特許第6063710号(P6063710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6063710
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1368 20060101AFI20170106BHJP
   G02F 1/1343 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   G02F1/1368
   G02F1/1343
【請求項の数】7
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2012-239401(P2012-239401)
(22)【出願日】2012年10月30日
(65)【公開番号】特開2014-89338(P2014-89338A)
(43)【公開日】2014年5月15日
【審査請求日】2015年9月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100095441
【弁理士】
【氏名又は名称】白根 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075672
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100119976
【弁理士】
【氏名又は名称】幸長 保次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100140176
【弁理士】
【氏名又は名称】砂川 克
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100172580
【弁理士】
【氏名又は名称】赤穂 隆雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100124394
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 立志
(74)【代理人】
【識別番号】100112807
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 貴志
(74)【代理人】
【識別番号】100111073
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 美保子
(74)【代理人】
【識別番号】100134290
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 将訓
(72)【発明者】
【氏名】廣澤 仁
【審査官】 佐藤 洋允
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−198846(JP,A)
【文献】 特開2000−081641(JP,A)
【文献】 特開2009−128905(JP,A)
【文献】 特開平09−236820(JP,A)
【文献】 特開平10−206867(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/103726(WO,A1)
【文献】 特開2009−109657(JP,A)
【文献】 特開2004−271971(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F1/135−1/1368
G02F1/1343−1/1345
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延出したゲート配線と、第1方向に交差する第2方向に延出したソース配線と、前記ゲート配線及び前記ソース配線と電気的に接続されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子を覆う第1層間絶縁膜と、前記第1層間絶縁膜上に形成され第1方向に延出し前記ゲート配線と対向する副共通電極と、前記第1層間絶縁膜上に形成され前記副共通電極に繋がり前記ソース配線に沿って第2方向に延出した第1主共通電極と、前記副共通電極及び前記第1主共通電極を覆う第2層間絶縁膜と、前記第2層間絶縁膜上に形成され第2方向に延出し前記ソース配線と対向し前記第1主共通電極と同電位の第2主共通電極と、前記第2層間絶縁膜上に形成され第2方向に延出し前記副共通電極と交差し前記スイッチング素子と電気的に接続された主画素電極と、前記第2主共通電極及び前記主画素電極を覆う第1配向膜と、を備えた第1基板と、
第2方向に延出し前記第2主共通電極と対向し前記第2主共通電極と同電位の第3主共通電極と、前記第3主共通電極を覆う第2配向膜と、を備えた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に保持された液晶層と、
を備えた液晶表示装置。
【請求項2】
前記第1基板は、さらに、それぞれ第1方向に延出した第1補助容量線及び第2補助容量線を備え、
前記ゲート配線は、前記第1補助容量線と前記第2補助容量線との中間に位置する、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記第1基板は、さらに、前記主画素電極の一端部に繋がり前記第1補助容量線上に位置し第1方向に延出した第1副画素電極と、前記主画素電極の他端部に繋がり前記第2補助容量線上に位置し第1方向に延出した第2副画素電極と、を備えた請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記第1基板は、さらに、前記第1補助容量線上に位置するコンタクト部を備え、
前記第1補助容量線は、前記コンタクト部と対向する位置に開口部を備え、
前記コンタクト部は、前記開口部を経由して前記スイッチング素子と電気的に接続され、
前記第1副画素電極は前記コンタクト部にコンタクトした、請求項3に記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記第1副画素電極は、前記第2副画素電極よりも太い幅を有する、請求項3または4に記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記第1主共通電極は、透明な導電材料によって形成され、しかも、前記ソース配線と重なる位置よりも前記主画素電極側に配置され、
