(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6063957
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】フロントガラスのワイパー装置を作製する方法
(51)【国際特許分類】
B60S 1/38 20060101AFI20170106BHJP
【FI】
B60S1/38 A
【請求項の数】11
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-547474(P2014-547474)
(86)(22)【出願日】2012年12月14日
(65)【公表番号】特表2015-500765(P2015-500765A)
(43)【公表日】2015年1月8日
(86)【国際出願番号】US2012069696
(87)【国際公開番号】WO2013090688
(87)【国際公開日】20130620
【審査請求日】2015年7月30日
(31)【優先権主張番号】61/570,563
(32)【優先日】2011年12月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599058372
【氏名又は名称】フェデラル−モーグル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オスリズロ,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】コックス,デニス・イー
【審査官】
粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−116365(JP,A)
【文献】
特開2011−251567(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60S 1/00−60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フロントガラスのワイパー装置を作製する方法であって、
ワイパーストリップと、前記ワイパーストリップと係合して、対向端同士の間を長手方向に延在して前記ワイパーストリップを予め定められた構成に付勢する少なくとも1つの細長い担体要素とを準備するステップと、
前記少なくとも1つの担体要素の端の1つに対してフレーム構造の第1の構成要素を摺動させるステップと、
前記担体要素の前記端の1つに対して前記フレーム構造の第2の構成要素を摺動させるステップと、
前記第1および第2の構成要素が両者とも前記少なくとも1つの担体要素との係合状態に摺動された後でのみ、前記フレーム構造の前記第1および第2の構成要素を互いに結合するステップとを備える、方法。
【請求項2】
前記フレーム構造の1つの構成要素を摺動させるステップは、前記少なくとも1つの担体要素の第1の端に対して前記第1の構成要素を摺動させることとしてさらに規定され、前記フレーム構造の前記第2の構成要素を摺動させる前記ステップは、前記少なくとも1つの担体要素の前記第1の端と反対の第2の端に対して前記フレーム構造の前記第2の構成要素を摺動させることとしてさらに規定される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フレーム構造の前記第1および第2の構成要素を互いに結合する前記ステップは、前記フレーム構造の前記第1および第2の構成要素を互いにパチンと嵌めることとしてさらに規定される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フレーム構造の少なくとも1つの構成要素は弾性タブを含み、前記フレーム構造の別の構成要素は前記弾性タブと同様に形作られる凹部を含み、前記構成要素を互いにパチンと嵌める前記ステップは、前記弾性タブを前記凹部に係合して前記構成要素を互いに相互接続することとしてさらに規定される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1および第2の構成要素は各々フランジ部分を含み、前記ワイパーストリップおよび少なくとも1つの担体要素は、前記第1および第2の構成要素が互いと結合された後に、前記第1および第2の構成要素の前記フランジ部分同士の間に捕らえられる、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記フレーム構造の前記第1および第2の構成要素は端部分サブアセンブリである、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記フレーム構造は主橋部をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記端部分サブアセンブリを互いに結合するステップは、前記端部分サブアセンブリの各々を前記主橋部に結合することとしてさらに規定され、前記端部分サブアセンブリの少なくとも1つは、両方の端部分サブアセンブリが前記少なくとも1つの担体要素と係合された後にのみ前記主橋部に結合される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記端部分サブアセンブリの各々はフランジ部分を有する端キャップを含み、前記ワイパーストリップおよび前記少なくとも1つの担体要素は、前記主橋部を通して互いと結合されると、前記端部分サブアセンブリの前記フランジ部分同士の間に捕らえられる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記端キャップの各々は、前記少なくとも1つの担体要素を摺動可能に支持する1対のほぼL字状の保持要素をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記端部分サブアセンブリの各々は、前記少なくとも1つの担体要素を摺動可能に支持する少なくとも1組の爪を有する結合機構をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
この出願は、2011年12月14日に出願された出願連続番号61/570,563の利益を主張し、その全内容がここに引用により援用される。
【0002】
発明の背景
1.発明の分野
本発明は、一般的に自動車のためのフロントガラスのワイパー装置に関し、より特定的にはハイブリッドフロントガラスワイパー装置に関する。
【背景技術】
【0003】
2.関連技術
自動車のフロントガラスのワイパー装置またはワイパーブレードの大多数は、従来型ワイパーブレード(以下、「従来のブレード」と称される)またはビーム型ワイパーブレード(以下、「ビームブレード」と称される)として分類することができる。従来のブレードは典型的に、細長いワイパーストリップと、(フレクサ(flexor)としても公知の)少なくとも1つの担体要素と、ワイパーアームへの装着のための接続装置、複数の結合機構、および複数の爪を有するフレーム構造とを含む。担体要素は一般的に、緩んだ状態で線形に形作られ、フレーム構造は、担体要素およびワイパーストリップが屈曲して車両のフロントガラスの曲率に合うことができるようにしながら、担体要素およびワイパーストリップの長さにわたってワイパーアームからの力を分散させる。これは、ワイパーストリップとフロントガラスとの間の封止を確立する。フレーム構造のさまざまな構成要素は典型的に、異なる構成要素中の整列された穴を通して挿入され、次に変形されて異なる構成要素同士の間で永久的な回動関係を確立する複数のピンによって互いに接続される。
【0004】
従来のブレードに対して、ビームブレードはフレーム構造を欠いている。代わりに、ビームブレードの担体要素は緩んだ状態で湾曲しており、接続装置は担体要素または複数の担体要素に直接に装着される。ビームブレードがフロントガラスに対して押圧されると、湾曲した担体要素は、ワイパーストリップをフロントガラスの曲率に合わせ、フロントガラスに対してワイパーストリップの実質的に全長を押圧して、ワイパーストリップとフロントガラスとの間で封止を確立する。ビームブレードは典型的に1つ以上のスポイラー要素も含み、これは、ビームブレード上方の空気の流れを用いて、車両が動いている間に担体要素およびワイパーストリップに対して下向きの力を加えて、ワイパーをさらに押圧する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ワイパーブレード製造者の中には、従来のブレードおよびビームブレードの両方からのある特徴を含む「ハイブリッドブレード」の生産および販売を始めているものがある。そのようなハイブリッドブレードは典型的にフレーム構造と、フレーム構造の上方に配設されるスポイラー形状のカバー部分とを含む。これは、さもなければ従来のブレードにビームブレードの下向きの力の効果を与える。従来のブレードと同様に、典型的なハイブリッドブレードのフレーム構造は、複数の変形されたピンによって互いに回動可能に結合される複数の部分を含む。しかしながら、自動車の動作の間にばらばらにならないようにこれらの部分を互いに結合するのに現在用いられるプロセスは、時間が掛かる、および/または費用が嵩むことがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本発明の1つの局面は、フロントガラスのワイパー装置を作製する方法に関する。方法は、ワイパーストリップと、ワイパーストリップと係合する少なくとも1つの細長い担体要素とを準備するステップを含む。各々の担体要素は、対向端の間に長手方向に延在してワイパーストリップを予め定められた構成に付勢する。方法は、フレーム構造の第1の構成要素を担体要素または複数の担体要素の端のうち1つに対して摺動させ、フレーム構造の第2の構成要素を担体要素または複数の担体要素の端の1つに対して摺動させるステップを進める。次に方法は、第1および第2の構成要素が少なくとも1つの担体要素との係合状態に摺動した後でのみフレーム構造の第1および第2の構成要素を互いに結合するステップを続ける。このプロセスは、フロントガラスのワイパー装置を作製するための他の公知のプロセスと比較して、非常に迅速かつより低コストで達成され得る。
