(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
現在、大学等の施設において各教室に出席管理端末を設置することにより、各講義に出席した学生の出欠管理を自動化で行っている(特許文献1参照)。
また、履修登録においては専用の端末が設けられている場合や、インターネットなどのWEB登録が用いられているのが一般的である。
さらに、予め設定し、講義を行う予定の教室から変更を行う際に、仮履修期間中にある程度の学生数を把握する必要があるが、現在は手動による計算を行っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のように履修登録において専用端末が必要であるとコストがかかるという問題もあった。また、WEB登録を行う場合であっても各個人による作業が必要であり、大学の場合は講義数も多く登録間違いが起こる可能性があった。
【0005】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、履修登録のための専用の端末を設けることなく、履修登録を確実に行うことができる出席管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するために、(1)本発明は、講義に対する出席または欠席を示す出席情報を学生情報に対応して管理する管理サーバと、各教室に配置され、学生が所持する記録媒体である学生証から、リーダライタによって前記学生情報を読み取り、該学生情報を前記出席を示す出席情報に対応付けて前記管理サーバに送信する複数の出席管理端末とを有し、管理サーバは、講義の種別、及び履修期間を含む講義情報を、当該講義を実施する教室に配置された前記出席管理端末に配布する配布部と、前記講義情報を配布した出席管理端末から当該出席管理端末が配置された教室で実施される講義に対する履修登録情報を取得する取得部とを具備し、前記出席管理端末は、管理サーバから受信した前記講義情報を保持する情報保持部と、学生証である前記記憶媒体から学生情報を読み取ることにより、該学生情報を、前記情報保持部が保持している前記講義情報に含まれる講義に対する履修届出者として関連付ける関連付け部と、前記講義情報により規定される登録期間の終了後、前記情報保持部が保持している前記講義情報に当該講義に対する履修届出者として関連付けられた学生情報を含む履修登録情報を生成し、前記管理サーバに送信する情報送信部とを具備する出席管理システムを提供する。
【0007】
(2)前記配布部は、前記履修期間として、仮履修期間、または該仮履修期間より後の本履修期間のいずれかを含む前記講義情報を前記出席管理端末に配布し、前記関連付け部は、前記学生情報を、前記講義情報に含まれる講義に対する仮履修届出者、または本履修届出者として関連付ける(1)記載の出席管理システムを提供する。
(3)前記関連付け部は、前記学生情報と前記講義内容に基づき当該学生が仮履修届資格者であるか否かを判定し、学生が仮履修届資格者であると判定された場合に前記関連付けを行う(2)記載の出席管理システムを提供する。
【0008】
(4)前記管理サーバは、前記出席管理端末から収集した前記仮履修登録情報に含まれる学生情報に基づき、前記講義に対する仮履修届出者数を教室毎に集計する集計手段を更に具備する(2)または(3)記載の出席管理システムを提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、履修登録のための専用の端末を設けることなく、履修登録を確実に行うことができる出席管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態という)について詳細に説明する。なお、本実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。本実施形態は、大学等における出席または欠席の管理を行うために用いらえる出席管理システムなどに適用される。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による出席管理システムの構成を示すブロック図である。
図1に示すように、出席管理システムは、教室600の各教室610A〜610Fのそれぞれに備えられた複数の出席管理端末10A〜10Fと、ターミナルアダプタとして機能する出席管理端末20と、管理サーバ40と、それらを接続するネットワーク30とから構成されている。
以下、出席管理端末を単に「端末」という。
【0013】
出席管理システムは、大学等の学校における出席または欠席の管理を集中的に行うためのものである。各教室610A〜610Fには、それぞれ端末10A〜10Fが配置されている。端末10A〜10Fは、少なくともICカードを読み書きするリーダライタと無線機能が設けられている。複数の端末10A〜10Fは、学生が所持する記録媒体である学生証から、リーダライタ14によって学生情報を読み取り、学生情報を出席を示す出席情報に対応付けて端末20を介して管理サーバ40に送信する。
