特許第6064293号(P6064293)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6064293可動式拡散器を有する揮発性物質分配システム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6064293
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】可動式拡散器を有する揮発性物質分配システム
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/12 20060101AFI20170116BHJP
   B65D 83/00 20060101ALI20170116BHJP
   B65D 85/00 20060101ALI20170116BHJP
   A01M 1/20 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   A61L9/12
   B65D83/00 F
   B65D85/00 A
   A01M1/20 D
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2015-538044(P2015-538044)
(86)(22)【出願日】2013年10月18日
(65)【公表番号】特表2016-501560(P2016-501560A)
(43)【公表日】2016年1月21日
(86)【国際出願番号】US2013065580
(87)【国際公開番号】WO2014066148
(87)【国際公開日】20140501
【審査請求日】2015年7月15日
(31)【優先権主張番号】13/657,686
(32)【優先日】2012年10月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500106743
【氏名又は名称】エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ガンディ、ジル、タイラー
(72)【発明者】
【氏名】チャンツ、サンドラ、ディー.
(72)【発明者】
【氏名】ジョンソン、マーク、イー.
(72)【発明者】
【氏名】レーンズ、ロナルド、エム.
(72)【発明者】
【氏名】ネベル、デイヴィッド
【審査官】 松井 一泰
(56)【参考文献】
【文献】 実開平01−101538(JP,U)
【文献】 実開昭59−193432(JP,U)
【文献】 特表2007−526037(JP,A)
【文献】 実開昭63−182754(JP,U)
【文献】 実開昭60−002540(JP,U)
【文献】 特開平02−088070(JP,A)
【文献】 特開2006−158470(JP,A)
【文献】 特表2009−532174(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第00722743(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00 − 9/22
A01M 1/00 −99/00
B65D 85/00 −85/28
B65D 85/575
B65D 83/00
B65D 83/08 −83/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側壁に少なくとも1つの開口部を有するハウジングと、
前記ハウジングの内面部分から延在する、少なくとも1つの係合部材と、
前記ハウジングと取り外し可能に取り付けられるベースと、
前記ベースに支持されて前記ベースおよび前記ハウジング内に配置され、前記ハウジングに加えられる下向きの力を回転する力に変換させる機械的アセンブリと
前記機械的アセンブリにより回転可能に支持され、揮発性物質を入れる容器
を備え、
前記ハウジングに加えられる前記下向きの力によって少なくとも1つの前記係合部材が下方に移動して前記機械的アセンブリに接触するとき、前記容器は、前記容器が水平な向きに配置された第1位置から、前記第1位置とは異なる第2位置へと、水平な軸の周りに回転する、揮発性物質分配システム。
【請求項2】
少なくとも1つの前記係合部材は、前記ハウジングと一体型となってる、請求項1に記載の揮発性物質分配システム。
【請求項3】
外部からの前記下向きの力が前記ハウジングに加えられるときに、前記ハウジングが下方垂直方向にスライドして動、請求項1または2に記載の揮発性物質分配システム。
【請求項4】
外部からの前記下向きの力が前記ハウジングから除かれるときに、前記ハウジングが上方垂直方向に動く、請求項3に記載の揮発性物質分配システム。
【請求項5】
前記ハウジングに設けられる弾性スナップと前記ベースの上に設けられる可撓性のある突起部との間の相互作用によって、前記ハウジングが上下に垂直移動できる範囲に制限を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の揮発性物質分配システム。
【請求項6】
前記機械的アセンブリが、支持壁、ばね、カバー部材の少なくとも1つを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の揮発性物質分配システム。
【請求項7】
前記機械的アセンブリが、中に設けられたスロットを有する支持壁を含み、前記容器が回転する動きを容易にする、請求項1から6のいずれか一項に記載の揮発性物質分配システム。
【請求項8】
前記容器が、前記容器の開口部端にわたる形で延在するフィルムを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の揮発性物質分配システム。
【請求項9】
前記フィルムが、前記揮発性物質の拡散をするための芯材表面を含む、請求項8に記載の揮発性物質分配システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連する出願の参照]
該当なし。
【0002】
[連邦政府資金援助研究開発に関する参照]
該当なし。
