(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0042】
(第1の実施の形態)
本明細書では、各説明箇所において、方向についての定義等が示されていない場合には、遊技機10の方を向いて位置している(当該遊技機10の前に設置してある椅子に座っている)遊技者から見て、遊技機10から遊技者の手前側に向かう方向を「前」方向とし、その逆方向を「後」方向とする。また、同様に、「左」や「右」等の左右方向及び「上」や「下」等の上下方向も、遊技機10の前に座っている遊技者から見た場合の左方向や右方向、又は上方向や下方向を意味する。同様に、各部材の説明においても、方向についての定義等が示されていない場合には、各部材を、遊技機10の所定位置に固定した場合における遊技者から見た方向を意味する。
【0043】
本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンを、以下、
図1及び
図3を参照しながら説明する。本実施の形態に係る遊技機10としてのスロットマシンは、前方向に向かって開口する正面開口を有する四角箱状の筐体12と、この筐体12の正面開口を開閉自在に覆う前扉14とを備えている。
【0044】
前扉14の上部には、薄板樹脂からなる上パネル20を備えている。この上パネル20の略中央には、3個のリール62(正面から向かって左側の左リール64、中央の中リール66、右側の右リール68)の円周上の図柄61を見ることができる透過可能な図柄表示窓部16が形成されている。この図柄表示窓部16は、3個全てのリール62の回転が停止した際には、縦3列横3行に配置した合計9個の図柄61を遊技者に見せるように形成されている。この図柄表示窓部16は、リール62の正面側に設けられて、リール62の回転が停止した際、後述する有効ライン86上に停止している複数の図柄61を視認するためのものである。リール62は、複数の図柄61を図柄表示窓部16を介して変動表示可能なものである。
【0045】
前記図柄表示窓部16の後方向(奥方向)には、3個のリール駆動モータ65と、この各リール駆動モータ65によってそれぞれ回転させられる合計3個の前記リール62と、前記リール駆動モータ65及び前記リール62を保持するユニットホルダ(図示せず)とを有するリールユニット60が配置されている。また、リールユニット60には、リール62の回転位置が基準となる位置(基準位置)であることを検出するためリール位置センサ63が設けられている。このリール駆動モータ65は、後述するメイン制御手段200から出力されるリール駆動モータ65を駆動するための駆動信号に基づき駆動する。さらに、リールユニット60には、リール62上の図柄61を照らすためのバックランプ67が設けられている。
前記リールユニット60のバックランプ67は、リールユニット60の内部に配置されてLEDを発光させることによりリール62を種々の色の光で照らすためのものである。
【0046】
前記図柄表示窓部16の下方には、クレジットメダルの貯留枚数を表示するクレジット表示器87と、このクレジット表示器87の左側に配置され、遊技機10から払い出されたメダルの総数を表示する払出枚数表示器88とが設けられている。これらの表示器は、2個の7セグメントLED表示器で構成されている。7セグメントLED表示器は、10進法のアラビア数字等の1文字を表現するために、それぞれ個別に点灯・消灯が可能な7つのセグメント(LED)から構成されているものである。2個の7セグメントLED表示器を有することにより、クレジット表示器87は2桁の貯留枚数、払出枚数表示器88は2桁の払出枚数が表示可能になっている。
【0047】
前記前扉14の下部には下パネル22が設けられている。そして、前扉14には下パネル22の上部に位置して前扉14の前方向へ向けて突出する操作部30を備えている。
本実施の形態に係る遊技機10には、遊技開始の条件として投入するためのメダルを後述するメダル投入口38からあらかじめ投入して、最大50枚までクレジットメダルとして内部に貯留可能なクレジット機能(投入枚数を電子データとして電子的に記憶し管理する機能)を有している。なお、このクレジットメダルとして貯留可能な最大枚数である50枚を最大クレジットメダル数とする。
前記操作部30の上面右側には、遊技媒体としてのメダルを投入するためのメダル投入口38が設けられている。
【0048】
筐体12内部であって、前記メダル投入口38の近傍には、メダル投入口38に投入されたメダルが正規のものか否かを選別して、正規のメダルのみをホッパーユニット24に導くメダルセレクタ17が設けられている。このメダルセレクタ17には、メダル投入口38に投入されたメダルを1枚ずつ検出する投入センサ92が設けられている。なお、この投入センサ92は、3つのセレクターセンサ(図示せず)が通路に設けられている。投入されたメダルは、3つのセレクターセンサの順序及び所定の範囲の時間の間隔(タイミング)で検知するように配置されている。
【0049】
なお、筐体12内部には図示しないメダル通路が設けられており、メダルセレクタ17において非正規のメダルとして排除されたメダルや、ホッパーユニット24から払い出されたメダルが、このメダル通路を通過して後述するメダル払出口28から払い出される。
具体的には、メダルセレクタ17には、特に図示していないが、電磁石を用いたキャンセルコイルの作動により、メダル投入口38から投入されたメダルをホッパーユニット24内に貯留させる通路と、メダル払出口28から後述するメダル受け皿26へ進ませる通路との切り換えが可能に形成されている。これにより、メダル投入口38から投入されたメダルをクレジットメダルとして貯留するか、メダル受け皿26へ払い出すかの切り換えをすることができる。
【0050】
メダル投入口38の下方には、クレジット機能によりクレジットしたメダルの全てを払い出すための精算スイッチ36が設けられている。
【0051】
前記操作部30の中央には、操作により対応するリール62の回転を停止させるため、3個のリール62のそれぞれに対応する3個のストップスイッチ50が設けられている。このストップスイッチ50は、左リール64を停止させるための左ストップスイッチLと、中リール66を停止させるための中ストップスイッチCと、右リール68を停止させるための右ストップスイッチRとを有している。すなわち、これらのストップスイッチ50は、複数のリール62それぞれに対応して設けられ、複数のリール62の図柄61の変動表示の開始後、遊技者の操作によりリール62の図柄61の変動表示を個別に停止させるためのものである。
【0052】
このストップスイッチ50の左側には、メダルの投入又は後述するベットスイッチ32の操作を条件にリール62の回転を開始させるためのスタートスイッチ40が設けられている。すなわち、このスタートスイッチ40は、遊技者の操作によりリール62の図柄61の変動表示を開始させるためのものである。
【0053】
このスタートスイッチ40の上方には、貯留されたクレジットメダルから投入されたメダル数(クレジットされたメダル数)から最大投入枚数(具体的には3枚)に達するまで投入可能なメダル数を減じて3枚のメダル投入に代えるマックスベットスイッチ34と、クレジットしたメダル数から1枚のメダル数を減じて1枚のメダル投入に代えるシングルベットスイッチ35とが設けられている。
【0054】
マックスベットスイッチ34の右側には、所定の演出において遊技者が操作可能な演出用ボタンスイッチ42が設けられている。
前記前扉14の裏側には、扉開閉用スイッチ19、設定変更スイッチ46、設定表示器89などが配置されている(
図3参照)。
【0055】
扉開閉用スイッチ19は、筐体12側に設置されているものであって、前扉14が閉じているか否かを検知するための扉センサである。この扉開閉用スイッチ19は、前扉14が閉塞している場合に、前扉14の背面と扉開閉用スイッチ19の前面とが近接することで接触センサによりオン状態(ON状態)となり、前扉14が開放するに従って、前扉14の背面が扉開閉用スイッチ19の前面から離間して接触センサによりオフ状態(OFF状態)となる。もちろん、接触センサに限定されるものではなく、光センサや磁気センサ等により前扉14の開閉を検知するようにしてもよい。
設定変更スイッチ46は、後述する電源ユニット43の設定キースイッチ45と共に設定変更を行うためのものである。なお、この設定変更スイッチ46は、前扉14の背面に設けられているが(特に図示せず)、後述するリセットスイッチとしても兼用される。
【0056】
設定表示器89は、7セグメントの小型のLEDにより、当選確率の後述する設定値(具体的には、1〜6の6段階)を設定する際に、当該設定値を表示するものである。設定表示器89には、当該遊技機10の設定値が表示されるが、外部から視認できないようにすべく、筐体12の内部、詳しくは、前扉14の背面に設けられており、設定値の設定後、その表示は解除される。
【0057】
前記前扉14の下部に相当する筐体12の内部には、メダルを貯留することができるとともに、メダルを払い出すことができるホッパーユニット24と、各部品に電力を供給するための電源ユニット43とが配置されている(
図3参照)。
この電源ユニット43には、電源投入又は電源遮断のための操作が可能な電源スイッチ44と、設定変更処理のための設定キースイッチ45とが設けられている。
【0058】
このホッパーユニット24には、その駆動によりメダルをメダル払出口28に向けて払い出すホッパーモータ95と、ホッパーユニット24の出口に設けられ、メダル払出口28に払い出されたメダルを1枚ずつ検出する払出センサ94と、ホッパーユニット24のメダルタンクから溢れたメダルを収納するための補助タンクの近傍に設けられ、補助タンク内のメダルが満杯になったことを検出して後述するメイン制御手段200へ信号を出力するオーバーフローセンサ96とが設けられている。
【0059】
なお、特に図示していないが、払出センサ94は、払出センサAと、払出センサBとの2つが所定距離を開けて配置されてある。正常な状態でのメダル通過時のタイミングチャートでは、ホッパーモータ95が駆動中(オン状態)のときに、両センサがオン状態に移行可能になっている。
【0060】
前記前扉14の下部には、所定の場合にホッパーユニット24からメダルが払い出されるメダル払出口28が形成されている。このメダル払出口28の下方には、メダル払出口28から払い出されたメダルを貯留するため、上方に向かって開口する皿状のメダル受け皿26が形成されている。なお、クレジットされているメダル数が最大クレジットメダル数である50枚未満の場合は、50枚に到達するまで、獲得したメダルはメダル払出口28から払い出されずにクレジットメダルの枚数に加算される。
【0061】
本実施の形態に係る遊技機10は、マックスベットスイッチ34やシングルベットスイッチ35の操作又はメダル投入により所定枚数(具体的には、3枚)のメダルを投入することにより遊技の開始を可能とするものである。そして、スタートスイッチ40の押下操作により、リール62の回転を開始させて遊技が開始されるとともに、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの役抽選が行われる。そして、当該遊技機10は、各リール62に対応するストップスイッチ50の操作タイミング及び役抽選の結果に基づいて、リール62の回転を役抽選の結果に適合するように停止させる。当該遊技機10は、停止時の図柄61の組み合わせによって、当選した役を構成する図柄61の組み合わせが所定の有効なライン(所定の役の図柄61の組み合わせが当該ライン上に揃ったときに所定の利益が付与されるラインのことであり、以下、有効ライン86とする。)上に停止した場合に、入賞等となり、所定枚数のメダルを払い出す等の所定の利益を遊技者に付与する。これにより、1回の遊技が終了するものである。
【0062】
この有効ライン86は、具体的には3個のリール62にそれぞれ表示されている図柄61のうち図柄表示窓部16から視認可能な図柄61を各リール62につき1個ずつ繋いでできる、複数のリール62の全てを貫くライン(途中で折れ曲がりも可)のうち、入賞等するために有効となる図柄61の組み合わせの並びを規定したラインである。このラインは、規定の賭け数(予め定められた数であって本実施の形態では3)のメダルをベットすることにより有効ライン86になる。本実施の形態の有効ライン86は、左リール64と中リール66と右リール68との中段を結んだ1本のみからなるものである。
【0063】
図2に示すように、左リール64、中リール66及び右リール68の表面には、「赤7、青7、バー(BAR)、ブランク(BL)、スイカ(WM)、チェリー(CH)、リプレイ1(RP1)、リプレイ2(RP2)、ベル1(BE1)、ベル2(BE2)」の複数の種々の図柄61が形成されている。
そして、特に図示していないが、これらの図柄の所定の組み合わせが複数種類の役に対応して設けられている。
これらの図柄61は、それぞれの絵柄がプリントされたテープをリール62の外周表面に貼付することで形成されている。なお、
図2の図柄61の図柄番号(コマ番号)は、リール62の外周表面に物理的に付されているものではなく、仮想的な番号であって、各図柄61の停止を制御するためのプログラムで特定の図柄61を指定するためのものである。
【0064】
前記前扉14には、遊技者に役抽選の当選等の種々の情報を音や光や映像等で報知させるための演出装置70が形成されている。この演出装置70は、後述するサブ制御手段300に基づいて演出を行う演出実行手段であって、スピーカー72と、演出用ランプ78と、表示装置84とを備えている。
【0065】
前記スピーカー72は、前扉14の上部左右に配置された上部スピーカー74と、前扉14の下部左右に配置された下部スピーカー76とを備えている。
【0066】
前記演出用ランプ78は、前扉14の上部に配置された上部ランプ80と、前扉14の下部の左右に配置された下部ランプ82とを備えている。
【0067】
前記表示装置84は、その画面に種々の映像を表示するための液晶表示装置である。
【0068】
