特許第6063782号(P6063782)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6063782
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】液晶表示装置及び表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1335 20060101AFI20170106BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   G02F1/1335 500
   G02F1/1335 505
   G02B5/20 101
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-49075(P2013-49075)
(22)【出願日】2013年3月12日
(65)【公開番号】特開2014-174448(P2014-174448A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2015年12月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 敏男
(72)【発明者】
【氏名】青塚 進司
【審査官】 右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−053483(JP,A)
【文献】 特開2006−039137(JP,A)
【文献】 特開2006−098530(JP,A)
【文献】 特開平03−043720(JP,A)
【文献】 実開平03−022221(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1335
G02B 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
複数の画素領域を区画するように前記第1基板に形成された区画層と、
前記複数の画素領域でカラーフィルタを構成する複数色の着色層と、
前記第1基板に対向する第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板の間に配置された液晶材料と、
を有し、
前記区画層は、遮光性樹脂からなる第1の方向に延びる第1の遮光部と、前記遮光性樹脂からなる第2の方向に延びる第2の遮光部とを有し、
前記第1の遮光部は、前記複数の画素領域で前記第1の方向に連続して形成され、
前記第2の遮光部は、前記第1の遮光部との間にスペースをあけて前記第1の遮光部との接触を避けるように前記第2の方向に断続して形成され
前記複数色の着色層のそれぞれは、前記第2の遮光部に重ならずに隣接して前記第2の方向に延在する本体部と、前記本体部の側辺から突出する凸部と、を有し、
前記凸部は、前記スペースに対応する形状で前記スペースを埋めており、
前記凸部の突出方向における幅は、前記第2の遮光部が前記第1の方向に有する幅に等しいことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載された液晶表示装置において、
それぞれの前記着色層は、前記第1の遮光部及び前記第2の遮光部に重なるように配置されていることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項3】
請求項2に記載された液晶表示装置において、
色の異なる隣同士の前記画素領域に配置された2つの前記着色層は、前記第1の遮光部及び前記第2の遮光部の上では重複しないように隣接していることを特徴とする液晶表示装置。
【請求項4】
複数の画素と、基板と、前記基板に形成され且つ前記複数の画素を区画する区画層と、
前記基板に形成された複数の第1のカラーフィルタ層と、
前記基板に形成された複数の第2のカラーフィルタ層と
を有し、
前記区画層は、第1の方向に延びる複数の第1の区画層と、前記第1の方向と交差する第2の方向に延びる複数の第2の区画層とを有し、
前記複数の第1の区画層の各々は、前記複数の画素が設けられた領域で前記第1方向に連続して形成され、
前記複数の第の区画層の各々は、前記複数の第1の区画層の各々との間に複数のスペースをあけて前記複数の第1の区画層との接触を避けるように前記第2の方向に断続して形成され
前記複数の第1のカラーフィルタ層の各々及び前記複数の第2のカラーフィルタ層の各々は、前記複数の第2の区画層のいずれにも重ならずにいずれかに隣接して前記第2の方向に延在する本体部と、前記本体部の側辺から前記第1の方向に突出する複数の凸部と、を有し、
