特許第6063706号(P6063706)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6063706
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1345 20060101AFI20170106BHJP
   G02F 1/1339 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   G02F1/1345
   G02F1/1339 505
【請求項の数】16
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2012-232101(P2012-232101)
(22)【出願日】2012年10月19日
(65)【公開番号】特開2014-85401(P2014-85401A)
(43)【公開日】2014年5月12日
【審査請求日】2015年10月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】横川 昭
【審査官】 佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−319421(JP,A)
【文献】 特開2005−242099(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0018165(US,A1)
【文献】 特開2000−089235(JP,A)
【文献】 特開2008−139604(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0273423(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/1343−1/1345
G02F1/1339−1/1341
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示するアクティブエリアの外周に沿って外周配線を備えた第1基板と、
前記第1基板に対向配置された第2基板と、
前記アクティブエリアを囲み液晶注入口を有し、前記第1基板と前記第2基板との間にセルギャップを形成した状態で前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせるシール材と、
前記シール材によって囲まれた内側のセルギャップに保持された液晶層と、
前記液晶注入口を封止する封止材と、を備え、
前記液晶注入口に位置し第1方向に延出した前記外周配線は、第1方向に延出し第1方向に直交する第2方向に並んだ第1直線部及び第2直線部を含む複数の直線部からなる第1配線部と、第1方向及び第2方向に交差する第3方向に延出し前記第1直線部に繋がった第3直線部及び第1乃至第3方向に交差する第4方向に延出し前記第2直線部に繋がった第4直線部を含む複数の直線部からなる格子状の第2配線部と、第1方向に延出し第3直線部に繋がった第5直線部及び第1方向に延出し前記第5直線部と第2方向に並び第4直線部に繋がった第6直線部を含む複数の直線部からなる第3配線部と、を含む、液晶表示装置。
【請求項2】
前記第2配線部は、前記液晶注入口の略中央に位置する、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第1配線部及び前記第配線部の各直線部は、それぞれ第2方向に等間隔で並んでいる、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第1配線部及び前記第配線部における各直線部の第1方向に沿った長さは、前記外周配線の中央部よりも前記外周配線のエッジ側の方が長い、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第3直線部及び前記第4直線部は、前記液晶注入口の略中央で交差している、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記第1乃至第3配線部は、第1方向に連続して交互に形成されている、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
前記第1乃至第3配線部の各々において、同一方向に延出した各直線部のピッチは各直線部の幅と同等である、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項8】
画像を表示するアクティブエリアの外周に沿って外周配線を備えた第1基板と、
前記第1基板に対向配置された第2基板と、
前記アクティブエリアを囲み液晶注入口を有し、前記第1基板と前記第2基板との間にセルギャップを形成した状態で前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせるシール材と、
