(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6063932
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】光学素子の製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 27/01 20060101AFI20170106BHJP
B29C 45/00 20060101ALI20170106BHJP
B29D 11/00 20060101ALI20170106BHJP
B29L 11/00 20060101ALN20170106BHJP
【FI】
G02B27/01
B29C45/00
B29D11/00
B29L11:00
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-517509(P2014-517509)
(86)(22)【出願日】2012年6月29日
(65)【公表番号】特表2014-531606(P2014-531606A)
(43)【公表日】2014年11月27日
(86)【国際出願番号】EP2012002748
(87)【国際公開番号】WO2013004363
(87)【国際公開日】20130110
【審査請求日】2015年6月24日
(31)【優先権主張番号】102011106329.7
(32)【優先日】2011年7月1日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】11/02972
(32)【優先日】2011年9月30日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】513179835
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ オートモーティブ エレクトロニクス エスエイエス
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】メンディブール、 アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】ハーヴィ、 セバスチアン
(72)【発明者】
【氏名】フェドラヴァイツ、 フィリップ
【審査官】
山本 貴一
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−122751(JP,A)
【文献】
特開平05−011201(JP,A)
【文献】
特開平04−260004(JP,A)
【文献】
特開平02−148001(JP,A)
【文献】
特開2004−148638(JP,A)
【文献】
特開平05−142499(JP,A)
【文献】
特開2000−322918(JP,A)
【文献】
米国特許第06504518(US,B1)
【文献】
特開平08−227498(JP,A)
【文献】
特開2002−189199(JP,A)
【文献】
特開2010−250309(JP,A)
【文献】
特開平09−281374(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/00,27/01
B29C 45/00
B29D 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車において使用される格納可能なシートをもたらす光学素子(1)の製造方法であって、
前記光学素子(1)は拡張形状を有し、
前記光学素子(1)は、
前記拡張形状に対応する第1主面と、
前記第1主面に対向する第2主面と、
前記第1主面と前記第2主面とを接続する端面であって、曲率を有する凸状の端面と
を含み、
前記製造方法は、
第1ステップの間、前記第1主面、前記第2主面及び前記端面がなす3次元形状を前記光学素子(1)に与えるように前記光学素子(1)を形成することと、
第2ステップの間、前記第1主面、前記第2主面及び前記端面の少なくとも一つを洗浄することと、
第3ステップの間、前記第1主面及び/又は前記第2主面に機能コーティングを適用することと
を含み、
前記光学素子(1)は前記3次元形状を、前記光学素子(1)の最終状態の形状として有する製造方法。
【請求項2】
前記第3ステップは、真空蒸着を使用する機能コーティングの適用処理を使用することを含む請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記第1ステップの間、前記光学素子(1)の形成は、熱成形処理を使用して行なわれる請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
前記第1ステップの間、前記光学素子(1)の形成は、射出成形処理を使用して行われる請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項5】
前記第1ステップの間、前記光学素子(1)の形成は、打ち抜き処理を使用して行なわれる請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項6】
前記端面は、前記第1ステップの後に、さらに変更されることがない請求項1〜5のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項7】
前記光学素子(1)は、プラスチック材料製の素子である請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項8】
前記プラスチック材料製の素子は、熱可塑性材料製の素子である請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
