特許第6064387号(P6064387)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6064387
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20170116BHJP
【FI】
   A63F7/02 312Z
【請求項の数】1
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2012-144574(P2012-144574)
(22)【出願日】2012年6月27日
(65)【公開番号】特開2014-8088(P2014-8088A)
(43)【公開日】2014年1月20日
【審査請求日】2015年6月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000241234
【氏名又は名称】豊丸産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(74)【代理人】
【識別番号】100124419
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 敬也
(74)【代理人】
【識別番号】100124420
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 清隆
(72)【発明者】
【氏名】今枝 健二
【審査官】 篠崎 正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−272126(JP,A)
【文献】 特開2012−105729(JP,A)
【文献】 特開2005−350247(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を移動させる遊技球移動装置を備えており、
当該遊技球移動装置は、
前記遊技球を上昇させる上昇手段、及び前記遊技球の下降を案内する下降手段を含む前記遊技球の循環路と、
前記遊技球を、前記循環路又は排出路に振分ける振分装置と
を備えているとともに、
前記上昇手段は、階段路を含み、
当該階段路は、
複数の段、及び各当該段ごとに開けられた孔を有する階段基部と、
前記孔に対応する突出段を有しており、当該突出段が対応する前記孔に対し出没するように上下動可能に設置される可動段体と
を備えている
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を用いる遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技機の一例であるパチンコ機として、下記特許文献1に記載のものが知られている。このパチンコ機では、遊技盤の中央部を占める変動入賞装置が設けられている。変動入賞装置は、遊技球を左右に振り分ける第一及び第二の振分装置に加え、左右方向を軸にして左右に並ぶ3個の回転体が含まれる回転体ユニットを有している。
左右の回転体は、左右回転体用のモータ及びギアで共に回転され、中央の回転体は、中央用のモータ及びギアで別個に回転される。又、各回転体には、周縁部を切り欠いて形成された複数の球保持部が形成される。一部の球保持部の底面は左に遊技球を流すように傾き、残部の球保持部の底面は右に遊技球を流すように傾いている。各球保持部は、回転体の回転により両側の案内壁の排出用開口に至るまで遊技球を保持し、左又は右の排出用開口にて底面の傾斜により回転体の左又は右に導くことで、遊技球を振分ける。
遊技球は、左又は右の回転体に導かれた後、一部が中央の回転体に導かれ、更にその一部が、入賞により大当り状態を生起する特定領域としての中央の回転体の右側領域に導かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−23206号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなパチンコ機では、遊技球が変動入賞装置の回転ユニット等により振分けられ、興味深い遊技球の流下ないし入賞が提供される。
しかし、変動入賞装置に導入された遊技球は、どのように振分けられたとしても、全て外部に排出され、遊技球の移動が一方通行になっている。
そこで、本発明は、遊技球の移動につき、排出のみならず、更に同じ路に戻る可能性を生じさせて、興味深い遊技球の移動をもたらすことが可能な遊技機を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、遊技球を移動させる遊技球移動装置を備えており、当該遊技球移動装置は、前記遊技球を上昇させる上昇手段、及び前記遊技球の下降を案内する下降手段を含む前記遊技球の循環路と、前記遊技球を、前記循環路又は排出路に振分ける振分装置とを備えているとともに、前記上昇手段は、階段路を含み、当該階段路は、複数の段、及び各当該段ごとに開けられた孔を有する階段基部と、前記孔に対応する突出段を有しており、当該突出段が対応する前記孔に対し出没するように上下動可能に設置される可動段体とを備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
