特許第6064644号(P6064644)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6064644
(24)【登録日】2017年1月6日
(45)【発行日】2017年1月25日
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20170116BHJP
   H01M 2/12 20060101ALI20170116BHJP
【FI】
   H01M2/10 A
   H01M2/12 101
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-23402(P2013-23402)
(22)【出願日】2013年2月8日
(65)【公開番号】特開2014-154381(P2014-154381A)
(43)【公開日】2014年8月25日
【審査請求日】2015年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩生
(72)【発明者】
【氏名】加藤 崇行
(72)【発明者】
【氏名】渡▲辺▼ 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】大石 英史
(72)【発明者】
【氏名】酒井 崇
(72)【発明者】
【氏名】守作 直人
(72)【発明者】
【氏名】前田 和樹
【審査官】 守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/073438(WO,A1)
【文献】 特開2012−128960(JP,A)
【文献】 特開昭64−038517(JP,A)
【文献】 特開平11−014040(JP,A)
【文献】 特開平07−242124(JP,A)
【文献】 特開2004−161057(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 2/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池と、
前記二次電池が収容されるケースと、
前記ケースの内部を前記二次電池が収容される収容空間と、前記収容空間よりも鉛直方向上方に設けられる排出空間とに区画する区画板と、
前記区画板によって形成され、前記収容空間と前記排出空間とを連通させる連通部と、
前記ケースの前記排出空間と対向する部分に設けられ、前記ケースの内圧が規定圧力を超えたときに前記排出空間と前記ケースの外部とを連通させる開放部と、を備え、
前記区画板は、前記連通部を形成する縁部と、前記開放部に最も近い端部との間に前記縁部より鉛直方向下方に位置する部分を有し、前記開放部は、当該部分を介して前記連通部の反対側に設けられていることを特徴とする電池パック。
【請求項2】
二次電池と、
前記二次電池が収容されるケースと、
前記ケースの内部を前記二次電池が収容される収容空間と、前記収容空間よりも鉛直方向上方に設けられる排出空間とに区画する区画板と、
前記区画板によって形成され、前記収容空間と前記排出空間とを連通させる連通部と、
前記ケースの前記排出空間と対向する部分に設けられ、前記ケースの内圧が規定圧力を超えたときに前記排出空間と前記ケースの外部とを連通させる開放部と、を備え、
前記区画板は、前記連通部を形成する縁部と、前記開放部に最も近い端部との間に前記縁部より鉛直方向下方に位置する部分を有し、前記開放部は、当該部分の鉛直方向上方に設けられていることを特徴とする電池パック。
【請求項3】
前記開放部は、前記ケースの立設する側壁に設けられ、
前記縁部は、前記開放部における最も鉛直方向下方の部分より鉛直方向上方に位置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記区画板は、前記縁部から延設される第1板部材と、前記開放部と最も近い端部から延設される第2板部材と、前記第1板部材と前記第2板部材とを連設する第3板部材とを有することを特徴とする請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載の電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池を収容するケースの内圧が規定圧力を超えたときにケースの外部とケースの内部を連通させる開放部を有する電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電池セルをケース内に収容した電池パックとしては、例えば、特許文献1に記載の電池モジュールが知られている。
