上部への固定するためには、コンテナ17上部を覆うシートの下面、またはシート内部にチューブを組み込むことで実施できる。このようにすると、シートの巻き取りに合わせてチューブを回収することができ、コンテナ17内部の気密性を向上でき、対象物50の飛散を防止できる。
【0037】
ここで、給水装置44について説明する。給水装置44は、給水ホース45と、給水ホース45に接続された給水管46と、給水管46の先端に取り付けたノズル47と、を有する。給水管46は複数、
図2の例では3本設けられ、支持フレーム48は給水管46を支持している。支持フレーム48は上下方向に移動させることができる。給水ホース45は、水道の蛇口に接続されるか、または、ポンプを介して給水タンクに接続される。また、ノズル47はドリップチューブを用いてもよい。
【0038】
上記構成のコンテナ17、給水装置44及び給気装置51により、処理装置64が形成されている。さらに、本発明の処理装置は、給水装置の一部を構成するノズルやチューブをコンテナに取り付けておき、地上にある水道の蛇口またはタンクとを、ホースや配管で接続する構成を含むものである。また、本発明の処理装置は、給気装置の一部を構成する通気管をコンテナ内に予め取り付けておき、地上にある空気機械と通気管とを、接続管で接続する構成を含むものである。
【0039】
ここで、本実施形態のコンテナ17を用いた荷役車両について
図1を用いて説明する。
図1に示す荷役車両(ダンプ)10は、運転者が乗るキャブ11と、キャブ11に連続して設けた車体フレーム12と、を備えている。車体フレーム12は、略水平に配置された金属製のフレームであり、車体フレーム12上にサブフレーム12Aが固定されている。サブフレーム12Aは金属製であり、サブフレーム12Aに荷役フレーム13が設けられている。荷役フレーム13は、
図2及び
図3に示す箱形状のコンテナ17を支持する。荷役フレーム13は金属製であり、かつ、サブフレーム12Aに対して支持軸14を中心として所定角度の範囲内で回動可能である。支持軸14は、荷役車両10の幅方向、つまり、左右方向に沿って配置されている。
【0040】
また、車体フレーム12には、荷役フレーム13を回動させるアクチュエータとしてシリンダ25が設けられている。荷役フレーム13は、基部15と、基部15から直角に延ばされた支柱16と、を有する。なお、荷役フレーム13は、車体フレーム12に対して、車体フレーム12の前後方向に移動・停止可能であり、かつ、車体フレーム12の前後方向に伸縮可能であるが、具体的な構造の説明は省略する。支柱16のフック40に係止部22を掛けることで、コンテナ17が荷役車両10の前後方向、及び左右方向に移動することを防止できる。また、基部15には、支持軸14と同軸にローラ23が設けられており、コンテナ17の底部18にローラ24が設けられている。さらに、開閉扉21は、側壁19の後部上端にヒンジ26を介して取り付けられており、開閉扉21は、ヒンジ26を中心として揺動可能である。コンテナ17は、サブフレーム12A上に積載及び取り外しが可能である。
【0041】
車体フレーム12の前後方向は、荷役車両10の前後方向と同じである。コンテナ17が荷役車両10に搭載されると、コンテナ17の前後方向及び長手方向は、荷役車両10の前後方向と同じである。
【0042】
本実施形態のコンテナ17を用いた対象物50の処理作業を簡単に説明する。まず、
図1(A)のように、コンテナ17を荷役車両10の車体フレーム12上に載せた状態とし、かつ、コンテナ17の底部18を水平な状態とする。また、通気管53をコンテナ17の収容室63に設置する。さらに、開閉扉21で取り出し口61を閉じる。そして、収容室63に対象物50を投入し、対象物50を排水床29上に積む。すると、通気管53は、対象物50の下に埋まる。
【0043】
次に、
図2のように、給水装置44を使用して対象物50に上から散水する。水は自重で対象物50の間を通り、さらに、排水孔36を通り排水室37へ溜まる。散水中、または、散水が行われていない状態で、給気装置51により、コンテナ17内へ空気を送り込むことができる。対象物50の処理が終わると、排水室37内の水を排水管41からコンテナ17の外へ排出する。その後、荷役車両10を対象物50の保管場所へ移動させる。
