【文献】
福島怜,RR間隔と眠気の強さの相関関係を利用した眠気推定手法の考案,生活生命支援医療福祉工学系学会連合大会2010 講演論文集,2010年 9月18日,No.10-52,p.430-433
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
隣り合う心拍の時間間隔(以下「心拍間隔」と記載)を受け付けて、心拍間隔が、1拍分前の心拍間隔よりも広くなる状態が連続する場合に、眠気が発生したとして、居眠り予防のための警告を発することを特徴とする居眠り予防装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のように、脳波周波数を検知する方法では、多数のセンサーを頭部に取り付けなければならないので使い勝手が悪く、また脳波は微弱な電流であるため、外乱ノイズに弱いという問題がある。
また特許文献1、2に記載があるように、入眠時に心拍数の減少が見られることを利用して、心拍数から居眠り状態を検知可能なことは従来より知られている。しかしながら、心拍数が減少したことを検知して居眠り状態に入った後に警告を発しても既に遅く、居眠り運転を予防するためには、居眠り状態に入りつつある未然の状態を検知し居眠り状態に入る前に警告を発しなければならない。そこで、当該未然の状態を検知すべく、心拍数が減少し始めたことを検知し警告を発する装置を試作してみたところ、眠気の誤検出によって眠気を催していないときにも頻繁に警告を発するため煩わしさを伴い良くないという問題がある。
【0006】
本発明は以上のような従来の課題を考慮してなされたものであり、誤検出を抑えつつ、居眠り状態に入りつつある未然の状態を検知することができる居眠り防止方法、及び居眠り防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る居眠り予防方法は、人の心拍を計測する計測ステップと、隣り合う心拍の時間間隔(以下「心拍間隔」と記載)が、1拍分前の心拍間隔よりも広くなる状態が連続する場合に、眠気が発生した旨を示すトリガ(以下「眠気トリガ」と記載)を出す判断ステップと、前記眠気トリガが出された場合に、居眠り予防のための警告を発する警告ステップとを含むことを特徴とする。
前記判断ステップにおいて、心拍間隔が広くなる状態が所定回数連続した場合に、前記眠気トリガを出すことが好ましい。
ここで前記所定回数は、4回以上であることが好ましい。
【0008】
前記判断ステップにおいて、心拍間隔が広くなる状態が連続する場合であって、且つ、前記所定回数のうちの初回の心拍間隔と、最終回の心拍間隔との差が、所定時間を超える場合に、前記眠気トリガを出すことが好ましい。
ここで前記所定時間は、60ms以上であることが好ましい。
ここで心拍間隔として、心電信号におけるR波とR波との間隔であるRR間隔を用いることが好ましい。
前記判断ステップにおいて、前記心拍間隔が、所定範囲を外れている場合に、異常値とみなして、心拍間隔が広くなる状態であるか否かの判断の対象から除外することが好ましい。
ここで前記所定範囲とは、200ms〜3000msであることが好ましい。
【0009】
前記判断ステップにおいて、心拍間隔(秒単位)の逆数を60倍して瞬時心拍数を算出し、1拍分前の瞬時心拍数との差の絶対値が第1の所定数以下である直近の複数点の瞬時心拍数の平均を算出し、評価すべき心拍間隔に対応する瞬時心拍数と当該平均との差の絶対値が第2の所定数以上である場合に、当該心拍間隔を異常値とみなして、心拍間隔が広くなる状態であるか否かの判断の対象から除外することが好ましい。
ここで前記第1の所定数は30であり、前記第2の所定数は50であり、前記直近の複数点の数は4〜20であることが好ましい。
【0010】
本発明に係る居眠り予防装置は、心拍間隔を受け付けて、心拍間隔が、1拍分前の心拍間隔よりも広くなる状態が連続する場合に、眠気が発生したとして、居眠り予防のための警告を発することを特徴とする。
居眠り予防装置において、人の心拍を計測する計測部と、計測された人の心拍に基づいて、心拍間隔を生成する信号処理部とを、さらに備えることが好ましい。
ここで心拍間隔として、心電信号におけるR波とR波との間隔であるRR間隔を用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る居眠り予防方法及び居眠り予防装置によれば、隣り合う心拍の時間間隔が広くなる状態が連続する場合に、眠気が発生したとして、居眠り予防のための警告を発することができるので、居眠り状態に入る前に人の眠気を緩和し居眠りを予防することができ、且つ誤検知を少なくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係る居眠り予防方法は、人の心拍を計測する計測ステップと、心拍間隔が、1拍分前の心拍間隔よりも広くなる状態が連続する場合に、眠気トリガを出す判断ステップと、前記眠気トリガが出された場合に、居眠り予防のための警告を発する警告ステップとを含むことを特徴とする。