図3に示すように、遊技機10の内部には、遊技機10の全体の動作を制御するための制御装置100が形成されている。この制御装置100は、遊技を進行させて遊技状態(遊技の進行)を制御するメイン制御手段200(メイン制御基板や、メイン制御装置ともいう)と、このメイン制御手段200から送信される情報(コマンド)を受けて、遊技の進行に応じた演出を制御し、主に遊技内容に関する情報を遊技者に報知する演出を行うための制御を行うサブ制御手段300(サブ制御基板や、サブ制御装置ともいう)とを備えている。
【0069】
なお、メイン制御手段200とサブ制御手段300との間は、メイン制御手段200への不正操作を防止するために、メイン制御手段200からサブ制御手段300への一方向の通信により行われ、サブ制御手段300からメイン制御手段200への逆方向の通信は行われていない(すなわち双方向の通信ではない)。メイン制御手段200は、投入センサ92、ベットスイッチ32、スタートスイッチ40、ストップスイッチ50、設定変更スイッチ46、精算スイッチ36、扉開閉用スイッチ19、電源スイッチ44、設定キースイッチ45、リール位置センサ63、払出センサ94、オーバーフローセンサ96の入力を受け付け、役抽選を行い、リールユニット60、ホッパーユニット24、外部集中端子板18、設定表示器89、クレジット表示器87及び払出枚数表示器88の作動を制御する。サブ制御手段300は、演出用ボタンスイッチ42、メイン制御手段200から信号を入力し、表示装置84等の演出装置70の作動を制御する。サブ制御手段300の出力側には、演出装置70としての表示装置84、スピーカー72、演出用ランプ78、バックランプ67の各パーツが接続されている。
【0070】
なお、特に図示していないが、メイン制御手段200を有するメイン制御基板と、サブ制御手段300を有するサブ制御基板とは、それぞれ専用の基板ケースの内部に収納されている。具体的には、メイン制御手段200のメイン制御基板は、メイン基板ケースの内部に収納され、サブ制御手段300のサブ制御基板は、サブ基板ケースの内部に収納されている。そして、メイン基板ケースは、筐体12内部の奥側の上部に固定され、サブ基板ケースは、筐体12内部の正面から向かって左側に固定されている。
【0071】
メイン制御手段200及びサブ制御手段300は、CPU、ROM、RAM、I/Oポート(図示せず)を備えたマイクロコンピュータにより構成される。CPUは、タイマ割込などの割込機能を持ち、ROMに記憶されたプログラムを実行して、種々の処理を行う。ROMは、CPUが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶し、RAMは、CPUがプログラムを実行する際の一時的な記憶領域、例えば遊技機10の状態を記憶するための記憶領域や、役抽選の抽選結果を記憶するための記憶領域として使用される。
【0072】
本実施の形態に係る遊技機10では、通常に行われる通常遊技が設けられている。この通常遊技よりも再遊技役(リプレイ役)の当選の確率が高く(或いは低く)設定されているリプレイタイム(RT)遊技が設けられている。さらに、メイン制御手段200では、ボーナス移行役に入賞することにより実行されるボーナス遊技が設けられている(
図6参照)。これらの遊技は、メイン制御手段200により制御される。
【0073】
また、演出状態としてストップスイッチ50の押し順や当選図柄61等を報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストをするアシストタイム(AT)状態が設けられている。また、通常の演出状態(いわゆる通常演出状態)からAT状態へ移行する際には、通常演出状態からAT状態に当たっているかもしれないという期待感を持たせるための演出が行われる前兆演出状態へ移行する。この前兆演出状態からAT状態への移行が確定しており、リプレイ確率を変動させるための所定の昇格リプレイ役(特に図示せず)の入賞(昇格リプレイ役に係る図柄の組み合わせの停止表示)を待つ状態であるAT準備中状態へ移行し、当該昇格リプレイ役の入賞によりAT状態(詳しくは、AT状態かつリプレイ高確率状態のART状態)へ移行することになる(
図7参照)。
【0074】
また、筐体12内部の正面から向かって右側には、外部集中端子板18が設けられている。
外部集中端子板18は、遊技データを遊技機10外部に出力させるものであり、メイン制御手段200と配線される接続端子(コネクタ)や、外部機器(図示省略)と配線される接続端子(コネクタ)が設けられた端子板である。また、外部集中端子板18は、図示しないが、遊技島設備(例えばデータ機器)や遊技ホールのホール管理者が管理するホールコンピュータに接続されている。
なお、外部集中端子板18は、次の情報に関する信号を出力しているものである。
(1)再遊技役(リプレイ役)の当選に関する情報
(2)メダル投入に関する情報
(3)メダル払出に関する情報
(4)ボーナス遊技に関する情報
(5)AT状態に関する情報
(6)エラーに関する情報
(7)設定値の変更の有無に関する情報
(8)前扉14の開閉状態に関する情報
つまり、小役に関する情報は、外部へ出力されていないものである。
【0075】
図4に示すように、メイン制御手段200は、役抽選手段210、リール制御手段220、停止図柄判定手段230、払出制御手段240、遊技制御手段250、演出状態制御手段260、設定値選択手段265、抽選値記憶手段270及び送信手段290の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。なお、上述した手段(例えば、演出状態制御手段260等)は、メイン制御手段200ではなく、サブ制御手段300が有しても良いし、又、メイン制御手段200とサブ制御手段300との両方に分けて有するようにしても良い。
【0076】
以上の構成をもって、メイン制御手段200は、役の抽選を行い、リール62の回転及び停止を制御し、リール62が全て停止したときに停止図柄61の判定を行い、遊技の進行を行う手段として機能することとなる。
メイン制御手段200は、遊技を制御するためのものであって、遊技を進行させるためのものである。以下、本実施の形態における遊技について説明する。
【0077】
規定の賭け数(3枚)が設定されると、1本の有効ライン86(
図1参照)が設定される。なお、本実施の形態に係る遊技機10は、規定の賭け数として3が設定されている。賭け数を設定する方法には、メダル投入口38からメダルを投入する方法と、マックスベットスイッチ34又はシングルベットスイッチ35を操作することによってクレジットメダルを賭け数として設定する方法とがある。そして、規定の賭け数(3枚)が設定されていることを条件に、スタートスイッチ40を操作すると、賭け数が確定し、役抽選手段210により、複数の役のいずれかに当選したか又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、前回の遊技でのリール62の回転開始時から所定の時間(本実施の形態では、4.1秒)が経過しているか否かが判定され、所定の時間が経過すると、3個全てのリール62の回転が開始する。
【0078】
役抽選手段210は、メイン制御手段200が備える手段であり、スタートスイッチ40の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選(役抽選)を行うためのものである。
後述する抽選値記憶手段270は、役に当選したか否かを決定するための抽選テーブルを、設定値及び遊技状態(通常遊技、ボーナス遊技、ボーナス内部中等)にそれぞれに対応して複数備えており、メイン制御手段200のROM上に記憶している。
役抽選手段210は、この後述する抽選値記憶手段270が記憶した予め定めた抽選データと、所定範囲の整数値を繰り返してカウントするループカウンタを有する所定の乱数発生手段(乱数発生回路)が発生した乱数のうちから抽出した乱数とを比較して、当選か否かを判定する。なお、役抽選手段210による役抽選処理は、後述するステップ131(
図22参照)において行われる。
【0079】
役抽選手段210の役抽選に用いる当選確率は、後述する抽選値記憶手段270により、予めプログラムされた範囲内で遊技ホールの管理者により変更可能に形成されている。具体的には、その当選確率を規定するための値である設定値を変更するための筐体12内部の設定キースイッチ45を操作することにより、複数の設定値(具体的には、1〜6の6個)のうちいずれか1つの特定の設定値を選択することで前記当選確率の変更が可能となる。
本実施の形態では、1〜6の6個の設定値が設けられ、設定値の数値が高くなるほど、当選確率が高くなって遊技者に対して有利になり得るように規定されている。なお、設定値の数値が高くなるほど、全ての役の当選確率が必ずしも高くなることに限定されるものではなく、設定値の数値が高くなるほど、一部の役の当選確率は高くなるが、他の一部の役の当選確率は同一であってもよい。さらに、設定値の数値が高くなるほど、他の一部の役の当選確率は、低くなるが、全ての役全体として遊技者の利益を考慮すると遊技者に対して有利となるように設定されているようなものでもよい。
また、設定値は、上述したような6段階以外にも、例えば「1・3・6」「2・4・6」「1・6」の様に、2段階や3段階など複数の段階であれば良いものである。
また、設定値は、例えば、設定値1、設定値2、・・・、設定値6のように数値が高い設定値になるほど、所定の役(例えばボーナス移行役)の当選確率は高くなるが、AT状態への移行抽選の当選確率が低くなる(共通になる)ようにしても良いものである。
【0080】
本実施の形態では、役抽選手段210により抽選される役として、大別すると、小役(メダルの払出しを伴う役)、再遊技役(遊技者所有のメダルを使用することなく次回の遊技を開始可能とする役、いわゆるリプレイ役)、ボーナス移行役(遊技状態の移行を伴う役)が設けられている。
本実施の形態では、小役として6種類の小役A〜Eが含まれている。通常遊技における設定値1〜6の各設定値での小役A〜Eの役抽選における当選確率が予め定められている(
図10参照)。
【0081】
具体的には、小役には、ストップスイッチ50の押し順が予め定められた順番で操作された場合に入賞となるAT役が含まれ、当該予め定められた順番で操作されない場合はAT役こぼし図柄が停止表示される。
また、再遊技役には、ストップスイッチ50の押し順が予め定められた順番で操作された場合に入賞となる押し順リプレイ役(図示せず)が含まれ、所定の遊技状態において当該押し順リプレイ(図示せず)が当選し当該予め定められた順番で操作された場合に、RT2移行図柄(先の昇格リプレイ役に係る図柄)が停止表示され、当該予め定められた順番で操作されない場合は転落リプレイ図柄(図示せず)が停止表示される。
さらに、具体的に説明すると、特に図示していないが、AT状態への移行に係るAT抽選役として、チェリー役が設けられている。また、通常リプレイ役と、昇格リプレイ役と、転落リプレイ役とが設けられている。
昇格リプレイ役は、昇格リプレイ図柄(又は、RT2移行図柄)が停止表示されることで成立する。転落リプレイ役は、転落リプレイ図柄(又は、RT1移行図柄)が停止表示されることで成立する。
また、本実施の形態では、役抽選の結果として、通常リプレイ役と昇格リプレイ役とが同時に当選している「昇格リプレイ」が得られるように形成されている。また、役抽選の結果として、通常リプレイ役と転落リプレイ役とが同時に当選している「転落リプレイ」が得られるように形成されている。「昇格リプレイ」は、RT1のときに抽選結果として得られ、RT0・RT2のときには抽選結果として得られないように形成されている。
「転落リプレイ」は、RT2のときに抽選結果として得られ、RT0・RT1のときには抽選結果として得られないように形成されている。
抽選結果が「昇格リプレイ」である場合、押し順によって、通常リプレイ役か、昇格リプレイ役が、成立するように形成され、昇格リプレイ役が成立した場合には、RT2へ移行するように形成されている。
また、抽選結果が「転落リプレイ」である場合、押し順によって、通常リプレイ役か、転落リプレイ役が、成立するように形成され、転落リプレイ役が成立した場合には、RT1へ移行するように形成されている。
【0082】
なお、ここで、上述した役抽選手段210は、後述する設定値選択手段265により選択された特定の設定値(設定値1〜6)に対応する抽選値情報(各設定値に対応する当選確率を格納している役抽選用の抽選テーブル)に基づいて、特定の事象(役の当選)を発生させるか否かを決定する特定抽選(役抽選)を実行する特定抽選手段211としての役割を有するものである。
【0083】
本実施の形態では、特定抽選手段211は、上述した役抽選手段210であって、設定値に対応する抽選テーブルで役抽選を行うものであるが、これに限定されるものではない。例えば、特定抽選手段211は、通常遊技から通常遊技よりも有利な特殊遊技(ATやART)へ移行するための移行抽選を行うような移行抽選手段であってもよいものである。また、この特定抽選手段211は、通常遊技等から所定の演出が行われる前兆演出状態や、遊技者に対して何らかの利益が付与されているようなチャンスゾーン(CZ)状態へ移行するか否かを抽選で決定するようなものであってもよい。また、この特定抽選手段211は、通常の状態とは異なる特殊な事象の発生に当選するか否かの特定抽選を行うようなものであってもよい。
【0084】
リール制御手段220は、メイン制御手段200が備える手段であり、各リール62の回転を停止させるためのものである。リール制御手段220は、役抽選手段210の抽選結果と、各ストップスイッチ50が操作されたときの対応するリール62の回転位置とに基づいて、各リール62の回転を停止させる。なお、リール制御手段220は、必要に応じて各ストップスイッチ50が停止操作されるときの順番(押し順)が所定の条件に適合しているか否かも停止させる条件にする場合がある。リール制御手段220による処理は、後述するステップ135(
図22参照)において行われる。
【0085】
停止図柄判定手段230は、メイン制御手段200が備える手段であり、全てのリール62が停止した際における有効ライン86上の図柄61の組合せを記憶するとともに入賞等の判定をするためのものである。なお、停止図柄判定手段230による処理は、後述するステップ137(
