特許第6063568号(P6063568)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6063568インク組成物および回路基板およびそれらの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6063568
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】インク組成物および回路基板およびそれらの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C09D 11/03 20140101AFI20170106BHJP
   C09D 11/52 20140101ALI20170106BHJP
【FI】
   C09D11/03
   C09D11/52
【請求項の数】19
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-524620(P2015-524620)
(86)(22)【出願日】2013年7月30日
(65)【公表番号】特表2015-527444(P2015-527444A)
(43)【公表日】2015年9月17日
(86)【国際出願番号】CN2013080399
(87)【国際公開番号】WO2014019495
(87)【国際公開日】20140206
【審査請求日】2015年4月30日
(31)【優先権主張番号】201210268151.6
(32)【優先日】2012年7月30日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】特許業務法人 ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リー、ハイビン
(72)【発明者】
【氏名】ホウ、ウエン
(72)【発明者】
【氏名】リン、ホンイエ
【審査官】 桜田 政美
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭48−053259(JP,A)
【文献】 特開2011−246498(JP,A)
【文献】 特表2008−531810(JP,A)
【文献】 特開2007−002249(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 11/03
C09D 11/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクリル樹脂と、
エポキシ樹脂と、
ポリエステル樹脂と、
硬化剤と、
活性粉末と
を含有するインク組成物であって、
前記活性粉末が、有機キレート剤と金属イオンの錯体を含み;前記有機キレート剤が、シリケート、オキサレート、ボレートおよびこれらの組み合わせからなる群より選択され;および前記金属イオンが、Znイオン、Coイオン、Cuイオン、Mnイオン、Moイオン、Niイオンおよびこれらの組み合わせからなる群より選択されるインク組成物。
【請求項2】
前記アクリル樹脂の100重量部に対して、前記エポキシ樹脂が30重量部から60重量部の量で存在し、前記ポリエステル樹脂が10重量部から30重量部の量で存在し、前記硬化剤が5重量部から15重量部の量で存在し、および前記活性粉末が5重量部から10重量部の量で存在する、請求項1に記載のインク組成物。
【請求項3】
前記アクリル樹脂の100重量部に対して、前記エポキシ樹脂が20重量部から50重量部の量で存在し、および前記ポリエステル樹脂が10重量部から20重量部の量で存在する、請求項に記載のインク組成物。
【請求項4】
前記エポキシ樹脂が、レゾルシノール系エポキシ樹脂、ジフェノール−プロパン系エポキシ樹脂またはトリス(ヒドロキシフェニル)メタン系エポキシ樹脂およびこれらの組み合わせからなる群より選択され;前記アクリル樹脂が、熱硬化性アクリル樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、ポリウレタン変性アクリル樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂およびこれらの組み合わせからなる群より選択され;および前記ポリエステル樹脂が、カルボキシルポリエステル、ヒドロキシルポリエステルおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項1に記載のインク組成物。
【請求項5】
前記活性粉末が、2マイクロメートルから8マイクロメートルの平均粒径を有する、請求項1に記載のインク組成物。
【請求項6】
溶剤をさらに含有し、
前記溶剤が、前記アクリル樹脂の100重量部に対して5重量部から60重量部の量で存在し;および前記溶剤が、ケトン、エステルおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される、
請求項1に記載のインク組成物。
【請求項7】
前記溶剤が、前記溶剤の総重量に基づき、45重量%から80重量%の酢酸ブチル、10重量%から35重量%のシクロヘキサノン、5重量%から40重量%の酢酸イソブチル、および5重量%から35重量%のイソホロンを含有する、請求項6に記載のインク組成物。
【請求項8】
レベリング剤、脱泡剤、分散剤およびこれらの組み合わせからなる群より選択される補助剤をさらに含有する、請求項1に記載のインク組成物。
【請求項9】
前記レベリング剤が、ポリアクリレートレベリング剤、ポリジメチルシロキサンレベリング剤、ポリメチルフェニルシロキサンレベリング剤およびこれらの組み合わせからなる群より選択され;前記レベリング剤が、前記アクリル樹脂の100重量部に対して1重量部から3重量部の量で存在し;