発明によれば、遊技球の循環路と振分装置を備えるので、遊技球の一部を排出し一部を循環させるような、遊技球のバリエーションが豊富で、移動する遊技球の数の多い遊技球移動装置を有する遊技機を提供することができる、という効果を奏する。
また、階段基部と可動段体を有する階段路を組み込んだので、上記効果に加えて、遊技球の移動態様をより一層興味深いものとすることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係るパチンコ機の前面説明図である。
図2図1のパチンコ機の後面説明図である。
図3図1のパチンコ機における遊技球移動装置の前面側斜視説明図である。
図4図3の遊技球移動装置の後面側斜視説明図である。
図5図3において前後を分けた説明図である。
図6】後車及び側車等を外した状態における図3の遊技球移動装置の後部ユニットの後面側分解斜視説明図である。
図7図3の遊技球移動装置における振分装置の(a)前面,(b)右側面の説明図である。
図8図7の振分装置の分解斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る実施の形態の例につき、適宜図面に基づいて説明する。なお、当該形態は、下記の例に限定されない。
【0009】
[パチンコ機の全体構成等]
図1は遊技機の一例であるパチンコ機1の前面説明図であり、図2はパチンコ機1の後面説明図である。
パチンコ機1は、周囲を覆う機枠3を備えており、パチンコ機1の前面上部には、透明板を嵌めた前扉4が、機枠3に対し片開き可能に蝶着されている。前扉4の後方には、前面に遊技球の流下する遊技領域を有する遊技盤(図示せず)が配置されている。遊技盤は、機枠3の前面上部において、ミドル枠5を介して設置されている。
遊技領域の遊技球流下部位には、多数の遊技釘や、各種の入賞口ないしは役物、あるいは各種の電飾部材や表示装置等が配置されている。
【0010】
加えて、機枠3の前面側であって遊技盤の下方には、遊技球を発射装置10へ供給するための供給皿7と、これから溢れた遊技球を貯留するための貯留皿8が取り付けられている。供給皿7は、前扉4の開放により、機枠3に対して片開き可能であり、貯留皿8は、ミドル枠5の開放により、機枠3に対して片開き可能である。
更に、貯留皿8の右側には、発射装置を作動させるためのハンドル9が回転操作可能に設置されている。加えて、供給皿7の前部には、遊技者が任意に押込操作可能なボタン25が設けられている。
加えて、前扉4の上部には、効果音や各種メッセージ等を報音する一対のスピーカ14,14が設けられており、前扉4の側部には、遊技状態等に応じて点灯(適宜点滅を含む)する複数のLEDを備えたランプ部材15,15が設けられている。
【0011】
他方、機枠3の後面側には、遊技球を貯留するための貯留タンク11や、これと連結され、供給皿7への遊技球(貸球や賞品球)の払出を行う払出装置12、当該払出を制御する払出制御装置28、各種の制御基板や装置・部材に電源電圧を供給するための電源装置29等が設置されている。
又、機枠3の後面側中央には、センターカバー21が設置されており、その内部には、各種の装置等(図示せず)が収められている。
当該装置としては、遊技に係る主たる制御(例えば大当り抽選)を実行する決定手段としてのメイン制御装置や、表示装置等を制御する表示制御装置、ランプ部材15や電飾部材の点灯動作等を制御する発光制御装置、スピーカ14からの報音動作を制御する音制御装置等を挙げることができる。
又、表示制御装置・発光制御装置・音制御装置等の動作を統合的に制御すると共に、電動役物の動作を制御するサブ制御装置が配される。
尚、機枠3の後面側の向かって右上には、トランスに接続されるプラグ22と、アース27とが接続されている。
【0012】
そして、遊技領域の遊技球流下部位の下部ないしその後方には、以下に説明する遊技球移動装置31が配置されている。
【0013】
[遊技球移動装置の構成等]
次に、主に遊技球移動装置31について説明する。
図3は遊技球移動装置31の前面側斜視説明図であり、図4は遊技球移動装置31の後面側斜視説明図であり、図5図3において前後を分けた説明図である。
遊技球移動装置31は、後部ユニット32と、その前側に装着される前部ユニット34とを含む。
【0014】
後部ユニット32は、ベース35と、その後面中央左に配置される後車36及び後車モータ37と、ベース35右上に配置される側車38及び側車モータ39を備える。
後車36は、後車円盤40に対し複数(6枚)のラジアルリブ41,41・・を付けた水車状の部材であって、各ラジアルリブ41は、後車円盤40の中心から延びており、後車円盤40円周部に至る先端は、(1個の)遊技球を受入可能な鉤状に形成されている。後車36は、前から見て、ベース35の左辺から一部左へはみ出すように配置されている。尚、後車モータ37は、端子37aを有しており、図示しない電線を介してパチンコ機1の基板と電気的に接続されている。