前記シール材によって囲まれた内側のセルギャップに保持された液晶層と、
前記液晶注入口を封止する封止材と、を備え、
前記液晶注入口に位置し第1方向に延出した前記外周配線は、第1方向に延出した第1スリットと、第1方向に延出し前記第1スリットと同一直線上に位置する第2スリットと、前記第1スリットと前記第2スリットとの間に第1方向に対して斜めに交差する斜め配線と、前記第1スリットを挟んだ両側に括弧型の第3スリットと、を含む、液晶表示装置。
【請求項9】
前記外周配線は、さらに、前記第1スリットと前記第2スリットとの間に、前記第1スリット及び前記第2スリットよりも第1方向の長さが短い1個以上の開口部を含む、請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項10】
前記開口部は、マトリクス状に並んだ、請求項9に記載の液晶表示装置。
【請求項11】
前記第1及び第2スリットの幅は、外周配線の配線幅と同等である、請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項12】
前記第1及び第2スリットは、六角形状である、請求項8に記載の液晶表示装置。
【請求項13】
画像を表示するアクティブエリアの外周に沿って外周配線を備えた第1基板と、
前記第1基板に対向配置された第2基板と、
前記アクティブエリアを囲み液晶注入口を有し、前記第1基板と前記第2基板との間にセルギャップを形成した状態で前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせるシール材と、
前記シール材によって囲まれた内側のセルギャップに保持された液晶層と、
前記液晶注入口を封止する封止材と、を備え、
前記液晶注入口に位置し第1方向に延出した前記外周配線は、第1方向に延出する第1直線部と、第1方向と直交する第2方向に前記第1直線部と並んだ第2直線部と、第1方向及び第2方向に交差する第3方向に延出し前記第1直線部に繋がった第3直線部と、第1乃至第3方向に交差する第4方向に延出し前記第2直線部に繋がった第4直線部と、第1方向に延出し第3直線部に繋がった第5直線部と、第1方向に延出し前記第5直線部と第2方向に並び第4直線部に繋がった第6直線部と、を含み、
前記第1直線部と前記第直線部は同一直線上に位置し、前記第2直線部と前記第直線部は同一直線上に位置し、前記第3直線部と前記第4直線部は交差し、前記交差する位置において前記外周配線は格子状に形成される、液晶表示装置。
【請求項14】
前記第3直線部及び前記第4直線部は、前記液晶注入口の略中央で交差している、請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項15】
前記第1乃至第3配線部の各々において、同一方向に延出した各直線部は、第2方向に等間隔に並んでいる、請求項13に記載の液晶表示装置。
【請求項16】
前記第1乃至第3配線部の各々において、同一方向に延出した各直線部のピッチは各直線部の幅と同等である、請求項13に記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置は、軽量、薄型、低消費電力などの特徴を生かして、パーソナルコンピュータなどのOA機器やテレビなどの表示装置として各種分野で利用されている。近年では、液晶表示装置は、携帯電話などの携帯端末機器や、カーナビゲーション装置、ゲーム機などの表示装置としても利用されている。
【0003】
液晶表示パネルを構成する一対の基板は、液晶層を保持するためのセルギャップを形成した状態でシール材によって貼り合わせられている。シール材に形成された液晶注入口は、封止材によって封止されている。封止材は、紫外線硬化型樹脂などの感光性樹脂材料によって形成されている。このため、液晶注入口に配線が位置している場合、封止材を硬化させるために照射した光が配線によって遮光され、封止材に到達しないことがある。このような場合、封止材が未硬化の状態で液晶層と接触するため、封止材に含まれる不純物による液晶層の汚染を招くおそれがある。不純物によって汚染された液晶層は、汚染されていない液晶層と比較して光学的特性あるいは電気的特性が異なり、配向が乱れることで、ムラとなって視認されるおそれがある(例えば、液晶注入口付近で、白ムラとして視認されることがある)。このため、表示品位の劣化を抑制することが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−139823号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態の目的は、表示品位の劣化を抑制することが可能な液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態によれば、