前記脱泡剤が、有機ポリシロキサン脱泡剤、ポリエーテル脱泡剤、高級アルコール脱泡剤およびこれらの組み合わせからなる群より選択され;前記脱泡剤が、前記アクリル樹脂の100重量部に対して0.5重量部から3重量部の量で存在し;
前記分散剤が、脂肪族アミン分散剤、アルキロールアミン分散剤、環式不飽和アミン分散剤、脂肪族酸分散剤、脂肪族アミド分散剤、エステル分散剤、パラフィン分散剤、リン酸エステル分散剤、高分子分散剤、有機ホスフィン分散剤およびこれらの組み合わせからなる群より選択され;および前記分散剤が、前記アクリル樹脂の100重量部に対して2重量部から5重量部の量で存在する、
請求項8に記載のインク組成物。
【請求項10】
前記硬化剤が、前記硬化剤の総重量に基づき、45重量%から65重量%のポリアミド、3重量%から10重量%のプロピレングリコールエーテルアセテート、10重量%から40重量%のシクロヘキサノン、5重量%から15重量%のトルエンまたはキシレン、および3重量%から10重量%のブチルエステルを含有する、請求項1に記載のインク組成物。
【請求項11】
基材と、
前記基材上に請求項1〜10のいずれかに記載のインク組成物を用いて形成されたパターン層と、
前記パターン層上に形成された金属層と
を含有する回路基板。
【請求項12】
前記パターン層が、10μmから20μmの厚さを有する、請求項11に記載の回路基板。
【請求項13】
前記基材が、鋼板、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン板、ポリエチレン板、ポリプロピレン板、ポリスチレン板、ポリカーボネート板およびこれらの組み合わせからなる群より選択され;および前記金属層が、内部銅層および外部耐食性金属層を含有し、前記外部耐食性金属層が、Au、Ni、CrまたはAgを含有し、かつ1μmから3μmの厚さを有する、請求項11に記載の回路基板。
【請求項14】
基材上に請求項1〜10のいずれかに記載のインク組成物を塗布してインク層を形成する工程;
前記インク層にレーザーを照射してパターン層を形成する工程;および
化学めっきにより前記パターン層上に金属層を形成する工程
を含む回路基板の製造方法。
【請求項15】
前記インク層が、10μmから20μmの厚さを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記塗布が、スクリーン印刷またはパッド印刷によって行われ;前記スクリーン印刷が、200から250のメッシュおよび12μmから19μmの感光性フィルム厚を有するスクリーンを使用して行われ;および前記パッド印刷が、8μmから10μmの深さを有する鋼板を使用して行われる、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記レーザーが、200nmから1000nmの波長を有し、および照射が、0.01m/秒から10m/秒の速度で行われる、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記インク層を75℃から85℃の温度で1時間から3時間乾燥させる工程をさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
前記基材の材料が、鋼、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネートおよびこれらの組み合わせからなる群より選択され;および前記金属層が、内部銅層および外部耐食性金属層を含有し、前記外部耐食性金属層が、Au、Ni、CrまたはAgを含有し、かつ1μmから3μmの厚さを有する、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、2012年7月30日に中華人民共和国国家知識産権局に出願された、中国特許出願番号201210268151.6の優先権および恩典を主張するものであり、その全内容を出典明示により引用する。
【0002】
本発明は、インク組成物およびその用途に関し、さらに詳細には、インク組成物および回路基板およびそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
昨今、無公害で環境に優しい電気および電子製品(たとえば、携帯電話またはコンピュータ)の発展に伴い、小型で薄型で微細な携帯用の電気および電子製品を製造する必要があり、したがって、それらの内部構造精密化の要求は益々高くなってきている。
【0004】
現在は、電子製品の内部に導電性回路基板を製造するのではなく、インクを電子製品の外および中殻の内および外面に印刷して回路を製造し、かくして電子製品内部の空間を節減し、電子製品のサイズを低減させる。その一方で、回路と電子製品の外殻の内および外面とが互いに融合して三次元担体になるので、表面実装技術などの厄介な製法の必要がなくなり、より少ない装置を使用し、費用が節約されるため、この技法は、評価が高い高精度電気および電子製品に利用される。
【0005】
しかし、従来のインク組成物は、500℃から1000℃の高温で使用され、したがって電子製品に一般に使用されるポリプロピレン基材またはポリエチレン基材などの他の基材ではなく、もっぱらゴム基材に塗布され得る。大部分の電子製品の材料は、この高温で容易に変形または炭化することがあり、したがって電子製品に悪影響を及ぼし、そのインク組成物の用途を制限し得る。さらに、ピッチが小さい微細回路を製造できない場合がある。さらに、前記インク組成物から形成されたインク層は、緻密性が不安定であり、前記インク組成物から形成された回路基板は、不安定であり、導電率が不良であるので、その実際の用途を限定する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の実施形態は、先行技術に内在する問題の少なくとも1つを少なくともある程度解決しようと努めるものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の第一の態様に従って、インク組成物を提供する。このインク組成物は、アクリル樹脂と、エポキシ樹脂と、ポリエステル樹脂と、硬化剤と、変性金属化合物を含有する活性粉末とを含有し、前記変性金属化合物の金属元素は、Zn、Cr、Co、Cu、Mn、MoおよびNiからなる群より選択される少なくとも1つである。
