特許第6064219号(P6064219)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6064219-ジャンパ線の振動抑止装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6064219
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】ジャンパ線の振動抑止装置
(51)【国際特許分類】
   H02G 7/20 20060101AFI20170116BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20170116BHJP
   H02G 1/02 20060101ALI20170116BHJP
   H02G 7/14 20060101ALI20170116BHJP
   H02G 7/22 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   H02G7/20
   G02B6/00 C
   H02G1/02
   H02G7/14
   H02G7/22
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2011-289509(P2011-289509)
(22)【出願日】2011年12月28日
(65)【公開番号】特開2013-141332(P2013-141332A)
(43)【公開日】2013年7月18日
【審査請求日】2014年9月3日
【審判番号】不服2016-1472(P2016-1472/J1)
【審判請求日】2016年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000117010
【氏名又は名称】古河電工パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086368
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 誠
(72)【発明者】
【氏名】上野 憲男
【合議体】
【審判長】 新川 圭二
【審判官】 土谷 慎吾
【審判官】 山田 正文
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭62−14930(JP,U)
【文献】 特開平07−336854(JP,A)
【文献】 実開平2−7723(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G7/20
G02B6/00
H02G1/02
H02G7/14
H02G7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄塔の両側に引留クランプにより懸架された光ファイバ複合架空地線を接続するジャンパ線の振動抑止装置であって、
アルミ覆鋼撚り線と、前記アルミ覆鋼撚り線の両端に圧縮接続されたアルミ覆鋼撚り線端子と、前記アルミ覆鋼撚り線と前記ジャンパ線とを把持する複数のクランプとを有し、
前記アルミ覆鋼撚り線端子は前記引留クランプの引留クランプ連結板に固定され、前記アルミ覆鋼撚り線の中央近傍で前記アルミ覆鋼撚り線と前記ジャンパ線とを把持した前記クランプは、前記鉄塔に固定され、
前記ジャンパ線は、前記複数のクランプに把持されて、前記鉄塔に固定されるジャンパクランプと前記引留クランプ連結板とに固定される剛性を有する前記アルミ覆鋼撚り線に、その形状に沿って固定され
前記アルミ覆鋼撚り線は、その剛性により形状が維持された状態で、前記ジャンパクランプと前記引留クランプ連結板とに固定され、前記ジャンパ線が固定された際にも、その形状が維持され、
前記引留クランプは、前記ジャンパ線を把持する楔部を有し、
前記アルミ覆鋼撚り線端子は、前記楔部近傍の位置で、前記引留めクランプ連結板に固定されており、
前記複数のクランプは、前記ジャンパ線と前記アルミ覆鋼撚り線とを間隔を保った状態で把持し、
前記間隔は、前記アルミ覆鋼撚り線端子と前記楔部との間隔に等しいことを特徴とするジャンパ線の振動抑止装置。
【請求項2】
前記アルミ覆鋼撚り線は、その剛性によって、前記ジャンパ線に発生する振動を抑えることを特徴とする請求項1に記載の振動抑止装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄塔の両側に引留クランプにより懸架された光ファイバ複合架空地線を接続するジャンパ線の亀裂、破断を抑止する振動抑止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図2は、従来のジャンパ線の取付け構成図を示す。図2a、図2bにおいて、引留クランプ40が引留クランプ懸架部70により鉄塔50の両側に懸架されている。光ファイバ複合架空地線60は、引留クランプの楔部47に把持され、引留クランプ40に挿入されることにより、鉄塔50に懸架されている。そして、両側に懸架された光ファイバ複合架空地線60は、ジャンパ線65により互いに接続され、ジャンパ線65は、クランプ30により、鉄塔50のジャンパクランプ部55に固定されている。なお、光接続箱(図示せず)の配置されている鉄塔上のジャンパ線は縁回しのため長く配置されている。
【0003】
このジャンパクランプ部55への固定においては、光伝送損失を軽減することを目的に、ジャンパ線65の曲げ半径は、500mm以上確保することが要求されている。このためジャンパ線65は、風圧の影響を受け易い設置となっている。光ファイバ複合架空地線60は、鉄塔50の両側に対称に懸架されているため、図では鉄塔50の右側のみを示している。
【0004】
図3は、ジャンパ線の構造例を示す断面図である。ジャンパ線65は、アルミ管66内に、溝付アルミ線67を中心に有し、その溝に、一括光心線68が挿入されている。再び、図2において、鉄塔50に架設された光ファイバ複合架空地線60が、矢印で示すように風により上下、左右に振動する。この振動がジャンパ線65に及び、ジャンパ線65も同様に振動する。また、ジャンパ線65自身も、風圧を受けて振動する。特に、光接続箱の配置されている鉄塔上においては、ジャンパ線が縁回しの分、長い距離に配してあるため、風圧を受けやすい。