画像を表示するアクティブエリアの外周に沿って外周配線を備えた第1基板と、前記第1基板に対向配置された第2基板と、前記アクティブエリアを囲み液晶注入口を形成するように配置され、前記第1基板と前記第2基板との間にセルギャップを形成した状態で前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせるシール材と、前記シール材によって囲まれた内側のセルギャップに保持された液晶層と、前記液晶注入口を封止する封止材と、を備え、前記液晶注入口に位置し第1方向に延出した前記外周配線は、第1方向に延出し第1方向に直交する第2方向に並んだ第1直線部及び第2直線部を含む複数の直線部からなる第1配線部と、第1方向及び第2方向に交差する第3方向に延出し前記第1直線部に繋がった第3直線部及び第1乃至第3方向に交差する第4方向に延出し前記第2直線部に繋がった第4直線部を含む複数の直線部からなる格子状の第2配線部と、第1方向に延出し第3直線部に繋がった第5直線部及び第1方向に延出し前記第5直線部と第2方向に並び第4直線部に繋がった第6直線部を含む複数の直線部からなる第3配線部と、を含む、液晶表示装置が提供される。
【0007】
本実施形態によれば、
画像を表示するアクティブエリアの外周に沿って外周配線を備えた第1基板と、前記第1基板に対向配置された第2基板と、前記アクティブエリアを囲み液晶注入口を形成するように配置され、前記第1基板と前記第2基板との間にセルギャップを形成した状態で前記第1基板と前記第2基板とを貼り合わせるシール材と、前記シール材によって囲まれた内側のセルギャップに保持された液晶層と、前記液晶注入口を封止する封止材と、を備え、前記液晶注入口に位置し第1方向に延出した前記外周配線は、第1方向に延出した第1スリットと、第1方向に延出し前記第1スリットと同一直線上に位置する第2スリットと、前記第1スリットと前記第2スリットとの間に第1方向に対して斜めに交差する斜め配線と、を含む、液晶表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態の液晶表示装置DSPの一例を概略的に示す平面図である。
図2図2は、図1に示した表示パネルPNLにおいて液晶注入口ILに位置する外周配線CNの構造の一例を概略的に示す平面図である。
図3図3は、図1に示した表示パネルPNLにおいて液晶注入口ILに位置する外周配線CNの構造の一例を概略的に示す平面図である。
図4図4は、封止材SCを硬化させるための露光工程を説明するための表示パネルPNLの断面図である。
図5図5は、液晶注入口ILに封止された状態の封止材SCの一例を概略的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
図1は、本実施形態の液晶表示装置DSPの一例を概略的に示す平面図である。
【0011】
すなわち、液晶表示装置DSPは、表示パネルPNLを備えている。この表示パネルPNLは、アクティブマトリクスタイプの液晶表示パネルであり、アレイ基板ARと、アレイ基板ARに対向配置された対向基板CTと、アレイ基板ARと対向基板CTとの間に保持された液晶層LQと、を備えている。アレイ基板ARと対向基板CTとは、これらの間に所定のセルギャップを形成した状態でシール材SEによって貼り合わせられている。このセルギャップは、アレイ基板ARまたは対向基板CTに形成された図示しない柱状スペーサによって形成されている。液晶層LQは、アレイ基板ARと対向基板CTとの間のセルギャップにおいてシール材SEによって囲まれた内側に保持されている。
【0012】
このような表示パネルPNLは、シール材SEによって囲まれた内側に、画像を表示するアクティブエリアACTを備えている。アクティブエリアACTは、例えば、略長方形状であり、m×n個のマトリクス状に配置された複数の画素PXによって構成されている(但し、m及びnは正の整数である)。
【0013】
アレイ基板ARは、第1方向Xに沿って延出したゲート配線G、第1方向Xに交差する第2方向Yに沿って延出したソース配線S、ゲート配線G及びソース配線Sに接続されたスイッチング素子SW、スイッチング素子SWに接続された画素電極PEなどを備えている。液晶層LQを介して画素電極PEの各々と対向する対向電極CEは、例えば対向基板CTに備えられているが、アレイ基板ARに備えられていても良い。
【0014】
なお、表示パネルPNLの詳細な構成については説明を省略するが、TN(Twisted Nematic)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、VA(Vertical Aligned)モードなどの主として縦電界や斜め電界を利用するモードや、IPS(In−Plane Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モードなどの主として横電界を利用するモードなどを適用可能に構成されている。横電界を利用するモードを適用した構成では、画素電極PE及び対向電極CEの双方がアレイ基板ARに備えられる。