特許文献1に記載の電池モジュールは、ケースの内部が平板によって複数の素電池を収容する収容部と、素電池から排出されるガスをケース外に排出する排気ダクトとに区画されている。平板には、収容部と排気ダクトとを連通する貫通孔が設けられている。ケースには、ケースの外部と排気ダクトとを連通させる排出口が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−65906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、排出口から水が入り込み、素電池に付着すると、素電池が故障し、使用できなくなるおそれがある。
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、二次電池に水が付着することを抑制することができる電池パックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する電池パックは、二次電池と、前記二次電池が収容されるケースと、
前記ケースの内部を前記二次電池が収容される収容空間と、前記収容空間よりも鉛直方向上方に設けられる排出空間とに区画する区画板と、前記区画板によって形成され、前記収容空間と前記排出空間とを連通させる連通部と、前記ケースの前記排出空間と対向する部分に設けられ、前記ケースの内圧が規定圧力を超えたときに前記排出空間と前記ケースの外部とを連通させる開放部と、を備え、前記区画板は、前記連通部を形成する縁部と、前記開放部に最も近い端部との間に前記縁部より鉛直方向下方に位置する部分を有し、前記開放部は、当該部分を介して前記連通部の反対側に設けられていることを要旨とする。
上記課題を解決する電池パックは、二次電池と、前記二次電池が収容されるケースと、
前記ケースの内部を前記二次電池が収容される収容空間と、前記収容空間よりも鉛直方向上方に設けられる排出空間とに区画する区画板と、前記区画板によって形成され、前記収容空間と前記排出空間とを連通させる連通部と、前記ケースの前記排出空間と対向する部分に設けられ、前記ケースの内圧が規定圧力を超えたときに前記排出空間と前記ケースの外部とを連通させる開放部と、を備え、前記区画板は、前記連通部を形成する縁部と、前記開放部に最も近い端部との間に前記縁部より鉛直方向下方に位置する部分を有し、前記開放部は、当該部分の鉛直方向上方に設けられていることを要旨とする。
【0006】
これによれば、ケースの内圧が規定圧力を超えることで開放部が開放され、ケースの外部と排出空間が連通し、開放部から排出空間に水が侵入しても、開放部を形成する縁部よりも鉛直方向下方に位置する部分によって水が連通部に至ることが抑制される。このため、水が収容空間まで侵入しにくく、収容空間に収容される二次電池に水が付着することが抑制される。
【0007】
上記電池パックについて、前記開放部は、前記ケースの立設する側壁に設けられ、前記縁部は、前記開放部における最も鉛直方向下方の部分より鉛直方向上方に位置することが好ましい。
【0008】
これによれば、縁部より鉛直方向下方の部分に水が貯留していき、水位が上がると、水は開放部からケースの外部に排出される。このため、水が連通部に至りにくい。
上記電池パックについて、前記区画板は、前記縁部から延設される第1板部材と、前記開放部と最も近い端部から延設される第2板部材と、前記第1板部材と前記第2板部材とを連設する第3板部材とを有することが好ましい。
【0009】
これによれば、第3板部材によって段差が形成され、水が連通部に至りにくい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、二次電池に水が付着することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態のフォークリフトを示す概略側面図。
図2】実施形態の電池パックを示す鉛直方向に直交する方向の断面図。
図3】実施形態の電池パックを示す図2の3−3線断面図。
図4】実施形態の二次電池を示す断面図。