図22参照)において行われる。
【0086】
払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定結果に基づいて、メダル払出等の所定の処理を行うためのものである。払出制御手段240は、停止図柄判定手段230の判定の結果、小役が入賞していると判定されるとメダルの払出しを行う。
遊技制御手段250は、遊技状態を制御するものである。
具体的には、遊技制御手段250は、
図4に示すように、大別すると、通常遊技制御手段251、RT制御手段252、ボーナス遊技制御手段253及びボーナス内部中制御手段254の各手段を有する。
【0087】
通常遊技制御手段251は、通常遊技の進行を制御するものである。ここで、通常遊技は、後述するRT制御手段252によるRT遊技(リプレイタイム遊技)や、ボーナス遊技制御手段253によるボーナス遊技以外の遊技状態をいい、RT0及びRT1を含む(
図6参照)。
【0088】
RT制御手段252は、RT遊技の進行を制御するものである。ここで、RT遊技は、RT2を含む(
図6参照)。
【0089】
ボーナス遊技制御手段253は、ボーナス遊技を制御するものである(
図6参照)。
ボーナス遊技は、ボーナス内部中にボーナス移行役の図柄を有効ライン86上に揃えることで移行し、いわゆるRBが連続作動し、所定の枚数、本実施の形態では、200枚を超えるメダルの払出しで終了し、RT0に移行する。
ボーナス内部中制御手段254は、ボーナス内部中遊技を制御するものである。このボーナス内部中遊技は、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応した図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行する。そして、このボーナス内部中にボーナス移行役の図柄を有効ライン86に揃えることで終了する(ボーナス遊技へ移行する)ものである。
【0090】
演出状態制御手段260は、演出状態を制御するためのものである。演出状態には、大別して、AT状態と、AT準備中状態と、非AT中状態(通常演出状態、前兆演出状態)と、ボーナス状態とがある(
図7参照)。
AT状態は、停止操作順番を報知する、いわゆるアシストを行う状態である。
AT準備中状態は、非AT中状態の前兆演出状態からAT移行が確定しており、リプレイ確率を変動させるための昇格リプレイ役(図示せず))の入賞を待つ状態である。このAT準備中状態では、前記昇格リプレイ役の入賞によりAT状態(詳しくは、AT状態かつリプレイ高確率状態のART状態)へ移行する。なお、本実施の形態ではAT準備中状態中から、停止操作順番を報知する、いわゆるアシストが行われる。
非AT中状態は、停止操作順番を報知しない状態である。この非AT中状態では、通常の演出状態(いわゆる通常演出状態)と、この通常演出状態からAT状態へ当たっているかもしれないという期待感を持たせるための演出が行われる前兆演出状態とが設けてある。
【0091】
なお、この前兆演出状態は、チェリー等のAT抽選役に当選し、AT非当選である場合に、ATに当選している可能性を示唆するガセ前兆演出と、AT当選である場合に、ATに当選している可能性を示唆する本前兆演出とを備えている。
【0092】
この演出状態制御手段260は、非AT中状態において、チェリーなどのAT抽選役に当選し、更に、AT状態へ移行するか否かの抽選を行って、当該抽選に当選することでAT状態へ移行可能となるようにしているが、AT移行の条件は、もちろん当該内容に限定されるものではない。例えば、AT抽選役に当選すれば、AT移行に係る抽選の結果にかかわらず(AT移行に係る抽選を経なくても)AT状態へ移行することが確定するようにしてもよい。また、所定のAT抽選役に複数回当選することや、所定のポイント抽選を行い、ポイント数の合計が所定の閾値に到達することにより、AT状態へ移行できるようにしてもよい。
【0093】
本実施の形態に係る遊技機10では、通常演出状態よりも多くの特典(利益)を付与可能な特別状態としてのアシストタイム(AT)状態を備えている。AT状態とは、ストップスイッチ50の停止操作順番や当選図柄等を報知することによって役に係る図柄61の組み合わせを有効ライン86上に揃って停止させるためのアシストが可能な状態である。
【0094】
AT状態は、演出状態が当該AT状態に移行すると、当選した小役の押し順が報知される遊技が開始され、報知された押し順に従ってストップスイッチ50を操作することで、当選した小役の図柄の組み合わせを停止表示させることができる。このため、成立した小役に対応する所定枚数のメダルが払出される。また、AT状態は、本実施の形態では、メイン制御手段200側で制御され、このとき、メイン制御手段200側のRT制御手段252で制御される「RT遊技」に移行すると、「ART」状態となる。「ART」状態は、「RT遊技」で、且つ「AT遊技」の遊技状態をいう。
【0095】
また、AT状態は、本実施の形態では、初期ゲーム数として50ゲームの遊技が可能に設定されており、実施したゲーム数が当該50ゲームに到達した場合に、「AT状態」を終了するように設定されている。もちろん、AT状態の終了条件は、これに限定されるものではなく、所定の払出枚数に到達した場合に終了する等、他の種々の条件や、それらの組み合わせにしてもよいものである。
【0096】
なお、AT状態を制御するのは、メイン制御手段200の演出状態制御手段260であるが、これに限定されるものではなく、サブ制御手段300で制御するようにしてもよい。また、部分的に一部の手段を他の制御装置で制御し、両方の制御装置に跨がって制御するようにしてもよい。
【0097】
また、AT状態は、予め所定の終了条件が定められていても、さらに所定の契機で所定の上乗せ抽選等を実施することにより、終了遊技回数の上乗せ等を決定することで、終了条件の変更が可能となるようにしてもよい。
【0098】
設定値選択手段265は、予め設定された複数種類の設定値(具体的には、設定値1から設定値6までの6段階)から外部操作(具体的には、設定キースイッチ45や、設定変更スイッチ46の所定の手順による操作)により特定の設定値を選択可能なものである。
具体的には、 設定値選択手段265は、扉センサ(扉開閉用スイッチ19)がON状態(前扉14が閉状態)でない、すなわち前扉14が開放状態であると判定され、さらに、設定変更処理用の開始スイッチ(具体的には、設定キースイッチ45)が操作されてON状態であると判定された場合、設定変更処理が可能な状態へ移行する。設定値選択手段265は、不正対策として安全性を高めるために、前扉14が開放状態であって、且つ、設定キースイッチ45がON状態でないと、設定変更処理に移行しないようになっている。
【0099】
さらに、設定値選択手段265は、この設定変更処理が可能な状態において、設定変更スイッチ46がオン状態に操作されると、設定値を更新する。設定値の更新は、具体的には、設定値1〜5では、1が加算され、設定値6では、設定値1へ移行する。この設定値の更新は繰り返し操作することにより、さらに次の数値の設定値への移行が繰り返される。
この設定変更処理が可能な状態において、設定値選択手段265は、スタートスイッチ40のオン状態が検知されたか否かを判定し、検知されたと判定された場合に、さらに、設定キースイッチ45がオフ状態になることで、設定値を確定する。
ここで、設定値の変更作業が可能となる設定変更状態について以下に説明する。
一般的に、前扉14を開放した遊技ホールのホール管理者が設定値の変更に係る作業を行う。
設定キースイッチ45は、オン状態(ON位置)と、オフ状態(OFF位置)と、へ切り替え可能に形成されている。
電源スイッチ44をオン状態(電源投入)にしたときに、設定キースイッチ45がオン状態(ON位置)にあると、設定値の変更処理(設定変更処理)が可能な状態(設定変更状態)へ移行するように形成されている。設定キースイッチ45をオフ状態(OFF位置)へ戻すことで、設定変更状態が解除されて設定値の変更が不能となり、通常の遊技が実行可能となる。 設定した設定値は、電源スイッチをOFF(電源遮断)にしても、バックアップ機能(電源)によって、記憶保持されるように形成されている。この記憶保持された設定値は、電源スイッチ44をオン状態(ON位置)にするときに読み出され、設定変更状態へ移行しなければ、そのまま読み出した設定値が採用されるように形成されている。設定変更状態へ移行したときには、読み出した設定値が、設定変更作業時の初期値となるものである。
【0100】
抽選値記憶手段270は、特定の抽選確率を規定する抽選値情報(役抽選の当選確率)を複数種類の設定値(具体的には、1〜6)毎に記憶するためのものである。さらに、抽選値記憶手段270は、各設定値(具体的には、1〜6)毎に、異なる遊技状態毎の抽選値情報(役抽選の当選確率)を記憶している。この異なる遊技状態とは、通常遊技や、ボーナス遊技や、ボーナス内部中等の各遊技状態を意味する。
【0101】
送信手段290は、サブ制御手段300へ信号(コマンド)を送信するためのものである。
送信手段290は、複数種類の設定値の中から選択された特定の設定値に対応する抽選確率を用いて実行された役抽選の抽選結果に関する情報をサブ制御手段300の受信手段310へ送信する。
また、AT状態のときに役抽選手段210によりAT役に当選したときに、送信手段290は、AT役に対応する有利な操作手順を特定可能な操作手順特定コマンド(AT役の停止操作順番に関するコマンド)を受信手段310へ送信する。
なお、本実施の形態では、メイン制御手段200にて設定されている具体的な設定値を特定するための情報は、例えば送信経路(ハーネス等の伝送路)の途中で設定値の情報を抜き取るような不正行為(いわゆるゴト行為)を防止するため、サブ制御手段300へ送信していない。
【0102】
サブ制御手段300は、
図5に示すように、受信手段310、演出実行制御手段320、推測手段330(計数手段340、推測設定値決定手段350)及び出力情報決定手段360の各手段を有する。各手段の詳細については後述する。
【0103】
以上の構成をもって、サブ制御手段300は、メイン制御手段200からの信号を受けて、遊技の進行に伴う演出を行うものである。
【0104】
具体的には、サブ制御手段300は、ランプ78を駆動するためのLED駆動回路(図示せず)に対してLEDの点灯や消灯を規定するデータを出力したり、スピーカー72から音を出力するための音声出力回路(図示せず)に対して出力する音声を規定するデータを出力したり、表示装置84を駆動するための液晶制御基板(図示せず)に対して出力する映像データを規定するデータを出力したりする。
【0105】
さらに、サブ制御手段300は、推測手段330が推測した設定値(推測設定値)を示唆する情報を演出装置70、特に表示装置84に出力する。
本実施の形態では、電源が投入された際、設定値を変更する設定変更処理が実施されずに、設定値が変わらない「設定据え置き」である場合には、前営業日から据え置かれた現在の設定値(具体的には、推測設定値)を示唆する情報であるアトラクト映像としての後述するアトラクト画面A〜Fのいずれかを表示装置84に出力する。
【0106】
受信手段310は、送信手段290から送信された信号(コマンド)を受信するものである。
【0107】
演出実行制御手段320は、表示装置84により行われる表示演出を実行するためのものである。
演出実行制御手段320は、役抽選の結果に基づく当選役に応じた演出や、通常遊技状態、RT遊技状態、ボーナス遊技状態等の各遊技状態に応じた演出や、停止操作順番を報知するための演出等を行う。これらの演出は、それぞれ複数設けられており、演出実行制御手段320は、抽選により所定の演出を選択するとともに選択した演出を演出装置70を介して実行する。
【0108】
AT状態のときに役抽選手段210により特定役(AT役)に当選したときに、演出実行制御手段320は、受信手段310により受信した操作手順特定コマンド(AT役の停止操作順番に関するコマンド)から当該有利な操作手順を特定するとともに、表示装置84により当該有利な操作手順が特定可能となる演出を行う操作手順演出実行状態とする。
【0109】
演出実行制御手段320は、推測手段330が推測した設定値を示唆する情報、具体的には、推測設定値を示唆する画面を遊技が行われていない待機状態において、いわゆるアトラクト画面として、表示装置84に表示する。
【0110】
推測手段330は、複数の遊技において特定の役(特定役)の所定回数(規定回数)の連続当選を達成するまでの遊技回数(連続判定遊技回数)により特定の設定値を推測するためのものである。
この推測手段330は、計数手段340と、推測設定値決定手段350とを備えている。
ここで、複数種類(1〜6の6種類)の設定値に対する特定の当選確率間(具体的には、設定値毎における特定役としての小役Cの当選確率の間)には、所定の当選確率の差(いわゆる初期設定差)が設けられている。
計数手段340は、特定役の当選等の特定の事象の発生を示す情報(特定情報)における特定の事象の連続発生に基づいて認識される遊技回数(具体的には、連続判定遊技回数)を用いることで、各設定値の前記特定の事象の当選確率の差となる初期設定差よりも、認識される遊技回数の差が拡大することで確率の差が広がるように計数するためのものである。
【0111】
具体的には、計数手段340は、3つのパラメータを所定条件が満足した場合にカウントし、そのカウントした数値を記憶するものである。この3つのパラメータは、(1)特定小役カウンタと、(2)連続判定カウンタと、(3)連続判定遊技回数カウンタとである。
【0112】
特定小役カウンタは、予め定めた特定役、具体的には、小役Cが連続して2回当選したか否かをカウントするためのものである。計数手段340は、小役Cに当選した場合に、特定小役カウンタに1を加算し、小役Cに当選していない場合に、特定小役カウンタを0に設定するものである。小役Cに連続して当選した場合、この特定小役カウンタは2以上の数値となり、連続当選と判定される。
【0113】