【0044】
保管場所では、
図1(B)のように、コンテナ17をダンプアップさせ、かつ、開閉扉21を開き、収容室63の対象物50を取り出し口61からコンテナ17の外へ取り出す。ダンプアップとは、支持軸14を中心としてコンテナ17を回動させ、底部18をサブフレーム12Aに対して傾斜させることである。また、フック40を係止部22から外すと、コンテナ17をローラ23上で滑らせ、コンテナ17を荷役車両10から降ろすこともできる。
【0045】
次に、
図7を用いてコンテナ17の他の例を示す。ここでは、前述したコンテナ17とは異なる構成についてのみ説明し、その他は前述の説明を参考にすることができる。容器本体60の底部18に脚部62,65が設けられている。脚部62,65は、側壁19に沿った方向で互いに異なる位置に配置されている。側壁19に沿った方向は、コンテナ17の前後方向及び長手方向であり、コンテナ17が荷役車両10に搭載された状態ではその前後方向である。脚部65は、側壁19に沿った方向で、開閉扉21よりも前壁20に近い位置に配置され、脚部62は、側壁19に沿った方向で、前壁20よりも開閉扉21に近い位置に配置されている。
【0046】
脚部62は2本設けられ、脚部65は2本設けられている。脚部65は、前壁20の下方に設けられ、脚部62は、壁38の下方に設けられている。脚部65が底部18から突出する量(長さ)は、脚部62が底部18から突出する量(長さ)よりも短い。脚部62,65は、底部18に対して直角に突出しているわけではなく、脚部62,65が地面66に接触した状態で、脚部62,65は、共に地面66に対して直角である。排水口39は、コンテナ17の内部のうち最も低位置にあり、かつ、壁38より低位置にある。このように、脚部62,65の下端が接した面、ここでは地面66に対して、底部18の底面59が傾斜していると、排水室37の水は、自重で底面59に沿って流れ、排水口39から排出される。したがって、排水室37から水を排出する効率が向上する。
【0047】
脚部62,65を有するコンテナ17を荷役車両10に積載する形態は、第1積載形態及び第2積載形態を含む。図示を省略するが、第1積載形態で使用するコンテナ17は、底部18の底面59と、底部18の下面68とが平行でない。つまり、コンテナ17を側面視すると、底面59と下面68との距離は、前壁20に近くなることにともない狭くなっている。第1積載形態は、底部18の下面68がサブフレーム12Aに対して平行になるように、コンテナ17を荷役車両10に積載することである。コンテナ17を第1形態で荷役車両10に積載すると、底面59の排水口39側が、開閉扉21側よりも低くなるように、底面59が傾斜する。したがって、排水室37内の水は、底面59の傾斜によって自重で前壁20側に移動し、排水口39から排出される。したがって、コンテナ17の排水効率が向上する。
【0048】
第2積載形態で用いるコンテナ17は、
図7のように、底部18の底面59と下面68とが、互いに平行である。第2積載形態は、脚部62,65をサブフレーム12Aに接触させた状態で、底部18の底面59がサブフレーム12Aに対して傾斜するように、荷役車両10に積載する形態である。コンテナ17が荷役車両10に積載された状態において、サブフレーム12Aに対する底面59の傾斜角度は、対象物50の容量、散水量等を考慮して任意に設定可能である。
【0049】
上記の実施形態で説明した事項と、本発明の構成との関係を説明すると、荷役車両10が、本発明の荷役車両に相当し、処理装置64が、本発明の処理装置に相当し、コンテナ17が、本発明のコンテナに相当し、底部18が、本発明の底部に相当し、容器本体60が、本発明の容器本体に相当し、排水床29が、本発明の隔壁に相当し、収容室63が、本発明の収容室63に相当し、排水室37が、本発明の排水室に相当する。
【0050】
また、取り出し口61が、本発明の取り出し口に相当し、開閉扉21が、本発明の扉に相当し、排水口39が、本発明の排水口に相当し、前壁20が、本発明の第1壁部に相当し、一対の側壁19が、本発明の「一対の第2壁部」に相当し、給水装置44が、本発明の給水装置に相当し、給気装置51及び通気口43が、本発明の給気装置に相当し、車体フレーム12及びサブフレーム12Aが、本発明の荷台に相当し、脚部65が、本発明の第1脚部に相当し、脚部62が、本発明の第2脚部に相当する。
