特許第6064194号(P6064194)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6064194コネクタの嵌合状態の確認が容易なコネクタ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6064194
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】コネクタの嵌合状態の確認が容易なコネクタ装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/641 20060101AFI20170116BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20170116BHJP
【FI】
   H01R13/641
   H01R12/71
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-58397(P2014-58397)
(22)【出願日】2014年3月20日
(65)【公開番号】特開2015-185257(P2015-185257A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2016年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】吉沢 俊彦
【審査官】 山田 康孝
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−082519(JP,A)
【文献】 特開2005−108650(JP,A)
【文献】 特開平10−214659(JP,A)
【文献】 特開2001−307831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/641
H01R 12/71
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに嵌合可能な第一コネクタと第二コネクタとを有するコネクタ装置であって、
前記第一コネクタは、前記第二コネクタとの嵌合側に嵌合凹部を有する第一ハウジングと、所定のピッチで前記嵌合凹部に配列された複数の第一端子とを有しており、
前記第二コネクタは、前記第一コネクタとの嵌合側に嵌合凸部を有する第二ハウジングと、所定のピッチで前記嵌合凸部に配列された複数の第二端子とを有しており、
前記第一コネクタと前記第二コネクタとの嵌合時には、前記嵌合凸部が前記嵌合凹部に嵌まって、前記複数の第一端子と前記複数の第二端子が対応的に接続されるようになっており、
前記嵌合凸部の外面に、前記第二ハウジングの内部に配置された前記複数の第二端子の少なくとも一部を露出させる複数の窓部が設けられており、前記複数の窓部は、前記嵌合凸部が前記嵌合凹部に嵌まったときに外部から視認不可能となるように構成され、前記複数の窓部のうちの一部の窓部の前記嵌合方向に沿う長さが、残りの窓部のそれに比べて長いことを特徴とするコネクタ装置。
【請求項2】
前記複数の窓部は、前記複数の第二端子の少なくとも一部を前記嵌合方向に沿う所定の長さに亘って露出させる請求項1に記載のコネクタ装置。
【請求項3】
前記嵌合凸部は、板状体として形成されており、前記板状体の一方の外面では、前記複数の窓部のうちの一部の窓部の前記嵌合方向に沿う長さが、残りの窓部のそれに比べて長い請求項1又は2に記載のコネクタ装置。
【請求項4】
前記板状体の他方の外面では、前記複数の窓部の前記嵌合方向に沿う長さが、全て同じ長さである請求項3に記載のコネクタ装置。
【請求項5】
前記一部の窓部は、前記複数の第二端子の配列の両端付近に設けられている請求項1乃至4のいずれかに記載のコネクタ装置。
【請求項6】
前記一部の窓部は、前記複数の第二端子の配列方向において対称に設けられている請求項5に記載のコネクタ装置。
【請求項7】