連続判定カウンタは、特定役としての小役Cに2回連続して当選した回数をカウントするためのものである。特定小役カウンタが2以上の数値へ加算されたとき、計数手段340は、小役Cの連続当選と判定し、連続判定カウンタに1を加算するものである。この連続判定カウンタの値が規定回数の10回に到達するまでの遊技回数(連続判定遊技回数カウンタの値)で、設定値を判定することになる。
【0114】
連続判定遊技回数カウンタは、電源投入後に設定変更が実行されたときからの遊技回数をカウントするものであって、そのタイミングから連続判定カウンタが規定回数の10回に到達したときの遊技回数、すなわち設定変更から小役Cの連続当選が10回発生するまでの遊技回数を採取するためのものである。計数手段340は、電源投入後に設定変更が実行されると、遊技を実行するごとに連続判定遊技回数カウンタに1を加算する。
【0115】
推測設定値決定手段350は、計数手段340による設定変更から小役Cの2回連続当選が規定回数10回に到達したときの遊技回数である連続判定遊技回数カウンタの数値を用いて、予め定めた設定値推測用テーブル(
図13参照)により、推測設定値を決定するためのものである。連続判定遊技回数カウンタによる小役Cの連続当選が規定回数の10回に到達したときの遊技回数となる数値が、
図13の連続判定遊技回数のいずれの遊技回数の範囲に該当するかによって、推測設定値が1〜6から決定される。
【0116】
出力情報決定手段360は、推測設定値決定手段350により決定された推測設定値に基づいて、当該遊技機10が遊技を行っていない状態において表示装置84に表示させる待機画面、いわゆるアトラクト画面(画面A〜F)の種類を抽選により決定するためのものである。このアトラクト画面A〜Fは、電源投入時に設定変更処理が行われていない場合、推測設定値を示唆可能なものである(
図8参照)。
【0117】
出力情報決定手段360は、アトラクト画面として画面A〜Fの中から抽選で1つの画面を決定するための当該抽選用の当選確率を記憶している抽選テーブルとしてアトラクト抽選テーブルを有している。このアトラクト抽選テーブルには、電源投入時に設定変更処理が行われた場合に用いる設定変更用アトラクト抽選テーブルと、電源投入時に設定変更処理が行われず、設定値がそのまま据え置かれた場合に用いる設定据え置き用アトラクト抽選テーブルとの2種類のアトラクト抽選テーブルがある。
【0118】
設定据え置き用アトラクト抽選テーブルで決定されるアトラクト画面には、画面A、画面B、画面C、画面D、画面E、画面Fが設けてあり、推測設定値を示唆するように発生可能な抽選確率が設定されている(
図8参照)。
【0119】
推測設定値の示唆について、以下に具体的に説明する(
図8参照)。
画面Aは、設定値1や設定値2の設定値として低い数値が設定されている可能性が高いことを示唆するものであって、「低設定の示唆」となるものである。
画面Bは、設定値3や設定値4の設定値として中程度の数値が設定されている可能性が高いことを示唆するものであって、「中設定の示唆」となるものである。
画面Cは、設定値5や設定値6の設定値として高い数値が設定されている可能性が高いことを示唆するものであって、「高設定の示唆」となるものである。
画面Dは、設定値2や設定値4や設定値6の設定値として偶数の数値が設定されている可能性が高いことを示唆するものであって、「遇数設定の示唆」となるものである。
画面Eは、設定値1や設定値3や設定値5の設定値として奇数の数値が設定されている可能性が高いことを示唆するものであって、「奇数設定の示唆」となるものである。
画面Fは、設定値1や設定値2の設定値として低い数値と、設定値5や設定値6の設定値として高い数値との両方が設定されている可能性が高いことを示唆するものであって、「高設定又は低設定の示唆」となるものである。
【0120】
設定変更用アトラクト抽選テーブルにも、当選確率2〜5%と低い数値が設定されて、上述したアトラクト画面としての画面A〜Fが含まれ、さらに、当選確率38%の画面G、画面Hが含まれている。この設定変更用アトラクト抽選テーブルでは、設定値の相違により、アトラクト画面A〜Hの当選確率の差異は無いように形成されている。
【0121】
つぎに、
図6を用いて遊技の状態について説明する。
遊技の状態は、メイン制御手段200により管理され、
図6に示すように、大別すると、通常遊技、RT遊技、ボーナス内部中及びボーナス遊技がある。RTは、いわゆるリプレイタイムの略語であり、RT遊技に移行すると、再遊技役(リプレイ役)に当選する抽選確率、すなわち再遊技確率が原則として高くなる。
【0122】
なお、各遊技における再遊技役への当選確率は、通常遊技のRT0(初期状態)においては1/7.3に設定されており、通常遊技のRT1では、RT0と同じ約1/7.3に設定されている。また、RT2やRT3では通常遊技のRT0やRT1よりも高く設定されている。
【0123】
通常遊技は、通常遊技制御手段251により制御され、RT0と、RT1とがある。
RT0からRT1には、特に図示していないが、予め定めた所定図柄(いわゆる、取りこぼし図柄)を停止表示させた時に移行する。
【0124】
RT遊技は、RT制御手段252により制御され、通常遊技より再遊技役への当選確率の高いRT2が設けられている。
なお、ボーナス移行役に当選し当該ボーナス移行役に対応した図柄61を有効ライン86上に停止表示できなかった場合に移行するボーナス内部中(RT3)では、RT2より低いが通常遊技より再遊技役への当選確率は高くなるように設定されている。もちろん、このRT3の再遊技役の当選確率は、通常遊技と同等に設定してもよいし、RT2と同等又はRT2より高くなるように設定してもよい。
【0125】
ここで、通常遊技からRT遊技、具体的には、RT1からRT2には、特に図示していないが、RT2移行図柄としての図柄(いわゆる昇格図柄)を停止表示させた時に移行する。例えば、所定の押し順「正解」時に、当該昇格図柄を停止表示させた時に移行する。
【0126】
また、RT2において、いわゆる転落図柄を停止表示させるとRT1に移行する。
【0127】
ボーナス内部中は、ボーナス内部中制御手段254により制御され、ボーナス移行役に当選すると、移行する。
【0128】
ボーナス遊技は、ボーナス遊技制御手段253により制御され、「ボーナス内部中」に「ボーナス図柄(ボーナス移行図柄)」を揃えることで移行する。
ボーナス遊技には、ビッグボーナス(BB)であって、いわゆるレギュラーボーナス(RB)が連続作動し、所定の枚数、例えば200枚を超えるメダルの払出しで終了する。
そして、ボーナス遊技終了後、RT0に移行する。
【0129】
次に
図7を用いて、演出状態について説明する。
図7に示すように、通常の演出状態である通常演出状態から、ATの前兆となる演出状態である前兆演出状態へ移行可能となり、この前兆演出状態からAT準備中状態へ移行可能となり、このAT準備中状態からAT状態へ移行可能となり、AT状態が終了すると、通常演出状態へ戻る。なお、これらの状態からボーナス状態への移行が可能となる。
【0130】
特別状態としてのAT状態は、所定の開始条件を達成したときに開始可能であり、所定の終了条件を達成したときに終了可能に形成されている。具体的には、通常演出状態中にAT状態への移行抽選に当選すると、前兆演出状態へ移行し、数回の遊技で前兆演出の後、AT準備中状態へ移行し、数回の遊技の後、AT状態へ移行する。AT状態への移行抽選において当選していないにもかかわらず、前兆演出状態へ移行して前兆演出が開始される場合(いわゆるガセ演出)があり、かかる場合は、数回の遊技の後、通常演出状態へ戻る。
【0131】
なお、AT状態への移行抽選において、当選した後、前兆演出状態へ移行して、更に抽選等によりAT準備中状態やAT状態へ移行するか否かが抽選により決定されるようにしてもよい。また、AT状態への移行抽選に当選した場合、前兆演出状態を経由せずに直接、AT準備中状態やAT状態へ移行するようにしてもよい。
【0132】
また、AT状態は、AT中に遊技者が獲得した(遊技者に払出された)メダルの枚数が所定の払出枚数に到達することで終了可能なものである。
AT状態は、所定の移行抽選の結果に応じて実施した際に遊技者が獲得したメダルの獲得枚数(払出枚数)が所定の枚数に到達するまで実行可能であるが、この実行可能な所定の枚数は、所定の抽選により上乗せ可能となるようにしてもよい。
また、AT状態の終了条件は、上述したものに限定されるものではなく、遊技回数が所定の遊技回数に到達すること等にしてもよい。また、遊技進行に伴ってポイントを獲得可能であって、そのポイントの合計が所定ポイントに到達すること等の他の条件に設定してもよい。
【0133】
図8に示すように、設定据え置き用アトラクト抽選テーブルでは、アトラクト画面としての画面A〜Fにおける各推測設定値での当選確率が設定されている。
出力情報決定手段360により、推測手段330の推測設定値決定手段350が決定した推測設定値において、
図8に示すアトラクト画面A〜Fの当選確率を用いた抽選が行われ、アトラクト画面A〜Fからいずれのアトラクト画面を表示させるか決定される。
【0134】
このアトラクト映像としてのアトラクト画面A〜Fは、順に、低設定/中設定/高設定/偶数設定/奇数設定/高設定又は低設定、を示唆する6種類の映像(画面A〜F)であって、これらの中から
図8に示す抽選確率に基づいて抽選により選択される。
具体的には、電源投入時に設定変更処理が行われていない、設定据え置きであって、前営業日のデータに基づいて推測手段330が、推測設定値1を決定している場合には、低設定を示唆する画面Aの当選確率(百分率表示、以下同様)35%、中設定を示唆する画面Bの当選確率5%、高設定を示唆する画面Cの当選確率5%、遇数設定を示唆する画面Dの当選確率10%、奇数設定を示唆する画面Eの当選確率25%、高設定又は低設定を示唆する画面Fの当選確率20%に設定されている。この推測設定値1の場合には、低設定を示唆するアトラクト画面Aの当選確率が35%と最も高く設定され、中設定を示唆するアトラクト画面Bや、高設定を示唆するアトラクト画面Cの当選確率が5%と最も低くなるように設定されている。
【0135】
また、電源投入時に設定変更処理が行われていない、設定据え置きであって、前営業日のデータに基づいて推測手段330が、推測設定値6を決定している場合には、低設定を示唆する画面Aの当選確率5%、中設定を示唆する画面Bの当選確率5%、高設定を示唆する画面Cの当選確率35%、遇数設定を示唆する画面Dの当選確率20%、奇数設定を示唆する画面Eの当選確率10%、高設定又は低設定を示唆する画面Fの当選確率25%に設定されている。この推測設定値6の場合には、高設定を示唆するアトラクト画面Cの当選確率が35%と最も高く設定され、低設定を示唆するアトラクト画面Aや、中設定を示唆するアトラクト画面Bの当選確率が5%と最も低くなるように設定されている。
これらの当選確率に基づいた抽選が、出力情報決定手段360により行われ、いずれか1つのアトラクト画面が選択されるものである。
【0136】
図9に示すように、電源投入時に設定変更処理が行われた場合に用いられる設定変更用アトラクト抽選テーブルでは、設定値や推測設定値に無関係に、アトラクト画面として8種類の映像(画面A〜H)の中から抽選により1つのアトラクト画面が選択されるようになっている。
この設定変更用アトラクト抽選テーブルは、出力情報決定手段360が、電源が投入された際、設定変更処理が実施されて、設定値の変更(又は同一設定値の打ち直し)が行われた場合に、8種類のアトラクト画面から1つのアトラクト画面を選択する抽選に用いられる当選確率を格納した抽選テーブルである。この8種類のアトラクト画面A〜Hのうち、「設定据え置き」の場合に設定値を示唆するアトラクト映像として出力される6種類の映像(画面A〜F)も含まれている。もちろん、この6種類の映像(画面A〜F)を含めないようにしてもよい。
【0137】
図10に示すように、本実施の形態の通常遊技の設定値1〜6の各設定値における6種類の小役A〜Eの当選確率が予め定められている。
これらの小役A〜Eは、設定値毎に当選確率が異なる小役A、小役B及び小役Cと、設定値毎に当選確率が異ならない(同一)小役D及び小役Eとに分類される。すなわち、小役A、小役B及び小役Cは、設定値毎に当選確率の差がある小役であり、小役D及び小役Eは、設定値毎に当選確率の差がない(同一)小役である。
本実施の形態では、推測手段330が、複数の遊技において特定役の規定回数の連続当選を達成するまでの遊技回数(連続判定遊技回数)により特定の設定値を推測する。この特定役としては、実際の遊技ホールにおける1日の遊技回数等の稼働状況を考慮すると、現実的に測定可能なものとして少なくとも10分の1以上の抽選確率で当選するように設定されているものが好ましく、上述した小役Cが用いられている。すなわち、推測手段330は、通常遊技における小役Cの連続当選(具体的には、2回の連続当選)を達成するまでの遊技回数(連続判定遊技回数)により設定値を推測しているものである。
【0138】
図11に示すように、
図10の小役Aの当選確率に関して、「−」の位置にある設定値の当選確率(百分率%で表示、
図11に記載されている数値も同様に%表示)からの当選確率の差を示している。具体的には、例えば、
図11の上段の設定値6の数値0.0119%は、小役Aの設定値6の当選確率(1/1880.3)から小役Aの設定値1の当選確率(1/2420.7)を減算した差となるものである。この
図11は、各設定値の当選確率差が最小となる設定値の組み合わせと、各設定値の当選確率差が最大となる設定値の組み合わせとを見いだすためのテーブルである。具体的には、例えば、
図11の上段の設定値1を基準「−」にした場合の設定値1と設定値2との差は、0.0024%、同様に設定値2と設定値3との差は、0.0048%−0.0024%=0.0024%、同様に設定値3と設定値4との差は、0.0072%−0.0048%=0.0024%、同様に設定値4と設定値5との差は、0.0094%−0.0072%=0.0022%、同様に設定値5と設定値6との差は、0.0119%−0.0094%=0.0025%となる。これによると、小役Aに関して、各設定値の当選確率差が最小となる設定値の組み合わせは、設定値4と、設定値5との間となる。また、各設定値の当選確率差が最大となる設定値の組み合わせは、設定値1と、設定値6との間となる。
【0139】