前記複数の凸部の各々は、前記複数のスペースの各々に対応するように形成され、
前記複数の第1のカラーフィルタ層の各々の前記複数の凸部と、前記複数の第2のカラーフィルタ層の各々の前記複数の凸部は、それぞれ、前記複数のスペースにおいて重なっており、
前記複数の凸部の各々の突出方向における幅は、前記複数の第2の区画層の各々が前記第1の方向に有する幅に等しいことを特徴とする表示装置。
【請求項5】
請求項4に記載された表示装置において、
前記複数の第1の区画層と前記複数の第2の区画層とは、遮光性樹脂で形成されていることを特徴とする表示装置。
【請求項6】
請求項4に記載された表示装置において、
前記複数の画素は前記第の方向に配列した2つの画素を含み、
前記複数のスペースの各々は、前記2つの画素の境界部の一部をむことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶表示装置及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示パネルのカラーフィルタ基板に、樹脂からブラックマトリクスを形成することが知られている(特許文献1)。樹脂はフォトレジストであり、フォトリソグラフィによってフォトレジストをパターニングする。ブラックマトリクスは、本来、開口に角を有するように設計されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−15403号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フォトリソグラフィの工程で、フォトマスクはほぼ設計通りの形状になっているので、露光工程では開口に角を有する形状で露光を行うことができるが、現像工程では現像液が角に入り込みにくいため、開口が丸みを帯びて小さくなってしまう。その結果、光透過率が低下するという問題がった。
【0005】
本発明は、開口の角が丸みを帯びないブラックマトリクスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係る液晶表示装置は、第1基板と、複数の画素領域を区画するように前記第1基板に形成された区画層と、前記複数の画素領域でカラーフィルタを構成する複数色の着色層と、前記第1基板に対向する第2基板と、前記第1基板と前記第2基板の間に配置された液晶材料と、を有し、前記区画層は、遮光性樹脂からなる縦方向に延びる縦遮光部と、前記遮光性樹脂からなる横方向に延びる横遮光部と、2色以上の前記着色層が重なって構成された減光部と、を有し、前記縦遮光部及び前記横遮光部の少なくとも一方は、他方との接触を避けるスペースを有し、前記減光部は、前記縦遮光部と前記横遮光部の間の前記スペースを埋めていることを特徴とする。本発明によれば、縦遮光部と横遮光部がスペースをあけて配置されるので、区画層は、フォトリソグラフィによって形成しても角が形成されず、開口が丸くならない。また、減光部が縦遮光部と横遮光部の間のスペースを埋めているので、区画層はブラックマトリクスとして遜色のない特性を有している。
【0007】
(2)(1)に記載された液晶表示装置において、前記縦遮光部及び前記横遮光部の一方は前記スペースを有し、他方は平面的に見て前記スペースと交差していることを特徴としてもよい。
【0008】
(3)(2)に記載された液晶表示装置において、前記縦遮光部及び前記横遮光部は、延びる方向に直交する幅が異なっており、前記縦遮光部及び前記横遮光部のうち幅の小さい方が途切れていることを特徴としてもよい。
【0009】
(4)(1)から(3)のいずれか1項に記載された液晶表示装置において、前記減光部は、色の異なる隣同士の前記画素領域に配置された2つの前記着色層から構成されていることを特徴としてもよい。
【0010】
(5)(1)から(4)のいずれか1項に記載された液晶表示装置において、それぞれの前記着色層は、前記縦遮光部及び前記横遮光部に重なるように配置されていることを特徴としてもよい。
【0011】
(6)(5)に記載された液晶表示装置において、色の異なる隣同士の前記画素領域に配置された2つの前記着色層は、前記縦遮光部及び前記横遮光部の上では重複しないように隣接していることを特徴としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態に係る液晶表示装置を示す断面図である。
図2】区画層を有する第1基板の平面図である。
図3図2に示す第1基板のIII−III線断面図である。
図4図2に示す第1基板のIV−IV線断面図である。
図5図2に示す第1基板のV−V線断面図である。
図6】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法を説明する図である。