【0008】
インク組成物がアクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂および硬化剤を含むとき、上記物質間の相互作用により、当該インク組成物は、電子製品において使用される大部分の基材(たとえば、プラスチック板、金属板または金属フィルム)に、電子製品の製造法において一般に用いられる印刷法(たとえば、スクリーン印刷またはパッド印刷)によって常温で安全に付着できるようになり得、および当該インク組成物から形成されたインク層は、剥離することなく、レーザー照射または高酸性化もしくはアルカリ性化めっき溶液への浸漬などの極限条件下で処理され得るので、前記インク層は前記基材に緻密に付着し得、および当該インク組成物から形成された回路基板は良好な性能を有し得ることを、本発明者らは驚くべきことに発見した。
【0009】
本開示の第二の態様に従って、回路基板を提供する。この回路基板は、基材と;本開示の第一の態様によるインク組成物を前記基材上に塗布してインク層を形成する工程および前記インク層をレーザー活性化する工程によって形成されたパターン層と;前記パターン層上に形成された金属層とを含有する。
【0010】
本開示の第三の態様に従って、回路基板の製造方法を提供する。この方法は、本開示の第二の態様によるインク組成物を基材上に塗布してインク層を形成する工程;前記インク層にレーザーを照射してパターン層を形成する工程;および化学めっきにより前記パターン層上に金属層を形成する工程を含む。
【0011】
本開示の実施形態によるインク組成物から形成されたインク層は、耐酸および塩基性であり、硬化が速く、付着性が緻密かつ高度であり、したがって、前記インク組成物から形成された回路基板は、良好な導電安定性を有する。さらに、金属結晶核をレーザー活性化によってインク層から放出させられることがあり、化学めっきを行いやすいことがあり、CuイオンまたはNiイオンなどの金属イオンが化学めっき工程中に吸着しやすいことがあり、および化学めっき後に形成される金属層は、良好な導電率を有する微細回路を製造するために付着性が緻密かつ高度なものであり得る。さらに、前記インク層を様々な基材(たとえば、プラスチック板、金属板または金属フィルム)に塗布してよく、前記インク層には基材に対する厳しい要件がない。本開示の実施形態による回路基板の製造方法は、操作が単純かつ適便であって、工業化された製造に利用される。
【0012】
本開示の実施形態のさらなる態様および利点は、一部は以下の説明の中で与えられ、一部は以下の説明から明らかになり、または本開示の実施形態の実施から知ることになる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の実施形態に詳細に言及することにする。
【0014】
本開示の実施形態に従って、インク組成物を提供する。このインク組成物は、アクリル樹脂と、エポキシ樹脂と、ポリエステル樹脂と、硬化剤と、変性金属化合物を含有する活性粉末とを含有する。前記変性金属化合物の金属元素は、Zn、Cr、Co、Cu、Mn、MoおよびNiからなる群より選択される少なくとも1つである。したがって、前記インク組成物から形成されたインク層は、良好な緻密性および基材への高い付着性を有し、その結果として、前記インク組成物から製造された回路基板は、良好な導電率を有する。
【0015】
好ましくは、前記変性金属化合物は、変性金属酸化物を含有する。いくつかの実施形態において、前記変性金属化合物は、有機キレート剤と金属イオンの錯体を含み;前記有機キレート剤は、シリケート、オキサレート、ボレートおよびこれらの組み合わせからなる群より選択され;および前記金属イオンは、Znイオン、Coイオン、Cuイオン、Mnイオン、Moイオン、Niイオンおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される。前記活性粉末がケイ酸マンガン、シュウ酸ニッケル、シュウ酸銅およびホウ酸亜鉛の1つ以上を含有することは、さらに好ましい。いくつかの実施形態において、前記活性粉末は、約2マイクロメートルから約8マイクロメートルの平均粒径を有し、かくしてインク組成物の塗装速度および金属層の基材への付着性をさらに向上させる。本開示における平均粒径は、静止レーザー試験機を使用して判定され、体積平均粒径である。いくつかの実施形態において、前記活性粉末は、市販されていることがあり、たとえば、中国のJinan Taixing Fine Chemicals,Co.,Ltd.から市販されているホウ酸亜鉛(HT−207)であってもよい。
【0016】
いくつかの実施形態において、前記アクリル樹脂の100重量部に対して、前記エポキシ樹脂は、約30重量部から約60重量部の量で存在し、前記ポリエステル樹脂は、約10重量部から約30重量部の量で存在し、前記硬化剤は、約5重量部から約15重量部の量で存在し、および前記活性粉末は、約5重量部から約10重量部の量で存在する
【0017】