上記結果に基づいて、当選確率差が最小となるのは、設定値4と設定値5との間であるため、小役Aに関して、設定値4の当選確率(1/2060.8)を1とした場合の設定値5の当選確率(1/1970.1)の比率は、1.046となる。
また、小役Aに関して、当選確率差が最大となるのは、設定値1と設定値6との間であるため、小役Aに関して、設定値1の当選確率(1/2420.7)を1とした場合の設定値6の当選確率(1/1880.3)の比率は、1.287となる。
すなわち、
図11に示す様に、小役Aの場合、当選確率の差が最も大きな設定値1と設定値6との間では、設定値1の当選確率を1とすると、設定値6の当選確率は1.287となり、当選確率の比率で最大0.287の差があることになる。
【0140】
図12に示すように、
図10の小役Cの当選確率に関して、「−」の位置にある設定値の当選確率(百分率%で表示)からの当選確率の差を示している。具体的には、例えば、
図12の上段の設定値6の数値0.8333%は、小役Cの設定値6の当選確率(1/7.5)から小役Cの設定値1の当選確率(1/8.0)を減算した差となるものである。この
図12は、各設定値の当選確率差が最小となる設定値の組み合わせと、各設定値の当選確率差が最大となる設定値の組み合わせとを見いだすためのテーブルである。具体的には、例えば、
図12の上段の設定値1を基準「−」にした場合の設定値1と設定値2との差は、0.1582%、同様に設定値2と設定値3との差は、0.3205%−0.1582%=0.1623%、同様に設定値3と設定値4との差は、0.4870%−0.3205%=0.1655%、同様に設定値4と設定値5との差は、0.6579%−0.4870%=0.1709%、同様に設定値5と設定値6との差は、0.8333%−0.6579%=0.1754%となる。これによると、小役Cに関して、各設定値の当選確率差が最小となる設定値の組み合わせは、設定値1と、設定値2との間となる。また、各設定値の当選確率差が最大となる設定値の組み合わせは、設定値1と、設定値6との間となる。
【0141】
上記結果に基づいて、当選確率差が最小となるのは、設定値1と設定値2との間であるため、小役Cに関して、設定値1の当選確率(1/8.0)を1とした場合の設定値2の当選確率(1/7.9)の比率は、1.013となる。
また、小役Cに関して、当選確率差が最大となるのは、設定値1と設定値6との間であるため、小役Cに関して、設定値1の当選確率(1/8.0)を1とした場合の設定値6の当選確率(1/7.5)の比率は、1.066となる。
【0142】
すなわち、
図12に示す様に、小役Cの場合、当選確率の差が最も大きな設定値1と設定値6との間では、設定値1の当選確率を1とすると、設定値6の当選確率は1.066となり、当選確率の比率で最大0.066の差があることになる。
従って、小役Cは、小役Aよりも「設定値間の当選確率の比率が小さい」、と言うことができる。
【0143】
つまり、本実施の形態では、小役Aの様な設定値間の当選確率の比率が大きな役を用いなくても、小役Cの様な設定値間の当選確率の比率が小さな役を用いて設定値を推測することができる。よって、遊技機の仕様として、小役Aの様な設定値間の当選確率の比率が大きな役を搭載していないタイプの遊技機であっても、小役Cの様な設定値間の当選確率の比率が小さな役を用いることで、設定値を推測することができる。
【0144】
図13に示す小役Cにおける設定値推測用テーブルにより、連続判定遊技回数の6段階の範囲が予め設定され、計数手段340によって計数した連続判定遊技回数がいずれの範囲に含まれるかによって、推測設定値決定手段350により、推測設定値1〜6のいずれかに決定される。
【0145】
ここで、小役Cの場合、役抽選手段210の役抽選の当選確率を示すテーブル(
図10参照)を用いて、2回連続当選する確率を計算すると、次のようになる。
設定値1:(1/8.0)×(1/8.0)=1/64.00
設定値2:(1/7.9)×(1/7.9)=1/62.41
設定値3:(1/7.8)×(1/7.8)=1/60.84
設定値4:(1/7.7)×(1/7.7)=1/59.29
設定値5:(1/7.6)×(1/7.6)=1/57.76
設定値6:(1/7.5)×(1/7.5)=1/56.25
【0146】
小役Cが2回連続当選する回数が10回(規定回数)に達するまでの平均の遊技回数を計算すると、次のようになる。
設定値1:10/(1/64.00)=640回
設定値2:10/(1/62.41)=624回
設定値3:10/(1/60.84)=608回
設定値4:10/(1/59.29)=593回
設定値5:10/(1/57.76)=578回
設定値6:10/(1/56.25)=563回
【0147】
つまり、設定値1の場合、小役Cが2回連続して当選する回数が10回に到達するまでは平均640回要する。
設定値2の場合、小役Cが2回連続して当選する回数が10回に到達するまでは平均624回要する。
設定値3の場合、小役Cが2回連続して当選する回数が10回に到達するまでは平均608回要する。
設定値4の場合、小役Cが2回連続して当選する回数が10回に到達するまでは平均593回要する。
設定値5の場合、小役Cが2回連続して当選する回数が10回に到達するまでは平均578回要する。
設定値6の場合、小役Cが2回連続して当選する回数が10回に到達するまでは平均563回要する。
【0148】
このため、2回連続当選の回数が10回に到達するまでの遊技回数が640回であると、概ね設定値1に設定されていると推測することができる。
また、2回連続当選の回数が10回に到達するまでの遊技回数が624回であると、概ね設定値2に設定されていると推測することができる。
また、2回連続当選の回数が10回に到達するまでの遊技回数が608回であると、概ね設定値3に設定されていると推測することができる。
また、2回連続当選の回数が10回に到達するまでの遊技回数が593回であると、概ね設定値4に設定されていると推測することができる。
また、2回連続当選の回数が10回に到達するまでの遊技回数が578回であると、概ね設定値5に設定されていると推測することができる。
また、2回連続当選の回数が10回に到達するまでの遊技回数が563回であると、概ね設定値6に設定されていると推測することができる。
【0149】
結果として、640回に近い範囲の遊技回数(633回〜)は、設定値1に設定されていると推測しても支障はない。
さらに、624回に近い範囲の遊技回数(617回〜632回)は、設定値2に設定されていると推測しても支障はない。
さらに、608回に近い範囲の遊技回数(601回〜616回)は、設定値3に設定されていると推測しても支障はない。
さらに、593回に近い範囲の遊技回数(586回〜600回)は、設定値4に設定されていると推測しても支障はない。
さらに、578回に近い範囲の遊技回数(571回〜585回)は、設定値5に設定されていると推測しても支障はない。
さらに、563回に近い範囲の遊技回数(〜570回)は、設定値6に設定されていると推測しても支障はない。
【0150】
上述したような計算結果に基づいて、
図13に示す設定値推測用テーブルは、一定の範囲を有する連続判定遊技回数と、推測設定値とを対応づけているものである。
したがって、推測設定値決定手段350は、連続判定遊技回数が570回以下の場合は推測設定値を6とし、連続判定遊技回数が571回以上且つ585回以下の場合は推測設定値を5とし、連続判定遊技回数が586回以上且つ600回以下の場合は推測設定値を4とし、連続判定遊技回数が601回以上且つ616回以下の場合は推測設定値を3とし、連続判定遊技回数が617回以上且つ632回以下の場合は推測設定値を2とし、連続判定遊技回数が633回以上の場合は推測設定値を1とする。
【0151】
一般的に、役抽選の当選確率に設定値間の差をあるため、この設定値間の当選確率の差を用いて、現在の設定値を推測することができる。しかし、設定値間の当選確率の差が小さい場合には、設定値の推測が難しくなる。
【0152】
ここで、一般的に、遊技機10から外部集中端子板18を介して、ボーナス役等の当選に係る信号は外部に出力されるが、小役の当選に係る信号は外部に出力されない。したがって、小役に関する信号自体が外部に出力されない、小役の設定値間の当選確率の差を用いて、外部のデータ機器等を用いて設定値の推測することはできないようになっている。
【0153】
例えば、遊技回数700回の遊技を実行した場合、小役Cの1回当選に関して平均当選回数を計算すると、次のようになる。
設定1:(1/8.0)×700=88回
設定2:(1/7.9)×700=89回
設定3:(1/7.8)×700=90回
設定4:(1/7.7)×700=91回
設定5:(1/7.6)×700=92回
設定6:(1/7.5)×700=93回
【0154】
この場合、設定値の相違による当選回数の差は、次のようになる。
設定値1と設定値2との差=89−88=1
設定値2と設定値3との差=90−89=1
設定値3と設定値4との差=91−90=1
設定値4と設定値5との差=92−91=1
設定値5と設定値6との差=93−92=1
【0155】
これに対し、小役Cに関して本実施の形態の2回連続当選の場合、設定値の相違による連続判定遊技回数の差は次のようになる。
設定値1と設定値2との差=640−624=16
設定値2と設定値3との差=624−608=16
設定値3と設定値4との差=608−593=15
設定値4と設定値5との差=593−578=15
設定値5と設定値6との差=578−563=15
つまり、従来の1回当選で判断しようとする場合、上述したような遊技回数700回で各設定値の遊技回数の差は1となる。
【0156】
一方、本実施の形態では、遊技回数563回〜640回で、各設定値の遊技回数の差は、15回〜16回となり、本実施の形態に係る2回連続当選の連続判定遊技回数の方が、設定値の差を認識できる遊技回数の差を、大きくすることができ、より認識しやすくなる。
このように、2回連続当選が規定回数10回に到達するまでの遊技回数(連続判定遊技回数)に基づいて、設定値を推測することにより、設定値を推測しやすくすることができる。
【0157】
図14及び
図15により、前日及び当日の2日間にわたって、当日の設定変更が行われない場合の遊技全体の流れを説明する。
図14に示すように、前日では、電源投入の際に設定変更処理(設定値の変更又は同一設定値の打ち直し)が実施される。設定変更処理が終了すると、計数情報の初期化が行われ、特定小役カウンタと、連続判定カウンタと、連続判定遊技回数カウンタとの3つのパラメータが0に初期化される。そして、出力情報決定手段360が、
図9に示す設定変更用アトラクト抽選テーブルを用いた抽選により、設定値の相違に無関係にアトラクト画面が選択される。その後、当該遊技機10で遊技者が遊技を開始するまで、待機状態となり、表示装置84には、抽選により決定されたアトラクト画面が表示されるアトラクト演出が実行される。当該遊技機10の前に遊技者が座って、通常遊技を開始すると、計数手段340により、特定小役カウンタと、連続判定カウンタと、連続判定遊技回数カウンタとの3つのパラメータの計数が開始される。
【0158】
すなわち、遊技者が遊技を行っている間、サブ制御手段300では、遊技者の遊技結果を監視し続け記憶する。具体的には、次の点を実行し、その結果を記憶する。
(1)小役Cの当選を確認する。
(2)小役Cの連続当選を特定小役カウンタにより判定する。
(3)小役Cの連続当選と判定された回数を連続判定カウンタにより計数する。
(4)連続判定遊技回数が規定回数の10回に達するまでの遊技回数を連続判定遊技回数カウンタにより計数する。
【0159】
当該遊技機10から遊技者が離れて、再び待機状態となると、再度、
図9に示す設定変更用アトラクト抽選テーブルを用いた抽選により、設定値の相違に無関係なアトラクト画面が選択され、当該アトラクト画面が表示装置84に表示されるアトラクト演出が実行される。その後、当該遊技機10を設定している遊技ホールが閉店となり、電源スイッチ44が操作されて電源がOFF状態となる。この電源OFF状態でも、計数手段340の上述した3つのパラメータは、数値が保持される。その翌日(当日)の内容が
図15に示されるものである。
【0160】
図15に示すように、当日において、電源投入時に設定変更が行われなかった(設定据え置きの)場合、サブ制御手段300は、記憶されている遊技履歴情報に基づいて設定値を推測する。具体的には、記憶されている連続判定遊技回数カウンタを読出し、この連続判定遊技回数カウンタに対応する推測設定値を特定し、この推測設定値を、現在設定されている設定値として推測する。そして、この推測設定値により
図8の設定据え置き用アトラクト抽選テーブルを用いて、アトラクト抽選を実行し、この抽選により決定されたアトラクト映像としてのアトラクト画面が表示装置84に出力される。
【0161】
更に、具体的に説明すると、当日は、電源投入の際に設定変更処理が行われず、規定回数10回に到達しているか否か等の判定が行われ、規定回数10回に到達しているような場合には、推測手段330の推測設定値決定手段350により、推測設定値が決定される。そして、出力情報決定手段により、
図8の設定据え置き用アトラクト抽選テーブルを用いて、推測設定値に応じた抽選確率により、アトラクト画面の抽選が行われ、アトラクト画面が決定される。当該遊技機10の前に遊技者が座って遊技を開始するまでは、待機状態となり、決定したアトラクト画面を用いたアトラクト演出が実行される。その後、当該遊技機10を用いて遊技者が遊技を開始すると、待機状態は終了し、通常遊技が開始される。その後、遊技者が当該遊技機10での遊技を終了すると、再度、待機状態となり、出力情報決定手段360は、同様に、
図8の設定据え置き用アトラクト抽選テーブルを用いて、アトラクト画面の抽選を行い、抽選の結果、決定したアトラクト画面によりアトラクト演出を実行する。その後、当該遊技ホールが閉店となり、当該遊技機10の電源スイッチ44が操作されて、電源OFF状態となるが、計数手段340の上述した3つのパラメータ(特定小役カウンタ、連続判定カウンタ、連続判定遊技回数カウンタ)は同様に保持される。
【0162】