【0003】
[シーケンスリストの参照]
該当なし。
【背景技術】
【0004】
本開示は、揮発性物質の放出を調節するように適合された可動式拡散器を有する揮発性物質分配システムに関し、特に、容器を回転させるように構成された機械的アセンブリを有し、前記機械的アセンブリによる回転によって、受動状態、完全ブースト状態、及び代替的な中間アクティブ状態を含む複数の動作状態にある分配システムから、揮発性物質の拡散を増加させる揮発性物質分配システムに関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、様々な揮発性物質分配装置が知られており、通常は、揮発性物質を保持し、容器を保持するハウジングを含む容器を任意に備える。従来技術による各種揮発性物質分配装置は、通常分配機構を使用せずに揮発性物質が受動的に拡散するようにされているか、あるいは、分配機構を使用して揮発性物質の放出を増加させたり及び/又は促進させたりする。各種揮発性物質分配装置に使用されている通常の分配機構には、加熱器、及び/又は空気を熱したり及び/又は供給したりするファンを各々含む。しかし、このような分配機構によって、装置を製造するコスト及び電力が必要となるために動作コストが追加されることがある。
【0006】
受動的及び熱ベースの拡散装置は、どちらも拡散の選択肢に限りがある。特に、拡散装置の中には、各種動作状態のうち限定された数の動作しかできないものがある。例えば、このような装置は、受動状態のみ、アクティブ状態のみ、あるいはアクティブ状態のうち限られた数の動作しかできないことがある。さらに、このような操作は、典型的には装置の操作者が拡散率を間接的に制御できるように事前にプログラムされており、例えば、揮発性物質に関する空気の流れ及び/又は熱の流れを各々増加又は減少させるようにファンあるいはヒーターを調整する。
【0007】
対照的に、本発明の揮発性物質分配システムは、装置の拡散能力と拡散率の直接の動作制御をユーザに提供する。分配システムに加えられる力によって容器は回転する。このような回転は、芯材表面に接触する揮発性物質の量に直接関連し得る。芯材表面に接触する揮発性物質の量は、芯材表面に用いる物質の類型、揮発性物質の拡散率に関連して直接に影響する。本開示は、上記の問題の一つ以上に対処する新規かつ非自明な揮発性物質分配システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、揮発性物質分配システムにはハウジングが含まれており、そのハウジングは、その側壁に少なくとも1つの開口部と、ハウジングから延在する少なくとも1つの係合部材とを有する。揮発性物質分配システムにはさらに、ハウジングと相互動作するように適合し、機械的アセンブリを含むベースを含む。少なくとも1つの係合部材が機械的アセンブリと接触するときに、第1位置から第2位置へと回転する容器は、揮発性物質が含まれる。
【0009】
本発明の別の態様によれば、揮発性物質分配システム用の容器は、そこから延在する側壁を有するベースを含む。側壁にわたる形で、芯材表面を有するフィルムが延在し、ベース及び側壁の中に揮発性物質を納める。ベース及び側壁のうち少なくとも1つの向かい側には、延長部材が一対に設置されている。容器は、第1位置から第2位置へと、容器に加えられる外部からの力に応じて、延長部材の周りを機械的に回転するように設計されている。
【0010】
本発明の別の態様によれば、揮発性物質分配システム用の容器は、そこから延在する側壁を有するベースを含む。側壁にわたるように芯材表面が延在し、ベース及び側壁の内側に揮発性物質を納める。容器からは、延長部材が少なくとも1つ延在する。容器は、第1操作状態と第2操作状態との間にある延長部材によって形成された軸の周りを回転する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】ハウジング及びベースを含む揮発性物質分配システムの第1実施形態の上面斜視図である。
図2図1のハウジングの底面斜視図である。
図3図1のハウジングの底面図である。
図4】揮発性物質分配システムの別の実施形態の分解斜視図である。
図5図1のベースの上面斜視図である。
図6図5のベースの中に配置されるカバー部材を含む側面斜視図である。
図7図6のカバー部材の1つの上面斜視図である。
図8図6のカバー部材の1つの底面斜視図である。
図9図6のベースの容器を含む上面斜視図である。
図10図9の容器の上面斜視図である。
図11図10の容器の底面斜視図である。
図12図1の揮発性物質分配システムを分解斜視図である。
図13】第1操作状態を示し、明確化のためにハウジングが取り外された図1の揮発性物質分配システムの側面斜視図である。
図14】第2操作状態を示し、明確化のためにハウジングが取り外された図1の揮発性物質分配システムの側面斜視図である。
図15】中間動作状態を示し、明確化のためにハウジングが取り外された図1の揮発性物質分配システムの側面斜視図である。
図16】揮発性物質分配システムの別の実施形態の分解斜視図である。
図17】第1操作状態で示される図16の揮発性物質分配システムの側面斜視図である。
図18】第2操作状態で示される図16の揮発性物質分配システムの側面斜視図である。
図19】第1操作状態で示される図16の揮発性物質分配システムにおける代替実施形態の側面斜視図である。
図20】第2操作状態で示される図19の揮発性物質分配システムにおける実施形態の側面斜視図である。
図21】揮発性物質分配システムの別の実施形態の分解斜視図である。
図22】第1操作状態で示される図21の揮発性物質分配システムの側面斜視図である。
図23】第2操作状態で示される図21の揮発性物質分配システムの側面斜視図である。
図24】中間動作状態で示される図21の揮発性物質分配システムの側面斜視図である。
図25A】受動状態で示される図13の揮発性物質分配システムの概略図である。
図25B】中間ブースト状態にある図15の揮発性物質分配システムの概略図である。
図25C】ブースト状態にある図14の揮発性物質分配システムの概略図である。
