【実施例】
【0070】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。特記しない限り、すべての部および百分率は重量%である。
【0071】
生成物の確認は下記の機器による測定により行った。
(1)融点:ゲレンキャンプ社製の融点測定装置、型式MFB−595(JIS K0064に準拠)
(2)赤外線(IR)分光光度計:日本分光社製、型式IR−810
(3)核磁気共鳴装置(NMR):日本電子社製、型式GSX FT NMR Spect orometer
【0072】
(合成例1)9−(アセチルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの50ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9−アントロン3.88g(20.0ミリモル)、無水酢酸4.1g(40.0ミリモル)、アセトン20mlを仕込み、該スラリーにピリジン2.3g(29.1ミリモル)のアセトン5ml溶液を加え50℃で1時間加熱した。次いで反応液を冷却し、析出した結晶を吸引ろ過・乾燥し4.1gの薄黄色の粉末を得た。アセトン45gを用いて得られた薄黄色の粉末から目的物を抽出し、抽出物を減圧・濃縮した。析出した結晶を吸引ろ過・乾燥し、9−(アセトキシ)アントラセンの白い結晶3.67g(15.8ミリモル)を得た。9−アントロンに対する収率は79モル%であった。
【0073】
(1)融点 :131−132℃
(2)IR(KBr,cm
−1):3060,2930,1770,1624,1358,1190,1160,1072,1014,890,840,786,740,720.
(3)
1H−NMR(400MHz、CDCl
3):δ=2.64(s,3H),7.45−7.54(m,4H),7.91−7.97(m,2H),7.99−8.04(m,2H),8.37(s,1H).
【0074】
(合成例2)9−(n−プロピオニルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9−アントロン1.94g(10.0ミリモル)、塩化プロピオニル1.12g(12.0ミリモル)、をアセトン20ml中に仕込んだ。さらに室温下、トリエチルアミン1.0g(10.0ミリモル)のアセトン2ml溶液を加え、2時間攪拌後、得られたスラリーにメタノールを10ml加え、水10mlを加えて、析出した結晶を吸引ろ過・乾燥し、9−(n−プロピオニルオキシ)アントラセンの薄黄色の微結晶1.94g(7.76ミリモル)を得た。9−アントロンに対する収率は78モル%であった。
【0075】
(1)融点 :178−179℃
(2)IR(KBr,cm
−1):3060,2990,2950,1757,1625,1342,1128,1088,1050,892,843,782,740,713,548.
(3)
1H−NMR(400MHz、CDCl
3):δ=1.48(t,J=8Hz,3H),2.96(q,J=8Hz,2H),7.43−7.52(m,4H),7.88−7.95(m,2H),7.98−8.05(m,2H),8.38(s,1H).
【0076】
(合成例3)9−(n−ブチリルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9−アントロン1.94g(10.0ミリモル)、塩化n−ブチリル1.28g(12.0ミリモル)、をアセトン20ml中に仕込んだ。さらに室温下、トリエチルアミン1.1g(11.0ミリモル)のアセトン4ml溶液を加え2時間攪拌後、得られたスラリーにメタノールを10ml加え溶液とした。ついで水10mlを加えて、析出した結晶を吸引ろ過・乾燥し、9−(n−ブチリルオキシ)アントラセンの薄黄色の微結晶1.95g(7.4ミリモル)を得た。9−アントロンに対する収率は74モル%であった。
【0077】
(1)融点:120−121℃
(2)IR(KBr,cm
−1):3060,2950,2940,1760,1624,1410,1340,1268,1138,1096,888,843,762,740,546.
(3)
1H−NMR(400MHz、CDCl
3):δ=1.19(t,J=8Hz,3H),1.96−2.05(m,2H),2.91(t,J=8H,2H),7.44−7.51(m,4H),7.88−7.95(m,2H),7.97−8.04(m,2H),8.36(s,1H).