図16に示すように、通常遊技0で特定小役カウンタ=0、連続判定カウンタ=0とし、次の通常遊技1で小役Cに当選した場合、特定小役カウンタ=1、連続判定カウンタ=0となる。さらに、次の通常遊技2で小役Cに当選した場合、特定小役カウンタ=2、連続判定カウンタ=1となる。次の通常遊技3で小役Dに当選した場合、特定小役カウンタは初期化されて0となり、連続判定カウンタは1が維持される。その後(途中省略)、通常遊技7で小役Cに当選した場合に、特定小役カウンタ=0、連続判定カウンタ=3になっているとする。次の通常遊技8で小役Cに当選した場合、特定小役カウンタに加算され1となり、連続判定カウンタは3が維持される。次の通常遊技9で、役抽選の結果、非当選(ハズレ)となった場合、特定小役カウンタは初期化されて0となり、連続判定カウンタは3が維持される。その後(途中省略)、通常遊技13で特定小役カウンタ=0、連続判定カウンタ=6であるとする。次の通常遊技14で小役Cに当選した場合、特定小役カウンタに加算されて1となり、連続判定カウンタは6が維持される。次の通常遊技15で再度、小役Cに当選した場合、特定小役カウンタに加算されて2となり、特定小役カウンタが2となったことで、連続判定カウンタにも加算されて7となる。さらに次の通常遊技16で、さらに小役Cに当選した場合、特定小役カウンタに加算されて3となり、連続判定カウンタにも加算されて8となる。
【0163】
このように、通常遊技nで小役Cに当選した場合、次の通常遊技n+1で小役Cに当選すると、小役Cが連続当選したと判定される。さらに、この通常遊技n+1の次の通常遊技n+2でも小役Cに当選すると、このときにも、小役Cが連続当選したと判定される。よって、通常遊技nを開始する前の段階で特定小役カウンタ=0、連続判定カウンタ=0とした場合、通常遊技n+1の時点では、特定小役カウンタ=1、連続判定カウンタ=0となり、通常遊技n+2の時点では、特定小役カウンタ=2、連続判定カウンタ=1となる。
【0164】
なお、本実施の形態では、連続するm回の全遊技で小役Cに当選すると、その回数mから1を減算した(m−1)回だけ連続判定カウンタに加算される。
【0165】
図17は、規定回数10回での各推測設定値の連続判定遊技回数の範囲を矢印の範囲で示している。具体的には、連続判定遊技回数570回以下では推測設定値6となり、連続判定遊技回数571回以上且つ585回以下では推測設定値5となり、連続判定遊技回数586回以上且つ600回以下では推測設定値4となり、連続判定遊技回数601回以上且つ616回以下では推測設定値を3となり、連続判定遊技回数617回以上且つ632回以下では推測設定値2となり、連続判定遊技回数633回以上では推測設定値1となる。
【0166】
なお、星印は、隣接する推測設定値の中央値となるため、高設定側に採用しているものである。
ここで、本実施の形態では、規定回数を10回としているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、規定回数10回を超える数値や、規定回数10回未満の数値でも良いものである。
図17では、上述した規定回数10回の場合以外に、規定回数9回と、規定回数8回における、各推測設定値の連続判定遊技回数の範囲を矢印の範囲出示している。なお、詳細は省略する。
【0167】
図18では、規定回数7回と、規定回数6回と、規定回数5回とにおける、各推測設定値の連続判定遊技回数の範囲を矢印の範囲出示している。なお、詳細は省略する。
【0168】
図19では、規定回数4回と、規定回数3回と、規定回数2回と、規定回数1回とにおける、各推測設定値の連続判定遊技回数の範囲を矢印の範囲で示している。なお、詳細は省略する。
【0169】
図20に示すフローチャートに基づいて、メイン制御手段200における電源投入時の処理について説明する。
ステップ110において、電源投入時であるか否かが判定される。電源投入時であると判定された場合、次のステップ111に進み、電源投入時でないと判定された場合、再度、ステップ110に戻る。
ステップ111において、初期設定処理が行われる。そして、次のステップ112に進む。
【0170】
ステップ112において、扉開閉用スイッチ19がOFF状態(前扉14が開放状態)であるか否かが判定される。扉開閉用スイッチ19がOFF状態であると判定された場合、次のステップ113に進み、OFF状態でないと判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ113において、設定キースイッチ45がON状態であるか否かが判定される。設定キースイッチ45がON状態であると判定された場合、次のステップ114に進み、ON状態でないと判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ114において、設定変更処理が実施される。具体的には、設定変更スイッチ46により、設定しようとする設定値になるまで操作が行われるものである。そして、次のステップ115に進む。
【0171】
ステップ115において、スタートスイッチ40がON状態であるか否かが判定される。スタートスイッチ40がON状態であると判定された場合、次のステップ116に進み、ON状態でないと判定された場合、ステップ114に戻る。
ステップ116において、設定キースイッチ45がOFF状態であるか否かが判定される。設定キースイッチ45がOFF状態であると判定された場合、次のステップ117に進み、ON状態でないと判定された場合、当該ステップ116に再度戻る。
ステップ117において、現在の設定された設定値が、新たな設定値として確定される。そして、当該処理が終了する。
【0172】
図21に示すフローチャートに基づいて、サブ制御手段300における電源投入時の処理について説明する。なお、この
図21に示されるサブ制御手段300における電源投入時の処理は、サブ制御手段300において、設定変更(設定値の変更又は同一設定値の打ち直しを含む)が行われたと判定された場合、設定変更に伴う初期化(サブ初期化処理)の際に、設定値を推測するために新たに設けた情報(特定小役カウンタ、連続判定カウンタ、連続判定遊技回数カウンタ)も0に初期化される。
具体的には、ステップ120において、メイン制御手段200から電源投入コマンドを受信したか否かが判定される。電源投入コマンドを受信していると判定された場合、次のステップ121に進み、電源投入コマンドを受信していないと判定された場合、当該ステップ120に戻る。
【0173】
ステップ121において、設定変更処理が開始されたか否かが判定される。設定変更処理が開始されたと判定された場合、次のステップ122に進み、設定変更処理が開始されていないと判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ122において、サブ制御手段300によりサブ初期化処理が行われる。ここでは、従来のサブ初期化処理と同様の処理に加えて、本実施の形態では、推測設定値を算出するための新たに設けたパラメータとしての特定小役カウンタ、連続判定カウンタ、連続判定遊技回数カウンタも0に初期化される。そして、当該処理が終了する。
【0174】
図22に示すフローチャートに基づいて、メイン制御手段200が1回の遊技毎に実行する一般的な制御処理について説明する。
【0175】
ステップ130において、スタートスイッチ40の操作があったか否かの判定が行われる。ここで、スタートスイッチ40の操作があったと判定されると、メイン制御手段200により、賭け数の設定が不可能な状態とされる。その後、次のステップ131に進む。一方、スタートスイッチ40の操作がないと判定されると、再度ステップ130に戻る。
【0176】
なお、このステップ130の前提として、賭け数設定処理が行われている。この賭け数設定処理では、賭け数として規定の賭け数が設定されたか否かが判定されるものである。具体的には、メイン制御手段200により、当該遊技の賭け数として設定されているメダルの枚数が規定の賭け数3に達しているか否かの判定が行われる。
【0177】
ステップ131において、役抽選手段210により、役抽選処理が行われる。この役抽選処理により、当選した役等を特定するための当選番号が決定される。また、このとき、役抽選の結果(内部当選情報コマンド)がメイン制御手段200からサブ制御手段300へ送信される。これらの処理が終了すると、次のステップ132に進む。
【0178】
ステップ132において、リール制御手段220により、リールユニット60におけるリール62の回転起動処理(回転開始処理)が行われる。リール62が所定の回転速度に達した後、いわゆる定常回転になった後、ストップスイッチ50の停止操作が可能な状態となる。そして、次のステップ133に進む。
【0179】
ステップ133において、遊技者によりストップスイッチ50の停止操作が行われる。そして、次のステップ134に進む。
ステップ134において、リール制御手段220により、操作されたストップスイッチ50に対応するリール62の停止位置を決定する処理が行われる。具体的には、役抽選の結果と、ストップスイッチ50の操作タイミングとによって、停止位置が決定されるものである。そして、次のステップ135に進む。
【0180】
ステップ135において、リール制御手段220により、決定した停止位置で当該リール62の回転停止が行われる。そして、次のステップ136に進む。
ステップ136において、全てのリール62が回転を停止したか否かが判定される。そして、全てのリール62が回転を停止したと判定された場合、次のステップ137に進み、全てのリール62が回転を停止していない、すなわち回転中のリール62が残っていると判定された場合、ステップ133に戻る。
【0181】
ステップ137において、メダルの払出処理が行われる。具体的には、停止図柄判定手段230及び払出制御手段240により、当選役に係る図柄が有効ライン86上に停止している場合には、その当選役に対応する枚数のメダルの払い出しが行われる。なお、メダルの払い出しが不要な場合には、メダルの払い出しは行われない。そして、当該処理が終了する。
【0182】
図23に示すフローチャートに基づいて、サブ制御手段300における連続当選の判定処理について説明する。
先ず、ステップ210において、メイン制御手段200からスタートスイッチ40操作に基づくスタートコマンドを受信したか否かが判定される。スタートコマンドを受信したと判定された場合、次のステップ211に進み、スタートコマンドを受信していないと判定された場合、再度、ステップ210に戻る。
【0183】
ステップ211において、メイン制御手段200から役抽選手段210の役抽選結果の当選に関する情報である内部当選情報コマンドを受信したか否かが判定される。内部当選情報コマンドを受信していると判定された場合、次のステップ212に進み、内部当選情報コマンドを受信していないと判定された場合、再度、ステップ211に戻る。
ステップ212において、計数手段340により、連続判定カウンタが規定回数(具体的には、10回)未満であるか否かが判定される。連続判定カウンタが規定回数未満であると判定された場合、次のステップ213に進み、連続判定カウンタが規定回数未満でないと判定された場合、当該処理は終了する。
【0184】
ステップ213において、計数手段340により、連続判定遊技回数カウンタに1が加算される。そして、次のステップ214に進む。
ステップ214において、役抽選の結果、設定値を推測するための判定対象の小役(具体的には、小役C)に当選したか否かが判定される。判定対象の小役に当選していると判定された場合、ステップ215に進み、判定対象の小役に当選していないと判定された場合、ステップ219に進む。
【0185】
ステップ215において、計数手段340により、特定小役カウンタに1が加算される。そして、次のステップ216に進む。
ステップ216において、特定小役カウンタが2以上であるか否かが判定される。特定小役カウンタが2以上であると判定された場合、ステップ217に進み、特定小役カウンタが2以上でないと判定された場合、当該処理は終了する。
ステップ217において、連続当選(具体的には、小役Cの2回連続当選)であると判定される。そして、次のステップ218に進む。
【0186】
ステップ218において、計数手段340により、連続判定カウンタに1が加算される。そして、当該処理が終了する。
一方、前記ステップ214で判定対象の小役に当選していないと判定された場合は、ステップ219において、特定小役カウンタに0が設定される。そして、当該処理が終了する。
【0187】
図24に示すフローチャートに基づいて、サブ制御手段300におけるアトラクト抽選処理について説明する。
ステップ310において、アトラクト映像を表示装置84に出力可能な状態であるか否かが判定される。アトラクト映像を出力可能な状態であると判定された場合、次のステップ311に進み、アトラクト映像を出力可能ではない状態であると判定された場合、当該処理は終了する。
【0188】
ここで、「アトラクト映像を出力可能ではない状態」とは、例えば「遊技状態がAT状態である」「メダルがベットされている」「待機状態ではない遊技中の状態」など、遊技者が交代することを想定し難い状態である。これは、遊技者が交代する場合(次の新たな遊技者)を想定してアトラクト映像としてのアトラクト画面(待機画面)を出力するようにしているためである。すなわち、より高い設定値の遊技機を探して、遊技ホール内を物色している遊技者に対して、設定値を示唆する情報であるアトラクト映像を表示することにより、当該遊技機10での遊技の実行を誘っていることによる。
【0189】
ステップ311において、電源投入の際、設定変更処理が実行されていない、いわゆる設定値が据え置かれている「設定据え置き」であるか否かが判定される。設定据え置きであると判定された場合、次のステップ312に進み、設定据え置きでないと判定された場合、ステップ318に進む。
ステップ312において、計数手段340により、連続判定カウンタが規定回数(具体的には、10回)であるか否かが判定される。連続判定カウンタが規定回数であると判定された場合、ステップ313に進み、連続判定カウンタが規定回数ではないと判定された場合、ステップ318に進む。
【0190】