【0015】
駆動ICチップ2及びフレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)基板3などの表示パネルPNLの駆動に必要な信号を供給する信号供給源は、アクティブエリアACTよりも外側の周辺エリアPRPに位置している。図示した例では、駆動ICチップ2及びFPC基板3は、対向基板CTの基板端部CTEよりも外側に延出したアレイ基板ARの実装部MTに実装されている。
【0016】
シール材SEは、矩形平板状の表示パネルPNLの端部に沿って略矩形枠状に形成されている。このシール材SEは、アクティブエリアACTを挟んで、実装部MTの反対側に、液晶材料を注入するための液晶注入口ILを形成するように配置されている。このような液晶注入口ILは、シール材SEの両端部をそれぞれ表示パネルPNLのパネル端部PNEに引き出すことによって形成されている。このような液晶注入口ILは、封止材SCによって封止されている。シール材SEは、例えば、熱硬化型樹脂材料によって形成されている。封止材SCは、例えば、紫外線硬化型樹脂などの感光性樹脂材料によって形成されている。
【0017】
アレイ基板ARは、さらに、アクティブエリアACTの外周に沿って形成された外周配線CNを備えている。この外周配線CNは、周辺エリアPRPに位置し、実装部MTを除いたアレイ基板ARの3辺に沿って形成され、実装部MTにおいて信号供給源(図示した例ではFPC基板3)に接続されている。また、外周配線CNは、シール材SEに沿うように配置され、パネル端部PNE側では、液晶注入口ILを横切っている。
【0018】
このような外周配線CNは、例えば、コモン電位が供給されるコモン配線であり、対向電極CEなどと接続されている。また、外周配線CNは、ゲート配線Gなどと同様の配線材料(アルミニウム、チタン、モリブデン、タングステンなどの光をほとんど透過しない導電材料)によって形成されている。
【0019】
図2は、図1に示した表示パネルPNLにおいて液晶注入口ILに位置する外周配線CNの構造の一例を概略的に示す平面図である。なお、ここでは、封止材の図示を省略している。
【0020】
液晶注入口ILに位置する外周配線CNは、第1方向Xに沿って延出している。この外周配線CNは、液晶注入口ILにおいて、複数の直線部からなるストライプ状の配線部CN1、CN3、CN5、CN7と、格子状の配線部CN2、CN4、CN6と、を含んでいる。つまり、ストライプ状の配線部と格子状の配線部とは第1方向Xに沿って交互に配置されている。
【0021】
以下に、外周配線CNの形状についてより詳しく説明する。ここでは、第1方向Xに沿って順に並んだ3つの配線部CN3、CN4、CN5に着目して説明する。
【0022】
配線部CN3は、それぞれ第1方向Xに延出した10本の直線部L30乃至L39を備えている。これらの直線部L30乃至L39は、第2方向Yに等間隔に並んでいる。10本の直線部のうち、外周配線CNのエッジを形成する直線部L30はパネル端部PNE側に位置し、また、外周配線CNの反対側のエッジを形成する直線部L39は、アクティブエリアACTと周辺エリアPRPとの境界側に位置している。2本の直線部L34及び直線部L35は、いずれも外周配線CNの中央部に位置している。直線部L30及びL39の第1方向Xに沿った長さは、直線部L34及びL35の第1方向Xに沿った長さよりも長い。つまり、外周配線CNのエッジ側に位置する直線部の長さは、外周配線CNの中央部に位置する直線部の長さよりも長い。換言すると、外周配線CNの中央部に位置する直線部ほどその長さは短く、逆に、外周配線CNのエッジ側に位置する直線部ほどその長さは長い。
【0023】
配線部CN4は、液晶注入口ILの中央部ILCに位置している。この配線部CN4は、第1方向X及び第2方向Yに交差する第3方向D3に延出した5本の直線部L40乃至L44と、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向D3のいずれとも交差する第4方向D4に延出した5本の直線部L45乃至L49と、を備えている。例えば、第3方向D3と第4方向D4とは互いに直交している。5本の直線部L40乃至L44と、5本の直線部L45乃至L49とは互いに直交し、格子状をなしている。直線部L40は直線部L30に繋がり、直線部L41は直線部L31に繋がり、直線部L42は直線部L32に繋がり、直線部L43は直線部L33に繋がり、直線部L44は直線部L34に繋がり、直線部L45は直線部L35に繋がり、直線部L46は直線部L36に繋がり、直線部L47は直線部L37に繋がり、直線部L48は直線部L38に繋がり、直線部L49は直線部L39に繋がっている。