【0078】
(合成例4)9−(n−バレリルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9−アントロン1.94g(10.0ミリモル)、塩化n−バレリル1.44g(12.0ミリモル)、をアセトン20ml中に仕込んだ。白色の該スラリーにさらに室温下、トリエチルアミン1.1g(11.0ミリモル)のアセトン4ml溶液を加え2時間攪拌後、得られたスラリーにメタノールを10ml加え、溶液とした。ついで水10mlを加えて、析出した結晶を吸引ろ過・乾燥し、9−(n−バレリルオキシ)アントラセンの薄黄色の微結晶2.05g(7.4ミリモル)を得た。9−アントロンに対する収率は74モル%であった。
【0079】
(1)融点:89−90℃
(2)IR(KBr,cm
−1):3060,2970,2930,1750,1622,1470,1446,1410,1350,1292,1227,1182,1156,1083,892,842,792,718,550.
(3)
1H−NMR(400MHz、CDCl
3):δ=1.06(t,J=8Hz,3H),1.55−1.66(m,2H),1.92−2.01(m,2H),2.92(t,J=8Hz,2H),7.42−7.53(m,4H),7.86−7.95(m,2H),7.96−8.03(m,2H),8.36(s,1H).
【0080】
(合成例5)9−(i−バレリルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9−アントロン1.94g(10.0ミリモル)、塩化i−バレリル1.44g(12.0ミリモル)、をアセトン20ml中に仕込んだ。さらに室温下、トリエチルアミン1.1g(11.0ミリモル)のアセトン4ml溶液を加え2時間攪拌後、得られたスラリーにメタノールを10ml加え、溶液とした。ついで水10mlを加えて、析出した結晶を吸引ろ過・乾燥し、9−(i−バレリルオキシ)アントラセンの薄黄色の微結晶2.14g(7.7ミリモル)を得た。9−アントロンに対する収率は77モル%であった。
【0081】
(1) 融点:83−84℃
(2) IR(KBr,cm
−1):3060,2975,2880,1762,1624,1412,1351,1292,1244,1188,1150,1108,1083,888,794,734.
(3)
1H―NMR(400MHz、CDCl
3):δ=1.20(d,J=8Hz,6H),2.40−2.51(m,1H),2.81(d,J=8Hz,2H),7.43−7.52(m,4H),7.89−7.95(m,2H),7.97−8.04(m,2H),8.37(s,1H).
【0082】
(合成例6)9−(n−ヘキサノイルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9−アントロン1.94g(10.0ミリモル)、塩化n−ヘキサノイル1.61g(12.0ミリモル)、をアセトン20ml中に仕込んだ。さらに室温下、トリエチルアミン1.1g(11.0ミリモル)のアセトン4ml溶液を加え2時間攪拌後、得られたスラリーにメタノールを10ml加え、溶液とした。ついで氷水でひやしつつ水10mlを加えて、析出した結晶を吸引ろ過・乾燥し、9−(n−ヘキサノイルオキシ)アントラセンの薄黄色の微結晶1.58g(5.4ミリモル)を得た。9−アントロンに対する収率は54モル%であった。
【0083】
(1) 融点:80−81℃
(2) IR(KBr,cm
−1):3070,2960,2930,2870,1762,1623,1410,1350,1133,1116,1085,890,842,738,547.
(3)
1H―NMR(400MHz、CDCl
3):δ=0.99(t,J=8Hz,3H),1.43−1.60(m,4H),1.93−2.02(m,2H),2.92(d,J=8H,2H),7.44−7.52(m,4H),7.88−7.95(m,2H),7.97−8.04(m,2H),8.36(s,1H).
【0084】
(合成例7)9−(n−ヘプタノイルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9−アントロン1.94g(10.0ミリモル)、塩化n−ヘプタノイル1.78g(12.0ミリモル)、をアセトン20ml中に仕込んだ。さらに室温下、トリエチルアミン1.1g(11.0ミリモル)のアセトン4ml溶液を加え2時間攪拌後、得られたスラリーにメタノールを10ml加え、溶液とした。ついで氷水でひやしつつ水10mlを加えて、析出した結晶を吸引ろ過・乾燥し、9−(n−ヘプタノイルオキシ)アントラセンの薄黄色の微結晶1.46g(4.8ミリモル)を得た。9−アントロンに対する収率は48モル%であった。
【0085】
(1) 融点:62−63℃
(2) IR(KBr、cm
−1):3065,2970,2940,2870,1762,1350,1208、1160、1137,1082,893,732.
(3)
1H−NMR(400MHz、CDCl
3):δ=0.96(t,J=8Hz,3H),1.36−1.47(m,4H),1.47−1.60(m,2H),1.92−2.01(m,2H),2.92(t,J=8Hz,2H),7.43−7.52(m,4H),7.88−7.94(m,2H),7.97−8.04(m,2H),8.36(s,1H).