側車38は、側車円盤42に低い側壁43を立てた桶状の部材であって、側車円盤42の中心内側には、図示しない側車ギアが一体形成されており、その中心には、側車軸孔44が開けられていて、図示しない側車軸が通されている。又、側車38の側壁43内側には、遊技球大の各空間を仕切る複数の小ラジアルリブ45,45・・と円リブ46が形成されている。円リブ46は、基部ほど側車38中心寄りに下がるテーパを付されており、小ラジアルリブ45,45と円リブ46と側壁43で囲まれる空間において受け入れた1個の遊技球をその内側に保持可能となっている。尚、側車モータ39は、端子39aを有しており、図示しない電線を介してパチンコ機1の基板と電気的に接続されている。
【0015】
図6は後車36及び側車38ないしこれらのモータ37,39を外した状態の後部ユニット32の後面側分解斜視説明図である。
後部ユニット32のベース35の下辺縁は、その上部より前方へ突出し且つ右側から中央へ次第に低くなるように傾斜した下レール部50となっており、当該下辺縁中央には、階段孔51が開けられている。
階段孔51の前側左(図4,6では左右が逆になる)には、各段の左部に孔が開いている状態で左へ登っていくような階段状に形成された階段基部52が配置されている。階段基部52の前面には、前部ユニット34を螺着するための前部ユニット取付部53,53(の一部)が設けられている。
そして、階段基部52の各段に対応する上方への突出段54,54・・を有している可動段体55が、階段孔51や階段基部52の下側に入れ込まれている。可動段体55は、ガイド縦孔56を有しており、階段基部52に対して固定された図示しないガイド縦軸が入れられている。又、可動段体55は、横穴57を備えている。階段基部52の各段や各突出段54は、左上がりに傾斜している。尚、各段に孔を有する階段基部52、及び当該孔に応じた突出段54,54・・を有する可動段体55は、遊技球を段階的に上方へ運ぶ階段路を構成する。
更に、階段基部52の最上段後側には、後車受渡孔58が開けられている。後車受渡孔58の後方には、後車36の下部が位置する。階段基部52の最上段は、後車受渡孔58へ遊技球を案内するよう後下がりとなっており、階段基部52の最上段に達した遊技球は、後車受渡孔58を通じて、後車36の下部にあるラジアルリブ41の鉤状先端部に渡される。尚、後車受渡孔58の上方には、後車モータ37の回転軸を通す後車モータ軸孔59が開けられている。
【0016】
可動段体55の後側には、後カバー60が、ベース35後面に対する螺着により取付けられている。後カバー60は、段モータ61の螺着孔62,62と、段モータ軸通過孔53が開けられている。尚、段モータ61は、端子61aを有しており、図示しない電線を介してパチンコ機1の基板と電気的に接続されている。
段モータ61の回転軸には、小円盤64と、その前面周部から前方へ突出させた小ロッド65を有する回転体66が固定されている。小ロッド65は、可動段体55の横穴57に入れられており、回転体66の回転時には、横孔57内で横方向では拘束なく動きながら縦方向では横孔57の境界壁を上げ下げすることにより、回転体66の回転運動を、可動段体55の上下動に変換する。可動段体55の各突出段54は、階段基部52左部の開口部と同じ高さから、当該開口部より一段高い左隣の段の高さまでにおいて、上下動を行う。遊技球は、傾斜により最下点の突出段54の上側(ないし階段基部52の段の縦壁の右側)に入り、可動段体55の上昇により持ち上げられ、最上点(付近)となった突出段54から傾斜により左に移動して、順次段を上っていく。
【0017】
そして、最上段に達した遊技球は、後車36に渡され、後車36の回転により、後部ユニット32のベース35の後面中央まで移動される。尚、後車36は、後から見て時計回りに回転される。
ベース35の後面中央から右上は、他の部分より前方へ(遊技球1個分強)概ね四辺形状に突出されており(後面において見ると四辺形状の窪み部となっており)、その段部が右下がりに傾斜する後中レール70となる。
後中レール70の右側後には、後中ガード71が立てられており、後中ガード71の右端には、側車受渡孔72が開けられている。
【0018】
後部ユニット32のベース35の右上であって、側車受渡孔72の上側には、後方へ突出する右上リブ74が立てられている。右上リブ74の基部には、側車軸受75が筒状に形成されている。又、右上リブ74の先部には、側車モータ軸孔76が形成されており、その両脇には、それぞれ左部を半筒状とし右部を筒状とした側車モータ取付孔77,77が形成されている。
更に、右上リブ74の上方には、右を開放し他の三方を仕切った右上球受78が形成されている。右上球受78の底面は左下がりとなっており、遊技球2個分強の前後幅を有していて、左前角部において、縦孔79の入口が開いている。尚、右上球受78の右後部には、右側へ突出するバー80が設けられている。バー80は、側車38の小ラジアルリブ45と円リブ46の間に入り込む。
加えて、右上球受78の下側には、図示しない遊技球検出器との接続基板の収容部81が形成されている。
【0019】
側車38の図示しない側車軸は、右上リブ74の側車軸受75に通される。又、側車モータ39は、回転軸を側車モータ軸孔76に通した状態で、側車モータ取付孔77,77を用い螺着される。当該回転軸の先端には、側車モータギア82が固定されており、側車モータギア82は、側車38内面中心の図示しない側車ギアと噛み合う。