なお、本実施の形態では、「小役C」の「連続判定カウンタ」が「10回」に到達した時点での遊技履歴に基づいて設定値を推測することとしているため、「10回」に到達していない場合には、設定値の推測を行わず、設定変更用アトラクト抽選テーブル(
図9)を用いて設定値や推測設定値とは無関係なアトラクト映像としてのアトラクト画面が決定される。
【0191】
ステップ313において、推測手段330の主に推測設定値決定手段350により、設定値推測処理が行われる。なお、この設定値推測処理は、後で詳細に説明する(
図25参照)。そして、次のステップ314に進む。
ステップ314において、推測設定値決定手段350により、アトラクト抽選テーブルとして、設定据え置き用アトラクト抽選テーブル(
図8参照)が設定される。そして、次のステップ315に進む。
【0192】
ステップ315において、推測手段330の推測設定値決定手段350により、推測した設定値である推測設定値が取得される。そして、次のステップ316に進む。
一方、前記ステップ311で設定据え置きでないと判定された場合、又は、前記ステップ312で連続判定カウンタが規定回数でないと判定された場合は、ステップ318において、アトラクト抽選テーブルとして、設定変更用アトラクト抽選テーブル(
図9参照)が設定される。そして、次のステップ319に進む。
ステップ319において、出力情報決定手段360により、アトラクト抽選用の乱数値が取得される。そして、ステップ316に進む。
ステップ316において、出力情報決定手段360により、アトラクト抽選処理が行われる。そして、次のステップ317に進む。
ステップ317において、アトラクト映像としてのアトラクト画面の表示装置84への出力が開始される。そして、当該処理が終了する。
【0193】
上述したように、本実施の形態では、サブ制御手段300において、アトラクト映像を出力可能な状態であると判断した場合、所定のアトラクト抽選テーブルを参照するアトラクト抽選を実行する。このとき、電源の投入時において設定変更処理が行われた場合には、従来と同様に、所定の「設定変更用アトラクト抽選テーブル」(
図9)を参照して、複数種類のアトラクト映像としてのアトラクト画面から特定のアトラクト映像がランダムに選択されるようアトラクト抽選が実行される。
【0194】
但し、本実施の形態では、電源の投入時において設定変更処理を行わない「設定据え置き」であった場合、「設定値推測処理」を実行して設定値を推測設定値として推測する。そして、所定の「設定据え置き用アトラクト抽選テーブル」(
図8)を参照し、「推測設定値」に基づいてアトラクト抽選を実行する。よって、この場合(設定据え置きの場合)には、アトラクト映像が、比較的正確に、メイン制御手段200の設定値を示唆するものとなる。
【0195】
図25に示すフローチャートに基づいて、サブ制御手段300における設定値の推測処理について説明する。
ステップ410において、連続判定カウンタが規定回数(具体的には、10回)であるか否かが判定される。連続判定カウンタが規定回数であると判定された場合、ステップ411に進み、連続判定カウンタが規定回数でないと判定された場合、当該処理は終了する。
【0196】
ステップ411において、推測手段330の推測設定値決定手段350により、規定回数(具体的には、10回)に対応する設定値推測用テーブルが取得される。そして、次のステップ412に進む。
ステップ412において、推測設定値決定手段350により、連続判定遊技回数カウンタが取得される。そして、次のステップ413に進む。
ステップ413において、推測設定値決定手段350により、設定値推測用テーブルを参照し、連続判定遊技回数カウンタに対応する推測設定値が取得される。そして、次のステップ414に進む。
ステップ414において、推測設定値決定手段350により、取得された設定値が、推測した設定値としての推測設定値として決定される。そして、当該処理が終了する。
【0197】
上述したように、本実施の形態では、電源が投入されたときに、設定変更処理が行われない「設定据え置き」であると、「推測設定値」を決定するための「設定値推測処理」が実行されるものである。詳しくは、予め、「連続判定遊技回数カウンタ」と「推測設定値」との関係を規定した「設定値推測用テーブル」(
図13参照)が設けてある。そして、電源投入前に計数されて記憶された連続判定遊技回数カウンタが読み出され、読み出された連続判定遊技回数カウンタに対応する推測設定値が、「設定値推測用テーブル」を参照して取得され、この取得された設定値が「推測設定値」として決定される。
【0198】
本実施の形態では、上述したような構成を有することで以下に示すような作用及び効果を奏する。
本実施の形態によれば、サブ制御手段300の推測手段330が、特定役としての小役Cの規定回数10回の連続当選(具体的には、1回目の小役Cの当選後、次の遊技で引き続き連続して2回目の小役Cの当選が連続して発生する、いわゆる「2回連続当選」)を達成するまでの遊技回数(連続判定遊技回数)により特定の設定値を推測している。
【0199】
特定役の1回の当選だけではなく、特定役の連続当選を1単位としている。この特定役の連続当選を1単位として、この連続当選が規定回数に達成するまでの遊技回数を判定することにより、設定値毎の抽選確率の相違を、より大きな遊技回数(連続判定遊技回数)として認識することができ、設定値の推測を遊技回数の相違により容易に判定することができる。
結果として、特定役の規定回数の連続当選を達成するまでの遊技回数により、各設定値の抽選確率の相違をより認識できるように拡大して、設定値の推測を容易に判定することができる。
【0200】
本実施の形態によれば、設定値推測用テーブル(
図13参照)に示されるように、推測設定値ごとに連続判定遊技回数が取り得る遊技回数の範囲が予め設定されている。推測手段330の推測設定値決定手段350は、連続判定遊技回数カウンタにより、連続判定遊技回数が含まれる遊技回数の範囲を特定し、この特定した遊技回数の範囲に対応する推測設定値を推測する。すなわち、推測手段330は、連続判定遊技回数さえ求めれば、この連続判定遊技回数が含まれる遊技回数の範囲に対応する推測設定値を容易に推測することができる。
【0201】
本実施の形態によれば、電源投入の際に設定変更状態へ移行しなかった場合、すなわち、電源投入の際に設定変更処理が行われなかった場合、電源投入の前(通常は、遊技ホールにおける前営業日)に計数されていた連続判定遊技回数(すなわち、遊技ホールにおける前営業日の稼働による連続判定遊技回数)を用いて、推測手段330により、推測設定値が推測され、この推測設定値に対応するアトラクト映像としてのアトラクト画面A〜Fのいずれかによる演出が決定される。当該アトラクト映像による演出が実行されると、推測設定値が示唆され、遊技者が遊技ホールで遊技をするための遊技機10を選択する際に、当該遊技機10の設定値を推測することが可能となり、遊技機10の選択のための情報(推測設定値)に基づいて、遊技機10を選択することが可能となる。これにより、遊技機10の選択の楽しみを付与することができる。
【0202】
電源投入前の稼働(前営業日の稼働)に基づいて、規定回数の連続当選を達成しているような場合には、連続判定遊技回数が決定されて、安定した情報により信頼性の高い推測設定値を得ることができる可能性が高いものとなる。
【0203】
本実施の形態によれば、複数の種類の設定値(具体的には、設定値1〜6)の中から選択された特定の設定値に関する情報をサブ制御手段300に送信しない。これにより、メイン制御手段200からサブ制御手段300へ特定の設定値に関する情報を送信する途中(例えば、途中のハーネスやコネクタ等の伝送路)や、サブ制御手段300から、特定の設定値が不正な方法で読み取られることがない。これにより、メイン制御手段200で設定されている特定の設定値に関する情報を不正に盗み取るような不正行為、いわゆるゴト行為を防止することができる。
【0204】
本実施の形態によれば、サブ制御手段300の推測手段330により、設定値を推測するために用いる特定役は、少なくとも10分の1以上の抽選確率で当選するように設定されている。具体的には、特定役としての小役Cは、設定値1〜6において、役抽選の当選確率が(1/8.0)〜(1/7.5)の範囲に設定されている。これにより、特定役は、少なくとも遊技回数10回の中で、少なくとも1回の頻度で当選するものであり、2回の連続当選であっても、遊技回数100回の中で1回の発生は可能となるものである。仮に規定回数が10回とすると遊技回数1000回の遊技で10回の規定回数に到達可能な状態となる。上記数値よりも小さな抽選確率になると、連続当選する遊技回数が極端に大きな数値となり、さらに、その連続当選が所定の規定回数(10回)だけ達成するためには、さらに多くの遊技回数を経なければ、推測設定値を得ることができず、通常の遊技ホールの1日の遊技回数等を考慮すると、実質的に設定値を推測する意味が無くなってしまい、現実的な効果を奏し難くなる。
【0205】
本実施の形態では、遊技ホールでの実際の遊技の進行速度等を考慮して、上述したような数値範囲に限定したことで、実際の遊技ホールにおける遊技の進行の中で、現実的に計数処理可能で、実質的に有効に活用可能な推測設定値を得ることができる。
【0206】
なお、上述した第1の実施の形態では、不正行為による悪影響を避けるため、メイン制御手段200からサブ制御手段300へは、設定値に関する具体的な情報を送信していないが、必ずしもこれに限定されるものではない。設定値に関する具体的な情報をメイン制御手段200からサブ制御手段300へ、送信するような構成として、送信された設定値と、サブ制御手段300で推測した推測設定値とを用いて、何らかの処理を実行するようにしてもよい。
具体的には、例えば、サブ制御手段300において、メイン制御手段200から送信されてきた設定値から想定される出玉状況(払出状況)と、実際の出玉状況(払出状況)とが、遊技者側が好調すぎて(いわゆるヒキが強すぎて)、あまりにも乖離しているような場合には、送信されてきた設定値ではなく、推測設定値の方を優先して、この推測設定値に基づいて、各種の処理(例えば、演出の抽選処理)等を実行するようにしてもよい。
【0207】
また、上述した第1の実施の形態では、連続判定遊技回数をカウントする場合、電源投入後の最初の遊技からカウントを開始しているが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、電源投入後(設定変更後)の任意の遊技(所定回数の遊技経過)、例えば10回の遊技経過後や、役抽選の結果、所定の当選後に特殊な状態が発生するならば、当該特殊な状態が終了した後や、特定の条件が成立した後等からカウントを開始するようにしてもよい。また、連続判定遊技回数をカウントする場合、10回の規定回数に到達した時点でカウントを終了しているが、これに限らず、規定回数に到達した後も、連続判定遊技回数のカウントを継続してもよいものである。また、本実施形態では、連続判定遊技回数をカウントするための専用の連続判定遊技回数カウンタを設けてカウントしているが、例えば、特定の遊技状態の遊技区間をカウントする場合や、特定の遊技条件が成立してからの所定回数の遊技を実行する場合にカウントする等、この連続判定遊技回数カウンタを他の処理において利用するようにしてもよい。
【0208】
また、上述した第1の実施の形態では、電源投入の際に設定変更処理が行われた場合、設定値に無関係な設定変更用アトラクト抽選テーブル(
図9)を用いてアトラクト映像を抽選しているが、これに限らず、設定変更処理が行われた場合であっても、設定値を推測し、推測設定値に基づいてアトラクト映像を決定するようにしてもよい。例えば、電源投入時に設定変更処理が行われたときには、設定変更用アトラクト抽選テーブルを用いるが、その後、遊技の進行により、連続判定遊技回数をカウントしていった場合には、遊技者が離席して待機状態へ移行したときには、遊技履歴に基づいて、設定値を推測し、この推測設定値に基づいて、設定据え置き用アトラクト抽選テーブルを用いてアトラクト抽選を実行し、アトラクト演出を決定してもよいものである。
【0209】
本実施の形態では、電源投入直後に発生する待機状態において、表示装置84に表示されるアトラクト映像に対して、推測設定値を反映することで、遊技ホールの開店直後の遊技者の遊技機10選びの参考にすることができるものである。しかし、上述したように、遊技者による遊技を開始した後(営業時間中)の待機状態においても出力されるアトラクト映像の抽選に推測設定値を反映するようにしてもよいものである。
【0210】
また、本実施の形態では、電源投入直後に発生する待機状態において、出力されるアトラクト演出等の抽選に対して、推測設定値を反映させているが、これに限らず、待機状態以外の状態において表示装置84に出力される演出(例えば、背景画像の表示や、ARTの終了画面の表示)や、スピーカー72からのBGMの出力や、演出用ランプ78の発光等の抽選に対しても、推測設定値を反映させるようにしてもよい。
【0211】
また、本実施の形態では、特定役としての小役Cの2回連続当選により特定小役カウンタに1を加算しているが、これに限定されるものではない。例えば、連続していない遊技において小役Cが当選した場合にも連続当選として判定することもできる。例えば、11回目の遊技で小役Cが当選し、12回目の遊技で小役Dが当選し、13回目の遊技で小役Cが当選する等、奇数回の遊技回数(又は偶数回の遊技回数)において連続当選している場合に連続当選として判定するようにすることもできる。さらに、5回の遊技回数の範囲内において、小役Cが2回当選するなど、特定の遊技回数の範囲内で、小役Cが少なくとも2回当選している場合(非当選や、小役Dの当選を挟んでいてもよい)に、連続当選として判定するようにしてもよいものである。
【0212】
さらに、本実施の形態では、設定値間の当選確率に差のある小役Cの2回連続当選に基づいて設定値を推測しているが、これに限らず、設定値間の当選確率に差がある複数の小役の連続当選に基づいて設定値を推測するようにしてもよい。例えば、設定値間の当選確率に差がある小役C1と、小役C2と、小役C3とを対象とし、小役C1の当選の次に、小役C2の当選が発生した場合や、小役C2の当選の次に、小役C1の当選が発生した場合等、設定値間の当選確率に差がある複数の小役のいずれかの小役が連続当選したならば、これを連続当選として判定するようにしてもよいものである。