前記アクリル樹脂は、優れたふくらみ、良好な光沢、高い硬度および良好な耐溶剤性を有し、前記エポキシ樹脂は、良好な物理的および化学的特性、金属または非金属材料の表面への高い付着強度ならびに良好な耐薬品性を有し、前記ポリエステル樹脂は、湿潤しやすく、加工性および耐熱性が良好であり、ならびに硬化が速く、そして前記アクリル樹脂、エポキシ樹脂およびポリエステル樹脂は、それらの相互の組み合わせおよび相互作用により印刷工程での取り扱いが容易である。したがって、前記インク組成物から形成されたインク層は、耐酸および塩基性であり、耐高温性であり、硬化が速く、ならびに付着性が高い。1つのさらなる実施形態において、前記アクリル樹脂の100重量部に対して、前記エポキシ樹脂は、約20重量部から約50重量部の量で存在し、および前記ポリエステル樹脂は、約10重量部から約20重量部の量で存在する。1つのなおさらなる実施形態において、前記アクリル樹脂の100重量部に対して、前記エポキシ樹脂は、約35重量部から約50重量部の量で存在し、および前記ポリエステル樹脂は、約15重量部から約20重量部の量で存在する。
【0018】
前記エポキシ樹脂のタイプに特別な制限はなく、様々な一般に使用されているエポキシ樹脂であってよい。好ましくは、前記エポキシ樹脂は、約0.5mol/100gから約0.9mol/100gのエポキシ価を有するエポキシ樹脂であってよい。いくつかの実施形態において、前記エポキシ樹脂は、レゾルシノール系エポキシ樹脂、ジフェノール−プロパン系エポキシ樹脂またはトリス(ヒドロキシフェニル)メタン系エポキシ樹脂およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。たとえば、前記レゾルシノール系エポキシ樹脂は、レゾルシノール−ホルムアルデヒド系エポキシ樹脂であってよい。具体的には、前記エポキシ樹脂は、ビスフェノール−A系エポキシ樹脂、ビスフェノール−F系エポキシ樹脂またはテトラフェノールエタンエポキシ樹脂であってよい。
【0019】
前記アクリル樹脂のタイプに特別な制限はなく、様々な一般に使用されているアクリル樹脂であってよい。いくつかの実施形態において、前記アクリル樹脂は、熱硬化性アクリル樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、ポリウレタン変性アクリル樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。たとえば、前記アクリル樹脂を、トリヒドロキシプロパントリアクリレート樹脂、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート樹脂、ポリウレタンアクリル樹脂およびこれらの組み合わせからなる群より選択してもよい。具体的には、前記アクリル樹脂は、トリヒドロキシプロパントリアクリレート樹脂であってよい。
【0020】
前記ポリエステル樹脂のタイプに特別な制限はなく、様々な一般に使用されているポリエステル樹脂であってよい。いくつかの実施形態において、前記ポリエステル樹脂は、カルボキシルポリエステル、ヒドロキシルポリエステルおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される。具体的には、前記ポリエステル樹脂は、ヒドロキシルポリエステルであってよい。
【0021】
インク組成物の分散均一性を向上させて基材上に均一なインク層を形成するために、好ましくは、前記インク組成物はさらに溶剤を含有する。前記溶剤のタイプに特別な制限はなく、様々な一般に使用されている溶剤であってよい。いくつかの実施形態において、前記溶剤は、ケトン、エステルおよびこれらの組み合わせからなる群より選択され;および前記溶剤は、前記アクリル樹脂の100重量部に対して、約5重量部から約60重量部の量で存在する。1つの実施形態において、前記溶剤は、その溶剤の総重量に基づき、約45重量%から約80重量%の酢酸ブチル、約10重量%から約35重量%のシクロヘキサノン、約5重量%から約40重量%の酢酸イソブチル、および約5重量%から約35重量%のイソホロンを含有する。
【0022】
前記硬化剤のタイプに特別な制限はなく、前記エポキシ樹脂の架橋反応を可能にする様々なアミン硬化剤および/または無水物硬化剤であってよい。いくつかの実施形態において、前記硬化剤は、その硬化剤の総重量に基づき、約45重量%から約65重量%のポリアミド、約3重量%から約10重量%のプロピレングリコールエーテルアセテート、約10重量%から約40重量%のシクロヘキサノン、約5重量%から約15重量%のトルエンまたはキシレン、および約3重量%から約10重量%のブチルエステルを含有する。前記硬化剤の量は、前記エポキシ樹脂のタイプおよびエポキシ価に依存して選択してよい。たとえば、前記硬化剤が、アミン硬化剤であるとき、その硬化剤の(前記エポキシ樹脂の100重量部に対する)理論量を、次の式によって決定してよい:
硬化剤の量=(アミンの当量/エポキシの当量)×100
(式中、アミンの当量=アミン硬化剤の分子量/アミンの活性水素の数)。
【0023】
前記硬化剤が無水物硬化剤であるとき、その硬化剤の(前記エポキシ樹脂の100重量部に対する)理論量を、次の式によって決定してよい:
【数1】
(式中、
Mは、硬化剤の相対分子量(g/mol)であり;
Nは、硬化剤の1分子中の無水物単位の数であり;
Eは、エポキシ価(mol/100g)であり;および
Kは、実験係数である)。
【0024】
促進剤を使用しないとき、Kは、塩素含有無水物については0.6、および他の無水物については0.85である。第三級アミンを促進剤として使用するとき、Kは1.0である。第三級アミンおよびM(BF4)nを促進剤として使用するとき、Kは0.8である。
【0025】
一般に、前記硬化剤の実際の量は、その理論量の約0.9〜1.2倍であってよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、前記インク組成物は、レベリング剤、脱泡剤、分散剤およびこれらの組み合わせからなる群より選択される補助剤をさらに含有する。
【0027】
