特許第6063952号(P6063952)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6063952マルチメディア資産を表示する方法、関連するシステム、メディアクライアント、および関連するメディアサーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6063952
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】マルチメディア資産を表示する方法、関連するシステム、メディアクライアント、および関連するメディアサーバ
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/4722 20110101AFI20170106BHJP
   H04N 21/2387 20110101ALI20170106BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   H04N21/4722
   H04N21/2387
   G06F13/00 550P
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-541605(P2014-541605)
(86)(22)【出願日】2012年11月6日
(65)【公表番号】特表2015-504633(P2015-504633A)
(43)【公表日】2015年2月12日
(86)【国際出願番号】EP2012071917
(87)【国際公開番号】WO2013072220
(87)【国際公開日】20130523
【審査請求日】2014年7月11日
(31)【優先権主張番号】11306487.7
(32)【優先日】2011年11月15日
(33)【優先権主張国】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391030332
【氏名又は名称】アルカテル−ルーセント
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロウ,ツェ
(72)【発明者】
【氏名】ウー,ティンヤオ
【審査官】 松元 伸次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−178147(JP,A)
【文献】 特開2008−236321(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F13/00
H04N7/10
7/14−7/173
7/20−7/56
21/00−21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メディアクライアント(MC)によってメディア資産を表示する方法であって、前記メディア資産はメディアサーバ(MS)によって供給/ストリーミングされ、前記メディアクライアント(MC)は通信ネットワーク(CN)を通して前記メディアサーバ(MS)に結合される、方法において、
a.前記メディアクライアント(MC)が、前記メディアクライアント(MC)において受け取られるフラグメントプレビュー要求信号を監視するステップと、
b.前記フラグメントプレビュー要求信号を解釈し、受け取った前記フラグメントプレビュー要求信号に基づいて、関連付けられたプレビューメディア資産フラグメントを決定するステップと、
c.前記メディアサーバ(MS)が、前記メディアサーバ(MS)に結合されたメディア資産保管場所から、前記プレビューメディア資産フラグメントを選択し取り出すステップと、
d.前記メディアクライアント(MC)が、前記メディアサーバ(MS)によって選択し取り出された前記プレビューメディア資産フラグメントを表示するステップと、
を含み、
前記メディアクライアント(MC)が前記プレビューメディア資産フラグメントを表示するステップの前に、前記メディアサーバ(MS)によって、前記選択し取り出されたプレビューメディア資産フラグメントを処理することによって派生フラグメントを生成し、前記プレビューメディア資産フラグメントとして前記メディアクライアント(MC)に送信するステップをさらに含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
メディアクライアント(MC)によってメディア資産を表示するためのシステムであって、前記メディア資産はメディアサーバ(MS)によって供給され、前記システムはメディアクライアント(MC)およびメディアサーバ(MS)を備え、前記メディアクライアント(MC)は通信ネットワーク(CN)を通して前記メディアサーバ(MS)に結合される、システムにおいて、
a.前記メディアクライアント(MC)において受け取られるフラグメントプレビュー要求信号を監視するための、前記メディアクライアント(MC)内の手段と、
