【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、移動部材に連結され該移動部材を移動させるモータと、整流素子を介した直流電源を前記モータに対して電気的に接続・遮断する駆動回路とを備え、前記駆動回路により、前記整流素子を介した前記直流電源を電気的に接続して前記モータを駆動するモータ駆動装置において、前記整流素子
と前記モータとの間に接続された
ローパスフィルタと、保護抵抗と、前記モータの回転速度を検出する検出手段と、前記モータの非駆動状態で、前記モータの回転速度が所定値を下回るときに前記保護抵抗を前記駆動回路を介した前記モータに電気的に接続し、前記モータの回転速度が前記所定値を上回るときに前記駆動回路を介した前記モータを前記整流素子を介することなく前記直流電源
の高側電位部に電気的に接続するスイッチング部材とを備え
、前記ローパスフィルタは、前記整流素子と前記駆動回路の間に直列で電気的に接続されるコイルと、前記コイルの一端とグランドの間に電気的に接続されるコンデンサとを有することを要旨とする。
【0009】
同構成によれば、前記駆動回路により、前記整流素子を介した前記直流電源及び前記モータを電気的に接続して前記モータを駆動することで、前記移動部材が移動される。一方、前記駆動回路により、前記整流素子を介した前記直流電源及び前記モータを電気的に切断すると、前記モータが非駆動状態となる。前記モータの非駆動状態で、前記移動部材が外力で移動して前記モータが回転させられると、該モータの誘起電圧(発電)により前記駆動回路が接続状態となることがある。このとき、前記モータの回転速度が前記所定値を下回っていれば、即ち前記モータの誘起電圧が過大でなければ、前記スイッチング部材により前記駆動回路を介した前記モータが前記保護抵抗に電気的に接続される。これにより、前記モータの誘起電圧が解消されて、前記素子に印加される前記モータの誘起電圧が過大になることもない。また、前記モータの回転速度が前記所定値を上回っていれば、即ち前記モータの誘起電圧が過大になろうとすれば、前記スイッチング部材により前記駆動回路を介した前記モータが前記整流素子を介することなく前記直流電源に電気的に接続される。これにより、前記モータの誘起電圧が前記直流電源の電圧以上になることはなく、前記素子に印加される前記モータの誘起電圧が過大になることもない。
【0010】
以上により、前記モータの誘起電圧の過電圧の防止にあたって前記モータを減速させたりする必要がなく、例えば操作者の手動操作に伴って前記移動部材が移動する場合には、当該操作者の意図する速度で前記移動部材を移動させることができる。また、前記検出手段により、前記モータの回転速度を検出することで前記モータの誘起電圧の過電圧の防止できるため、例えば前記モータの誘起電圧を検出するための回路を別設する必要がなく、回路構成をより簡素化することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、移動部材に連結され該移動部材を移動させるモータと、整流素子を介した直流電源の高側電位
部(高側電位)を前記モータの一側端子に対して電気的に接続・遮断する第1のFETと、前記直流電源の低側電位
部(低側電位)を前記モータの他側端子に対して電気的に接続・遮断する第2のFETとを備え、前記第1のFET及び前記第2のFETにより、前記整流素子を介した前記高側電位
部及び前記モータの前記一側端子、並びに前記低側電位
部及び前記モータの前記他側端子をそれぞれ電気的に接続して前記モータを駆動するモータ駆動装置において、前記整流素子
と前記モータとの間に接続された
ローパスフィルタと、保護抵抗と、前記モータの回転速度を検出する検出手段と、前記モータの非駆動状態で、前記モータの回転速度が所定値を下回るときに前記保護抵抗を前記第1のFETを介した前記モータの前記一側端子及び前記低側電位
部に電気的に接続し、前記モータの回転速度が前記所定値を上回るときに前記第1のFETを介した前記モータの前記一側端子を
前記直流電源の前記高側電位