前記第2主共通電極は、前記ソース配線の線幅よりも小さい電極幅を有し、前記ソース配線と重なる位置に配置された、請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項7】
第1方向に延出したゲート配線と、第1方向に交差する第2方向に延出したソース配線と、前記ゲート配線及び前記ソース配線と電気的に接続されたスイッチング素子と、第1方向に延出し前記ゲート配線と対向するゲートシールド電極と、第2方向に延出し前記ソース配線と対向し前記ゲートシールド電極と同電位のソースシールド電極と、第2方向に延出し前記ゲートシールド電極と立体交差し前記ソースシールド電極から離間し前記スイッチング素子と電気的に接続された主画素電極と、を備えた第1基板と、
第2方向に延出し前記ソースシールド電極と対向し前記ソースシールド電極と同電位の主共通電極を備えた第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に保持された液晶層と、
を備えた液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、液晶表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、平面表示装置が盛んに開発されており、中でも液晶表示装置は、軽量、薄型、低消費電力等の利点から特に注目を集めている。特に、各画素にスイッチング素子を組み込んだアクティブマトリクス型液晶表示装置においては、IPS(In−Plane Switching)モードやFFS(Fringe Field Switching)モードなどの横電界(フリンジ電界も含む)を利用した構造が注目されている。このような横電界モードの液晶表示装置は、アレイ基板に形成された画素電極と対向電極とを備え、アレイ基板の主面に対してほぼ平行な横電界で液晶分子をスイッチングする。
【0003】
このような横電界モードに対して、アレイ基板に形成された画素電極と、対向基板に形成された対向電極との間に、横電界あるいは斜め電界を形成し、液晶分子をスイッチングする技術も提案されている。その一例として、画素電極の一部がゲート配線を覆い、ゲート配線からの電界を遮蔽する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−088542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態の目的は、表示品位の劣化を抑制することが可能な液晶表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態によれば、
第1方向に延出したゲート配線と、第1方向に交差する第2方向に延出したソース配線と、前記ゲート配線及び前記ソース配線と電気的に接続されたスイッチング素子と、前記スイッチング素子を覆う第1層間絶縁膜と、前記第1層間絶縁膜上に形成され第1方向に延出し前記ゲート配線と対向する副共通電極と、前記第1層間絶縁膜上に形成され前記副共通電極に繋がり前記ソース配線に沿って第2方向に延出した第1主共通電極と、前記副共通電極及び前記第1主共通電極を覆う第2層間絶縁膜と、前記第2層間絶縁膜上に形成され第2方向に延出し前記ソース配線と対向し前記第1主共通電極と同電位の第2主共通電極と、前記第2層間絶縁膜上に形成され第2方向に延出し前記副共通電極と交差し前記スイッチング素子と電気的に接続された主画素電極と、前記第2主共通電極及び前記主画素電極を覆う第1配向膜と、を備えた第1基板と、第2方向に延出し前記第2主共通電極と対向し前記第2主共通電極と同電位の第3主共通電極と、前記第3主共通電極を覆う第2配向膜と、を備えた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に保持された液晶層と、を備えた液晶表示装置が提供される。
【0007】
本実施形態によれば、
第1方向に延出したゲート配線と、第1方向に交差する第2方向に延出したソース配線と、前記ゲート配線及び前記ソース配線と電気的に接続されたスイッチング素子と、第1方向に延出し前記ゲート配線と対向するゲートシールド電極と、第2方向に延出し前記ソース配線と対向し前記ゲートシールド電極と同電位のソースシールド電極と、第2方向に延出し前記ゲートシールド電極と立体交差し前記ソースシールド電極から離間し前記スイッチング素子と電気的に接続された主画素電極と、を備えた第1基板と、第2方向に延出し前記ソースシールド電極と対向し前記ソースシールド電極と同電位の主共通電極を備えた第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に保持された液晶層と、を備えた液晶表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態における液晶表示装置の構成及び等価回路を概略的に示す図である。
図2図2は、図1に示したアレイ基板ARを対向基板側から見たときの一画素PXの構成例を概略的に示す平面図である。
図3図3は、図2に示したアレイ基板ARを構成する主要な層構造を概略的に示す分解図である。
図4図4は、図1に示した対向基板CTにおける一画素PXの構造例を概略的に示す平面図である。
図5図5は、図2のA−B線で切断した液晶表示パネルLPNの断面構造を概略的に示す断面図である。
図6図6は、図2のC−D線で切断した液晶表示パネルLPNの断面構造を概略的に示す断面図である。
図7図7は、図2のE−F線で切断した液晶表示パネルLPNの断面構造を概略的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
【0010】
図1は、本実施形態における液晶表示装置の構成及び等価回路を概略的に示す図である。
【0011】
すなわち、液晶表示装置は、アクティブマトリクスタイプの液晶表示パネルLPNを備えている。液晶表示パネルLPNは、第1基板であるアレイ基板ARと、アレイ基板ARに対向して配置された第2基板である対向基板CTと、これらのアレイ基板ARと対向基板CTとの間に保持された液晶層LQと、を備えている。このような液晶表示パネルLPNは、画像を表示するアクティブエリアACTを備えている。このアクティブエリアACTは、m×n個のマトリクス状に配置された複数の画素PXによって構成されている(但し、m及びnは正の整数である)。