前記レベリング剤は、乾燥工程中の前記インク組成物の平坦、平滑かつ均一な被膜の形成を助長するために使用される。前記レベリング剤のタイプに特別な制限はなく、上記機能を実現することが可能な、一般に使用されている物質であってよい。いくつかの実施形態において、前記レベリング剤は、ポリアクリレートレベリング剤、ポリジメチルシロキサンレベリング剤、ポリメチルフェニルシロキサンレベリング剤およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。本開示の実施形態によるインク組成物中のレベリング剤は、様々な市販のレベリング剤であってよい。たとえば、前記レベリング剤を、ドイツ国のBYK社から市販されている、レベリング剤BYK−333、レベリング剤BYK−337、レベリング剤BYK−341およびこれらの組み合わせからなる群より選択してもよい。好ましくは、前記レベリング剤は、レベリング剤BYK−333である。前記レベリング剤の量に特別な制限はない。いくつかの実施形態において、前記レベリング剤は、前記アクリル樹脂の100重量部に対して約1重量部から約3重量部の量で存在する。
【0028】
前記脱泡剤は、泡の形成を抑制すること、形成された泡を破壊すること、または形成された泡を系から除去することが可能な、様々な一般に使用されている物質であってよい。いくつかの実施形態において、前記脱泡剤は、有機ポリシロキサン脱泡剤、ポリエーテル脱泡剤、高級アルコール脱泡剤およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。好ましくは、前記脱泡剤は、有機ポリシロキサン脱泡剤である。前記脱泡剤は、様々な市販の脱泡剤であってよい。具体的には、前記脱泡剤を、ドイツ国のBYK社から市販されている、脱泡剤BYK−051、脱泡剤BYK052、脱泡剤BYK−053、脱泡剤YBK−054、脱泡剤BYK−054、脱泡剤BYK−055、脱泡剤BYK−057およびこれらの組み合わせからなる群より選択してもよい。好ましくは、前記脱泡剤は、脱泡剤BYK−053である。前記脱泡剤の量に特別な制限はない。いくつかの実施形態において、前記脱泡剤は、前記アクリル樹脂の100重量部に対して約0.5重量部から約3重量部の量で存在する。
【0029】
前記分散剤は、前記インク組成物中の個々の物質を前記溶剤に溶解する時間を短縮するために、および前記インク組成物の分散安定性を向上させるために使用される。好ましくは、前記分散剤は、有機分散剤である。いくつかの実施形態において、前記分散剤は、脂肪族アミン分散剤、アルキロールアミン分散剤、環式不飽和アミン分散剤、脂肪族酸分散剤、脂肪族アミド分散剤、エステル分散剤、パラフィン分散剤、リン酸エステル分散剤、高分子分散剤、たとえば、アクリレート分散剤またはポリエステル分散剤、有機ホスフィン分散剤およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。前記分散剤は、様々な市販の分散剤であってよい。具体的には、前記分散剤を、ドイツ国のBYK社から市販されている、分散剤BYK−110、分散剤BYK−111、分散剤BYK−106、分散剤BYK−107、分散剤BYK−108およびこれらの組み合わせから選択してもよい。好ましくは、前記分散剤は、分散剤BYK−110である。前記分散剤の量に特別な制限はない。いくつかの実施形態において、前記分散剤は、前記アクリル樹脂の100重量部に対して約2重量部から約5重量部の量で存在する。
【0030】
本開示のインク組成物は、他の補助剤、たとえば、限定ではないが、硬化促進剤または粘度調整剤も含有することがある。
【0031】
本開示の実施形態によるインク組成物の調製方法に特別な制限はないが、但し、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、活性粉末および場合により添加される補助剤を均一に混合し、次いで硬化剤と混合して基材に直接塗装することを条件とする。アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、活性粉末および場合により添加される補助剤の混合順序に特別な制限はない。たとえば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、活性粉末および場合により添加される補助剤を、所定の粒径に達するまで分散剤で分散させ、そしてその後、3ロール粉砕機で粉砕してもよい。具体的には、アクリル樹脂と、エポキシ樹脂と、ポリエステル樹脂と、活性粉末と、約1.0mmから約1.4mmの直径を有する粉砕ビーズとを、所定の比率で容器に添加し、常時撹拌し、水冷方式で約20から約40分間、維持してもよい。その後、多少の溶剤を添加する。たとえば、前記溶剤が、酢酸ブチルとシクロヘキサノンと酢酸イソブチルとイソホロンの混合溶剤である場合、先ず、酢酸ブチル、シクロヘキサノンおよび酢酸イソブチルを所定の比率で均一に混合し、3回に分けて容器に添加し、約20から約40分間、均一に撹拌してもよい。その後、補助剤、たとえば、脱泡剤BYK052、レベリング剤BYK333および分散剤BYK110を所定の比率で混合して混合溶液を得、その混合溶液を常時撹拌されている前記容器にゆっくりと滴下する。容器内のスラリーの個々の重要なインジケータが適格であることを確認した後、約120から約180のメッシュを有する濾布を使用してそのスラリーを濾過してフィルターケーキを得る。そのフィルターケーキを3ロール粉砕機で粉砕する。粉砕工程中、約5μmから約10μmの粒径に達するまでイソホロンをゆっくりと滴下する。
【0032】
本開示の実施形態に従って、回路基板も提供する。この回路基板は、基材と、インク組成物を前記基材上に塗布してインク層を形成する工程および前記インク層をレーザー活性化する工程によって形成されたパターン層と、前記パターン層上に形成された金属層とを含有する。