【0005】
この振動が長期に渡って繰り返され、且つ、共振現象が生じると、引留クランプの楔部47、及びジャンパクランプ部55のクランプ30が把持するジャンパ線65との境界(☆印部)に大きな歪応力が集中し、アルミ管66に亀裂が発生する。これが繰り返し発生すると、アルミ管66、及び溝付アルミ線67が共に破断する。この亀裂、破断に伴い、一括光心線68が断線し、通信不能となる。
【0006】
特許文献1には、耐張碍子を介して鉄塔アームに引き留められた水平角を有する送電線間を、ジャンパ線によって電気的に接続している吊架式ジャンパ装置において、鉄塔アームにジャンパ吊装置を介して長尺の剛性パイプを吊設すると共に、剛性パイプの両端部を鉄塔アーム側に向けて湾曲させ、ジャンパ線をこの剛性パイプに沿って固定し、剛性パイプは、一本のパイプ部材によって構成しても、水平パイプとこの水平パイプの両端部に設けられた曲がりパイプとを組み合わせて構成しても良い、旨の記載がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−27822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、鉄塔の両側に引留クランプにより懸架された光ファイバ複合架空地線を接続するジャンパ線の亀裂、破断を抑止する振動抑止装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のジャンパ線の振動抑止装置は、鉄塔の両側に引留クランプにより懸架された光ファイバ複合架空地線を接続するジャンパ線の振動抑止装置であって、アルミ覆鋼撚り線と、アルミ覆鋼撚り線の両端に圧縮接続されたアルミ覆鋼撚り線端子と、アルミ覆鋼撚り線とジャンパ線とを把持する複数のクランプとを有し、アルミ覆鋼撚り線端子は引留クランプの引留クランプ連結板に固定され、アルミ覆鋼撚り線の中央近傍でアルミ覆鋼撚り線とジャンパ線とを把持したクランプは、鉄塔に固定され、ジャンパ線は、複数のクランプに把持されて、鉄塔に固定されるジャンパクランプと引留クランプ連結板とに固定される剛性を有するアルミ覆鋼撚り線に、その形状に沿って固定され、アルミ覆鋼撚り線は、その剛性により形状が維持された状態で、ジャンパクランプと引留クランプ連結板とに固定され、ジャンパ線が固定された際にも、その形状が維持され、引留クランプは、ジャンパ線を把持する楔部を有し、アルミ覆鋼撚り線端子は、楔部近傍の位置で、引留めクランプ連結板に固定されており、複数のクランプは、ジャンパ線とアルミ覆鋼撚り線とを間隔を保った状態で把持し、間隔は、アルミ覆鋼撚り線端子と楔部との間隔に等しいことを特徴とする。
本発明のジャンパ線の振動抑止装置のアルミ覆鋼撚り線は、その剛性によって、ジャンパ線に発生する振動を抑えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、鉄塔の両側に引留クランプにより懸架された光ファイバ複合架空地線を接続するジャンパ線の亀裂、破断を抑止する振動抑止装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明によるジャンパ線の振動抑止装置の取付け構成図。
図2】従来のジャンパ線の取付け構成図。
図3】ジャンパ線の構造例を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0012】
本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。 図1は、本発明によるジャンパ線の振動抑止装置の取付け構成図である。図1において、アルミ覆鋼撚り線10、及びジャンパ線65の部分以外は図2と同様であるため説明を省略する。また、図2と同様に、光ファイバ複合架空地線60は、鉄塔50の両側に対称に懸架されているため、右側のみを示している。
【0013】
アルミ覆鋼撚り線10の両端には、アルミ覆鋼撚り線端子20が圧縮接続され、引留クランプ40の引留クランプ連結板45に固定されている。また、アルミ覆鋼撚り線10とジャンパ線65とは、複数のクランプ30により把持され、アルミ覆鋼撚り線10の中央近傍のクランプ30は、鉄塔50のジャンパクランプ部55に固定されている。
【0014】
図1においても図2の場合と同様に、光ファイバ複合架空地線60が、風により上下、左右に振動し、この振動がジャンパ線65に及び、ジャンパ線65も同様に振動する。また、ジャンパ線65自身も、風圧を受けて振動する。
【0015】
ところが、曲げ半径500mm以上で取付けられたジャンパ線65は、引留クランプ40の引留クランプ連結板45に固定された剛性の強いアルミ覆鋼撚り線10に、複数のクランプ30を介して固定されている。このため、従来発生していた振動は抑止され、共振の発生も防止される。また、引留クランプの楔部47、及びジャンパクランプ部55のクランプ30が把持するジャンパ線65との境界に加わる歪応力も同様に軽減される。このため、ジャンパ線65の亀裂、破断は防止され、一括光心線68の断線を解消することが可能となる。
【0016】
以上説明したように、本発明によれば、鉄塔の両側に引留クランプにより懸架された光ファイバ複合架空地線を接続するジャンパ線の亀裂、破断を抑止する振動抑止装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0017】
10 アルミ覆鋼撚り線
20 アルミ覆鋼撚り線端子
30 クランプ
40 引留クランプ
45 引留クランプ連結板
47 引留クランプの楔部
50 鉄塔
55 ジャンパクランプ部
60 光ファイバ複合架空地線
65 ジャンパ線
66 アルミ管
67 溝付アルミ線
68 一括光心線
70 引留クランプ懸架部
100 本発明の切断装置
図1
図2
図3