【実施例】
【0050】
序
幾つかの細菌MTANの遷移状態特徴は攻撃性水求核基及び中性アデニン離脱基の最小の関与でリボカチオン性を有していることは公知である
8−10。現在の研究で、HpMTANの遷移状態は他のMTANに対するその相同に基づいて類似であると仮定された(
図1B)
4。遷移状態アナログが触媒作用に関与する動的タンパク質運動をより安定な熱力学的状態に変換することにより
13その同族体酵素
11,12に強く結合することは公知である。
【0051】
材料及び方法
材料 ピロリ菌(J99及び43504)、肺炎桿菌(
K.pneumoniae)、赤痢菌(
S.flexneri)、サルモネラ菌(
S.enterica)、黄色ブドウ球菌(
S.aureus)及び緑膿菌(
P.aeruginosa)はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクションから購入した。脱線維ウマ血液(DHB)はHemostat Laboratories(カリフォルニア州ディクソン)から購入した。トリプシン大豆寒天(TSA)はBecton Dickinson and Company(メリーランド州スパークス)から購入した。マッコンキー寒天はOxoid LTD.(Basingstoke,英国ハンプシャー)から購入した。キサンチンオキシダーゼ及び5’−メチルチオアデノシンはSigma−Aldrich(ミズーリ州セントルイス)から購入した。残りの材料は入手可能な最高濃度で購入した。
【0052】
BuT−DADMe−ImmA(30)((3R,4S)−4−(1−ブチルチオメチル)−1−[(9−デアザ−アデニン−9−イル)−メチル]−3−ヒドロキシピロリジン)の合成は既に記載されており、最終ステップは(3R,4S)−4−ブチルチオメチル−3−ヒドロキシピロリジン塩酸塩、9−デアザアデニン及びホルムアルデヒド間の3成分マンニッヒ反応により化合物を与えることからなる
21。BuT−DADMe−ImmAの構造及び純度(>95%)はNMR、HPLC及び微量分析により確認した。6−アミノ−6−デオキシフタロシンの合成は既に報告
22されているように実施した。
【0053】
HpMTAN精製 HpMTANの精製手順は既に報告
10されている。簡単に説明すると、N末端His6−タグを有するHpMTANをコードするプラスミドを有しているBL21(DE3)細胞を595nmで測定して0.7の光学密度まで増殖させ、IPTGを0.5mMの最終濃度まで導入した。22℃で更に15時間後、細胞を遠心により採取した。ペレットを懸濁させた後、圧力セル及び音波処理により破壊した。可溶性部分をNi−NTAカラムにかけ、HpMTANを200から500mMのイミダゾール濃度勾配で溶離させた。タンパク質をスーパーデックスG15ゲル濾過カラムを用いて脱塩した後、平衡化し、10mM Hepes,30mM KCl,pH7.6中で濃縮した。純度をSDS−PAGEにより確認した。
【0054】
Ki測定 HpMTANのキネティックを5’−メチルチオアデノシンからの遊離アデニンの形成の結果として連続的に274nmでの吸光度の低下を伴う直接アッセイを用いて測定した。BuT−DADMe−ImmA(30)のK
i及びK
i*値は、キサンチンオキシダーゼをカップリング酵素として使用し、生成物アデニンが2,8−ジヒドロキシアデニンに変換されるので吸光度の増加を292nmで追跡する共役アッセイを用いて測定した
8。
【0055】
細菌増殖 ピロリ菌を5% ウマ血液を含むトリプシン大豆寒天において微好気性条件(5% O
2,10% CO
2及び85% N
2)下37℃で72時間増殖させた。MIC値を測定するために、注ぐ直前に試験物質をゲル溶液に添加した。阻害ゾーンを比較するために、ピロリ菌を蔓延させた後特定抗生物質をディスクの中心に添加し、次いでピロリ菌を微好気性条件下37℃で72時間増殖させた。
【0056】
所望濃度の試験物質BuT−DADMe−ImmA(30)で、肺炎桿菌(
K.pneumoniae)、赤痢菌(
S.flexneri)及びサルモネラ菌(
S.enterica)をマッコンキー寒天において37℃で24時間増殖させ、黄色ブドウ球菌(
S.aureus)及び緑膿菌(
P.aeruginosa)はLB寒天において37℃で24時間増殖させた。
【0057】
タンパク質結晶化及びデータ収集 結晶化前に、BuT−DADMe−ImmA(30)を1mMの濃度に達するまで15mg/ml HpMTAN溶液に添加した。HpMTAN結晶を0.1M トリス(pH8.5),1.2M クエン酸トリナトリウム溶液からシッティングドロップ蒸気拡散方法を用いて室温で3〜5日で成長させた。HpMTAN及びBuT−DADMe−ImmA複合体の結晶を10〜15% グリセロールを含有している結晶化溶液の新鮮な液滴に移し、液体窒素を用いて急速冷凍した。X線回折データをBrookhaven National LaboratoryにおいてBeamline X29Aで収集した。データセットをHKL3000プログラム集23を用いて処理し、プロセッシング統計量を表1に示す。
【0058】
構造決定及び精密化 BuT−DADMe−ImmA(30)を含むHpMTANの結晶構造を、研究モデルとして髄膜炎菌(
N.meningitidis)MTAN(PDBコード3EEI)の構造を用い、CCP4プログラム集
25,26のMOLREP
24を用いて分子置換により調べた。まずモデルをCOOT
27において再構築し、REFMAC5
28において精密化した。最後にF
o−F
cマップを用いてBuT−DADMe−ImmAを3σで加えた。構造の質をPROCHECK
29及びMOLPROBITY
30,31によりチェックした。精密化及び幾何統計量を表1に示す。座標及び構造因子ファイルをそれぞれエントリー4FFS及びRCSB072846としてタンパク質データーバンクに委託した。
【0059】
DADMe−イムシリンの合成 一般的に、一般構造
6の所望のDADMe−イムシリンを容易に入手し得るアルコール
1及び
2を用いて合成した[Clinchら,37](スキーム1)。標準条件下でメタンスルホニルクロリドを用いてスルホニル化すると、メシレート
3または
4が生じた。この後、2当量の適当なメルカプタンをDMF中でNaHで処理し、こうして形成された硫黄求核基を
3または
4と優先的に反応させると、所望のカルバメートが生じた。これを酸脱保護し、次いで溶離液にアンモニアを添加してシリカでクロトグラフィー精製した後、一般構造
5の所望のアミンを良好な収率で得た。その後、遊離塩基
5は9−デアザアデニン(9−DAA)及びホルムアルデヒドと共に3成分マンニッヒ反応の1部分を形成し、クロマトグラフィー後所望のDADMe−イムシリン
6を適度〜良好な収率で得た。
【0060】
【化18】
一般構造
9の1炭素ホモログ化DADMe−イムシリンをカルバメート
2を用いて形成し、これを4ステップでメシレート
7に変換した(スキーム2)。これらのステップはデス・マーチン・ペルヨージナン(DMP)酸化、次いでウィッティヒ反応、こうして形成されたアルケンのヒドロホウ素化、最後に標準条件下でのメシル化を含み、メシレート
7が生ずる。その後、メシレート基は硫黄または酸素求核基により置換され得た。よって、2当量の適当なメルカプタンまたはアルコールをDMF中でNaHで処理し、こうして形成されたアニオンをメシレート
7と反応させると、所望のカルバメートが生ずる。これをHClを用いる処理、またはTFA及びTBAFを用いた後、溶離液にアンモニアを添加してシリカでのクロトグラフィー精製する2ステップフロセスにより脱保護した後、一般構造
8の所望のアミンを良好な収率で得た。生じたアミン
8は9−デアザアデニン(9−DAA)及びホルムアルデヒドと共に3成分マンニッヒ反応の1部分を形成し、クロマトグラフィー後一般構造
9の所望の鎖延長したDADMe−イムシリンを適度〜良好な収率で得た。
【0061】
【化19】
全ての反応をアルゴン雰囲気下で実施した。有機溶液を無水MgSO
4で乾燥し、溶媒を減圧下で蒸発させた。無水及びクロマトグラフィー溶媒は商業的に入手し、更に精製することなく使用した。薄層クロマトグラフィー(TLC)は60 F254 シリカゲルをコーティングしたアルミニウムシートを用いて実施した。有機化合物はUV光下及び/またはエールリッヒ溶液、または水性H
2SO
4(2M)中のモリブデン酸アンモニウム(5質量%)及び硫酸セリウム(IV)・4H
2O(0.2質量%)のディップを用いて可視化した。フラッシュクロマトグラフィーはシリカゲル(40〜63μm)を用いて実施した。
1H及び
13C NMRスペクトルはCDCl
3、CD
3OD、D
2OまたはCD
6SO中で測定した。
1H及び
13C共鳴の帰属は2D(
1H−
1H DQF−COSY,
1H−
13C HSQC)及びDEPT実験に基づいた。使用した略語:s,一重線;d,二重線;t,三重線;q,四重線;bs,幅広一重線;bt,幅広三重線;dd,二重線の二重線;ddd,二重線の二重線の二重線;dt,三重線の二重線。高解像度エレクトロスプレー質量スペクトル(ESI−HRMS)はQ−TOFタンデム質量分光計を用いて記録した。
【0062】
(4S)−4−(((2−ヒドロキシエチル)チオ)メチル)ピロリジン−3−オール(
5,R=CH
2CH
2OH)
アルコール
1(500mg,1.508mmol)及びヒューニッヒ塩基(0.788mL,4.52mmol)をジクロロメタン(10mL)中に含む溶液にメタンスルホニルクロリド(0.175mL,2.262mmol)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。完了後、反応物をクロロホルムで希釈し、水及び飽和NaHCO
3で洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、真空中で濃縮した。粗なメシレート
2(620mg,100%)を更に精製も特性評価もすることなく次ステップにかけた。2−メルカプトエタノール(212μL,3.02mmol,2eq)をジメチルホルムアミド(5mL)中に含む溶液に水素化ナトリウム(121mg,3.02mmol,油中60wt%,2eq)を添加し、生じた懸濁液を10分間撹拌した。この後、粗なメシレート
2(620mg,1.5mmol)をジメチルホルムアミド(5mL)中に含む溶液を添加し、生じた混合物を室温で30分間撹拌した。混合物をトルエンで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲル(溶離液:石油エーテル中30%→50% 酢酸エチル)を用いて精製すると、所望のカルバメート(425mg,2ステップに対して72%)が油状物として生じた。これを特性評価することなく次ステップにかけた。カルバメート(425mg,0.92mmol)をメタノール(4mL)中に含む溶液にcHCl(2mL)を添加し、混合物を真空中で濃縮した。生じた残渣を追加のcHCl(2mL)中に溶解し、真空中で濃縮し、残渣を水とクロロホルムに分配した。水性層を更にクロロホルムで洗浄した後、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離液:CHCl