【0007】
本発明の別の局面に従うと、第1および第2の構成要素は少なくとも1つの担体要素の対向端に対して摺動され、各々がフランジ部分を有する。ワイパーストリップおよび少なくとも1つの担体要素は、構成要素のフランジ部分同士の間に捕らえられて、フランジ部分によって確立される領域内でのフレーム構造に対するワイパーストリップおよび少なくとも1つの担体要素の摺動移動を許して、こうしてそれらがフロントガラスの曲率に合うように曲げられる際のワイパーストリップおよび担体要素内の内部応力を低減する。これも有利である。なぜなら、フレーム構造を担体要素に接続するのに、圧着、切断、または他の変形プロセスが全く必要なく、これにより付加的な製造コストが節約される結果となるからである。
【0008】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は容易に認められるであろう。というのも、これらは、添付の図面と関連して考慮されると、以下の詳細な説明を参照してより十分に理解されるからである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】例示的なワイパーブレードアセンブリの斜視立面図である。
【
図2】
図1のワイパーブレードアセンブリのフレーム構造の部分分解図である。
【
図3】
図1のワイパーブレードアセンブリの端部分サブアセンブリの分解図である。
【
図4】接続部分に回動するように接続される端キャップを示す、
図3の端部分サブアセンブリの部分分解図である。
【
図5】
図3の端部分サブアセンブリの斜視立面図である。
【
図6】
図3の線6−6に沿って取られた例示的な接続部分の断面図である。
【
図7】
図1のワイパーブレードアセンブリからの主橋部の部分図である。
【
図8】
図7の線8−8に沿って取られた主橋部の断面図である。
【
図9】主橋部中の凹部内で受けられる接続部分上の弾性タブを示す断面図である。
【
図10】
図1のワイパーブレードアセンブリからの1対の担体要素の斜視立面図である。
【
図11】1つの例示的な組立プロセスの際のワイパーブレードアセンブリを示す斜視立面図である。
【
図12】異なる例示的な組立プロセスの際のワイパーブレードアセンブリを示す斜視立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施可能実施形態の説明
いくつかの図を通して同じ番号が対応の部分を示す図を参照して、ハイブリッドフロントガラスワイパー装置またはハイブリッドワイパーブレードアセンブリ20の例示的な実施形態を
図1に全般的に示す。例示的なワイパーブレードアセンブリ20は、雨、雪、氷、または他の要素を吹き飛ばすための、車両のフロントガラスに対する封止のためのゴムなどの可撓性かつ弾性材料のワイパーストリップ22を含む。例示的なワイパーストリップ22は長手方向に延在し、かつワイパーストリップ22の実質的に長手方向長さ全体に延在する1対の対向する溝を含む。(フレクサとしても公知の)担体要素24が溝の中に配設されて、ワイパーストリップ22を予め定められた構成に付勢する。担体要素24は、ばね鋼などの可撓性かつばね状の材料の薄いストリップから形成され、対向する担体端同士の間に長手方向に延在する。担体要素24は好ましくは、溝の中に摺動可能に配設され、ワイパーストリップ22との係合状態に係止されない。この構成は、ワイパーストリップ22がフロントガラス(図示せず)の曲率に合うように曲げられるとワイパーストリップ22内の内部応力を緩和して、ワイパーブレードアセンブリ20の拭き取り品質および耐久性を向上させる効果を有する。交互に、担体要素24は、ワイパーストリップ22内の内部応力を実質的に増大させずに、1か所でワイパーストリップ22との係合状態に係止されてもよい。
【0011】
ワイパーブレードアセンブリ20は、担体要素24に結合され、ワイパーストリップ22の部分にわたってワイパーアーム(図示せず)からの力を分散させてフロントガラスに対するワイパーストリップ22のその部分を封止するフレーム構造26も含む。
図2の部分分解図に最もよく示されるように、例示的なフレーム構造26は、主橋部28と、主橋部28の対向端との装着のために構成される1対の端部分サブアセンブリ30とを含む。接続装置32は、主橋部28のほぼ中央の場所に配設され、ワイパーアームの端への装着のために構成される。例示的な接続装置32は、フック型ワイパーアームへの装着のために構成される。しかしながら、接続装置32は、たとえば、ピン型ワイパーアームまたは差込みピン型ワイパーアームを含む他の種類のワイパーアームとの装着のための異なる設計範囲のものであり得ることを認めるべきである。