前記第一コネクタは、基板に固定して使用される基板コネクタ、前記第二コネクタは、ケーブルの一端に固定して使用されるケーブルコネクタである請求項1乃至6のいずれかに記載のコネクタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタの嵌合状態の確認が容易なコネクタ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2002−184528号公報に、従来のコネクタ装置の一例が示されている。この従来装置では、一方のコネクタに設けたフォーク状端子と他方のフラットケーブルに設けた導体との間の嵌合状態の確認を行うために、それらが確実に嵌合されたときにのみ、一方のコネクタに視認可能に表示された複数の並列な目視線と、他方のフラットケーブルに視認可能に表示された複数の並列な目視線が、一直線上に連続した状態で並ぶものとなっている。従って、この目視線の状態を見ることで、嵌合状態を容易に把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−184528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来装置では、嵌合状態を把握するために、通常のコネクタには必要とされない目視線をわざわざ設ける必要があり、この結果、製造コストが大幅に増大し、また、生産歩留まりが減少といった問題を生じさせ得る。
本発明はこのような従来技術における問題点を解決するためになされものであり、嵌合状態を確認するための特別の部品(部材)などを用いることなく、嵌合状態を容易に確認することができ、従って、製造コストの大幅な増大等を生じさせないコネクタ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、互いに嵌合可能な第一コネクタと第二コネクタとを有するコネクタ装置であって、前記第一コネクタは、前記第二コネクタとの嵌合側に嵌合凹部を有する第一ハウジングと、所定のピッチで前記嵌合凹部に配列された複数の第一端子とを有しており、前記第二コネクタは、前記第一コネクタとの嵌合側に嵌合凸部を有する第二ハウジングと、所定のピッチで前記嵌合凸部に配列された複数の第二端子とを有しており、 前記第一コネクタと前記第二コネクタとの嵌合時には、前記嵌合凸部が前記嵌合凹部に嵌まって、前記複数の第一端子と前記複数の第二端子が対応的に接続されるようになっており、前記嵌合凸部の外面に、前記第二ハウジングの内部に配置された前記複数の第二端子の少なくとも一部を前記嵌合方向に沿う所定の長さに亘って露出させる複数の窓部が設けられており、前記複数の窓部は、前記嵌合凸部が前記嵌合凹部に嵌まったときに外部から視認不可能となるように構成され、前記複数の窓部のうちの一部の窓部の前記嵌合方向に沿う長さが、残りの窓部のそれに比べて長く設定されている。
本構成では、第一コネクタと第二コネクタとの嵌合時に外部から視認不可能となる嵌合凸部の外面に、複数の第二端子の少なくとも一部を前記嵌合方向に沿う所定の長さに亘って露出させる複数の窓部が設けられていることから、これら複数の窓部の露出状態を視覚を通じて認識することによって、第一コネクタと第二コネクタの嵌合状態、例えば、半嵌合状態や斜め嵌合状態を容易に確認することができる。
尚、前記複数の窓部は、前記複数の第二端子の少なくとも一部を前記嵌合方向に沿う所定の長さに亘って露出させるものであってもよい。
【0006】
上記コネクタ装置において、前記嵌合凸部は、板状体として形成されており、前記板状体の一方の外面では、前記複数の窓部のうちの一部の窓部の前記嵌合方向に沿う長さが、残りの窓部のそれに比べて長く設定されていてもよい。また、前記板状体の他方の外面では、前記複数の窓部の前記嵌合方向に沿う長さが、全て同じ長さであってもよい。
板状体の一方の外面においてのみ窓部の長さに差を設け、他方の外面では、そのような窓部を設けないか、或いは、そのような窓部を設けても、それらを同じ長さとすること等、窓部に変化を持たせることにより、板状体の上下を含め、嵌合状態の確認を更に容易に行うことができる。
【0007】
上記コネクタ装置において、前記一部の窓部は、前記複数の第二端子の配列の両端付近に設けられていてもよい。また、前記一部の窓部は、前記複数の第二端子の配列方向において対称に設けられていてもよい。
このように統一された形状とすることにより、嵌合状態の確認が更に容易になる。
尚、前記第一コネクタは、基板に固定して使用される基板コネクタ、前記第二コネクタは、ケーブルの一端に固定して使用されるケーブルコネクタであってもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、嵌合状態を確認するための特別の部品(部材)などを用いることなく、嵌合状態を容易に確認することができ、従って、製造コストの大幅な増大等を生じさせないコネクタ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】基板コネクタとケーブルコネクタの嵌合前の状態を示す斜視図である。