b.前記フラグメントプレビュー要求信号を解釈し、受け取った前記フラグメントプレビュー要求信号に基づいて、関連付けられたプレビューメディア資産フラグメントを決定するための、前記メディアクライアント(MC)内の手段と、
c.前記メディアサーバ(MS)に結合されたメディア資産保管場所から、前記プレビューメディア資産フラグメントを選択し取り出すための、前記メディアサーバ(MS)内の手段と、
d.前記メディアサーバ(MS)によって選択し取り出された前記プレビューメディア資産フラグメントを表示するための、前記メディアクライアント(MC)内の手段と、
を備え、
前記メディアクライアント(MC)が前記プレビューメディア資産フラグメントを表示する前に、前記選択し取り出されたプレビューメディア資産フラグメントを処理することによって派生フラグメントを生成前記プレビューメディア資産フラグメントとして前記メディアクライアント(MC)に送信する、前記メディアサーバ(MS)内の手段をさらに備えることを特徴とする、システム。
【請求項3】
メディア資産を表示するためのメディアクライアント(MC)であって、前記メディア資産はメディアサーバ(MS)によって供給され、前記メディアクライアント(MC)は通信ネットワーク(CN)を通して前記メディアサーバ(MS)に結合される、メディアクライアント(MC)において、
a.前記メディアクライアント(MC)においてフラグメントプレビュー信号を監視するためのクライアント入力監視部(CIMP)と、
b.前記フラグメントプレビュー信号を解釈し、前記フラグメントプレビュー信号に基づいて、前記メディア資産の関連付けられたプレビューフラグメントを決定するための入力解釈部(IIP)と、
c.メディア資産保管場所から取り出された前記メディア資産の前記プレビューフラグメントを表示するように構成されたフラグメント提示部(FPP)と、
を備え、
前記メディア資産の前記プレビューフラグメントを表示する前に、前記メディアサーバ(MS)によって前記取り出されたメディア資産の前記プレビューフラグメントを処理することによって生成された派生フラグメントを、前記メディア資産の前記プレビューフラグメントとして受信するクライアントインターフェース部(CIP)をさらに備えることを特徴とする、メディアクライアント(MC)。
【請求項4】
前記フラグメント提示部(FPP)が、前記メディアクライアント(MC)における前記メディア資産表示において、前記メディア資産の前記プレビューフラグメントを統合するように構成されることを特徴とする、請求項3に記載のメディア資産を表示するためのメディアクライアント(MC)。
【請求項5】
前記フラグメント提示部(FPP)が、前記メディア資産の前記プレビューフラグメントを個々に表示するように構成されることを特徴とする、請求項3に記載のメディア資産を表示するためのメディアクライアント(MC)。
【請求項6】
メディアクライアント(MC)にメディア資産を供給するためのメディアサーバ(MS)であって、前記メディアクライアント(MC)は前記メディアサーバ(MS)によって供給される前記メディア資産を表示することができ、前記メディアクライアント(MC)は通信ネットワーク(CN)を通して前記メディアサーバ(MS)に結合される、メディアサーバ(MS)において、メディア資産保管場所(MAR)から前記メディア資産のプレビューフラグメントを選択し/取り出すための取り出し部(RP)を備え(なお、前記メディア資産保管場所(MAR)は前記取り出し部(RP)に結合されている)、前記メディア資産の前記プレビューフラグメントは、前記メディアクライアント(MC)において受け取られたフラグメントプレビュー信号に基づいて決定され、
前記メディアクライアント(MC)が前記メディア資産の前記プレビューフラグメントを表示する前に、前記メディア資産保管場所(MAR)から選択し取り出された前記メディア資産の前記プレビューフラグメントを処理することによって派生フラグメントを生成するための処理部(PP)と、前記メディア資産の前記プレビューフラグメントとして前記派生フラグメントを前記メディアクライアント(MC)に送信するサーバインターフェース部(SIP)とをさらに備えることを特徴とする、メディアサーバ(MS)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載される方法、請求項3のプリアンブルに記載されるシステム、請求項5のプリアンブルに記載される関連するメディアクライアント、および請求項8のプリアンブルに記載される関連するメディアサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
