特許第6064011号(P6064011)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6064011
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】衝撃防止機能を有する自在スパナ
(51)【国際特許分類】
   B25B 13/12 20060101AFI20170106BHJP
【FI】
   B25B13/12
【請求項の数】10
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-175299(P2015-175299)
(22)【出願日】2015年9月7日
【審査請求日】2015年9月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】509232946
【氏名又は名称】志拓有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 秉文
【審査官】 大山 健
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第103286713(CN,A)
【文献】 登録実用新案第3099830(JP,U)
【文献】 登録実用新案第3155107(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2001/0052274(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25B 13/12−13/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
把持部と、ヘッド部と、可動あごと、緩衝具と、調節装置とを備えた、衝撃防止機能を有する自在スパナであって、
前記把持部と、
前記ヘッド部を前記把持部の一端に設けていて、かつ前記ヘッド部に固定あごと、滑り溝と、受け入れ溝とを含む、前記滑り溝と前記受け入れ溝が互いに連絡され、
前記可動あごは軸線に沿って、滑り移動自在にて前記ヘッド部の前記滑り溝に取り付けていて、かつ前記固定あごに対向して移動でき、前記可動あごは第1側と前記第1側に対向する第2側とを有し、前記第1側は前記ヘッド部の前記固定あごに対向し、前記可動あごは挟持部と、制動部と、第1接続部とを含む、前記挟持部と、前記制動部はそれぞれ前記可動あごの異なる両端に位置し、前記第1接続部を前記制動部に取り付けて、かつ前記第2側に位置し、
前記緩衝具は緩衝部と、前記緩衝部の反対側にある第2接続部とを含む、前記第2接続部は離脱自在にて前記可動あごの前記第1接続部に接続でき、
前記調節装置は可動に前記受け入れ溝に収容していて、かつウォーム歯車を有し、前記ウォーム歯車と、前記可動あごの前記制動部が互いに係合することを特徴とする、衝撃防止機能を有する自在スパナ。
【請求項2】
そのうち、前記緩衝具は非金属部材から仕上げることを特徴とする、請求項1記載の衝撃防止機能を有する自在スパナ。
【請求項3】
そのうち、前記緩衝具は弾性部材から仕上げることを特徴とする、請求項1記載の衝撃防止機能を有する自在スパナ。
【請求項4】
そのうち、前記緩衝部と、前記第2接続部とを一体にして接続することを特徴とする、請求項1記載の衝撃防止機能を有する自在スパナ。
【請求項5】
そのうち、前記可動あご前記制動部が軸線に沿って、第1幅を有し、前記緩衝具の前記緩衝部が軸線に沿って、第2幅を有し、前記第1幅が前記第2幅より大きいことを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の衝撃防止機能を有する自在スパナ。
【請求項6】
そのうち、前記第1幅と前記第2幅との比例値は5.5以上であることを特徴とする、請求項記載の衝撃防止機能を有する自在スパナ。
【請求項7】
そのうち、前記第1幅と前記第2幅との比例値は5以上であることを特徴とする、請求項記載の衝撃防止機能を有する自在スパナ。
【請求項8】