【0012】
液晶表示パネルLPNは、アクティブエリアACTにおいて、ゲート配線G(G1〜Gn)、補助容量線C(C1〜Cn)、ソース配線S(S1〜Sm)などを備えている。ゲート配線G及び補助容量線Cは、例えば、第1方向Xに沿って略直線状に延出している。ゲート配線G及び補助容量線Cは、第1方向Xに交差する第2方向Yに沿って間隔をおいて隣接し、交互に並列配置されている。ここでは、第1方向Xと第2方向Yとは互いに直交している。ソース配線Sは、第2方向Yに沿って略直線状に延出し、ゲート配線G及び補助容量線Cと交差している。なお、ゲート配線G、補助容量線C、及び、ソース配線Sは、必ずしも直線状に延出していなくても良く、それらの一部が屈曲していてもよい。
【0013】
各ゲート配線Gは、アクティブエリアACTの外側に引き出され、ゲートドライバGDに接続されている。各ソース配線Sは、アクティブエリアACTの外側に引き出され、ソースドライバSDに接続されている。これらのゲートドライバGD及びソースドライバSDの少なくとも一部は、例えば、アレイ基板ARに形成され、コントローラを内蔵した駆動ICチップ2と接続されている。
【0014】
各画素PXは、スイッチング素子SW、画素電極PE、共通電極CEなどを備えている。保持容量Csは、例えば補助容量線Cと画素電極PEとの間に形成される。補助容量線Cは、補助容量電圧が印加される電圧印加部VCSと電気的に接続されている。
【0015】
スイッチング素子SWは、例えば、nチャネル薄膜トランジスタ(TFT)によって構成されている。このスイッチング素子SWは、ゲート配線G及びソース配線Sと電気的に接続されている。このようなスイッチング素子SWは、トップゲート型あるいはボトムゲート型のいずれであっても良い。また、スイッチング素子SWの半導体層は、例えば、ポリシリコンによって形成されているが、アモルファスシリコンによって形成されていても良い。
【0016】
画素電極PEは、各画素PXに配置され、スイッチング素子SWに電気的に接続されている。共通電極CEは、例えばコモン電位であり、液晶層LQを介して複数の画素PXの画素電極PEに対して共通に配置されている。給電部VSは、例えば、アレイ基板ARにおけるアクティブエリアACTの外側に形成されている。共通電極CEは、アクティブエリアACTの外側に引き出され、図示しない導電部材を介して、給電部VSと電気的に接続されている。
【0017】
なお、本実施形態においては、液晶表示パネルLPNは、画素電極PEがアレイ基板ARに形成される一方で共通電極CEの少なくとも一部が対向基板CTに形成された構成であり、これらの画素電極PEと共通電極CEとの間に形成される電界を主に利用して液晶層LQの液晶分子をスイッチングする。画素電極PEと共通電極CEとの間に形成される電界は、第1方向Xと第2方向Yとで規定されるX−Y平面あるいは基板主面に対してわずかに傾いた斜め電界(あるいは、基板主面にほぼ平行な横電界)である。
【0018】
図2は、図1に示したアレイ基板ARを対向基板側から見たときの一画素PXの構成例を概略的に示す平面図である。ここでは、X−Y平面における平面図を示している。
【0019】
アレイ基板ARは、ゲート配線G1、補助容量線C1、補助容量線C2、ソース配線S1、ソース配線S2、画素電極PE、共通電極CEの一部、第1配向膜AL1などを備えている。なお、図示しないが、アレイ基板ARは、スイッチング素子も備えている。
【0020】
補助容量線C1及び補助容量線C2は、第2方向Yに沿って間隔をおいて配置され、それぞれ第1方向Xに沿って延出している。ゲート配線G1は、補助容量線C1と補助容量線C2との間に位置し、第1方向Xに沿って延出している。図示した例では、ゲート配線G1は、補助容量線C1と補助容量線C2との略中間に位置している。つまり、ゲート配線G1と補助容量線C1との第2方向Yに沿った間隔は、ゲート配線G1と補助容量線C2との第2方向Yに沿った間隔と略同等である。ソース配線S1及びソース配線S2は、第1方向Xに沿って間隔をおいて配置され、それぞれ第2方向Yに沿って延出している。画素電極PEは、隣接するソース配線S1とソース配線S2との間に配置されている。
【0021】
図示した例では、画素PXは、図中の破線で示したように、補助容量線C1及び補助容量線C2とソース配線S1及びソース配線S2とが成すマス目の領域に相当し、第1方向Xに沿った長さが第2方向Yに沿った長さよりも短い長方形状である。画素PXの第1方向Xに沿った長さはソース配線S1とソース配線S2との第1方向Xに沿ったピッチに相当し、画素PXの第2方向Yに沿った長さは補助容量線C1と補助容量線C2との第2方向Yに沿ったピッチに相当する。
【0022】
図示した画素PXにおいて、ソース配線S1は左側端部に位置し当該画素PXとその左側に隣接する画素との境界に跨って配置され、ソース配線S2は右側端部に位置し当該画素PXとその右側に隣接する画素との境界に跨って配置され、補助容量線C1は上側端部に位置し当該画素PXとその上側に隣接する画素との境界に跨って配置され、補助容量線C2は下側端部に位置し当該画素PXとその下側に隣接する画素との境界に跨って配置されている。ゲート配線G1は、画素PXの略中央部に配置されている。
【0023】
図示しないスイッチング素子は、ゲート配線G1及びソース配線S1に電気的に接続され、ゲート配線G1とソース配線S1の交点付近に設けられている。コンタクト部PCは、スイッチング素子と電気的に接続されている。このコンタクト部PCは、補助容量線C1と重なる領域のうち、ゲート配線G1に近接する側に位置している。
【0024】
画素電極PEは、補助容量線C1と重なる位置でコンタクト部PCと電気的に接続されている。この画素電極PEは、主画素電極PA、第1副画素電極PB1、及び、第2副画素電極PB2を備えている。これらの主画素電極PA、第1副画素電極PB1、及び、第2副画素電極PB2は、一体的あるいは連続的に形成され、互いに電気的に接続されている。
【0025】
主画素電極PAは、ソース配線S1とソース配線S2との間に位置し、画素PXの上側端部付近及び下側端部付近まで第2方向Yに沿って直線状に延出している。図示した例では、主画素電極PAは、ソース配線S1とソース配線S2との略中間に位置している。つまり、ソース配線S1と主画素電極PAとの第1方向Xに沿った間隔は、ソース配線S2と主画素電極PAとの第1方向Xに沿った間隔と略同等である。このような主画素電極PAは、第1方向Xに沿って略同一の幅を有する帯状に形成されている。