メディアクライアントにおいてマルチメディア資産を再生するこのような方法は、当技術分野ではすでによく知られている。現在はますます多くの人々が、例としてパーソナルコンピュータ、ネットワーク接続型テレビジョンアプリケーション、メディアプレーヤを有する携帯電話などのメディアクライアントを用いて、インターネットからビデオを視聴している。映画またはビデオなどの一部のより大きなメディア資産の場合は、人々は最も興味のある部分を視聴するために1つのセグメントから他のセグメントにジャンプする、または映画の退屈な部分を単にスキップする傾向がある。不都合なことには、前もって利用可能なプレビュー情報がないために、人々は彼等がジャンプする先のフラグメントが興味のあるものであるかどうかが前もって分からない。
【0003】
ユーザが、メディア資産の持続時間全体のある時点においてメディア資産を視聴しており、後のフラグメントに向かって先にジャンプしたい場合は、メディア表示アプリケーションのプログレスバーにおいて後の場所にマウスカーソルを移動し、ユーザがプレビューしたいメディア資産の場所でプログレスバーをクリックすることができる。メディアクライアント上で動作しているメディアプレーヤアプリケーションのプログレスバーにおける場所を選択する前は、ユーザは選択された点において何が表示されるかは分からない。再生されるべき次のマルチメディア資産部分を選択した後に、クライアント装置はメディア資産の選択された部分を要求し、受け取る必要があり、ユーザは要求したセグメントをプレーヤが受け取るまで待たなければならない。
【0004】
しかしユーザは要求したセグメントが再生されたときに始めて、新しく受け取ったセグメントが期待したものでないことが分かる場合がある。次いで彼は、次の興味のあるシーンを求めて探し続けなければならない。このビデオを視聴するやり方は時間がかかり、それに加えて扱いにくい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、上記の知られているタイプのマルチメディア資産を再生するための方法および関連するシステムを提供することであるが、このような方法のユーザは現在視聴しているマルチメディア資産の選択されたフラグメントをプレビューすることが可能になり、これらのフラグメントはクライアントによって、より予想できる直感的なやり方で選ばれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によればこの目的は、請求項1による方法、請求項3に記載される関連するシステム、請求項5に記載される関連するメディアクライアント、および請求項8に記載される関連するメディアサーバによって達成される。
【0007】
実際、最初に、メディアクライアントにおいて受け取られるフラグメントプレビュー要求信号の発生を監視し、ここでフラグメントプレビュー要求信号はユーザによる特定のメディア資産フラグメントのプレビューの要求を示す信号であり、続いてフラグメントプレビュー要求信号を解釈し、次いでメディアクライアントによって受け取られたフラグメントプレビュー要求信号に基づいてプレビューメディア資産フラグメントを決定し、その後にメディアサーバが、結合されたメディア資産保管場所からプレビューメディア資産フラグメントを選択し、取り出し、最後にメディアクライアントがメディアサーバによって取り出された関連のあるメディア資産フラグメントを表示することにより、ユーザは要求されたフラグメントをプレビューすることができ、ユーザがより予想できる直感的なやり方でマルチメディア資産を閲覧することを可能にする。
【0008】
メディアクライアントは、進行中のメディア資産のストリーミングに統合されたプレビューを再生することができ、またはメディア資産のプレビューフラグメントを単独に再生することができる。
【0009】
このようにしてメディア資産全体のうちの関連のあるフラグメントだけを、ストリーミングまたは他の方法によってメディアサーバからメディアクライアントに向けて転送するだけでよく、結果としてプレビューフラグメントをより高速に利用可能にすることができる。
【0010】
本発明の他の特徴的な特性は、請求項2、4、および9に記載される。
【0011】
方法はさらに、メディアクライアントが関連のあるビデオ資産フラグメントを提示するステップの前に、前記メディア資産のプレビューフラグメントを処理することによって派生フラグメントを生成するステップを含む。この処理は、決定されたメディア資産の関連のあるフラグメントに対する以下の操作、すなわちフィルタリング、物体認識、スケーリング、圧縮、3次元抽出などの1つまたは複数を含むことができる。
【0012】
ネットワーク帯域幅に基づくスケーリングおよび圧縮の場合は、プレビューメディア、すなわち取り出されたプレビューフラグメントはさらに、クライアントに送り返される前に、縮小または圧縮することができる。フィルタリングの場合は、取り出されたプレビューフラグメントの背景、および/またはプレビューフラグメントからの他の要素は、クライアントに向けてプレビューフラグメントを送る前にフラグメントからフィルタ除去することができ、フィルタリングは一定の要件に基づいて行うことができる。物体認識の場合は特定の物体を認識し、強調表示することができる。