図7】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法を説明する図である。
図8】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法を説明する図である。
図9】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法を説明する図である。
図10】本発明の実施形態に係る液晶表示装置の変形例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施形態に係る液晶表示装置を示す断面図である。液晶表示装置は、例えばガラス基板などの光透過性基板である第1基板10を有する。第1基板10には区画層12が形成されている。区画層12は、ブラックマトリクスの機能を果たす。
【0015】
図2は、区画層12を有する第1基板10の平面図である。区画層12は、複数の画素領域14を区画する。1つの画素領域14は、1色のサブピクセルにされる領域であり、隣同士の複数色のサブピクセルからフルカラーの画素が構成される。
【0016】
区画層12は、横方向(図2の左右方向)に延びる横遮光部16を有する。複数の横遮光部16が間隔をあけて縦方向(図2の上下方向)に配列されている。縦方向と横方向とは、交差する方向であれば直交方向に限らない。横遮光部16が延びる方向に描くラインは、直線であっても曲線であってもよく、屈曲していてもよい。横遮光部16は、遮光性樹脂からなる。
【0017】
区画層12は、縦方向(図2の上下方向)に延びる縦遮光部18を有する。複数の縦遮光部18が間隔をあけて横方向(図2の左右方向)に配列されている。縦遮光部18は、それが延びる方向に途切れて形成されている。縦遮光部18が延びる方向に描くラインは、直線であっても曲線であってもよく、屈曲していてもよい。縦遮光部18は、遮光性樹脂からなる。
【0018】
縦遮光部18及び横遮光部16は、幅(それぞれが延びる方向に直交する幅)が異なっている。縦遮光部18の幅が、横遮光部16の幅よりも小さい。横遮光部16と縦遮光部18とは、交差しないように、スペース20をあけて配置されている。詳しくは、縦遮光部18の途切れることで形成された隙間を、横遮光部16が通るようになっている。縦遮光部18及び横遮光部16は、相互に接触を避けるようになっている。
【0019】
図1に示すように、液晶表示装置は、複数色の着色層22,24,26を有する。複数色の着色層22,24,26は、図2に示す複数の画素領域14でカラーフィルタを構成する。それぞれの画素領域14にいずれかが配置されるように、複数色の着色層22,24,26が第1基板10に形成されている。複数色は、赤(R)、緑(G)及び青(B)である。緑(G)の着色層が最も光の透過率が高く、視認性も高い。青(B)の着色層が最も光透過率が低く、視認性も低い。
【0020】
図3図4及び図5は、それぞれ、図2に示す第1基板10のIII−III線断面図、IV−IV線断面図及びV−V線断面図である。図3及び図5に示すように、着色層22,24,26のそれぞれは、縦遮光部18及び横遮光部16に重なるように配置されている。ただし、色の異なる隣同士の画素領域14に配置された2つの着色層22及び24、22及び26又は24及び26は、縦遮光部18及び横遮光部16の上では重複しないように隣接している。
【0021】
図2及び図4に示すように、区画層12は、2色以上の着色層22,24,26が重なって構成された減光部28を有する。減光部28は、図2に示すように、縦遮光部18と横遮光部16の間のスペース20を埋めている。減光部28は、色の異なる隣同士の画素領域14に配置された2つの着色層22及び24,22及び26,24及び26から構成されている。
【0022】
本実施形態によれば、縦遮光部18と横遮光部16がスペース20をあけて配置されるので、区画層12は、フォトリソグラフィによって形成しても角が形成されず、開口が丸くならない。また、減光部28が縦遮光部18と横遮光部16の間のスペース20を埋めているので、区画層12はブラックマトリクスとして遜色のない特性を有している。
【0023】
図1に示すように、着色層22,24,26を覆うように、オーバーコート層30を介して、第1配向膜32が形成されている。第1基板10に対向して、例えばガラス基板などの光透過性基板である第2基板34が配置されている。第2基板34の第1基板10との対向面に第2配向膜36が形成されている。図示しないスペーサによって、第1配向膜32及び第2配向膜36の間にセルギャップが形成され、第1基板10と第2基板34の間に液晶材料38が配置されている。詳しくは、第1配向膜32と第2配向膜36の間に液晶材料38が配置される。
