(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
電子化対象となる複数種類の書類それぞれの識別情報、枚数情報、および各書類間の並び順情報を含む登録情報を、入力装置で受け付け、当該登録情報を記憶装置に格納する処理と、前記登録情報に基づいて、各種類の書類の識別情報と枚数情報を書類間の並び順に従って列挙した印字データと、前記各種類の書類の識別情報及びその枚数情報を示す二次元コードとを生成し、前記印字データ及び前記二次元コードの印字指示を所定の印刷手段に通知して、電子化用の表紙を印刷する処理を実行する演算装置を備えた情報処理装置と、
前記表紙を読み取り最先の位置とし、当該表紙に続いて前記複数種類の各書類を書類間の並び順に従って積層した書類群のうち、前記表紙に対する読み取りを実行して、当該表紙に印字された前記二次元コードを認識し、当該二次元コードが示す各種類の書類の識別情報と枚数情報を取得する処理と、前記書類群のうち前記表紙以降の各書類に対する読み取りを実行し、当該読み取りによって前記並び順で得た書類イメージデータを、前記二次元コードから得ている枚数情報が示す枚数毎に電子ファイル化し、当該電子ファイルに、該当枚数情報に対応する前記書類の識別情報を付与して記憶装置に格納する処理を実行するスキャナと、
を含むことを特徴とする書類電子化システム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
−−−システム構成−−−
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は、本実施形態の書類電子化システム10の構成図である。
図1に示す書類電子化システム10は、種類が多岐にわたる書類を効率的かつ低コストに電子化し、その管理を容易なものとするコンピュータシステムである。本実施形態の書類電子化システム10は、一例として、金融機関での融資業務に伴う稟議作業を支援する業務フローシステム、すなわち稟議支援システム8と連携、或いは稟議支援システム8の機能の一部として組み込まれたシステムを想定できる。また、本実施形態の場合、電子化対象の書類は融資業務に際して発生し管理される帳票1となる。
【0012】
本実施形態における書類電子化システム10は、
図1にて示すように、サーバ100およびスキャナ200から構成されている。また本実施形態では、書類電子化システム10におけるサーバ100の機能が稟議支援システム8に含まれる構成となっており、以降の説明では、サーバ100を全て稟議支援システム8と読み替え可能であるとする。
【0013】
こうした書類電子化システム10を構成するサーバ100のハードウェア構成は以下の如くとなる。
図2は本実施形態の書類電子化システムが含むサーバおよびスキャナのハードウェア構成例を示す図である。
【0014】
すなわちサーバ100は、ハードディスクドライブなど適宜な不揮発性記憶装置で構成される記憶装置101、RAMなど揮発性記憶装置で構成されるメモリ103、記憶装置101に保持されるプログラム102をメモリ103に読み出すなどして実行し装置自体の統括制御を行なうとともに各種判定、演算及び制御処理を行なうCPUなどの演算装置104、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付ける入力装置105、処理データの表示を行うディスプレイ等の表示装置106、ネットワークと接続しスキャナ200や金融機関の担当者が使用する端末300等との通信処理を担う通信装置107、を備える。なお、記憶装置101内には、本実施形態の書類電子化システム10を構成するサーバ100として必要な機能を実装する為のプログラム102と、後述する登録情報125、および電子ファイル7が少なくとも記憶されることになる。
【0015】
また、書類電子化システム10をサーバ100と共に構成するスキャナ200のハードウェア構成は、以下の如くとなる。すなわちスキャナ200は、一般的なイメージスキャナが備えている、イメージ取得対象となる帳票1を載置するガラス製の原稿台、この原稿台を覆って外光から遮断するカバー、原稿台上の帳票1に向けて発光する発光手段、この発光手段による発光の結果、帳票1の反射光ないし透過光を撮像素子で撮像し電気信号に変換する光学系、光学系で得た電気信号に所定の変換処理等を施してイメージデータを生成するコンピュータ210、更には、自動給紙機構たるADF220(Auto Document Feeder)を備えている。
図2の例では、説明の簡便化のため、コンピュータ210とADF220のみ明示してある。
