(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6063559
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】トコジラミの防除及び忌避
(51)【国際特許分類】
A01N 37/36 20060101AFI20170106BHJP
A01N 31/06 20060101ALI20170106BHJP
A01N 35/06 20060101ALI20170106BHJP
A01N 37/42 20060101ALI20170106BHJP
A01N 43/08 20060101ALI20170106BHJP
A01N 43/16 20060101ALI20170106BHJP
A01N 37/02 20060101ALI20170106BHJP
A01P 17/00 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
A01N37/36
A01N31/06
A01N35/06
A01N37/42
A01N43/08 H
A01N43/16 B
A01N37/02
A01P17/00
【請求項の数】18
【全頁数】54
(21)【出願番号】特願2015-510250(P2015-510250)
(86)(22)【出願日】2013年4月30日
(65)【公表番号】特表2015-515979(P2015-515979A)
(43)【公表日】2015年6月4日
(86)【国際出願番号】US2013000122
(87)【国際公開番号】WO2013165478
(87)【国際公開日】20131107
【審査請求日】2015年1月19日
(31)【優先権主張番号】61/687,918
(32)【優先日】2012年5月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】501439507
【氏名又は名称】ベドウキアン リサーチ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100119677
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100115794
【弁理士】
【氏名又は名称】今下 勝博
(72)【発明者】
【氏名】ベドウキアン、ロバート、エイチ.
【審査官】
伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0046359(US,A1)
【文献】
特表2010−530036(JP,A)
【文献】
国際公開第2011/040252(WO,A1)
【文献】
特表2007−504227(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0020087(US,A1)
【文献】
特表2015−521171(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N
A01P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トコジラミを防除又は忌避する方法であって、前記トコジラミを抑制有効量の構造(I)、
【化1】
(式中、
Rは=O、−OH、−OC(O)R
4、−OR
6、−(OR
6)
2からなる群から選択され、各R
6は独立に、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基から選択され、R
4は0〜2個の二重結合及び1〜15個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基であり;
XはO又はCH
2からなる群であり、但し、XがOである場合、Rは=Oでしかあり得ず;
各Zは独立に、(CH)及び(CH
2)からなる群から選択され;
yは1及び2から選択される数字であり;
R
1はH並びに0〜2個の二重結合及び1〜15個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基からなる群から選択され;
R
2はH並びに0〜3個の二重結合及び1〜15個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基からなる群から選択され;
R
3はH、0〜3個の二重結合及び1〜15個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基、−(CH
2)
nOH、−CH
2C(O)OR
7、−CH
2C(O)R
8から選択され、R
7、R
8の各々は独立に、H並びに0〜3個の二重結合及び1〜15個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基からなる群から選択され且つnは1〜12の整数であり;且つ
環構造中の2位と3位との間の結合は単又は二重結合であり得、且つRが=Oであり、X=CH
2且つyが1である場合に、前記構造(I)の化合物が前記化合物中に13〜20個の総炭素原子を含有するのを除いて、前記構造(I)の化合物は11〜20個の総炭素原子を含有する)
の化合物の少なくとも1種と接触させることを含む方法。
【請求項2】
前記構造(I)の化合物が前記化合物中に12〜16個の炭素原子を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記構造(I)の少なくとも1種の化合物が、
Rが−OHであり、XがCH2であり、yが1又は2であり、各Zが(CH)及び(CH2)からなる群から選択され、前記環中の2位と3位との間の前記結合が単結合であり、R1及びR2の一方がH又は−CH3であり、R1及びR2の他方が9〜15個の炭素原子及び0〜3個の二重結合を含有する、分岐又は非分岐、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基であり、且つR3がHである
化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記構造(I)の少なくとも1種の化合物が、
