特許第6064481号(P6064481)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6064481
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 49/10 20060101AFI20170116BHJP
   F04B 39/00 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   F04B49/10 331H
   F04B39/00 C
   F04B49/10 331K
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-207029(P2012-207029)
(22)【出願日】2012年9月20日
(65)【公開番号】特開2014-62475(P2014-62475A)
(43)【公開日】2014年4月10日
【審査請求日】2015年8月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(72)【発明者】
【氏名】板倉 俊二
(72)【発明者】
【氏名】船田 和也
(72)【発明者】
【氏名】藤 利行
【審査官】 所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−295367(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 49/10
F04B 39/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉容器にモータを内蔵する内部低圧型の圧縮機を有し、かつ、可燃性や微燃性の冷媒を用いた冷凍サイクルを備えた空気調和装置であって、
電源から前記モータへ電力を供給するモータ電源線と、
前記モータ電源線に設けられ前記モータを駆動する電源供給をオン・オフする電源スイッチと、
前記電源スイッチに設けられ、通電時に同電源スイッチをオンにするコイルと、
前記コイルが接続され、前記モータ電源線とは別回路である低電流配線と、
前記低電流配線に接続されるとともに、前記密閉容器内のモータ巻線近傍に設けられ、前記モータ巻線が所定温度以上となった時にオフになる温度保護スイッチとを備え、
前記温度保護スイッチのオン・オフに連動して前記電源スイッチをオン・オフさせることを特徴とする空気調和装置。
【請求項2】
前記モータ電源線と前記電流配線とに流れる電流は、前記電源から供給されていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置に関し、特に、密閉容器に内蔵された内部低圧型の圧縮機を冷凍サイクルに有する空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置の冷凍サイクルに用いられる冷媒の圧縮機は、モータと一体となって密閉容器に内蔵されて密閉型の圧縮機として構成されるのが一般的である。この圧縮機は、密閉容器内に導入した冷媒を圧縮して冷媒循環路に吐出するようになっている。
【0003】
このような密閉型の圧縮機は、モータの異常温度上昇を防止するために、密閉容器内においてモータ巻線近傍にバイメタルスイッチ式の過負荷保護器(OLP:Over Load Protector)を設置するようになったものがある。過負荷保護器は、モータ巻線の温度に応じてバイメタルスイッチがオン・オフされ、モータ巻線が過熱された場合にオフしてモータ巻線への通電を遮断するようになっている。
【0004】
ところで、空気調和装置を設置する際に、冷凍サイクル内に冷媒を充填することになるが、このとき、工事ミス等により冷媒中に空気が混入してしまう場合がある。
【0005】
しかし、このように冷媒中に空気が混ざった状態で過負荷保護器が動作した場合、冷媒に可燃性がある冷媒が用いられていると、過負荷保護器のオン・オフ時に発生する火花によって冷媒が着火してしまう恐れがある。
【0006】
ところで、密閉型の圧縮機は、内部高圧型と内部低圧型とが存在するが、内部高圧型の圧縮機では、密閉容器内が圧縮機で加圧された高圧ガス冷媒で充満されるため、モータの温度が密閉容器に伝達され易くなる。これにより、モータ巻線が過熱した場合は密閉容器も高温となる。
【0007】
このため、例えば、特許文献1に開示されるように、過負荷保護器を密閉容器に外付けした場合にもモータ巻線の過熱状態を検知することが可能となる。従って、このように過負荷保護器を密閉容器に外付けすることにより、過負荷保護器のオン・オフ時に発生する火花が生じても冷媒が着火することを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平10−274168号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、密閉容器内が低圧ガス冷媒で充満される内部低圧型の圧縮機では、モータ巻線の温度が密閉容器に伝達されづらく、密閉容器の温度はモータ巻線の温度よりも低く(例えば、−50deg.以上)なる。このため、密閉容器に過負荷保護器を外付けした場合には、モータ巻線の温度を正確に検知することができず、圧縮機の保護が困難となる。