3中20→25%[MeOH中7N NH
3])により精製し、有機塩基に変換して、標記化合物
5(R=CH
2CH
2OH)(199mg,73%)をシロップとして得た。
1H NMR(500MHz,MeOD):δ=4.09(dt,J=5.5,3.5Hz,1H),3.69(t,J=6.8Hz,2H),3.23(dd,J=11.6,7.6Hz,1H),3.01(dd,J=12.0,5.5Hz,1H),2.76(dd,J=12.0,3.5Hz,1H),2.73−2.61(m,4H),2.50(dd,J=12.8,8.6Hz,1H)及び2.19−2.12ppm(m,1H)。
13C NMR(500MHz,MeOD):δ=77.7,62.5,54.8,51.5,49.3,35.6及び35.4ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
7H
16NO
2S) 178.0902,実測値 178.0900。
【0063】
(4S)−4−(((3−ヒドロキシプロピル)チオ)メチル)ピロリジン−3−オール(
5,R=CH
2CH
2CH
2OH)
3−メルカプト−1−プロパノール(460μL,3.02mmol,3eq)をジメチルホルムアミド(5mL)中に含む溶液に水素化ナトリウム(137mg,3.42mmol,油中60wt%,2eq)を添加し、生じた懸濁液を10分間撹拌した。この後、粗なメシレート
2(700mg,1.7mmol)をジメチルホルムアミド(5mL)中に含む溶液を添加し、生じた混合物を室温で30分間撹拌した。混合物をトルエンで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲル(溶離液:石油エーテル中40% 酢酸エチル)を用いて精製すると、所望のカルバメート(361mg,2ステップに対して52%)が無色シロップとして生じた。これを特性評価することなく次ステップにかけた。カルバメート(361mg,0.89mmol)をメタノール(4mL)中に含む溶液にcHCl(2mL)を添加し、混合物を真空中で濃縮した。生じた残渣を追加のcHCl(2mL)中に溶解し、真空中で濃縮し、残渣を水とクロロホルムに分配した。水性層を更にクロロホルムで洗浄した後、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離液:CHCl
3中20%[MeOH中7N NH
3])により精製し、遊離塩基に変換して、標記化合物
5(R=CH
2CH
2CH
2OH)(135mg,79%)を無色シロップとして得た。
1H NMR(500MHz,MeOD):δ=4.05(dt,J=5.5,3.5Hz,1H),3.64(t,J=6.3Hz,2H),3.22(dd,J=11.5,7.5Hz,1H),3.00(dd,J=12.1,5.6Hz,1H),2.75(dd,J=12.0,3.5Hz,1H),2.67(dd,J=12.8,6.6Hz,1H),2.64−2.60(m,3H),2.46(dd,J=12.8,8.7Hz,1H),2.19−2.12及び1.82−1.76ppm(m,2H)。
13C NMR(500MHz,MeOD):δ=77.8,61.5,54.9,51.5,49.2,35.2,33.6及び29.6ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
8H
18NO
2S) 192.1058,実測値 192.1061。
【0064】
(4S)−4−(((4−ヒドロキシブチル)チオ)メチル)ピロリジン−3−オール[
5,R=−(CH
2)
4OH]
4−メルカプト−1−ブタノール(556μL,3.02mmol,3eq)をジメチルホルムアミド(5mL)中に含む溶液に水素化ナトリウム(137mg,3.42mmol,油中60wt%,2eq)を添加し、生じた懸濁液を10分間撹拌した。この後、粗なメシレート
2(700mg,1.7mmol)をジメチルホルムアミド(5mL)中に含む溶液を添加し、生じた混合物を室温で30分間撹拌した。混合物をトルエンで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲル(溶離液:石油エーテル中40% 酢酸エチル)を用いて精製すると、所望のカルバメート(458mg,2つのステップに対して64%)が無色シロップとして生じた。これを特性評価することなく次ステップにかけた。カルバメート(458mg,0.89mmol)をメタノール(4mL)中に含む溶液にcHCl(2mL)を添加し、混合物を真空中で濃縮した。生じた残渣を追加のcHCl(2mL)中に溶解し、真空中で濃縮し、残渣を水とクロロホルムに分配した。水性層を更にクロロホルムで洗浄した後、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離液:CHCl
3中20%[MeOH中7N NH
3])により精製し、遊離塩基に変換して、標記化合物
5[R=−(CH
2)
4OH](185mg,82%)を無色シロップとして得た。
1H NMR(500MHz,MeOD):δ=4.04(dt,J=5.5,3.5Hz,1H),3.56(t,J=6.2Hz,2H),3.22(dd,J=11.5,7.5Hz,1H),3.00(dd,J=12.0,5.5Hz,1H),2.75(dd,J=12.0,3.4Hz,1H),2.67(dd,J=12.8,6.6Hz,1H),2.63(dd,J=11.7,6.0Hz,1H),2.57(t,J=7.0Hz,2H),2.45(dd,J=12.8,8.7Hz,1H),2.18−2.12(m,1H),1.69−1.59(m,4H)及びppm。
13C NMR(500MHz,MeOD):δ=77.8,62.5,54.9,51.5,49.2,35.1,33.0,32.8及び27.2ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
9H
20NO
2S) 206.1215,実測値 206.1214。
【0065】
(4S)−4−(((2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)チオ)メチル)ピロリジン−3−オール(
5,R=CH
2CH
2OCH
2CH
2OH)
2−(2−メルカプトエトキシ)エタノール(369mg,3.02mmol,2eq)をジメチルホルムアミド(5mL)中に含む溶液に水素化ナトリウム(121mg,3.02mmol,油中60wt%)を添加し、生じた懸濁液を10分間撹拌した。この後、粗なメシレート
2(620mg,1.5mmol)をジメチルホルムアミド(5mL)中に含む溶液を添加し、生じた混合物を室温で30分間撹拌した。混合物をトルエンで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥し、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲル(溶離液:石油エーテル中30%→50% 酢酸エチル)を用いて精製すると、所望のカルバメート(360mg,2ステップに対して61%)が油状物として生じた。これを特性評価することなく次ステップにかけた。カルバメート(360mg,0.92mmol)をメタノール(4mL)中に含む溶液にcHCl(2mL)を添加し、混合物を真空中で濃縮した。生じた残渣を追加のcHCl(2mL)中に溶解し、真空中で濃縮し、残渣を水とクロロホルムに分配した。水性層を更にクロロホルムで洗浄した後、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(溶離液:CHCl
3中20→25%[MeOH中7N NH
3])により精製し、遊離塩基に変換して、標記化合物
5(R=CH
2CH
2OCH
2CH
2OH)(151mg,74%)をシロップとして得た。
1H NMR(500MHz,MeOD):δ=4.04(dt,J=5.5,3.5Hz,1H),3.68−3.64(m,3H),3.56−3.53(m,2H),3.22(dd,J=11.5,7.5Hz,1H),3.01(dd,J=12.0,5.5Hz,1H),2.78−2.71(m,3H),2.64(dd,J=11.5,5.8Hz,1H),2.52(dd,J=12.8,8.7Hz,1H)及び2.21−2.13ppm(m,1H)。
13C NMR(500MHz,MeOD):δ=77.7,73.4,72.1,62.3,54.8,51.5,49.2,35.6及び32.6ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
9H
20NO
3S) 222.1164,実測値 222.1160。
【0066】
(4S)−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−4−(((2−ヒドロキシエチル)チオ)メチル)ピロリジン−3−オール(
10)
アミン
5(R=CH
2CH
2OH)(90mg,0.5mmol)を水/EtOH(4:1,2.5mL)中に溶解し、9−デアザアデニン(62mg,0.46mmol)及び水性ホルムアルデヒド(33μL,0.46mmol)で処理し、混合物を室温で72時間撹拌した。粗な反応物をシリカに吸着させ、シリカゲル(溶離液:CHCl
3中20%[MeOH中7N NH
3]→5:4.5:0.5 CHCl
3:MeOH:NH
4OH)を用いて精製すると、白色固体が生じた。これを2−プロパノール中に溶解して、標記化合物
10(63mg,39%)を結晶性白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,MeOD):δ=8.16(s,1H),7.49(s,1H),3.96(dt,J=6.4,4.3Hz,1H),3.84(d,J=13.5Hz,1H),3.80(d,J=13.5Hz,1H),3.66(t,J=6.8Hz,1H),3.04(dd,J=9.7,7.9Hz,1H),2.85(dd,J=10.3,6.5Hz,1H),2.76(dd,J=12.6,6.4Hz,1H),2.66−2.62(m,3H),2.54(dd,J=12.7,8.9Hz,1H),2.38(dd,J=9.9,7.1Hz,1H)及び2.21−2.14ppm(m,1H)。
13C NMR(500MHz,MeOD):δ=152.1,151.0,147.0,130.1,115.2,112.5,76.8,62.4,62.3,49.3,49.0,48.7,36.0及び35.6ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
14H
22N
5O
2S) 324.1494,実測値 324.1496。
【0067】
(4S)−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−4−(((3−ヒドロキシプロピル)チオ)メチル)ピロリジン−3−オール(
