【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成24年度、文部科学省、「都市の脆弱性が引き起こす激甚災害の軽減化プロジェクト」委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の基礎杭評価システム100の一例を示す概略構成図である。
図1に示す基礎杭評価システム100は、地中に埋設された基礎杭1内に配置される検出装置10と、地上に配置されオペレータが操作可能な評価装置20と、を備える。なお、
図1において、2は、基礎杭1内に配筋された鉄筋籠であって、複数の縦筋3と、各縦筋3を囲う複数のフープ筋4とで構成される。複数の縦筋3のうち、予め設定した1本の縦筋が、アース用縦筋3gndとして設定されている。
【0014】
これら縦筋3およびフープ筋4は、例えば、エポキシ樹脂塗装鉄筋などで構成され、縦筋3およびフープ筋4は互いに絶縁されてなる。なお、エポキシ樹脂塗装鉄筋に限るものではなく、縦筋3およびフープ筋4を互いに絶縁することができればよく、例えば他の絶縁製樹脂を被覆してなる鉄筋を用いてもよい。また、全ての縦筋3およびフープ筋4がエポキシ樹脂塗装鉄筋で構成されている必要はなく、少なくともアース用縦筋3gndがエポキシ樹脂塗装鉄筋で構成されていればよい。また、アース用縦筋3gnd全体にエポキシ樹脂が塗装されている必要はなく、アース用縦筋3gndの、フープ筋4と接する部分にのみエポキシ樹脂を塗装してもよい。
【0015】
図2は、検出装置10の一例を示す概略構成図であり、
図1の要部Aの詳細を示したものである。
この検出装置10は、
図1に示すように、鉄筋籠2を構成する複数の縦筋3のうちのいずれか1本の鉄筋に、1または複数配置される。なお、検出装置10は、アース用縦筋3gndとは別の縦筋3に配置される。具体的には、検出装置10は、アース用縦筋3gndの近傍に位置する縦筋3など、検出装置10のアース端子GNDを、アース用縦筋3gndに接続しやすい位置にある縦筋3に配置される。
【0016】
検出装置10は、基礎杭1を地中に埋設したときに、液状化層など比較的基礎杭1に異常が生じやすい箇所、あるいは異なる地層ごとなど、基礎杭1に異常が生じやすいと予測される箇所に配置される。なお、検出装置10を、予め設定した間隔等で縦筋3に配置してもよい。
図2に示すように、検出装置10は、センサ11と、インタフェース部12と、バッテリ13と、制御部14と、を備え、これらは、コンクリートに埋設した場合でも耐久性のある箱体の中に収納されている。
【0017】
センサ11は、傾斜計など、基礎杭1の状態変化を検出するセンサからなる。
センサ11の検出情報は制御部14のセンサ情報入力端子に入力される。
インタフェース部12は信号線12aを介して縦筋3と電気的に接続される。このインタフェース部12は、コンデンサCとインダクタンスLとを備え、信号線12aは、コンデンサCを介して制御部14の信号入力端子に接続される。また、信号線12aは、インダクタンスLを介して制御部14の電源電圧入力端子に接続されるとともにバッテリ13に接続される。
【0018】
バッテリ13は、充放電制御を行う図示しない充電制御部を備え、信号線12aからインダクタンスLを介して供給される直流電力がバッテリ13に充電される。また、信号線12aからインダクタンスLを介して電力供給が行われない場合には、バッテリ13から制御部14に対して電力供給が行われる。
制御部14は、信号線12aからインダクタンスLを介して供給される直流電力、またはバッテリ13からの供給電力により動作する。
【0019】
また、制御部14は、信号線12aを介して、評価装置20から検出情報の送信を要求するコマンドが付加されたアドレス情報を入力し、自己宛のアドレス情報であるとき、自己のセンサ11の検出情報を、信号線12aを介して評価装置20に送信する。
なお、検出装置10の制御部14と評価装置20との間で縦筋3を介して行われるアドレス情報および検出情報の授受は、どのような通信手順で行ってもよい。