Rが−OHであり、XがCH2であり、yが1又は2であり、各Zが(CH)及び(CH2)から選択され、前記環中の2位と3位との間の前記結合が単又は二重結合であり、R1及びR2の一方がHであり、R1及びR2の他方が5〜15個の炭素原子及び0〜3個の二重結合を含有する、分岐又は非分岐、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基であり、且つR3が−CH2C(O)R8であり、R8が1〜6個の炭素原子を含有する分岐又は非分岐、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基から選択される
化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記環の2位と3位との間の前記結合が単結合であり、且つR8が3〜5個の炭素原子を含有するヒドロカルビル基から選択される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
R8が−CH3である、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記構造(I)の化合物が11〜14個の総炭素原子を含有するようにR1が5〜10個の炭素原子のアルキル基である、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
トコジラミを防除又は忌避する方法であって、前記トコジラミを抑制有効量の構造(I)、
【化1-1】
【化1-2】
【化1-3】
【化1-4】
【化1-5】
【化1-6】
【化1-7】
【化1-8】
【化1-9】
【化1-10】
【化1-11】
【化1-12】
【化1-13】
【化1-14】
【化1-15】
【化1-16】
【化1-17】
【化1-18】
【化1-19】
【化1-20】
【化1-21】
【化1-22】
【化1-23】
【化1-25】
【化1-24】
【化1-26】
からなる群から選択され
る、
化合物の少なくとも1種と接触させることを含む方法。
【請求項9】
前記構造(I)の少なくとも1種の化合物が、
【化1-9】
【化1-10】
及び、
【化1-11】
からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記構造(I)の少なくとも1種の化合物が、
【化1-13】
【化1-14】
【化1-15】
【化1-16】
【化1-17】
【化1-18】
【化1-19】
及び、
【化1-20】
からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記構造(I)の少なくとも1種の化合物が、
【化1-21】
【化1-22】
【化1-23】
【化1-27】
【化1-26】
【化1-25】
及び、
【化1-24】
からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記トコジラミがN,N−ジエチル−m−トルアミド(DEET(登録商標))と組み合わせた構造(I)の少なくとも1種の化合物と接触させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記トコジラミがパラ−メンタン−3,8−ジオール(PMD)と組み合わせた構造(I)の少なくとも1種の化合物と接触させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記トコジラミが構造(I)の任意の他の化合物と組み合わせた構造(I)の少なくとも1種の化合物と接触させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記構造(I)の少なくとも1種の化合物が衣類若しくは織物の表面に施用される又は衣類若しくは織物に含浸させられる、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記構造(I)の少なくとも1種の化合物が洗剤、柔軟剤又はドライヤーシートに施用される、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記構造(I)の少なくとも1種の化合物がローション、ワイプ、粉末、スプレー又はシャンプー中の局所忌避剤として施用される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記構造(I)の少なくとも1種の化合物がγ−ドデカラクトン、γ−トリデカラクトン、γ−ペンタデカラクトン、メチルアプリトール、メチルジヒドロジャスモレート、メチルジヒドロジャスモレートジメチルアセタール及び3−メチル−5−ペンチル−2−シクロヘキセン−1−オールから選択される、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トコジラミを防除及び忌避するための薬剤として使用される化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のデータは、ヒト住居のトコジラミ侵襲(キメクス属(Cimex)の種)が増加していることを示唆している。トコジラミの少なくとも92種が世界的に同定されており、その少なくとも16種が北アメリカ大陸にいる。一般的に、トコジラミは、ヒト及び種々の飼育動物を含む宿主に対する寄生性有害生物である。現在、少なくとも一部は長時間作用する残留性殺虫剤がトコジラミ個体群を抑制するためにもはや使用されていないために、トコジラミ侵襲がますます問題になっていると考えられる。さらに、増加した国際旅行及び殺虫剤抵抗性が、トコジラミ侵襲を広げ、殺虫剤による防除を極めて困難にしている。規模の点から、不評又は悪評によりもたらされる事業評判のリスクのために、このような侵襲は、ホテル経営者、クルーズ客船、列車、デイケア施設などにとって特に懸念されている。他の問題となる区域は、療養施設、兵舎、寄宿舎、病院及び種々の他の形態の高密度住宅を含む傾向がある。それにもかかわらず、一戸建ても同様に悪影響を受け得る。
【0003】