端末20は、ターミナルアダプタとして機能して各端末10A〜10Fと管理サーバ40間のデータの送受信を行う。
管理サーバ40は、講義に対する出席または欠席を示す出席情報を学生情報に対応して管理する。
【0014】
図2は、本発明の実施形態による管理サーバの構成を示すブロック図である。
図2に示すように、管理サーバ40は、制御部41、送信部42、操作部43、表示部44、RAM(Random Access Memory)/ROM(Read Only Memory)45、配布部46、取得部47を備える。
制御部41は、例えばCPU(Central Processing Unit)により構成され、出席管理と履修情報の管理に必要な制御を行う。送信部42は、外部との情報の送受信を行う。操作部43は、ユーザや管理者によって操作され、管理サーバ40に対して所定の入力を行うものである。表示部44は、ユーザや管理者に対して出力を行う。RAM/ROM45は、作業領域として使用され、また各種プログラムが格納されている。
【0015】
配布部46は、講義の種別、及び履修期間を含む講義情報を、講義を実施する教室に配置された端末20に配布する。履修期間には、仮履修期間、または仮履修期間より後の本履修期間のいずれかを含む。取得部47は、講義情報を配布した端末から端末が配置された教室で実施される講義に対する履修登録情報を取得する。制御部41は、端末から収集した仮履修登録情報又は本履修登録情報に含まれる学生情報に基づき、講義に対する仮履修届出者数又は本履修届出者数を教室毎に集計する。
【0016】
図3は、本発明の実施形態による出席管理端末の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、端末10は、制御部11、アンテナ12、無線LAN部13、リーダライタ14、操作部15、センサ部16、表示部17、RAM(Random Access Memory)/ROM(Read Only Memory)部18、電源部19、情報保持部110、関連付け部111、履修登録情報送信部112を備える。尚、端末20も端末10と同様に構成されている。
【0017】
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)により構成され、出席管理に必要な制御を行う。この制御部11は集計手段として機能する。リーダライタ14は、非接触型のものであって、非接触型のカード50に対して読み書きを行う。操作部15は、ユーザや管理者によって操作され、端末10に対して所定の入力を行うものである。センサ部16は、各種検出を行う。表示部17は、ユーザや管理者に対して出力を行う。RAM/ROM部18は、作業領域として使用され、また各種プログラムが格納されている。電源部19は、例えば充電式バッテリ等より構成され、出席管理端末全体に電源を供給する。
【0018】
情報保持部110は、管理サーバ40から受信した講義情報を保持する。関連付け部111は、学生証である記憶媒体から学生情報を読み取ることにより、学生情報を、情報保持部110が保持している講義情報に含まれる講義に対する履修届出者として関連付ける。履修届出者には、仮履修届出者、または本履修届出者が含まれる。
【0019】
関連付け部111は、学生情報と講義内容に基づき学生が仮履修届資格者であるか否かを判定し、学生が仮履修届資格者であると判定された場合に関連付けを行うようにしてもよい。
履修登録情報送信部112は、講義情報により規定される登録期間の終了後、情報保持部110が保持している講義情報に講義に対する履修届出者として関連付けられた学生情報を含む履修登録情報を生成し、管理サーバ40へ送信する。
【0020】
図4は、学生証に格納されるテーブル情報を示す図である。
図4に示すように、学生証50のテーブル550には、学生番号、氏名、性別、履修する学科等の情報が記憶されている。
【0021】
図5は、講義情報としてのテーブル情報を示す図である。
図5に示すように、講義情報としては、テーブル180には、教室番号、科目名、科目ID、曜日、開始時刻、終了時刻、時限、仮履修期間、本履修期間、対象学科等の情報が記憶されている。
【0022】
図6は、本発明の実施形態に係る仮履修登録の処理フローチャートである。
図7は、本発明の実施形態に係る本履修登録の処理フローチャートである。
図1に示した例では、通信経路は、管理サーバ40→端末20→端末10A→端末10B→端末10C→端末10D→端末10E→端末10Fとする。
【0023】
図6に示すように、管理者が各講義情報に対して仮履修期間を管理サーバ40に入力する(ステップS401)。管理サーバ40の配布部46は、講義の種別、及び仮履修期間を含む講義情報を、講義を実施する教室に配置された端末20に配布する(