11)
アミン
5(R=CH
2CH
2CH
2OH)(150mg,0.78mmol)を水/EtOH(4:1,2.5mL)中に溶解し、9−デアザアデニン(108mg,0.78mmol)及び水性ホルムアルデヒド(62μL,0.82mmol)で処理し、混合物を室温で72時間撹拌した。粗な反応物をシリカに吸着させ、シリカゲル(溶離液:CHCl
3中20%→30%[MeOH中7N NH
3])を用いて精製すると、シロップが生じた。これを放置すると結晶化して、標記化合物
11(190mg,72%)を得た。
1H NMR(500MHz,MeOD):δ=8.18(s,1H),7.49(s,1H),3.98(dt,J=6.4,4.1Hz,1H),3.86(d,J=13.5Hz,1H),3.81(d,J=13.5Hz,1H),3.62(t,J=7.3Hz,1H),3.07(dd,J=9.8,7.9Hz,1H),2.85(dd,J=10.3,6.4Hz,1H),2.74−2.67(m,2H),2.57(t,J=7.3Hz,2H),2.49(dd,J=12.7,9.0Hz,1H),2.38(dd,J=9.9,7.2Hz,1H),2.23−2.16(m,1H)及び1.76ppm(五重線,J=6.8Hz,2H)。
13C NMR(500MHz,MeOD):δ=152.1,151.0,147.0,130.1,115.2,112.4,76.8,62.3,61.5,58.9,49.0,48.6,35.8,33.5及び29.5ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
15H
24N
5O
2S) 338.1651,実測値 338.1648。
【0068】
(4S)−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−4−(((4−ヒドロキシブチル)チオ)メチル)ピロリジン−3−オール(
12)
アミン
5[R=−(CH
2)
4OH](180mg,0.88mmol)を水/EtOH(4:1,2.5mL)中に溶解し、9−デアザアデニン(121mg,0.88mmol)及び水性ホルムアルデヒド(69μL,0.92mmol)で処理し、混合物を室温で72時間撹拌した。粗な反応物をシリカに吸着させ、シリカゲル(溶離液:CHCl
3中20%→30%[MeOH中7N NH
3])を用いて精製すると、シロップが生じた。これを放置すると結晶化して、標記化合物
12(231mg,75%)を得た。
1H NMR(500MHz,MeOD):δ=8.17(s,1H),7.49(s,1H),3.96(dt,J=6.4,4.2Hz,1H),3.85(d,J=13.5Hz,1H),3.80(d,J=13.5Hz,1H),3.55(t,J=6.1Hz,1H),3.32(五重線,J=1.7Hz,1H),3.05(dd,J=9.8,8.0Hz,1H),2.84(dd,J=10.3,6.4Hz,1H),2.72(dd,J=12.7,6.1Hz,1H),2.67(dd,J=10.3,4.2Hz,1H),2.53−2.46(m,4H),2.37(dd,J=9.9,7.2Hz,1H),2.22−2.15(m,1H)及び1.66−1.56ppm(m,4H)。
13C NMR(500MHz,MeOD):δ=152.1,151.0,147.0,130.1,115.2,112.4,76.8,62.5,62.3,58.9,49.0,48.6,35.8,33.0,32.8及び27.1ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
16H
26N
5O
2S) 352.1807,実測値 353.1801。
【0069】
(4S)−1−((4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル)メチル)−4−(((2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)チオ)メチル)ピロリジン−3−オール(
13)
アミン
5(R=CH
2CH
2OCH
2CH
2OH)(151mg,0.68mmol)を水/EtOH(4:1,2.5mL)中に溶解し、9−デアザアデニン(83mg,0.62mmol)及び水性ホルムアルデヒド(45μL,0.62mmol)で処理し、混合物を室温で72時間撹拌した。粗な反応物をシリカに吸着させ、シリカゲル(溶離液:5:4.8:0.2 CHCl
3:MeOH:NH
4OH)を用いて精製すると、白色固体が生じた。これを2−プロパノールと摩砕して、標記化合物
10(191mg,66%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,D
2O):δ=7.99(s,1H),7.27(s,1H),3.91(m,1H),3.61(brs,4H),3.52(brt,J=6.0Hz,2H),3.49−3.46(m,2H),2.89(t,J=8.9Hz,1H),2.79−2.73(m,1H),2.63−2.54(m,4H),2.38(t,J=10.5Hz,1H),2.20(t,J=8.3Hz,1H)及び2.10−2.02ppm(m,1H)。
13C NMR(500MHz,D
2O):δ=150.1,149.5,145.1,129.6,113.2,109.4,75.1,71.5,69.4,60.4,59.8,56.4,46.8,46.3,34.0及び30.9ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
16H
26N
5O
3S) 368.1756,実測値 368.1755。
【0070】
(3R,4S)−1−({4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル}メチル)−4−[(ヘキサ−5−イン−1−イルチオ)メチル]ピロリジン−3−オール(
14)の合成(スキーム3)
【0071】
【化20】
(3R,4S)−4−[(ヘキサ−5−イン−1−イルチオ)メチル]ピロリジン−3−オール(
5,R=ヘキサ−5−イン−1−イル)
(3R,4S)−tert−ブチル3−ヒドロキシ−4−(メチルスルホニルオキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(
3)(500mg,1.70mmol)及びヘキサ−5−イン−1−チオール(0.46mmol,3.4mmol)をDMF(5mL)中に含む溶液に水素化ナトリウム(120mg,2.9mmol,油中60wt%)を添加した後、混合物を1時間撹拌した。粗な反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、真空中で濃縮した。粗な残渣、多分(3S,4R)−tert−ブチル3−(ヘキサ−5−イン−1−イルチオメチル)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボキシレートを精製または特性評価することなく次ステップにかけた。(3S,4R)−tert−ブチル3−(ヘキサ−5−イン−1−イルチオメチル)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボキシレート(530mg,1.7mmol)をメタノール(4mL)中に含む溶液に濃HCl(2mL)を添加し、混合物を真空中で濃縮した。生じた残渣を追加の濃HCl(2mL)中に溶解し、真空中で濃縮した。残渣をメタノール中に溶解し、シリカゲルに吸着させ、真空中で濃縮し、固体残渣をクロマトグラフィー(CHCl
3中1%→20%[MeOH中7N NH
3])により精製して、
5(R=ヘキサ−5−イン−1−イル)(279mg,77%)を黄色シロップとして得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3):δ=4.08(dt,J=5.3,3.3Hz,1H),3.31(dd,J=10.4,7.7Hz,1H),3.00(dd,J=11.9,5.3Hz,1H),2.87(dd,J=11.9,3.1Hz,1H),2.61−2.50(m,5H),2.22(td,J=6.9,2.6Hz,1H),1.97(t,J=2.7Hz,1H),1.75−1.69(m,2H)及び1.66−1.60ppm(m,2H)。
13C NMR(500MHz,CDCl
3):δ=84.0,77.2,68.7,54.8,51.6,48.4,34.8,31.9,28.5,27.4及び18.0ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
11H
20NOS) 214.1265,実測値 214.1265。
【0072】
(3R,4S)−1−({4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル}メチル)−4−[(ヘキサ−5−イン−1−イルチオ)メチル]ピロリジン−3−オール(
14)
9−デアザアデニン(162mg,1.17mmol)及び化合物
5(R=ヘキサ−5−イン−1−イル)(250mg,1.17mmol)をエタノール(4mL)と水(2mL)の混合物中に含む懸濁液に水性ホルムアルデヒド(176μL,234mmol,37%)を添加し、生じた懸濁液を50℃に加温した。90分後、反応はTLC分析が示すように完了した。粗な反応物をシリカゲルに吸着させ、真空中で濃縮した。固体残渣をクロマトグラフィー(CHCl
3中20% MeOH→[CHCl
3中20% MeOH]中1% 水性NH
4OH]→5:4:1 CHCl
3:MeOH:NH
4OH)により精製して、標記化合物
14(262mg,62%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,MeOD):δ=8.18(s,1H),7.48(s,1H),3.97(dt,J=6.4,4.2Hz,1H),3.84(d,J=13.5Hz,1H),3.79(d,J=13.5Hz,1H),3.05(dd,J=9.7,8.0Hz,1H),2.83(dd,J=10.3,6.4Hz,1H),2.72(dd,J=12.8,6.1Hz,1H),2.67(dd,J=10.3,4.1Hz,1H),2.49(m,3H),2.36(dd,J=9.8,7.2Hz,1H),2.20(t,J=2.6Hz,1H),2.18(m,1H),2.16(td,J=6.9,2.4Hz,2H),1.16(m,2H)及び1.56ppm(m,2H)。
13C NMR(500MHz,MeOD):δ=152.1,151.0,147.0,130.0,115.2,112.7,84.8,76.9,69.8,62.4,59.0,49.0,48.7,35.8,32.6,29.6,28.7及び18.7ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
18H
26N
5OS) 360.1858,実測値 360.1852。
【0073】