図5】別例の電池パックを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の電池パックをフォークリフトに搭載される電池パックに具体化した一実施形態について説明する。以下の説明において「前」「後」「左」「右」「上」「下」は、フォークリフトの運転者がフォークリフトの前方を向いた状態を基準とした場合の「前」「後」「左」「右」「上」「下」を示すものとする。
【0013】
図1に示すように、フォークリフト10の車体11の前下部には駆動輪12が設けられているとともに、車体11の後下部には操舵輪13が設けられている。また、車体11の前部には、荷役装置が設けられている。荷役装置を構成するマスト14は、車体11の前部に立設されているとともに、当該マスト14にはリフトブラケット15を介して左右一対のフォーク16が設けられている。フォーク16には、積荷19が搭載される。車体11には、駆動輪12の駆動源となる走行用モータM1と、フォーク16の駆動源となる荷役用モータM2が搭載されている。車体11の下部には、電池パックBPが搭載されている。以下、電池パックBPについて詳細に説明を行う。
【0014】
図2及び図3に示すように、電池パックBPは、四角箱状のケース20を有している。ケース20の内部には、複数の二次電池41を有する電池モジュール40及びジャンクションボックス60が収容されている。ジャンクションボックス60には、リレーや、配線などが収容されている。
【0015】
ケース20は、四角板状の底板21と、底板21の周縁から立設された四角板状の側壁22,23,24,25と、底板21と対向して設けられる四角板状の天板26とを有している。以下、底板21の対向する縁部から立設された側壁の一つを第1の側壁22、第1の側壁22と対向する側壁を第2の側壁23、第1の側壁22と第2の側壁23が立設された縁部とは異なる縁部から立設された一つの側壁を第3の側壁24、第3の側壁24と対向する側壁を第4の側壁25として説明を行う。また、ケース20は、底板21が鉛直方向下方に位置し、天板26が鉛直方向上方に位置するように配置されている。
【0016】
底板21と天板26との間には、ケース20の内部を鉛直方向下方の収容空間S1と鉛直方向上方の排出空間S2に区画する区画板27が設けられている。区画板27は、天板26寄りに設けられており、これにより収容空間S1の容積が、排出空間S2の容積よりも大きくなっている。電池モジュール40及びジャンクションボックス60は、収容空間S1に設けられている。
【0017】
区画板27は、第1板部材30と第2板部材28と第3板部材29とからなる。第1板部材30、第2板部材28及び第3板部材29は、矩形平板状をなしている。第1板部材30と第2板部材28は、矩形平板状の第3板部材29によって連設されている。第3板部材29は、第1板部材30と第2板部材28との間で斜状に延設されている。
【0018】
区画板27は、第2板部材28と第1板部材30が、底板21及び天板26と平行をなすように設けられている。
図3に示すように、第1板部材30には、区画板27の厚み方向に貫通して設けられる切欠31が設けられている。切欠31は、平面視四角状をなしており、区画板27の第1の側壁22と対向する第1の端部27aに設けられている。
【0019】
区画板27は、第2板部材28が第2の側壁23側に位置し、第1板部材30が第1の側壁22側に位置するように設けられている。第2板部材28は、第2の側壁23、第3の側壁24及び第4の側壁25に固定されている。第3板部材29は、第3の側壁24及び第4の側壁25に固定されている。第1板部材30は、第1の側壁22、第3の側壁24及び第4の側壁25に固定されている。第1板部材30に設けられた切欠31と、第1の側壁22に囲まれる領域には、収容空間S1と排出空間S2を連通させる連通部としての平面視四角状の連通孔Hが区画されている。したがって、本実施形態において、区画板27の連通孔Hを形成する縁部は、切欠31を囲む各縁部31aとなる。第1板部材30は、この縁部31aから水平方向に延設されている。
【0020】
また、区画板27は、第2板部材28よりも第1板部材30が鉛直方向上方に位置するように設けられている。区画板27の第3板部材29は、第2の側壁23から第1の側壁22に向けて上り傾斜している。第2板部材28は、第1板部材30よりも鉛直方向下方に設けられている。すなわち、第2板部材28は、第1板部材30に設けられる切欠31の縁部31aよりも鉛直方向下方に位置する部分となる。そして、第2の側壁23、第3の側壁24、第4の側壁25、第2板部材28及び第3板部材29に囲まれる領域に、貯留部S3が区画されている。この貯留部S3は、連通孔Hよりも鉛直方向下方に位置している。