そのうち、前記可動あごの前記第1接続部は孔部を設けていて、かつ軸線に沿って、前記可動あごの前記第2側から前記第1側に向かって伸ばし、前記緩衝具の前記第2接続部は突起部を形成していて、かつ軸線に沿って前記緩衝具の前記緩衝部より伸ばして、前記可動あごの前記第1接続部と釣り合いを形成することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の衝撃防止機能を有する自在スパナ。
【請求項9】
そのうち、前記第1接続部は、第1ねじ山を有し、前記第1ねじ山を前記第1接続部の内周面に取り付け、前記第2接続部は前記第1ねじ山に対応する第2ねじ山を有し、前記第2ねじ山を前記第2接続部の外周面に取り付けることを特徴とする、請求項8記載の衝撃防止機能を有する自在スパナ。
【請求項10】
そのうち、前記緩衝部は軸線の垂直方向にそって、半円形の横断面を有することを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の衝撃防止機能を有する自在スパナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主に自在スパナに関し、特に衝撃防止機能を有する自在スパナに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第8136429号(特許文献1)REVERSIBLE MONKEY WRENCHに示すように、把持部(handle)と、ヘッド部(head)と、可動あご(slidable jaw)と、軸棒(axial rod)と、ウォーム歯車(worm gear)とを備える。ヘッド部は把持部の一端に形成され、固定あご(fixed jaw)と、スライドレール(sliding rail)と、収容溝(receiving slot)とを含む、可動あごの摺動棒(sliding rod)をスライドレールに滑設され、かつウォーム歯車と摺動棒とを互いに係合していて、可動あごが固定あごに対して滑り移動するように制御することによって、可動あごと固定あごとの間に形成する開口寸法を調節し、さまざまな寸法の被駆動具物品を挟むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第8136429号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、可動あごと固定あごによって被駆動部材を挟持して、把持部を回して被駆動部材を駆動する際、可動あごが不用意に作業環境の穴壁または作業機械なとの障害物にぶつかり、可動あごまたは障害物を損傷する恐れがある。
【0005】
前述した公知構造の欠点について、考案人は前述公知構造すべての欠点を克服できる自在スパナを思料した次第である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の衝撃防止機能を有する自在スパナが公知の自在スパナが作業環境の障害物にぶつかり、可動あごまたは障害物を損傷する課題を解決できる。
【0007】
本発明の衝撃防止機能を有する自在スパナの主な目的は、シャンク部と、ヘッド部と、可動あごと、緩衝具と、調節装置と、を含む自在スパナを提供する。ヘッド部は把持部の一端に形成していて、かつ、固定あごと、滑り溝と、受け入れ溝とを含み、滑り溝と受入穴が互いに連絡されている。可動あごは軸線に沿って、滑り移動自在にてヘッド部の滑り溝に取り付けていて、かつ固定あごに対向して移動でき、可動あごは第1側と第1側に対向する第2側とを有し、第1側はヘッド部の固定あごに対向し、可動あごは挟持部と、制動部と、第1接続部とを含む、挟持部と、制動部はそれぞれ可動あごの異なる両端に位置し、第1接続部を制動部に取り付けて、かつ可動あごの第2側に位置する。緩衝具は、緩衝部と、緩衝部の反対側にある第2接続部とを含む、第2接続部は離脱自在にて可動あごの第1接続部に接続する。調節装置を可動に前記受け入れ溝に収容していて、かつ調節装置はウォーム歯車を有し、ウォーム歯車と、可動あごの制動部が互いに係合する。
【0008】
本発明の一実施例において、係る緩衝具は非金属部材から仕上げられている。
【0009】
本発明の一実施例において、係る緩衝具は弾性部材から仕上げられている。
【0010】
緩衝具と第2接続部とを一体にして互いに接続されている。
【0011】