【0014】
計測ステップにおいては、脈拍センサーや心電計等を用いて、人(例えば自動車の運転者)の脈拍や心電等を測定することにより心拍を計測して、心拍そのものを出力するか、あるいは心拍間隔を算出して出力する。
【0015】
判断ステップにおいては、計測ステップから心拍そのものを示す信号を実時間で受け取る場合には、当該心拍の信号に基づいて心拍間隔を算出する。また判断ステップは、自ら算出した、あるいは計測ステップから直接出力された心拍間隔が、1拍分前の心拍間隔よりも広い場合に、次の1拍分についても同様に広いか否かを判断することを繰り返し、心拍間隔が広くなる状態が所定回数連続する場合に眠気トリガを出す。
【0016】
警告ステップにおいては、判断ステップにおいて眠気トリガが出された場合に、これを受けて居眠り予防のための警告を発する。ここで警告とは、例えば警告音、注意を喚起する声、注意を喚起する画像表示、振動及び光等であり、人の眠気を緩和するものや居眠りを予防する効果が期待できるものであれば何であってもよい。
【0017】
本発明に係る居眠り予防装置は、心拍間隔を受け付けて、心拍間隔が、1拍分前の心拍間隔よりも広くなる状態が連続する場合に、眠気が発生したとして、居眠り予防のための警告を発することを特徴とする。ここで居眠り予防装置は、上記判断ステップ及び上記警告ステップを実施する解析装置である。
このように、本発明に係る居眠り予防方法及び居眠り予防装置によれば、隣り合う心拍の時間間隔が広くなる状態が連続する場合に、眠気が発生したとして、居眠り予防のための警告を発することができるので、居眠り状態に入る前に人の眠気を緩和し居眠りを予防することができ、且つ誤検知を少なくすることができる。
【0018】
また居眠り予防装置は、人の心拍を計測する計測部と、計測された人の心拍に基づいて、心拍間隔を生成する信号処理部とを、さらに備えることが好ましい。
計測部は、人の心拍を計測する脈拍センサーや心電計等である。
信号処理部は、計測部により計測された人の心拍に基づいて、心拍間隔を算出するソフトウェアを搭載するコンピュータや計測機器等である。
【0019】
計測部において脈拍センサーを用いて脈拍を測る場合には、人の指先や耳たぶ等に、波長が700nm〜1200nmの近赤外線を照射し、近赤外線の反射量を接触あるいは非接触で測定することができる。また計測部において心電計を用いて心電信号を計測する場合には、心拍間隔として、心電図における隣り合うR波とR波(ピークとピーク)との間隔であるRR間隔(R−R Interval、以下「RRI」と記載する)を用いることが好ましい。
【0020】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る居眠り予防装置の構成を示す概略図である。
図1に示す居眠り予防装置1は、心電計10と、解析機11とを備える。
心電計10は、上記計測部の機能を備える心電計測部12と、上記信号処理部の機能を備えるRRI算出部13とを備え、小型軽量であり、本体裏面の電極(図示せず)を人の胸部に密着させた状態で、人の肌に本体ごと取り付けることができるので、服の下に隠れ目立たない。心電計測部12は電極を人の胸部に密着させた状態で心電信号を計測する。RRI算出部13は、計測した心電信号に基づいて、RRIを算出して解析機11へ送信する。ここでは、3個分のRRIをまとめて無線送信することにより、送受信の頻度を下げ、内蔵するバッテリー(図示せず)の持ちを向上させている。なお、RRI算出部13は、心電計10及び解析機11のいずれか一方が備えていればよいので、心電計10は、必ずしもRRI算出部13を備えなくてもよい。
【0021】
また心電計10の代わりに脈拍センサー等の心拍を測定する他の機器を使用してもよい。心電信号は脈拍に比べピークがはっきり出るので、心電計を使用する場合には、心拍間隔の精度が高くなるため誤認識が起こり難いという利点がある。一方脈拍センサーを使用する場合には、比較的測定器を体に取り付け易いという利点があり、特に非接触で測定するタイプを使用した場合には、測定器を体に取り付ける煩わしさがなくなるので、広く普及する可能性がある。
【0022】
解析機11は、受信部14、判断部15及び警告部16を備え、自動車の車内等に設置される。
受信部14は、心電計10から送信されるRRIを受信する。ここでは、3個分のRRIをまとめて受信して保持し、時間的に古いRRIから順に出力する。