側車38の小ラジアルリブ45,45間であって、最下方のものは、側車受渡孔72に隣接し、側車受渡孔72に向かって開口する。他方、最上方のものは、右上球受78やバー80と隣接する。遊技球は、側車38の回転により、側車受渡孔72から右上球受78まで移動される。側車38最上部から右上球受78において、遊技球はバー80により掻き出される(案内される)。右上球受78に入った遊技球は、ベース35前側の縦孔79を落下する。尚、側車38は、右から見て時計回りで回転される。
【0020】
縦孔79の下部から中央左にかけて、断面L字状(ベース35前面と合わせると断面U字状)である左下がりの上通路85が形成されている。
又、上通路85の左側は、ベース35右上における後方への凹部が位置しており、前部ユニット取付部53,53(の一部)が配置されている。
【0021】
前部ユニット34は、上通路85の左側に配置されるカップ90と、カップ下側の螺旋筒91と、下通路部材92と、振分装置93を含む。
カップ90は、碗状の部材であって、遊技球3個分程度の直径を有しており、後側であって上通路85に対する隣接位置には、上通路85からの遊技球を受ける樋99が形成されている。又、カップ90の底には、遊技球が通過可能な4個の図示しない孔が開けられている。当該孔は、カップ90の底の中央に1個開けられ、その周囲において3個(これら3個の中心は三角形の頂点に配置される)開けられている。
【0022】
螺旋筒91は、遊技球3個分程度の直径を有する筒部100と、筒部100から左に突出した左開放箱状のモータ部101と、筒モータ102を含む。尚、筒モータ102は、端子102aを有しており、図示しない電線を介してパチンコ機1の基板と電気的に接続されている。
筒部100の内部には、遊技球1個分程度の幅の図示しない螺旋通路が形成されており、当該螺旋通路に囲まれた、遊技球の落下可能な縦孔が存在している。筒部100の右下前には、右へ開放された出口103が配置されている。当該螺旋通路は、筒部100の若干拡径された上部下側から、出口103までにおいて形成されている。カップ90の中央の孔から落下した遊技球は、そのまま筒部100の縦孔を落下し、それ以外の孔からの遊技球は、螺旋通路の上部に至って螺旋通路を通過していく。
モータ部101には、筒モータ102が、回転軸を内側に入れた状態で取付けられており、その回転軸には、揺動板104が接続されている。揺動板104は、筒モータ102の回転により、モータ部101内において左右に往復動作するように、筒モータ102と接続されている。揺動板104は、図示しない平突起を(複数)有しており、筒部100の螺旋通路へ通じる図示しない(複数の)小孔から左右に出没するように、当該平突起が当該小孔に入っている。螺旋通路を螺旋状に降りる遊技球は、当該平突起が没している際に当該小孔付近を通過すればそのまま螺旋通路を降りていくが、当該平突起が出ている際に当該小孔付近を通過すると、当該平突起に衝突し、殆ど全ての場合において中央の縦孔にはじき飛ばされる(ごく稀に螺旋通路の別の箇所にジャンプする)。
【0023】
下通路部材92は、左から右への前下通路105と後下通路106を前後に有するものである。
前下通路105は、右端が左端より高いなだらかなV字状の遊技球レールであって、右端が筒部100の出口103の下側に配置される。
後下通路106は、右端が左端より僅かに高い状態で傾斜した遊技球レールであって、右端が筒部100の縦孔の下側に配置される。
そして、これらの左側に、振分装置93が配置される。
【0024】
[振分装置の構成等]
続いて、主に振分装置93について説明する。
図7は振分装置93の前面ないし右側面の説明図であり、図8は振分装置93の分解斜視説明図である。
振分装置93は、振分ベース110と、振分モータ111と、ベース前枠112と、アーム113と、振分モータギア(駆動歯車)114と、中央ギア115(歯車)と、外側回転体116と、内側回転体117を含む。
尚、振分モータ111は、端子111aを有しており、図示しない電線を介してパチンコ機1の基板と電気的に接続されている。
【0025】
振分ベース110は、上下左右に広がる中央壁119を有する部材であり、中央壁119の後面上部から後方に配置された左下がりの上樋120(第1領域あるいはこれへの通路)と、下通路部材92の後下通路106右端部を左部において受け入れる中央壁119後下部の下球受121(第2領域あるいはこれへの通路)を有している。
下球受121の右部底面は、後下がりに傾斜している。下球受121の後下側には、後部ユニット32の下レール部50が位置しており、下球受121に入った遊技球は、下レール部50に導かれる。ここで、仮に下レール部50を遊技球の移動の開始点と捉えると、遊技球が開始点に戻ったことになり、遊技球の循環路が形成されたことになる。
上樋120の右端部上側であって、中央壁119の上部中央には、遊技球の通過可能な上孔122(第1開口)が開けられており、その右下であって、上樋120の下方には、下孔123(第2開口)が開けられている。上樋120の右側には、図示しない排出路が接続されており、上樋120に至った遊技球は、島設備等に排出される。