【0013】
このようにしてメディア資産の関連のあるフラグメントの派生フラグメントはより速やかに提供することができ、メディア資産の関連のあるフラグメントだけを転送するのに必要な時間より、派生フラグメントを転送するのに必要な時間はさらに短いので、プレビューを要求するユーザに対してより適切なものとすることができる。
【0014】
特許請求の範囲で用いられる「備える(comprising)」という用語は、その後に列挙された手段に限定されると解釈されるべきでないことに留意されたい。したがって「手段AおよびBを備える装置」という表現の範囲は、構成要素AおよびBのみからなる装置に限定されるべきではない。これは本発明に関して、AおよびBだけが装置の関連のある構成要素であることを意味する。
【0015】
同様に、やはり特許請求の範囲で用いられる「結合された(coupled)」という用語は、直接接続のみに限定されると解釈されるべきでないことに留意されたい。したがって「装置Bに結合された装置A」という表現の範囲は、装置Aの出力端が装置Bの入力端に直接接続された装置またはシステムに限定されるべきではない。これは、Aの出力端とBの入力端との間に経路が存在し、この経路は他の装置または手段を含むことができることを意味する。
【0016】
添付の図面と併せ読まれる一実施形態についての以下の説明を参照することによって、本発明の上記その他の目的および特徴はより明らかとなり、本発明自体について最も良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実装形態が実現された、マルチメディア資産を表示するためのシステムの機能を表す図である。
図2】本発明による、メディアサーバMSに結合されたメディアクライアントMCの機能を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の項では図面を参照して、本発明による方法の実装形態、および関連する装置について述べられる。この説明の第1の項では、図1および図2に示されるようなこのネットワークの主要な要素について述べられる。第2の項では、前に述べられたネットワーク要素と、述べられる手段との間の接続が規定される。それに続く項は、マルチメディア資産を表示する方法の実際の実行である。
【0019】
本発明のこの実施形態の第1の必須要素は、ストリーミングを用いてメディアサーバによって供給される、メディア資産を表示するためのメディアクライアントMCである。このようなシステムは、通常はメディアサーバに結合された複数のメディアクライアントを含むが、この実施形態では2つのメディアクライアントMCおよびMC1だけが示される。このようなメディアクライアントMC、MC1は、RTP/RTSP、RTMP、HTTPストリーミングなどのメディア表示技術、およびFlash Player、HTML5ビデオなどのメディア表示アプリケーションをサポートする、インターネットに接続されたパーソナルコンピュータである。YouTube(登録商標)、Facebookなどのいくつかのよく知られているウェブサイトは、これらの種類の技術およびアプリケーションを用いてそれらのクライアントにビデオを提供している。
【0020】
第2の必須要素は、複数のメディアクライアントMC、MC1の各メディアクライアントMCにメディア資産を供給することができるメディアサーバMSである。複数のこのようなメディアクライアントのメディアクライアントのそれぞれは、通信ネットワークCNを通してメディアサーバMSに結合される。
【0021】
メディアサーバからメディアクライアントへのメディア資産の供給は、RTP/RTSP、RTMP、HTTPストリーミングなどのリアルタイムストリーミング技術によって対処される。
【0022】
メディアクライアントMC、MC1の両方は、通信ネットワークを通してメディアサーバに結合される。メディアクライアントMCのタイプ、例えば携帯型であるか固定の装置であるかに応じて、通信ネットワークに向かう通信インターフェースは異なり得る。通信ネットワークは、アクセスネットワークに連結した基幹インターネットネットワーク、ならびに/または固定のパーソナルコンピュータの場合は有線および/もしくは無線接続を含むホームネットワークとすることができる。
【0023】
あるいはメディアクライアントが携帯装置である場合は、通信ネットワークは、GSM(登録商標)、UMTS、LTE、WIFI、ブルートゥースその他などのような無線ネットワークインターフェースを含む。
【0024】