【0033】
いくつかの実施形態において、前記インク層は、約10μmから約20μmの厚さを有する。さらなる実施形態において、前記インク層は、約15μmから約18μmの厚さを有する。
【0034】
前記基材の材料に特別な制限はなく、様々な材料であってよい。本開示のインク組成物を様々な基材に塗布してよい。たとえば、前記基材は、プラスチック基材、ゴム基材、繊維基材、塗料材料から形成された塗膜、セラミック基材、ガラス基材、木の基材、金属板、たとえば、鋼板、金属フィルムなどであってよい。好ましくは、前記基材は、電子製品の殻を製造するための鋼板である。いくつかの実施形態において、前記基材は、鋼板、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)板、ポリエチレン板、ポリプロピレン板、ポリスチレン板、ポリカーボネート板およびこれらの組み合わせからなる群より選択される。
【0035】
前記金属層に特別な制限はなく、導電性金属層であってもよい。1層以上の金属層を形成してもよい。いくつかの実施形態において、前記金属層は、2層、すなわち、内部銅層と外部耐食性金属層を含有する。前記外部耐食性金属層の材料をAu、Ni、CrおよびAgからなる群より選択してもよい。前記金属層の厚さに特別な制限はない。いくつかの実施形態において、前記内部銅層は、約2μmから約10μmの厚さを有し、および前記外部耐食性金属層は、約1μmから約3μmの厚さを有する。
【0036】
本開示の実施形態に従って、上記の回路基板の製造方法も提供する。この方法は、以下の工程を含む。
【0037】
第一の工程、上記のインク組成物を基材上に塗布してインク層を形成する。
【0038】
前記基材は、プラスチック基材、ゴム基材、繊維基材、塗料材料から形成された塗膜、セラミック基材、ガラス基材、木の基材、金属板、たとえば、鋼板、金属フィルムなどであってよい。いくつかの実施形態において、前記基材の材料は、鋼、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネートおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される。本開示のインク組成物は、前記基材への高い付着性を有する可能性がある。前記基材を、必要な洗浄などに付してもよい。
【0039】
様々な一般に用いられている方法、たとえば、スクリーン印刷、スプレー塗装、レーザー印刷、インクジェット印刷、パッド印刷、グラビア印刷、凸版印刷および平版印刷からなる群から選択された方法を、本開示の実施形態によるインク組成物を前記基材上に塗布するために用いてよい。スクリーン印刷、スプレー塗装、レーザー印刷、インクジェット印刷、パッド印刷、グラビア印刷、凸版印刷および平版印刷の特定の操作工程および条件は当該技術分野において周知であるので、分かりやすくするために、ここではそれらの詳細な説明を省くことにする。いくつかの実施形態では、前記塗布をスクリーン印刷またはパッド印刷によって行う。一部の実施形態では、前記スクリーン印刷を、約200から約250のメッシュおよび約12μmから約19μmの感光性フィルム厚を有するスクリーンを使用して行い、かくして回路基板の精度をさらに最適化する。いくつかの実施形態では、前記パッド印刷を、約8μmから約10μmの深さを有する鋼板を使用して行い、かくして回路基板の精度をさらに最適化する。基材の表面全体をインク組成物で塗装してもよい、すなわち、インク層が基板の表面全体を覆う。あるいは、回路を先ず設計してもよく、そしてその後、その設計された回路に従ってインク組成物を直接印刷してもよい。
【0040】
いくつかの実施形態において、前記インク層は、約10μmから約20μmの厚さを有する。
【0041】
インク組成物を基材上に塗布した後、前記回路基板製造方法は、インク組成物中の揮発成分を除去してインク層を形成するために、インク組成物で塗装された基材を乾燥させる工程をさらに含む。前記乾燥工程の条件に特別な制限はなく、インク組成物のタイプ、特に溶剤のタイプに依存して選択してよい。いくつかの実施形態では、前記インク層を約75℃から約80℃の温度で約1時間から約3時間乾燥させる。その乾燥を常圧下で行ってもよいし、または減圧下で行ってもよい。
【0042】
第二の工程、前記インク層をレーザーで照射してパターン層を形成する。
【0043】
前記レーザーのタイプに特別な制限はない。たとえば、約100kHzから約200kHzの周波数および約200Wより低い出力を有するレーザーを使用してよい。いくつかの実施形態において、前記レーザーは、約200nmから約1000nmの波長を有し、照射を約0.01m/秒から約10m/秒の速度で行う。回路パターンを実際の要件に従ってコンピュータにより設計してもよく、そしてその後、回路を製造する必要があるインク層の部分に対してレーザー活性化(たとえば、レーザー照射)を行う。したがって、金属結晶核をレーザー活性化によりパターン層から放出させられることがあり、化学めっきを行いやすいことがあり、およびCuイオンまたはNiイオンなどの金属イオンが化学めっき工程中に吸着しやすいことがある。
【0044】
第三の工程、金属層を化学めっきによって前記パターン層上に形成する。
【0045】
好ましくは、1層以上の金属層を化学めっきによって前記パターン層上に形成してよい。このようにして、導電性回路を形成する。化学めっき法の条件に特別な制限はなく、一般に用いられている化学めっき法であってよい。
【0046】