【0024】
配線部CN5は、配線部CN3と同様に構成され、それぞれ第1方向Xに延出した10本の直線部L50乃至L59を備えている。これらの直線部L50乃至L59は、第2方向Yに等間隔に並んでいる。直線部L50は直線部L40に繋がり、直線部L51は直線部L41に繋がり、直線部L52は直線部L42に繋がり、直線部L53は直線部L43に繋がり、直線部L54は直線部L44に繋がり、直線部L55は直線部L45に繋がり、直線部L56は直線部L46に繋がり、直線部L57は直線部L47に繋がり、直線部L58は直線部L48に繋がり、直線部L59は直線部L49に繋がっている。
【0025】
液晶注入口ILを規定するシール材SEの両端部は、それぞれ配線部CN1及び配線部CN7に重なっているが、シール材SEは配線部CN2乃至配線部CN6には重なっていない。
【0026】
一例として、直線部Lのそれぞれの第2方向Yに沿った幅は50μmである。
【0027】
次に、別の観点から外周配線CNの構造について説明する。
【0028】
図3は、図1に示した表示パネルPNLにおいて液晶注入口ILに位置する外周配線CNの構造の一例を概略的に示す平面図である。なお、ここでは、封止材の図示を省略している。
【0029】
液晶注入口ILに位置し第1方向Xに延出した外周配線CNは、第1方向Xに延出した複数のスリットSLと、マトリクス状に並んだ複数の開口部APと、を含んでいる。一例として、スリットSL11は、外周配線CNの中央部に位置し、第1方向Xに延出した直線状に形成されている。スリットSL11を挟んだ両側には、向かい合う一対の括弧型のスリットSL12及びスリットSL13が形成されている。つまり、スリットSL12の形状は“〔”であり、スリットSL13の形状は“〕”である。これらのスリットSL12及びスリットSL13は、それぞれ第1方向Xに沿った直線部を含んでおり、それぞれの直線部はスリットSL11と平行であり且つスリットSL11と等間隔で並んでいる。第1方向Xまた、スリットSL12及びスリットSL13の外側には、同様の括弧型の形状でありながら第1方向Xに延びた直線部を含むスリットが形成されている。
【0030】
一方、スリットSL21は、外周配線CNの中央部に位置し、第1方向Xに延出した直線状に形成されている。このスリットSL21は、スリットSL11と同一直線上に位置している。スリットSL21を挟んだ両側にも同様に、向かい合う一対の括弧型のスリットSL22及びスリットSL23が形成されている。
【0031】
このような外周配線CNは、スリットSL11とスリットSL21との間に、第1方向X及び第2方向Yに対して斜めに交差する斜め配線L1乃至L10を備えている。斜め配線L1乃至L5は、第1方向X及び第2方向Yに交差する第3方向D3に沿って延出している。斜め配線L6乃至L10は、第1方向X、第2方向Y、及び、第3方向D3のいずれとも交差する第4方向D4に延出している。5本の斜め配線L1乃至L5と、5本の斜め配線L6乃至L10との間には、マトリクス状に並んだ複数の開口部APが形成されている。スリットSL11とスリットSL21との間には、第1方向Xに並んだ4個の開口部APが形成されている。これらの開口部APは、いずれも略同一サイズであり、それらの第1方向Xの長さは、スリットSL11及びスリットSL21の第1方向Xの長さよりも短い。
【0032】
一例として、スリットSLのそれぞれの第2方向Yに沿った幅は50μmである。
【0033】
図4は、封止材SCを硬化させるための露光工程を説明するための表示パネルPNLの断面図である。なお、ここでは、液晶注入口ILにおける説明に必要な構成のみを簡略化して図示している。
【0034】
アレイ基板ARと対向基板CTとの間に液晶層LQを保持した表示パネルPNLにおいて、アレイ基板ARは周辺エリアPRPに外周配線CNを備え、また、対向基板CTは周辺エリアPRPに遮光層BMを備えている。アレイ基板AR及び対向基板CTはいずれもガラス基板や樹脂基板などの透明な絶縁基板を用いて形成されているが、対向基板CT側には遮光層BMが配置されているため、封止材SCを硬化させるための光照射は、アレイ基板AR側から行う。すなわち、封止材SCを硬化させるための光源LSは、アレイ基板ARの背面側に位置している。光源LSは、感光性樹脂材料からなる封止材SCを硬化させるのに必要な波長を含む光を放射するものである。例えば、封止材SCが紫外線硬化型樹脂材料からなる場合、光源LSは、紫外線波長を含む光を放射する。
【0035】