(3R,4S)−1−({4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル}メチル)−4−{2−[(2−ヒドロキシエチル)チオ]エチル}ピロリジン−3−オール(
16)の合成(スキーム4)
【0074】
【化21】
(3R,4S)−4−{2−[(2−ヒドロキシエチル)チオ]エチル}ピロリジン−3−オール(
8,R=2−ヒドロキシエチルチオ)
(3R,4S)−tert−ブチル3−[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ−4−(2−メチルスルホニルオキシエチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(
7)(123mg,0.29mmol)及び2−メルカプトエタノール(61μL,0.87mmol)をDMF(5mL)中に含む溶液に水素化ナトリウム(29mg,0.73mmol,油中60wt%)を添加し、混合物を1時間撹拌した。粗な反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、真空中で濃縮した。粗な残渣をクロマトグラフィー(石油エーテル中25→40% 酢酸エチル)により精製して、多分(3R,4S)−tert−ブチル3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−{2−[(2−ヒドロキシエチル)チオ]エチル}ピロリジン−1−カルボキシレート(73mg)を得た。これを特性評価することなく次ステップにかけた。(3R,4S)−tert−ブチル3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−{2−[(2−ヒドロキシエチル)チオ]エチル}ピロリジン−1−カルボキシレート(73mg,0.18mmol)をメタノール(3mL)中に含む溶液に濃HCl(3mL)を添加し、混合物を真空中で濃縮した。生じた残渣を追加の濃HCl(2mL)中に溶解し、真空中で濃縮した。残渣を水とCHCl
3に分配し、水層をシリカに吸着させ、真空中で濃縮し、生じた固体をクロマトグラフィー(CHCl
3中20→30%[MeOH中7N NH
3])により精製して、
8(R=2−ヒドロキシエチルチオ)(29mg,84%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,CD
3OD):δ=4.21(dt,J=5.0,3.6Hz,1H),3.69(t,J=6.6Hz,2H),3.58(dd,J=11.8,7.4Hz,1H),3.40(dd,J=12.3,5.1Hz,1H),3.15(dd,J=12.2,3.1Hz,1H),3.05(dd,J=11.8,5.9Hz,1H),2.69−2.64(m,4H),2.41−2.34(m,1H),1.84−1.77(m,1H)及び1.65−1.58ppm(m,1H)。
13C NMR(500MHz,CD
3OD):δ=75.0,62.6,52.5,49.8,46.5,35.2,32.2及び30.9ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
8H
18NO
2S) 192.1058,実測値 192.1055。
【0075】
(3R,4S)−1−({4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル}メチル)−4−{2−[(2−ヒドロキシエチル)チオ]エチル}ピロリジン−3−オール(
16)
9−デアザアデニン(52mg,0.38mmol)及び化合物
8(R=2−ヒドロキシエチルチオ)(72mg,0.38mmol)をエタノール(4mL)と水(2mL)の混合物中に含む懸濁液に水性ホルムアルデヒド(56μL,0.75mmol,37%)を添加し、生じた懸濁液を60℃に加温した。2時間後、反応はTLC分析が示すように完了した。粗な反応物をシリカゲルに吸着させ、真空中で濃縮した。固体残渣をクロマトグラフィー(CHCl
3中30% MeOH)により精製して、標記化合物
16(58mg,47%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,D
2O):δ=8.09(s,1H),7.49(s,1H),3.98(q,J=4.4Hz,1H),3.92(s,2H),3.65(t,J=6.3Hz,2H),3.18(dd,J=10.6,8.1Hz,1H),2.99(dd,J=11.3,6.3Hz,1H),2.81(dd,J=11.3,3.9Hz,2H),2.61(t,J=6.2Hz,2H),2.46(t,J=7.6Hz,1H),2.46(m,1H),2.06(m,1H),1.70−1.63(m,1H)及び1.47−1.41ppm(m,1H)。
13C NMR(500MHz,D
2O):δ=150.5,150.0,145.2,130.4,113.5,107.8,75.0,60.3,59.1,56.3,47.1,45.3,33.3,31.7及び29.3ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
15H
24N
5O
2S) 338.1651,実測値 338.1645。
【0076】
(3R,4S)−1−({4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル}メチル)−4−(2−{[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]チオ}エチル)ピロリジン−3−オール(
17)の合成(スキーム5)
【0077】
【化22】
(3R,4S)−4−(2−{[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]チオ}エチル)ピロリジン−3−オール[
8,R=2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルチオ]
(3R,4S)−tert−ブチル3−[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ−4−(2−メチルスルホニルオキシエチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(
7)(400mg,0.94mmol)及び2−メルカプトエトキシエタノール(319μL,2.83mmol)をDMF(10mL)中に含む溶液に水素化ナトリウム(94mg,2.36mmol,油中60wt%)を添加し、混合物を14時間撹拌した。粗な反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、真空中で濃縮した。粗な残渣をクロマトグラフィー(石油エーテル中40% 酢酸エチル)により精製して、多分(3R,4S)−tert−ブチル3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−(2−{[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル)]チオ}エチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(402mg,94%)を得た。これを特性評価することなく次ステップにかけた。(3R,4S)−tert−ブチル3−[(tert−ブチルジメチルシリル)オキシ]−4−(2−{[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]チオ}エチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(200mg,0.44mmol)をTHF(4mL)中に含む溶液にTHF中フッ化テトラブチルアンモニウム(TBAF)(1mL,1mol/L)を添加し、生じた溶液を14時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、残渣をクロマトグラフィー(酢酸エチル→CHCl
3中5% MeOH)により精製して、(3R,4S)−tert−ブチル3−ヒドロキシ−4−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルチオ]エチル}ピロリジン−1−カルボキシレート(94mg,63%)を無色シロップとして得た。これを特性評価することなく次ステップにかけた。(3R,4S)−tert−ブチル3−ヒドロキシ−4−{2−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルチオ]エチル}ピロリジン−1−カルボキシレート(94mg,0.28mmol)をCHCl
3(10mL)中に含む溶液にトリフルオロ酢酸(TFA)(1mL,13.0mmol,99.9質量%,1mL,1.489g)を添加し、混合物を2時間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、残渣をクロマトグラフィー(CHCl
3中30%[MeOH中7N NH
3])により精製して、
8[R=2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルチオ](70mg,106%)をシロップとして得た。
1H NMR(500MHz,CD
3OD):δ=4.21(dt,J=5.1,3.5Hz,1H),3.68−3.65(m,4H),3.58(dd,J=11.8,7.4Hz,1H),3.56−3.54(m,2H),3.40(dd,J=8.6,5.2Hz,1H),3.15(dd,J=12.3,3.2Hz,1H),3.04(dd,J=11.8,6.0Hz,1H),2.73(t,J=6.6Hz,2H),2.69−2.65(m,2H),2.40−2.34(m,1H),1.83−1.76(m,1H)及び1.64−1.57ppm(m,1H)。
13C NMR(500MHz,CD
3OD):δ=75.1,73.4,72.2,62.3,52.4,49.7,46.5,32.3,32.1及び31.1ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
10H
22NO
3S) 236.1320,実測値 236.1319。
【0078】
(3R,4S)−1−({4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル}メチル)−4−(2−{[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]チオ}エチル)ピロリジン−3−オール(
17)
9−デアザアデニン(41mg,0.30mmol)及び化合物
8[R=2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルチオ](70mg,0.30mmol)をエタノール(4mL)と水(2mL)の混合物中に含む溶液に水性ホルムアルデヒド(45μL,0.59mmol,37%)を添加し、生じた懸濁液を60℃に加温した。2時間後、反応はTLC分析が示すように完了した。粗な反応物をシリカゲルに吸着させ、真空中で濃縮した。固体残渣をクロマトグラフィー(溶離液:CHCl
