特許第6064013号(P6064013)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6064013
(24)【登録日】2016年12月22日
(45)【発行日】2017年1月18日
(54)【発明の名称】飛石試験機
(51)【国際特許分類】
   G01N 3/30 20060101AFI20170106BHJP
   G01M 17/007 20060101ALI20170106BHJP
【FI】
   G01N3/30 Z
   G01M17/00 P
【請求項の数】4
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-177672(P2015-177672)
(22)【出願日】2015年9月9日
【審査請求日】2015年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】593213205
【氏名又は名称】板橋理化工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001391
【氏名又は名称】特許業務法人レガート知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】設楽 恭弘
【審査官】 渡邊 吉喜
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06679095(US,B1)
【文献】 米国特許第05497650(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0373598(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0095983(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N3/00−3/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端に圧縮空気の噴射ノズルを配設し、先端を飛石体の投石口とした噴射筒に飛石体の供給管を立設し、噴射筒の噴射ノズル側に吸気孔を設け、前記供給管に所定間隔で自動開閉する開閉弁を取り付けた、飛石試験機。
【請求項2】
供給管は屈曲した、請求項1に記載の飛石試験機。
【請求項3】
供給管にバイブレーターを付設した、請求項1又は2に記載の飛石試験機。
【請求項4】
吸気孔の位置は、噴射筒の周壁、基端閉塞壁及び噴射ノズルの周壁の一部又は全部とした、請求項1ないし3のいずれかに記載の飛石試験機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は自動車の表面塗装やガラスなどの飛石による損傷を検証するために使用される飛石試験機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在我が国における飛石試験は、SAE J-400・JASOM104規格に基づいて行われている。この規格において、飛石試験機の構造、並びにノズルに規格石を規格重量入れて規格空気圧で噴射ノズルから石(飛石体)を飛ばして、規格距離に置かれた試料片に石を当てることが定められている。しかしながら、従来の飛石試験機においては投石速度が時速40km程度と遅く、現実の自動車の走行環境とに隔たりがあり、投石速度の速い飛石試験機が望まれている。
【0003】
先に本願出願人は、投石速度を向上させるための発明として、飛石体を対向するタイヤの回転力によって飛ばすようにした装置を提案した。この装置によれば、投石速度は向上するが、前記飛石試験の規格を満たすことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−61303号公報
【特許文献2】特開2008−58042号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、前記飛石試験の規格を満たしつつ、投石速度を向上させることを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
従来の飛石試験機は基端に圧縮空気の噴射ノズル11を配設し、先端を飛石体の投石口とした噴射筒13に、飛石体の供給管14を立設した構成であり、保管容器15内の飛石体は自由に噴射ノズル近くに落下するようになっている。そのために、噴射筒内に飛石体が密集し、噴射ノズルから圧縮空気が供給されたときに、飛石体同士の摩擦が発生して飛石体が移動しにくい。このことが、投石速度が遅い要因であると考えられる。
【0007】
そこで、基本構成を従来装置と同様にしつつ、飛石体同士の摩擦を低減させるために、噴射筒内への飛石体の供給量を制御することとし、そのための手段として、供給管に所定間隔で自動開閉する開閉弁を取り付けることにより、投石速度の向上を図った。前記開閉弁の開閉は、圧縮空気の噴射のタイミングと同期させることが好ましい。
【0008】
噴射筒の噴射ノズル側に吸気孔を設けることによって噴射筒内の空気量を増大させて、噴射圧を増大させ、もって投石速度を向上させるものとしてある。前記吸気孔の位置は、噴射筒の周壁、基端閉塞壁及び噴射ノズルの周壁の一部又は全部とする(請求項4)。
【0009】