個別の使用要件に従って、1工程以上の化学めっき工程を前記パターン層に対して行い、かくして前記パターン層上に1層以上の金属層を形成してもよい。複数の化学めっき工程を前記パターン層に対して行って複数の金属層を形成するとき、個々の金属層の材料および厚さを個別の使用要件に従って選択してよい。たとえば、個々の金属層中の金属は、同一であってもよいし、または異なってもよい。いくつかの実施形態において、前記金属層は、内部銅層および外部耐食性金属層を含有し、前記外部耐食性金属層は、Au、Ni、CrまたはAgを含有し、かつ約1μmから約3μmの厚さを有する。
【実施例】
【0047】
実施例を参照して本開示を下で詳細に説明することにする。
【0048】
以下の実施例では、インク層、銅層および耐食性金属層の厚さを判定するために走査型電子顕微鏡法(SEM)を用いる。
【0049】
〔実施例1〕
(1)インク組成物の調製
40gのアクリル樹脂(中国のGuangzhou Matsuo−Horsense Trading Co.,Ltd.から市販されているLR−7627)、17gのエポキシ樹脂(中国のGuangzhou Junze Trade Co.,Ltd.から市販されているEPIKOTE 1009)、5gのポリエステル樹脂(中国のShenzhen Puruisen Industry Co.,Ltd.から市販されているDESMOPHEN A670 BA−BAYER)、13gのケイ酸マンガン、および1.0mmの直径を有する粉砕ビーズを、ある比率で容器に添加し、常時撹拌し、水冷方式で30分間維持した。5gの酢酸ブチル、5gのシクロヘキサノンおよび7gの酢酸イソブチルを比例して均一に混合し、3回に分けて前記容器に添加し、20分間、均一に撹拌した。その後、0.6gの脱泡剤BYK052、0.8gのレベリング剤BYK333および0.7gの分散剤BYK110を比例して混合して混合溶液を得、その混合溶液を常時撹拌されている前記容器に1時間にわたってゆっくりと滴下した。その容器内のスラリーの個々の重要なインジケータが適格であることを確認した後、120から180のメッシュを有する濾布を使用してそのスラリーを濾過してフィルターケーキを得た。そのフィルターケーキを、中国のShandong longxing chemical machinery group Co.,Ltd.から市販されているセラミック3ロール粉砕機で粉砕した。この粉砕工程中、10μmから20μmの粒径を有する固体が得られるまで、4gのイソホロンをゆっくりと滴下した。インク組成物を使用する必要があるときに、最終的に、上記固体を10gの硬化剤(BYD Co.,Ltd.から入手可能な硬化剤585)と混合してインク組成物を得た。
【0050】
(2)インク組成物の印刷
硬化剤を含有する上記インク組成物を、300のメッシュおよび15μmの感光性フィルム厚を有するスクリーンを使用するスクリーン印刷により、ABS基材上に、迅速かつ均一に印刷した。インク組成物が塗装されたそのABS基材を75℃の温度のオーブンに入れ、完全に乾燥させるためにこの温度で2時間乾燥させて、15μmの厚さを有するインク層を形成した。
【0051】
(3)レーザー活性化
回路のパターンを実際の要件に従ってコンピュータで設計し、200kHzの周波数、200Wの出力および100nmの波長を有するレーザーを使用して5m/秒の速度でインク層を照射して、パターン層(すなわち、回路パターン)を形成した。
【0052】
(4)化学めっき
パターン層が形成された基材を第一の化学めっき用の銅めっき溶液に入れた。この銅めっき溶液は、0.12mol/LのCuSO4・5H2O、0.14mol/LのNa2EDTA・2H2O、10mg/Lのフェロシアン化カリウム、10mg/Lの2,2’−ビピリジンおよび0.10mol/Lのグリオキシル酸を含有した。そのpHをNaOHおよびH2SO4で12.5から13に調整した。この第一の化学めっきを50℃の温度の前記銅めっき溶液中で行って、10μmの厚さを有する銅層を形成した。その後、パターン層が形成された基材およびその銅層を第二の化学めっき用のニッケルメッキ溶液に入れた。このニッケルめっき溶液は、20g/LのNa2SO4・6H2O、30g/LのNa2H2PO2・H2O、10g/Lの酢酸ナトリウム、15mL/Lの乳酸(88%)、5mL/Lのプロピオン酸、10g/Lのクエン酸、5g/Lのコハク酸、10g/Lのリンゴ酸、15mL/Lから25mL/Lのヨウ素酸カリウム、および硫酸(10%)を含有した。この第二の化学めっきを前記ニッケルめっき溶液中で行って、3μmの厚さを有するニッケル層を形成した。かくして、回路基板試料S1を製造した。
【0053】
〔実施例2〕
回路基板試料S2は、80gのアクリル樹脂(中国のGuangzhou Matsuo−Horsense Trading Co.,Ltd.から市販されているLR−7627)、15gのエポキシ樹脂(中国のGuangzhou Junze Trade Co.,Ltd.から市販されているEPIKOTE 1009)、10gのポリエステル樹脂(中国のShenzhen Puruisen Industry Co.,Ltd.から市販されているDESMOPHEN A670 BA−BAYER)および10gのホウ酸亜鉛を使用してインク組成物を調製したことを除き、実施例1における方法と実質的に同じ方法によって製造した。
【0054】
〔実施例3〕
回路基板試料S3は、70gのアクリル樹脂(中国のGuangzhou Matsuo−Horsense Trading Co.,Ltd.から市販されているLR−7627)、25gのエポキシ樹脂(中国のGuangzhou Junze Trade Co.,Ltd.から市販されているEPIKOTE 1009)、15gのポリエステル樹脂(中国のShenzhen Puruisen Industry Co.,Ltd.から市販されているDESMOPHEN A670 BA−BAYER)および8gのシュウ酸ニッケルを使用してインク組成物を調製したことを除き、実施例1における方法と実質的に同じ方法によって製造した。
【0055】