バッテリ13および制御部14のアース端子GNDは、
図1に示すように、各検出装置10の各バッテリ13および制御部14のアース端子GNDで共通のアース用縦筋3gndに接続される。このアース用縦筋3gndは、基礎杭1の先端部分で基礎杭1の先端保護用の鉄板シュー1aに接続される。
【0020】
つまり、基礎杭1は、例えば鉄筋籠2がコンクリートに埋設されてなる既製杭からなる。この既製杭の製造工程において、鉄筋籠2に、1または複数の検出装置10をそれぞれ固定し、さらに各検出装置10のバッテリ13および制御部14それぞれのアース端子GNDを各検出装置10で共通のアース用縦筋3gndに接続する。そして、この状態で、鉄筋籠2をコンクリートに埋設し、さらに、アース用縦筋3gndを鉄板シュー1aに接続する。
【0021】
このように形成された基礎杭1を、掘削した地盤に挿入し埋設することにより、アース用縦筋3gndは鉄板シュー1aを介して接地されることになる。前述のように、アース用縦筋3gndは、フープ筋4と絶縁されているため、アース用縦筋3gndは、アース線として働くことになり、各検出装置10を接地することができる。
次に、評価装置20は、
図1に示すように、制御部21と、インタフェース部22と、バッテリ23と、を備え、インタフェース部22は、各検出装置10の信号線12aが電気的に接続されている縦筋3に、電気的に接続される。
【0022】
制御部21は、図示しない入力装置および表示装置を備えて構成され、オペレータにより各検出装置10からの検出情報を初期情報として取得するための初期情報の抽出指示操作が行われたとき、あるいは、基礎杭1の健全性を評価するための、健全性の評価指示操作が行われたときには、縦筋3を伝送路として検出装置10との間で信号授受を行い、各検出装置10から検出情報を取得する。例えば、制御部21から各検出装置10を特定するアドレス情報を送信し、アドレス情報に対応する検出装置10が、その応答として、自センサ11の検出情報を制御部21に送信することにより信号授受を行う。また、この信号授受を行うときには、検出装置10への供給電力に授受信号を重畳させて送信し、検出装置10との間で信号授受を行うとともに検出装置10への電力供給を行う。この処理を、アドレス情報を順次切り替えて繰り返し行うことにより、各検出装置10から検出情報を抽出する。
【0023】
そして、制御部21は、オペレータにより、初期情報の抽出指示操作が行われたときには、基礎杭1に接続されている全ての検出装置10から検出情報を抽出し、これを初期情報として記憶部21aにアドレス情報と対応づけて記憶する。
また、制御部21は、オペレータにより、健全性の評価指示操作が行われたときには、抽出した検出情報と、記憶部21aに記憶している各検出装置10の初期情報とをもとに健全性評価を行う。
【0024】
例えば、抽出した検出情報と、記憶部21aに記憶している対応する初期情報とを比較してその差が許容範囲かを判定し、抽出した検出情報と対応する初期情報と比較結果とを対応付けて表示するなどの処理を行う。なお、この健全性評価の方法は、これに限るものではない。例えば、各検出装置10のセンサ11の検出情報を定期的に収集し、検出装置10ごとに検出情報の推移を表示するようにしてもよい。
【0025】
次に、本実施形態の動作を説明する。
まず、
図1に示すように、鉄筋籠2の適所に検出装置10が複数配置されかつ各検出装置10のアース端子GNDが共通のアース用縦筋3gndに接続された既製杭を基礎杭1として地中に打ち込む。これにより、基礎杭1の先端すなわち鉄板シュー1aが地盤に接し、基礎杭1内の各検出装置10が接地される。
【0026】
この状態で、各検出装置10から各センサ11の検出情報を初期情報として抽出する場合には、評価装置20において、初期情報の抽出指示操作を行う。
これにより、アドレス情報がインタフェース部22を介して縦筋3を伝送路として、各検出装置10のインタフェース部12に伝達され、信号線12aおよびコンデンサCを介して制御部14の信号入力端子に入力される。また、アドレス情報とともに供給される検出装置10への供給電力は、インダクタンスLを介して制御部14の電源電圧端子に供給され、制御部14は動作可能状態となる。また余剰分はバッテリ13に充電される。