【0010】
そこで、本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、内部低圧型の圧縮機を用いた場合でも、モータ巻線の温度を精度良く検知でき、かつ、過負荷保護器動作時の火花が生じても冷媒が着火することを防止できる空気調和装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の空気調和装置は、密閉容器にモータを内蔵する内部低圧型の圧縮機を有し、かつ、可燃性や微燃性の冷媒を用いた冷凍サイクルを備えた空気調和装置であって、電源から前記モータへ電力を供給するモータ電源線と、前記モータ電源線に設けられ、前記モータを駆動する電源供給をオン・オフする行う電源スイッチと、前記電源スイッチに設けられ、通電時に同電源スイッチをオンにするコイルと、前記コイルが接続され、前記モータ電源線とは別回路である低電流配線と、前記低電流配線に接続されるとともに、前記密閉容器内のモータ巻線近傍に設けられ、前記モータ巻線が所定温度以上となったときにオフになる温度保護スイッチとを備え、前記温度保護スイッチのオン・オフに連動して前記電源スイッチをオン・オフさせることを特徴とする。
【0012】
また、上記発明において、前記モータ電源線と前記電流配線とに流れる電流は、前記電源から供給されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、密閉容器内においてモータ巻線近傍に温度保護スイッチを配置したことにより、モータ巻線の温度を精度良く検知できる。このとき、温度保護スイッチは、低電流配線によって電源から電流が供給されるが、低電流配線には、温度保護スイッチのオン・オフ時に火花が発生する電流値未満の電流が印加されている。従って、温度保護スイッチを、可燃性や微燃性の冷媒が充満した密閉容器内に配置した場合にも、温度保護スイッチに火花が発生することが無いため、火花によって冷媒が着火することを防止できる。
【0014】
さらに、圧縮機のモータ電源線に設けた電源スイッチのコイル端子に前記低電流配線を接続してある。これにより、電源スイッチが温度保護スイッチのオン・オフに連動してオン・オフするため、温度保護スイッチがモータ巻線の過熱を検知した場合に、電源スイッチがモータ電源線への通電を遮断してモータを停止し、圧縮機を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の空気調和装置の一実施形態を示す概略構成図である。
図2図2は、図1に示す空気調和装置に用いられる圧縮機の拡大断面図である。
図3図3は、図2に示す圧縮機の概略的なモータ配線図である。
図4図4は、図3の他の実施形態を示す概略的なモータ配線図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の空気調和装置1は、圧縮機2、室外熱交換器3、減圧手段4および室内熱交換器5を有する冷凍サイクル6を備えている。減圧手段4としては、一般に膨張弁やキャピラリチューブが用いられている。また、空気調和装置1は、通常、冷房および暖房が可能となっており、冷凍サイクル6には、冷房と暖房を切り換えるための四方弁7が圧縮機2の吐出側に設けられている。
【0018】
そして、空気調和装置1で室内を冷房する際には、図中の四方弁7内の実線に沿って流路を形成し、圧縮機2の吐出冷媒を室外熱交換器3へと供給して、冷媒は図中a方向に循環される。一方、室内を暖房する際には、図中の四方弁7内の破線に沿って流路を形成し、圧縮機2の吐出冷媒を室内熱交換器5へと供給して、冷媒は図中b方向に循環される。
【0019】
従って、空気調和装置1で室内を冷房する際には、圧縮機2から吐出された高温高圧の気相冷媒を室外熱交換器3で冷却して高圧の液相冷媒とし、この冷媒を減圧手段4で断熱膨張させて圧力と温度を下げた後、室内熱交換器5で気化させて気相冷媒とし、圧縮機2に戻すようになっている。この場合、室外熱交換器3は凝縮器として機能し、室内熱交換器5は蒸発器として機能する。これによって、室内熱交換器5で低温低圧の冷媒が室内空気と熱交換を行い、冷房運転を行う。
【0020】
一方、空気調和装置1で室内を暖房する際には、冷房の時とは逆に、圧縮機2から吐出された高温高圧の気相冷媒を室内熱交換器5で冷却して高圧の液相冷媒とし、この冷媒を減圧手段4で断熱膨張させて圧力と温度を下げた後、室外熱交換器5で気化させて気相冷媒とし、圧縮機2に戻すようになっている。この場合、室外熱交換器3は蒸発器として機能し、室内熱交換器5は凝縮器として機能する。これによって、室内熱交換器5で高温高圧の冷媒が室内空気と熱交換を行い、暖房運転を行う。
【0021】
ところで、本実施形態の圧縮機2は、図2に示すように、冷媒の圧縮部210と、この圧縮部210を駆動するモータ220とが一体化されて密閉容器230に内蔵されている。
【0022】
また、本実施形態では、冷凍サイクル6を循環する冷媒としては、冷凍効率を高めるために可燃性や微燃性の冷媒が用いられている。この可燃性や微燃性の冷媒としては、例えば、R32、R1234yf、R1234ze、R290(プロパン)、R161、R152a、R1234yfとR32との混合冷媒、R1234zeとR32との混合冷媒等がある。