図5、ステップS402)。端末20は、上記通信経路に従って、端末10Aに送信し、端末10Aは、端末10Bに送信し、端末10Bは端末10Cへ送信し、端末10Cは端末10Dへ送信し、端末10Dは端末10Eに送信し、端末Eは端末10Fに送信する。
【0024】
端末10A〜10Fは、各講義情報を受信する(ステップS101)。端末10A〜10Fのリーダライタ14は、学生証から学生情報を読み取る(
図4、ステップS102)。端末10A〜10Fの関連付け部111は、学生が講義を受講する資格があるか否かをチェックする(ステップS103)。端末10A〜10Fの関連付け部111は、学生が講義を受講する資格が無いと判定した場合、「本講義を受講する資格がありません。」と端末10A〜10Fの表示部17に表示する(ステップS104)。
【0025】
一方、端末10A〜10Fの関連付け部111は、学生が授業を受講する資格が有ると判定した場合、次に仮履修期間か否かを判定し(ステップS105)、仮履修期間を経過している場合(ステップS105で「NO」)には処理を終了し、仮履修期間中の場合(ステップS105で「YES」)、仮履修登録情報を情報保持部110に記憶する(ステップS106)。端末10A〜10Fの関連付け部111は、学生情報を、情報保持部110が保持している講義情報に含まれる講義に対する仮履修届出者として関連付ける。
【0026】
端末10A〜10Fのリーダライタ14は、仮履修登録情報を学生証へ書き込む(ステップS107、S551)。端末10A〜10Fは、出席人数カウントをインクリメントする(ステップS108)。端末10A〜10Fの履修登録情報送信部112は、講義情報により規定される登録期間の終了後、情報保持部110が保持している講義情報に講義に対する履修届出者として関連付けられた学生情報を含む仮履修登録情報と出席人数を生成する。端末10F→端末10E→端末10D→端末10C→端末10B→端末10A→端末20の順に仮履修登録情報と出席人数を順次送っていき、端末20が仮履修登録情報と出席人数を管理サーバ40へ送る(ステップS109)。
【0027】
管理サーバ40の取得部47は、講義情報を配布した端末から端末が配置された教室で実施される講義に対する仮履修登録情報と出席人数を取得する(ステップS403)。管理サーバ40の制御部41は、端末10A〜10Fから収集した仮履修登録情報に含まれる学生情報に基づき、講義に対する仮履修届出者数を教室毎に集計する。
【0028】
次に、本履修登録について説明する。
図7に示すように、管理者が各講義情報に対して本履修期間を管理サーバ40へ入力する(ステップS410)。管理サーバ40は、講義の種別、及び本履修期間を含む講義情報を、講義を実施する教室に配置された端末20に配布する(
図5、ステップS411)。端末20は、上記通信経路に従って、端末10Aに送信し、端末10Aは、端末10Bに送信し、端末10Bは端末10Cへ送信し、端末10Cは端末10Dへ送信し、端末10Dは端末10Eに送信し、端末Eは端末10Fに送信する。端末10A〜10Fは、各講義情報を管理サーバ40から受信する(ステップS110)。端末10A〜10Fのリーダライタ14は、学生証から学生情報を読み取る(
図4、ステップS111)。
【0029】
端末10A〜10Fの関連付け部111は、本履修期間、かつ仮履修登録済みか否かを判定し(ステップS112)、本履修期間でない場合又は仮履修登録がされていない場合には表示部17にその旨を表示する(ステップS116)。端末10A〜10Fの関連付け部111は、本履修期間、かつ仮履修登録済みであると判定した場合、本履修登録情報を情報保持部110に記憶する(ステップS113)。端末10A〜10Fの関連付け部111は、学生情報を、情報保持部110が保持している講義情報に含まれる講義に対する本履修届出者として関連付ける。
【0030】
端末10A〜10Fのリーダライタ14は、本履修登録情報を学生証に書き込む(ステップS114、ステップS555)。端末10A〜10Fの履修登録情報送信部112は、講義情報により規定される登録期間の終了後、情報保持部110が保持している講義情報に講義に対する履修届出者として関連付けられた学生情報を含む本履修登録情報と出席人数を生成する。端末10F→端末10E→端末10D→端末10C→端末10B→端末10A→端末20の順に本履修登録情報と出席人数を順次送っていき、端末20が本履修登録情報と出席人数を管理サーバ40へ送る(ステップS115)。
【0031】
管理サーバ40の取得部47は、講義情報を配布した端末から端末が配置された教室で実施される講義に対する本履修登録情報と出席人数を取得する(ステップS412)。管理サーバ40の制御部41は、端末から収集した本履修届出情報に含まれる学生情報に基づき、講義に対する本履修届出者数を教室毎に集計する。
【0032】
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。