【0026】
第1副画素電極PB1は、ソース配線S1とソース配線S2との間において、第1方向Xに沿って直線状に延出している。この第1副画素電極PB1は、主画素電極PAの一端部に繋がり、補助容量線C1と重なる領域のうち、ゲート配線G1に近接する側に位置している。また、第1副画素電極PB1は、その少なくとも一部がコンタクト部PCと重なり、コンタクト部PCにコンタクトしている。このような第1副画素電極PB1は、第2方向Yに沿って略同一の幅W1を有する帯状に形成されている。
【0027】
第2副画素電極PB2は、ソース配線S1とソース配線S2との間において、第1方向Xに沿って直線状に延出している。この第2副画素電極PB2は、主画素電極PAの他端部に繋がり、補助容量線C2と重なる領域のうち、ゲート配線G1に近接する側に位置している。このような第2副画素電極PB2は、第2方向Yに沿って略同一の幅W2を有する帯状に形成されている。
【0028】
図示していないが、1本の補助容量線は、第2方向Yに隣接する2つの画素に跨って配置されており、当該補助容量線と重なる領域には、一方の画素に配置された画素電極の第1副画素電極PB1と、他方の画素に配置された画素電極の第2副画素電極PB2とが間隔をおいて隣接している。第1副画素電極PB1はコンタクト部PCとのコンタクトに必要な面積を確保するために幅広に形成される一方で、第2副画素電極PB2は電界形成のための電極として機能すれば良い。このため、第1副画素電極PB1の幅W1は、第2副画素電極PB2の幅W2よりも太い。
【0029】
共通電極CEは、第1主共通電極CA1、第2主共通電極CA2、及び、副共通電極CBを備えている。第1主共通電極CA1及び副共通電極CBは、一体的あるいは連続的に形成され、互いに電気的に接続されている。第2主共通電極CA2は、第1主共通電極CA1などとは離間しているが、互いに電気的に接続され(あるいは、第1主共通電極CA1及び第2主共通電極CA2の双方がアクティブエリアACTの外側で給電部VSに接続され)、同一のコモン電位に設定されている。
【0030】
第1主共通電極CA1は、ソース配線Sに沿って延出している。あるいは、第1主共通電極CA1は、X−Y平面内において、主画素電極PAを挟んだ両側に位置し、第2方向Yに沿って直線状に延出している。この第1主共通電極CA1は、ソース配線Sと重なる位置よりも画素電極PEの側に配置されている。このような第1主共通電極CA1は、第1方向Xに沿って略同一の幅を有する帯状に形成されている。
【0031】
図示した例では、第1主共通電極CA1は、第1方向Xに間隔をおいて2本平行に並んでおり、画素PXの左側端部に位置する第1主共通電極CAL1と、画素PXの右側端部に位置する第1主共通電極CAR1と、を備えている。第1主共通電極CAL1は、ソース配線S1に沿って延出し、ソース配線S1と重なる位置よりも画素電極PEの側に配置されているが、その一部がソース配線S1に重なる位置に延在していても良い。同様に、第1主共通電極CAR1は、ソース配線S2に沿って延出し、ソース配線S2に重なる位置よりも画素電極PEの側に配置されているが、その一部がソース配線S2に重なる位置に延在していても良い。
【0032】
副共通電極CBは、ゲート配線G1に沿って延出している。あるいは、副共通電極CBは、X−Y平面内において、第1方向Xに沿って直線状に延出している。この副共通電極CBは、ゲート配線G1と対向している。このような副共通電極CBは、帯状に形成されている。この副共通電極CBの第2方向Yに沿った電極幅は、例えば、ゲート配線G1の第2方向Yに沿った幅よりも大きい。つまり、副共通電極CBは、ゲート配線G1と重なる位置に配置されている。この副画素電極CBは、第1主共通電極CA1と繋がっている。
【0033】
第2主共通電極CA2は、ソース配線Sに対向している。あるいは、第2主共通電極CA2は、X−Y平面内において、主画素電極PAを挟んだ両側に位置し、第2方向Yに沿って直線状に延出している。あるいは、第2主共通電極CA2は、第1主共通電極CA1と略平行に延出している。このような第2主共通電極CA2は、ソース配線Sの幅よりも小さい電極幅を有し、第1方向Xに沿って略同一の幅を有する帯状に形成されている。
【0034】
図示した例では、第2主共通電極CA2は、第1方向Xに間隔をおいて2本平行に並んでおり、画素PXの左側端部に位置し当該画素PXとその左側に隣接する画素との境界に跨って配置された第2主共通電極CAL2と、画素PXの右側端部に位置し当該画素PXとその右側に隣接する画素との境界に跨って配置された第2主共通電極CAR2と、を備えている。第2主共通電極CAL2は、第1主共通電極CAL1に沿って延出し、ソース配線S1の線幅よりも小さい電極幅を有し、ソース配線S1と重なる位置に配置されている。また、第2主共通電極CAL2は、ソース配線S1の上で副共通電極CBと交差している。同様に、第2主共通電極CAR2は、第1主共通電極CAR1に沿って延出し、ソース配線S2の線幅よりも小さい電極幅を有し、ソース配線S2と重なる位置に配置されている。また、第2主共通電極CAR2は、ソース配線S2の上で副共通電極CBと交差している。
【0035】
このようなアレイ基板ARにおいては、画素電極PE及び第2主共通電極CA2は、第1配向膜AL1によって覆われている。この第1配向膜AL1には、液晶層LQの液晶分子を初期配向させるために、配向処理方向PD1に沿って配向処理がなされている。配向処理方向PD1は、例えば、第2方向Yと略平行である。
【0036】
図3は、図2に示したアレイ基板ARを構成する主要な層構造を概略的に示す分解図である。なお、ここでは、アレイ基板ARにおける主な導電層を図示している。
【0037】
第1層L1と第2層L2との間には第1絶縁膜11が介在し、第2層L2と第3層L3との間には第2絶縁膜12が介在し、第3層L3と第4層L4との間には第3絶縁膜13が介在し、第4層L4と第5層L5との間には第4絶縁膜14が介在している。
【0038】
第1層L1には、スイッチング素子の半導体層SCが配置されている。半導体層SCは、例えば、ポリシリコンによって形成され、ソース配線S1の下方を通り、ゲート配線G1と交差し、補助容量線C1の下方に延出している。この半導体層SCのうち、ゲート配線G1の直下に位置する領域がチャネル領域SCCに相当し、チャネル領域SCCよりもソース配線S1とコンタクトする側の領域がソース領域SCSに相当し、チャネル領域SCCよりも補助容量線C1の下方に延出する側の領域がドレイン領域SCDに相当する。