請求項2の発明は、飛石体の噴射筒への供給速度を抑えるために供給管を屈曲させたものである。屈曲の態様は、実施例に示すようなクランク状の他、S字カーブ状や螺旋状も考えられる。
供給管を屈曲させた場合、飛石体が供給管に詰まり落下に支障が生じる恐れがある。そこで詰まりを防止するために、供給管にバイブレーターを付設することが好ましい(請求項3)。
【発明の効果】
【0010】
この発明の飛石試験機は、圧縮空気の噴射ノズルに外部ポンプ(図示しない)で発生させる圧縮空気の管を接続して使用する。
この発明において、飛石体の保管容器から供給管に供給される飛石体は、開閉弁によって制御された量だけが噴射筒に供給される。したがって、噴射筒内で飛石体が重力によって押しつけられて密集することはなく、移動しやすい状態で滞留する。そのために圧縮空気の圧力が有効活用されるので、投石速度が向上する。
加えて、噴射筒の噴射ノズル側に吸気孔が設けてあるので、圧縮空気の噴射後に噴射筒内が負圧になると、この吸気孔から空気が噴射筒内に流入する。そのために、圧縮空気の噴出時における噴射筒内の空気量が増大し、投石速度が向上する。
【0011】
請求項2の発明においては、供給管が屈曲しているので飛石体の落下速度が抑制される。そのために、飛石体は噴射筒内へ小さな下向き圧力のもとで供給され、上下に重なる飛石体が稠密になることはない。したがって、投石速度は一層向上する。
【0012】
請求項3の発明においては、バイブレーターによって供給管に振動が与えられるので、供給管を屈曲させた場合においても飛石体が詰まるおそれがない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】この発明実施例の概要を示す正面図。
図2】同じく噴射筒の基端閉塞壁を示す側面図。
図3】従来例の概要を示す正面図。
図4】配管系統を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下この発明の実施例を説明する。
【0015】
基端に圧縮空気の噴射ノズル1を配設し、先端を飛石体の投石口2とした噴射筒3に、飛石体の供給管4が立設してあり、供給管4の上端には飛石体保管容器5が配設してある。前記供給管4の上部には開閉弁6とバイブレーター7が取り付けてある。
前記開閉弁6は、圧縮空気の噴射のタイミングと同期して供給管4を開閉するようにしてある。すなわち、圧縮空気の噴射時には開閉弁6が閉じて飛石体の落下を遮断し、圧縮空気の噴射終了後次の噴射までの間に開閉弁6が開いて飛石体が落下するようにしてある。
この開閉弁6の作用により飛石体の噴射筒3への供給が規制される。
前記バイブレーター7は供給管4に振動を与え、飛石体の詰まりを防止するものである。
前記開閉弁6及びバイブレーター7は上記機能を果たすものであれば、具体的な構造を問わない。
【0016】
前記供給管4は開閉弁6の下方においてクランク状に屈曲している。この屈曲によって飛石体の落下速度が抑制され、噴射筒3内での飛石体の密集を一層解消することができる。
供給管の屈曲は飛石体の落下速度の抑制であるから、屈曲の態様はS字カーブ状や螺旋状など適宜選択することができる。
また、供給管を屈曲させずに垂直管とする場合は、前記開閉弁6を可及的に噴射筒3の直近に取り付けることにより、飛石体の落下速度を抑制することができる。
【0017】
前記噴射筒3の基端側(噴射ノズル側)には吸気孔8が設けてある。この実施例においては、噴射筒3の基端閉塞壁3a及び噴射ノズル1の周壁に設けてある。このような位置に設けることにより、加圧空気の噴射時に噴射ノズル内の空気が吸気孔8から逃げることを可及的に防止することができる。
圧縮空気が噴射されて飛石体が投石されると噴射筒3内は負圧となる。そのために、吸気孔8から外気が噴射ノズル内へ吸引され、噴射筒3内は空気で満たされる。圧縮空気の噴射時には、圧縮空気とともに噴射筒3内の空気も投石圧力として加わるので、投石速度が向上する。
なお、吸気孔の数、大きさ、位置は発生する負圧を考慮して決定する。
図中、符号9は圧縮空気供給管の接続部である。
【0018】
以上の構成により、この実施例の装置においては、飛石試験の規格を満たしつつ、投石速度時速100km以上を得ることができた。すなわち、自動車の現実の走行環境に近い状態での飛石試験が可能となった。
【産業上の利用可能性】
【0019】
この発明は、飛石試験の規格を満たしつつ、投石速度を向上させることのできるものであって、産業上の利用可能性を有するものである。
【符号の説明】
【0020】
1 噴射ノズル
2 投石口
3 噴射筒
4 供給管
5 飛石体保管容器
6 開閉弁
7 バイブレーター
8 吸気孔
【要約】      (修正有)
【課題】飛石試験の規格を満たしつつ、投石速度を向上させた飛石試験機を提供する。
【解決手段】基端に圧縮空気の噴射ノズル1を配設し、先端を飛石体の投石口2とした噴射筒3に飛石体の供給管4を立設し、供給管4の上端に飛石体保管容器5を配設し、供給管4の上部に開閉弁6とバイブレーター7を取り付ける。圧縮空気の噴射時には、開閉弁6が閉じて飛石体の落下を遮断し、圧縮空気の噴射終了後、次の噴射までの間には、開閉弁6が開いて飛石体が落下する。バイブレーター7は、供給管4に振動を与え、飛石体の詰まりを防止する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4