判断部15は、上記判断ステップの機能を担っており、受信部14からRRIを受け取り、眠気検出アルゴリズムに則り解析を行って、眠気が発生する条件が揃ったと判断した場合に眠気トリガを出す。
【0023】
判断部15は、間隔比較部17及び連続性判断部18を含む。
間隔比較部17は、評価対象のRRIと1拍分前のRRIとを比較して、評価対象のRRIが1拍分前のRRIよりも広くなる状態であるかを判断する。
連続性判断部18は、間隔比較部17によりRRIが広くなる状態であると判断された場合に、さらに、当該状態が所定回数連続するか判断する。ここで、所定回数は、4回以上が好ましい。4回未満であると誤動作を抑える効果が期待できない。
【0024】
実施形態1では、連続性判断部18により当該状態が所定回数連続すると判断された場合に眠気が発生する条件が揃ったとして、判断部15より眠気トリガが出される。
警告部16は、上記警告ステップの機能を担っており、眠気トリガが出された場合に、居眠り予防のための警告を発する。
以下に、解析機11における眠気検出アルゴリズムについて詳細に説明する。
図2は、本発明の実施形態1における眠気検出アルゴリズムの流れを示すチャートである。
【0025】
(1)初期設定を行う(ステップS1)。ここでは連続回数を示す変数Nに初期値0をセットする。
(2)受信部14が、未処理のRRIを保持しているかを判断する(ステップS2)。
(3)未処理のRRIを保持している場合は(ステップS2:YES)、受信部14が時間的に古い順に、未処理のRRIを出力する(ステップS3)。
【0026】
(4)間隔比較部17が、受信部14から出力されたRRIを評価対象とし、1拍分前のRRIとを比較して、評価対象のRRIが1拍分前のRRIよりも広くなる状態であるか否かを判断する(ステップS4)。
(5)RRIが広くなる状態でないと判断された場合は(ステップS4:NO)、変数Nを初期値に戻し、次のRRIの処理を行うためにステップS2に戻る(ステップS5)。
【0027】
(6)RRIが広くなる状態であると判断された場合は(ステップS4:YES)、連続性判断部18が、変数Nをカウントアップする(ステップS6)。
(7)予め設定した所定回数に達しているか否かを判断する(ステップS7)。ここでは変数Nが4以上であるかを判断する(ステップS7)。予め設定した所定回数に達していない場合は(ステップS7:NO)、次のRRIの処理を行うためにステップS2に戻る。
【0028】
(8)予め設定した所定回数に達している場合は(ステップS7:YES)、変数Nを初期値に戻し、判断部15が眠気トリガを出して、警告部16へ通知する(ステップS8)。
(9)警告部16が、眠気トリガを受けて居眠り予防のための警告を発する(ステップS9)。
【0029】
(実施形態2)
図3は、本発明の実施形態2に係る居眠り予防装置の構成を示す概略図である。
図3に示す居眠り予防装置2は、心電計10と、解析機20とを備える。なお、実施形態1の居眠り予防装置1と同様の構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0030】
解析機20は、受信部14、判断部21及び警告部16を備え、実施形態1の解析機11と同様に自動車の車内等に設置される。
判断部21は、上記判断ステップの機能を担っており、受信部14からRRIを受け取り、眠気検出アルゴリズムに則り解析を行って、眠気が発生する条件が揃ったと判断した場合に眠気トリガを出す。
【0031】
判断部21は、間隔比較部17、連続性判断部18及び変化総量判断部22を含む。
変化総量判断部22は、連続性判断部18によりRRIが広くなる状態が所定回数連続すると判断された場合に、さらに、所定回数のうちの初回のRRIと、最終回のRRIとの差が所定時間を超えるか否かを判断する。ここで、所定時間は、60ms以上が好ましく、より好ましくは90ms以上、さらに好ましくは120ms以上である。所定時間に上限は無いが、異常値の心拍間隔の解析を避けるため、600ms以下であることが好ましい。60ms未満であると誤動作を抑える効果が期待できない。
【0032】
実施形態2では、連続性判断部18により当該状態が所定回数連続すると判断され、且つ、変化総量判断部22により当該差が所定時間を超えると判断された場合に眠気が発生する条件が揃ったとして、判断部21より眠気トリガが出される。
【0033】
以下に、解析機20における眠気検出アルゴリズムについて詳細に説明する。
図4は、本発明の実施形態2における眠気検出アルゴリズムの流れを示すチャートである。なお、実施形態1の解析機11における眠気検出アルゴリズムと同様のステップには同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0034】
(1)〜(7)
図2におけるS1〜S7と同様である。