部に電気的に接続するスイッチング部材とを備え
、前記ローパスフィルタは、前記整流素子と前記第1のFETの間に直列で電気的に接続されるコイルと、前記コイルの一端とグランドの間に電気的に接続されるコンデンサとを有することを要旨とする。
【0012】
同構成によれば、前記第1のFET及び前記第2のFETにより、前記整流素子を介した前記高側電位及び前記モータの前記一側端子、並びに前記低側電位及び前記モータの前記他側端子をそれぞれ電気的に接続して前記モータを駆動することで、前記移動部材が移動される。一方、前記第1のFET及び前記第2のFETにより、前記整流素子を介した前記高側電位及び前記モータの前記一側端子、並びに前記低側電位及び前記モータの前記他側端子をそれぞれ電気的に切断すると、前記モータが非駆動状態となる。前記モータの非駆動状態で、前記移動部材が外力で移動して前記モータが回転させられると、該モータの誘起電圧(発電)により前記第1のFETが接続状態となることがある。このとき、前記モータの回転速度が前記所定値を下回っていれば、即ち前記モータの誘起電圧が過大でなければ、前記スイッチング部材により前記第1のFETを介した前記モータの前記一側端子が前記保護抵抗を介して前記低側電位に電気的に接続される。これにより、前記モータの誘起電圧が解消されて、前記素子に印加される前記モータの誘起電圧が過大になることもない。また、前記モータの回転速度が前記所定値を上回っていれば、即ち前記モータの誘起電圧が過大になろうとすれば、前記スイッチング部材により前記第1のFETを介した前記モータの前記一側端子が前記高側電位に電気的に接続される。これにより、前記モータの誘起電圧の電位が前記高側電位以上になることはなく、前記素子に印加される前記モータの誘起電圧が過大になることもない。
【0013】
以上により、前記モータの誘起電圧の過電圧の防止にあたって前記モータを減速させたりする必要がなく、例えば操作者の手動操作に伴って前記移動部材が移動する場合には、当該操作者の意図する速度で前記移動部材を移動させることができる。また、前記検出手段により、前記モータの回転速度を検出することで前記モータの誘起電圧の過電圧の防止できるため、例えば前記モータの誘起電圧を検出するための回路を別設する必要がなく、回路構成をより簡素化することができる。
【0014】
請求項3に記載の発明は、移動部材に連結され該移動部材を移動させるモータと、整流素子を介した直流電源の高側電位
部(高側電位)を前記モータの一側端子に対して電気的に接続・遮断する第1のFETと、前記直流電源の低側電位
部(低側電位)を前記モータの他側端子に対して電気的に接続・遮断する第2のFETと、前記整流素子を介した前記高側電位
部を前記モータの前記他側端子に対して電気的に接続・遮断する第3のFETと、前記低側電位
部を前記モータの前記一側端子に対して電気的に接続・遮断する第4のFETとを備え、前記第1のFET〜前記第4のFETにより、前記整流素子を介した前記高側電位
部及び前記モータの前記一側端子、並びに前記低側電位
部及び前記モータの前記他側端子をそれぞれ電気的に接続し、前記整流素子を介した前記高側電位
部及び前記モータの前記他側端子、並びに前記低側電位
部及び前記モータの前記一側端子をそれぞれ電気的に切断して前記モータを一方向に駆動し、前記整流素子を介した前記高側電位
部及び前記モータの前記一側端子、並びに前記低側電位
部及び前記モータの前記他側端子をそれぞれ電気的に切断し、前記整流素子を介した前記高側電位
部及び前記モータの前記他側端子、並びに前記低側電位
部及び前記モータの前記一側端子をそれぞれ電気的に接続して前記モータを逆方向に駆動するモータ駆動装置において、前記整流素子
と前記モータとの間に接続された
ローパスフィルタと、保護抵抗と、前記モータの回転速度を検出する検出手段と、前記モータの非駆動状態で、前記モータの回転速度が所定値を下回るときに前記保護抵抗を前記第1のFETを介した前記モータの前記一側端子及び前記低側電位
部又は前記第3のFETを介した前記モータの前記他側端子及び前記低側電位