3中30% MeOH)により精製して、標記化合物
17(65mg,57%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,MeOD):δ=8.30(s,1H),7.81(s,1H),4.53(s,2H),4.19−4.16(m,1H),3.77(dd,J=11.8,7.8Hz,1H),3.67−3.62(m,4H),3.54−3.50(m,3H),3.33−3.31(m,1H),3.12(dd,J=11.9,7.8Hz,1H),2.68(t,J=6.6Hz,2H),2.60(t,J=7.3Hz,2H),2.40−2.36(m,1H),1.85−1.78(m,1H)及び1.61−1.54ppm(m,1H)。
13C NMR(500MHz,CD
3OD):δ=152.6,150.8,145.1,133.1,115.3,105.1,74.8,73.4,72.2,62.3,60.2,57.6,49.4,46.6,32.5,32.3及び31.1ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
17H
28N
5O
3S) 382.1913,実測値 382.1906。
【0079】
(3R,4S)−1−({4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル}メチル)−4−[(ヘキシルチオ)メチル]ピロリジン−3−オール(
18)の合成(スキーム6)
【0080】
【化23】
(3R,4S)−4−[(ヘキシルチオ)メチル]ピロリジン−3−オール(
5,R=n−ヘキシル)
(3R,4S)−tert−ブチル3−ヒドロキシ−4−(メチルスルホニルオキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(425mg,1.44mmol)及び1−ヘキサンチオール(0.624μL,4.32mmol)をDMF(10mL)中に含む溶液に水素化ナトリウム(115mg,2.88mmol,60質量%)を添加し、混合物を14時間撹拌した。粗な反応混合物をジエチルエーテルで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、真空中で濃縮した。粗な残渣、多分(3S,4R)−tert−ブチル3−(n−ヘキシルチオメチル)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボキシレートを精製も特性評価もすることなく次ステップにかけた。(3S,4R)−tert−ブチル3−(n−ヘキシルチオメチル)−4−ヒドロキシ−ピロリジン−1−カルボキシレート(457mg,1.44mmol)をメタノール(3mL)中に含む溶液に濃HCl(3mL)を添加し、混合物を真空中で濃縮した。生じた残渣を追加の濃HCl(3mL)中に溶解し、真空中で濃縮した。残渣をメタノール中に溶解し、シリカに吸着させ、真空中で濃縮し、生じた固体をクロマトグラフィー(CHCl
3中10→20% 7N NH
3)により精製して、
5(R=n−ヘキシル)(221mg,72%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,CD
3OD):δ=4.03(dt,J=5.5,3.6Hz,1H),3.21(dd,J=11.5,7.5Hz,1H),2.98(dd,J=12.1,5.6Hz,1H),2.74(dd,J=12.0,3.5Hz,1H),2.66(dd,J=12.8,6.6Hz,1H),2.61(dd,J=11.6,5.9Hz,1H),2.54(brt,J=7.3Hz,2H),2.44(dd,J=12.7,8.7Hz,1H),2.17−2.10(m,1H),1.60−1.55(m,2H),1.43−1.38(m,2H),1.34−1.28(m,4H)及び0.91ppm(t,J=7.0Hz,3H)。
13C NMR(500MHz,CD
3OD):δ=77.9,54.9,51.6,49.3,35.3,33.2,32.6,30.8,29.6,23.7及び14.4ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
11H
24NOS) 218.1579,実測値 218.1578。
【0081】
(3R,4S)−1−({4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル}メチル)−4−[(ヘキシルチオ)メチル]ピロリジン−3−オール(
18)
9−デアザアデニン(110mg,0.83mmol)及び化合物
5(R=n−ヘキシル)(180mg,0.83mmol)をエタノール(4mL)と水(2mL)の混合物中に含む溶液に水性ホルムアルデヒド(120μL,1.70mmol,37%)を添加し、生じた懸濁液を60℃に加温した。2時間後、反応はTLC分析が示すように完了した。粗な反応物をシリカゲルに吸着させ、真空中で濃縮した。固体残渣をクロマトグラフィー(CHCl
3中5→10→20% MeOH)により精製して、標記化合物
18(201mg,67%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,CD
3OD):δ=8.16(s,1H),7.49(s,1H),3.95(dt,J=4.4,4.2Hz,1H),3.84(d,J=13.4Hz,1H),3.79(d,J=13.4Hz,1H),3.04(dd,J=9.7,8.1Hz,1H),2.84(dd,J=10.3,6.5Hz,1H),2.72(dd,J=12.7,6.0Hz,1H),2.65(dd,J=10.2,4.2Hz,1H),2.50−2.47(m,3H),2.37(dd,J=9.8,7.2Hz,1H),2.20−2.15(m,1H),1.54(br五重線,J=7.2Hz,1H),2.16(td,J=6.9,2.4Hz,2H),1.16(m,2H)及び1.56ppm(m,2H)。
13C NMR(500MHz,CD
3OD):δ=152.1,151.0,147.0,130.0,115.2,112.6,76.9,62.3,58.9,49.0,49.0,35.9,33.1,32.6,30.7,29.6,23.6及び14.4ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
18H
30N
5OS) 364.2171,実測値 364.2165。
【0082】
(3R,4S)−1−({4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル}メチル)−4−[2−(ヘキシルチオ)エチル]ピロリジン−3−オール(
19)の合成(スキーム7)
【0083】
【化24】
(3R,4S)−4−(2−(ヘキシルチオ)エチル)ピロリジン−3−オール(
8,R=n−ヘキシルチオ)
(3R,4S)−tert−ブチル3−[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ−4−(2−メチルスルホニルオキシエチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(400mg,0.94mmol)(
7)及び1−ヘキサンチオール(530μL,0.87mmol)をDMF(10mL)中に含む溶液に水素化ナトリウム(94mg,2.36mmol,油中60wt%)を添加し、混合物を14時間撹拌した。粗な反応混合物をトルエンで希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、真空中で濃縮した。粗な残渣をクロマトグラフィー(石油エーテル中10% 酢酸エチル)により精製した。推定で(3R,4S)−tert−ブチル3−[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ−4−(2−ヘキシルチオエチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(421mg,73%)を得た。これを特性評価することなく次ステップにかけた。(3R,4S)−tert−ブチル3−[tert−ブチル(ジメチル)シリル]オキシ−4−(2−ヘキシルチオエチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(421mg,0.70mmol)をメタノール(3mL)中に含む溶液に濃HCl(3mL)を添加し、混合物を真空中で濃縮した。生じた残渣を追加の濃HCl(2mL)中に溶解し、真空中で濃縮し、残渣を水とCHCl
3に分配し、水層をシリカに吸着させ、真空中で濃縮し、生じた固体をクロマトグラフィー(CHCl
3中20→30%[MeOH中7N NH
3])により精製して、
8(R=n−ヘキシルチオ)(160mg,73%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,CD
3OD+CDCl
3):δ=3.97(dt,J=5.0,3.0Hz,1H),3.30(dd,J=11.0,7.7Hz,1H),3.14(brs,2H),2.96(dd,J=11.9,5.1Hz,1H),2.89(dd,J=11.8,7.4Hz,1H),2.60−2.54(m,2H),2.51(t,J=7.5Hz,2H),2.46(dd,J=11.1,6.9Hz,1H),2.03(二重線の五重線,J=7.4,3.2Hz,1H),1.76−1.69(m,1H),1.60−1.54(m,2H),1.42−1.35(m,2H),1.34−1.28(m,2H)及び0.89ppm(t,J=7.2Hz,3H)。
13C NMR(500MHz,CD
3OD+CDCl
3):δ=77.6,54.9,51.8,48.2,32.6,32.2,31.4,30.7,29.6,28.6,22.5及び14.0ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
12H
26NOS) 232.1735,実測値 232.1736。
【0084】
(3R,4S)−1−({4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル}メチル)−4−[2−(ヘキシルチオ)エチル]ピロリジン−3−オール(
19)
9−デアザアデニン(96mg,0.69mmol)及び化合物
8(R=n−ヘキシルチオ)(160mg,0.69mmol)をエタノール(4mL)と水(2mL)の混合物中に含む溶液に水性ホルムアルデヒド(104μL,1.38mmol,37%)を添加し、生じた懸濁液を60℃に加温した。2時間後、反応はTLC分析が示すように完了した。粗な反応物をシリカゲルに吸着させ、真空中で濃縮した。固体残渣をクロマトグラフィー(CHCl
3中20% MeOH)により精製して、標記化合物