【0021】
第2の側壁23の排出空間S2と対向する部分には、排出空間S2とケース20の外部とを連通させる開放部としての貫通孔32が設けられている。第2の側壁23は、区画板27における第1の端部27aとは反対側の第2の端部27bと接する側壁である。したがって、区画板27における貫通孔32と最も近い端部とは、第2の端部27bとなる。第2板部材28は、第2の端部27bから水平方向に延設されている。
【0022】
貫通孔32には、ケース20の内圧が規定圧力を超えたときに破断することで開放される圧力開放弁33が設けられている。この「規定圧力」は、ケース20の内圧が高まったときに、ケース20の内圧によってケース20が破損する前に圧力開放弁33が破断するような圧力に設定される。貫通孔32は、圧力開放弁33によって閉塞されている。なお、貫通孔32の下端(開放部における最も鉛直方向下方の部分)は、切欠31の縁部31aよりも鉛直方向下方に設けられている。換言すれば、切欠31の縁部31aは、貫通孔32の下端よりも鉛直方向上方に位置している。
【0023】
図4に示すように、二次電池41(例えば、リチウムイオン二次電池や、ニッケル水素蓄電池)は、電池ケース42の内部に電極組立体43及び電解液44が収容されている。電池ケース42は、電極組立体43を収容する有底矩形箱状のケース本体45と、ケース本体45の開口部を閉塞する矩形板状の蓋部材46とから構成されている。蓋部材46には、正極端子47及び負極端子48が突設されている。また、蓋部材46には、蓋部材46の厚み方向に貫通する電池孔49が形成されるとともに、この電池孔49には、電池ケース42の内圧が規定圧力を超えたときに開放される弁50が設けられている。なお、この「規定圧力」は、電池ケース42の内圧が高まったときに、電池ケース42が破損する前に弁50が破断するような圧力に設定される。
【0024】
次に、電池パックBPの作用について説明する。
二次電池41に異常が生じた場合などに、電池ケース42の内圧が規定圧力を超えると、電池ケース42に設けられた弁50が破断する。そして、電池ケース42に設けられた弁50が破断すると、電池ケース42内の気体(例えば、水素)がケース20内に放出されて、ケース20の内圧が上昇する。
【0025】
二次電池41の弁50が破断された状態は、二次電池41に異常が生じている状態であり、弁50が破断された二次電池41を正常な二次電池41と交換する必要がある。フォークリフト10の走行中に二次電池41の弁50が破断された場合には、運転者はフォークリフト10を二次電池41の交換を行える場所まで移動させる。
【0026】
このとき、ケース20内に雨水などが侵入することを抑止するために、ケース20の貫通孔32には圧力開放弁33が設けられているが、複数の二次電池41の弁50が破断された場合には、ケース20の内圧が規定圧力に達し、圧力開放弁33も開放されるおそれがある。そして、ケース20の圧力開放弁33が破断すると、貫通孔32からケース20内に水が侵入し、正常な二次電池41の故障の原因となる可能性がある。
【0027】
本実施形態の電池パックBPにおいて、貫通孔32からケース20内に侵入した水は、まず排出空間S2を流れる。区画板27の第1の端部27a側には連通孔Hが設けられ、第2の端部27bと接する第2の側壁23には貫通孔32が設けられるため、貫通孔32から連通孔Hに至るまでの距離が長く、排出空間S2に侵入した水が収容空間S1に侵入しにくい。
【0028】
また、区画板27に、切欠31の縁部31aよりも鉛直方向下方に位置する部分を設けることで、貯留部S3が区画される。貯留部S3は、連通孔Hを形成する縁部31aと貫通孔32と最も近い端部である第2の端部27bとの間に設けられており、排出空間S2に侵入した水は、連通孔Hに至る前に貯留部S3に貯留される。このため、収容空間S1に水が侵入しにくい。貯留部S3に水が貯留され、水の液面が貫通孔32の下端に達すると、水は貫通孔32からケース20の外部に排出される。切欠31の縁部31aを貫通孔32の下端よりも鉛直方向上方に設けることで、貯留部S3に貯留された水が貫通孔32から排出されやすい。
【0029】