【0039】
第2層L2には、補助容量線C1、ゲート配線G1、及び、補助容量線C2が配置されている。補助容量線C1は、一部のドレイン領域SCDの上方に位置している。この補助容量線C1には、ドレイン領域SCDと対向する位置に開口部ACが形成されている。ゲート配線G1のうち、半導体層SCの上方に位置する領域がスイッチング素子のゲート電極WGに相当する。
【0040】
第3層L3には、ソース配線S1、ソース配線S2、及び、コンタクト部PCが配置されている。ソース配線S1は、一部の半導体層の上方に位置している。ソース配線S1のうち、半導体層SCとコンタクトする領域がスイッチング素子のソース電極WSに相当する。すなわち、ソース電極WSは、第1絶縁膜11及び第2絶縁膜12を貫通するコンタクトホールを介してソース領域SCSにコンタクトしている。コンタクト部PCは、補助容量線C1の上方に位置している。このコンタクト部PCは、スイッチング素子のドレイン電極に相当する。すなわち、コンタクト部PCは、開口部ACを経由し第1絶縁膜11及び第2絶縁膜12を貫通するコンタクトホールを介してドレイン領域SCDにコンタクトしている。
【0041】
第4層L4には、第1主共通電極CAL1、第1主共通電極CAR1、及び、副共通電極CBが配置されている。第1主共通電極CAL1は、ソース配線S1の上方の位置よりも画素PXの内側に位置している。第1主共通電極CAR1は、ソース配線S2の上方の位置よりも画素PXの内側に位置している。副共通電極CBは、ゲート配線G1の上方に位置している。
【0042】
第5層L5には、第2主共通電極CAL2、第2主共通電極CAR2、及び、画素電極PEが配置されている。第2主共通電極CAL2は、ソース配線S1の上方に位置している。第2主共通電極CAR2は、ソース配線S2の上方に位置している。画素電極PEの主画素電極PAは、第4絶縁膜14を介して副共通電極CBと立体交差している。第1副画素電極PB1は、コンタクト部PCの上方に位置し、第3絶縁膜13及び第4絶縁膜14を貫通するコンタクトホールを介してコンタクト部PCにコンタクトしている。第2副画素電極PB2は、補助容量線C2の上方に位置している。
【0043】
図4は、図1に示した対向基板CTにおける一画素PXの構造例を概略的に示す平面図である。ここでは、X−Y平面における平面図を示している。なお、ここでは、説明に必要な構成のみを図示し、また、アレイ基板の主要部である画素電極PE及び共通電極CEの一部を破線で示している。
【0044】
対向基板CTは、共通電極CEの一部である第3主共通電極CA3を備えている。第3主共通電極CA3は、例えば、アクティブエリアの外側においてアレイ基板の給電部VSと電気的に接続され(あるいは、アレイ基板に備えられた第1主共通電極CA1などと電気的に接続され)、第1主共通電極CA1などと同一のコモン電位に設定されている。
【0045】
第3主共通電極CA3は、X−Y平面内において、画素電極PEを挟んだ両側に位置し、第2方向Yに沿って直線状に延出している。この第3主共通電極CA3は、第2主共通電極CA2の上方に位置している。このような第3主共通電極CA3は、第1方向Xに沿って略同一の幅を有する帯状に形成されている。
【0046】
図示した例では、第3主共通電極CA3は、第1方向Xに間隔をおいて2本平行に並んでおり、画素PXの左側端部に位置し当該画素PXとその左側に隣接する画素との境界に跨って配置された第3主共通電極CAL3と、画素PXの右側端部に位置し当該画素PXとその右側に隣接する画素との境界に跨って配置された第3主共通電極CAR3と、を備えている。第3主共通電極CAL3は、第2主共通電極CAL2と対向している。第3主共通電極CAR3は、第2主共通電極CAR2と対向している。
【0047】
このような対向基板CTにおいては、第3主共通電極CA3は、第2配向膜AL2によって覆われている。この第2配向膜AL2には、液晶層LQの液晶分子を初期配向させるために、第2配向処理方向PD2に沿って配向処理がなされている。ここでの配向処理とは、例えば、ラビング処理や光配向処理などである。第2配向処理方向PD2は、第1配向処理方向PD1と平行であり、図示した例では、第1配向処理方向PD1と同一方向である。なお、第1配向処理方向PD1及び第2配向処理方向PD2は、互いに逆向きの方向であっても良いし、ともに同一方向でありながら図示した例とは逆向きつまり第1副画素電極PB1から第2副画素電極PB2に向かう側であっても良い。
【0048】
図5は、図2のA−B線で切断した液晶表示パネルLPNの断面構造を概略的に示す断面図である。図6は、図2のC−D線で切断した液晶表示パネルLPNの断面構造を概略的に示す断面図である。図7は、図2のE−F線で切断した液晶表示パネルLPNの断面構造を概略的に示す断面図である。
【0049】
液晶表示パネルLPNを構成するアレイ基板ARの背面側には、バックライトBLが配置されている。バックライトBLとしては、種々の形態が適用可能であり、また、光源として発光ダイオード(LED)を利用したものや冷陰極管(CCFL)を利用したものなどのいずれでも適用可能であり、詳細な構造については説明を省略する。
【0050】
アレイ基板ARは、光透過性を有する第1絶縁基板10を用いて形成されている。このアレイ基板ARは、第1絶縁基板10の内側、つまり、対向基板CTと対向する側において、詳述しないスイッチング素子のポリシリコンからなる半導体層SC、ゲート配線G1、補助容量線C1、補助容量線C2、ソース配線S1、ソース配線S2、画素電極PE、第1主共通電極CA1、第2主共通電極CA2、第1絶縁膜11、第2絶縁膜12、第3絶縁膜13、第4絶縁膜14、第1配向膜AL1などを備えている。
【0051】
半導体層SCは、第1絶縁基板10と第1絶縁膜11との間に形成されている。補助容量線C1、補助容量線C2、及び、ゲート配線G1は、第1絶縁膜11の上に形成され、第2絶縁膜12によって覆われている。これらの補助容量線C1、補助容量線C2、及び、ゲート配線G1は、同一の配線材料によって一括して形成可能である。ソース配線S1、ソース配線S2、及び、コンタクト部PCは、第2絶縁膜12の上に形成され、第3絶縁膜13によって覆われている。これらのソース配線S1、ソース配線S2、及び、コンタクト部PCは、同一の配線材料によって一括して形成可能である。第3絶縁膜13は、ソース配線S1などとともにスイッチング素子を覆う第1層間絶縁膜に相当する。