前記第1ステップの間、前記光学素子(1)の形成は、押し出し処理を使用して行なわれる請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項10】
前記機能コーティングは、反射又は非反射特性を有する請求項2に記載の製造方法。
【請求項11】
前記第2ステップ及び前記第3ステップは、液浸装置における液浸によって行われる請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
【請求項12】
前記端面の粗度は、2.24μm〜6.3μmのRa値を有する請求項6に記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子を製造する方法に関し、特に自動車における使用のための格納可能なシート(retractable sheet)を形成するための光学素子を製造する方法に関する。本発明は、光学素子に関し、特に自動車における使用のための格納可能なシートを形成するための光学素子、及び特に自動車用のディスプレイデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドアップディスプレイを用いるディスプレイデバイスは、2、3年の間に、自動車分野に
おいて日常的に使用されるようになった。
【0003】
ヘッドアップディスプレイは、自動車の前方空間を運転者が眺めているときに、情報が視界範囲内に投影されるようにするので、自動車の運転者はこの情報を、自動車の前方空間から目を離すことなく、投影される情報を読むことができる。同時に、自動車の運転者は、目の遠近を調整することなく、この情報を読むことができる。
【0004】
あるディスプレイデバイスは、自動車の前方の空間を運転者が見つめているときに、情報を視界に投影するためにフロントガラスを用いている。そのような装置は、特に、必要とされる部品の数に関して、原理的に有利であると思われるが、自動車のフロントガラスの傾斜又は他のガラスの傾斜が、空気力学の基準又は自動車の機械的な強度/安定性に関する基準を満たす必要があるので、これにより、自動車の運転者の視界におけるディスプレイデバイスの位置決めに有利な傾斜角度をいつも提供できるとは限らない。このような理由により、ある種の車両は、独立型の反射シートを備えるヘッドアップディスプレイを備え付けてきた。
【0005】
そのような方法に
おいて用いられるためには、自動車用ディスプレイデバイスに
おいて格納可能なシートとして作用する光学素子は、光学素子が少なくとも部分的に反射及び/又は少なくとも部分的に透明であるような光学的特性を有する必要がある。そのような光学特性は、機能的なコーティング(functional coating)、特に反射又は非反射コーティング(光学素子を介して光の伝達を許容又は増加する)を用いて実現される。
【0006】
本発明に係る光学素子は、ディスク又はシート
とも言及され、自動車の前方の空間の視界に
関する光学
的な情報をディスプレイデバイスからの情報に重ね合わせる(
コンバインする)のでコンバイナ(combiner)としてさえも言及される。
【0007】
そのような光学素子は、通常、3次元形成処理、特に、例えば射出成形のような熱成形処理を用いて製造される。そのような3次元光学素子を製造する方法は、一般的に周知である。
【0008】
従来における、そのような方法の一つの不利な点は、光学素子を製造する方法が、光学素子の少なくとも一端をミリング(milling)するステップを通常、要することである。光学素子の表面、特に端部のような光学素子の表面を改良するようなステップは、光学素子の製造のコストのかなりの割合を占める。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の重要な目的は、前述したような周知の技術の不利な点を克服することであり、さらに本発明の他の目的は、特に、自動車に
おいて使用される格納可能なシートを形成するための光学素子のような光学素子を製造する方法を提案することである。そのような製造の方法は、光学素子の製造のためのコストを低減するだけでなく、光学素子の製造のための時間も低減する。
【0010】
本発明の他の目的は、光学素子、特に自動車に
おいて用いられる格納可能なスクリーンを形成するための光学素子である。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る、この目的は光学素子、特に自動車における使用のための格納可能なシートを形成するための光学素子を製造する方法を用いることによって達成される。その方法に
おいて、光学素子は、光学素子を形成するステップの結果である最終状態における、3次元形状を有する光学素子であり、光学素子は拡張する形状(expansive shape)を有するように意図されており、
第1の主面と、
第2の主面と、
光学素子(1)の端面とを備え、
光学素子を形成する方法は、
方法の第
1ステップ
の間、第1の主面と、第2の主面と光学素子(1)の端面とが関係している限り、光学素子(1)に最終の3次元形状を付与するために光学素子(1)を形成し、
方法の第
2ステップ
の間、光学素子(1)の前記面の内の少なくとも一つを洗浄し、
方法の第
3ステップ
の間、第1の主面及び/又は第2の主面に機能的なコーティングを適用する。
【0012】
そのような製造方法は、特に、光学素子の端部領域(又は光学素子の端面)のミリングステップを避けることによって、光学素子をよりシンプル、かつ低価格で製造することを可能とする。
【0013】
さらに、本発明によれば、製造の少なくとも一つのステップを避けることができるので、少ない投資コストにより光学素子を製造することが有利に可能となる。
【0014】
本発明の好ましい実施形態によれば、方法の第