図26】本明細書で開示される揮発性物質分配システムについて、様々な分配状態を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1図15に一般的に示されるように、揮発性物質分配システム100は、類似の形をした楕円形ベース104に、取り外し可能に取り付けられる細長い楕円形のハウジング102からなる。図9に示されるように、揮発性物質106は、ハウジング102の内側にある容器108の中に配置され、容器108を回転して位置を定め、多様な動作状態となるように設計された機械的アセンブリ110(図12を参照)によって支持されている。揮発性物質106の拡散率は、以下に説明するように、ユーザが外部からの力を揮発性物質分配システム100の構成部分に加えるときに変わる。
【0013】
図1を参照すると、ハウジング102は、その側壁114の中に配置された複数の開口部112を含む。複数の開口部112が示されているが、揮発性物質分配システム100には、複数の開口部112が含まれる。好ましくは、ハウジング102及び/又はベース104は、少なくとも1つ開口部を含み、揮発性物質106がそこから漏れ出る。複数の開口部112は、ハウジング102の側壁114全面の周囲、又はその一部のみに設けられてもよい。図1に示される実施形態では、複数の開口部112が円形として示されているが、当該分野で公知のその他の形状及びサイズを含んでもよい。
【0014】
ハウジング102はさらに、その上面118の中に配置されている楕円形ボタン116の形状で設けられる制御の仕組みを含む。一実施形態では、ボタン116は、上面118と一体型となっている(図1を参照)。エッジ122に隣接するボタン116を、上面118のわずかに角度のついた構成部分120が外接している。角度のついた構成部分120は、ボタン116の周囲を囲むように延在し、ユーザの指をボタン116に向かって導くように適合されている。ボタン116は、ハウジング102の上面118によって形成されている平面の上方に突出している。ボタン116は、ハウジング102から物理的に分離しないように、一体型にしてもよい。この実施形態では、ユーザが揮発性物質106の拡散率を調整したいときに、ボタン116は、ユーザがコンタクトするための適切な領域の視覚的指標を提供することが好ましい。代替的に、ハウジング102は、個別のボタン116が上面118と分けることのできない繋がった上面118を含んでもよい。
【0015】
図4に示す代替の実施形態では、ボタン116が上方に延在し、上面118の中に配置されるアパーチャー124を通る。アパーチャー124は、上面118のエッジ122から内側に間隔を置いて配置されている。ボタン116は、その下側128から延在する向かい合ったラッチ126を含む。ラッチ124は、取り外し可能にハウジング102の内部構成部分(図示せず)上へとロックされ、ボタン116を押下された位置に保持する。押下されると、ボタン116は、ハウジング102の内側に配置される機械的アセンブリ110と連絡する。ハウジング102及び/又はボタン116は、楕円形で示されているが、その他の形状及びサイズ、例えば正方形、矩形、円形などで構成されてもよい。
【0016】
図2を見ると、ハウジング102の内面部分が区画130を形成し、分配システム100の内部の部品を実質的に隠すように適合されている。ハウジング102の側壁114は、側壁114から内面に向かって延在する複数の弾性スナップ132を含み、弾性スナップは、ハウジング102の下部エッジ134に隣接している。弾性スナップ132の設計は、ベース104上に配置されて対応するアンダーカット136(図5及び図6を参照)を外せるように連動されており、それによってハウジング102を同ベース104上に保持する。
【0017】
ハウジング102のボタン116及び/又はハウジング102のその他の各種構成部分は、機械的アセンブリ110と連絡している。機械的アセンブリ110は、互いに連絡している様々な構成要素からなる。それらは、ハウジング102及び/又はボタン116に加えられる下向きの力を回転する力に変換するよう動作し、その力が揮発性物質106を保持する容器108を回転させる。
【0018】
一実施形態では、機械的アセンブリの構成部分が、C字状の1つ又は複数の細長い係合部材138が、ボタン116と隣接した内面140から延在する形で設けられている(図2及び図3を参照)。ボタン116及び/又はハウジング112のその他の構成部分に実質的に下向きの力が加えられると、係合部材138は、ベース104内に配置される機械的アセンブリ110のその他の構成部分上におよぶ。別の実施形態では、係合部材138が、一体型となって形成され、ハウジング102の任意の部分、例えばボタン116から延在する。さらに別の実施形態では、係合部材138は、ボタン116の内面140に隣接して位置が定められている構成要素を別々に備えている。係合部材138は、当技術分野で公知のその他の方法によってハウジング102及び/又はボタン116と機械的に連通して設けられてもよいことが想定される。
【0019】
さらに、図2及び図3を参照すると、本実施形態の係合部材138は、細長の側壁144によって接続される2つの向かい合った端壁142を含む。各々の係合部材138には、開口部146が設けられ、端壁142、側壁144、及びハウジング102の側壁114の内面148によって定義されている。各々の係合部材138の端壁142に隣接されているハウジング102の内面148に沿って複数の曲線状の支持部材150が配置されて延在している。以下でより詳細に説明するように、ハウジング102がベース104上に下向きに押圧されると、支持部材150は、少なくともハウジング102が下方に動くのを部分的に制限する。支持部材150は、さらにハウジング102に構造的安定性と整合性を提供する。
【0020】
図4に示す別の実施形態では、機械的アセンブリ110の構成部分は、係合部材160の形で設けられている。本実施形態における係合部材160は、一体型の細長い連結部164によって互いに接続される曲線状の向かい合った2つの端部ピース162を含む。係合部材160は、係合部材138と同様の方法で、ハウジング102の構成部分及び/又はボタン116が係合部材160と相互に動作して係合部材160を下方に力を加え、容器108を回転させて揮発性物質106の拡散率を制御する方法で操作する。機械的アセンブリ110が、様々な方法で構成され、以下でより詳細に説明するように、可動式容器108の回転が達成できると想定される。