【0023】
次に、圧縮機2の構造を説明する。尚、この圧縮機2を説明するにあたって、図中上方を上方、図中下方を下方とする。
【0024】
圧縮機2の密閉容器230は、両端が上下の閉止板231、232によって閉塞される円筒状をなしている。密閉容器230の内部は、密閉容器230に固定した隔成壁233を境にして上方に圧縮部210が配置され、下方に圧縮部210を駆動するモータ220が配置される。このとき、隔成壁233を境にして圧縮部210を配置した内部が圧縮部配置室R1となり、かつ、モータ220を配置した内部がモータ配置室R2となっている。
【0025】
圧縮部210は、本実施形態ではスクロール圧縮機として構成されている。このスクロール圧縮機は、一対の同一形状の渦巻き体211、212を有し、それぞれの渦巻き体211、212を互いに反転させる向きにして、それぞれを部分的に密接させるようにして圧縮部210を構成しているものである。
【0026】
圧縮部210の外周側から吸い込まれた冷媒は、圧縮部210の内で圧縮されつつ中心部方向へと案内される。その後圧縮部210上方へ流出した高温高圧の冷媒は吐出管241へ導出される。
【0027】
モータ220は、密閉容器230の内周に圧入固定される環状のステータ221と、このステータ221の内周に僅かの隙間δを設けて回転自在に嵌合されるロータ222とを備えている。
【0028】
ステータ221には、モータ巻線223が巻回されており、かつ、ロータ222は、外周にN極とS極が交互に等間隔をもって複数着磁された永久磁石によって形成されている。そして、モータ巻線223に電流が印加されることにより、ロータ222が回転されるようになっている。また、モータ巻線223には、モータ巻線223の温度により接点を開閉する温度保護スイッチ11が固定されている。
【0029】
ロータ222の回転中心には、このロータ222と一体となって回転するように回転出力軸224が貫通している。この回転出力軸224の上端部は、隔成壁233に設けた軸受部B1に回転自在に支持される。この回転出力軸224の回転で渦巻き体212が偏心回転運動をするようになっており、これによって圧縮部210が冷媒の圧縮を行う。
【0030】
このように構成された圧縮機2は、図1にも示すように、密閉容器230の中腹部に冷媒導入管240が接続され、かつ、密閉容器230の上端部に冷媒吐出管241が接続される。そして、冷媒導入管240から密閉容器230内に吸い込んだ冷媒を、圧縮部210で圧縮して冷媒吐出管241から吐出するようになっている。
【0031】
図2に示すように、冷媒導入管240は、圧縮部配置室R1とモータ配置室R2との間の連通路237に対応する位置に連通され、かつ、冷媒吐出管241は、圧縮機2の上部、要するに、圧縮部210の吐出側に対応する位置に連通されている。
【0032】
従って、圧縮部配置室R1に案内された冷媒は、圧縮部210に直接取り込まれて圧縮される。一方、モータ配置室R2側に案内された冷媒は、モータ配置室R2内に充満し、その後、連通路237を通って圧縮部配置室R1へと供給されて圧縮部210に取り込まれる。このとき、モータ配置室R2内が低圧の冷媒で充満されるため、本実施形態の圧縮機2は内部低圧型となる。
【0033】
図3は、モータ220のモータ巻線223の回路図を示し、本実施形態ではS接点、R接点、C接点を有する単相モータの場合を示す。C接点にはモータ電源線Hcが接続され、R接点にはモータ電源線Hrが接続され、S接点にはモータ電源線Hrから分岐したモータ電源線Hsが接続されている。
【0034】
そして、空気調和装置1の電源10をオンにすると、モータ電源線Hc、Hr、Hsに電流が印加される。これにより、永久磁石のロータ222が回転して圧縮機2が駆動され、冷凍サイクル6に冷媒を循環させる。
【0035】
ここで、本実施形態では、図3に示すように、モータ電源線Hcに電源リレー12を配置し、この電源リレー12によってモータ220へ供給する電力のオン・オフができるようになっている。電源リレー12は、常開式の電源スイッチ12aと電磁コイル12bとを有しており、接点端子T1、T2にモータ電源線Hcが接続され、コイル端子T3、T4に低電流配線Hlが接続される。
【0036】
コイル端子T3、T4に接続された低電流配線Hlは、電源10に接続され、Hc、Hr、Hsとは別の回路である。また、低電流配線Hlは、抵抗体である電磁コイル12bを有しているため、低電流配線に流れる電流は低い値(低電流)となる。
【0037】
なお、本実施例では、低電流配線Hlは電源10から電力を供給されているが、低電流配線Hlに電力を供給する電源は別電源であってもよい。
【0038】
さらに、本実施形態では、図3に示すように、密閉容器230内においてモータ巻線223の近傍に温度保護スイッチ11を配置し、この温度保護スイッチ11によってモータ巻線223の温度を直接検知できるようになっている。
【0039】
尚、本実施形態では、温度保護スイッチ11をC接点に接続されるモータ巻線223の近傍に配置した状態で示してあるが、温度保護スイッチ11で温度検知するモータ巻線223は、S接点やR接点に接続される他のモータ巻線223であってもよい。また、温度保護スイッチ11は、従来と同様にバイメタルスイッチ式となっており、検知温度が設定温度未満でオンとなり、設定温度以上でオフとなる。