したがって、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)区画板27の第1の端部27aには連通孔Hが設けられ、区画板27の第2の端部27bと接する第2の側壁23には貫通孔32が設けられている。貫通孔32と連通孔Hとの間には、貯留部S3が設けられているため、水が連通孔Hに至りにくい。したがって、収容空間S1に水が侵入することで、二次電池41に水が付着することが抑制されている。このため、二次電池41が故障することが抑制される。
【0030】
(2)貫通孔32の下端が切欠31の縁部31aよりも鉛直方向下方に位置することで、貯留部S3に貯留された水の水位が上がったときには、貫通孔32からケース20の外部に水が排出されやすい。このため、水が連通孔Hに至りにくい。
【0031】
(3)第1板部材30と第2板部材28は、矩形平板状の第3板部材29によって連設されている。第3板部材29によって段差を形成することで、水が連通孔Hに至りにくい。
【0032】
なお、実施形態は以下のように変更してもよい。
図5に示すように、四角板状の区画板70全体を傾斜させてもよい。区画板70は、第2の側壁23から第1の側壁22に向けて上り傾斜するように設けられている。連通孔Hは、第1の側壁22と接する第1の端部70aに設けられた切欠31と第1の側壁22によって区画されている。第1の端部70aとは反対側の第2の端部70bは、第2の側壁23と接している。そして、区画板70において、第2の端部70b側が、縁部31aよりも鉛直方向下方の部分となる。
【0033】
○ 実施形態において、第3板部材29は、傾斜していなくてもよく、第2板部材28から第1板部材30に向けて垂直に立設されていてもよい。
○ 実施形態において、貫通孔32及び圧力開放弁33は、第1の端部27aと異なる縁部と接する側壁(第3の側壁24及び第4の側壁25)に設けられていてもよい。
【0034】
○ 実施形態において、第1板部材30が設けられていなくてもよい。この場合、第3板部材29と第1の側壁22との間の空間が連通部となる。
○ 実施形態において、区画板27の第1の端部27aに設けられた切欠31と第1の側壁22によって連通孔Hを区画したが、区画板27に、区画板27の厚み方向に貫通する孔を形成して、この孔を連通部としてもよい。なお、孔は、周面の全てが区画板27の縁部によって囲まれる。この場合、孔を形成する縁部と、貫通孔32と最も近い区画板27の端部との間に孔の縁部よりも鉛直方向下方に位置する部分が設けられる。
【0035】
○ 実施形態において、連通孔Hは、収容空間S1と排出空間S2を連通できればどのような形状でもよく、平面視円形状や、五角形状や六角形状などの多角形状などでもよい。
【0036】
○ 実施形態において、ケース20の形状は、五角箱状や六角箱状など、多角箱状であればどのような形状でもよい。
○ 実施形態において、開放部は、他の部分と比べて脆弱な脆弱部であってもよい。例えば、第2の側壁23の一部の厚みを、他の部分の厚みよりも薄くすることで、ケース20の内圧が規定圧力に達したときに薄肉部が破断されるようにしてもよい。また、第2の側壁23に凹みを設け、ケース20の内圧が上昇したときに応力が集中し、破断されるようにしてもよい。
【0037】
○ 実施形態において、区画板27には、切欠31が設けられていなくてもよい。この場合、区画板27の第1の端部27aが第1の側壁22と接しないように区画板27を設けて、区画板27の第1の端部27aと第1の側壁22との間に連通孔Hを区画する。すなわち、区画板27における第1の側壁22と第2の側壁23との対向方向の寸法が、第1の側壁22と第2の側壁23との離間距離より短くなる。この場合、区画板27の第1の端部27a側の縁部が、連通孔Hを形成する縁部となる。
【0038】
○ 実施形態において、貫通孔32が設けられる壁部は、天板26であってもよい。
○ 実施形態において、電池パックBPは車両などに搭載されていてもよい。
【符号の説明】
【0039】
BP…電池パック、H…連通孔、S1…収容空間、S2…排出空間、S3…貯留部、20…ケース、22…第1の側壁、23…第2の側壁、24…第3の側壁、25…第4の側壁、27,70…区画板、27a,70a…第1の端部、27b,70b…第2の端部、28…第2板部材、29…第3板部材、30…第1板部材、33…圧力開放弁、41…二次電池。
図1
図2
図3
図4
図5