図2図1の側面図である。
図3図1の平面図である。
図4図3のA−A線断面図である。
図5】基板コネクタとケーブルコネクタの嵌合後の状態を示す平面図である。
図6】ケーブルハウジングの上側の一部部分拡大図である。
図7】ケーブルハウジングの下側の一部部分拡大図である。
図8図6のA−A線断面図とB−B線断面図である。
図9】半嵌合状態を示す図である。
図10】斜め嵌合状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の好ましい一つの実施形態によるコネクタ装置1について説明する。
【0011】
本発明のコネクタ装置1は、互いに嵌合可能な基板コネクタ(第一コネクタ)と、ケーブルコネクタ(第二コネクタ)の組から成る。図1は、これら基板コネクタ20とケーブルコネクタ50の嵌合前の状態を示す斜視図、図2は、その側面図、図3は、その平面図、図4は、図3のA−A線断面図、図5は、基板コネクタ20とケーブルコネクタ50の嵌合後の状態を図3と同様の方法で示した平面図である。
【0012】
基板コネクタ20は、基板13に固定した状態で使用される。主に、基板ハウジング21と、この基板ハウジング21の内部に配置される複数の基板端子30及び補強金具12から成る。
【0013】
基板ハウジング21は、補強金具12や基板端子30を通じて基板13に固定される。ケーブルコネクタ50との嵌合側には、基板側コネクタ20の長手方向(図示矢印「ア」方向)に沿って嵌合凹部22が設けられている。
【0014】
嵌合凹部22には、同形状の複数の基板端子30が、長手方向「ア」に沿って所定のピッチで略一列に配列される。図4によく示されているように、各基板端子30は、上側接触部34と下側接触部36を有し、中央部35で連結されることにより側面視略U字形状を有する。上側接触部34と下側接触部36は、それらの間に、ケーブルコネクタ50のケーブル端子70の所定部分(上部接触面74と底部接触面76)が挿入される挿入空間31を形成する。ケーブル端子70の挿入時、上側接触部34は、基板ハウジング21の内部上壁に設けた可動空間23を利用して上方に可動し得る。一方、下側接触部36は、基板ハウジング21に常時固定されている。上側接触部34を可動としたことにより、ケーブル端子70の挿入を許すと同時に、ケーブル端子70に対する接圧を高めることができる。さらに、上側接触部34がケーブル端子70を下側接触部36に向けて付勢することにより、下側接触部36を介して基板ハウジング21に加えられる圧力を基板13で支持することができるとともに、ケーブル11が上側に向けて引っ張られた場合でもケーブルコネクタ50の嵌合状態を保持することが可能となる。下側接触部36の背面側の一端には、基板13に対する実装部32が設けられている。この実装部32を基板13の所定部分に半田付けすることにより、基板端子30を基板13に固定するとともに、基板端子30を基板13の所定部分と電気的に接続することができる。
【0015】
ケーブルコネクタ50は、ケーブル11の一端に固定して使用される。主に、ケーブルハウジング51と、このケーブルハウジング51の内部に配置される複数のケーブル端子70から成る。
【0016】
ケーブルハウジング51は、本体部56と、本体部56の前方、即ち、嵌合側に設けられた嵌合凸部52から成る。本体部56は略箱体、嵌合凸部52は本体部56よりも薄肉の板状体としてそれぞれ形成されており、ケーブルハウジング51全体として側面視略凸形状を有する。
【0017】
本体部56の前方に、嵌合凸部52が設けられている。嵌合凸部52は、基板コネクタ20とケーブルコネクタ50の嵌合時に、基板コネクタ20の嵌合凹部22に嵌まる。一方、本体部56の後方には、ケーブル端子70や、ケーブル端子70にかしめられたケーブル11の、ケーブルハウジング51内部の保持空間へのアクセスを許容する挿入口61が設けられている。ケーブル端子70等は、これら各挿入口61を通じて、嵌合凸部52の側へ向ってケーブルハウジング51の内部に挿入され設置される。ケーブル端子70は、ランス53によりケーブルハウジング51の内部の所定の位置に設置される。
【0018】