【0040】
温度保護スイッチ11は、電源10に接続した低電流配線Hlによって電流が供給されるようになっている。この低電流配線Hlは、温度保護スイッチ11のオン・オフ時に火花が発生しないよう温度保護スイッチ11に流れる電流を制限する必要があるが、上述したように、低電流配線Hlは、抵抗体である電磁コイル12bを有しているため、低電流配線に流れる電流は低い値(低電流)となる。また、低電流配線Hlに流れる電流を低下させる手段として、例えば、図示しない定電流ダイオード(CRD:Current Regulative Diode)を用いてもよい。
【0041】
因に、温度保護スイッチ11がオン・オフされた際に火花が発生する条件としては、5kVAを超える電力を温度保護スイッチ11に印加している場合であることが確かめられている。従って、低電流配線Hlに印加する電力値は5kVA以下になるように電磁コイル12bの抵抗値を設定していればよい。
【0042】
従って、温度保護スイッチ11のオンで電源リレー12は電磁コイル12bが励磁されてオンとなり、温度保護スイッチ11がオフされた際に電磁コイル12bが消磁されてオフとなり、モータ電源線Hcを遮断するようになっている。これにより、圧縮機2の負荷が過大となってモータ巻線223が過熱した場合には、これを温度保護スイッチ11が検知して電源リレー12をオフしてモータ220を停止し、これにより圧縮機2が停止される。尚、電源リレー12は、モータ電源線Hcに設けた場合を示したが、これに限ることなく他のモータ電源線Hr、Hsに設けた場合にも同様に機能させることができる。
【0043】
また、本実施形態では、モータ電源線Hrに過電流保護リレー13が設けられており、モータ巻線133に過電流が流れた場合に、その過電流保護リレー13でモータ電源線Hrを遮断してモータ220(圧縮機2)を停止するようになっている。更に、モータ電源線Hsには運転キャパシタ14が設けられており、位相をずらして回転磁界を発生させている。
【0044】
以上説明したように、本実施形態の空気調和装置1によれば、温度保護スイッチ11を、圧縮機2の密閉容器230内においてモータ巻線223の近傍に配置してある。そして、その温度保護スイッチ11に接続した低電流配線Hlによって電源10から電流が供給されるが、その低電流配線H1には、温度保護スイッチ11のオン・オフ時に火花が発生する電流値未満の電流、つまり、火花が発生しない大きさの電流が流れる。
【0045】
従って、温度保護スイッチ11を、密閉容器230内においてモータ巻線223の近傍に配置したことにより、モータ巻線223の過熱を精度良く検知できる。また、密閉容器230内は可燃性や微燃性の冷媒が充満しているが、この密閉容器230内に温度保護スイッチ11を配置した場合にも、温度保護スイッチ11がオン・オフされる際に火花が発生することが無いため、密閉容器230内の冷媒が着火することを防止できる。
【0046】
また、本実施形態によれば、圧縮機2のモータ電源線Hcに電源リレー12を設けて、この電源リレー12のコイル端子T3、T4に低電流配線Hlを接続してある。これにより、電源リレー12が、温度保護スイッチ11のオン・オフに連動してオン・オフされるため、温度保護スイッチ11がモータ巻線223の過熱を検知した場合に、電源リレー12がモータ電源線Hcの通電を遮断する。従って、このようにモータ電源線Hcが遮断されることによりモータ220を停止できるため、圧縮機2を安全に保護することができる。
【0047】
また、本実施形態では単相のモータを例として詳述したが、図4のような三相モータの場合でも同様の効果を成し得る。この場合、モータ220は接点U、接点V、接点Wを有する三相モータであり、接点Uはモータ電源線Huを介して、接点Vはモータ電源線Hvを介して、接点Wはモータ電源線Hwを介してインバータ15に接続されている。インバータ15はモータ220の回転数の制御を行っている。インバータ15は電源線16及び電源線17を介して電源10と接続されている。
【0048】
ここで、図4に示すように電源線16に電源リレー12を配置し、この電源リレー12によってモータへ供給する電力のオン・オフができるようになっている。尚、電源リレー12の動作については、図3の単相モータの例と同様である。
【0049】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本実施形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、圧縮部210としてスクロール圧縮機を示したが、内部低圧型であればこれ以外の圧縮機、例えば、ロータリ圧縮機等を用いた圧縮機であっても本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0050】
1 空気調和装置
2 圧縮機
6 冷凍サイクル
10 電源
11 温度保護スイッチ
12 電源リレー
12a 電源スイッチ
12b 電磁コイル
210 圧縮部
220 モータ
223 モータ巻線
230 密閉容器
Hl 低電流配線
Hc モータ電源線
T3、T4 電源リレーのコイル端子
図1
図2
図3
図4