【0027】
このため、自己のアドレス情報を受信した制御部14では、センサ11の検出情報を読み込み、検出情報を、インタフェース部12から信号線12aを介して縦筋3に送信する。
評価装置20の制御部21では、インタフェース部22を介して検出情報を取得し、アドレス情報と対応付けて記憶部21aに記憶する。
【0028】
なお、初期情報の抽出処理はこれに限るものではなく、例えば、オペレータが各検出装置10のアドレス情報の指定および受信した検出情報の記憶部21aへの記憶指示操作を、検出装置10ごとに順次行うことで、各検出装置10から初期情報を取得するように構成してもよい。
この状態から、基礎杭1の健全性評価を行う場合には、オペレータは、評価装置20を操作し、健全性の評価指示操作を行う。
【0029】
これにより、評価装置20から順次各検出装置10のアドレス情報が検出装置10への供給電力に重畳されて送信され、その応答として、各検出装置10の検出情報が評価装置20に送信される。さらに、評価装置20では、アドレス情報に基づいて各検出装置10の検出情報の初期情報が記憶部21aから読み出され、記憶部21aに記憶されていた初期情報と、今回抽出された検出情報とをもとに、健全性評価が行われる。
【0030】
オペレータは、表示装置に表示された評価結果や、実際の検出情報を参照することによって、基礎杭1の健全性を評価することができる。
例えば、初期情報と検出情報との差が許容範囲よりも大きければ、例えば、アラーム表示などを行うように構成することによって、オペレータは異常の有無を容易に認識することができる。
【0031】
このとき、アドレス情報から各検出装置10を特定することができる。そのため、例えば、制御部21において、基礎杭1のどの部位に設置した検出装置10からの検出情報かを表示装置に表示することなどによって、オペレータは、基礎杭1のどの位置で異常が生じたかを容易に認識することができる。
また、このとき、制御部21から検出装置10に対してアドレス情報を送信したにも関わらず、応答として検出情報が制御部21に通知されない場合には、制御部21では、縦筋3の、評価装置20が接続された位置から、アドレス情報で指定した検出装置10の接続位置までの間で、当該検出装置10が接続されている縦筋3が切断されている可能性がある、あるいは、アドレス情報で特定される検出装置10において異常が生じた可能性があると判断することができる。
【0032】
このように、
図1に示す基礎杭評価システム100では、検出装置10と評価装置20とを縦筋3を介して電気的に接続し、縦筋3を介して評価装置20側から電力供給を行うようにした。そのため、検出装置10を駆動するための電力供給を行うための電源ケーブルを、基礎杭1内部に引き回すことなく実現することができる。また、縦筋3は、電源ケーブルなどに比較して劣化などの影響を受けにくい。そのため、経時劣化などのために検出装置10に電力が供給されないことに起因して検出装置10が動作できない状態となることを抑制することができる。
【0033】
また、検出装置10にバッテリ13を設けている。したがって、評価装置20側の故障など、何らかによって縦筋3を介して検出装置10への電力供給を行うための電力系統に異常が生じ、縦筋3を介しての検出装置10への電力供給を行うことができない場合であっても、バッテリ13から検出装置10に電力供給を行うことができる。したがって、検出装置10は動作することができるため、評価装置20側の異常などによって検出装置10に電力が供給されないことに起因して検出装置10が動作できない状態となることを、より確実に抑制することができる。
【0034】