【0051】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、コンテナは、箱状かつ短手方向の一方が開閉可能な扉を設けているもので、ダンプアップが可能であるものがよい。例えば、アームロール(新明和工業株式会社の登録商標:以下、本明細書において同じ)車用コンテナや貨物用コンテナなどがある。アームロール車は、コンテナを車体フレームに着脱可能であり、かつ、コンテナの底部を車体フレームに対する傾斜角度を調整可能な、荷役車両である。
【0052】
以下、コンテナ17の収容室63に対象物50を投入し、かつ、散水、通気、または排水の少なくとも一以上の処理を行い、処理済みの対象物50をコンテナ17から搬出する処理例を、順次、説明する。また、コンテナ17、処理装置64または荷役車両10の構成要素をさらに詳しく説明する。
【0053】
(処理例1)
処理例1は、対象物50としての焼却灰を安定化処理する例である。焼却灰の安定化処理は、コンテナ17を地面に置いた状態で、コンテナ17内の焼却灰への散水及び通気を行う。具体的には、焼却灰を排水床29へ積み込んだ後、給水装置44から焼却灰に散水して、焼却灰の洗浄処理を行う。さらに、散水処理と併行して、または、散水処理と交互に、焼却灰への通気処理を行う。焼却灰等、有機物や重金属を含む廃棄物は、通気によって有機物の分解や重金属の炭酸化が生じ安定化することが知られていることから、コンテナ17内への通気が可能な通気管53及び通気口43を設けている。通気は通気口43または通気管53のうち、少なくとも一方を用いる。コンテナ17にこれらを設ける場合は、通気口43に蓋をする等の方法でコンテナ17の水密性を確保ことが好ましい。なぜなら、対象物50から溶出する排水に重金属が含まれる場合は、排水による周囲の汚染が考えられるためである。
【0054】
なお、排水の汚染を考慮しなくてよい場合は、必ずしもコンテナ17を水密式にする必要はない。さらに、通気によって散水及び対象物50を洗浄処理する時に、対象物50内で水みちの形成を抑制する。通気口43は単にホースやチューブなどを接続して送気すればよく、通気管53の場合は、空気機械52に接続する接続部55及び第1管部54を、開閉扉21と反対側に設けることで、クレーン等の重機でコンテナ17の前壁20側を持ち上げ傾斜させる、または荷役車両10に積載した状態でダンプアップすることで対象物50を取り出そうとする時に、「対象物50が接続部55に引っ掛かって収容室63に残ること」を防止できる。
【0055】
排水口39は、バルブ42によって開閉を操作し、通気管53から通気する時にはバルブ42を閉めておくことで、排水口39から空気が漏れることを防止できる。ここで通気処理による焼却灰の安定化の効果を高めるために、コンテナ17の上部にシートをかけ、コンテナ17内部の気密性を上げることが好ましい。そして、焼却灰を洗浄した水分は、溶出物を含み、洗浄後の水は、排水床29の排水孔36を通り排水室37へ溜まる。このようにして、焼却灰と、溶出成分を含む水とを分離する処理、つまり、固液分離処理が行われる。当該固液分離処理は、重力による自重脱水、バックホーなどの重機などで焼却灰に力を加える加圧脱水、ポンプ等による吸引脱水、等の方法がある。
【0056】
固液分離処理終了後に、排水室37内の水をコンテナ17の外に排出する方法としては、ポンプ57等で吸引する方法、またはポンプ57等で吸引せず、排水口39のバルブ42を開いた状態にし、重力で排水室37内の水を排出する等の方法がある。また、当該固液分離処理と排水室37内の水をコンテナ17に排出する処理を同時に行うこともできる。
【0057】
排水室37内の水を排出後、コンテナ17をクレーン等の重機で傾斜させるか、またはコンテナ17を荷役車両10に積載した後ダンプアップすることで、処理済みの焼却灰をコンテナ17外へ搬出する。なお、本処理例1はコンテナ17を荷役車両10に積載したままでも行うことが可能であり、その場合、コンテナ17をダンプアップして、処理済の焼却灰をコンテナ17外に搬出することができる。そして、アームロール車用の4tコンテナを用いることでコンテナ17を実現できる。
