特許第6064579号(P6064579)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6064579
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】プリフォームの検査方法及び検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/90 20060101AFI20170116BHJP
【FI】
   G01N21/90 A
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-278478(P2012-278478)
(22)【出願日】2012年12月20日
(65)【公開番号】特開2014-122815(P2014-122815A)
(43)【公開日】2014年7月3日
【審査請求日】2015年11月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】313005282
【氏名又は名称】東洋製罐株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086759
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 喜平
(74)【代理人】
【識別番号】100109128
【弁理士】
【氏名又は名称】岡野 功
(74)【代理人】
【識別番号】100142099
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 真一
(74)【代理人】
【識別番号】100154184
【弁理士】
【氏名又は名称】生富 成一
(72)【発明者】
【氏名】横川 良治
(72)【発明者】
【氏名】大渕 靖
【審査官】 蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−346812(JP,A)
【文献】 特開2001−289790(JP,A)
【文献】 特開2001−311696(JP,A)
【文献】 特開2006−003322(JP,A)
【文献】 特開平10−157798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトル状の合成樹脂製容器に成形されるプリフォームのネジ部が形成された口部を検査するにあたり、
前記口部内に挿入される突出部を備えるホルダに前記プリフォームを保持し、
前記ホルダには、前記ホルダの下端側に開口するとともに、前記ホルダの中心軸に対して傾斜する斜面を有する凹部が形成されており、前記ホルダに保持して搬送されるプリフォームの下方に配置された照明装置からの照射光を前記凹部の斜面から前記ホルダ内に入射させ、前記口部の内周面に対向する前記ホルダの側面から出射させ、
前記口部を、前記ホルダの側面から出射する光により内周面側から照明された状態で、前記口部の側方に配置された撮像装置によって撮像することで、前記口部の欠陥の有無を検出することを特徴とするプリフォームの検査方法。
【請求項2】
前記凹部が円錐状である請求項に記載のプリフォームの検査方法。
【請求項3】
前記口部の径に対して、胴部の径が大きく絞り込まれたプリフォームを検査対象とし、前記凹部の開口径を前記胴部の内径以上とする請求項に記載のプリフォームの検査方法。
【請求項4】
ボトル状の合成樹脂製容器に成形されるプリフォームのネジ部が形成された口部を検査するにあたり、
前記口部内に挿入される突出部を備えるホルダに前記プリフォームを保持し、
前記ホルダには、前記ホルダの下端側に開口するとともに、前記ホルダの中心軸に対して逆テーパ状に傾斜する斜面を有し、前記斜面が粗面とされた凹部が形成されており、前記ホルダに保持して搬送されるプリフォームの下方に配置された照明装置からの照射光を前記ホルダの下端から前記ホルダ内に入射させ、前記斜面に達した当該照明光を拡散と反射によって前記ホルダ内を伝搬させて、前記口部の内周面に対向する前記ホルダの側面から出射させ、
前記口部を、前記ホルダの側面から出射する光により内周面側から照明された状態で、前記口部の側方に配置された撮像装置によって撮像することで、前記口部の欠陥の有無を検出することを特徴とするプリフォームの検査方法。