メディア資産を表示するためのメディアクライアントMCは、まずメディアクライアントMCにおいてフラグメントプレビュー要求信号を監視するためのクライアント入力監視部CIMPを備える。クライアント入力監視部CIMPは、メディアクライアントの一体化された、または外部の入力装置とすることができ、入力装置はマウス、キーボード、または他の装置とすることができる。さらにメディアクライアントは、フラグメントプレビュー要求信号を解釈し、フラグメントプレビュー要求信号に基づいてメディア資産のプレビューフラグメントを決定するための入力解釈部IIPと、メディア資産保管場所から取り出されたメディア資産のプレビューフラグメントを表示するように構成されたフラグメント提示部FPPとを備える。さらにフラグメント提示部FPPは、メディア資産のプレビューフラグメントを、メディアクライアントMCにおける初期の全体のメディア資産表示に統合することができ、あるいはフラグメント提示部FPPはメディア資産のプレビューフラグメントを個々に表示するように構成することができる。
【0025】
さらにメディアクライアントは、メディアクライアントMCのユーザとのインターフェースをとるためのユーザインターフェース部UIPを備えることができ、このユーザインターフェース部は一体化されたディスプレイまたは外部的に結合されたディスプレイとすることができる。
【0026】
クライアントインターフェース部CIPは、一方の側では解釈部IIPおよびフラグメント提示部FPPと、他方の側では通信ネットワークCNとの間のインターフェースに対処する。
【0027】
メディアクライアントMCのクライアント入力監視部CIMPは、出力端によって入力解釈部IIPの入力端に結合され、入力解釈部IIPは出力端によってクライアントインターフェース部CIPの入力端に結合される。クライアントインターフェース部CIPは入力/出力端子を有し、これは同時にメディアクライアントMCの入力/出力端子となる。さらにクライアントインターフェース部CIPは出力端によってフラグメント提示部FPPの入力端に結合され、フラグメント提示部FPPはユーザインターフェース部UIPに結合される。
【0028】
メディアサーバMSはまず、メディア資産保管場所MARからメディア資産のプレビューフラグメントを選択するおよび/または取り出すための取り出し部RPと、ストリーミングを用いてメディアクライアントに提供するようにメディア資産を格納するためのメディア資産保管場所MARとを備える。
【0029】
メディアサーバMSはさらに、ビデオフラグメントであるプレビューメディア資産フラグメントをメディアクライアントが提示するステップの前に、メディア資産のプレビューフラグメントを処理することによって派生フラグメントを生成するための処理部PPを備える。
【0030】
サーバインターフェース部SIPは、一方の側では取り出し部RPおよび処理部PPと、他方の側では通信ネットワークとの間のインターフェースに対処する。
【0031】
サーバインターフェース部SIPは入力/出力端子を有し、これは同時にメディアサーバMSの入力/出力端子となる。サーバインターフェース部SIPはさらに出力端子によって取り出し部RPの入力端子に結合され、取り出し部RPは出力端によって処理部PPの入力端に結合される。取り出し部RPはさらにメディア資産保管場所MARに結合される。処理部PPはさらに出力端によって、サーバインターフェース部SIPの入力端に結合される。
【0032】
本発明の実行について説明するために、第1のメディアクライアントMC、すなわちこの実施形態ではパーソナルコンピュータであるメディアクライアントのユーザは、ビデオ表示アプリケーションをインストールしている、例えばYOUTUBE(登録商標)ビデオ表示機能性を用いている、または例えばYOUTUBEウェブサイト、またはAOLウェブサイト、BBC/CNNなどのビデオコンテンツを提供するウェブサイトを閲覧するためのInternetExplorer、Chrome、Firefoxなどのウェブブラウザを用いてインターネットを閲覧していると仮定する。
【0033】
現在、主題Xのビデオであるメディア資産が、YouTubeおよびYouTubeメディアサーバMSからストリーミングされている。メディアサーバMS内に含まれるメディア資産保管場所MARに格納された主題Xのビデオは、ストリーミングを用いてメディアクライアントMCに供給される。ビデオはメディアクライアントMCにおいて受け取られ、メディアクライアントMCに結合されたディスプレイに表示される。次にさらに、視聴しているユーザが、主題Xを有するYouTubeビデオの後のコンテンツをプレビューしたいと仮定する。したがってユーザは、パーソナルコンピュータに結合されたマウスを用いて、ビデオ表示アプリケーションのプログレスバーの後の時点をポイントする。後の時点は、主題XのYouTubeビデオの後のフラグメントを示す。