【0052】
第1主共通電極CA1及び副共通電極CBは、第3絶縁膜13の上に形成され、第4絶縁膜14によって覆われている。これらの第1主共通電極CA1及び副共通電極CBは、例えば、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成されている。
【0053】
第4絶縁膜14は、第1主共通電極CA1及び副共通電極CBを覆う第2層間絶縁膜に相当する。この第4絶縁膜14は、例えば、透明な樹脂材料によって形成されている。このような第4絶縁膜14は、その下層に位置する各種配線や各種電極による段差を緩和し、その表面が略平坦化されている。
【0054】
画素電極PEの主画素電極PA、第1副画素電極PB1、及び、第2副画素電極PB2は、第4絶縁膜14の上に形成され、第1配向膜AL1によって覆われている。また、第2主共通電極CA2は、第4絶縁膜14の上に形成され、画素電極PEから離間し、第1配向膜AL1によって覆われている。これらの画素電極PE及び第2主共通電極CA2は、同一材料によって一括して形成可能であり、例えば、ITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成されても良いし、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの不透明な配線材料によって形成されても良い。
【0055】
第1配向膜AL1は、アレイ基板ARの対向基板CTと対向する面に配置され、アクティブエリアACTの略全体に亘って延在している。この第1配向膜AL1は、第4絶縁膜14の上にも配置されている。このような第1配向膜AL1は、水平配向性を示す材料によって形成されている。
【0056】
対向基板CTは、光透過性を有する第2絶縁基板20を用いて形成されている。この対向基板CTは、第2絶縁基板20の内側、つまり、アレイ基板ARと対向する側において、ブラックマトリクスBM、カラーフィルタCF、オーバーコート層OC、第3主共通電極CA3、第2配向膜AL2などを備えている。
【0057】
ブラックマトリクスBMは、各画素PXを区画し、画素電極PEと対向する開口部APを形成する。すなわち、ブラックマトリクスBMは、ソース配線S、補助容量線C、スイッチング素子SWなどの配線部に対向するように配置されている。ここに示した例では、ブラックマトリクスBMは、ソース配線S1及びソース配線S2の上方に位置し第2方向Yに沿って延出した部分と、補助容量配線C1及び補助容量線C2の上方に位置し第1方向Xに沿って延出した部分を備えており、格子状に形成されている。このブラックマトリクスBMは、第2絶縁基板20のアレイ基板ARに対向する内面20Aに配置されている。
【0058】
カラーフィルタCFは、各画素PXに対応して配置されている。すなわち、カラーフィルタCFは、第2絶縁基板20の内面20AにおいてブラックマトリクスBMによって区画された内側(開口部AP)に配置されるとともに、その一部がブラックマトリクスBMに乗り上げている。第1方向Xに隣接する画素PXにそれぞれ配置されたカラーフィルタCFは、互いに色が異なる。例えば、カラーフィルタCFは、赤色、青色、緑色といった3原色にそれぞれ着色された樹脂材料によって形成されている。赤色の樹脂材料からなる赤色カラーフィルタは、赤色画素に対応して配置されている。青色の樹脂材料からなる青色カラーフィルタは、青色画素に対応して配置されている。緑色の樹脂材料からなる緑色カラーフィルタは、緑色画素に対応して配置されている。これらのカラーフィルタCF同士の境界は、ブラックマトリクスBMと重なる位置にある。また、カラーフィルタCFは、第2方向Yに隣接する複数の画素に亘って延出している。
【0059】
オーバーコート層OCは、カラーフィルタCFを覆っている。このオーバーコート層OCは、カラーフィルタCFの表面の凹凸の影響を緩和する。このようなオーバーコート層OCは、例えば、透明な樹脂材料によって形成されている。
【0060】
第3主共通電極CA3は、オーバーコート層OCのアレイ基板ARと対向する側に形成され、いずれもブラックマトリクスBMの下方に位置している。第3主共通電極CAL3の下方には、第2主共通電極CAL2が位置している。第3主共通電極CAR3の下方には、第2主共通電極CAR2が位置している。上記の開口部APにおいて、画素電極PEと第2主共通電極CA2及び第3主共通電極CA3との間の領域は、いずれもバックライト光が透過可能な透過領域に相当する。
【0061】
第2配向膜AL2は、対向基板CTのアレイ基板ARと対向する面に配置され、アクティブエリアACTの略全体に亘って延在している。この第2配向膜AL2は、第3主共通電極CA3やオーバーコート層OCを覆っている。このような第2配向膜AL2は、水平配向性を示す材料によって形成されている。
【0062】
上述したようなアレイ基板ARと対向基板CTとは、それぞれの第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2が対向するように配置されている。このとき、アレイ基板ARの第1配向膜AL1と対向基板CTの第2配向膜AL2との間には、例えば、樹脂材料によって一方の基板に一体的に形成された柱状スペーサが配置され、これにより、所定のセルギャップ、例えば2〜7μmのセルギャップが形成される。このセルギャップは、主画素電極PAと第1主共通電極CA1との間隔よりも小さい。アレイ基板ARと対向基板CTとは、所定のセルギャップが形成された状態で、アクティブエリアACTの外側のシール材によって貼り合わせられている。
【0063】
液晶層LQは、アレイ基板ARと対向基板CTとの間に形成されたセルギャップに保持され、第1配向膜AL1と第2配向膜AL2との間に配置されている。液晶層LQは、液晶分子LMを含んでいる。このような液晶層LQは、例えば、誘電率異方性が正(ポジ型)の液晶材料によって構成されている。
【0064】
アレイ基板ARの外面、つまり、第1絶縁基板10の外面10Bには、第1光学素子OD1が接着されている。この第1光学素子OD1は、液晶表示パネルLPNのバックライトBLと対向する側に位置しており、バックライトBLから液晶表示パネルLPNに入射する入射光の偏光状態を制御する。この第1光学素子OD1は、第1偏光軸AX1を有する第1偏光板PL1を含んでいる。なお、第1偏光板PL1と第1絶縁基板10との間に位相差板などの他の光学素子が配置されても良い。