【0021】
図5及び図6を見ると、ハウジング102は、揮発性物質分配システム100のベース104上へとスナップフィットするように適合されている。ベース104は、実質的に楕円形であり、底面202から上方に延在する側壁200を含む。底面202は、実質的に平坦であることが好ましく、それにより、揮発性物質分配システム100は、例えば、カウンタ、棚、コーヒーテーブル、又は浴室の表面などの平坦な支持面上に配置されたときに、上向きに安置されるようになる。ハウジング102の底面202及び側壁200は、詰替ユニット206用の受けとなる区画204を定義する。以下でより詳細に説明するように、詰替ユニット206は、中に配置される揮発性物質106を有する容器108からなる(図9を参照)。
【0022】
さらに、図5及び図6を参照すると、可撓性のある複数の突起部208が、区画204の向かい側にある側壁200から上方に延在する。突起部208は、それぞれ上端210に各々隣接して配置され対応するアンダーカット136を含み、上端210は、ハウジング102の弾性スナップ132と取り外し可能に相互動作するように設計されている。スナップ/アンダーカットのシステムが開示されているが、いくつかの実施形態のように、ハウジング102及びベース104は、当技術分野で公知の、例えば、締まりばめ、接着剤などのその他の機構によって取り外し可能に保持されることが想定される。一実施形態では、ハウジング102及びベース104が一体型にされている。そのため、消費者は、内部部品に達せず、揮発性物質分配システム100は、単一使用に適合されている。別の実施形態では、ハウジング102及びベース104は分離されており、揮発性物質106が完全に使用されたか、あるいは詰替ユニット206の交換をしたい場合に、揮発性物質分配システム100が再利用及び/又は詰め替えられてもよい。
【0023】
図5に最適に示すように、ベース104は、さらに機械的アセンブリ110の構成部分を支持するために適合されている複数の支持壁を含む。特に、曲壁212が一対となり、ベース104の向かい合った端部214に接する底面202から、上方に向かってそれぞれ延在する。曲壁212は、それぞれそこを通って配置される曲線状のスロット216を含む。曲線状のスロット216は、曲壁212の中央にある構成部分から、曲壁212における全体の高さのうちの約中間点の距離まで下方に延在する。スロット216の設計は、ユーザがハウジング102及び/又はボタン116を連動させるときに、揮発性物質106を保持する容器108の回転が容易になされるようにされている。本実施形態によれば、容器108を回転させるためにスロット216に特定の角度が設けられ、それにより、受動的拡散状態で(図13を参照)揮発性物質106が拡散されるのを能動的(ブースト)拡散状態に切り替える(図14を参照)。他のノッチ及び/又は角度は、容器108の部分的な回転を可能にするために組み込まれ得ることが想定される。それにより、ハウジング102、ボタン116及び機械的アセンブリ110の間で機械的に相互動作し、多様な動作状態が達成されてもよい(例えば、図15を参照)。
【0024】
2つの傾斜壁230a、230bが、各々の曲壁212の後面232から外側に向かって延在する。傾斜壁230a、230bは、それぞれ中に配置された直線状のスロット234a、234bを含み、スロット234a、234bは、傾斜壁230a、230bの高さの約半分にあたる長さにわたって延在する。スロット234a、234bは、傾斜壁230a、230bの全面を通って延在する。図5に最適に見られるように、傾斜壁230a、230bが、それぞれ曲壁212から外側に向かって延在する。そのため、傾斜壁230a及び傾斜壁230bは、互いに、なおかつベース104の各々の端部214に向かって延在する。角度A(図5を参照)は、軸A1及びA2に関して、傾斜壁230a及び傾斜壁230bとの間に形成されており、約10度から約90度であり、さらに好ましくは約20度から約75度、最も好ましくは約35度である。
【0025】
図12で最適に見られるように、傾斜壁230a、230bの間には間隙236が形成され、間隙236は、その間に設けられるばね238を含む。ばね238は、円筒状部材240によって支持され(図5を参照)、ベース104の底面202から上方に延在する。底面202からは、複数の細長のフランジ242が上方に突出して、円筒状部材240の周囲に配置されている。フランジ242は、ベース104の底面202が構造的一体性を提供するように適合されている。
【0026】
図7及び図8に示すように、ばね238は、カバー部材250によって納められるように適合されている。各カバー部材250には、細長の本体252が含まれ、本体252は、向かい合った2つの側壁258によって接続されたわずかに曲線状の前面254及び背面256によって定義される。側壁258は、その向かい側から延在する弾性タブ260によって離断されている。各タブ260には、その底端264に隣接し外側に向かって延在する階段状の突出部262が含まれる。階段状の突出部262は、傾斜壁230a、230b内に配置されている細長のスロット234a、234bの構成部分(図6及び図13を参照)と相互動作するように設計されている。カバー部材250には、それぞれ頂面266が含まれ、頂面266は、上端に隣接して配置される細長のオリフィス268によって先端を切り取られている。前面254は、オリフィス268に隣接した開口部270を含む。
【0027】
図8を具体的に参照すると、カバー部材250の本体252は中空であり、各々がその内面276から延在する十字状の円筒状突出部274を含む。突出部274は、ばね238の先端部と相互に動作し支持するように設計されている。カバー部材250から延在する円筒状突出部274は、ベース104の底面202上に配置された円筒状部材240と組み合わさるため、ばね238を上向きに固定できる。