部に電気的に接続し、前記モータの回転速度が前記所定値を上回るときに前記第1のFETを介した前記モータの前記一側端子又は前記第3のFETを介した前記モータの前記他側端子を
前記直流電源の前記高側電位
部に電気的に接続するスイッチング部材とを備え
、前記ローパスフィルタは、前記整流素子と前記第1のFET及び前記第3のFETとの間に直列で電気的に接続されるコイルと、前記コイルの一端とグランドの間に電気的に接続されるコンデンサとを有することを要旨とする。
【0015】
同構成によれば、前記第1のFET〜前記第4のFETにより、前記整流素子を介した前記高側電位及び前記モータの前記一側端子、並びに前記低側電位及び前記モータの前記他側端子をそれぞれ電気的に接続し、前記整流素子を介した前記高側電位及び前記モータの前記他側端子、並びに前記低側電位及び前記モータの前記一側端子をそれぞれ電気的に切断して前記モータを一方向に駆動することで、前記移動部材が一方向に移動される。
【0016】
反対に、前記第1のFET〜前記第4のFETにより、前記整流素子を介した前記高側電位及び前記モータの前記一側端子、並びに前記低側電位及び前記モータの前記他側端子をそれぞれ電気的に切断し、前記整流素子を介した前記高側電位及び前記モータの前記他側端子、並びに前記低側電位及び前記モータの前記一側端子をそれぞれ電気的に接続して前記モータを逆方向に駆動することで、前記移動部材が逆方向に移動される。
【0017】
一方、前記第1のFET〜前記第4のFETにより、前記整流素子を介した前記高側電位及び前記モータの前記一側端子、前記整流素子を介した前記高側電位及び前記モータの前記他側端子、前記低側電位及び前記モータの前記他側端子、並びに前記低側電位及び前記モータの前記一側端子をそれぞれ電気的に切断すると、前記モータが非駆動状態となる。前記モータの非駆動状態で、前記移動部材が外力で移動して前記モータが回転させられると、該モータの誘起電圧(発電)により前記第1のFET又は前記第3のFETが接続状態となることがある。
【0018】
このとき、前記モータの回転速度が前記所定値を下回っていれば、即ち前記モータの誘起電圧が過大でなければ、前記スイッチング部材により前記第1のFETを介した前記モータの前記一側端子又は前記第3のFETを介した前記モータの前記他側端子が前記保護抵抗を介して前記低側電位に電気的に接続される。これにより、前記モータの誘起電圧が解消されて、前記素子に印加される前記モータの誘起電圧が過大になることもない。
【0019】
また、前記モータの回転速度が前記所定値を上回っていれば、即ち前記モータの誘起電圧が過大になろうとすれば、前記スイッチング部材により前記第1のFETを介した前記モータの前記一側端子又は前記第3のFETを介した前記モータの前記他側端子が前記高側電位に電気的に接続される。これにより、前記モータの誘起電圧の電位が前記高側電位以上になることはなく、前記素子に印加される前記モータの誘起電圧が過大になることもない。
【0020】
以上により、前記モータの誘起電圧の過電圧の防止にあたって前記モータを減速させたりする必要がなく、例えば操作者の手動操作に伴って前記移動部材が移動する場合には、当該操作者の意図する速度で前記移動部材を移動させることができる。また、前記検出手段により、前記モータの回転速度を検出することで前記モータの誘起電圧の過電圧の防止できるため、例えば前記モータの誘起電圧を検出するための回路を別設する必要がなく、回路構成をより簡素化することができる。
【0021】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のモータ駆動装置において、前記スイッチング部材は、前記保護抵抗又は前記高側電位
部(高側電位)に接続可能なリレーと、前記リレーの励磁コイルに電気的に接続され、該励磁コイルに通電可能なスイッチング素子とを有することを要旨とする。
【0022】
同構成によれば、小さな電力で前記スイッチング素子をオン状態にして前記励磁コイルを通電・励磁することで、前記リレーにより前記保護抵抗及び前記高側電位間の接続を切り替えることができる。