19(132mg,51%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,CD
3OD+CDCl
3):δ=8.20(s,1H),7.44(s,1H),3.89(q,J=4.9Hz,1H),3.85(d,J=13.5Hz,1H),3.81(d,J=13.5Hz,1H),3.11(dd,J=9.4,7.7Hz,1H),2.75(brd,J=12.4Hz,2H),2.52(t,J=7.4Hz,2H),2.50(t,J=7.4Hz,2H),2.18(dd,J=9.3,8.1Hz,1H),2.14−2.07(m,1H),1.85−1.78(m,1H),1.64−1.53(m,3H),1.41−1.34(m,2H),1.33−1.24(m,4H),0.89(t,J=6.9Hz,3H)及び1.56ppm(m,2H)。
13C NMR(500MHz,CD
3OD+CDCl
3):δ=151.9,151.0,147.1,129.8,115.3,112.7,77.6,62.5,59.6,49.4,48.2,34.5,33.2,32.7,31.6,30.8,29.7,23.7及び14.8ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
19H
32N
5OS) 378.2328,実測値 378.2332。
【0085】
(3R,4S)−1−({4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル}メチル)−4−[(ピリジン−2−イルチオ)メチル]ピロリジン−3−オール(
24)の合成(スキーム8)
【0086】
【化25】
tert−ブチル(3R,4S)−3−ヒドロキシ−4−[(ピリジン−2−イルチオ)メチル]ピロリジン−1−カルボキシレート(
23)
ステップ1:tert−ブチル(3R,4R)−3−ヒドロキシ−4−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(
1)[Clinchら,37](10.00g、46.03mmol)及びN,N’−ジイソプロピルエチルアミン(16.2mL,92.06mmol)をCH
2Cl
2(300mL)中に溶解し、−60℃に冷却した。メタンスルホニルクロリド(3.45mL,44.61mmol)を1滴ずつ添加した。30分後、更にメタンスルホニルクロリド(0.60mL)を添加し、混合物を更に5分間撹拌した後、0℃に加温し、飽和水性NaHCO
3(3×30mL)で洗浄し、乾燥し、溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン中50→100% EtOAcの後、EtOAc中0→1% MeOHの勾配)にかけて、メシレート
2を黄色油状物(8.18g,60%)として得た。
【0087】
ステップ2:ピリジン−2−チオール(0.135g,1.21mmol)をDMF(5mL)中に含む撹拌溶液に0℃で水素化ナトリウム(油中60wt%,0.060g,1.50mmol)を少しずつ添加した。20分後、上のステップ1からのメシレート
2(0.300g,1.02mmol)をDMF(1mL)中に含む溶液を添加し、混合物を室温に加温し、16時間撹拌した。次いで、水(5mL)を添加し、混合物をEt
2O(60mL)で抽出し、抽出物をH
2O(3×5mL)、ブライン(5mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させると、黄色ガム/固体が生じた。シリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン中40→80% EtOAcの勾配)にかけて、
23を無色ガムとして得た。これを数日放置すると、固化した(0.175g,56%)。
1H NMR(500MHz,CDCl
3):δ 8.40(d,J=4.6Hz,1H),7.50(dt,J=8.1,1.5Hz,1H),7.25(dt,J=8.1,0.9Hz,1H),7.03(dt,J=5.5,1.2Hz,1H),4.23(bs,交換D
2O,0.5H),4.14−4.05(m,1.5H,D
2O交換後,m,1H),3.76−3.49(m,3H),3.24−3.11(m,3H),2.51−2.39(m,1H),1.45(s,9H)。
13C NMR(125.7MHz,CDCl
3,中心線 δ 77.0):δ 159.1,158.9(C),154.6,154.4(C),149.3(CH),136.3(CH),122.9,122.8(CH),119.9(CH),79.4(C),72.1,71.7(CH),51.1,50.8(CH),48.4,47.8(CH
2),46.1,45.5(CH
2),29.2,29.1(CH
2),28.5(CH
3)。ESI−HRMS:(M+H)
+ 計算値(C
15H
23N
2O
3S
+) 311.1424,実測値 311.1424。
【0088】
(3R,4S)−1−({4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル}メチル)−4−[(ピリジン−2−イルチオ)メチル]ピロリジン−3−オール(
24)
化合物
23(0.171g,0.55mmol)をMeOH(4mL)中に溶解し、水性塩酸(36%,1.5mL)を添加した。15分後、溶媒を蒸発させると、無色ガムが生じた。これをMeOH(10mL)中に溶解し、アンバーリストA21樹脂で中和した後、同一樹脂の短カラムに通し、MeOHで溶離させた。溶媒を蒸発させ、残渣をEtOH(4mL)とH
2O(2mL)の混合物中に溶解し、これに水性ホルムアルデヒド溶液(37%,0.08mL,1mmol)及び9−デアザアデニン(0.096g,0.72mmol)を添加した。混合物を70℃で16時間加熱し、全ての溶媒を吸着させるためにシリカゲルを添加した後、溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(2−PrOH中0→7% 水性NH
4OH(28%)の勾配)により精製した。生成物を含有している画分を蒸発させ、残渣を更にシリカゲルでのクロマトグラフィー(CHCl
3−7M NH
3/MeOH,85:15)にかけて、
24を無色固体(0.087g,44%)として得た。
1H NMR(500MHz,1:1 CD
3OD−CDCl
3):δ 8.34(ddd,J=5.0.1.8,0.9Hz,1H),8.19(s,1H),7.54(ddd,J=9.7,7.7,1.9Hz,1H),7.41(s,1H),7.23(dt,J=8.2,0.9Hz,1H),7.03(ddd,J=7.3,5.0,0.9Hz,1H),4.07(ddd,J=6.4,3.9,3.9Hz,1H),3.85(d,J=13.5Hz,1H),3.81(d,J=13.4Hz,1H),3.37−3.34(m,1H+残留重水素化溶媒),3.15(dd,J=13.1,8.2Hz,1H),3.10−3.06(m,1H),2.87(dd,J=10.4,6.4Hz,1H),2.74(dd,J=10.4,3.9Hz,1H),2.41−2.33(m,2H)。
13C NMR(125.7MHz,1:1 CD
3OD−CDCl
3,中心線 δ 49.0及びδ 78.3):δ 159.8(C),151.2(C),150.4(CH),149.7(CH),146.5(C),137.2(CH),129.1(CH),123.0(CH),120.4(CH),114.7(C),112.2(C),76.3(CH),61.9(CH
2),58.4(CH
2),48.7(CH
2),47.9(CH),33.5(CH2)。ESI−HRMS:(M+H)
+ 計算値(C
17H
21N
6OS
+) 357.1493,実測値 357.1485。
【0089】
(3R,4S)−1−({4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル}メチル)−4−[(ピラジン−2−イルチオ)メチル]ピロリジン−3−オール(
27)の合成(スキーム9)
【0090】
【化26】
tert−ブチル(3S,4R)−3−[(アセチルチオ)メチル]−4−ヒドロキシピロリジン−1−カルボキシレート(
25)
チオ酢酸カリウム(0.950g,8.15mmol)及びメシレート
3(2.00g,6.77mmol)を一緒に室温でDMF(20mL)中で24時間撹拌した。水(15mL)を添加し、混合物をEt
2O(120mL)で抽出した。抽出物をH
2O(3×15mL)、次いでブライン(15mL)で洗浄し、乾燥し、溶媒を蒸発させると、無色残渣が生じた。これをシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン中40→70% EtOAcの勾配)にかけて、
25を無色油状物(1.54g,83%)として得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3,):δ 4.02(bs,1H),3.71−3.54(m,2H),3.28−3.17(m,1H),3.15−3.04(m,1H),3.02−2.90(m,2H),2.74(s,交換D
2O,1H),2.37(s,3H),2.35−2.25(m,1H),1.45(s,9H)。
13C NMR(125.7MHz,CDCl
3,中心線 δ 77.0):δ 196.5,191.1(C),154.5(C),79.6(C),73.3,72.8(CH),52.0,51.7(CH
2),48.6,48.0(CH
2),46.0,45.4(CH),30.6(CH
3),29.2,29.1(CH
2),25.5(CH3)。ESI−HRMS:(M+Na)
+ 計算値(C
12H
21NO
4S
+) 298.1084,実測値 298.1087。
【0091】
tert−ブチル(3R,4S)−3−ヒドロキシ−4−[(ピラジン−2−イルチオ)メチル]ピロリジン−1−カルボキシレート(
26)
25(0.250g,0.91mmol)をMeOH(5mL)中に含む撹拌溶液にナトリウムメトキシドのメタノール溶液(25%,0.21mL,0.92mmol)を添加した。10分後、溶媒を蒸発させ、残渣をDMF(4mL)中に溶解した後、2−クロロピラジン(0.24mL,2.7mmol)を添加し、混合物を室温で16時間撹拌した。水(5mL)を添加し、混合物をEt
2O(60mL)で抽出した。抽出物をH
2O(3×15mL)、ブライン(15mL)で洗浄し、乾燥し、溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン中40→80% EtOAcの勾配)にかけて、
26を無色ガム(0.175g,62%)として得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3):δ 8.50(d,J=1.5Hz,1H),8.34(s,1H),8.25(d,J=2.7Hz,1H),4.17−4.12(m,1H),3.75−3.59(m,2H),3.41−3.13(m,5H,D