又、中央壁119の前面中央であって、上孔122の下(下孔123の左)の部分からは、回転体軸124が前方へ突設されていると共に、中央壁119の下辺縁は、前方へ突出する突出下縁125とされている。突出下縁125の上面右部は、外側回転体116の最外径面に沿うような円筒面状に形成されている。
【0026】
ベース前枠112は、振分ベース110の突出下縁125の前面に取付けられる下枠部130から、モータ取付部131とアーム取付部132がそれぞれ上方へ突出したような形状となっている。
モータ取付部131には、振分モータ111の回転軸を通す回転軸孔133と、振分モータ111の螺着孔134,134が開けられている。
アーム取付部132の上端部は、下方ないし左右に開いた断面コ字状のアーム受135が形成されている。アーム受135の内側には、前後方向に沿う図示しない小軸が渡されている。
アーム113は、アーム受135の小軸に、U字状の一端を介してスイング可能に接続されるアーム基部140と、アーム基部140に対してスイング可能に接続されるアーム先部141を含む。アーム先部141は、一端に形成した図示しない前後方向の小軸を、アーム基部140のO字状(輪状)の他端に対して入れ込むことで、スイング可能に接続される。
【0027】
振分モータギア114は、振分モータ111の回転軸先端に固定される。
中央ギア115は、振分モータギア114と噛み合っており、前面周縁に小突体142を有すると共に、中心に軸螺着孔143を有しており、更にその両脇に内側回転体螺着孔144,144が開けられている。
小突体142には、アーム先部141の輪状の先端部が入れられている。
【0028】
外側回転体116は、水車状の部材であって、前後軸を取り巻くような筒部145の外曲面から外方に向けて、複数(6個)の球受腕146a,146b・・が、等間隔に突設されている。
球受腕146a(第1外側球受)は、前後で同じ肉厚であると共に、先端が鉤状に曲がっており、筒部145と共に回転する際に1個の遊技球を保持可能になっている。球受腕146aは、1個配置されている。球受腕146aの根元における筒部145には、1個の遊技球が通過可能な案内孔146cが開けられている。
球受腕146b(第2外側球受)は、前程厚みが増すようにされて遊技球を後方へ案内可能にされており、先端に鉤部は設けられていない。球受腕146bは、合計5個配置されている。
筒部145の前面には、透光性を有するドーナツ板状の透明板147が固定されている。透明板147の中央孔148周りの前面外縁には、O字状に前方に盛り上がっていて内面に内歯が形成されている内歯部149が配置されている。
振分モータギア114は、内歯部149と噛み合っている。
【0029】
内側回転体117は、外側回転体116の筒部145や透明板147の内側に入るような、1個の遊技球の直径強の前後の厚みを有する円盤状の部材であって、内側外曲面154から内方へ凹む凹部155a,155b・・を備えている。凹部155a,155b・・は、その開口部が外側回転体116の球受腕146a根元の案内孔146cに対して重なると、球受腕146aと内側外曲面154に支持されて移動されてきた遊技球を受け入れる。
各凹部155aの底や凹部155bの一側面(上に位置する際の右側面)は、後下がりとされている。又、凹部155a(第1内側球受)は、凹部155b(第2内側球受)より浅く形成されており、底において遊技球を支持する際、凹部155aの遊技球支持位置が凹部155bの遊技球支持位置と異なる(前者が後者より外側に配置される)ものとなっている。
よって、凹部155aが上孔122と隣接すると、互いの底が合致して、遊技球が上孔122に入り上樋120に至る一方、凹部155bが上孔122と隣接しても、凹部155bの底が上孔122の底より低くなって、遊技球が中央壁119に遮られ、上孔122や上樋120に入れないようになっている。
又、凹部155aが下孔123と隣接しても、凹部155aの外側部分が下孔123外部の中央壁119に遮られて、遊技球が下孔123や下球受121に入れない一方、凹部155bが下孔123と隣接すると、凹部155bの一側面(上に位置する際の右側面)と下孔123の底が合致すると共に、凹部155bの底と下孔123の左辺が合って、遊技球が下孔123に入り、下球受121に至るようになっている。
加えて、内側回転体117の前面中央には、透明板147の中央孔148と同様の大きさで円盤状に突出した中央盤部156が形成されている。中央盤部156の中央には、内側回転体軸受157が開けられており、その両側には、中央ギア115螺着用の中央ギア取付孔158が開けられている。
【0030】
振分装置93では、振分ベース110の回転体軸124を内側回転体117の内側回転体軸受157に入れ、その外側において外側回転体116を回転可能に配置する。ここで、外側回転体116の透明板147の中央孔148から、内側回転体117の中央盤部156を出した状態で、中央ギア取付孔158に中央ギア115が螺着される。又、軸螺着孔143を通じ、回転体軸124先端に対し、内側回転体117が回転可能であるように図示しないネジが入れられ、内側回転体117や外側回転体116の前後方向への移動が規制される。