〔実施例4〕
回路基板試料S4は、65gのアクリル樹脂(中国のGuangzhou Matsuo−Horsense Trading Co.,Ltd.から市販されているLR−7627)、30gのエポキシ樹脂(中国のGuangzhou Junze Trade Co.,Ltd.から市販されているEPIKOTE 1009)、20gのポリエステル樹脂(中国のShenzhen Puruisen Industry Co.,Ltd.から市販されているDESMOPHEN A670 BA−BAYER)および9gのシュウ酸銅を使用してインク組成物を調製したことを除き、実施例1における方法と実質的に同じ方法によって製造した。
【0056】
〔実施例5〕
回路基板試料S5は、68gのアクリル樹脂(中国のGuangzhou Matsuo−Horsense Trading Co.,Ltd.から市販されているLR−7627)、30gのエポキシ樹脂(中国のGuangzhou Junze Trade Co.,Ltd.から市販されているEPIKOTE 1009)、12gのポリエステル樹脂(中国のShenzhen Puruisen Industry Co.,Ltd.から市販されているDESMOPHEN A670 BA−BAYER)および7gのケイ酸マグネシウムを使用してインク組成物を調製したことを除き、実施例1における方法と実質的に同じ方法によって製造した。
【0057】
〔実施例6〕
回路基板試料S6は、基材がポリエチレン基材であったことを除き、実施例1における方法と実質的に同じ方法によって製造した。
【0058】
〔比較例1〕
(1)インク組成物の調製
100gのCuFeO3.9、40gのポリアクリレート樹脂(中国のShanghai King Chemical Co.,Ltd.から市販されているポリアクリレート樹脂溶液B−850)、5gの酢酸ブチル、5gのシクロヘキサノン、7gの酢酸イソブチル、4gのイソホロン、0.7gの分散剤BYK110、0.6gの脱泡剤BYK052および0.8gのレベリング剤BYK333を均一に混合してインク組成物を得た。
【0059】
(2)インク組成物の印刷
上で調製したインク組成物を17gのエポキシ樹脂および10gの硬化剤と混合して混合物を得た。エポキシ樹脂は、0.58mol/100gのエポキシ価を有するビスフェノール−A系エポキシ樹脂であった。硬化剤は、無水フタル酸であった。その混合物をレーザー印刷によってポリエチレン基材上に塗布し、100℃の温度で2時間乾燥させ、その後、120℃の温度で1.5時間硬化させて、ポリエチレン基材上に15マイクロメートルの厚さを有するインク層を形成した。
【0060】
(3)化学めっき
インク層が形成された基材を、実施例1における方法と同じ方法による化学めっきに付して、回路基板試料DS1を製造した。
【0061】
(性能試験)
[付着性]
各試料における基材上に形成された金属層の付着性をクロスカット法によって判定した。具体的には、クロスカットナイフを使用して各試料の表面をカットして100個の1mm×1mm格子を形成した。隣接する格子間に、金属層の最下部に達するような切れ目を作った。ブラシを使用して試験領域内の破片を一掃し、その後、粘着テープ(3M600 ガムペーパー)を被験格子に粘着させた。その粘着テープの片方の端を手でつかみ、そのガムペーパーを垂直方向に素早く引き剥がした。2回の同一の試験を同じ位置で行った。付着性の等級を以下の基準に従って判定した:
・等級0:カットの縁が完全に滑らかであり、どの格子も剥がれていない;
・等級1:カットの交差点において塗膜が一部剥離するが、影響を受ける格子領域は5%を上回らない;
・等級2:塗膜の5%より多くが切り口またはカットの交差点において剥がれているが、影響を受ける格子領域は15%を上回らない。
・等級3:塗膜がカットの縁で破片の形で部分的にまたは完全に剥がれており、その格子領域の15%から35%が影響を受ける。
【0062】
試験結果を表1に示す
【0063】
【表1】
【0064】
本開示の実施形態によるインク組成物から形成されたインク層は、付着性が緻密かつ高度であり、それ故、本インク組成物から形成された回路基板は、良好な導電安定性を有する。さらに、前記インク層を様々な基材に塗布してよく、たとえば、前記インク層は、ABS基材、ポリエチレン基材などに付着し得る。本開示の実施形態による回路基板の製造方法を用いて、良好な導電率を有する微細回路が製造され得、この方法は、操作が単純かつ適便であって、工業化された製造に利用される。
【0065】
本明細書全体を通して「実施形態」、「いくつかの実施形態」、「1つの実施形態」、「別の実施形態」、「実施例」、「具体的な実施例」または「いくつかの実施例」への言及は、その実施形態または実施例に関連して説明する特定の特徴、構造、材料または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態または実施例に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通して様々な場所での「いくつかの実施形態において」、「1つの実施形態において」、「実施形態において」、「別の実施例において」、「実施例において」、「具体的な実施例において」または「いくつかの実施例において」などの句の出現は、必ずしも本開示の同じ実施形態または実施例を指しているとは限らない。さらに、前記特定の特徴、構造、材料または特性を1つ以上の実施形態または実施例において任意の適する方法で組み合わせてもよい。
【0066】
説明に役立つ実施形態を示し、説明したが、上記実施形態が本開示を限定するとみなされるはずがないこと、ならびに本開示の精神、原理および範囲から逸脱することなくそれらの実施形態に変更、代案および修飾を加えることができることは、当業者には理解されるであろう。