可動あごの制動部が軸線に沿って、第1幅を有し、係る緩衝具の緩衝部が軸線に沿って、第2幅を有する。第1幅は第2幅より大きい。
【0012】
本発明の一実施例において、第1幅と第2幅との比例値は5.5を下らない。
【0013】
本発明の一実施例において、第1幅と第2幅との比例値は5を下らない。
【0014】
本発明の一実施例において、可動あごの第1接続部は孔部を設けていて、かつ軸線に沿って、可動あごの第2側から第1側に向かって伸ばす、緩衝具の第2接続部は突起部を形成していて、かつ軸線に沿って緩衝具の緩衝部より伸ばして、可動あごの第1接続部と釣り合いを形成する。
【0015】
本発明のもう一つの実施例において、第1接続部は、第1ねじ山を有し、第1ねじ山を第1接続部の内周面に取り付け、第2接続部は第1ねじ山に対応する第2ねじ山を有し、第2ねじ山を第2接続部の外周面に取り付ける。
【0016】
本発明の一実施例において、緩衝部は軸線に沿った方向に、半円形の横断面を有する。
【0017】
本発明の衝撃防止機能を有する自在スパナが公知の自在スパナに対する技術効果は、可動あごと、固定あごを用いて、シャンク部を回し被駆動部材を駆動する際は、緩衝具の設置によって、可動あごと障害物が直接にぶつかりによって、損傷することを避ける。
【0018】
その他の目的、長所および本発明の新規性は以下の詳細説明と関連図面によって、より明確することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の衝撃防止機能を有する自在スパナの第1実施例による立体外観図である。
図2】本発明の衝撃防止機能を有する自在スパナの第1実施例による局所の立体外観図である。
図3】本発明の図1から取った局所断面図である。
図4】本発明の衝撃防止機能を有する自在スパナの第1実施例による使用を示す図であり、可動あごと固定あごとを合わせて被駆動部材を挟持する態様を示す。
図5図4の続き、シャンク部を回し、可動あごと固定あごとを合わせて被駆動部材を駆動し、緩衝具と障害物とを互いに接触する態様を示す図である。
図6】本発明の衝撃防止機能を有する自在スパナの第2実施例による局所の立体分解図である。
図7】本発明の衝撃防止機能を有する自在スパナの第3実施例による側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明による技術、手段ならびにその効果は、3つの実施例と図式を合わせて、以下の通り説明する。ただし、本発明の請求範囲はこれらの構造に制限されない。
【実施例】
【0021】
図1ないし図5、本発明の衝撃防止機能を有する自在スパナの第1実施例による立体外観図と、局所立体外観図と、局所断面図と、使用の態様図とを参照する。本発明の衝撃防止機能を有する自在スパナは、把持部10と、ヘッド部20と、可動あご30と、緩衝具40と、調節装置50と、を備える。
【0022】
ヘッド部20をシャンク部10の一端に取り付ける。ヘッド部20と、シャンク部10とを金属部材より一体成型することが好ましい。ヘッド部20は固定あご21と、滑り溝22と、受け入れ溝23とを含む、滑り溝22と受け入れ溝23が互いに連絡されている。
【0023】
可動あご30は軸線Lに沿って、移動自在にヘッド部20の滑り溝22に滑り嵌めていて、かつ固定あご21に対して移動できる。好ましくは、可動あご30も金属部材から一体成型して仕上げる。可動あご30は第1側301と、第1側301の反対側に設ける第2側302とを含む、第1側301はヘッド部20の固定あご21に対向しており、可動あご30は挟持部31と、制動部32と、第1接続部33とを含む、挟持部31と制動部32をそれぞれ可動あご30の異なる両端に位置し、制動部32は軸線Lに沿って第1幅W1を有し、第1接続部33を制動部32に取り付けていて、かつ可動あご30の第2側302に位置する。本実施例において、第1接続部33は孔部実施しており、軸線Lに沿って可動あご30の第2側302より第1側301に伸ばしている。
【0024】