トコジラミはヒト血液を食物とする。したがって、トコジラミは目障りなだけでなく、醜く皮膚に斑紋を残す。これは住居の寝室にとって問題となるが、ホテルなどにとってより一層深刻な問題となる。このような商業的寝室に関しては、外部感染源がトコジラミをその場所に持ち込んでくる、より多くの機会があり、対処される前に客の咬傷を引き起こす未知の侵襲があるはずであり、長期の有意な評判損失につながる恐れのある、客の不満足及び悪評の深刻なリスクがある。
【0004】
殺虫性化学物質の汚染区域及び材料(特に、マットレス)への施用を通して、トコジラミ侵襲を防除する試みがなされている。この手法はいくつかの欠点を有する。例えば、この手法は、処理区域又はマットレスを施用後あまりに早く使用する人々を殺菌性化学物質の臭気又は他の望ましくない特性に晒し得る。さらに、侵襲が既に存在していることが知られているかどうかにかかわらず、化学物質が定期的に使用されない限り(コストを有意に増加させる手順)、処理を開始することを知る前に汚染区域で眠っている人々が噛まれ得る。
【0005】
トコジラミ増加の別の理由は、有害生物防除サービスが、今日では、残留性スプレーの代わりに、建築物にいる最も一般的な有害生物である、ゴキブリの防除用の低毒性ゲル系殺虫剤をよりよく使用するということである。他の昆虫を死滅させることを意図された残留性スプレーが一般的に使用されていた時、これらのスプレーが潜在的なトコジラミ侵襲に対する付帯的な殺虫効果をもたらした。今日主に使用されているゲル系殺虫剤は、トコジラミがこれらの誘餌を食物とすることができないので、トコジラミに何ら効果を及ぼさない。
【0006】
そのため、トコジラミを防除又は忌避するための安全及び有効な化学物質、並びにトコジラミの防除又は忌避のためにこのような化学物質を使用する安全及び有効な手段の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、トコジラミの防除及び忌避は、トコジラミを抑制有効量の構造(I)、
【化1】
(式中、
Rは−OH、−OC(O)R
4、−OR
6、−(OR
6)
2から選択され、各R
6は独立に、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基から選択され、R
4は0〜2個の二重結合及び1〜15個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基であり;
XはO又はCH
2であり、但し、XがOである場合、Rは=Oでしかあり得ず;
各Zは独立に、(CH)及び(CH
2)から選択され;
yは1及び2から選択される数字であり;
R
1はH或いは0〜2個の二重結合及び1〜15個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基から選択され;
R
2はH並びに0〜3個の二重結合及び1〜15個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基から選択され;
R
3はH、0〜3個の二重結合及び1〜15個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基、(CH
2)
nOH、−C(O)OR
5、−CH
2C(O)OR
7、−CH
2C(O)R
8、−C(O)NR
9R
10、−CH
2C(O)NR
11R
12から選択され、R
5、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11及びR
12の各々は独立に、H並びに0〜3個の二重結合及び1〜15個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基から選択され且つnは1〜12の整数であり;且つ
環構造中の2位と3位との間の結合は単又は二重結合であり得、且つRが=Oであり、X=CH
2且つyが1である場合に、構造(I)の化合物が化合物中に13〜20個の総炭素原子を含有するのを除いて、構造(I)の化合物は11〜20個の総炭素原子を含有する)
の化合物の少なくとも1種と接触させることにより得られる。本発明はまた、指定構造の光学異性体、ジアステレオマー及びエナンチオマーも含む。したがって、立体化学が明示的に定義されていない全ての立体中心で、全ての可能なエピマーが想起される。
【0008】
トコジラミの安全及び有効な防除又は忌避は、上記の構造Iから選択される少なくとも1種の化合物を含有する製剤の使用により達成され得る。これらの化合物は、その異性体若しくはエナンチオマー形態のいずれかで、又はその異性体若しくはエナンチオマーの混合物として存在し得る。さらに、これらの化合物は、それだけに限らないが、N,N−ジエチル−m−トルアミド(DEET(登録商標))及びパラ−メタン−3,8−ジオール(PMD)を含む確立された殺有害生物剤又は毒物と併せて使用され得る。
【0009】
本発明のさらなる態様は、トコジラミの防除又は忌避のための種々の方法でのこのような製剤の使用に関する。本発明の製剤が使用され得る種々の方法の中には、(1)製剤をマットレスに直接又は他の成分若しくは溶媒と組みわせて注入すること、(2)製剤を吸収材料上に配置し、その吸収材料を匂い袋に入れること、及び製剤を含有する匂い袋を、それだけに限らないが、マットレス、かご、スーツケース、衣類袋、リネン類保管クローゼット又はトコジラミが存在し得る任意の他の封入容器などの場所に入れること、(3)、それだけに限らないが、マットレス、スーツケース、衣類袋、かご、衣類袋、リネン類保管クローゼット又はトコジラミが存在し得る任意の他の封入容器などの場所、或いは清潔な又は汚れた洗濯物の山に配置するための製剤を含有する「ドライヤーシート(dryer sheet)」を調製すること、(4)洗剤又は柔軟剤組成物の洗濯衣類及びスプレーへの使用中にトコジラミを防除するために製剤を洗剤又は柔軟剤組成物に、或いはカーペット及び家具を処理するためにカーペット又は床清掃製品などに入れること、(5)DEET(登録商標)又はPMDなどの共配合物(co−formulant)を含む又は含まない、構造(I)の化合物を含有する製剤を、表面、織物又は荷物に噴霧すること、及び(6)それだけに限らないが、ローション、ワイプ、粉末、スプレー又はシャンプーを含む形態などでのヒト又は動物への使用が意図されている製剤の局所施用がある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