2O交換後,4H),2.52−2.41(m,1H),1.45(s,9H)。
13C NMR(125.7MHz,CDCl
3,中心線 δ 77.0):δ 156.6,156.5(C),154.5(C),144.2(CH),143.7(CH),139.8(CH),79.6(C),73.2,72.7(CH),51.8,51.6(CH
2),48.7,48.1(CH
2),46.0,45.4(CH),29.7,29.5(CH
2),28.5(CH
3)。ESI−HRMS:(M+Na)
+ 計算値(C
14H
21N
3NaO
3S
+) 334.1196,実測値334.1193。
【0092】
(3R,4S)−1−({4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル}メチル)−4−[(ピラジン−2−イルチオ)メチル]ピロリジン−3−オール(
27)
化合物
26(0.155g,0.50mmol)をMeOH(4mL,97.8mmol)中に溶解し、水性塩酸(36%,1.5mL)を添加した。15分後、溶媒を蒸発させ、残渣をMeOH(10mL)中に溶解し、アンバーリストA21樹脂で中和した後、同一樹脂の短カラムに通し、MeOHで溶離させた。残渣をエタノール(4mL)とH
2O(2mL)の混合物中に溶解した後、水性ホルムアルデヒド溶液(37%,0.075mL,1.0mmol)及び9−デアザアデニン(0.080g,0.60mmol)を添加し、混合物を70℃で16時間加熱した。全ての溶媒を吸着させるためにシリカゲルを添加した後、溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(2−PrOH中0〜10% 水性NH
4OH(28%))により精製して、
27を無色固体(70mg,30%)を余り純粋でない画分(34mg,19%)と一緒に得た。
1H NMR(500MHz,CD
3OD):δ 8.43(d,J=1.5Hz,1H),8.37(dd,J=2.6,1.6Hz,1H),8.19(d,J=2.7Hz,1H),8.13(s,1H),7.47(s,1H),4.04(ddd,J=6.4,4.2,4.2Hz,1H),3.85(d,J=13.6Hz,1H),3.80(d,J=13.4Hz,1H),3.41(dd,J=13.3,6.4Hz,1H),3.22(dd,J=13.3,8.3Hz,1H),3.02(dd,J=9.6,7.8Hz,1H),2.90(dd,J=10.3,6.5Hz,1H),2.66(dd,J=10.3,4.2Hz,1H),2.42(dd,J=9.7,7.0Hz,1H),2.34(m,1H)。
13C NMR(125.7MHz,CD
3OD,中心線 δ 49.0):δ 158.5(C),152.1(C),151.0(CH),147.0(C),145.4(CH),144.6(CH),140.4(CH),130.1(CH),115.1(C),112.4(C),76.7(CH),62.3(CH
2),58.5(CH
2),48.8(CH
2),48.3(CH),32.9(CH
2)。ESI−HRMS:(M+H)
+ 計算値(C
16H
20N
7OS
+) 358.1445,実測値 358.1442。
【0093】
(3R,4S)−1−({4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル}メチル)−4−[(1,3−チアゾル−2−イルチオ)メチル]ピロリジン−3−オール(
29)の合成(スキーム10)
【0094】
【化27】
tert−ブチル(3R,4S)−3−ヒドロキシ−4−[(1,3−チアゾル−2−イルチオ)メチル]ピロリジン−1−カルボキシレート(
28)
25(0.250g,0.91mmol)をMeOH(5mL)中に含む溶液にナトリウムメトキシドのメタノール溶液(25%,0.21mL,0.92mmol)を添加した。10分後、溶媒を蒸発させ、残渣をDMF(4mL)中に溶解した後、2−ブロモチアゾール(0.25mL,2.8mmol)を添加し、混合物を室温で60時間撹拌した。水(5mL)を添加した後、混合物をEt
2O(60mL)で抽出した。抽出物をH
2O(3×5mL)、ブライン(5mL)で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(ヘキサン中の40→80% EtOAcの勾配)にかけて、
28を無色油状物(0.230g,80%)として得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3):δ 7.642,7.636(2s,1H),7.241,7.235(2s,1H),4.34(bs,交換D
2O,0.5H),4.21−4.12(m,1.5H,D
2O交換後,m,1H),3.76−3.56(m,2H),3.55−3.42(m,1H),3.29−3.12(m,3H),2.49(m,1H),1.45(s,9H)。
13C NMR(125.7MHz,CDCl
3,中心線 δ 77.0):δ 165.8,165.4(C),154.6,154.4(C),142.3,142.2(CH),119.4(CH),79.5(C),72.3,71.9(CH),51.3,51.0(CH
2),48.4,47.8(CH
2),46.0,45.4(CH),34.0,33.8(CH
2),28.4(CH
3)。ESI−HRMS:(M+Na)+ 計算値(C
13H
20N
2NaO
3S
2+) 339.0808,実測値 339.0802。
【0095】
(3R,4S)−1−({4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル}メチル)−4−[(1,3−チアゾル−2−イル]チオ)メチル]ピロリジン−3−オール(
29)
化合物
28(0.210g,0.66mmol)をMeOH(4mL)中に溶解し、水性塩酸(36%,1.5mL)を添加した。15分後、溶媒を蒸発させると、固体が生じた。これをMeOH(10mL)中に溶解し、アンバーリストA21樹脂で中和した後、同一樹脂の短カラムに通し、MeOHで溶離させた。溶媒を蒸発させ、残渣をエタノール(4mL)とH
2O(2mL)の混合物中に溶解した後、水性ホルムアルデヒド溶液(37%,0.099mL,1.3mmol)及び9−デアザアデニン(0.107g,0.80mmol)を添加し、混合物を70℃で16時間加熱した。全ての溶媒を吸着させるためにシリカゲルを添加した後、溶媒を蒸発させ、残渣をシリカゲルでのクロマトグラフィー(CHCl
3−MeOH−28% 水性NH
4OH,85:15:0.5、次いで85:15:0.75)にかけて、粗な
29を無色ガムとして得た。更にクロマトグラフィー(2−PrOH中0→10% 水性NH
4OH(28%)の勾配)にかけて、
29(86mg,36%)を余り純粋でない画分(81mg,34%)と一緒に得た。
1H NMR(500MHz,CD
3OD):δ 8.15(S,1H),7.64(d,J=3.4Hz,1H),7.47(s,1H),7.45(d,J=3.5Hz,1H),4.03(ddd,J=6.4,4.3,4.3Hz,1H),3.84(d,J=13.4Hz,1H),3.80(d,J=13.4Hz,1H),3.41(dd,J=13.0,6.3Hz,1H),3.20(dd,J=13.0,8.6Hz,1H),3.02(dd,J=9.7,7.8Hz,1H),2.90(dd,J=10.2,6.5Hz,1H),2.65(dd,J=10.2,4.2Hz,1H),2.42(dd,J=9.8,6.9Hz,1H),2.34(m,1H)。
13C NMR(125.7MHz,CD
3OD,中心線 δ 49.0):δ 166.5(C),152.1(C),151.0(CH),147.0(C),143.6(CH),130.0(CH),121.1(CH),115.2(C),112.5(C),76.6(CH),62.3(CH
2),58.4(CH2),48.8(CH
2),48.5(CH),38.3(CH
2)。ESI−HRMS:(M+NA)
+ 計算値(C
15H
18N
6NaOS
2+) 385.0876,実測値385.0868。
【0096】
(3R,4S)−1−({4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル}メチル)−4−{[(5−{ピリジン−4−イル}−1H−1,2,4−トリアゾル−3−イル)チオ]メチル}ピロリジン−3−オール(
56)の合成(スキーム11)
【0097】
【化28】
(3R,4S)−4−({[5−(ピリジン−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−3−イル]チオ}メチル)ピロリジン−3−オール(
55)
(3R,4S)−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−4−(メチルスルホニルオキシメチル)ピロリジン−1−カルボキシレート(
3)(300mg,1.00mmol)及び5−(4−ピリジル)−1H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール(370mg,2.0mmol)をDMF(5mL)中に含む溶液に水素化ナトリウム(69mg,1.7mmol,油中60wt%)を添加し、混合物を1時間撹拌した。粗な反応混合物をCHCl
3で希釈し、水及びブラインで洗浄し、乾燥し(MgSO
4)、真空中で濃縮した。粗な残渣をクロマトグラフィー(溶離液:CHCl
3→CHCl
3中5%→10% MeOH)により精製して、多分(3R,4S)−4−{[(5−(ピリジン−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−3−イル)チオ]メチル}ピロリジン−3−オール(100mg,26%)を得た。これを特性評価することなく次ステップにかけた。(3R,4S)−4−{[(5−(ピリジン−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−3−イル)チオ]メチル}ピロリジン−3−オール(100mg,1.2mmol)をメタノール(4mL)中に含む溶液に濃HCl(3mL)を添加し、混合物を真空中で濃縮した。生じた残渣を追加の濃HCl(2mL)中に溶解し、真空中で濃縮し、残渣をメタノール中に溶解し、シリカゲルに吸着させ、固体残渣をクロマトグラフィー(CHCl
3中1%→25%[MeOH中7N NH
3])により精製して、標記化合物
55(72mg,26%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,CDCl
3+CD
3OD):δ=8.56(dd,J=4.7,1.6Hz,2H),7.96(dd,J=4.7,1.6Hz,2H),4.32(dt,J=5.2,2.9Hz,1H),3.37(dd,J=12.4,5.2Hz,1H),3.34(五重線,J=1.6Hz,1H),3.26(dd,J=13.8,6.7Hz,1H),3.12−3.08(m,2H),3.04(dd,J=13.9,8.5Hz,1H)及び2.56−2.50(m,1H)。