嵌合凸部52には、同形状の複数のケーブル端子70が、長手方向「ア」に沿って所定のピッチで略一列に配列される。各ケーブル端子70は、上下に互いに離間された上部接触面74と底部接触面76を有する。上部接触面74と底部接触面76の間に、ケーブル11の芯線部分等も収容することもできる。
上部接触面74と底部接触面76は、それぞれ、嵌合凸部52の複数の窓部57、67を通じてケーブルハウジング51から露出している。基板コネクタ20とケーブルコネクタ50の嵌合時には、これら窓部57、67を通じて、基板コネクタ20の基板端子30と接触し得る。このとき、上部接触面74と底部接触面76は、基板端子30の上側接触部34と下側接触部36との間に、所定の接圧で挟み込まれることになる。
【0019】
図6乃至図8をも参照して、嵌合凸部52に設けた窓部57、67についてより詳細に説明する。図6は、ケーブルハウジング51の上側の一部部分拡大図、図7は、その下側の一部部分拡大図、図8の(a)は、図6のA−A線断面図、図8の(b)は、図6のB−B線断面図である。尚、図6図8と異なり、図7には、ケーブル11とケーブル端子70を設置した状態が示されている。
【0020】
嵌合凸部52の上側外面63に窓部57(57A、57B)が形成されている。窓部57は、上側外面63の少なくとも一部を、嵌合方向(図示矢印「イ」方向)に沿う所定の長さに亘って取り除いた部分である。嵌合凸部52の一部を取り除くことにより、ケーブルハウジング51の内部に配置されたケーブル端子70の上部接触面74(図4参照)が露出する。ケーブルハウジング51が、例えば、黒色とされ、ケーブル端子70が、例えば、金属色とされている場合、これらの窓部57を通じて、ケーブル端子70をはっきりと認識することができる。勿論、その他の色の組み合わせでもよいが、ケーブルハウジング51とケーブル端子70の色は、異なっているのが好ましい。尚、これら上側外面63の窓部57では、嵌合凸部52に設けた一部の窓部57Bの嵌合方向に沿う長さが、残りの窓部57Aのそれに比べて長く設定されている点に注意していただきたい。このように窓部の長さに変化を持たせることにより、板状体の上下を含め、嵌合状態の確認を容易に行うことができる。
【0021】
嵌合凸部52の下側外面64にも窓部67が形成されている。窓部67は、下側外面64の少なくとも一部を、嵌合方向(図示矢印「イ」方向)に沿う所定の長さに亘って取り除いた部分である。嵌合凸部52の一部を取り除くことにより、ケーブルハウジング51の内部に配置されたケーブル端子70の底部接触面76(図4参照)が露出する。上側外面63と同様に、ケーブルハウジング51が、例えば、黒色、ケーブル端子70が、例えば、金属色であるような場合、これらの窓部67を通じて、ケーブル端子70をはっきりと認識できることになる。勿論、その他の色の組み合わせでもよいが、ケーブルハウジング51とケーブル端子70の色は、異なっているのが好ましい。図7によく示されているように、これら下側外面64の窓部67では、複数の窓部67の嵌合方向「イ」に沿う長さは、全て同じ長さとされている。このように、上側外面63と下側外面64とで、窓部57と窓部67との間で形状およびパターンに変化(相違点)を持たせることにより、板状体の上下を容易に把握することもできる。本発明が適用されるコネクタ装置は、端子(30、70)の芯数にもよるが、例えば、本実施形態ではコネクタの長手方向がせいぜい1cm程度、或いは、それ以下の小型のものであることも多いため、不慣れなユーザにとっては上下の判別が容易でないこともあるが、本発明の上記の構成によれば、容易に上下を判別することができる。但し、これに限らず、例えば、下側外面64についても、上側外面63と同様に、一部の窓部の嵌合方向に沿う長さを、残りの窓部のそれに比べて長く設定してもよい。
【0022】
基板コネクタ20とケーブルコネクタ50との嵌合時には、ケーブルコネクタ50の嵌合凸部52が、基板コネクタ20の嵌合凹部22に嵌まる。この結果、複数の窓部57、67を通じて、基板コネクタ20の基板端子30とケーブルコネクタ50のケーブル端子70とが対応的に接続される。尚、嵌合時には、基板コネクタ20の当接部25とケーブルコネクタ50の当接部55とが当接され得るため、嵌合凸部52が嵌合凹部22に過剰に挿入されてしまうことはない。
【0023】