【請求項5】
ボトル状の合成樹脂製容器に成形されるプリフォームのネジ部が形成された口部を検査する検査装置であって、
前記口部内に挿入される突出部を備えるホルダと、
前記ホルダに保持して搬送されるプリフォームの下方に配置された照明装置と、
前記プリフォームの口部の側方に配置された撮像装置とを備え、
前記ホルダには、前記ホルダの下端側に開口するとともに、前記ホルダの中心軸に対して傾斜する斜面を有する凹部が形成されており、
前記照明装置からの照射光を前記凹部の斜面から前記ホルダ内に入射させ、前記口部の内周面に対向する前記ホルダの側面から出射させ、前記プリフォームの口部を内周面側から照明された状態で前記撮像装置によって撮像することで、前記口部の欠陥の有無を検出することを特徴とするプリフォームの検査装置。
【請求項6】
ボトル状の合成樹脂製容器に成形されるプリフォームのネジ部が形成された口部を検査する検査装置であって、
前記口部内に挿入される突出部を備えるホルダと、
前記ホルダに保持して搬送されるプリフォームの下方に配置された照明装置と、
前記プリフォームの口部の側方に配置された撮像装置とを備え、
前記ホルダには、前記ホルダの下端側に開口するとともに、前記ホルダの中心軸に対して逆テーパ状に傾斜する斜面を有し、前記斜面が粗面とされた凹部が形成されており、
前記照明装置からの照射光を前記ホルダの下端から前記ホルダ内に入射させ、前記斜面に達した当該照明光を拡散と反射によって前記ホルダ内を伝搬させて、前記口部の内周面に対向する前記ホルダの側面から出射させ、前記プリフォームの口部を内周面側から照明された状態で前記撮像装置によって撮像することで、前記口部の欠陥の有無を検出することを特徴とするプリフォームの検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロー成形によってボトル状の合成樹脂製容器に成形されるプリフォームの検査方法及び検査装置に関し、特に、当該プリフォームのネジ部が形成された口部の欠陥の有無を検査するための検査方法及び検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂を用いて有底筒状のプリフォームを形成し、次いで、このプリフォームを二軸延伸ブロー成形などによってボトル状に成形してなる合成樹脂製ボトルが、各種飲料品が内容物として充填される飲料用容器として広い分野で一般的に利用されている。そして、このような合成樹脂製ボトルを量産するに際しては、ブロー成形に先だってプリフォームの欠陥の有無を検査し、瑕疵のあるプリフォームを予め排除しておくことによって生産性を高めることが望まれる。
【0003】
プリフォームの欠陥の有無を検査する装置として、例えば、特許文献1には、プリフォームのネジ部が形成された口部(ネジ口部)を検査するための装置が開示されている。特許文献1の装置では、プリフォームのネジ口部に係合するホルダに、ネジ口部内に挿入される突出部を設けておき、この突出部によってプリフォームの下方に設置された照明装置からの投光がネジ口部に向けて反射されるようにしている。これにより、ホルダに設けた突出部で反射した反射光が、ネジ口部を透過して撮像装置に入射するようにして、撮像装置に面したネジ口部のみを撮像するようにすることで、撮像装置とは反対側に位置するネジ口部の画像が重なるのを避けて検査に支障が生じないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−289790号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の装置は、プリフォームPのネジ口部の径と胴部の径が同程度の場合を想定している。このため、図6(a)に示すように、ネジ口部の径と胴部の径が同程度とされたプリフォームPにあっては、プリフォームPの下方に配置された照明装置からの投光がプリフォームPの底部を透過して、ホルダHに設けた突出部に到達し、突出部に到達した光をネジ口部に向けて反射させることができる。
しかしながら、図6(b)に示すように、口部の径に対して、胴部の径が大きく絞り込まれたプリフォームPにあっては、照明装置からの投光の多くがプリフォームPの側壁に遮られてしまう。その結果、ホルダHに設けた突出部に到達する光量が著しく低減してしまい、撮像装置が検出する光量の不足を招いてしまうことから、プリフォームPのネジ口部に異物がなくとも、不良と判定してしまう誤動作が起きてしまうという問題があった。