【0058】
焼却灰をコンテナ17の内部に積み込み込む作業は、バックホーやバケット付クレーン等の重機で行うか、コンテナ17をホッパーの下に設置し、直接、焼却灰を受け取ることにより行う。焼却灰をコンテナ17に積み込む時に締固めを行わない場合、焼却灰のかさ比重は、通常1.14程度である。4tコンテナは、自重が1tあるため、焼却灰の積載可能な重量は3tである。例えば、底部18の平面積が3.6m×1.91mであるとすると、焼却灰を積載可能な最大重量まで、すなわち、3t積み込んだ場合、比重は1.14、積み高さ(厚さ)は0.38mとなる。
【0059】
焼却灰を水で洗浄する場合の散水量は、焼却灰に対し液固比で「1」、すなわち3m
3 とし、排水室37に貯留する排水量は、総排水量の1/3(液固比0.33、1m
3)とする。コンテナ17の底部18の面積に基づいて、1m
3 の水が排水室37に貯留された場合、底面59からの高さ、つまり、水位は0.15mとなる。なお、通気口43は1カ所設け、通気口43の内径を0.05mとし、底面59から板部34の上面までの高さを0.2mに設定する。
【0060】
処理例1において、排水床29の板部34は8枚に分割されたものを用いる。焼却主灰であれば、平均粒径は1〜2mm程度であるため、板部34の上にメッシュシートを敷き、板部34の排水孔36の内径3mmのパンチング板とすればよい。メッシュシートのメッシュ径は1mmとする。メッシュシートの代わりに、目の大きさが1mmの樹脂製トリカルネットを設置してもよい。さらに、焼却灰をろ過する通過穴の「ろ過径」を小さくしたい場合は、不織布などの透水性のシートを、排水床29の上に設置することができる。
【0061】
処理例1では、給水装置44として既述したノズル47を、コンテナ17として4tコンテナを用いており、収容室63の上面の高さ、つまり、底面59からの高さを1.17mに設定する。また、排水床29の高さと、焼却灰の厚さを加えた高さを0.58mとすると、収容室63で焼却灰の上方に0.59mの空間が形成される。
【0062】
散水時に水がコンテナ17の外部に飛散することを防ぐため、散水はコンテナ17の上部から行うか、または、焼却灰の上面と開口部27との間にできた空間内で行う。散水時は、コンテナ17の上部にシートを設置するのが望ましい。この場合、ノズル47の先端またはドリップチューブは、シートの下方に位置させる。
【0063】
さらに、ノズル47を焼却灰の上面と開口部27との間にできた空間に設置するか、ドリップチューブを焼却灰の上面に這わせて設置する方法を採用してもよい。また、ドリップチューブをコンテナ17の上部で使用する場合は、シート下面か内部に給水チューブを設置すれば、給水チューブを、シートと共に設置及び取り外しできる。
【0064】
給気装置51としては、通気口43の他に、第2管部56を4本設置する。4本の第2管部56を、前壁20側で互いに接続し、第2管部56同士は、開閉扉21側で個別の管とする。クレーン等の重機でコンテナ17を傾斜させる時やダンプアップ時に、第2管部56に焼却灰が引っかかり、コンテナ17内に残存する可能性がある。このため、第2管部56は、コンテナ17の短手方向に沿って配置しない。
【0065】
通気時は、コンテナ17の内部の気密性を向上させるため、コンテナ17の開口部27をシートで覆い、排水の回数を減らし、かつ、排水時以外は排水管41のバルブ42を閉めておくことが望ましい。また、通気する気体はCO
2を多く含む気体にすることで、重金属の炭酸化による不溶化を促進できる。CO
2を用いる場合、供給源はCO
2のボンベや焼却炉、工場、運搬車両の排ガスなど、大気よりもCO
2を多く含む気体であれば何でもよい。
【0066】
散水処理及び通気処理は、コンテナ17を荷役車両10に載せたままの状態、またはコンテナ17を荷役車両10から降ろした状態、の何れでも可能である。処理時間が長い場合は、コンテナ17を荷役車両10から降ろした状態で処理を行うと、荷役車両10を他の用途に使用できる。
【0067】