【0016】
このうちコンピュータ210は、上述のサーバ100と同様に、適宜な不揮発性記憶装置で構成される記憶装置201、RAMなど揮発性記憶装置で構成されるメモリ203、記憶装置201に保持されるプログラム202をメモリ203に読み出すなどして実行しスキャナ自体の統括制御を行なうとともに各種演算及び制御処理を行なうCPUなどの演算装置204、ユーザからのキー入力や音声入力を受け付ける入力装置205、処理データの表示を行う液晶ディスプレイ等の表示装置206、ネットワークと接続しサーバ100との通信処理を担う通信装置207、を備える。
【0017】
続いて、本実施形態の書類電子化システム10を構成するサーバ100およびスキャナ200がそれぞれ備える機能について説明する。上述したように、以下に説明する機能は、例えば、サーバ100およびスキャナ200がそれぞれ備えるプログラムを実行することで実装される機能と言える。
【0018】
サーバ100は、電子化対象となる複数種類の書類、すなわち本実施形態における金融機関での帳票1それぞれの識別情報、枚数情報、および各帳票間の並び順情報を含む登録情報125を、入力装置105で受け付け、当該登録情報125を記憶装置101に格納する機能を備えている。帳票の種類としては、例えば、融資業務に伴う稟議にて回覧される、融資申込書、融資極度申込書、取引状況表、融資利率承認申請書、貸付金紹介票、条件緩和債権判定チャート表、格付帳票、不動産担保明細書、などが想定される。また、こうした帳票の名称は、上述した帳票の識別情報となる。
【0019】
また、サーバ100は、記憶装置101に格納した登録情報125に基づいて、各種類の帳票1の識別情報と枚数情報を帳票間の並び順に従って列挙した印字データと、各種類の帳票1の識別情報及びその枚数情報を示す二次元コード4とを生成し、印字データ及び二次元コード4の印字指示をプリンタ20(印刷手段)に通知して、電子化用の表紙2を印刷する機能を備えている。ここで印刷される表紙2の構成については後述する。こうした機能を有するサーバ100は、印字データの生成アルゴリズムに対応したプログラムと、二次元コード4の生成用プログラムとを備えている。
【0020】
一方、上述のサーバ100と共に書類電子化システム10を構成するスキャナ200は、既に述べたように、帳票1の表面を適宜な光学系で読み取って、そのイメージデータを取得するスキャナ装置であり、自動給紙機構であるADF220(Auto Document Feeder)を備えて、複数枚の帳票1を自動読み取り出来る。
【0021】
こうしたスキャナ200を使用して帳票1の電子化を行うユーザは、上述のサーバ100において印刷した表紙2を、読み取り最先の位置(通常は、最上面)とし、当該表紙2に続いて複数種類の各帳票1を帳票間の並び順に従って積層して、書類群5を用意しておくものとする。また、このユーザは、書類群5をスキャナ200のADF220にセットして、いわゆる“スタートボタン”など所定のインターフェイスを押下するなどし、読み込み開始指示をスキャナ200に与えるものとする。
【0022】
この場合、スキャナ200は、ADF220にセットされた上述の書類群5の自動読み込みを開始し、まずは、書類群5のうち読み取り最先の位置にある表紙2に対する読み取りを実行して、当該表紙2に印字された二次元コード4を認識し、当該二次元コード4が示す各種類の帳票1の識別情報と枚数情報を取得する機能を備えている。当然ながら、当該スキャナ200は、二次元コード4の仕様に対応したコードリーダ機能(二次元コード4の読み取り、解析、復号化等)を備えているものとする。
【0023】
またスキャナ200は、表紙2に引き続き、書類群5のうち表紙2以降の各帳票1に対する読み取りを実行し、当該読み取りによって、帳票1の並び順で得た書類イメージデータ6を、二次元コード4から得ている枚数情報が示す枚数毎に電子ファイル化し、当該電子ファイル7に、該当枚数情報に対応する帳票1の識別情報を付与して記憶装置201に格納する機能を備えている。
【0024】
なお、スキャナ200は、電子ファイル7を構成する書類イメージデータ6と、該当帳票1の枚数情報及び識別情報とを液晶ディスプレイ等の表示装置206に出力し、電子ファイル化された帳票1の種類および枚数が、帳票1の識別情報および枚数情報にそれぞれ一致するかについてユーザの判定結果を入力装置205で受け付け、このユーザの判定結果が、電子ファイル化された帳票1の種類および枚数が帳票1の識別情報および枚数情報にそれぞれ一致することを示すものであった場合に、該当電子ファイル7に該当帳票1の識別情報を付与して記憶装置201に格納する機能を備えているとしてもよい。