なお、図6は、上記問題を説明するためのイメージ図であり、照明装置からの投光を矢印で簡略に示している。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされた発明であって、ブロー成形によってボトル状の合成樹脂製容器に成形されるプリフォームを検査するにあたり、プリフォームの形態に左右されることなく、プリフォームの口部の検査を良好に行うことができるプリフォームの検査方法及び検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るプリフォームの検査方法は、ボトル状の合成樹脂製容器に成形されるプリフォームのネジ部が形成された口部を検査するにあたり、前記口部内に挿入される突出部を備えるホルダに前記プリフォームを保持し、前記ホルダには、前記ホルダの下端側に開口するとともに、前記ホルダの中心軸に対して傾斜する斜面を有する凹部が形成されており、前記ホルダに保持して搬送されるプリフォームの下方に配置された照明装置からの照射光を前記凹部の斜面から前記ホルダ内に入射させ、前記口部の内周面に対向する前記ホルダの側面から出射させ、前記口部を、前記ホルダの側面から出射する光により内周面側から照明された状態で、前記口部の側方に配置された撮像装置によって撮像することで、前記口部の欠陥の有無を検出する方法としてある。
また、本発明に係るプリフォームの検査方法は、ボトル状の合成樹脂製容器に成形されるプリフォームのネジ部が形成された口部を検査するにあたり、前記口部内に挿入される突出部を備えるホルダに前記プリフォームを保持し、前記ホルダには、前記ホルダの下端側に開口するとともに、前記ホルダの中心軸に対して逆テーパ状に傾斜する斜面を有し、前記斜面が粗面とされた凹部が形成されており、前記ホルダに保持して搬送されるプリフォームの下方に配置された照明装置からの照射光を前記ホルダの下端から前記ホルダ内に入射させ、前記斜面に達した当該照明光を拡散と反射によって前記ホルダ内を伝搬させて、前記口部の内周面に対向する前記ホルダの側面から出射させ、前記口部を、前記ホルダの側面から出射する光により内周面側から照明された状態で、前記口部の側方に配置された撮像装置によって撮像することで、前記口部の欠陥の有無を検出する方法としてもよい。
【0008】
また、本発明に係るプリフォームの検査装置は、ボトル状の合成樹脂製容器に成形されるプリフォームのネジ部が形成された口部を検査する検査装置であって、前記口部内に挿入される突出部を備えるホルダと、前記ホルダに保持して搬送されるプリフォームの下方に配置された照明装置と、前記プリフォームの口部の側方に配置された撮像装置とを備え、前記ホルダには、前記ホルダの下端側に開口するとともに、前記ホルダの中心軸に対して傾斜する斜面を有する凹部が形成されており、前記照明装置からの照射光を前記凹部の斜面から前記ホルダ内に入射させ、前記口部の内周面に対向する前記ホルダの側面から出射させ、前記プリフォームの口部を内周面側から照明された状態で前記撮像装置によって撮像することで、前記口部の欠陥の有無を検出する構成としてある。
また、本発明に係るプリフォームの検査装置は、ボトル状の合成樹脂製容器に成形されるプリフォームのネジ部が形成された口部を検査する検査装置であって、前記口部内に挿入される突出部を備えるホルダと、前記ホルダに保持して搬送されるプリフォームの下方に配置された照明装置と、前記プリフォームの口部の側方に配置された撮像装置とを備え、前記ホルダには、前記ホルダの下端側に開口するとともに、前記ホルダの中心軸に対して逆テーパ状に傾斜する斜面を有し、前記斜面が粗面とされた凹部が形成されており、前記照明装置からの照射光を前記ホルダの下端から前記ホルダ内に入射させ、前記斜面に達した当該照明光を拡散と反射によって前記ホルダ内を伝搬させて、前記口部の内周面に対向する前記ホルダの側面から出射させ、前記プリフォームの口部を内周面側から照明された状態で前記撮像装置によって撮像することで、前記口部の欠陥の有無を検出することを特徴とするプリフォームの検査装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、プリフォームの形態に左右されることなく、プリフォームの口部の欠陥の有無を良好に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の本実施形態に係るプリフォームの検査装置の要部の概略を示す平面図である。