13C NMR(500MHz,CD
3OD):δ=161.0,157.9,150.6(X2),141.1,121.8(X2),75.4,53.4,49.8,48.9及び35.1ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
12H
16N
5OS) 278.1076,実測値 278.1078。
【0098】
(3R,4S)−1−({4−アミノ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−7−イル}メチル)−4−({[5−(ピリジン−4−イル)−1H−1,2,4−トリアゾル−3−イル]チオ}メチル)ピロリジン−3−オール(
56)
9−デアザアデニン(22mg,0.16mmol)及び化合物
55(45mg,0.16mmol)をエタノール(4mL)と水(2mL)の混合物中に含む懸濁液に水性ホルムアルデヒド(24μL,0.32mmol,37%)を添加し、生じた懸濁液を50℃に加温した。2時間後、反応はTLC分析が示すように完了した。粗な反応混合物をシリカゲルに吸着させ、真空中で濃縮した。固体残渣をクロマトグラフィー(70:29:1→60:40:2→5:4:1 CHCl
3:MeOH:NH
4OH)により精製して、標記化合物
56(41mg,60%)を白色固体として得た。
1H NMR(500MHz,MeOD):δ=8.58(dd,J=4.7,1.6Hz,2H),8.16(s,1H),7.95(dd,J=4.6,1.6Hz,2H),7.54(s,1H),4.14(dt,J=6.1,3.9Hz,1H),4.02(s,2H),3.36(dd,J=13.4,6.4Hz,1H),3.31(五重線,J=1.6Hz,1H),3.25(dd,J=10.4,7.7Hz,1H),3.14−3.10(m,1H),2.87(dd,J=10.9,3.8Hz,1H),2.69(dd,J=10.6,6.9Hz,1H)及び2.42(m,1H)。
13C NMR(500MHz,CD
3OD):δ=160.6,157.1,152.2,151.2,150.7(X2),146.8,140.6,130.7,121.8(X2),115.3,1104,75.9,61.7,57.9,49.1,48.8及び36.1ppm。ESI−HRMS:[MH]
+ 計算値(C
19H
22N
9OS) 424.1668,実測値 424.1662。
【0099】
結果及び考察
BuT−DADMe−ImmA(30)は既にEcMTANの遷移状態アナログ阻害剤として特性評価されている(
図1C)
8。ここで、阻害アッセイを基質として5’−メチルチオアデノシンを用い、組換えHpMTANに対するBuT−DADMe−ImmAを用いて実施した。精製したHpMTANは簡単な基質として5’−メチルチオアデノシン及び6−アミノ−6−デオキシフタロシンの両方を使用する。酵素は両基質に対してそれぞれ0.6±0.3及び0.8±0.3μMの高い親和性(低いK
m値)、及び12.1±2.3及び4.3±0.9s
−1のk
cat値を示す。これにより、5’−メチルチオアデノシンに対して2.0×10
7M
−1s
−1、6−アミノ−6−デオキシ−フタロシンに対して5.4×10
6M
−1s
−1の高い触媒効率値(k
cat/K
m)を与える。BuT−DADMe−ImmAは0.8nMの初期阻害定数(K
i)の遅発性強力結合阻害剤であり、続いて36pMの平衡解離定数(K
i*=K
d)の遅発性阻害である。基質としての6−アミノ−6−デオキシフタロシンに対するK
m値を0.8μMとすると、この基質に対するK
m/K
d比は22,200である。低いK
d値は、BuT−DADMe−ImmAがHpMTANに対する遷移状態アナログ阻害剤であるという提案を裏付ける。HpMTANに対する5’−メチルチオアデノシンまたはS−アデノシルホモシステイン基質の構造をその遷移状態と比較すると(
図1B)、遷移状態にまねたBuT−DADMe−ImmAの3つの特徴;ヒドロキシl−ピロリジン部分、塩基と糖の間のメチレン架橋、及び9−デアザアデニンを示す(
図1B及び1C)。ヒドロキシピロリジン部分の窒素は9のpK
a値を有しており、よって遷移状態でリボカチオンの正電荷に似ている。この距離は遷移状態で3Åに近いので、メチレン架橋は糖とプリンの距離を延長する。9−デアザアデニンはプリンリングの配置を変化させ、高いpK
a及びN7のプロトン化が生じ、遷移状態でN7−プロトン化デニン離脱基に似ている。
【0100】
BuT−DADMe−ImmA(30)の強力結合に関与する触媒部位特徴はBuT−DADMe−ImmAとの複合体中のHpMTANの結晶構造から確立された(
図2)。他のMTANと同様に、HpMTANはダイマー界面に位置する活性部位を有するプリン及びウリジンホスホリラーゼのスーパーファミリーに属するホモダイマーである(
図4)。アデニン結合はAsp198のN7とOG2の間の水素結合及びVal154のN1と主鎖NHの間の水素結合により安定化されている。5’−リボシル位置結合部位での疎水基は強く拘束されないが、疎水性環境で包囲されており、この位置で変動し得る(
図2A及び4)。BuT−DADMe−ImmAとHpMTANの間の直接相互作用は5個の水素結合及び多数の疎水性相互作用を含む(
図2)。MTANの遷移状態アナログ複合体は結晶構造及び気相での質量分光法で検出される複合体中に求核性水分子を含む
14,15。HpMTANでは、求核性水分子は、リボカチオン遷移状態での水攻撃部位であるカチオン性ヒドロキシピロリジン窒素から2.6Å離れて存在している(
図2)。水分子は、タンパク質からの3つの水素結合と結合BuT−DADMe−ImmAからの2つの水素結合によりHpMTAN中で安定化しており、明らかに接触しており、阻害剤複合体の高い親和性に寄与している。
【0101】
BuT−DADMe−ImmA(30)の効果を5% ウマ血液寒天で増殖させたピロリ菌で試験した。6ng/mlでは僅かな増殖が検出され、8ng/mlでは増殖は検出されず、従ってピロリ菌増殖の抑制についてのMIC
90値は<8ng/mlである(
図3A)。8ng/mlのMIC
90値は、36pMのK
d値でHpMTANを飽和させるのに十分な23nMの化学濃度に相当する。
【0102】
ピロリ菌感染において慣用されている抗生物質には、アモキシシリン、メトロニダゾール及びテトラサイクリンが含まれる。BuT−DADMe−ImmA(30)の抗ピロリ菌効果を慣用されているこれらの抗生物質と比較した。BuT−DADMe−ImmAの阻害ゾーンは他の抗生物質の阻害ゾーンよりも大きい(
図3B)。等量のアモキシシリンはBuT−DADMe−ImmAよりも小さい増殖阻害ゾーンを与え、等量のメトロニダゾールまたはテトラサイクリンは増殖を抑制しなかった。よって、BuT−DADMe−ImmAはピロリ菌増殖の点で慣用されている抗生物質よりも有効である。
【0103】
殆どの細菌では、MTANは発現し、5’−メチルチオアデノシン及びS−アデノシルホモシステインのN−リボシド結合の加水分解を触媒する。2つの反応が細菌クオラムセンシング、S−アデノシルメチオニンを介する硫黄リサイクリング及びポリアミン合成に関与している
16。しかしながら、多くの細菌性MTANはプランクトン増殖条件により判断して細菌増殖のために必須ではない。よって、BuT−DADMe−ImmA(30)は大腸菌(
E.coli)及びコレラ菌(
V.cholerae)の増殖に影響を与えないが、MTAN活性は完全に無効にされた
6。同様に、大腸菌中のmtn遺伝子欠失は富栄養培地での増殖に影響を与えないが、ビオチン栄養要求株を生ずる
6,17。BuT−DADMe−ImmAの効果を別の臨床的に一般的な病原体の黄色ブドウ球菌(
S.aureus)、肺炎桿菌(
K.pneumoniae)、赤痢菌(
S.flexneri)、サルモネラ菌(
S.enterica)及び緑膿菌(
P.aeruginosa)の増殖でも試験した。BuT−DADMe−ImmAで5μg/mlまでの培養濃度で、これらの細菌について増殖抑制は観察されなかった。これはMTANにとって非必須でない役割に一致している。このレアなメナキノン経路に対する阻害剤特異性のために、ピロリ菌感染のBuT−DADMe−ImmAでの治療はオフターゲット細菌種において抗生物質耐性を生じさせないであろう。
【0104】
細菌ゲノム分析はメナキノン生合成に対するHpMTAN媒介経路が稀であるが、カンピロバクター(
Campylobacter)種中に存在することを予測している
4。カンピロバクター・ジェジュニ(
C.jejuni)は細菌性胃腸炎の世界の主な原因である
18。
【0105】
HpMTANの作用が6−アミノ−6−デオキシフタロシンの加水分解において提案されており、酵素をこの機能について具体的に試験した。酵素は5.4×10
6M
−1s
−1の触媒効率でこれに対してロバストな触媒活性を示す。BuT−DADMe−ImmA(30)の酵素及びピロリ菌の増殖に対する効果はピロリ菌におけるHpMTANの重要な役割を立証し、その電子転移鎖または他の機能に対する必須のメナキノン生合成経路の提案されている経路を裏付けている
4,19。
【0106】
ピロリ菌では薬物耐性が急速に発現し、現在ピロリ菌感染の約30%が単剤第一選択薬に対して耐性である
20。その結果、一般的アプローチは通常ピロリ菌感染のために3剤治療を使用しており、作用メカニズムが異なる2つの抗生物質が含まれている。3剤治療でも、ピロリ菌感染の20%以上が容易に根絶されない
2。ピロリ菌集団における耐性はおそらく部分的に他の細菌感染の治療中ピロリ菌が広域抗生物質に暴露されているためである。加えて、ピロリ菌の現在の根絶は抗生物質を2週間以上必要とし、治療を中断したならば耐性の発現が増加する。BuT−DADMe−ImmA(30)を用いる結果は、狭域抗生物質を単剤として、または薬物配合剤において使用するための機会を示している。MTANが必須であると見られる他の病原体(カンピロベクター(
Campyrobacter)種)は現在シプロフロキサシン、エリスロマイシンまたはアジスロマイシンを用いて臨床的に治療されている。BuT−DADMe−ImmAは他の抗生物質よりもピロリ菌中の標的に対してより強力な抗生物質であり、カンピロベクター(
Campyrobacter)感染に対する候補であり得るであろう。よって、BuT−DADMe−ImmA及び他のHpMTAN阻害剤は必須生合成ステップにおいてMTANを用いる生物において特異的抗生物質として役立ち得る。追加のピロリ菌MTA阻害剤の例及びその解離定数は表2に記載されている。表3には、本発明の具体的化合物についてのピロリ菌MTANに対する解離定数及びピロリ菌に対するMIC
90値が要約されている。これらの化合物を含む配合剤も抗生物質耐性の現在の問題を対処し得る。
【0107】
【表1】
【0108】
【表2】
【0109】
【表3】
【0110】
【表4】
【0111】