【0028】
カバー部材250は、傾斜壁230a、230bのスロット234a、234b内でスライドして保持できるように設計されている。そのため、ばね238は上向きに固定される。カバー部材250は、下向きの力がその上にかかって相互に動作すると、下方の方向にスライドするように設計されている。カバー部材250がスライドすると、ばね238が圧縮し、カバー部材250の中で保持される。カバー部材250から下向きの力が取り除かれると、ばね238は圧縮されなくなり、カバー部材250を上方にスライドするよう力を加える。そのため、弾性タブ260の階段状の突出部262は、傾斜壁230a、230b内に配置された細長のスロット234a、234bの構成部分と相互に動作し、階段状の突出部262がスロット234a、234bの上端の上をつかむようになる。
【0029】
図9図12を見ると、機械的アセンブリ110は、揮発性物質106を保持する容器108を支持するように適合されている。容器108には、実質的に矩形のベース300が含まれ、ベース300は、そこから上方に延在する側壁302を有する。側壁302は外接し、そこから外側に向かって延在する張り出したフランジ304で終了する。フランジ304を横切って芯材表面306が延在し、容器108内に揮発性物質106を納める。芯材表面306を覆うために、非浸透性の基板(図示せず)が任意に加えられ、揮発性物質106が使用前に拡散することを防ことができる。使用前に、基板を芯材表面306から除去することが好ましい。
【0030】
芯材表面306は、各種ポリマー、例えば、ポリエチレン製のフィルムからなることが好ましい。一実施形態では、フィルムは、高分子量ポリエチレンからなる。フィルムはさらに、例えば、炭素、沈降シリカなどの様々な混合物を任意に含む。芯材表面306に使用するのに適したその他のフィルムとして、例えば、PPGインダストリーズ社製のTeslin SP400又はSP401膜、及びダラミック社製のDURALIFE(登録商標)及びFlatsheet Membraneが含まれる。使用に適したフィルムは、必要に応じて、フィルムの片面及び/又は両面に、平坦、隆起状、及び/又はテクスチャ加工してもよい。容器108と共に使用するのに適したフィルムは、約100マイクロメートルから約1000マイクロメートル、あるいは約300マイクロメートルから約700マイクロメートル、あるいは約600マイクロメートルの厚さの寸法からなることが好ましい(隆起又はテクスチャによる厚みを含まない)。一実施形態では、フィルムの厚みが、約20マイクロメートル以上である。ある特定の実施形態では、フィルムの厚みが約20マイクロメートルである。別の実施形態では、フィルムの厚みが約50マイクロメートルである。さらに別の実施形態では、フィルムの厚みが約100マイクロメートル。さらに別の実施形態では、フィルムの厚みが約200マイクロメートルである。
【0031】
本明細書で開示されている揮発性物質分配システム100に有用な各種フィルムはさらに、残油含有量を含み、フィルムの間隙率及び/又はフィルムを通る揮発性物質の拡散に影響する。残油は、約20%未満の含有量が好ましく、別の実施形態では約16%未満、別の実施形態では約10%未満、別の実施形態では約5%未満、そしてさらに別の実施形態では約1%未満である。一実施形態では、残油含有量が、約1%から約20%の間である。
【0032】
本明細書で開示されている揮発性物質分配システム100に有用な各種フィルムはさらに、所望の拡散率によって選択される間隙率パラメータを含む。フィルムの間隙率は、約10%から90%の間が好ましく、約30%から80%の間であればさらに好ましく、最も好ましくは約40%から70%の間である。
【0033】
芯材表面306は、横切って延びて容器108を封止する。芯材表面306は、約100平方センチメートルから約1000平方センチメートルにわたって拡散する表面積を設けることが好ましい。約300平方センチメートルから約700平方センチメートルであればさらに好ましく、最も好ましくは約500平方センチメートルである。
【0034】
図11を参照すると、延長部材が、実質的に矩形をした突出部308の形をして、容器108の側壁302の向かい合った端部から外側に向かって延在する。突出部308は、そこを通って延在する細長のスロット310によって離断されている。各スロット310は、2つの向かい合った端壁312で終了し、わずかに先が細くなっている。
【0035】
図9図11に戻ると、各々の突出部308の末端316から外側に向かって、円筒状突起部314が延在する。突起部314は、カバー部材250の前面254の開口部270を通って延在し、それによって支持されるように適合されている。本実施形態では、突起部が、カバー部材250の頂面266にあるオリフィス268の下に、それらを十分置けるような距離分だけ、開口部270の中に向かって延在する(図9を参照)。一実施形態では、下向きの力がハウジング102及び/又はボタン116にかかると、係合部材138の構成部分が、オリフィス268と相互に動作する。
【0036】
使用前には、ハウジング102をベースの上に下げることによって、ハウジング102がベース104に取り付けられることが好ましい。それにより、カバー部材250の構成部分上に係合部材138が安置される。そして、支持部材150は、傾斜壁230a、230bのスロット234a、234bに隣接した範囲にスライドして受容される。ハウジング102の弾性スナップ132がアンダーカット136の上に乗り、その間に入ってぴったり固定されると、ベース104の突起部208が内方向に撓み、取り外し可能に取り付けられる。
【0037】
第1操作状態である間(図13を参照)、容器108は、実質的に平行の位置に設けられている。そのため、揮発性物質106は、実質的に芯材表面306と接触しない。この状態では、揮発性物質106は、実質的に増加または拡散速度を低下させる要素のない典型的な室内条件における受動率、すなわち拡散率で拡散する。
【0038】