【0024】
図6図9は、本発明の実施形態に係る液晶表示装置の製造方法を説明する図である。本実施形態では、図6に示すように、区画層12のうち、減光部28が無くて、横遮光部16及び縦遮光部18が形成された第1基板10を用意する。横遮光部16及び縦遮光部18は、遮光性樹脂であるフォトレジストを、フォトリソグラフィによってパターニングして形成する。横遮光部16及び縦遮光部18はスペース20をあけて配置されているので、角部が形成されず、露光後に行う現像で現像液が入り難いということがない。したがって、露光マスクの形状に対応して精密な形状に横遮光部16及び縦遮光部18を形成することができる。
【0025】
次に、複数色の着色層22,24,26を形成する。着色層22,24,26の形成にもフォトリソグラフィを適用することができる。その場合、着色層22,24,26もフォトレジストから形成する。
【0026】
図7に示すように、第1色目の着色層22を形成する。着色層22は、縦方向に延びるように配置する。詳しくは、着色層22は、横方向に隣同士の縦遮光部18の間に配置される。着色層22は、ストライプ状をなす本体部40を有する。本体部40は、その長さ方向に延びる両端がそれぞれ隣同士の縦遮光部18の端部に載るように形成する。着色層22は、本体部40の両端から相互に反対方向に突出する凸部42を有する。凸部42は、減光部28を形成するためのスペース20(図6)、つまり、横遮光部16及び縦遮光部18の一方が途切れることで両者間に形成されるスペース20に配置する。
【0027】
図8に示すように、第2色目の着色層24を形成する。第2色目の着色層24の詳細は、上述した第1色目の着色層22と同じであり、第1色目の着色層22の隣に形成する。第2色目の着色層24も、凸部44を有する。凸部44は、減光部28を形成するためのスペース20(図6)、つまり、横遮光部16及び縦遮光部18の一方が途切れることで両者間に形成されるスペース20に配置する。したがって、第1色目の着色層22の凸部42と、第2色目の着色層24の凸部44が重なって減光部28(図4)が形成される。
【0028】
図9に示すように、第3色目の着色層26を形成する。第3色目の着色層26の詳細は、上述した第1色目の着色層22と同じであり、第1色目及び第2色目の着色層22,24の間に形成する。第3色目の着色層26も、凸部46を有する。凸部46は、減光部28を形成するためのスペース20(図6)、つまり、横遮光部16及び縦遮光部18の一方が途切れることで両者間に形成されるスペース20に配置する。したがって、第1色目の着色層22の凸部42(図7)と第3色目の着色層26の凸部46(図9)が重なって減光部28(図4)が形成され、第2色目の着色層24の凸部44(図8)と第3色目の着色層26の凸部46(図9)が重なって減光部28(図4)が形成される。
【0029】
以上のプロセスによって、ブラックマトリクスの機能を果たす区画層12及び着色層22,24,26を形成する。さらに、液晶表示装置の製造方法は、上述した液晶表示装置の説明から自明な内容を含む。
【0030】
[変形例]
図10は、本発明の実施形態に係る液晶表示装置の変形例を説明する図である。本変形例では、区画層112の形状が上記実施形態とは異なる。すなわち、画素領域114が、横方向の一方の側に凸部152を有し、他方の側に凹部154を有する形状である。言い換えると、区画層112の縦遮光部118は、隣同士の横遮光部116の間で屈曲している。区画層112がこのような形状になっているのは、視野角を拡大するためのマルチドメイン方式が適用されているからである。マルチドメイン方式では、1つの画素領域114内に液晶分子の配向状態が異なる2つ以上の領域が存在する。
【0031】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、実施形態で説明した構成は、実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えることができる。
【符号の説明】
【0032】
10 第1基板、12 区画層、14 画素領域、16 横遮光部、18 縦遮光部、20 スペース、22 着色層、24 着色層、26 着色層、28 減光部、30 オーバーコート層、32 第1配向膜、34 第2基板、36 第2配向膜、38 液晶材料、40 本体部、42 凸部、44 凸部、46 凸部、112 区画層、114 画素領域、116 横遮光部、118 縦遮光部、152 凸部、154 凹部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10