【0213】
また、本実施の形態では、設定値間の当選確率に差がある特定役として小役Cを採用し、メダルの払出を伴う役を対象として設定値を推測しているが、これに限らず、メダルの払出を伴わない役である再遊技役や、有利な遊技状態へ移行する権利が付与される移行役(ボーナス役)等を対象として設定値を推測するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、設定値間の当選確率に差がある抽選情報が役抽選に関するものであることから、特定役として小役Cの当選回数に基づいて設定値を推測しているが、これに限らず、例えばチャンスゾーン(CZ)や、上乗せ特化ゾーンへの移行等を決定する抽選の当選確率が設定値間で差を設けているような場合には、これらの特定の遊技状態(CZや、上乗せ特化ゾーン)への移行を決定した回数(又はこれらの遊技状態へ移行した回数)等に基づいて設定値を推測するようにしてもよい。
【0214】
(第2の実施の形態)
上述した第1の実施の形態では、規定回数は10回に固定され、規定回数が10回に到達したときにのみ、推測設定値を決定し、この推測設定値を示唆するアトラクト画面を抽選により決定してアトラクト映像を表示させることができるように形成されていた。また、規定回数が10回に到達していないときは、推測設定値を決定せず、設定値や推測設定値に関連しない演出を行っていた。
それに対して、本実施の形態に係る遊技機10は、規定回数は上述したように10回の1つだけでなく、規定回数として1回、2回、・・・8回、9回、10回等、複数個設けられているものである。
【0215】
そして、推測手段330は、これらの複数の規定回数(1回、2回、・・・9回、10回
の中の1の規定回数の特定役(小役C)の2回連続当選を達成するごとに当該規定回数における推測設定値を推測して、遊技の進行に伴って、1回から2回へ、また、2回から3回へ等のように規定回数を次の規定回数に切り換えて、推測設定値を推測するようにしたものである。
この推測設定値を示唆する情報も、規定回数が1回から2回へ、また、2回から3回へ等のように切り換わるごとに、外部へ出力可能としたことを特徴とするものである。
【0216】
図26(A)〜(I)は、本実施の形態に係る規定回数1回〜9回の各設定値推測用テーブルである。
第1の実施の形態における規定回数が10回に固定されていたのに対して、本実施の形態では、規定回数が1回、2回、・・10回と次々に変更されていくものであり、各規定回数における連続判定遊技回数がそれぞれ算出され、これらの各規定回数に対応する連続判定遊技回数により、各規定回数毎に推測設定値を決定するものである。したがって、各規定回数毎に設定値推測用テーブルを有しており(
図26(A)〜(I)、
図13)、各規定回数に対応する設定値推測用テーブル(
図26(A)〜(I)、
図13)により推測設定値を決定して、決定した推測設定値に基づく設定据え置き用アトラクト抽選テーブル(
図8)を用いて、アトラクト画面を抽選により決定しているものである。
【0217】
具体的には、先ず、最初に規定回数が1回に設定された場合、小役Cの2回連続当選が1回目(連続判定カウンタが1)のときの連続判定遊技回数カウンタにより、連続判定遊技回数が算出される。
図26(A)に示す規定回数1回の場合の設定値推測用テーブルにより、推測設定値が決定される。そして、第1の実施の形態と同様の手順で、設定据え置き用アトラクト抽選テーブルを用いたアトラクト抽選により、アトラクト画面A〜Fの中からいずれか1つのアトラクト画面が決定されるものである。
【0218】
次に、規定回数が2回に設定され、小役Cの2回連続当選が2回目(連続判定カウンタが2)のときの連続判定遊技回数カウンタにより、連続判定遊技回数が算出される。
図26(B)に示す規定回数2回の場合の設定値推測用テーブルにより、推測設定値が決定される(詳しくは、規定回数が1回に設定されたときに決定した推測設定値が、今回決定した推測設定値へ変更(上書き)される)。そして、第1の実施の形態と同様の手順で、設定据え置き用アトラクト抽選テーブルを用いたアトラクト抽選により、アトラクト画面A〜Fの中からいずれか1つのアトラクト画面が決定されるものである。以下、遊技の進行に伴って、規定回数も2回、3回、4回、・・・9回、10回と移行し、各規定回数に対応する設定値推測用テーブルにより推測設定値が決定されていくものである。
規定回数が変更されていく以外の構成や作用、効果は、第1の実施の形態と略同様であるため、それらの説明は省略する。
【0219】
本実施の形態によれば、複数の規定回数(1回、2回、・・10回等)の中の1の規定回数の特定役(小役C)の連続当選を達成するごとに推測設定値が推測され、遊技の進行に伴って、規定回数が次の規定回数に切りかわるごとに、その推測設定値を示唆する情報(いわゆるアトラクト画面A〜Fのいずれかの画面)が表示装置84を介して外部へ出力可能となっている。これにより、連続判定遊技回数の小さな早期の段階から設定値の推測が可能であり、遊技が進行して、遊技履歴が蓄積されるごとに、遊技回数が増えて、より正確な推測設定値を得ることができる。
なお、本実施の形態の場合、必ずしも待機状態でのアトラクト演出によるものだけではなく、通常の遊技中にも、推測設定値を示唆する画面や演出を表示させるようにしてもよい。
【0220】
本実施の形態によれば、推測設定値が、当初のバラツキの大きいものから、遊技の進行に伴って、設定値の推測の精度が段々と高くなる具合を、遊技者が興味を持って見守ることができるという新たな遊技性を有することができる。
【0221】
(第3の実施の形態)
本実施の形態に係る遊技機10は、遊技の進行を制御するメイン制御手段200と、メイン制御手段200から送信される情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブ制御手段300とを備えている。
【0222】
メイン制御手段200は、第1の実施の形態と同様に所定の抽選確率に基づいて役に当選するか否かの役抽選を行うものである。この所定の抽選確率は、複数種類の設定値に応じて異なる値が設定されている。
【0223】
ここで、メイン制御手段200は、複数種類の設定値(1〜6)の中から選択された特定の設定値に対応する抽選確率を用いて役抽選を実行すると共に、役抽選の抽選結果及び特定の設定値に関する具体的な情報(設定値1〜6の中のいずれの設定値が設定されているかの具体的な情報)をサブ制御手段300に送信するものである。
そして、サブ制御手段300は、複数の遊技において特定の役(特定役)の所定回数(規定回数)の連続当選を達成するまでの遊技回数(連続判定遊技回数)により特定の設定値を推測する推測手段330を備えている。
【0224】
そして、サブ制御手段300は、メイン制御手段200により選択された特定の設定値と、推測手段330により推測された設定値(推測設定値)とが異なる場合には、当該情報を外部へ出力可能としたことを特徴としているものである。
本実施の形態によれば、サブ制御手段300の推測手段330が、複数の遊技において特定役の規定回数の連続当選を達成するまでの遊技回数(連続判定遊技回数)により特定の設定値を推測している。これにより、上述した第1の実施の形態で説明したものと同様の作用効果を有するものであり、各設定値の抽選確率の相違をより認識できるように拡大して、設定値の推測を容易に判定することができる。
さらに、それに加えて、本実施の形態では、以下に示すような作用効果を有する。
【0225】
具体的に説明すると、第1の実施の形態では、メイン制御手段200で設定された設定値(1〜6)に関する具体的な情報(設定値を1〜6のいずれの値に設定しているかという情報)は、不正防止等を考慮して、サブ制御手段300へ送信していなかった。
本実施の形態では、メイン制御手段200で設定された設定値に関する上記具体的な情報をサブ制御手段300へ送信するものである。一方で、サブ制御手段300では、第1の実施の形態で説明したような小役Cの規定回数の2回連続当選を達成するまでの遊技回数(連続判定遊技回数)を計数することにより、推測設定値を推測する。
【0226】
本実施の形態では、サブ制御手段300において、遊技結果により推測した推測設定値と、メイン制御手段200から送信されてきた設定値とが異なる場合には、不正操作が行われている可能性が高いものとして、当該遊技機10の外部に対して、当該内容に関する情報が出力され得るものである。具体的には、当該遊技機10を設置している遊技ホールのホール管理者が管理するホールコンピュータへ出力されるようなものが含まれる。
上述した内容以外の構成や作用及び効果は、第1の実施の形態で説明したものと同様であるため、それらの説明は省略する。
【0227】
仮に何らかの方法で、営業時間内(ホール管理者が設定値を設定する営業準備作業後)における遊技機10に対する不正な行為、いわゆるゴト行為、具体的には、例えば、メイン制御基板(メイン制御手段200)の全部を不正な基板に交換するものや、基板上の部品の一部を不正な部品に差し替える等の不正行為により、ホール管理者が電源投入時に設定した設定値とはかけ離れた頻度で特定役の当選が発生しているような場合には、その特定役の当選により推測される推測設定値と、メイン制御手段200から当初に送信されてきた特定の設定値とが、かけ離れた異なる数値となる。このような場合に、遊技中(すなわち、遊技ホールの遊技が行われている営業時間中)にホール管理者等に対して当該内容の情報が出力されて所定の報知が行われることで、何らかの不正行為(ゴト行為)が行われているかもしれないという不正行為を早期に推測するための手助けとなり、不正行為の発見を早期且つ容易なものにすることができ、不正行為の抑制を図ることが可能となる。
なお、「当該情報を外部へ出力」に代えて、又は、これに加えて、当該遊技機10における遊技を強制的に中断させるようにしてもよく、また、当該遊技機10の電源を遮断するようにしてもよい。
【0228】
(第4の実施の形態)
本実施の形態に係る遊技機10は、遊技の進行を制御するメイン制御手段200と、メイン制御手段200から送信される情報に基づき遊技の進行に合わせた演出の制御を行うサブ制御手段300とを備えている。
【0229】
メイン制御手段200は、特定の抽選に基づいて特定の事象の発生に当選するか否かの特定抽選を行うとともに、特定抽選の抽選結果に関する情報をサブ制御手段300に送信可能としている。この特定の抽選の抽選確率は、複数種類の設定値に応じて異なる値が設定されている。
サブ制御手段300は、複数の遊技において特定抽選の所定回数(規定回数)の連続当選を達成するまでの遊技回数(連続判定遊技回数)により特定の事象の発生に基づく設定値を推測する推測手段330を備えている。この推測手段330が推測した特定の事象の発生に基づく設定値を示唆する情報を外部へ出力可能としたことを特徴とするものである。
第1の実施の形態では、推測手段330により、設定値を推測するため、複数の遊技において特定役としての小役Cの規定回数の連続当選を達成するまでの遊技回数(連続判定遊技回数)により推測設定値を決定していた。すなわち、設定値を推測するために、設定値毎の当選確率の相違を有する特定役としての小役Cの当選頻度に着目して、その頻度を計数していた。
【0230】
それに対して、本実施の形態では、設定値を推測するために着目する対象(計数する対象)が異なるものであり、設定値ごとに抽選確率が異なる特定の事象に着目し、当該特定の事象の発生を計数しているものである。この特定の事象は、具体的には、通常遊技とは異なり、通常遊技から所定の移行抽選により移行可能であって、通常遊技よりも遊技者へ付与される利益が大きくなる可能性を有しているような有利遊技(例えば、ARTや、ATや、RT等)や、チャンスゾーン(CZ)のような特定の遊技区間のようなものが含まれるものである。特定の事象としての、これらの有利遊技や、チャンスゾーン等において、設定値(1〜6)に応じて通常遊技から移行するための移行抽選の移行確率が異なるように設定されているものが対象となるものである。
なお、本実施の形態でも、第1の実施の形態と同様に、「特定の事象」の抽選確率は、少なくとも10分の1以上のものが好ましいものである。
【0231】
本実施の形態によれば、推測手段330が、特定の事象の規定回数の連続当選を達成するまでの遊技回数(連続判定遊技回数)により特定の設定値を推測している。
特定の事象の1回の当選だけではなく、2回連続当選を1単位としている。この特定の事象の2回連続当選を1単位として、この2回連続当選が規定回数に達成するまでの遊技回数を判定することにより、設定値毎の抽選確率の相違を、より大きな遊技回数(連続判定遊技回数)として認識することができ、設定値の推測を遊技回数の相違により容易に判定することができる。
【0232】
結果として、特定事象の規定回数の連続当選を達成するまでの遊技回数により、各設定値の抽選確率の相違をより認識できるように拡大して、設定値の推測を容易に判定することができる。
【0233】
なお、本実施の形態は、上述した構成や作用効果以外の内容は、第1の実施の形態で説明したものと略同様であって、同様の構成や、同様の作用効果を奏するものである。
上述した第1〜第4の実施の形態や、それらに記載したなお書き等の内容は、組み合わせ可能なものであれば、それらを任意に組み合わせるようにしてもよいものである。
【解決手段】メイン制御手段200は、所定の抽選確率に基づいて役に当選するか否かの役抽選を行い、所定の抽選確率は、複数種類の設定値に応じて異なる値が設定され、メイン制御手段200は、複数種類の設定値の中から選択された特定の設定値に対応する抽選確率を用いて役抽選を実行すると共に、役抽選の抽選結果に関する情報をサブ制御手段300に送信し、サブ制御手段300は、複数の遊技において特定の役(特定役)の所定回数(規定回数)の連続当選を達成するまでの遊技回数(連続判定遊技回数)により特定の設定値を推測する推測手段330を備えるとともに、推測手段330が推測した設定値(推測設定値)を示唆する情報を外部へ出力可能としたことを特徴とする。