図示した例は、封止材SCが液晶注入口ILに充填された状態を示している。封止材SCは、パネル端部PNEから表示パネルPNLの内側に向かって充填されている。パネル端部PNE側においては、アレイ基板ARに光を遮る部材がほとんどないため、光源LSから放射された光は、封止材SCに十分に到達する。表示パネルPNLの内側(液晶層LQに接触する側)においては、アレイ基板ARに外周配線CNが配置されているため、光源LSからの放射光の一部が遮られるが、外周配線CNの隙間(つまり、上述したスリットSLや開口部AP)を透過した放射光が封止材SCに到達する。また、光源LSからの放射光は、発散性を有しているため、外周配線CNの隙間を透過した光が回り込み、封止材SCの略全体に到達する。このため、封止材SCの液晶層LQと接触する先端部SCTを含むその全体を十分に硬化させることが可能となる。
【0036】
近年、液晶表示装置の小型化及び大画面化といった要望が高まり、画像を表示するアクティブエリアACTを囲む額縁の幅が狭くなる傾向にあり、一方では、静電気対策などのためにアクティブエリアACTの周辺に外周配線CNを必要とする機種が増えてきている。狭額縁化された表示パネルPNLにおいては、アクティブエリアACTとシール材SEとの間に広い幅を確保することが困難であり、外周配線CNは、シール材SEの近接した位置に沿って形成される。このため、外周配線CNは、シール材SEに形成された液晶注入口ILを横切る。液晶注入口ILに充填された感光性樹脂材料からなる封止材SCを硬化させるためには、封止材SCに向けて光照射する必要があるが、外周配線CNはゲート配線などと同様の配線材料によって形成されるため、封止材SCに向けて照射された光を遮る。このため、封止材SCの一部が未硬化となり、封止材SCと液晶層LQとが接触した際に、封止材SCに含まれる不純物によって液晶層LQが汚染されやすい。
【0037】
そこで、本実施形態では、封止材SCの未硬化を抑制するためには、外周配線CNに隙間(スリットや開口部)を設けることは勿論のこと、さらに、封止材SCに光源LSからの放射光が到達しやすい(つまり、外周配線CNの隙間を透過した光の回り込みによって封止材SCの略全体に放射光が到達する)パターンの外周配線CNを提供する。より具体的には、外周配線CNは、その配線抵抗が増大しない程度に線幅を50μm程度に細線化し、また、それらのピッチ(あるいはスリット幅)も50μm程度の狭ピッチとする。また、外周配線CNのうち、一方向に延びる直線部は、その長さを短縮し、斜め方向に延びる直線部と繋ぐ。また、外周配線CNは、一部に格子状(あるいは網目状)に形成された部分を含む。
【0038】
細線化された直線部においては、それらの間の隙間(スリット)を透過した光が回り込み、直線部と重なる位置の封止材SCに対して光源LSからの放射光が到達しやすくなる。また、格子状に形成された部分においては、マトリクス状の隙間(開口部)を透過した光が回り込み、格子部分に重なる位置の封止材SCに対して光源LSからの放射光が到達しやすくなる。
【0039】
これにより、封止材SCの略全体に放射光が到達し、封止材SCの未硬化を抑制することが可能となる。したがって、封止材SCと液晶層LQとが接触したとしても、封止材SCから液晶層LQへの不純物の溶出を抑制することができ、液晶層LQの汚染に起因した表示品位の劣化を抑制することが可能となる。
【0040】
図5は、液晶注入口ILに封止された状態の封止材SCの一例を概略的に示す平面図である。
【0041】
液晶注入口ILにおいて、封止材SCの入り込み量は、表示パネルPNLにおいて重要な管理項目の一つである。すなわち、封止材SCの先端部SCTが周辺エリアPRPに留まり、アクティブエリアACTに侵入していないことを確認する必要がある。封止材SCの入り込み量を確認するに際しては、上記の通り、対向基板CTが遮光層BMを備えているため、アレイ基板ARの背面側から先端部SCTの位置を測定する必要がある。
【0042】
本実施形態では、外周配線CNは、上記の通り、細線化され、また直線部の長さを短縮したため、先端部SCTの位置を外周配線CNの隙間から容易に測定することが可能となる。特に、液晶注入口ILの中央部ILCの付近では、封止材SCが最も入り込みやすく、アクティブエリアACTに接近しやすいが、中央部ILCには、外周配線CNのうち、斜め配線が交差した格子状の配線部が位置しているため、中央部ILCに第1方向Xに平行な直線部が位置している場合と比較して、先端部SCTの位置を容易に確認することが可能となる。したがって、封止材SCの入り込み量を精度良く管理することが可能となる。
【0043】
以上説明したように、本実施形態によれば、表示品位の劣化を抑制することが可能な液晶表示装置を提供することができる。
【0044】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0045】
DSP…表示装置
PNL…表示パネル AR…アレイ基板 CT…対向基板 LQ…液晶層
ACT…アクティブエリア PRP…周辺エリア
SE…シール材 IL…液晶注入口 SC…封止材
CN…外周配線 L…直線部 SL…スリット AP…開口部
図1
図2
図3
図4
図5