【0086】
(合成例8)9−(n−オクタノイルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9−アントロン1.94g(10.0ミリモル)、塩化n−オクタノイル1.96g(12.0ミリモル)、をアセトン20ml中に仕込んだ。さらに室温下、トリエチルアミン1.1g(11.0ミリモル)のアセトン4ml溶液を加え2時間攪拌後、得られたスラリーにメタノールを10ml加え、溶液とした。ついで氷水でひやしつつ水10mlを加えて、析出した結晶を吸引ろ過・乾燥し、9−(n−オクタノイルオキシ)アントラセンの薄黄色の微結晶1.13g(3.5ミリモル)を得た。9−アントロンに対する収率は35モル%であった。
【0087】
(1) 融点:59−60℃
(2)IR(KBr,cm
−1):3070,2950,2870,1760,1474,1348,1147,1113,734.
(3)
1H―NMR(400MHz、CDCl
3):δ=0.92(t,J=8Hz,3H),1.30−1.40(m,4H),1.40−1.49m,2H),1.50−1.60(m,2H),1.94−2.01(m,2H),2.91(t,J=8Hz,2H),7.42−7.52(m,4H),7.88−7.95(m,2H),7.97−8.04(m,2H),8.36(s,1H).
【0088】
(合成例9)9−(2−エチルヘキサノイルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9−アントロン1.94g(10.0ミリモル)、塩化2−エチルヘキサノイル1.96g(12.0ミリモル)、をアセトン20ml中に仕込んだ。さらに室温下、トリエチルアミン1.1g(11.0ミリモル)のアセトン4ml溶液を加え2時間攪拌後、得られたスラリーにメタノールを10ml加え、溶液とした。ついで氷水でひやしつつ水10mlを加えて、析出した結晶を吸引ろ過・乾燥し、9−(2−エチルヘキサノイルオキシ)アントラセンの無色の微結晶2.96g(9.3ミリモル)を得た。9−アントロンに対する収率は93モル%であった。
【0089】
(1) 融点 :101−102℃
(2)IR(KBr,cm
−1):3060,2960,2930,2870,1760,1462,1445,1410,1345,1100,1090,890,772,733.
(2)
1H―NMR(400MHz、CDCl
3):δ=1.01(d,J=8Hz,3H),1.21(d,J=8Hz,3H),1.44−1.55(m,2H),1.55−1.65(m,2H),1.80−1.95(m,2H),2.00−2.13(m,2H),2.88−2.97(m,1H),7.43−7.51(m,4H),7.90−7.98(m,2H),7.98−8.04(m,2H),8.36(s,1H).
【0090】
(合成例10)9−(n−ノナノイルオキシ)アントラセンの合成
温度計、攪拌機付きの100ml三口フラスコ中、窒素雰囲気下、9−アントロン1.94g(10.0ミリモル)、塩化n−ノナノイル2.12g(12.0ミリモル)、をアセトン20ml中に仕込んだ。さらに室温下、トリエチルアミン1.1g(11.0ミリモル)のアセトン4ml溶液を加え2時間攪拌後、得られたスラリーにメタノールを10ml加え、溶液とした。ついで氷水でひやしつつ水10mlを加えて、析出した結晶を吸引ろ過・乾燥し、9−(n−ノナノイルオキシ)アントラセンの無色の微結晶1.50g(4.5ミリモル)を得た。9−アントロンに対する収率は45モル%であった。
【0091】
(1) 融点:61−62℃
(2)IR(KBr,cm
−1):3070,2930,2860,1760,1625,1472,1412,1348,1283,1150,1110,880,782,732,620,547.
(3)
1H―NMR(400MHz、CDCl
3):δ=0.91(t,J=8Hz,3H),1.27−1.47(m,6H),1.51−1.59(m,2H),1.93−2.01(m,2H),2.92(t,J=8Hz,2H),7.44−7.51(m,4H),7.88−7.94(m,2H),7.97−8.03(m,2H),8.36(s,1H).