【0025】
また、スキャナ200は、上述のように生成した電子ファイル7をサーバ100に送信するとしてもよい。この場合、サーバ100は、電子ファイル7をスキャナ200から受信して記憶装置101に格納することとなる。
【0026】
−−−処理手順例−−−
以下、本実施形態における書類電子化方法の実際手順について図に基づき説明する。以下で説明する書類電子化方法に対応する各種動作は、書類電子化システム10を構成するサーバ100(稟議支援システム8)およびスキャナ200がそれぞれのメモリに読み出して実行するプログラムによって実現される。そして、このプログラムは、以下に説明される各種の動作を行うためのコードから構成されている。
【0027】
図3は、本実施形態における書類電子化方法の処理手順例を示すフロー図である。ここでは、金融機関の所定店舗が顧客から融資申請を受けており、この融資申請に伴って顧客から提出を受けたものや、或いは金融機関側で用意したもの、すなわち複数種類の帳票1(例:融資申込書、融資極度申込書、取引状況表、融資利率承認申請書、貸付金紹介票、条件緩和債権判定チャート表、格付帳票、不動産担保明細書など)を支店担当者が所持しているものとする。また、この支店担当者は該当融資申請に関して、上長や関連する他部署(例:本店の審査部門等)の担当者等に帳票1を回覧させて融資可否を決定する稟議に図るべく、(サーバ100の機能を備えた)稟議支援システム8を利用可能であるとする。
【0028】
そこで上述の支店担当者は、端末300により稟議支援システム8(サーバ100)にアクセスし、該当融資申請案件の稟議について業務フローに登録処理を行う。この場合、稟議支援システム8は、端末300から送信された、融資申請案件の登録内容(例:案件名、申請者、申請内容等)を取得して、自身の記憶装置に格納し、該当案件に関し稟議業務フローを開始する(s100)。この時、稟議支援システム8は、端末300に対して、帳票電子化用の表紙作成作業を促すメッセージを通知すると共に、支店担当者から表紙作成用のデータ入力を受け付けるための画面データを端末300に送信し表示させる(s101)。
【0029】
端末300は、稟議支援システム8から画面データを受信し、ディスプレイにおいて入力画面400として表示する。上述のメッセージを閲覧した支店担当者は、当該端末300において入力画面400を閲覧し、この入力画面400にて、電子化対象となる各帳票1の帳票名(識別情報)、枚数情報を、帳票間の順序関係に応じた所定欄に順次入力することとなる。
【0030】
図4は本実施形態における登録情報125の入力画面例を示す図である。
図4の例で示すように、入力画面400は、案件の識別情報、融資申請を受け付けた店舗、融資申請者、受付日、申請された融資金額といった案件の属性情報を示す属性表示欄410と、処理内容の指示を受け付ける各種アイコン420と、帳票1に関する情報入力欄430とから構成されている。また、情報入力欄430は、帳票名称欄431、帳票ID欄432、枚数欄433、日付欄434、およびファイル名欄435の各欄から1レコードが構成されている。帳票ID欄432の値は、帳票名称欄431で選択した帳票に連動して各帳票に対応した帳票IDが表示され、その内容は、先頭のレコードから順に、「RG001」、「RG002」、「RG003」、・・・といった具合に、帳票間の並び順に応じて予め設定されている。すなわち、帳票ID欄432の値が「RG001」のレコードは、表紙2を除いてスキャナ200での読み込み順が最先となる帳票1に関する情報を含むものとなる。なお、本順序は、画面上で入力した順序で重なるとより好適である。
【0031】
支店担当者は、こうした入力画面400のうち、情報入力欄430における帳票名称欄431にて、表紙2に列挙印字すべき帳票1の種類をプルダウンメニュー等から選択し、該当帳票1の枚数を枚数欄433に入力する。また支店担当者は、日付欄434にて、融申請の日付をプルダウンメニュー等から選択する。
図4の例では、支店担当者が、「融資申込書(手形貸付)」、「当座貸越取引申込書」、「手形割引 極度割引申込書」、「固定金利割引申込書」の各帳票1に関して、表紙2での列挙順に応じて情報を設定した例を示している。
【0032】
一方、端末300は、入力画面400において支店担当者の設定内容に応じた値を取得し、これを登録情報125として、稟議支援システム8に送信する(s102)。ここで端末300から稟議支援システム8に送信される登録情報125としては、情報入力欄430の各欄432〜435の値を含むレコードの集合体となる。
【0033】