また、縦筋3は、電源ケーブルなどに比較して経時劣化の影響を受けにくく、かつ、この経時劣化の影響を受けにくい縦筋3を介して電力供給を行っているため、検出装置10と評価装置20との間の電力系統での異常により検出装置10に電力供給が不可となる確率は比較的小さい。また、評価装置20側の電力系統で異常が生じた場合には、評価装置20は地上に配設されているため修理することができる。よって、検出装置10はバッテリ13を備えてはいるものの、バッテリ13は比較的小さな容量ですむ。したがって、検出装置10の小型化を図りつつ、縦筋3を介しての電力供給不可時に、検出装置10が動作不可となることを抑制することができる。
【0035】
また、検出装置10への電力供給だけでなく、検出装置10と評価装置20との間での信号授受も、縦筋3を介して行っている。したがって、検出装置10と評価装置20との間での信号授受を行うための信号ケーブルを、基礎杭1の内部で引き回す必要がなく、また、縦筋3の1本をアース用縦筋3gndとして用いているため、アース線も引き回す必要がない。そのため、電源ケーブルや信号ケーブルなどを基礎杭1内で引き回す必要がない分、基礎杭1の敷設に伴う作業性を向上させることができる。
【0036】
また、電源ケーブルや、信号ケーブルなどを基礎杭1の内部に引き回した場合、基礎杭1の剛性の低下の要因となる可能性がある。しかしながら、本実施形態では上述のように、基礎杭1内で電源ケーブルや信号ケーブルなどを引き回すことなく実現することができ、また、縦筋3と検出装置10とを接続する信号線12aは比較的短くてすむため、基礎杭1の剛性の低下を抑制することができる。
なお、上記実施形態の場合には、鉄筋籠2を構成する複数の縦筋3のうちの1本を、アース用縦筋3gndとして用いる場合について説明したが、これに限るものではない。
【0037】
例えば、
図3に示すように、鉄筋籠2を構成する縦筋3とは別に、ダミーの縦筋(以下、ダミー縦筋という。)5を鉄筋籠2に組み込んで鉄筋籠2の一部として構成し、このダミー縦筋5をアース用縦筋として用い、このダミー縦筋5と各検出装置10のアース端子GNDとを接続するように構成してもよい。この場合も、ダミー縦筋5の、少なくともフープ筋4と接する箇所には、エポキシ樹脂などを塗装しておき、ダミー縦筋5とフープ筋4とを絶縁させればよい。そして、このダミー縦筋5と鉄板シュー1aとを電気的に接続し、ダミー縦筋5および鉄板シュー1aを介して、各検出装置10を接地するようにしてもよい。
【0038】
また、ダミー縦筋5を鉄筋籠2に組み込むのではなく、鉄筋籠2とダミー縦筋5とを絶縁させた状態で、ダミー縦筋5を鉄筋籠2に固定してもよい。
また、上記実施形態の場合には、各検出装置10を、アース用縦筋3gndを介して鉄板シュー1a部分で接地しているが、これに限るものではなく、各検出装置10を接地できればどのような方法で接地してもよい。
【0039】
例えば、既製杭を基礎杭1として用いるのではなく、鉄筋籠2を削孔した地盤の中に落とし込み、コンクリート等を流し込むことで基礎杭1を形成する工法を用いる場合には、予め鉄筋籠2を構成する同一の縦筋3に検出装置10を固定するとともにこの検出装置10のアース端子と接続されるアース線を削孔した地盤からなる壁に打ち込むアクチュエータを設けておく。このアクチュエータは、例えば、ばねの反力を利用して導電性の楔を地盤からなる壁に打ち込むように構成し、導電性の楔にアース線を接続し、例えば、スイッチにより、ばねを動作させることなどにより実現することができる。例えば、コンクリート等を流し込む前にスイッチを動作させ、アース線を接地させるようにすればよい。この場合、検出装置10ごとに、アース線を打ち込むためのアクチュエータを設ける必要があるが、このアクチュエータは上述のように簡易な構成で実現することができ、また、基礎杭1の先端まで通じるアース線を、基礎杭1内で引き回す必要がない。
【0040】
特に、鉄筋籠2を削孔した地盤の中に落とし込み、コンクリート等を流し込むことで基礎杭1を形成する工法の場合、電源ケーブルや信号ケーブル、またアース線などがあると、コンクリートを流し込む際にケーブルが損傷したり、ケーブルなどの扱いに注意を払う必要があるため作業性が低下する可能性がある。しかしながら、電源ケーブルや信号ケーブル、さらにアース線を引き回すことなく実現することができるため作業性の低下を抑制しつつ実現することができる。