図2図1のA−A断面に相当する部位を示す本発明の本実施形態に係るプリフォームの検査装置の説明図である。
図3】ホルダの一例を示す説明図である。
図4】ホルダの他の一例を示す説明図である。
図5】ホルダの他の一例を示す説明図である。
図6】従来技術の問題を説明するためのイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係るプリフォームの検査装置の要部の概略を示す平面図であり、図2は、図1のA−A断面に相当する部位を示す当該検査装置の説明図である。
【0012】
本実施形態に係るプリフォームの検査装置は、ブロー成形によってボトル状の合成樹脂製容器に成形されるプリフォーム1のネジ部が形成された口部2の欠陥の有無を検査するための装置である。
【0013】
すなわち、一般に、ペットボトルなどの合成樹脂製容器は、熱可塑性樹脂を使用して射出成形や圧縮成形などによって成形された有底筒状のプリフォーム1を、二軸延伸ブロー成形などにより所定の容器形状に成形することによって製造されるが、このようなプリフォーム1を成形する工程において、異物混入など欠陥がプリフォームの口部2に生じているか否かの検査をするためのものである。
【0014】
このような検査を行なうにあたり、本実施形態では、検査対象となるプリフォーム1を、搬送装置4が備えるホルダ5に保持して検査経路を搬送するが、プリフォームを検査する検査経路には、搬送されるプリフォーム1の下方に位置するように、その経路に沿って照明装置10が配置されている。
【0015】
また、図2に示すように、プリフォーム1を保持するホルダ5は、プリフォーム1の口部2の上端縁に当接するフランジ部6と、口部2内に挿入される突出部7とを備えている。そして、ホルダ5の内部には、プリフォーム1内の空気を吸引するための貫通孔8が形成されており、口部2の上端縁にフランジ部6を当接させた状態で、プリフォーム1内の空気を吸引することによって、プリフォーム1がホルダ5に吸着されるようになっている。
このとき、ホルダ5が備える突出部7は、フランジ部6から垂直に垂下するように形成されるようにしても良いが、プリフォーム1の口部2内に挿入しやすいように、フランジ部6側の径よりも、下端側の径がわずかに小径となるように形成するのが好ましい。
【0016】
また、プリフォーム1を保持するホルダ5には、ホルダ5の下端側に開口するとともに、ホルダ5の中心軸C(図3参照)に対して傾斜する斜面を有する円錐状の凹部9が、貫通孔8と連通するように形成されている。前述したように、プリフォーム1の下方には、検査経路に沿って照明装置10が配置されているところ、このような凹部9を形成することで、プリフォーム1の下方に配置された照明装置10から照射された光が、当該凹部9の斜面からホルダ5内に入射し、ホルダ5内を伝搬してプリフォーム1の口部内周面に対向するホルダ5の側面から出射するようにしてある。
【0017】
また、検査経路には、プリフォーム1の口部2の側方に位置するように撮像装置20が配置されている。これにより、プリフォーム1の口部2が、ホルダ5の側面から出射する光により内周面側から照明された状態で、撮像装置20によって撮像される。そして、撮像装置20で撮像された画像は、画像処理装置21によって処理されて、口部2に異物混入などの欠陥がある場合には、その部分の画像が他の正常な部分の画像より暗くなり、これによって、欠陥を検出することができる。
【0018】
なお、特に図示しないが、プリフォーム1を保持するホルダ5には回転機構が備えられており、ホルダ5に保持されたプリフォーム1が中心軸回りに自転しながら検査経路を搬送されて、プリフォーム1の口部2の周方向に沿った全周を撮像装置20で撮像できるようになっている。また、欠陥が検出されたプリフォーム1は、ホルダ5の吸着が解除されることによって排出されるようになっている。
【0019】
このように、本実施形態では、プリフォーム1の下方に配置された照明装置10から照射された光が入射したホルダ5が二次的な光源となって、プリフォーム1の口部2を内周面側から照明するようにして口部2を撮像することで、その欠陥の有無を検出するようにしている。