更に、振分モータギア114が、内側回転体117と一体の中央ギア115、及び外側回転体116の内歯部149と噛み合うように、又アーム113と中央ギア115が蒸気機関車の連結棒の如くリンクされるように、振分モータ111及びアーム113付きのベース前枠112が、振分ベース110に取付けられる。
振分モータギア114の歯数に対し、中央ギア115の歯数は同程度である一方、内歯部149の3分の1程度であるため、内側回転体117は外側回転体116の3倍程度の回転速度で回転する。尚、振分モータギア114は前から見て時計回りで回転し、内歯部149を介して外側回転体116が時計回りで回転され、中央ギア115を介して内側回転体117が反時計回りで回転される。
【0031】
[遊技球移動装置の動作等]
続いて、主に遊技球移動装置31の作動について説明する。
パチンコ機1の制御装置は、電源が投入されている間(遊技動作中)、遊技球移動装置31の各種のモータを回転させる。
【0032】
遊技球移動装置31は、遊技領域の下部から、遊技球(例えばアウト球)を、右上球受78において受け取る。
右上球受78は、傾斜により、遊技球を縦孔79に入れる。遊技球は、後部ユニット32のベース35の前面側に来る。
縦孔79は、落下する遊技球を、上通路85の右側に案内し、上通路85は、遊技球を、傾斜により、前部ユニット34のカップ90の樋99まで送る。
【0033】
カップ90は、遊技球を、中央の孔かその周囲の3つの孔の何れかにおいて落下させる。
螺旋筒91は、カップ90の底における中央の孔から落下した遊技球を、筒部100内の縦孔においてそのまま落下させ、下通路部材92の後下通路106の左側に至るようにする。
他方、螺旋筒91は、カップ90の底における中央以外の孔から落下した遊技球を、螺旋通路に沿って移動させ、筒部100の出口103に到達させて、下通路部材92の前下通路105の左側に至るようにする。但し、螺旋通路に出没する平突起が、タイミング(遊技球が平突起出没部を通過する際に突出する等)により、遊技球を、筒部100内の縦孔に押し出すことがあり、この場合、後下通路106の左側に至らせることとなる。
【0034】
後下通路106は、傾斜により、遊技球を、右方の振分装置93の下球受121まで送る。
下球受121は、傾斜により、遊技球を後部ユニット32の下レール部50の右側に送る。
下レール部50は、傾斜により、遊技球を可動段体55の最下段に送る。
可動段体55の最下段は、遊技球移動装置31における遊技球通過可能位置の最下方の一つとなり、遊技球は、最上方である右上球受78から当該最下方まで下降を案内される。よって、右上球受78、縦孔79、上通路85、カップ90、螺旋筒91、下通路部材92、下球受121、下レール部50は、下降手段を構成する。
【0035】
可動段体55は、上昇により遊技球を左隣における階段基部52の段に移動させ、当該段は下降した次の突出段54に遊技球を送る。これを最上の突出段54まで繰り返し、遊技球を後車受渡孔58まで届ける。
後車受渡孔58は、遊技球を後車40の前壁に当てる。
後車40は、回転により、ラジアルリブ41先端鉤部により遊技球を後中レール70の左側まで運ぶ。より詳しくは、後車40の半周程度の回転によりラジアルリブ41がベース35後面の四辺形状窪み部に達すると、遊技球がラジアルリブ41を伝って落下し、後中レール70の左側に案内される。
後中レール70は、その傾斜により遊技球を右側の側車受渡孔72に案内し、遊技球を側車38における小ラジアルリブ45,45と円リブ46で仕切られる空間に渡す。
側車38は、回転により、遊技球を右上球受78の隣接位置(最上方)まで運び、バー80に当てることで右上球受78に入れ、遊技球を最初の受取位置に循環させる。
階段基部52及び可動段体55(階段路)、後車40、(後中レール70、)並びに側車38は、遊技球を上方に運ぶので、上昇手段を構成する。
そして、右上球受78から下レール部50までの下降手段と、下レール部50左側の階段路から右上球受78までの上昇手段により、遊技球が循環する循環路が形成されている。
【0036】
他方、前下通路105は、左半部の傾斜により遊技球を勢い良く右半部へ送り、右半部の上り坂を登らせて、振分装置93における中央壁119の左前側に到達させる。
尚、前下通路105の谷底部も遊技球通過可能位置の最下方の一つとなるが、遊技球はすぐに当該最下方を通過して、振分装置93に供給される。振分装置93は、後述するように、下レール部50より上方の排出路(上樋120)又は循環路(下球受121)の何れかに遊技球を振分けるため、振分装置93も下降手段と共に遊技球の下降の役目を担うとみることもできる。
【0037】
[振分装置の動作等]
次いで、主に振分装置93の作動について説明する。
振分モータ111の回転により、振分モータギア114が駆動される。振分モータギア114は、内歯部149を介して外側回転体116を時計回りに回転させると共に、中央ギア115を介して内側回転体117を反時計回りに回転させる。