トコジラミの防除及び忌避は、トコジラミを抑制有効量の構造(I)、
【化1】
(式中、
Rは−OH、−OC(O)R
4、−OR
6、−(OR
6)
2から選択され、各R
6は独立に、1〜4個の炭素原子を含有するアルキル基から選択され、R
4は0〜2個の二重結合及び1〜15個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基であり;
XはO又はCH
2であり、但し、XがOである場合、Rは=Oでしかあり得ず;
各Zは独立に、(CH)及び(CH
2)から選択され;
yは1及び2から選択される数字であり;
R
1はH或いは0〜2個の二重結合及び1〜15個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基から選択され;
R
2はH並びに0〜3個の二重結合及び1〜15個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基から選択され;
R
3はH、0〜3個の二重結合及び1〜15個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基、−(CH
2)
nOH、−C(O)OR
5、−CH
2C(O)OR
7、−CH
2C(O)R
8、−C(O)NR
9R
10、−CH
2C(O)NR
11R
12から選択され、R
5、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11及びR
12の各々は独立に、H並びに0〜3個の二重結合及び1〜15個の炭素原子を有する、分岐又は直鎖、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基から選択され且つnは1〜12の整数であり;且つ
環構造中の2位と3位との間の結合は単又は二重結合であり得、且つRが=Oであり、X=CH
2且つyが1である場合に、構造(I)の化合物が化合物中に13〜20個の総炭素原子を含有するのを除いて、構造(I)の化合物は11〜20個の総炭素原子を含有する)
の化合物の少なくとも1種と接触させることにより得られる。本発明はまた、指定構造の光学異性体、ジアステレオマー及びエナンチオマーも含む。したがって、立体化学が明示的に定義されていない全ての立体中心で、全ての可能なエピマーが想起される。
【0011】
防除及び忌避化合物の好ましい群は、
Rが−OHから選択され、XがCH
2であり、yが1又は2であり、各Zが(CH)及び(CH
2)から選択され、環中の2位と3位との間の結合が単結合であり、R
1及びR
2の一方がH又は−CH
3であり、R
1及びR
2の他方が9〜15個の炭素原子及び0〜3個の二重結合を含有する、分岐又は非分岐、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基であり、且つR
3がHである、構造(I)の化合物である。
【0012】
防除及び忌避化合物の別の好ましい群は、
Rが−OHから選択され、XがCH
2であり、yが1又は2、より好ましくは1であり、各Zが(CH)及び(CH
2)から選択され、環中の2位と3位との間の結合が単又は二重結合、より好ましくは単結合であり、R
1及びR
2の一方がHであり、R
1及びR
2の他方が9〜15個の炭素原子及び0〜3個の二重結合を含有する、分岐又は非分岐、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基であり、且つR
3が−C(O)OR
5及び−CH
2C(O)R
8から選択され、R
5及びR
8がそれぞれ、1〜6個の炭素原子、より好ましくは3〜5個の炭素原子を含有する分岐又は非分岐、飽和又は不飽和ヒドロカルビル基から選択され、さらにより好ましくは−CH
3である、構造(I)の化合物である。
【0013】
構造(I)の化合物の代表的な例は、それだけに限らないが、
【化1-1】
【化1-2】
【化1-3】
【化1-4】
【化1-5】
【化1-6】
【化1-7】
【化1-8】
【化1-9】
【化1-10】
【化1-11】
【化1-12】
【化1-13】
【化1-14】
【化1-15】
【化1-16】
【化1-17】
【化1-18】
【化1-19】
【化1-20】
【化1-21】
【化1-22】
【化1-23】
【化1-24】
【化1-25】
を含む。
【0014】
構造(I)の特に好ましい化合物の群は、γ−ドデカラクトン、γ−トリデカラクトン、γ−ペンタデカラクトン、メチルアプリトール、メチルジヒドロジャスモレート、メチルジヒドロジャスモレートジメチルアセタール及び3−メチル−5−ペンチル−2−シクロヘキセノンである。
【0015】
トコジラミを防除又は忌避するための構造(I)の化合物の抑制有効量は、使用される化合物及び化合物が使用される様式に依存し、使用者により容易に決定されるだろう。一般に、抑制有効量は、担体中、約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約2重量%の量となるだろう。
【0016】
本発明は、それだけに限らないが、以下の実施例によって示される。
一方は処理され(各化合物のアセトン溶液1mlが各ディスクに施用された)、一方は処理されていない(アセトン1mlのみ)2枚の紙の半円ディスクが、ペトリ皿の蓋に置かれた。対照アリーナが、2枚の紙の未処理ディスクを用いて同様の様式で用意された。5連の10匹のトコジラミが蓋の中心に放たれ、処理対未処理基板(又は対照アリーナにおける未処理対処理)の選択肢を提示された。処理2時間後でトコジラミの分布が記録された。処理対未処理ディスクでトコジラミの数の統計的に有意な差が存在するかどうかを確かめるために、対応t検定が各処理について行われた。回避としての忌避が以下で表に与えられる。
【表1】
【0017】
本発明がその具体的な実施形態に関して本明細書で記載されているが、本明細書に開示される発明概念の範囲から逸脱することなく、変更、修正及び変形がなされ得ることが認識され、添付の特許請求の範囲の範囲に入る全てのこのような変更、修正及び変形を包含することが意図されている。