基板コネクタ20とケーブルコネクタ50の嵌合状態は、ロック機構を用いてロックすることができる。ロックを行なうため、図4に示されるように、基板ハウジング21の両側壁の内面位置に対応して、上方に突出するロック突部29を設け、これに対応して、図2に示されるように、ケーブルコネクタ50の両側壁の外面位置に対応して、下方に突出するロック突部59を設けている。基板コネクタ20とケーブルコネクタ50の嵌合時には、ケーブルコネクタ50のロック突部59が、基板コネクタ20のロック突部29を乗り越えて、ロック突部29がケーブルコネクタ50のロック窪部60に嵌まるようにして、基板コネクタ20とケーブルコネクタ50を互いにロックすることができる。
【0024】
最後に、図3図5に加えて図9図10をも参照して、窓部57、67を設けたことによる作用を説明する。尚、窓部57、67は、基板コネクタ20の基板端子30とケーブルコネクタ50のケーブル端子70とが対応的に接続するために元々必要なものであって、以下の作用を得るために、本来の部品(部材)とは別にわざわざ設けるものではない。通常と異なる作業は、窓部57、67の大きさを調整するために、金型の寸法を多少調整することだけである。従って、本発明の構成を採用することによって、製造コストが大幅に増大したり、生産歩留まりが大幅に減少したりすることはない。
【0025】
図5から明らかなように、本実施形態では、基板コネクタ20とケーブルコネクタ50が嵌合した場合、ケーブルコネクタ50の嵌合凸部52は、基板コネクタ20の嵌合凹部22に収容されるため、嵌合凸部52の上側外面63や下側外面64に設けた窓部57、67を通じてケーブル端子70が視認されることはない。
【0026】
一方、図9に示す半嵌合状態にあるときや、図10に示す斜め嵌合状態にあるときは、窓部57、67を介して、ケーブル端子70の上部接触面74や底部接触面76が視認されることから、この視認状態を目視することによって、基板コネクタ20とケーブルコネクタ50の半嵌合状態や斜め嵌合状態を容易に確認することができる。
【0027】
また、図示実施形態のように、例えば、嵌合凸部52に設けた一部の窓部57Bの嵌合方向に沿う長さが、残りの窓部57Aのそれに比べて長い場合、更に言えば、一部の窓部57Bについては、本体部56に到達し得るような長さに設定されているが、残りの窓部57Aについては、本体部56に到達しないような短い長さに設定されている場合、図9に示す半嵌合状態においては、窓部の露出の度合いによって、嵌合の度合いを確認することができる。また、図10に示す斜め嵌合状態においては、一部の窓部57Bのうち、ケーブルコネクタ50の端部により近い側に設けた窓部57B−1は、ケーブルコネクタ50の中央により近い側に設けた窓部57B−2よりも、より長い状態で視認されることから、斜め嵌合状態を、容易に把握することもできる。
【0028】
尚、窓部57Bは、ケーブル端子70配列の両端付近に設けられているのが好ましい。これにより、いずれの側に傾斜した場合にも、斜め嵌合状態を確認することができる。また、窓部57Bは、複数の第二端子70の配列方向において対称に設けられているのが好ましい。このように統一された形状とすることにより、嵌合状態の確認が更に容易になる。
【0029】
明らかなように、本願の目的を達成するには、基板コネクタ20とケーブルコネクタ50の嵌合時に、嵌合凸部52の上側外面63や下側外面64に設けた窓部57、67が視認不可能となれば足り、必ずしも、嵌合凸部52の全てが、嵌合凹部22に収容される必要はない。例えば、本実施形態と異なり、嵌合凸部52の先端付近にのみ窓部57、67を設け、嵌合凸部52の先端付近以外の部分は嵌合凹部22に収容されない構成としてもよい。
また、特に図示しないが、嵌合凸部52の上側外面63に設けた窓部57と、下側外面64に設けた窓部67の、嵌合方向に沿う位置を、互いにずらすように配置してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0030】
コネクタの嵌合時に、嵌合凸部が嵌合凹部に嵌まって、嵌合凸部が外部から視認不可能となるようなコネクタ装置に幅広く応用できる。
【符号の説明】
【0031】
1 コネクタ装置
11 ケーブル
20 基板コネクタ(第一コネクタ)
21 基板ハウジング(第一ハウジング)
22 嵌合凹部
30 基板端子(第一端子)
50 ケーブルコネクタ(第二コネクタ)
51 ケーブルハウジング(第二ハウジング)
52 嵌合凸部
56 本体部
57 窓部
67 窓部
70 ケーブル端子(第二端子)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10