中央ギア115が回転すると、小突体142を介してアーム先部141の先端が回転運動され、これに伴いアーム先部141やアーム基部140が、蒸気機関車の車輪に対する連結リンクのように連動する。
【0038】
振分装置93の外側回転体116における球受腕146a,146b・・の何れかは、中央壁119の左前側に到達した遊技球を、外側回転体116の回転移動によりすくい上げる。
球受腕146bは、四半周程して中央壁119が後側に位置しなくなった時点で、遊技球を中央壁119の後方へ落とし、下球受121に至らせる。
他方、球受腕146aは、先端鉤部やその根元の案内孔146c(に現れる内側回転体117の内側外曲面154)において遊技球を保持し、案内孔146cと内側回転体117の凹部155a,155b・・の何れかが合致するのを待つ。外側回転体116は内側回転体117より回転速度が遅いので、外側回転体116が四半周強程回転すれば、程なく(更に四半周するまでに)凹部155a,155b・・の何れかが案内孔146cと合致することとなる。
球受腕146aが外側回転体116の上半部に達した状態で、凹部155a,155b・・の何れかと案内孔146cが合致することで、遊技球を凹部155a,155b・・の何れかに落下させて受け取らせる。
【0039】
凹部155bは、内側回転体117の回転により移動し、受け入れた遊技球を、自身の底ないし側面や筒部145内曲面において運び、下孔123まで届ける。凹部155bは、下孔123と合致すると、一側面(当該合致時の下面あるいは上に位置する際の右側面)の傾斜により、重力の作用で底に位置している遊技球を後方へ移動させて下孔123から落下させ、下球受121に振分ける。
下球受121は、下レール部50を始めとする循環路に遊技球を供給する。
他方、凹部155aは、凹部155bと同様に遊技球を運ぶ。凹部155aは、下孔123の隣接位置に達しても、下孔123に対して左半部しか露出せず、右半部が振分ベース110の中央壁119に遮られるため、下孔123に遊技球を送らず、遊技球を保持したまま当該隣接位置を通過して回転による移動を続ける。そして、凹部155aは、上孔122に合致すると、遊技球を後方に送り、上孔122を介して上樋120へ振分ける。
上樋120は、排出路に遊技球を導く。
即ち、振分装置93の外側回転体116と内側回転体117等は、遊技球を、排出させるための上孔122(上樋120)、あるいは循環させるための下孔123(下球受121)の何れか一方に振分ける。
【0040】
[パチンコ機の効果等]
以上のパチンコ機1では、遊技球を移動させる遊技球移動装置31を備えており、遊技球移動装置31は、遊技球を上昇させる上昇手段(階段基部52及び可動段体55、後車40、(後中レール70、)並びに側車38)、及び遊技球の下降を案内する下降手段(右上球受78、縦孔79、上通路85、カップ90、螺旋筒91、下通路部材92、下球受121、下レール部50)を含む遊技球の循環路と、遊技球を、前記循環路又は排出路に振分ける振分装置93とを備えている。
よって、新たに流入する遊技球と、振分装置93に排出されないように振分けられて循環路に循環する遊技球とが遊技球移動装置31を移動し、遊技球の移動態様を多彩なものとすることができ、遊技球の移動を面白味のあるものとすることができる。又、遊技球が排出される一方ではなく、循環する遊技球もあるため、遊技球移動装置31内を移動する遊技球の数を増やすことができ、面白味のある遊技球の移動を、長い時間、迫力のある状態で行うことができる。
【0041】
又、前記上昇手段には、階段路(階段基部52及び可動段体55)が含まれており、当該階段路は、複数の段、及び各当該段ごとに開けられた孔を有する階段基部52と、当該孔に対応する突出段54,54・・を有しており、突出段54が対応する段の孔に対し出没するように上下動可能に設置される可動段体55とを備えている。
よって、遊技球が一段一段上っていくような興味深い移動を、遊技球の循環に必要な上昇手段において遊技者に提供することができる。
【0042】
尚、以上のパチンコ機1では、遊技球を上樋120又は下球受121に振分ける振分装置93を備えており、振分装置93は、遊技球の支持位置が互いに相違する凹部155a及び凹部155bを有する内側回転体117と、内側回転体117の外周に配置された、球受腕146a、及び球受腕146aから凹部155a,155bの何れかへ遊技球を案内可能な案内孔146cを有する外側回転体116と、凹部155a,155bにおける遊技球の各支持位置に応じ、互いに外側あるいは内側にずれて配置された、上樋120への上孔122及び下球受121への下孔123を有する振分ベース110とを備えており、外側回転体116の内側回転体117に対する相対回転により、外側回転体116の案内孔146cから、内側回転体117の凹部155a,155bの何れかに遊技球を案内すると共に、内側回転体117の振分ベース110に対する相対回転により、上孔122又は下孔123まで遊技球を支持しつつ移動する。
従って、外側回転体116の占有スペースにおいて、これと内側回転体117の相対回転を利用した手の込んだ遊技球の振分を実行することができ、複雑で興味深い振分をコンパクトに行うことができる。
【0043】