【0065】
対向基板CTの外面、つまり、第2絶縁基板20の外面20Bには、第2光学素子OD2が接着されている。この第2光学素子OD2は、液晶表示パネルLPNの表示面側に位置しており、液晶表示パネルLPNから出射した出射光の偏光状態を制御する。この第2光学素子OD2は、第2偏光軸AX2を有する第2偏光板PL2を含んでいる。なお、第2偏光板PL2と第2絶縁基板20との間に位相差板などの他の光学素子が配置されていても良い。
【0066】
第1偏光板PL1の第1偏光軸AX1と、第2偏光板PL2の第2偏光軸AX2とは、クロスニコルの位置関係にある。このとき、一方の偏光板は、例えば、その偏光軸が主画素電極PAの延出方向あるいは液晶分子の初期配向方向と略平行または略直交するように配置されている。図4において、(a)で示した例では、第1偏光板PL1はその第1偏光軸AX1が第1方向Xと平行となるように配置され、また、第2偏光板PL2はその第2偏光軸AX2が第2方向Yと平行となるように配置されている。また、図4において、(b)で示した例では、第2偏光板PL2はその第2偏光軸AX2が第1方向Xと平行となるように配置され、また、第1偏光板PL1はその第1偏光軸AX1が第2方向Yと平行となるように配置されている。
【0067】
次に、上記構成の液晶表示パネルLPNの動作について説明する。
【0068】
すなわち、液晶層LQに電圧が印加されていない状態、つまり、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成されていない状態(OFF時)には、液晶層LQの液晶分子LMは、その長軸が第1配向膜AL1の第1配向処理方向PD1及び第2配向膜AL2の第2配向処理方向PD2を向くように配向している。このようなOFF時が初期配向状態に相当し、OFF時の液晶分子LMの配向方向が初期配向方向に相当する。ここでは、第1配向処理方向PD1及び第2配向処理方向PD2は、ともに第2方向Yと略平行且つ同じ向きの方向である。OFF時においては、図4に破線で示したように、液晶分子LMは、X−Y平面内において、その長軸が第2方向Yと略平行な方向に初期配向する。つまり、液晶分子LMの初期配向方向は、第2方向Yと平行である。
【0069】
このようなOFF時において、バックライトBLからのバックライト光の一部は、第1偏光板PL1を透過し、液晶表示パネルLPNに入射する。液晶表示パネルLPNに入射した光は、第1偏光板PL1の第1偏光軸AX1と直交する直線偏光である。このような直線偏光の偏光状態は、OFF時の液晶層LQを通過した際にほとんど変化しない。このため、液晶表示パネルLPNを透過した直線偏光は、第1偏光板PL1に対してクロスニコルの位置関係にある第2偏光板PL2によって吸収される(黒表示)。
【0070】
一方、液晶層LQに電圧が印加された状態、つまり、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成された状態(ON時)では、画素電極PEと共通電極CEとの間に基板と略平行な横電界(あるいは斜め電界)が形成される。液晶分子LMは、画素電極PEと共通電極CEとの間の電界の影響を受け、その配向状態が変化する。つまり、液晶分子LMはその長軸が図中の実線で示したようにX−Y平面と略平行な平面内で回転する。これにより、画素PXにおいて、画素電極PEと共通電極CEとの間にバックライト光が透過可能な透過領域が形成される。
【0071】
図4に示した例では、画素電極PEと第3主共通電極CAL3との間の領域のうち、上側半分の領域内の液晶分子LMは、主画素電極PA及び第1副画素電極PB1と第2主共通電極CAL2及び第3主共通電極CAL3との間に形成される電界が主として作用するため、第2方向Yに対して時計回りに回転し図中の左下を向くように配向する。また、下側半分の領域内の液晶分子LMは、主画素電極PA及び第2副画素電極PB2と第2主共通電極CAL2及び第3主共通電極CAL3との間に形成される電界が主として作用するため、第2方向Yに対して反時計回りに回転し図中の左上を向くように配向する。
【0072】
画素電極PEと第3主共通電極CAR3との間の領域のうち、上側半分の領域内の液晶分子LMは、主画素電極PA及び第1副画素電極PB1と第2主共通電極CAR2及び第3主共通電極CAR3との間に形成される電界が主として作用するため、第2方向Yに対して反時計回りに回転し図中の右下を向くように配向する。また、下側半分の領域内の液晶分子LMは、主画素電極PA及び第2副画素電極PB2と第2主共通電極CAR2及び第3主共通電極CAR3との間に形成される電界が主として作用するため、第2方向Yに対して時計回りに回転し図中の右上を向くように配向する。
【0073】
このように、各画素PXにおいて、画素電極PEと共通電極CEとの間に電界が形成された状態では、液晶分子LMの配向方向は、画素電極PE及び副共通電極CBと重なる位置を境界として複数の方向に分かれ、それぞれの配向方向でドメインを形成する。つまり、一画素PXには、複数のドメインが形成される。
【0074】
このようなON時に、第1偏光板PL1の第1偏光軸AX1と直交する直線偏光は、液晶表示パネルLPNに入射し、その偏光状態は、液晶層LQを通過する際に液晶分子LMの配向状態に応じて変化する。このため、ON時においては、液晶層LQを通過した少なくとも一部の光は、第2偏光板PL2を透過する(白表示)。
【0075】
このような本実施形態によれば、副共通電極CBは、ゲート配線Gと重なるように対向配置されているため、ゲート配線Gからの不所望な漏れ電界をシールドすることが可能である。つまり、副共通電極CBは、ゲートシールド電極として機能することが可能である。したがって、透過領域のうちのゲート配線Gに近接する領域での不所望な電界の影響が緩和され、表示品位の劣化を抑制することが可能となる。
【0076】