第2操作(ブースト)状態(図14を参照)の間に、揮発性物質分配装置100のユーザが、下向きの力をハウジング102及び/又はボタン116にかけると、一連の機械的な相互動作を引き起こし、最終的には、容器108が、第1操作状態の平行の位置とは異なる位置に回転することになる。特に、一実施形態では、下向きの力がボタン116にかかると、係合部材138が下方に動いてカバー部材250に接触する。すると、カバー部材250が下方にスライドし、ばね238を圧縮する。同時に、弾性タブ260の階段状の突出部262が、傾斜壁230a、230b内に配置される細長のスロット234a、234bの構成部分とスライドして相互に作用する。カバー部材250が下方に動くと、容器108から延在する突起部314は、スロット216を通って下方に力を加えられる。スロット216の角度により、容器108は、突起部314に形成された軸Bをまわって回転させる(図12を参照)。回転する過程の開始から終了まで、容器108は、約20度から約180度の間で回転するよう設計されている。さらに好ましくは、約45度から約130度の間、最も好ましくは、約90度から約110度である。
【0039】
さらに、図12を参照すると、ハウジング102から力が取り除かれると、係合部材138(図2を参照)が上方に動き、カバー部材250に接触しなくなる。カバー部材250は上方にスライドし、ばね238は延在した位置に広がる。弾性タブ260の階段状の突出部262は、傾斜壁230a、230b内に配置される細長のスロット234a、234bの先端構成部分とスライドして相互に作用する。容器108から延在する突起部314は、スロット216を通って上方に動く。スロット216の角度により、容器108は、突起部314によって形成される軸Bの周りを回転して戻り、図13に示す第1操作状態になる。必要に応じて、容器108を1つ又は複数の操作状態に保持するために、ロック又はその他の機構(図示せず)が含まれてもよい。
【0040】
揮発性物質分配システム100の設計において、1つ又は複数の中間動作状態が、任意で及び/又は付加的に設けられてもよい(図15を参照)。例えば、一実施形態では、容器108が約180度回転し、芳香剤をブーストしてもよい。それにより、揮発性物質106は、実質的に芯材表面306の全面をカバーし、そこから実質的に割合を増加して拡散される。比較すると、容器108が約120度回転する場合、揮発性物質106が覆う芯材表面306の構成部分が小さくなるため、ブーストが最大となるときよりもブーストが少なくなる。別の実施形態では、揮発性物質106が毛細管現象を起こして実質的に芯材表面306の全面に行き渡るため、揮発性物質106が任意の量で芯材表面306に接触するとすぐに芯材表面306を通る揮発性物質106の拡散率が増加する。以下に説明するように、少なくとも芯材表面の類型及び各種特性、揮発性物質106の類型及び各種特性、容器108の回転の度合、及び当業者に知られているその他の要因を含め、多数の要因が、容器108の回転に関連し、揮発性物質106の拡散率に影響する。
【0041】
図16図18を見ると、揮発性物質分配システム400における代替の実施形態が示されている。揮発性物質分配システム400は、ボウル形のベース402を含み、ベース402は、そこを通って延在する複数のオリフィス404を有する。ベース402は、類似の形をしたボウル形の詰替品支持プレート408及び容器410を含む詰替アセンブリ406を保持するように適合されている。容器410は、支持プレート408の中に支持されており、内面412に隣接して配置されている。円形のカラー414が設けられ、その向かい側の中に配置される2つのノッチ418を有し、わずかに角度のついた円形の側壁416を含む。側壁416は、その中にオリフィス420を定義する。カラー414は、容器410及び支持プレート408をベース402の中に閉じ込めるように適合されている。図16図18に示される実施形態では、カラー414は、蓋を回して開閉する方法でベース402を取り付けられている。しかし、カラー414は、当技術分野で知られているその他の方法によって、ベース402に取り付けられてもよいことが想定される。
【0042】
カラー414のオリフィス420と類似の大きさを有する円形の蓋422が設計され、オリフィス420に保持されている。蓋422は、その面426を通って延在する複数の開口部424を含む。蓋422は、さらにその向かい側から延在する円筒状突出部428を含む。突出部428は、カラー414のノッチ418の中に保持されるように適合されている。蓋422は、さらにその内面にアンダーカット(図示せず)を含み、支持プレート408の外側エッジ430と相互に動作して支持プレート408を保持する。支持プレート408及び蓋422が組み合わさって、容器410がその間に取り込まれる回転式ユニットが形成される。
【0043】
使用の際、ユーザは、下向きの力を蓋422の構成部分にかける。その下向きの力により、回転式ユニット(すなわち、蓋422、容器410、及び支持プレート408)が、ノッチ418の周りを回転する。この方法によって、ユーザは所望の拡散率を制御できる。図17は、揮発性物質分配システム400が受動状態にあることを示している。図18は、揮発性物質分配システム400がブースト状態にあることを示している。ユーザが回転式ユニットを回転させる度合いによって、複数の中間ブースト状態が達成できることは明らかである。
【0044】
揮発性物質分配システム400の形は、図16図18に示されるように、円形、あるいは、その他の形からなってもよい。例えば、図19及び図20では、揮発性物質分配システム500が示されており、図16図18に示されている揮発性物質分配システム400と操作上類似しているが、代わりに実質的に矩形の形状を備えている。
【0045】