3ステップは、真空蒸着を使用する機能的なコーティングを採用するための処理を用いる機能的なコーティングを適用することを含むことを意図している。
【0015】
本発明の好ましい発展によれば、方法の第
1ステップの間、光学素子の形成が熱成形処理を用いて行なわれることが見出される。
【0016】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、方法の第
1ステップの間、射出成形処理を用いて光学素子を形成することが意図される。
【0017】
本発明の好ましい発展によれば、方法の第
1ステップの間、光学素子の形成が打ち抜き処理(stamping process)及び/又は押し出し処理(extrusion process)を用いて行なわれることが見出される。
【0018】
そのような製造方法の実施形態によれば、光学素子の3次元形状を自由に本発明により画定することが有利に可能となり、光学素子の適用、つまり自動車の機能的要件に最も適するようになる。
【0019】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、光学素子の端面は、製造方法の第
1ステップの後に、さらなる変更処理を受けないことを意図している。
【0020】
さらに、本発明によれば、光学素子の端面は、所定の仕上げ、又は所定の粗度(又は所定の表面仕上げ)を有することを意図している。仕上げ又は粗度は、VDI値を用いて表現される。VDI値は、VDI粗度スケール(VDI=Verein Deutscher Ingerieure−ドイツ技術者協会規格)に対応する。表面の様々なクラス分け(等級付与)用にマイクロメータに
よって測定された粗度値に対応する。これらは、算術による粗度平均「arithmetic roughness average」又は「Ra」値と言及される。値の等価(定義)は、VDI10:0.32μm;VDI12:0.4μm;VDI15:0.56μm;VDI18:0.8μm;VDI21:1.12μm;VDI22:1.26μm;VDI24:1.6μm;VDI27:2.24μm;VDI30:3.15μm;VDI33:4.5μm;VDI36:6.3μm;VDI39:9μm;VDI42:12.5μm;VDI45:18μmである。本発明によれば、等級(又は標準)VDI27(Ra2.24μm)最大VDI36(Ra6.3μm)での端面仕上げ(又は粗度)を用いることが好ましい。
【0021】
本発明の好ましい実施形態では、光学素子はプラスチック材料により形成され、好ましくは熱
可塑性材料により形成されることが見出される。
【0022】
本発明は、光学素子に関し、特に自動車に用いられる格納可能なシートを形成するための光学素子に関する。光学素子の3次元形状を有する最終段階に
おいて、つまり光学素子の形成ステップの結果に
おいて、光学素子は拡張形状を有する。拡張形状を有することを意図した光学素子は、
第1の主面と、
第2の主面と、
光学素子の端面とを備える。
この光学素子は、本発明に係る方法を用いることによって得られる。
【0023】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、光学素子の端面は凸形状、つまり曲線が外側に向かう少なくとも一部を備えることを意図している。
【0024】
このため、本発明によれば、光学素子の実用的なアプリケーションに
おいて、端面(拡大の主面に沿って全体的に拡張する、光学素子の主面ではないそれらの表面)の光学素子の光学特性を破壊させないことが、有利に可能となる。
【0025】
本発明は、本発明による光学素子を製造するための装置にも関する。光学素子を3次元に形成される補助を伴う、これは光学素子の形成ステップの結果であり、拡張形状を有することを意図される光学素子は、
第1の主面と、
第2の主面と、
光学素子の端面とを備え、
光学素子を製造するための装置は、光学素子の形成の間、第1の主面、第2の主面及び光学素子の端面が関連する限り、光学素子に最終的な3次元形状を与えることを意図している。
【0026】
光学素子を形成するためのそのような装置は、例えば、特に射出成形処理を用いて、成形工具を形成する。
【0027】
さらに、本発明は、特に、自動車用のディスプレイデバイスにも関する。ディスプレイは、ディスプレイデバイスの使用者が見つめている通常の方向における光学経路に沿って投影する目的のために画像を製造する投射モジュールを備える。ディスプレイデバイスは、拡張する形状を有する光学素子を備えてなり、光学素子は、第1の主面と、第2の主面と、光学素子の端面とを備えており、光学素子を形成するステップの結果である、3次元形状を有するその最終状態における光学素子は、本発明に係る方法を用いて得られる。
【0028】
本発明の他の好ましい実施形態によれば、光学素子は、第1の静止の位置と、第2の表示の位置との間で動かされることが意図され、光学素子は使用者が見つめている通常の方向における表示の位置状態に配置される。
【0029】
本発明のさらなる特徴及び利点が本発明の一つの非制限的な実施形態についての以下の説明を読むことから明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0030】
本発明は、非制限的な具体例の仕様によって与えられる好ましい実施形態に関する、添付される概略的な図面を参照した説明、以下の説明の効力によって理解されるであろう。
【0031】
【
図1】本発明に係る光学素子を製造するためのデバイスの概略的な断面図である。
【
図2】光学素子の表面への被膜の洗浄及び/又は適用のための装置の概略的な断面図である。
【
図3】本発明に係る光学素子を洗浄する超音波装置の概略的な断面図である。
【
図4】本発明に係る光学素子の少なくとも一つの表面上における機能的なコーティングの真空蒸着用の装置の概略的な断面図である。