【0012】
ここで
図3を参照して、端部分サブアセンブリ30のうち1つの分解図が全般的に示される。各々の端部分サブアセンブリ30は、結合機構34と、接続部分36と、端キャップ38(または端カバー)とを含む。
図6に示されるように、例示的な接続部分36は断面で見るとほぼU字状であり、上側壁40および1対の側壁42を有する。
図3に戻って、側壁42は、互いから離間された2組のアパーチャ44を含む。
【0013】
端キャップ38の一方端は、下向きに延在するフランジ部分46と、端キャップ38およびフレーム構造26の残余に対する担体要素24の長手方向の動きを制限することなく担体要素24を支持するように(
図1に示される)担体要素24の周りを部分的に包むための1対のほぼL字状の保持要素48とを提示する。すなわち、保持要素48は、担体要素24に対してクランプされていない、繋がれていない、またはそれ以外のやり方で固定されていない。1対の対向する柱52を有する外向きに延在する舌部50は、下向きに延在するフランジ部分46とは反対側の端キャップ38の端上に配設される。
図4に示されるように、舌部50上の柱52は、接続部分36上のアパーチャ44の組のうち1つの中に挿入されて、端キャップ38と接続部分36との間の回動関係を確立する。接続部分36の開いた底部は端キャップ38が下向きに回動できるようにし、接続部分36の上側壁40は、端キャップ38の、ある点を過ぎる上向きの回動を制限する止まり点として働く。
【0014】
各々の端部分サブアセンブリ30の結合機構34は、互いから離間される2組の爪54を含む。爪54の組は、1対の対向する柱53がその頂点に配設されたV字状の橋部56を通して互いと相互接続される。
図5に示されるように、柱53は、接続部分36中のアパーチャ44の組のうち1つの中に挿入されて、結合機構34と接続部分36との間の回動関係を確立する。U字状の接続部分36の開いた底部は、結合機構34が2方向に回動できるようにする。端キャップ38上の保持要素48と同様に、爪54は、例示的な担体要素24と摺動(すなわち非固定)係合して、これにより、担体要素24およびワイパーストリップ22が結合機構34に対して長手方向に摺動できるようにもしながら、フロントガラスに対してワイパーストリップ22を付勢する。この特徴は、担体要素24およびワイパーストリップ22がフロントガラスの曲率に合うように曲げられた際の担体要素24およびワイパーストリップ22内の内部応力を低減することによって、ワイパーブレードアセンブリ20の拭き取り品質および耐久性を向上させる。
【0015】
さらに
図5を参照して、接続部分36の上側壁40は、アパーチャ44の組の間に長さ方向に位置するばね荷重を付与された弾性タブ58(または差込みピン)を有する。弾性タブ58は片側の接続部分36の囲繞部分にのみ接続されるため、弾性タブ58は、接続部分36の片持ち梁状部分の端にある。接続部分36はポリマー材料(または任意の他の弾性の撓むことができる材料)から形成され、片持ち梁状部分は、ばね力を与えて弾性タブ58を予め定められた位置に付勢し、これは結合機構34の上側表面から上向きに延在する。
【0016】
ここで
図7を参照して、主橋部28の各々の端は、長手方向に延在するほぼ方形または矩形に形作られる開口を含む。開口の底部は1対の内向きに延在するフランジ60を提示し、フランジ60同士の間に開いたスロットが配設される。
図8に示されるように、開口の頂部は、接続装置32上の弾性フランジ60と同様に形作られ、かつ主橋部28の端から離間される凹部62を含む。端部分サブアセンブリ30を主橋部28と接続するため、端部分サブアセンブリ30の接続部分36は、弾性タブ58が開口中の同様に形作られる凹部62との係合状態にパチンと嵌まるまで、主橋部28の開口の中に挿入される。弾性タブ58と開口中の凹部62との間のこの接続が
図9に示され、以下「差込みピン接続」と称される。弾性タブ58には主橋部28の外部から容易にアクセスできないので、主橋部28と端部分サブアセンブリ30との間の差込みピン接続は、すべての実際的な目的のために、不可逆かつ永久的である。これは重要である。なぜなら、端部分サブアセンブリ30と主橋部28との間の差込みピン接続が迅速に確立され得る一方で、これは強くかつ破損に対する耐性もあるからである。応じて、差込みピン接続によってもたらされる費用の節約に加えて、車両の動作の間に端部分サブアセンブリ30が主橋部28から外れてしまうおそれがほとんどまたは全くない。接続部分36の端は、主橋部の開口の中へこれを導き、これにより差込みピン接続をより容易に確立することができるように傾斜されている。
【0017】
主橋部28上のフランジ60同士の間の開いたスロットは、開口内に接続部分36を保持するように接続部分36の幅よりも狭く、しかし結合機構34がスロットを通って下向きに延在しかつ主橋部28に対して回動できるように結合機構34の幅よりも広い。