(8)予め設定した所定回数に達している場合は(ステップS7:YES)、変化総量判断部22が、所定回数のうちの初回のRRIと、最終回のRRIとの差が、予め設定した所定時間を超えるか否かを判断する(ステップS21)。当該差が所定時間を超えないと判断された場合は(ステップS21:NO)、変数Nを初期値に戻さずに、次のRRIの処理を行うためにステップS2に戻る。
【0035】
(9)当該差が所定時間を超えると判断された場合は(ステップS21:YES)、変数Nを初期値に戻し、判断部21が眠気トリガを出して、警告部16へ通知する(ステップS22)。
(10)
図2におけるS9と同様である。
【0036】
(実施形態3)
図5は、本発明の実施形態3に係る居眠り予防装置の構成を示す概略図である。
図5に示す居眠り予防装置3は、心電計10と、解析機30とを備える。なお、実施形態1の居眠り予防装置1と同様の構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0037】
解析機30は、受信部14、判断部31及び警告部16を備え、実施形態1の解析機11と同様に自動車の車内等に設置される。
判断部31は、上記判断ステップの機能を担っており、受信部14からRRIを受け取り、眠気検出アルゴリズムに則り解析を行って、眠気が発生する条件が揃ったと判断した場合に眠気トリガを出す。
【0038】
判断部31は、異常値検出部32、異常値除去部33、間隔比較部17及び連続性判断部18を含む。
異常値検出部32は、受信部14から出力されたRRIが、所定範囲を外れている場合に異常値とみなす。例えば、RRIが200ms以下の値を示す場合と、3000ms以上の値を示す場合に、所定範囲を外れているものとする。
【0039】
異常値除去部33は、異常値検出部32により異常値とみなされたRRIを、間隔比較部17におけるRRIが広くなる状態であるか否かの判断の対象から除外する。
実施形態3では、連続性判断部18により当該状態が所定回数連続すると判断された場合に眠気が発生する条件が揃ったとして、判断部31より眠気トリガが出される。
【0040】
以下に、解析機30における眠気検出アルゴリズムについて詳細に説明する。
図6は、本発明の実施形態3における眠気検出アルゴリズムの流れを示すチャートである。なお、実施形態1の解析機11における眠気検出アルゴリズムと同様のステップには同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0041】
(1)〜(3)
図2におけるS1〜S3と同様である。
(4)異常値検出部32が、受信部14から出力されたRRIが、所定範囲を外れている場合に異常値とみなす(ステップS31)。
【0042】
(5)RRIが異常値とみなされた場合は(ステップS31:YES)、異常値除去部33が、変数Nを初期値に戻し、次のRRIの処理を行うためにステップS2に戻る(ステップS32)。
(6)〜(11)RRIが異常値とみなされない場合は(ステップS31:NO)、
図2におけるS4〜S9と同様である。
【0043】
(実施形態4)
図7は、本発明の実施形態4に係る居眠り予防装置の構成を示す概略図である。
図7に示す居眠り予防装置4は、心電計10と、解析機40とを備える。なお、実施形態1の居眠り予防装置1と同様の構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0044】
解析機40は、受信部14、判断部41及び警告部16を備え、実施形態1の解析機11と同様に自動車の車内等に設置される。
判断部41は、上記判断ステップの機能を担っており、受信部14からRRIを受け取り、眠気検出アルゴリズムに則り解析を行って、眠気が発生する条件が揃ったと判断した場合に眠気トリガを出す。
【0045】
判断部41は、異常値検出部42、異常値除去部43、間隔比較部17及び連続性判断部18を含む。
異常値検出部42は、受信部14から出力されたRRIが、異常値とみなすべきものであるか否かを判断する。実施形態4では、RRI(秒単位)の逆数を60倍して瞬時心拍数を算出し、1拍分前の瞬時心拍数との差の絶対値が第1の所定数(本実施形態では「18」とする)以下である直近の複数点(本実施形態では「8点」とする)における平均を算出する。次に当該平均と評価対象のRRIに対応する瞬時心拍数との差の絶対値が第2の所定数(本実施形態では「35」とする)以上である場合に、評価対象のRRIを異常値とみなす。ここで第1の所定数は30が好ましく、より好ましくは20、さらに好ましくは15である。また第2の所定数は50が好ましく、より好ましくは40、さらに好ましくは30である。
【0046】