固液分離処理は、荷役車両10にコンテナ17を載せたままの状態、または、荷役車両10からコンテナ17を降ろした状態、の何れでも行うことができる。一般に、重力脱水は数時間から数日程度と時間がかかるため、コンテナ17を荷役車両10から降ろして作業を行った方がよい。加圧、吸引等のように、動力源を用いた脱水処理は、数十分から数時間程度あれば済むため、脱水処理に作業に必要な時間が短いときは、コンテナ17を荷役車両10に載せたままで行ってもよい。
【0068】
また、コンテナ17を水密式のコンテナとすることで対象物50の上面またはそれ以上の高さまで水位を上げる浸漬も洗浄方法として用いることができる。これまで、浸漬は主に焼却灰の洗浄方法として提案され、従来はピットなどの地上に固定された施設で行われてきたが、本発明を用いれば、浸漬し、水と焼却灰を分離(固液分離)して排水後にダンプアップして対象物を搬出するという作業を本発明内で全て行うことができるため、作業毎に対象物を別のピットやコンテナに移し変える必要がなく、取り出しも容易になる。
【0069】
(処理例2)
処理例2では、対象物50が、金属くず、コンクリートガラ、廃プラ類などの破砕された廃棄物であり、その廃棄物をコンテナ17内で洗浄する際のコンテナ17の設計及び使用方法について説明する。処理例2では、コンテナ17を荷役車両10に積載した状態で、コンテナ17内の廃棄物への散水及び固液分離を行う。具体的には、廃棄物を容器本体60に積み込んだ後、給水装置44から廃棄物に散水して、廃棄物の洗浄処理を行う。なお、アームロール車用の4tコンテナを用いることでコンテナ17を製造でき、荷役車両10は、処理例1と同様にアームロール車を用いることができる。
【0070】
廃棄物をコンテナ17に積み込む場合、バケット付クレーンや、廃棄物が金属くずであればマグネット付きクレーンなどで行う。廃棄物の積み込み時のかさ比重は、廃棄物の種類によって大きく変動する。かさ比重が1.0以下である廃棄物は、3tの廃棄物をコンテナ17に積み込むとすると、廃棄物の積載高さが、コンテナ17の上面を超える可能性がある。コンテナ17上面を越えて廃棄物を積み込んだ場合、散水処理中に、廃棄物の横面からの水の流出が考えられる。そこで、廃棄物の積み込み高さをコンテナ17の上面未満にとどめるため、廃棄物の積み込み高さは、コンテナ17の上面の高さより少なくとも0.01m以上低くするのが望ましい。
【0071】
廃棄物をコンテナ17の積載可能重量、すなわち3t積み込む場合、廃棄物を洗浄するために必要な散水量は、液固比10、すなわち30m
3 である。廃棄物を洗浄する場合、コンテナ17の気密性をあげる必要がなく、常時、排水口39から排水してよいから、排水室37に貯留する排水量を液固比0.1、すなわち0.3m
3 とする。すると、排水床29の高さは0.015m以上あればよいので、排水床29の高さは0.05mに設定する。例えば、廃棄物が金属くずであれば比重が1.13程度であるから、金属くずをコンテナ17に3t積み込んだ場合は、底面59からの積み込み高さ0.39mとなり、望ましい積み込み高さの範囲内にある。
【0072】
処理例2においても排水床29の板部34は8枚に分割されたものを用いる。廃棄物が金属くずであれば、平均粒径は大きく、排水孔36の内径が2mmのパンチング板単独で十分と考えられる。なお、廃棄物に釘等の小さいものが混入している場合は、排水床29の上にメッシュ径が1mmのメッシュシートを敷けばよい。
【0073】
そして、廃棄物の洗浄後の水は、排水床29の排水孔36を通り排水室37へ溜まる。このようにして、廃棄物と洗浄後の水とを分離する処理、つまり、固液分離処理が行われる。固液分離処理は、処理例1で説明した方法を適宜利用して行うことができる。また、固液分離処理終了後に排水室37内の水をコンテナ17の外に排出する必要があり、これは処理例1で説明した方法を適宜利用して行うことができる。
【0074】
なお、処理例2において、排水口39の口径及びポンプ57に関しては、処理例1で説明したとおりである。
【0075】
廃棄物の洗浄処理は、荷役車両10にコンテナ17を載せたままの状態、または荷役車両10からコンテナ17を降ろした状態の何れでも行える。廃棄物を洗浄する時の散水強度が高いほど、処理時間が短くなるが、処理時間が10分程度で済む場合は、コンテナ17を荷役車両10に積載しまま洗浄処理を行ってもよい。
【0076】
(処理例3)