他方、稟議支援システム8は、端末300から送信されてきた上述の登録情報125を受信し記憶装置101に格納する(s103)。なお、稟議支援システム8の含むサーバ100が保持する入力装置105にて、登録情報125を受け付けるとしてもよい。
【0034】
また、稟議支援システム8は、記憶装置101に格納した登録情報125から、各レコードが含む帳票ID(帳票ID欄432の値)と枚数(枚数欄433の値)の値を読み出し、これら各レコードが含んでいた値を、レコードを登録した際の画面表示順に列挙した印字データを生成する(s104)。
【0035】
また、稟議支援システム8は、登録情報125の各レコードから読み出した、上述の帳票名(もしくは帳票ID、以下同様に帳票IDで管理してもよい)と枚数の各値を帳票間の並び順に対応付けたデータを、二次元コード生成用のプログラムに入力値として与えて、二次元コード4を生成する(s105)。したがってここで生成される二次元コード4は、スキャナ200での読み込み順に、帳票名称とその枚数の値が記述されたものとなる。
【0036】
稟議支援システム8は、上述のように生成した印字データ及び二次元コード4の印字指示をプリンタ20(印刷手段)に通知し、電子化用の表紙2を印刷する(s106)。ここで印刷される表紙2の構成例は
図5に示すとおりとなる。
図5は本実施形態における表紙2の印字例及び書類群5の構成例を示す図である。
【0037】
図5に示す表紙2の例では、融資申請を受け付けた支店の店番号、融資申請者の属性(顧客番号、名称すなわち債務者名)、案件番号といった融資申請案件の概要を示す情報510と、二次元コード4と、帳票情報520とが印字された構成となっている。帳票情報520としては、上述の入力画面400の情報入力欄430で入力された情報に対応したものが印字されており、読み込み順521、帳票名称522、帳票ID523、枚数524、日付525、およびファイル名526の各情報が含まれている。
【0038】
一方、上述の支店担当者は、ステップs106で印刷された表紙2をプリンタ20から取得し、これを読み取り最先の位置(通常は、最上面)として、当該表紙2に続いて、電子化対象となる各帳票1を帳票間の並び順に従って積層して、書類群5を用意する。また、この支店担当者は、書類群5をスキャナ200のADF220にセットして、いわゆる“スタートボタン”など所定のインターフェイスを押下するなどし、読み込み開始指示をスキャナ200に与えるものとする。
【0039】
この場合、スキャナ200は、読み込み開始指示を受けて、ADF220にセットされた上述の書類群5の自動読み込みを開始し、まずは、書類群5のうち読み取り最先の位置にある表紙2に対する読み取りを実行する(s107)。スキャナ200は、この表紙2に印字された二次元コード4を認識して復号化し、当該二次元コード4が示す各帳票1の帳票名称と枚数の各値を取得する(s108)。
図5で例示した表紙2の例であれば、このステップs108で得られる値は、読み込み順が最先の「融資申込書」については、「1」枚、読み込み順が次位の「当座貸越取引申込書」については「2」枚、「手形割引 極度取引申請書」について「3」枚、「固定金利変更申請書」について「1」枚、・・・となる。
【0040】
また、スキャナ200は、表紙2に対する読み取り動作に引き続き、書類群5のうち表紙2以降の各帳票1に対する読み取りを実行し(s109)、当該読み取りによって、帳票1の並び順で得た書類イメージデータ6を、ステップs108にて二次元コード4から得ている枚数毎に電子ファイル化する(s110)。スキャナ200は、ステップs108で、読み込み順毎に帳票1の枚数を、「1」枚、「2」枚、「3」枚、「1」枚、・・・などと認識しているため、当該ステップs110においては、表紙2を除く書類群5に対する読み取りで得た書類イメージデータ6のうち、最初の「1」枚分を「融資申込書」に対応したものとして1つの電子ファイルに纏め、2〜3枚目の「2」枚分を「当座貸越取引申込書」に対応したものとして1つの電子ファイルに纏め、4〜6枚目の「3」枚分を「手形割引 極度取引申請書」に対応したものとして1つの電子ファイルに纏め、7枚目の「1」枚分を「固定金利変更申請書」に対応したものとして1つの電子ファイルに纏める。
【0041】
続いてスキャナ200は、こうして得た電子ファイル7を構成する書類イメージデータ6と、該当帳票1の枚数及び帳票名称(上述の二次元コード4から得られている「融資申込書」、「当座貸越取引申込書」等の帳票名称とその枚数)とを液晶ディスプレイ等の表示装置206に出力し、電子ファイル化された帳票1の帳票名称および枚数が、二次元コード4の示す情報、すなわち表紙2にて印字されている帳票1の帳票名称および枚数にそれぞれ一致するかについて支店担当者の判定結果を入力装置205で受け付ける(s111)。