図21図24を見ると、別の実施形態で揮発性物質分配システム600が設けられており、ユーザが揮発性物質の拡散率を手動でも制御できる。揮発性物質分配システム600は、実質的に矩形のベース602を含む。ベース602は、その外側面606の中に配置された複数の溝604を有する。溝604は、外側面606の全長に沿って、経線状に延在する。ベース602には、その端部610で、キャリア608がヒンジによって取り付けられている。キャリア608はさらに、中に設置される凹部612、及び凹部612を通る小さめのオリフィス614を含む。凹部612及びオリフィス614は、揮発性物質を保持する容器616を受けるように適合されている(図示せず)。容器616をわたる形でキャリア608を取り付けるように、蓋618が設けられている。その他の実施形態と類似して、揮発性物質分配システム600の拡散率は、蓋618を回転させることによって、受動状態(図22を参照)から様々な中間的状態(図23及び図24)へと調整される。
【0046】
図25Aから図25Cに示されるように、本明細書に開示されている揮発性物質分配システムにより、ユーザが容器108を回転させて揮発性物質106の拡散率を制御し、芯材表面306に接触する揮発性物質の量106を調整できる。図25Aに示されるように、容器108は、ベース104の底面202に関連して、平行に向きが定められており(図13参照)、揮発性物質106が容器108の底面700に接触して芯材表面306には接触しない。図25Aに示す動作状態では、揮発性物質106が受動的な方法によって芯材表面を通って拡散される。
【0047】
図25Bに示されるように、容器108は、ベース104の底面202に関連して約90度角に向きが定められている(図15参照)。揮発性物質106は、容器108の底面700の一部分、容器108の側部202、そして芯材表面306の一部分に接触する。図示される実施形態では、芯材表面306の表面積のうち約50%が、揮発性物質106によって接触している。中間的動作状態で、揮発性物質106が、芯材表面306の表面積のうち約50%に接触するものとして示されているが、揮発性物質106が拡散されるに応じて、芯材表面306に接触する揮発性物質の量106が減少することが推察される。図25Bで示される動作状態では、揮発性物質106が、中間ブースト状態にある芯材表面306を通って拡散され、前記中間ブースト状態によって、揮発性物質106の一部分が直接に芯材表面306と接触する。一実施形態では、図15に示されるように、たとえ容器108が約90度角に向きを定められていても、ウィッキング特性によって実質的に芯材表面306の全面が揮発性物質106と接触する。本実施形態では、中間ブースト状態において、図25Aに示される受動状態のときよりも揮発性物質が速い速度で拡散されるが、図25Cに示されるブースト状態よりも拡散率が低くなる。別の実施形態では、図25B及び図25Cに示されるブースト状態において、拡散率が実質的に同一であってもよい。その他の動作状態と類似して、容器108が中間的な位置に配置される場合、多数の要因が、揮発性物質106の拡散率に影響を及ぼすこともある。例えば、容器108が中間的位置に保持される時間、芯材表面もしくは揮発性物質の類型及び各種特性、回転の度合、及び揮発性物質分配システム100におけるその他の特性が、拡散率に影響を及ぼすこともある。
【0048】
図25Cに示されるように、容器108は、ベース104の底面202に関連して、約180度角に向きを定められており(図14を参照)、揮発性物質106は、容器108の底面700に接触していない。むしろ、揮発性物質106は、容器108の側部702及び芯材表面306に接触する。芯材表面306の表面積のうち約100%が、揮発性物質106に接触する。図25Cに示す動作状態では、完全ブースト状態の芯材表面306を通って揮発性物質106が拡散され、前記完全ブースト状態によって芯材表面306の全体が揮発性物質106と接触する。一実施形態では、図25Cに示す揮発性物質106の拡散率が、その他の動作状態と比べて、ブースト状態の間で最大となる。別の実施形態では、図25Cに示す揮発性物質106の拡散率が、図25Bに示す揮発性物質106の拡散率と実質的に類似している。
【0049】
3つの操作状態を別々に上記のように説明したが、受動状態とブースト状態との間に、多数の動作状態が存在することが明らかである。使用の際に、ユーザは、一般的に本明細書に開示されている揮発性物質分配システムを受動状態におく。ユーザが芳香剤のブーストを所望する場合、ユーザは、単に本明細書で説明されている各種器具を使用して容器108を回転させ、複数のブースト状態の1つに切り替える。一実施形態では、ユーザがハウジング102から力を取り除くと、容器108が即座に受動状態の位置に戻るが、容器108は、芯材表面306の湿った特性のためにブーストを提供し続ける。別の実施形態では、ユーザが、容器108をその他の動作状態にロックすることができる。例えば、ユーザが、容器108を、図25Aに示す向きに時間t1の間に位置決めしてもよい(図26を参照)。芳香剤拡散率の増加が所望される場合には、ユーザが容器108をさらに回転させ、時間t2の間、図25Cに示すブースト状態にしてもよい。最後に、ユーザが、容器108を、図25Aで示されるように、時間t3の間、受動状態に戻してもよい。部分的あるいは全体的にブーストしたあと、湿らせた芯材表面306は、時間t4の間一時的にブーストを機能させ、芯材表面306が実質的に乾き、揮発性物質106が時間t5となって受動的に拡散率に戻るまで続けられる。曲線Cの傾きは、芯材表面に使われる物質の類型、使用される揮発性物質の類型、部屋の温度、装置の上方及び周辺の空気の流れ、そして、揮発性物質によって接触される芯材表面の表面積にしたがって変化する。
【0050】
具体的な形、例えば、円形、矩形、楕円形といったもので様々な構成要素が説明されているが、それらとともに結びつく様々な揮発性物質分配システム及び構成要素が、当技術分野で知られている任意の形状を備えることが想定できるであろう。
【0051】
代替の実施形態では、本明細書で開示されている容器が、米国特許第7,213,770号及び米国特許第7,665,238号で説明されるものと類似又は同一であってもよい。さらに、本明細書の各実施形態で開示される揮発性物質は、キャリアとなる液体の中に配置される芳香剤又は殺虫剤、防臭効果のある液体などであってもよい。例えば、そのような揮発性物質には、家庭用、徳用、及び業務用の空気及びカーペット用殺菌剤のアウスト(登録商標)、又は家庭用防臭剤のグレード(登録商標)、双方とも、ウィスコンシン州ラシーンに本社を置くSCジョンソン社で販売されている製品が含まれてもよい。そのような揮発性物質には、その他の活性剤、例えば殺菌剤、エアフレッシュナー、脱臭剤、カビ防止剤、昆虫忌避剤といったもの、又はアロマセラピー効果のある特性を有するものも含まれてもよい。そのような揮発性物質には、代案として、当技術分野で知られている様々な揮発性物質が含まれてもよい。