【
図5】本発明に係る光学素子の特性を試験している3次元データによる概略的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
添付の図面の
図1乃至5に示されるように、光学素子1は、本発明に係る製造方法を用いて、シンプルかつ効果的な方法により製造される。
【0033】
光学素子1は、例えば、自動車における使用のための格納可能なシート(retractable sheet)を形成するための光学素子として使用される。そのような光学素子は、特にディスプレイを有する自動車に用いられる。ディスプレイは、ディスプレイデバイスの使用者が見つめている通常の方向における光学経路に沿って投影する目的のために画像を製造する投射モジュールを備える。
【0034】
全般的に、光学素子は、第1の主面と、第2の主面と、光学素子の端面とを備える、拡張性形状を有する。
【0035】
本発明に係る想像方法によれば、光学素子1は、光学素子1を形成するステップの結果である、3次元形状を有する。光学素子は、以下のステップを備えるが、
方法の第
1ステップ
の間、第1の主面と、第2の主面と光学素子の端面とが関係している限り、光学素子に最終の3次元形状を与えるために光学素子を形成し、
方法の第
2ステップ
の間、光学素子の前記面の内の少なくとも一つを洗浄し、
方法の第
3ステップ
の間、第1の主面及び/又は第2の主面に機能的なコーティングを適用する。
【0036】
本発明に係る方法の第1ステップは、本発明に係る光学素子1を製造する装置2の概略的な断面を示す
図1に描写される。製造装置2は、例えば、プラスチック材料を射出成形するための装置という形で提供される。そのようなプラスチック材料は、好ましくは、熱によって成形される。
【0037】
製造装置2は、円筒部2.1と、スクリュコンベヤ2.2と、装填ホッパ2.3と、インジェクタ2.4と、さらに2部からなる成形用具2.5とを備える。2部からなる成形用具2.5は、第1の部品2.5.1と第2の部品2.5.2とを備える。プラスチック材料のか粒(granules)3は、装填ホッパ2.3を介して製造装置2に供給され、スクリュコンベヤ2.2によって製造装置2の円筒部2.1に運搬される。スクリュコンベヤ2.2の作用と、その経路における円筒部2.1の加熱により、プラスチック材料のか粒3は加熱され、円筒部2.1におけるスクリュコンベヤ2.2の端部に
おいて、プラスチック材料の溶融塊となる。
【0038】
射出段階の間、スクリュコンベヤ2.2には、プラスチック材料の溶融塊(つまり溶融状態となったか粒3)が、比較的に高圧が適用されることによって、インジェクタ2.4を介して製造装置2の射出成形用具2.5の二つの部品2.5.1と2.5.2の間の空洞2.6に押し出されるように、圧力がかけられる(機械的に、又は液体圧力的に、或いはその両方の組み合わせよって)。
【0039】
製造装置2の射出成形用具2.5(閉鎖状態の)の二つの部品2.5.1と2.5.2の間の空洞2.6は、光学素子1に、端面が最終形状、特に、凸状の端部を有するように、最終形状を与えることを意図している。光学素子1を形成するステップを介して、光学素子1の端部をミリングするステップを省略することを可能としている。
【0040】
光学素子1用の所望の形状に
応じて、射出成形用具2.5(及び二つの部品2.5.1と2.5.2)は、形成ステップを
終えるときに、例えば、1mmから10mmの間、つまり、1mm又は2mm又は3mm又は4mm又は5mm又は6mm又は8mm又は10mmの半径を有する曲率を有する端面を、光学素子1に与えるような空洞2.6を画定することを意図している。
【0041】
射出成形用具2.5の二つの部品2.5.1と2.5.2は、それらが、閉鎖状態に
おいて、空洞2.6を画定するように、特に、形成される。例えば、射出成形用具2.5の第1の部品2.5.1及び第2の部品2.5.2の形状の対策を通して、いかなるはみ出しを形成することのリスク
も低減されるように、第1の部品2.5.1及び第2の部品2.5.2が一緒に密接にフィットする。
【0042】
本発明に係る光学素子の端面は、好ましくは、所定の仕上げ、又は所定の粗度(又は所定の表面仕上げ)を有する。例えば、光学素子の端面は、等級(又は標準)VDI27(
Ra2.24μm)から最大VDI36(Ra6.3μm)での範囲にある。
【0043】
さらに、光学素子1を形成するステップは、他の形成処理、圧力印加及び/又は射出による、特に好ましくは熱成形処理を用いて実行される。
【0044】
図2は、本発明に係る製造方法の第
2ステップを示す。このステップに
おいて、光学素子1は、その少なくとも一つの面が洗浄される(製造装置2
から離
れて)。この第
2ステップは、機能的なコーティング(特に、液浸装置4における液浸)を適用するステップを含む。
【0045】
本発明の他の実施の形態に
おいて、光学素子は製造の第
2ステップの間、他の洗浄及び/又は蒸着処理を用いて、処置される。
【0046】
図3は、超音波装置5での、
水槽における光学素子1の洗浄を意図する光学素子1の製造における他のステップを示す。
【0047】
超音波装置5は、例えば、蒸留化又はイオン化された水6を含むタンク5.1を備える。タンク5.1内に
おいて、超音波発生器5.2は、光学素子1が洗浄される超音波を生成する。
【0048】
図4は、本発明に係る光学素子1の少なくとも一面上における機能的なコーティングの真空蒸着用に装置7を用いる光学素子1の製造における第
3ステップを示す。機能的なコーティングは、特に反射又は非反射特性が処置される表面を提供する光学被膜である。
【0049】
図5は、特性をチェックするためのチェックステップを示す。特に光学素子1の3次元形成の性能をチェックする。光学素子1の光学特性は、3次元データを用いてチェックされる。