【0092】
(実施例1)9−(アセチルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とする光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
ラジカル重合性化合物であるトリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、ラジカル重合開始剤としての2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン0.7重量部に対し、ラジカル重合増感剤として、合成例1と同様の方法で得た9−(アセチルオキシ)アントラセンを0.3重量部添加し、ラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製したラジカル重合性組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度1.0W/cm
2)を用いて光照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは4.0秒であった。
【0093】
(実施例2)9−(プロピオニルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9−(アセチルオキシ)アントラセンを合成例2と同様の方法で得た9−(プロピオニルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは3.5秒であった。
【0094】
(実施例3)9−(n−ブチリルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9−(アセチルオキシ)アントラセンを合成例3と同様の方法で得た9−(n−ブチリルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは3.5秒であった。
【0095】
(実施例4)9−(n−バレリルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9−(アセチルオキシ)アントラセンを合成例4と同様の方法で得た9−(n−バレリルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは3.5秒であった。
【0096】
(実施例5)9−(i−バレリルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9−(アセチルオキシ)アントラセンを合成例5と同様の方法で得た9−(i−バレリルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは3.0秒であった。
【0097】
(実施例6)9−(n−ヘキサノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9−(アセチルオキシ)アントラセンを合成例6と同様の方法で得た9−(n−ヘキサノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは3.5秒であった。
【0098】
(実施例7)9−(n−ヘプタノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9−(アセチルオキシ)アントラセンを合成例7と同様の方法で得た9−(n−ヘプタノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは4.5秒であった。
【0099】
(実施例8)9−(n−オクタノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9−(アセチルオキシ)アントラセンを合成例8と同様の方法で得た9−(n−オクタノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは3.0秒であった。
【0100】
(実施例9)9−(2−エチルヘキサノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9−(アセチルオキシ)アントラセンを合成例9と同様の方法で得た9−(2−エチルヘキサノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは3.5秒であった。
【0101】
(実施例10)9−(n−ノナノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とするラジカル重合性組成物の光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を使用した例)
9−(アセチルオキシ)アントラセンを合成例10と同様の方法で得た9−(n−ノナノイルオキシ)アントラセンに代えたこと以外は、実施例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは3.5秒であった。
【0102】
(実施例11)9−(アセチルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とする光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
ラジカル重合性化合物であるトリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、ラジカル重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.0重量部に対し、ラジカル重合増感剤として、合成例1と同様にして得た9−(アセチルオキシ)アントラセンを0.3重量部添加し、ラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製した組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度1.0W/cm
2)を用いて光照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは2.0秒であった。
【0103】
(実施例12)9−(n−バレリルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とする光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
ラジカル重合性化合物であるトリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、ラジカル重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.0重量部に対し、ラジカル重合増感剤として、合成例4と同様にして得た9−(n−バレリルオキシ)アントラセンを0.3重量部添加し、ラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製した組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度1.0W/cm
2)を用いて光照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは2.0秒であった。
【0104】
(実施例13)9−(2−エチルヘキサノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とする光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を使用した例)
ラジカル重合性化合物であるトリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、ラジカル重合開始剤としての1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン1.0重量部に対し、ラジカル重合増感剤として、合成例9と同様にして得た9−(2−エチルヘキサノイルオキシ)アントラセンを1.0重量部添加し、ラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製した組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度1.0W/cm
2)を用いて光照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは1.5秒であった。
【0105】
(実施例14)9−(アセチルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とする光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を使用した例)
トリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、ラジカル重合開始剤としての2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン0.15重量部に対し、ラジカル重合増感剤として、合成例1と同様にして得た9−(アセチルオキシ)アントラセンを0.3重量部添加したラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製した組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度1.0W/cm
2)を用いて光照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは3.5秒であった。
【0106】