又、パチンコ機1では、外側回転体116は、その外周に沿う内歯部149を有しており、内側回転体117には、中央ギア142が連結されており、更に、内歯部149及び中央ギア115の双方に噛み合っており、振分モータ111により駆動される振分モータギア114が設けられている。
よって、1個の駆動源により外側回転体116及び内側回転体117の双方を駆動することができ、より一層の省スペース化を図ることができる。
又、単独の歯車である振分モータギア114に対し、やはり単独の歯車である中央ギア142と内歯部149がそれぞれ直接噛み合っているため、外側回転体116と内側回転体117の互いに逆方向となる各回転を極めてコンパクトに実行することができ、互いに異なる方向における回転という興趣深い動作をシンプル且つ円滑に実行することができる。
【0044】
加えて、外側回転体116は、更に球受腕146bを有しており、球受腕146bは、遊技球を、上樋120以外の領域である下球受121に導く。
従って、内側回転体117の凹部155a,155bの何れかへの振分に加え、球受腕146a,146bの何れにすくわれるかによる振分も行え、興趣高い複数段階の振分を極めてコンパクトな装置において実行することができる。
【0045】
又更に、振分装置93直前の前下通路105が右端が左端より高いなだらかなV字状に形成されており、遊技球が下り坂により加速して登り坂を勢い良く登った状態で振分装置93に供給されるため、遊技球の振分に対する興味を振分装置93に対する遊技球導入の動きにより喚起することができる。又、アーム113のリンクとしての動きにより、外側回転体116や内側回転体117の回転の様子あるいは振分装置93の振分動作をより一層興味深いものとすることができる。
更に、前下通路105を含む下通路部材92の奥には可動段体55と組合わせられる階段基部52が配置されて遊技球を一段ずつ登らせる様子を視認可能とされていたり、後車36や側車38(の一部)の回転の様子あるいは螺旋筒91の揺動板104(の一部)の揺動の様子が前面側から視認可能とされていたり、カップ90における遊技球の鉛直軸周りの円運動ないし何れかの孔への振分の様子が視認可能とされていたり、下通路部材92の前下通路105かあるいは後下通路106か何れを通過するように振分けられたかが視認可能とされたりしているので、遊技球の動きや振分の様子をアピールして、遊技者に興味を持ってもらうことができる。
【0046】
[変更例等]
尚、主に上記形態を変更して成る、本発明の他の形態を例示する。
下球受に振分けた遊技球を循環させず、上樋と同じ又は別の排出路に排出させたり、上樋に振分けた遊技球を循環させたりする。上樋に移動された遊技球を検知して入賞と扱い、遊技球が多く払出される特定入賞口の開放あるいはそのための抽選等が行われるようにして良いし、下球受に移動された遊技球について入賞と扱っても良いし、上樋からの遊技球の検知と下球受からの遊技球の検知で異なる入賞状態ないし遊技状態としても良い。又、かような遊技球の検知や入賞状態の生起等を行わなくても良い。
内側回転体の凹部や外側回転体の球受腕の種類を1種類あるいは3種類以上としたり、鉤付きの球受腕を複数にする等同種類における設置数を増減したり、外側回転体の案内孔を複数としたり、振分ベースにおける上孔及び下孔に加えて中孔や第4の孔等を適宜追加したり、外側回転体において案内孔に導かれない遊技球を下球受ではない別の領域に振分けたり、振分モータギアと中央ギアあるいは内歯部との間に別の歯車(群)を介装したり、アームや螺旋筒の揺動板ないし筒モータを省略したり、カップの底における孔の数を増減したり、後車のラジアルリブや側車の小ラジアルリブの数を増減したりする等、設置数や設定数等を適宜増減し、あるいは設置や設定等を省略する。
遊技領域あるいはアウト領域等から最初に遊技球を受取る領域を、下レール部を始めとする他の領域とする。
球受腕を凹部としたり、凹部を球受腕としたり、内側回転体や外側回転体を円錐状としたり、全ての球受腕に鉤部を設けたりする等、各種部材や部位の形状を適宜変更する。
遊技球移動装置における階段路や螺旋筒、側車や後車等の一部を省略したり、配置や順序等を変更したりする。
又、アレンジボール機やじやん球遊技機を始めとする、パチンコ機以外の遊技機に適用する。
【符号の説明】
【0047】
1・・パチンコ機(遊技機)、31・・遊技球移動装置、38・・側車、40・・後車、50・・下レール部、52・・階段基部、55・・可動段体、78・・右上球受、79・・縦孔、85・・上通路、90・・カップ、91・・螺旋筒、92・・下通路部材、93・・振分装置、110・・振分ベース、111・・振分モータ、114・・振分モータギア(駆動歯車)、115・・中央ギア(歯車)、116・・外側回転体、117・・内側回転体、120・・上樋(第1領域)、121・・下球受(第2領域)、122・・上孔(第1開口)、123・・下孔(第2開口)、146a・・球受腕(第1外側球受)、146b・・球受腕(第2外側球受)、146c・・案内孔、149・・内歯部、155a・・凹部(第1内側球受)、155b・・凹部(第2内側球受)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8