処理例3では、汚泥や含水率の高い土壌を対象物50として、固液分離処理を行う際のコンテナ17の設計及び使用方法について説明する。処理例3では、コンテナ17を荷役車両10に積載した状態で、コンテナ17内の対象物50について散水及び通気処理は行わず、固液分離のみを行う。アームロール車用の4tコンテナを用いることでコンテナ17を製造でき、荷役車両10は、処理例1及び処理例2と同様にアームロール車を用いることができる。
【0077】
コンテナ17へ汚泥や含水率の高い土壌を積み込む作業は、バックホーなどの重機やポンプでのポンプアップなどで行う。コンテナ17への積み込み時のかさ比重は、汚泥で1.1程度であるから、汚泥を3t積み込んだ場合における汚泥の積み込み高さは、0.4mである。コンテナ17内の気密性を確保する必要はなく、常時、排水口39から排水する。このため、排水室37から排水する量を液固比0.1、すなわち0.3m
3 とすると、排水床29の高さは0.015m以上あればよい。本実施例では排水床29の高さは0.05mに設定する。積み込み時の汚泥の含水率を95%、固液分離後の汚泥の含水率を85%とすると、分離した水は0.3t、すなわち0.3m
3 程度である。このため、排水口39から常時排水しない場合でも、水位が排水床29の高さを超えることはない。
【0078】
処理例3においてもコンテナ17の底部18と対象物50との間に排水床29が設けてあり、板部34をパンチング板とし、板部34の上にメッシュシート等を敷くことで、対象物50中の水分だけを排水室37に集め、汚泥や含水率の高い土壌について固液分離処理を行うことができる。
【0079】
ここでは、排水床29の板部34は8枚に分割されたものを用いる。汚泥は平均粒径が1mm以下も多く含まれることから、板部34は、排水孔36の内径2mmのパンチング板とし、板部34の上に、メッシュ径0.1mmのメッシュシートを敷いてもよい。さらに、汚泥の平均粒径が小さい場合は、排水床29上に不織布等のろ布を設置するとよい。
【0080】
固液分離処理は、処理例1で説明した方法を適宜利用して行うことができる。また、固液分離処理終了後に排水室37内の水をコンテナ17の外に排出する必要があり、これは処理例1で説明した方法を適宜利用して行うことができる。
【0081】
なお、処理例3において、排水口39の口径は及びポンプ57に関しては、処理例1で説明したとおりである。
【0082】
処理例3では、コンテナ17を用いて対象物50を処理するため、これまでと同様の方法で、対象物50を収集し、コンテナ17に積載して運搬することが可能である。また、処理済みの対象物50をコンテナ17から取り出す際は、ダンプアップによってコンテナ17を傾斜させ、素早く対象物50を搬出できる。したがって、処理場所が固定された施設での作業のように、重機で対象物を移し替える必要はない。
【0083】
本発明は、コンテナ17が既述の構造を備えているから、対象物50の収集及び運搬、対象物50の洗浄処理、対象物50への通気処理、対象物50と水分とを分離する固液分離処理、排水室37の水を排水口39からコンテナ17の外へ排出する作業、開閉扉21を開いてコンテナ17から対象物50を取出す作業等を、全てコンテナ17を利用して行うことができる。したがって、コンテナ17の他に、コストのかかる大きな設備を用意する必要はない。また、対象物50を移し替える手間が少なく、直ぐに後工程へ移送することが可能であり、また作業スペースもコンテナ17の1つ分でよいため効率的である。
【0084】
さらに、本発明の処理装置は、給水装置の一部を構成するノズルやチューブをコンテナに取り付けておき、地上にある水道の蛇口またはタンクとを、ホースや配管で接続する構成を含む。また、本発明の処理装置は、給気装置の一部を構成する通気管をコンテナ内に予め取り付けておき、地上にある空気機械と通気管とを、接続管で接続する構成を含む。
【解決手段】底部18を有する容器本体60と、容器本体60内で底部18に沿って配置した通水性の排水床29と、容器本体60内で排水床29の上に形成され、かつ、対象物50を収容する収容室63と、容器本体60内で排水床29と底部18との間に形成された排水室37と、容器本体60内に設けられ、かつ、収容室63と容器本体60の外部とをつなぐ取り出し口61と、取り出し口61を開閉する開閉扉21と、を備えたコンテナ17。