次いでクライアント入力監視部CIMPは、フラグメントプレビュー信号、すなわちメディア表示アプリケーションのプログレスバーにおけるマウスカーソルの位置を監視し、このプログレスバー上の位置を入力解釈部IIPに向けて転送し、入力解釈部IIPは監視されたマウスカーソル位置に基づいてビデオの相対的な時間位置を決定する。次に入力解釈部IIPは、このマウス位置を映画の時間位置(50’)として解釈し、任意選択でユーザへのフィードバックとして直ちにこの時間情報を進行中の映画の上部に表示すると仮定する。マウスのクリックによってプレビューフラグメントの開始点として時間位置50’を選択した後に、メディアクライアントMCの入力解釈部IIPは、50’の時間情報をクライアント解釈部、結合された通信ネットワーク、および結合されたサーバインターフェース部SIPを通じて、メディアサーバMSに送ることになる。次いで取り出し部RPは、主題Xを有するビデオに関してメディア資産保管場所を調べ、映画の始まりからの時間50’に関連付けられた1つまたは複数の関連のあるフレームを検出する。あるいは取り出し部は、時間位置50’を含むフレームから開始する、主題Xを有するYouTubeビデオの1つまたは複数の後続のフレーム(後続のフレームの数は予め定められる)をフェッチすることもできる。その後に取り出し部RPは、サーバインターフェース部SIPおよび通信ネットワークCNを通じて、要求するメディアクライアントMCに向かって、取り出されたフレームまたは一連のフレームを送出する。メディアクライアントMCにおいて、(1つまたは複数の)プレビューフレームである、取り出されたフレームまたは一連のフレームを受け取ると、メディアクライアントMCのフラグメント提示部FPPは、結合されたディスプレイであるところのユーザインターフェース部において、メディア資産保管場所から取り出された前記メディア資産の関連のあるフラグメントを提示する。
【0034】
フラグメント提示部FPPは、メディアクライアント(MC)において、メディア資産のプレビューフラグメントを進行中のメディア資産表示内に、すなわち主題Xを有するビデオ全体のストリーミング内に統合することができる。統合は、画像表示における画像として進行中のビデオ表示内にプレビューを混合する、または進行中のビデオ表示の上にプレビューを重ねるものとすることができる。
【0035】
あるいはフラグメント提示部FPPは、結合されたディスプレイ上にメディア資産のプレビューフラグメントを個々に表示することができ、その場合はこれは主題Xを有するビデオ全体を再生する代わりとなる。
【0036】
加えてメディアサーバMSはさらに、メディアクライアントが関連のあるビデオ資産フラグメントを提示するステップの前に、メディア資産すなわち主題Xを有するビデオの、第1の決定されたプレビューフラグメントを処理することによって派生フラグメントを生成するための処理部PPを備えることができる。メディア資産のプレビューフラグメントの処理は、フレームを縮小しその後に、縮小した関連のあるフラグメントすなわち派生フラグメントを、メディアクライアントMCに送るものとすることができる。
【0037】
アプリケーション要件に応じて、派生フラグメントを得るために、他のメディア処理技術をプレビューフラグメントに適用することができる。
【0038】
他のメディア処理技術は、前記関連のあるメディア資産フラグメントに対するフィルタリング、物体認識、スケーリング、圧縮、3次元抽出などとすることができる。
【0039】
ネットワーク帯域幅に基づくスケーリングおよび圧縮の場合は、プレビューメディア、すなわち取り出されたプレビューフラグメントはさらに、クライアントに送り返される前に、縮小または圧縮することができる。フィルタリングの場合は、取り出されたプレビューフラグメントの背景、および/またはプレビューフラグメントからの他の要素は、クライアントに向けてプレビューフラグメントを送る前にフラグメントからフィルタ除去することができ、フィルタリングは一定の要件に基づいて行うことができる。物体認識の場合は特定の物体を認識し、強調表示することができる。
【0040】
メディア資産はオーディオを有するまたは有しないビデオ資産である代わりに、メディア資産は単にオーディオ資産でもよいことに留意すべきである。
【0041】
最後の留意点は本発明の実施形態について上記では機能ブロックにより述べたことである。上述のこれらのブロックの機能的な説明から、電子装置を設計する当業者には、よく知られている電子構成要素を用いてどのようにしてこれらのブロックの実施形態を製造できるかは明らかであろう。したがって機能ブロックの内容の詳細なアーキテクチャについては述べていない。
【0042】
以上本発明の原理について特定の装置に関連して述べてきたが、この説明は単に例示として示され、添付の特許請求の範囲で定義されるような本発明の範囲を限定するものではないことが明確に理解されるべきである。
図1
図2