(実施例15)9−(n−バレリルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とする光硬化速度評価実験
ラジカル重合性化合物であるトリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、ラジカル重合開始剤として、2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン0.15重量部に対し、ラジカル重合増感剤として、合成例4と同様にして得た9−(n−バレリルオキシ)アントラセンを0.3重量部添加し、ラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製した組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度1.0W/cm
2)を用いて光照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは3.5秒であった。
【0107】
(実施例16)9−(2−エチルヘキサノイルオキシ)アントラセンをラジカル重合増感剤とする光硬化速度評価実験(ラジカル重合開始剤として2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を使用した例)
ラジカル重合性化合物であるトリメチロールプロパントリアクリレート100重量部、ラジカル重合開始剤としての2,2’−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン1.0重量部に対し、ラジカル重合増感剤として、合成例9と同様にして得た9−(2−エチルヘキサノイルオキシ)アントラセンを1.0重量部添加し、ラジカル重合性組成物を調製した。次に、ポリエステルフィルム(東レ製ルミラー膜厚100ミクロン、ルミラーは東レ株式会社の登録商標)上に調製した組成物を膜厚が30ミクロンとなるようにバーコーターを使用して塗布した。塗布後、この塗布膜をタックフィルムで覆い、ついで空気雰囲気下、紫外LED(Phoseon社製、中心波長395nm、照射強度1.0W/cm
2)を用いて光照射したところ、硬化していることを確認した。タックフリータイムは3.0秒であった。
【0108】
(比較例1)ラジカル重合開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を用い、ラジカル重合増感剤を使用しない場合の光硬化実験
9−(アセチルオキシ)アントラセンを添加しないこと以外は、実施例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは52秒であった。
【0109】
(比較例2)ラジカル重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184)を用い、ラジカル重合増感剤を使用しない場合の光硬化実験
9−(アセチルオキシ)アントラセンを添加しないこと以外は、実施例11と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは25秒であった。
【0110】
(比較例3)ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュア651)を用い、ラジカル重合増感剤を使用しない場合の光硬化実験
9−(アセチルオキシ)アントラセンを添加しないこと以外は、実施例14と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは17秒であった。
【0111】
(比較例4)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9−(アセチルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは94秒であった。
【0112】
(比較例5)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9−(プロピオニルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例2と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは90秒であった。
【0113】
(比較例6)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9−(n−ブチリルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例3と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは105秒であった。
【0114】
(比較例7)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9−(n−バレリルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例4と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは100秒であった。
【0115】
(比較例8)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9−(i−バレリルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例5と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは100秒であった。
【0116】
(比較例9)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9−(n−ヘキサノイルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例6と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは80秒であった。
【0117】
(比較例10)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9−(n−ヘプタノイルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを添加しないこと以外は、実施例7と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは90秒であった。
【0118】
(比較例11)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9−(n−オクタノイルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを添加しないこと以外は、実施例8と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは85秒であった。
【0119】
(比較例12)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9−(2−エチルヘキサノイルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを添加しないこと以外は、実施例9と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは110秒であった。
【0120】
(比較例13)ラジカル重合開始剤を用いず、ラジカル重合増感剤である9−(n−ノナノイルオキシ)アントラセン単独使用の場合の光硬化実験
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを添加しないこと以外は、実施例10と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは110秒であった。
【0121】
(比較例14)ラジカル重合開始剤として、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907)を用いたの場合の光硬化実験
2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュア1173)を2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(イルガキュア907)に変えたこと以外は、比較例1と全く同様にしてラジカル重合性組成物を調製し、塗布後紫外LED光を照射した。タックフリータイムは4.0秒であった。
【0122】
実施例1から実施例16、比較例1から比較例14の結果を下表1〜5にまとめた。
【0123】
実施例1〜10と比較例1、実施例11〜13と比較例2、実施例14〜16と比較例3を比べることにより明らかなように、本発明の9−(アシルオキシ)アントラセン化合物は、α−ヒドロキシアルキルフェノン系ラジカル重合開始剤であるダロキュア1173、イルガキュア184、ベンジルメチルケタール系ラジカル重合開始剤であるイルガキュア651に対して、395nmのLED光を照射した際に増感効果があり、比較例14との比較で分かるようにその速度はアミノアルキルフェノン系のイルガキュア907と同等あるいはそれを超えるものであることがわかる。したがって、本発明のラジカル重合増感剤は、炭素原子、酸素原子、水素原子のみからなるラジカル重合開始剤に対してラジカル重合増感剤として有用である。
【0124】
また、比較例4〜13のラジカル重合開始剤を用いない例からわかるように、本発明の9−(アシルオキシ)アントラセン化合物は、ラジカル重合開始剤としての効果もあるが、硬化速度は十分ではないことが分かる。
【0125】
【表1】
【0126】
【表2】
【0127】
【表3】
【0128】
【表4】
【0129】
【表5】