【0041】
なお、上記実施形態においては、検出装置10側にバッテリ13を設けているが、バッテリ13は必ずしも設けなくてもよい。つまり、上述のように、縦筋3を介して検出装置10への電力供給を行っている。そのため、検出装置10の検出情報を評価装置20側で抽出するときに、検出装置10への供給電力に重畳してアドレス情報を送信することによって、検出装置10を動作可能状態とすることができる。したがって、バッテリ13を持たない分、検出装置10をより小型化することができる。
【0042】
なお、バッテリ13は設けるものの、縦筋3を介してのバッテリ13への充電は行わず、検出装置10への電力供給のみ縦筋3を介して行う構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、センサ11として、傾斜計を用いた場合について説明したがこれに限るものではなく、基礎杭1のひび割れ、折れなどの健全性を評価するための情報を検出することができればよく、例えば、歪み計、圧力計、加速度計などを用いてもよい。その場合、センサ11は箱体の外に設ければよく、また、センサ11として傾斜計を用いた場合も、センサ11は、箱体の外に設けてもよい。
【0043】
また、上記実施形態においては、電力供給と信号授受とを縦筋3を介して行う構成とした場合について説明したが、これに限るものではない。
例えば、検出装置10を、バッテリ13のみから電力供給を受ける構成とし、信号授受のみを縦筋3を介して行う構成としてもよい。
また、例えば、検出装置10および評価装置20間で無線通信を行う無線通信部を、検出装置10および評価装置20のそれぞれに設け、検出装置10への電力供給は縦筋3を介して行い、信号授受は無線通信で行うように構成してもよい。この場合、バッテリ13を設けておけば、縦筋3の切断などにより縦筋3を介して電力供給を行えない場合であっても、検出装置10と評価装置20との間で信号授受を継続して行うことができる。
【0044】
また、上記実施形態においては、同一の縦筋3に、複数の検出装置10を設けた場合について説明したがこれに限るものではない。
例えば、複数の検出装置10を異なる縦筋3に設けてもよい。この場合、検出装置10と評価装置20とを対として、縦筋3ごとに、これら検出装置10および評価装置20を設けてもよく、あるいは、検出装置10が接続された縦筋3のそれぞれと一台の評価装置20とを電気的に接続してもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、鉄筋として鉄筋籠2を用い、縦筋3を、検出装置10と評価装置20との間の伝送路として用いた場合について説明したが、これに限るものではなく、基礎杭1の長手方向に沿って配筋された鉄筋など、地上に配置される評価装置20と、基礎杭1内の適所に配置される検出装置10と電気的に接続可能な鉄筋であり、かつ同じ基礎杭1内に配置された他の鉄筋と互いに絶縁されている鉄筋であれば適用することができる。
【0046】
また、上記実施形態では、評価装置20全体を縦筋3に設けた場合について説明したがこれに限るものではない。例えば、評価装置20の、制御部21およびインタフェース部22のそれぞれに、これら間で無線通信を行うための無線通信処理部を設け、インタフェース部22およびバッテリ23と無線通信部とを含む回路を基礎杭1の近傍に設ける。そして、初期情報の抽出や健全性の評価などの指示操作を行うときには、オペレータは、例えば、基礎杭1から離れた場所で、制御部21および記憶部21aと無線通信部とを含む回路を用いて操作を行い、この回路から無線通信を介して基礎杭1に配置された検出装置10と通信を行うことで、各検出装置10の検出情報を抽出するように構成してもよい。
また、上記実施形態では、検出装置10への供給電力にアドレス情報を重畳して送信する場合について説明したがこれに限るものではなく、電力供給とアドレス情報の送信とを個別に行うように構成してもよい。