なお、第1の所定数、第2の所定数、直近の複数点の数を、個人差等に応じて適宜変更してもよい。例えば、第1の所定数を30以下、第2の所定数を30以上、直近の複数点の数を4〜20の範囲内で適宜変更してもよい。
【0047】
異常値除去部43は、異常値検出部42により異常値とみなされたRRIを、間隔比較部17におけるRRIが広くなる状態であるか否かの判断の対象から除外する。
実施形態4では、連続性判断部18により当該状態が所定回数連続すると判断された場合に眠気が発生する条件が揃ったとして、判断部41より眠気トリガが出される。
【0048】
以下に、解析機40における眠気検出アルゴリズムについて詳細に説明する。
図8は、本発明の実施形態4における眠気検出アルゴリズムの流れを示すチャートである。なお、実施形態1の解析機11における眠気検出アルゴリズムと同様のステップには同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0049】
(1)〜(3)
図2におけるS1〜S3と同様である。
(4)異常値検出部42が、受信部14から出力されたRRIが、異常値とみなすべきものであるか否かを判断する(ステップS41)。
【0050】
(5)RRIが異常値とみなされた場合は(ステップS41:YES)、異常値除去部43が、変数Nを初期値に戻し、次のRRIの処理を行うためにステップS2に戻る(ステップS42)。
(6)〜(11)RRIが異常値とみなされない場合は(ステップS41:NO)、
図2におけるS4〜S9と同様である。
【0051】
(実施形態5)
図9は、本発明の実施形態5に係る居眠り予防装置の構成を示す概略図である。
図9に示す居眠り予防装置5は、心電計10と、解析機50とを備える。なお、実施形態1の居眠り予防装置1、実施形態2の居眠り予防装置2、実施形態3の居眠り予防装置3及び実施形態4の居眠り予防装置4と同様の構成要素には同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0052】
解析機50は、受信部14、判断部51及び警告部16を備え、実施形態1の解析機11と同様に自動車の車内等に設置される。
判断部51は、上記判断ステップの機能を担っており、受信部14からRRIを受け取り、眠気検出アルゴリズムに則り解析を行って、眠気が発生する条件が揃ったと判断した場合に眠気トリガを出す。
【0053】
判断部51は、異常値検出部32、異常値除去部33、異常値検出部42、異常値除去部43、間隔比較部17、連続性判断部18及び変化総量判断部22を含む。
【0054】
以下に、解析機50における眠気検出アルゴリズムについて詳細に説明する。
図10は、本発明の実施形態5における眠気検出アルゴリズムの流れを示すチャートである。なお、実施形態1の解析機11、実施形態2の解析機20、実施形態3の解析機30及び実施形態4の解析機40における眠気検出アルゴリズムと同様のステップには同一の番号を付し、その説明を省略する。
【0055】
(1)〜(3)
図2におけるS1〜S3と同様である。
(4)〜(5)
図6におけるS31〜S32と同様である。
(6)〜(7)
図8におけるS41〜S42と同様である。
(8)〜(11)RRIが異常値とみなされない場合は(ステップS41:NO)、
図2におけるS4〜S7と同様である。
(12)〜(13)
図4におけるS21〜S22と同様である。
(14)
図2におけるS9と同様である。
【0056】
なお、上記各実施形態は矛盾が生じない限り適宜組み合わせることができる。
(検証)
実施形態5の居眠り予防装置5を用いて、本発明の居眠り予防装置の有用性についての検証を行った。
運転者に小型の心電計を装着し、運転中に運転者が眠気を催したときに、時刻記録用のロガーのボタンを押してもらい、眠気が発生した時刻を記録し、警告を発した時刻との相関を検証した。
【0057】
以上のような手法で、運転者24名から40分以上の60個の事例、合計133時間のデータを得ることができた。
60事例のうち眠気の申告が28件あり、本検証に用いた居眠り予防装置は、このうち20件について眠気を検知して警告を発することができた(71%)。また、居眠り運転は発生しなかった。
眠気の申告がないときに警告を発した頻度は平均73分に1回程度であり、運転者から誤検出による警告は煩わしいと感じる程頻繁ではなかったとの感想を得た。
【0058】
以上のように、本発明に係る居眠り予防装置を用いて、60事例において、誤検出を煩わしいと感じない程度に抑えつつ、居眠り状態に入りつつある未然の状態を71%検知することができた。よって、本発明に係る居眠り予防方法及び居眠り予防装置によれば、居眠り状態に入る前に人の眠気を緩和し居眠りを予防することができ、且つ誤検知を少なくすることができる。なお、本居眠り予防方法及び居眠り予防装置は、車用途以外にも利用可能である。