【0042】
支店担当者は、表示装置206で、上述の書類イメージデータ6と、該当帳票1の枚数及び帳票名称を閲覧し、両者が一致している、すなわち、二次元コード4の内容や表紙2の印字内容通りに帳票類の読み込みが実行されたかを判定することになる。支店担当者は、スキャナ200の入力装置205において、その判定結果を入力する。
【0043】
スキャナ200は、入力装置205にて支店担当者の判定結果を取得し、電子ファイル化された帳票1の帳票名称および枚数が、二次元コード4の示す帳票1の帳票名称および枚数にそれぞれ一致することを示すものであった場合(s112:y)、該当電子ファイル7に、該当枚数に対応する帳票1の帳票ID、すなわち上述の「帳票名称」に対応した「RG0005」「RG0010」等を付与して記憶装置201に格納する(s113)。
図6は本実施形態における電子ファイル7の例を示す図である。
図6にて示すように、電子ファイル7は、帳票名称601と書類イメージデータ602とが対応付けされたファイルとなる。また、帳票ID、店番、顧客番号、案件番号から生成される(例えば、それぞれを一連の名称としてつなげた)ファイル名を付される。
【0044】
他方、電子ファイル化された帳票1の帳票名称および枚数が、二次元コード4の示す帳票1の帳票名称および枚数に一致しなかった場合(s112:n)、スキャナ200は、書類群5における帳票1の積層順序や枚数の確認、およびADF220への再セットなどの再実行を促すメッセージを表示装置206に出力し(s114)、処理をステップs107に戻す。なお、この確認を行う画面上で、操作者の操作によりページの並べ替えなどの編集が可能であり、この編集も含め確認した結果問題ない場合、再スキャンをスキップさせて、つまり、s112について、s112:yと遷移させる構成としてもよい。
【0045】
また、スキャナ200は、記憶装置201に格納した電子ファイル7を、ネットワーク120を介して稟議支援システム8に送信する(s115)。稟議支援システム8は、これを受信し、自身の記憶装置101に格納することとなる(s116)。以降、稟議支援システム8は、融資申請案件に関する稟議の業務フロー中において、稟議に必要となる帳票1の電子ファイル7を記憶装置101から読み出して、稟議担当者の所定端末に送信し表示させる。一方、稟議担当者は稟議支援システム8が提示した電子ファイル7を端末にて閲覧することで稟議内容を確認し、融資可否等の判断を行う。
【0046】
以上、本発明を実施するための最良の形態などについて具体的に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0047】
こうした本実施形態によれば、金融機関等で業務を行うユーザは、表紙と複数の帳票をまとめてセットし1回の読込み操作で電子化を完了可能となり、書類電子化および該当書類を用いた業務の省力化、効率化、およびそれに伴う低コスト化を図ることが可能となる。
【0048】
従って、種類が多岐にわたる書類を効率的かつ低コストに電子化し、その管理を容易なものとできる。
【0049】
本明細書の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。すなわち、本実施形態の書類電子化方法において、スキャナが、電子ファイルを構成する書類イメージデータと、該当書類の枚数情報及び書類の識別情報とを表示装置に出力し、電子ファイル化された書類の種類および枚数が識別情報および枚数情報にそれぞれ一致するかについてユーザの判定結果を入力装置で受け付け、ユーザの判定結果が、電子ファイル化された書類の種類および枚数が識別情報および枚数情報にそれぞれ一致することを示すものであった場合に、該当電子ファイルに書類の識別情報を付与して記憶装置に格納する処理を実行する、としてもよい。これによれば、書類の電子化が、ユーザによる最終的な処理内容の確認を経て行われることとなり、書類電子化の作業精度が向上することになる。
【0050】
また、本実施形態の書類電子化方法において、スキャナが、電子ファイルを情報処理装置に送信し、情報処理装置が、電子ファイルをスキャナから受信してs108,s110〜s115相当の処理を行い、記憶装置に格納する、としてもよい。これによれば、書類電子化の処理で得た電子ファイルを、ユーザが端末からアクセスしやすいサーバ等の情報処理装置にて管理することが可能となり、電子ファイルの利用がより効率的で容易なものとなる。