【0052】
本明細書で説明されている実施形態は、いずれも別の実施形態に関連して開示された構成又は方法のいずれかを含むように修飾されてもよい。そのうえ、本開示は、具体的に示したハウジングの形/大きさにおける類型に限定されない。さらに、本明細書に開示された実施形態のいずれかのハウジングは、本明細書の開示を使用して、任意のタイプの揮発性物質詰替ユニットで動作するように修正されてもよい。
【0053】
発明の詳細な説明で引用した文献は、いずれも、関連部分において本明細書に参考として組み込まれているが、いずれの文献の引用も、それが当該発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の多数の変更は、前述の説明の観点から当業者には明らかであろう。したがって、この説明は単なる例示として解釈されるべきであり、当業者が本発明を実施し利用できるようにし、本発明を実行するにあたり、最良の形態を教示する目的のために示したものである。添付する特許請求の範囲内に記載のあらゆる修正案に対して排他的権利が確保される。上記の実施形態によれば、以下の構成もまた開示される。
(項目1)
側壁に少なくとも1つの開口部を有するハウジングと、
上記ハウジングから延在する、少なくとも1つの係合部材と、
上記ハウジングと相互動作するように適合されているベースにおいて、機械的アセンブリを含む上記ベースと、
揮発性物質を入れる容器において、少なくとも1つの上記係合部材が上記機械的アセンブリに接触するとき、上記容器が第1位置から第2位置へと回転する上記容器と、
を備える揮発性物質分配システム。
(項目2)
少なくとも1つの上記係合部材が一体型となっており、上記ハウジングの内面部分から延在する、項目1に記載の揮発性物質分配システム。
(項目3)
外部からの力が上記ハウジングに加えられるときに、上記ハウジングが下方垂直方向にスライドして動かせる、項目1または項目2に記載の揮発性物質分配システム。
(項目4)
外部からの力が上記ハウジングから除かれるときに、上記ハウジングが上方垂直方向に動く、項目3に記載の揮発性物質分配システム。
(項目5)
上記ハウジングに設けられる弾性スナップと上記ベースの上に設けられる可撓性のある突起部との間の相互作用によって、上記ハウジングが上下に垂直移動できる範囲に制限を含む、項目1から項目4のいずれか1つに記載の揮発性物質分配システム。
(項目6)
上記機械的アセンブリが、支持壁、ばね、カバー部材の少なくとも1つを含む、項目1から項目5のいずれか1つに記載の揮発性物質分配システム。
(項目7)
上記機械的アセンブリが、中に設けられたスロットを有する支持壁を含み、上記容器が回転する動きを容易にする、項目1から項目6のいずれか1つに記載の揮発性物質分配システム。
(項目8)
上記容器が、上記容器の開口部端にわたる形で延在するフィルムを含む、項目1から項目7のいずれか1つに記載の揮発性物質分配システム。
(項目9)
上記フィルムが、上記揮発性物質の拡散をするための芯材表面を含む、項目8に記載の揮発性物質分配システム。
(項目10)
揮発性物質分配システム用の容器であって、
上記容器から延在する側壁を有するベースと、
上記側壁に広がる形で延在し、上記ベース内の揮発性物質及び上記側壁を囲む芯材表面を有するフィルムと、
上記容器が、上記容器にかかる外部からの力に応じて、第1位置から第2位置へと延長部材の周りを機械的に回転するように設計された、上記ベース及び上記側壁の少なくとも1つの向かい側に配置される一対の延長部材と、
を備える揮発性物質分配システム用の容器。
(項目11)
上記延長部材が、上記ベースの各端部に設けられた、項目10に記載の揮発性物質分配システム用の容器。
(項目12)
上記延長部材が、円筒状ポストである、項目10または項目11に記載の揮発性物質分配システム用の容器。
(項目13)
上記ベース、上記側壁、及び上記フィルムが、揮発性物質分配システムのハウジングから取り外し可能な詰め替えカートリッジを形成する、項目10から項目12のいずれか1つに記載の揮発性物質分配システム用の容器。
(項目14)
上記フィルムが、上記揮発性物質を保持するブリスタの周縁部に封止され、さらに上記ブリスタが上記ベース及び上記側壁の中に保持される、項目10から項目13のいずれか1つに記載の揮発性物質分配システム用の容器。
(項目15)
上記ブリスタが、上記ベース及び上記側壁から取り外し可能である、項目14に記載の揮発性物質分配システム用の容器。
(項目16)
揮発性物質分配システム用の容器であって、
上記容器から延在する側壁を有するベースと、
上記側壁をわたる形で延在し、上記ベース及び上記側壁の中に揮発性物質を納める芯材表面と、
上記容器から延在する少なくとも1つの延長部材と、
からなり、上記容器が、第1操作状態と第2操作状態との間にある上記延長部材によって形成される軸の周りを回転する、揮発性物質分配システム用の容器。
(項目17)
上記芯材表面が、フィルムの形で設けられるポリマーからなる、項目16に記載の揮発性物質分配システム用の容器。
(項目18)
上記フィルムが、約40%から75%の間で間隙率を有する、項目17に記載の揮発性物質分配システム用の容器。
(項目19)
上記フィルムが、約1%から16%の間の残油含有量を有する、項目17または項目18に記載の揮発性物質分配システム用の容器。
(項目20)
上記芯材表面が、上記芯材表面のうち少なくとも1つの側部にテクスチャ加工をした面を含む、項目16から項目19のいずれか1つに記載の揮発性物質分配システム用の容器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25A
図25B
図25C
図26