また、本実施形態によれば、アレイ基板ARは、各ソース配線Sの液晶層LQ側に同電位(例えばコモン電位)の2層の主共通電極(第1主共通電極CA1及び第2主共通電極CA2)を備えている。下層に位置する第1主共通電極CA1は、ソース配線Sよりも画素電極PEの側に位置し、また、上層に位置する第2主共通電極CA2は、ソース配線S2の直上に位置している。これらの第1主共通電極CA1及び第2主共通電極CA2は同電位であるため、これらの間に等電位面が形成される。このような等電位面は、下層に位置するソース配線Sから液晶層LQに向かう不所望な漏れ電界をシールドする。つまり、第1主共通電極CA1及び第2主共通電極CA2は、ソース配線Sからの不所望な漏れ電界をシールドすることが可能であり、ソースシールド電極として機能することが可能である。このとき、第1主共通電極CA1はソースシールド電極のうちの第1導電層に相当し、第2主共通電極CA2はソースシールド電極のうちの第2導電層に相当する。このように、画素電極PEに隣接するソース配線Sからの漏れ電界の影響を緩和することができ、クロストークによる表示品位の劣化を抑制することが可能となる。
【0077】
また、本実施形態によれば、ON時には、主画素電極PAと、第2主共通電極CA2及び第3主共通電極CA3との間に液晶分子の配向を制御するのに必要な横電界(あるいは斜め電界)が形成されるとともに、主画素電極PAと副共通電極CBとの間にフリンジ電界が形成される。このようなフリンジ電界は、X−Y平面内において上記の横電界と略平行である。このため、ゲート配線Gの近傍(あるいは、副共通電極CBの周辺)での液晶分子LMの配向の乱れを抑制することが可能となる。これにより、ゲート配線Gの近傍における透過率を向上することができ、一画素あたりの透過率を向上することが可能となる。
【0078】
なお、ここに説明した例において、フリンジ電界が液晶分子に作用すると、液晶分子の配向が乱れ所望の透過率を得られなくなる場合がある。このため、透明な樹脂材料からなる第4絶縁膜14の膜厚を厚くすることで、液晶層へのフリンジ電界の影響を低減することが可能となる。第4絶縁膜14は、例えば、1μm程度の膜厚に形成することが望ましいため、第4絶縁膜14を樹脂材料で形成する場合、透明な無機材料で第4絶縁膜14を形成する場合よりも歩留まりを向上することが可能となる。
【0079】
また、本実施形態によれば、第1主共通電極CA1は、開口部APと対向する領域に位置しているが、透明な導電材料によって形成されている。ON時には、第1主共通電極CA1の直上に位置する液晶分子LMは、画素電極PEと第2主共通電極CA2及び第3主共通電極CA3との間に形成される電界によって配向制御されるため、第1主共通電極CA1の直上の領域においても、表示に寄与する。つまり、本実施形態は、開口部APに第1主共通電極CA1を配置した構成であるものの、開口部APにおける透過率の低減を招くことは無く、高透過率を実現することが可能である。
【0080】
また、本実施形態によれば、主画素電極PAや、第2主共通電極CA2及び第3主共通電極CA3と重なる領域の液晶分子LMは、ON時においてもOFF時(あるいは黒表示時)と同様の初期配向状態を保っており、表示に寄与しない。このため、第2主共通電極CA2及び第3主共通電極CA3の電極幅がソース配線Sの線幅より大きい構成の場合には、ソース配線Sからはみ出した電極部分と重なる領域が表示に寄与しないのに対して、本実施形態によれば、第2主共通電極CA2及び第3主共通電極CA3の電極幅がソース配線Sの線幅よりも小さいため、液晶分子LMの配向を制御可能な領域を拡大することが可能となる。
【0081】
また、本実施形態によれば、ソース配線Sに近い側の第1主共通電極CA1は、ソース配線Sの直上の位置よりもずれた位置に配置されている。このため、ソース配線Sと第1主共通電極CA1との間での不所望な容量の形成を抑制することが可能となり、液晶表示装置の消費電力を低減することが可能となる。また、ソース配線Sと対向する第2主共通電極CA2は、第1主共通電極CA1よりもソース配線Sから離れた位置にあり、しかも、ソース配線Sよりも小さい線幅を有するため、これらの間に形成され得る容量が表示に及ぼす影響を低減することが可能となる。
【0082】
また、本実施形態によれば、ソース配線Sの直上に位置する第2主共通電極CA2と重なる領域、あるいは、ブラックマトリクスBMの直下に位置する第3主共通電極CA3と重なる領域の液晶分子LMは、ON時においても初期配向状態を保っている。このため、例えアレイ基板ARと対向基板CTとの間で合わせズレが生じたとしても、隣接する画素への不所望な電界の漏れを抑制することができる。したがって、隣接する画素間でカラーフィルタCFの色が異なる場合であっても、混色の発生を抑制することが可能となる。また、液晶表示パネルを斜め方向から観察した場合であっても、第2主共通電極CA2と重なる領域、あるいは、第3主共通電極CA3と重なる領域を光が透過しないため、混色の発生を抑制することが可能となる。
【0083】
また、本実施形態によれば、一画素内に複数のドメインを形成することが可能となる。このため、複数の方向で視野角を光学的に補償することができ、広視野角化が可能となる。
【0084】
また、本実施形態によれば、共通電極CEについて、第1主共通電極CA1及び副共通電極CBは互いに電気的に接続され、第2主共通電極CA2は第1主共通電極CA1と電気的に接続され、第3主共通電極CA3も第1主共通電極CA1などと電気的に接続されている。このため、共通電極の一部に断線が発生したりしたとしても、各画素PXに安定してコモン電位を供給することが可能となり、表示不良の発生を抑制することが可能となる。
【0085】
なお、上記の例では、液晶分子LMの初期配向方向が第2方向Yと平行である場合について説明したが、液晶分子LMの初期配向方向は、第2方向Yを斜めに交差する斜め方向であっても良い。
【0086】
また、上記の例では、液晶層LQが正(ポジ型)の誘電率異方性を有する液晶材料によって構成された場合について説明したが、液晶層LQは、誘電率異方性が負(ネガ型)の液晶材料によって構成されていても良い。
【0087】
以上説明したように、本実施形態によれば、表示品位の劣化を抑制することが可能な液晶表示装置を提供することが可能となる。
【0088】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0089】
LPN…液晶表示パネル
AR…アレイ基板 CT…対向基板 LQ…液晶層
PE…画素電極 PA…主画素電極 PB1…第1副画素電極 PB2…第2副画素電極
CE…共通電極 CA1…第1主共通電極 CA2…第2主共通電極 CA3…第3主共通電極 CB…副共通電極
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7