【0018】
ここで
図10を参照して、例示的な担体要素24の各々はほぼM字状に予め形作られ、これがワイパーストリップ22中の溝の中に挿入される前の緩んだ応力の掛かっていない状態で、1対の下向きの曲線は上向きの曲線によって互いから離間される。これは、ワイパーストリップ22を湾曲したフロントガラスに対してより均一に押圧する効果を有し得る。しかしながら、担体要素24はほぼ線形に形作られてもよく、またはそれらは緩んだ状態で任意の所望の曲率または曲率の組合せを有することができることが認められるべきである。
【0019】
図1に戻って、端キャップ38および主橋部28の外面は、ほぼスポイラー形状である。これは下向きの力を作り出し、フロントガラスに対してワイパーストリップ22をさらに付勢し、かつ車両がスピードを出して走行している際にそれらの間に確立される封止を向上させる。例示的な実施形態では、この空力的な下向きの力は、主橋部28に対して自由に回動可能な端キャップ38が担体要素24およびワイパーストリップ22に加える唯一の付勢力である。
【0020】
本発明の別の局面は、フロントガラスのワイパー装置を作製する方法である。方法は、ワイパーストリップ22と、ワイパーストリップ22と係合する少なくとも1つの細長い担体要素24とを準備するステップを含む。好ましくは、2つの担体要素24がワイパーストリップ22中の溝の中に配設されて、ワイパーストリップ22と担体要素24との間の係合を設ける。各々の担体要素24は対向端の間で長手方向に延在してワイパーストリップ22を予め定められた構成に付勢する。
【0021】
方法は、フレーム構造26の第1の構成要素を担体要素または複数の担体要素24の端のうち1つに対して摺動させ、かつフレーム構造26の第2の構成要素を担体要素または複数の担体要素24の端のうち1つに対して摺動させるステップを進める。好ましくは、第1の構成要素は担体要素または複数の担体要素24の一方端に対して摺動され、第2の構成要素は担体要素または複数の担体要素24の他方端に対して摺動される。
【0022】
方法は次に、第1および第2の構成要素が担体要素または複数の担体要素24との係合状態に摺動された後でのみ、フレーム構造26の第1および第2の構成要素を互いと結合するステップを進める。構成要素の結合は、好ましくはパチンと嵌まるプロセスであり、構成要素のうち1つの上の弾性タブ58は、他方の構成要素の中の同様に形作られた凹部62の中に飛び込んで、構成要素同士の間に差込み接続を確立する。
【0023】
図11に示される1つの例示的な実施形態では、第1の構成要素は、担体要素24と係合される前に互いに結合される、端部分サブアセンブリ30の1つと主橋部28との組合せであり、第2の構成要素は他方の端部分サブアセンブリ30である。示されるように、組合された端部分サブアセンブリ30および主橋部28の爪54およびL字状の保持要素48は、担体要素24の一方端に対して摺動され、他方の端部分サブアセンブリ30の爪54およびL字状の保持要素48は、担体要素24の他方端に対して摺動される。これらの構成要素は互いに向けて摺動され、端部分サブアセンブリ30の接続部分36は、弾性タブ58が主橋部28中の凹部62の中にパチンと嵌まるまで主橋部28の開口の中に挿入されて、フレーム構造26を完成させる。接続が一旦確立されると、ワイパーストリップ22および担体要素24は、端キャップ38上のフランジ部分46同士の間に捕らえられて、ワイパーストリップ22および担体要素24がフレーム構造26に対して摺動し、これによりワイパーストリップ22または担体要素24のいずれかの内の内部応力を依然として低減しつつ、フレーム構造26からワイパーストリップ22または担体要素24が外れるのを防止する。
【0024】
図12に示される別の例示的な実施形態では、第1および第2の構成要素は端部分サブアセンブリ30であり、主橋部28は異なる第3の構成要素である。主橋部28はワイパーストリップ22および担体要素24に対して予め定められた位置に保持され、端部分サブアセンブリ30は担体要素24の対向端に対して摺動される。接続部分36は、弾性タブ58が凹部62との係合状態にパチンと嵌まるまで、主橋部28の対向する開口の中に挿入されて、フレーム構造26を完成させる。端部分サブアセンブリ30は、主橋部28との係合状態に同時にパチンと嵌められ得るか、または一方の端部分サブアセンブリ30が、他方よりも前に、主橋部28との係合状態にパチンと嵌められ得る。他の例示的な実施形態と同様に、主橋部28と端部分サブアセンブリ30との間に一旦接続が確立されると、ワイパーストリップ22および担体要素24は、端キャップ38のフランジ部分46同士の間に捕らえられる。
【0025】
上記教示に照らして、本発明の多数の修正例および変形例が可能であることが明白であり、それらは添付の請求項の範囲内にありながら、具体的に記載される以外のやり方で実践されてもよい。