緩衝具40は、緩衝部41と、緩衝部41の反対側にある第2接続部42とを含む、第2接続部42は離脱自在にて可動あご30の第1接続部33に接続する。本実施例において、緩衝具40は金属部材から仕上げられている。緩衝具40を弾性部材から仕上げ、かつぶつかりのエネルギーを吸収できるものが好ましい。緩衝部41と第2接続部42とを一体にして互いに接続されている。緩衝部41軸線Lの垂直方向に沿って、半円形の横断面を有する。緩衝部41は軸線Lに沿って、第2幅W2を有し、制動部32の第1幅W1が第2幅W2より広い。本実施例において、第1幅W1と第2幅W2との比例値は5.5を下らない。好ましくは、第1幅W1と第2幅W2との比例値は5を下らない。本実施例において、第2接続部42は突起部であり、かつ軸線Lに沿って緩衝具40の緩衝部41から外部に伸ばして、可動あご30の第1接続部33と相互の釣り合いを形成する。
【0025】
調節装置50を可動にヘッド部20の受け入れ溝23に収容していて、かつ調節装置50はウォーム歯車51を有し、ウォーム歯車51と、可動あご30の制動部32が互いに係合する。ウォーム歯車51を回して、可動あご30が固定あご21に対して移動し、多種寸法の被駆動部材Dを挟持する(図4に示す)。
【0026】
障害物B(例えば、作業機械)の作業環境において、可動あご30と固定あご21によって、被駆動部材Dを挟み込み、かつ時計方向に沿って、シャンク部10を回し、被駆動具Dを回す(図5に示す)。もし、過大な回し角度によって、緩衝具40の緩衝部41が障害物Bにぶつかった場合は、緩衝具40の材質と設置位置により、可動あご30と障害物Bが直接にぶつかって損傷を避けられる。
【0027】
引き続き図6、本発明の衝撃防止機能を有する自在スパナの第2実施例による局所断面図を参照する。本発明の第2実施例と第1実施例の構造は大体同じであり、異なる点として、第1接続部33aは第1ねじ山331aを含む、第1ねじ山331aが第1接続部33aの内周面に取り付けられ、第2接続部42aは第1ねじ山331aと釣り合う第2ねじ山421aを含む、第2ねじ山421aを第2接続部42aの外周面に取り付けていて、かつ第1ねじ山331aと互いにねじ締結して、第2接続部42aを離脱自在にて、第1接続部33aに接続する。
【0028】
引き続き図7、本発明の衝撃防止機能を有する自在スパナの第3実施例による側面図を参照する。本発明の第3実施例と第1実施例の構造は大体同じであり、異なる点はとして、緩衝具40を第1実施例と異なる可動あご30bに取り付けることができる。
【0029】
以上に説明したものは、本発明の好ましい実施例であり、本発明を実施する範疇に制限を加わるものではなく、本発明に基づいた数値的の変更又は等効果素子の置き換え、若しくは本発明の特許請求の範囲による変更又は修整とも発明案の特許範疇に含めるものである。
【符号の説明】
【0030】
10 把持部
20 ヘッド部
21 固定あご
22 滑り溝
23 受け入れ溝
30 可動あご
301 第1側
302 第2側
31 挟持部
32 制動部
33 第1接続部
40 緩衝具
41 緩衝部
42 第2接続部
33a 第1接続部
331a 第1ねじ山
42a 第2接続部
421a 第2ねじ山
30b 可動あご
50 調節装置
51 ウォーム歯車
W1 第1幅
W2 第2幅
L 軸線
D 被駆動具
B 障害物
【要約】
【課題】衝撃防止機能を有する自在スパナを提供する。
【解決手段】シャンク部と、ヘッド部と、可動あごと、緩衝具と、調節装置と、を含む。ヘッド部をシャンク部一端に取り付けていて、かつ固定あごと、滑り溝と、収容溝と、を含む。滑り溝と収容溝が互いに連絡されている。可動あごは軸線に沿って、滑り移動自在に滑り溝に取り付け、かつ固定あごに対して移動でき、可動あごは第1側と、第1側の反対方向にある第2側とを有し、第1側は固定あごと対向し、可動あごは挟持部と、制動部と、第1接続部とを含む、挟持部と、制動部がそれぞれ可動あごの異なる両端に位置しており、第1接続部を制動部に取り付けて、可動あごの第2側に位置する。緩衝具は、緩衝部と、緩衝部の反対側の第2接続部とを含む、第2接続部は離脱自在にて第1接続部に接続し、可動あごが直接に障害物にぶつかることを避ける。調節装置は可動にヘッド部の収容溝に取り付けていて、かつウォーム歯車を有し、ウォーム歯車と制動部が互いに係合されている。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7