したがって、図2に示すように、プリフォーム1の口部2の径に対して、胴部3の径が大きく絞り込まれたプリフォーム1を検査対象とする場合であっても、プリフォーム1の下方に配置された照明装置10から照射された光が、プリフォーム1によって遮られることなくホルダ5に到達し、ホルダ5内を伝搬してプリフォーム1の口部2を照明することができる。
【0020】
このとき、プリフォーム1の口部2を効率よく照明するためには、ホルダ5内に入射した光が拡散しながらホルダ5内を伝搬していくようにするのが好ましい。このため、ホルダ5は、入射光を拡散させることができる、顔料などの粒子を分散させた樹脂材料、又は乳白色状の樹脂材料によって形成するのが好ましいが、少なくとも照明装置10から照射された光が入射する凹部9の斜面を粗面にして、入射光が拡散するようになっていれば、透明材料によって形成することもできる。
【0021】
後者の場合、すなわち、ホルダ5が透明材料によって形成される場合、照明装置10から照射された光が入射する凹部9の斜面を粗面とするにあたっては、プリフォーム1の口部2を効率よく照明することができるとともに、撮像装置20に面した口部2のみを撮像することができるように、その面粗度を適宜調整する。また、光が出射するホルダ5の側面も粗面とすることで、プリフォーム1の口部2をより効率よく照明することができる。
【0022】
また、図2に示す例では、ホルダ5の下端側に開口するとともに、ホルダ5の中心軸Cに対して傾斜する斜面を有する円錐状の凹部9を形成して、ホルダ5に到達した光が、その斜面から入射してホルダ5の内部を伝搬して側面から出射するようにしている。このとき、ホルダ5内に入射する光量が多くなるように、口部2の径に対して、胴部3の径が大きく絞り込まれたプリフォーム1を検査対象とする場合には、凹部9の開口径は、プリフォーム1の胴部3の内径以上とするのが好ましい。
【0023】
また、ホルダ5に到達した光がホルダ5内に入射する凹部9の斜面の傾斜角度(ホルダ5の中心軸Cとのなす角度)α(図3参照)は、ホルダ5の側面から出射して撮像装置20に到達する光量が多くなるように適宜調整することができる。また、図4に示すように、凹部9の斜面は、中心軸Cを含む断面が曲線状に現れるように、その曲率を適宜調整して、撮像装置20に到達する光量が多くなるようにすることもできる。本実施形態においてホルダ5に形成する凹部9は、ホルダ5の下端側に開口するとともに、ホルダ5の中心軸Cに対して傾斜することで、ホルダ5に到達した光がホルダ5内に入射する斜面を有していれば、その具体的な形状は限られないが、加工が容易であることから円錐状とするのが好ましい。
【0024】
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0025】
例えば、前述した本実施形態では、ホルダ5の下端側に開口するとともに、ホルダ5の中心軸Cに対して傾斜する斜面を有する凹部9を形成して、ホルダ5に到達した光が、その斜面から入射してホルダ5の内部を伝搬して側面から出射するようにした例を示したが、照明装置10からの光をホルダ5が受けて、ホルダ5が二次的な光源となってプリフォーム1の口部2を照明することができれば、ホルダ5の具体的な形状は限定されない。
例えば、ホルダ5に形成する凹部9を、図5に示すような逆テーパ状とし、ホルダ5の中心軸Cに対して傾斜する斜面である、その内周面を粗面とすることによっても、ホルダ5を二次的な光源としてプリフォーム1の口部2を照明することが可能である。すなわち、図5に示す例にあっては、ホルダ5の下端側からホルダ5内に入射した光が、ホルダ5の中心軸Cに対して傾斜する斜面(凹部9の内周面)に達すると、拡散と反射によってホルダ5の内部を伝搬してホルダ5の側面から出射するようになっており、このような態様のものも本発明に包含される。
【産業上の利用可能性】
【0026】
以上のような本発明は、プリフォームのネジ部が形成された口部の欠陥の有無を検査するのに利用することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 プリフォーム
2 口部
3 胴部
5 ホルダ
7 突出部
9 凹部
10 照明装置
20 撮像装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6